JP2006275883A - 寸法測定方法および両端面干渉計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光路上に端度器の測長軸を光軸に一致させて配置し、端度器の相対向する端面の両側から各端面に対して直角に光を入射させて光波干渉測定を行う両端面干渉計を用い、端度器の各端面側での干渉縞画像を観測し、観測した各干渉縞画像に基いて相対向する端面間の寸法を測定する寸法測定方法において、両端面干渉計の光路上に被測定物となる端度器を設置し、得られた各干渉画像から被測定物の寸法測定値を求める被測定物測定工程と、干渉計の光学部材に起因した光の波面歪により生じる測定値への誤差を補正するための補正値を取得する補正値取得工程と、補正値取得工程で得た補正値と被測定物測定工程で得た寸法測定値を基に補正された寸法測定値を求める補正工程と、を含むことを特徴とする寸法測定方法。
【選択図】 図1
Description
特許文献2,3に示された両端面干渉計では被測定物の両端面側から光を照射し、各端面側で観察した干渉縞画像を基に被測定物の端面間の寸法測定を行う。つまり、各端面側から観察した干渉縞画像を基に、端面中央部分の位相と端面脇での位相との差から上記の端数部を演算し、端面間の寸法測定を行う。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は両端面干渉計においてより高精度な寸法測定を行う方法および装置を提供することにある。
すなわち本発明の寸法測定方法は、光路上に端度器の測長軸を光軸に一致させて配置し、端度器の相対向する端面の両側から各端面に対して直角に光を入射させて光波干渉測定を行う両端面干渉計を用い、端度器の各端面側での干渉縞画像を観測し、観測した各干渉縞画像に対し、干渉縞画像内の端度器端面位置での干渉縞から求められる位相と端度器端面周囲の干渉縞から求められる位相とから算出される端数値を求め、各干渉縞画像から求めた端数値に基いて相対向する端面間の寸法を測定する寸法測定方法において、前記両端面干渉計の光路上に被測定物となる端度器を設置し、前記各干渉画像から端数値を算出して、被測定物の寸法測定値を求める被測定物測定工程と、干渉計の光学部材に起因した光の波面歪によって干渉縞が歪むことで、それにより生じる前記端数値への誤差を補正するための補正値を取得する補正値取得工程と、前記補正値取得工程で得た補正値と被測定物測定工程で得た寸法測定値を基に、補正された寸法値を求める補正工程と、を含むことを特徴とする。
上記の寸法測定方法において、前記補正値取得工程では、前記両端面干渉計の光路上に被測定物を未設置の状態で、両側から干渉縞画像を観察し、前記被測定物が前記光路上に設置されていると仮定したときに、干渉縞画像内で被測定物の端面が位置していたであろう場所での干渉縞の位相と、被測定物の端面周囲に対応したであろう場所での干渉縞の位相とから端数値を算出し、各干渉縞画像から求めた端数値を基に補正値を求め、前記補正工程では、被測定物測定工程で得た寸法測定値と前記補正値との差の絶対値を求め、それによって補正された寸法値を得ることが好適である。
上記の寸法測定方法において、前記補正値取得工程での、仮想の被測定物の端面が位置している位置、および仮想の被測定物の端面周囲に対応している位置の判断は、前記被測定物測定工程にて取得した干渉縞画像から得た端面の輪郭情報を基に行うことが好適である。
また、本発明の両端面干渉計は、光路上に端度器の測長軸を光軸に一致させて配置し、端度器の相対向する端面の両側から各端面に対して直角に光が入射され、端度器の各端面側での干渉縞画像を観測し、各干渉縞画像に対し、干渉縞画像内の端度器端面位置での干渉縞から求められる位相と端度器端面周囲の干渉縞から求められる位相とから算出される端数値を求め、各干渉縞画像から求めた端数値に基いて相対向する端面間の寸法を測定する両端面干渉計において、被測定物となる端度器が光路上に配置されたとき、前記各干渉縞画像から求めた端数値に基き、被測定物の寸法測定値を演算する寸法値演算手段と、前記測定時の被測定物の各端面での干渉縞画像を記憶する干渉縞記憶手段と、該干渉縞記憶手段にて記憶した干渉縞画像から、被測定物の各端面の輪郭情報を取得する輪郭情報取得手段と、被測定物未設置の状態で測定が行われ、前記輪郭情報取得手段にて取得した輪郭情報に基き、前記被測定物が前記光路上に設置されていると仮定したときに、被測定物の端面が位置していたであろう場所での位相と、被測定物の端面周囲に対応したであろう場所での位相とに基いて、補正値を演算する補正値演算手段と、を備え、補正値演算手段にて求めた補正値と、寸法値演算手段にて求めた被測定物の寸法測定値とから、補正された寸法値を算出することを特徴とする。
また、本発明の寸法測定方法によれば、波面歪の影響を取り除くための補正値を、被測定物が未設置の状態での測定によって得ているため、簡単に高精度な寸法測定を行うことが可能となる。
