JP2006275809A - 唾液採取器具および唾液採取装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被検者の口に直接あてがって唾液を吹き込む唾液注入口1、唾液をストック(貯蔵)する唾液チャンバ6、所定量の希釈液を内蔵した希釈室7、唾液注入口1と唾液チャンバ6および唾液チャンバ6と希釈室7をつなぐ管路4a〜4dを設け、唾液チャンバ6を外部から押圧して唾液チャンバ6の内容積を変化させ、この変化に基き唾液を計量しつつ希釈室7へ送り、唾液と希釈液を混合して唾液の希釈を可能にする。
【選択図】図1
Description
生化学検査および健康診断検査の分野においては、検査対象試料として、血液、唾液、尿など、多数の選択肢があるが、その中でも、唾液は、採取時の肉体的、精神的苦痛が最も少なく、しかも、血液中の動態とある程度の相関を有している。
以上のような背景から、唾液を検査対象としたマーケットは今後の広がりが非常に期待できる分野であり、通常の検査技術シーズは、ほぼ確立している。唾液の検査においては、一般に希釈した唾液を用いる。これらの検査に適用されている唾液の採取技術としては、例えば特許文献1〜3に示すものがあり、概略以下のような各種の方法に分類される。
1)被検者に繊維質を噛んでもらい、繊維質に唾液を染み込ませ、
2)の繊維質から唾液を回収して回収溶液に移し、
3)ピペットなどの計量器具にて、所定量を計量して試験管などの容器に量りとり、
4)そこに、定量の希釈液を添加し、振動器などにより攪拌して混合し、希釈する
という手順で実施される。上記手順のうち、2)以降の作業は全て、専門的な技術者により、専用器具および装置にて実施される。
(b)第2の方法としては、回収容器へ直接、唾液を吐き出す方式がある。この方式は、
1)被検者に、回収容器へ直接、唾液を吐き出してもらい、
2)容器内の唾液に対しては、上記(a)3)〜4)と同様にして処理する
という手順で実施される。専門的な技術者、専用器具および装置の必然性も同様である。
1)キット内の簡易的な採取器具を用いて、被検者に、自分の唾液を採取してもらい、
2)これを所定の検査機関に輸送してもらい、
3)検査機関にて、上記(a)3)〜4)と同様にして処理する
という手順で実施される。専門的な技術者、専用器具および装置の必然性も同様である。
(d)第4の方法としては、唾液検査キットを用いる方法がある。この方式は、
1)キット内の簡易的な採取器具を用いて、被検者に、自分の唾液を採取してもらい、
2)キット内の簡易的な検査器具を用いて、被験者に、簡易検査を実施してもらう、
という手順で実施される。キットによっては、専門的な技術者や専用器具および装置を必要としないタイプもある。
この発明は、以上の問題に対してなされたもので、簡便・迅速・低コストな、唾液採取器具および唾液採取装置を提供することを目的とする。更に、将来的には、この唾液検査装置を組み込んだ、簡便・迅速・低コストな、唾液自動検査システムの構築を可能にすることを、狙いとする。
前記唾液チャンバへの外部からの加圧により、唾液チャンバの内容積を変化させ、その体積変化を利用して唾液を計量しつつ希釈室へ輸送し、さらに、外部からの加振により、唾液と希釈液を混合させ、唾液の迅速な希釈を可能にしたことを特徴とする。
唾液の採取・計量・希釈を、ひとつの器具の内部で完結させることができる。そのため、採取から希釈に至るまでの一連の工程が連続的かつ自動的に実施可能となり、所要時間が短縮できる。また、一連の工程が同一器具内で完了するため、工程途中における、外部からの異物混入を防止することができる。そのため、使用環境のクリーン度への配慮も不要となる。しかも、使用する器具が単数で済むため、ディスポーザブルの場合でも、廃棄物量を抑制しやすい。また、器具をリサイクルがする場合でも、洗浄排水の量は、採取容器、計量器具・希釈容器を要する場合に比べ、はるかに少量で済む。よって、ディスポーザブル、リサイクルのいずれの場合でも、環境への負荷の軽減が期待できる。さらに、採取の際の動作は、器具を直接、口にあてがって、器具内に吹き込むだけで済むため、行為としては、吹奏楽器の演奏や風船を膨らます行為に近く、被検者の抵抗感を緩和できる。また、唾液が人目に触れる心配が無いため、人目を気にせずに使用できる。
上記請求項1または2の発明においては、前記第2の管路の途中に逆止弁を配置し、希釈室内の液体の唾液チャンバ側への逆流を防止することができる(請求項3の発明)。この発明によれば、希釈室内に予め内蔵されている希釈液が、唾液チャンバ側へ逆流することを防げる。また、希釈室内に唾液が輸送された後に、希釈室が加振される際に、加振による衝撃があっても、逆流を防ぐことができる。
上記請求項1〜4のいずれかの発明においては、前記接口部近傍の外形部にテーパを付与し、子供から大人の口に至るまでのサイズに適合する形状とすることができる(請求項5の発明)。この発明によれば、子供から大人までの様々なサイズの口にもフィット(適合)させることができる。
その際には、前述のような、この発明の唾液採取器具の使用場所を限定しないという特徴は、重要なポイントとなることが予測される。すなわち、被検者の抵抗感、および外部からの異物混入への配慮が不要であるため、検査システム機の設置場所としては、非常に広い選択肢を得られる。そのため、マーケット拡大が実現しやすいことが期待できる。
