JP2006275351A - ガス加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス加熱装置を提供する。
【解決手段】被加熱流体を発熱体に接触させることにより加熱流体を製造する装置において、容器内部に設置されたマイクロ波吸収性に優れた発熱体と、該容器外部に設置された前記発熱体を加熱するマイクロ波加熱手段とを有することを特徴とするガス加熱装置、発熱体が、マイクロ波照射による自己発熱により800℃以上に発熱することが可能なセラミック材料から構成される前記のガス加熱装置、及び前記のガス加熱装置のガス流入口に水蒸気あるいは水蒸気を含む混合ガスを導入し、容器内部に設置された発熱体に該ガスを接触させることにより過熱水蒸気又は水素含有ガスを製造することを特徴とする高温ガス製造方法。
【効果】本発明により、800℃以上の過熱水蒸気を長時間、安定して供給することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規なガス加熱装置に関するものであり、更に詳しくは、セラミック材料から成るマイクロ波吸収発熱体とマイクロ波加熱手段を組み合わせて、高温の過熱水蒸気を長時間、安定して供給することを可能とする高温過熱水蒸気製造装置に関するものである。
本発明は、従来装置では困難と考えられていた、800℃以上の高温の過熱水蒸気を長時間、安定して発生できるとともに、高温過熱水蒸気による有機性廃棄物の分解処理や有害化学物質の分解除去、及びバイオマスを含めた未利用資源からの水素の製造等に好適に利用することが可能であり、しかも、長期間使用しても劣化のない高耐腐食性能を有する新しい加熱方式による新しいガス加熱装置を提供するものである。
蒸気発生器(スチーマー)をはじめとするガス加熱装置は、その発熱手段として、抵抗式ヒータのほか、電磁誘導加熱を利用したヒータ等も提案されている。水蒸気の発生装置を例に挙げると、水をパイプの中に流通させている間にそのパイプを電気ヒータ等により加熱して水蒸気に変えるとともに、その水蒸気を前記加熱手段で更に加熱して過熱水蒸気を発生させる外熱式のガス加熱方法が最も一般的な方法として知られている(例えば、特許文献1)。
しかし、このような外熱方式でガスを加熱した場合、熱交換の効率が悪く、急速かつ高温にガスを加熱できないという問題があった。そこで、最近では、以下のように、誘導加熱により加熱された発熱手段に、直接、被加熱ガスを流通させ、効果的にガスの加熱を行う手法が開発されている。
例えば、垂直方向に立てられた中空内部の下端側を滞水ゾーンとする導電性の筒体、又は中空内部のほぼ全長に亘って導電性の資材が配備された非導電性の筒体と、前記滞水ゾーンに水を供給する給水部と、前記滞水ゾーンの水位を調整する水位調整機構と、前記筒体の外周囲に前記滞水ゾーン並びにその上方に残された空間ゾーンに亘って巻かれた誘導コイルとを備えて成る過熱水蒸気発生装置が提案されている(特許文献2)。
また、例えば、低周波から高周波まで切替え通電可能な誘導コイルが巻き回された円筒状絶縁セラミック体と、該円筒状絶縁セラミックス体内に積層配置される複数の流路用貫通穴が形成された円盤状誘導発熱体と、該円盤状誘導発熱体間に介装されるリング状絶縁スペーサーとを備えて成り、前記円筒状セラミック体の低板部に絶縁体内に流体を供給する流体供給口を設けるとともに、前記円筒状絶縁セラミック体の天板部に絶縁体内部で誘導加熱により熱交換されて高温となった蒸気の取出し口を設けてなることを特徴とする高温蒸気発生装置が提案されている(特許文献3)。
誘導加熱を用いた先行文献の装置では、加熱を目的としたガスと発熱手段が直接的に接触するので、熱交換が容易であり、高い効率でガスの加熱を行うことが可能である。しかし、高温加熱を目的とした場合、その加熱原理から、いくつかの問題点を有していた。
誘導加熱においては、誘導加熱コイルと発熱手段を至近距離で設置させる必要がある。誘導加熱コイルとしては、銅製の水冷コイルが最も一般的に用いられている。このため、発熱手段が高温に加熱された場合、コイルの融損を防ぐために冷却水量を増大させる必要があり、結果として、水冷コイルからの熱損失が極めて大きくなるという問題点があった。
また、誘導加熱において、発熱手段は、導電体の必要があり、このための導電性材料としては、金属、金属間化合物あるいはカーボンが最も汎用的に用いられている。しかし、いずれの材料も、高温の水蒸気中での耐食性に乏しく、800℃を超える過熱水蒸気を長期にわたり安定して発生させることは困難であるという問題点があった。