本発明の両端面干渉計によれば、干渉計の光学部品による波面歪の影響を取り除くことができるため、干渉計に高価、超高制度な光学部品を必要とすることなく、安価に高精度な測定を実現することができる。
本実施形態においては図1に記載の両端面干渉計10を使用する。図1の両端面干渉計10は、干渉計本体12と、コンピュータ等で構成されるデータ処理系14とを備える。
干渉計本体12ではハーフミラーHM2とハーフミラーHM3との間の光路上に、被測定物となる端度器(ブロックゲージGB)がその測長軸を光軸に一致させて配置される。ハーフミラーHM2、3からブロックゲージGBの相対向する各端面へ向けて、端面に垂直に光が照射され、各端面側での干渉縞画像が第一観察手段38(CCD1、第一結像光学系40)、第二観察手段42(CCD2、第二結像光学系44)にて撮像される。
また、本発明にかかる寸法測定方法は、上記の両端面干渉計を用いて端度器の相対向する端面(測定面)間の寸法の光波干渉測定を行う方法であって、被測定物の寸法値を実測する被測定物測定工程と、波面歪による系統誤差を補正する補正値を取得する補正値取得工程と、前記補正値を用いて、実測された寸法測定値を補正する補正工程とを含む。
次に補正値取得工程では、両端面干渉計の光路上にブロックゲージGBが未設置の状態での干渉縞画像を取得する。つまり、ブロックゲージが光路上に設置されていると仮定したときに、仮想のブロックゲージの一方の端面側の干渉縞画像と、他方の端面側の干渉縞画像との取得を実際にブロックゲージが設置されたときの測定と同様に行う。そして、各干渉縞画像内でブロックゲージの端面が位置していたであろう場所での干渉縞の位相と、ブロックゲージの端面周囲に対応したであろう場所での干渉縞の位相とに基いて端数値を求める。この端数値の求め方は、被測定物測定工程における端数値の求め方と同じである。つまり、仮想のブロックゲージ端面の両脇の位相の平均値を求め、その平均値と仮想のブロックゲージ端面中央の位相との差をとることで算出される。そして仮想のブロックゲージの予備値を0とおいて、実際の寸法算出の方法と同様に上記の端数値から仮想のブロックゲージの寸法測定値を求める。この仮想のブロックゲージの寸法測定値が補正値となる。
補正工程では、補正値取得工程で得た補正値と被測定物測定工程で得た寸法測定値との差の絶対値を演算する。こうして得られた値が補正された寸法値となる。
以上が本発明の概略構成であり、以下にさらに詳細に説明を行う。
特許文献3に記載された干渉計(図1参照)は、非密着光波干渉測定装置とも称されている。類似の干渉計としては、特許文献2で示される干渉計などがある。このように、二つの平行な測定面(端面)を持つ端度器や同様な形状の測定物に対して、測定面に垂直方向から光を入射させ、その寸法を測定する干渉計を総称して、本発明では両端面干渉計と呼ぶ。
図1に示す両端面干渉計10の干渉計本体12は、レーザ光源26と、コリメータレンズ30と、反射鏡32と、ハーフミラーHM1と、第一干渉手段34と、第二干渉手段36とを備える。第一干渉手段34はハーフミラーHM2と第一参照鏡RM1とによって構成されている。また、第一干渉手段34の後段にはCCDカメラ1および第一結像光学系40によって構成される第一観察手段38が設置される。同様に第二干渉手段36はハーフミラーHM3と第二参照鏡RM2とで構成されている。第二干渉手段36の後段にはCCDカメラ2および第一結像光学系44によって構成される第二観察手段42が設置されている。
次に上記干渉計における寸法算出の原理を説明する。ここでブロックゲージGBの両端面間の距離をLBとすると、
次に端数の算出について説明する。図2にCCD1で撮像した干渉縞の例と、その位相検出位置を示す。干渉領域におけるブロックゲージ測定面の重心位置をプログラムにより検出し、その点の位相を測定面中央の位相b1とする。次にブロックゲージ周囲の干渉縞部分において、先に検出した中央位置を挟む両脇2点の位置をプログラムにより検出し、それぞれの位相をa1、c1とする。この両脇2点の位相の平均値(以下、脇の位相)と中央の位相より、CCD1側で算出される端数ε2−ε1は、
式7,8を合計したものがブロックゲージの端数εとなり、
この端数値εが半波長以下のブロックゲージの長さ情報となり、正確な波長およびN(干渉次数整数部)が既知であれば、ブロックゲージの寸法が求められる。
次に本実施形態にかかる補正値の算出方法の原理を説明するために、図1で示した干渉計を以下の条件でモデル化し、波面歪によって生じる系統誤差の評価を行う。図3は図1の干渉部のみを取り出して示したものである。
各光学部材間の距離を次の記号で表す(図3参照)。
HM1−HM2:a
HM2−HM3:b
HM1−HM3:c
HM2−RM1:d
HM3−RM2:e
ブロックゲージ寸法:LG
また、上記の波面歪等による位相変化は反射時のブロックゲージ中央のみの影響を受けると仮定する。さらに光学部品の厚さは無視した。
CCD1側で測定されるブロックゲージ中央を通る光路長LGC1(ただし、HM1→HM2→RM1→HM2という光路を経た第一参照光の光路長を引いたもの)は