本器具の主な構成は、被検者の口に直接あてがって唾液を吹き込む唾液注入口1と、唾液をストック(貯蔵)する唾液チャンバ6と、所定の量の希釈液8を内蔵した希釈室7と、唾液注入口1および唾液チャンバ6の間をつなぐ管路4a,4bと、唾液チャンバ6および希釈室7の間をつなぐ管路4c,4dとからなっている。
唾液チャンバ6に対して、図示しない外部からのカム機構により圧力を加えると、唾液チャンバの内容積が変化させられ、その変化に基き唾液が直接または間接的に計量されつつ希釈室7へ輸送される。更に、図示しない外部からの加振機能により、希釈室7の内部にて、唾液と希釈液8を混合させ、迅速に唾液を希釈することができる。
一方、被検者の口に直接あてがわれる接口部2の部材としては、柔軟性、生体親和性、安全性のある材料を用いることが望ましい。例えば、コンタクトレンズ素材は、柔軟性、生体親和性、安全性の面で既に実績があるため、転用が期待される。その他の候補としては、含有ゲルCL(SCL)、イオン性含水ゲル、ポリビニルアルコール(PVA)系材料、などを想定している。
更に、器具上面9の一部には、上面凹み部10が形成されており、図示しないカム機構の形状と合致するような構造となっている。また、器具下面11の一部には、下面部段差12が形成されており、カム機構が作動する際の補助的な役割を果たしている。なお、器具側面14は、被検者が持ち易いようにヒト(人)の指にフィットする形状とし、被検者が本器具を手に取る際には、意識しなくても、器具側面14に指がいくような構造とする。これにより、上面凹み部へ誤って加圧することを防止している。
すなわち、唾液採取器具を挿入する挿入口16と、挿入径路を誘導する固定スライダ17と、カム機構18と、ストッパ19と、図示しない加振機能とからなっている。
被検者が、唾液希釈器具15を、器具背面13から先に、唾液採取器具挿入口16に挿入する。挿入後は、自動的に、固定スライダ17により挿入径路を誘導し、カム機構18により、唾液チャンバ6を加圧しつつ搬送し、ストッパ19により、搬送された唾液希釈器具15の位置決めをしつつ固定する。続いて、自動的に、唾液採取器具15に対して図示しない振動機能が作動する。これにより、被検者は、唾液採取器具15を挿入するだけで、唾液の希釈が自動的かつ迅速に完了する。
なお、カム機構については、最終的に装置として市場に出す段階では、カム機構を設けずに、被検者の押し込み力を利用しても良い。これによれば、装置の構造を単純化できるため、コスト低減が期待できる。
いま、被検者31が操作パネル21にて操作すると、唾液採取器具取出口26から、唾液採取器具15が出てくる。この唾液採取器具15に被検者31が唾液を採取した後、唾液採取器具挿入口23から挿入すると、被検者のなすべき作業は完了する。以下は、システム機内部での自動動作である。
まず、制御ユニット22からの制御により、唾液希釈・検出ユニット24にて、唾液の希釈・検出が自動的に行われ、操作パネルに、結果が表示される。これにより、被検者は、唾液採取をしたその場で、数分後には、検査結果を得ることも可能となる。
Claims (6)
- 被検者の口に直接あてがって唾液を吹き込む唾液注入口と、唾液をストックする唾液チャンバと、所定の量の希釈液を内蔵した希釈室と、前記唾液注入口と唾液チャンバとの間をつなぐ第1の管路と、唾液チャンバと希釈室との間をつなぐ第2の管路とを備え、
前記唾液チャンバへの外部からの加圧により、唾液チャンバの内容積を変化させ、その変化に基き唾液を計量しつつ希釈室へ輸送し、さらに、外部からの加振により、唾液と希釈液を混合させ、唾液の迅速な希釈を可能にしたことを特徴とする唾液採取器具。 - 前記第1の管路の途中に逆止弁を配置し、唾液チャンバ内の唾液が唾液注入口側へ逆流することを防止することを特徴とする請求項1に記載の唾液採取器具。
- 前記第2の管路の途中に逆止弁を配置し、希釈室内の液体が唾液チャンバ側へ逆流することを防止することを特徴とする請求項1または2に記載の唾液採取器具。
- 前記唾液注入口において、被検者の口に直接あてがわれる接口部の部材として、柔軟性、生体親和性、安全性のある材料を用いたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の唾液採取器具。
- 前記接口部近傍の外形部にテーパを付与し、子供から大人の口に至るまでのサイズに適合する形状とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の唾液採取器具。
- 請求項1〜5のいずれかの唾液採取器具を挿入するための唾液採取器具挿入口と、挿入径路を誘導する固定スライダと、挿入された唾液採取器具の唾液チャンバを加圧しつつ搬送させるカム機構と、搬送された唾液採取器具の位置決めをしつつ固定するストッパとを有し、さらに、唾液採取器具に対して振動を加える機能を備え、挿入された唾液採取器具の内部にて、自動的かつ迅速に唾液を計量・輸送し、希釈液と混合させ、希釈可能にしたことを特徴とする唾液採取装置。
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