本発明者らは上記の(式16)に着目することで、第二項の系統誤差成分を簡単な方法により求め、測定値の補正を行う方法を開発した。以下、これについて説明する。
上記の系統誤差はブロックゲージを設置せず、測定ワーク(被測定物)のない状態で空測定を行うことで測定することができる。この空測定では測定ワークのない状態で寸法を測るので、等価的に長さ0のワークを測定していることに相当する。
空測定で求められる長さを計算する。図4に空測定時の干渉計光路を示す。
すなわち、あらかじめ空測定により補正値を求めておき、その値を用いて寸法測定結果を補正すれば光学部品による波面歪の影響による系統誤差を除去することができることが分かる。
以上のように、本実施形態にかかる方法および装置によれば、光学部品による系統誤差を簡単に計測でき、測定値を補正することができる。そのため、干渉計に高価、超高精度な光学部品を必要とすることなく、安価に高精度に計測をすることができる。
また、本実施形態にかかる方法は、上記実施形態で示したような非リンギング方式(非密着)の光波干渉測定に適用することが好適である。なぜならリンギングを伴う方法でも原理的には上記と同様な方法で行えば補正は可能であるが、リンギング相手としてベースプレートやオプティカルフラットなどを用いるため、これらベースプレートの平面度に限界がある点と、空測定と実際の測定とでベースプレートの設置位置等を完全に再現することが難しい点とを考慮すると実用的でないからである。
12 干渉計本体
14 データ処理系
16 寸法演算手段
18 干渉縞画像記憶手段
20 輪郭情報記憶手段
22 補正値演算手段
Claims (4)
- 光路上に端度器の測長軸を光軸に一致させて配置し、端度器の相対向する端面の両側から各端面に対して直角に光を入射させて光波干渉測定を行う両端面干渉計を用い、端度器の各端面側での干渉縞画像を観測し、観測した各干渉縞画像に対し、干渉縞画像内の端度器端面位置での干渉縞から求められる位相と端度器端面周囲の干渉縞から求められる位相とから算出される端数値を求め、各干渉縞画像から求めた端数値に基いて相対向する端面間の寸法を測定する寸法測定方法において、
前記両端面干渉計の光路上に被測定物となる端度器を設置し、前記各干渉画像から端数値を算出して、被測定物の寸法測定値を求める被測定物測定工程と、
干渉計の光学部材に起因した光の波面歪によって干渉縞が歪むことで、それにより生じる前記端数値への誤差を補正するための補正値を取得する補正値取得工程と、
前記補正値取得工程で得た補正値と被測定物測定工程で得た寸法測定値を基に、補正された寸法値を求める補正工程と、を含むことを特徴とする寸法測定方法。 - 請求項1記載の寸法測定方法において、
前記補正値取得工程では、前記両端面干渉計の光路上に被測定物を未設置の状態で、両側から干渉縞画像を観察し、前記被測定物が前記光路上に設置されていると仮定したときに、干渉縞画像内で被測定物の端面が位置していたであろう場所での干渉縞の位相と、被測定物の端面周囲に対応したであろう場所での干渉縞の位相とから端数値を算出し、各干渉縞画像から求めた端数値を基に補正値を求め、
前記補正工程では、被測定物測定工程で得た寸法測定値と前記補正値との差の絶対値を求め、それによって補正された寸法値を得ることを特徴とする寸法測定方法。 - 請求項2記載の寸法測定方法において、
前記補正値取得工程での、仮想の被測定物の端面が位置している位置、および仮想の被測定物の端面周囲に対応している位置の判断は、前記被測定物測定工程にて取得した干渉縞画像から得た端面の輪郭情報を基に行うことを特徴とする寸法測定方法。 - 光路上に端度器の測長軸を光軸に一致させて配置し、端度器の相対向する端面の両側から各端面に対して直角に光が入射され、端度器の各端面側での干渉縞画像を観測し、各干渉縞画像に対し、干渉縞画像内の端度器端面位置での干渉縞から求められる位相と端度器端面周囲の干渉縞から求められる位相とから算出される端数値を求め、各干渉縞画像から求めた端数値に基いて相対向する端面間の寸法を測定する両端面干渉計において、
被測定物となる端度器が光路上に配置されたとき、前記各干渉縞画像から求めた端数値に基き、被測定物の寸法測定値を演算する寸法値演算手段と、
前記測定時の被測定物の各端面での干渉縞画像を記憶する干渉縞記憶手段と、
該干渉縞記憶手段にて記憶した干渉縞画像から、被測定物の各端面の輪郭情報を取得する輪郭情報取得手段と、
被測定物未設置の状態で測定が行われ、前記輪郭情報取得手段にて取得した輪郭情報に基き、前記被測定物が前記光路上に設置されていると仮定したときに、被測定物の端面が位置していたであろう場所での位相と、被測定物の端面周囲に対応したであろう場所での位相とに基いて、補正値を演算する補正値演算手段と、を備え、
補正値演算手段にて求めた補正値と、寸法値演算手段にて求めた被測定物の寸法測定値とから、補正された寸法値を算出することを特徴とする両端面干渉計。
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