このように、誘導加熱により、ガス流路に設置した発熱手段を直接的に加熱する手法は、ガスの加熱温度がさほど高くない場合においては高い効率を有するものの、例えば、ガスを800℃以上の高温に加熱する場合は、効率が低下すること、また、過熱水蒸気など腐食性の強いガスを高温に加熱することは非常に困難であること、等の問題点を有していた。
特に、過熱水蒸気の利用分野は、例えば、乾燥、殺菌、及び食品加工などにとどまらず、最近では、例えば、有機性廃棄物や有害物質の分解除去あるいはバイオマス等の高度資源化へ用いられるようになってきた。後者の利用においては、より高温で多量の過熱水蒸気の供給が求められ、誘導加熱による前記構造の装置では、この要望に十分応えられないという問題があった。
一方、マイクロ波加熱による過熱水蒸気の製造方法について、先行文献には、例えば、マイクロ波透過性を持ち、かつ通気性と吸水性を有する多孔体を加熱することにより短時間で過熱水蒸気を発生させることを目的とした装置が提案されている(特許文献5)。しかし、本装置は、調理用の過熱水蒸気(〜300℃程度)の発生を目的にマイクロ波透過性多孔体に保持された水をマイクロ波で直接加熱するものであり、コンセプト、及び過熱水蒸気の温度域ともに本発明と大きく相違している。
また、他の文献には、半導体製造用の高純度水蒸気を製造するために、マイクロ波で直接純水を加熱する装置が提案されている(特許文献4)。しかし、この装置では、生成する水蒸気は低温飽和水蒸気であり、半導体プロセス用に更に加熱管で再加熱することを前提にしている。このように、従来、誘導加熱やマイクロ波加熱による過熱水蒸気の製造が種々試みられてきたが、800℃以上の過熱水蒸気を長時間、安定して供給することは困難とされており、当技術分野では、高温で多量の過熱水蒸気を供給することが可能な新しい技術を開発することが強く要請されていた。
特開2001−41568号公報 特開2003−297537号公報 特開2003−336801号公報 特開2001−267061号公報 特開平9−273755号公報
このような状況下において、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、高温で多量の過熱水蒸気を供給することが可能な新しいガス加熱装置を開発することを目標として鋭意研究を重ねる中で、ガス流路に設置した発熱体を直接加熱することによりガスを加熱する手法において、誘導加熱に代替し得る加熱手段を検討した結果、マイクロ波吸収発熱体とマイクロ波加熱手段を組み合わせることにより所期の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の目的は、水蒸気などの腐食性の強いガスを高い効率でかつ800℃以上の高温に加熱して長時間、安定して供給することができる装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)被加熱流体を発熱体に接触させることにより加熱流体を製造する装置において、容器内部に設置されたマイクロ波吸収性に優れた発熱体と、該容器外部に設置された前記発熱体を加熱するマイクロ波加熱手段とを有することを特徴とするガス加熱装置。
(2)発熱体が、マイクロ波照射による自己発熱により800℃以上に発熱することが可能なセラミック材料から構成される前記(1)に記載のガス加熱装置。
(3)容器が、800℃以上の耐熱性を有するセラミック材料から構成される前記(1)に記載のガス加熱装置。
(4)少なくとも水蒸気を含む被加熱流体を発熱体と接触させることによって600℃以上の高温過熱水蒸気を発生させる前記(1)から(3)のいずれかに記載のガス加熱装置。
(5)少なくとも水蒸気を含む被加熱流体を発熱体と接触させることによって水素含有ガスを発生させる前記(1)から(4)のいずれかに記載のガス加熱装置。
(6)被加熱流体が水蒸気を含むガスであって、発熱体と接触させることによって水素含有ガスを発生させる前記(1)から(4)のいずれかに記載のガス加熱装置。
(7)容器が、被加熱流体の流入口及び加熱流体の排出口を備えた前記(1)に記載のガス加熱装置。
(8)被加熱流体が、水又は水蒸気である前記(1)に記載のガス加熱装置。
(9)マイクロ波発生装置を導波管を経て接続したチャンバの内部に、ガス流入口とガス流出口を有するセラミック容器を設置し、該容器の内部にマイクロ波吸収発熱体を設置し、該容器に被加熱流体を導入するガス送入管と加熱流体を送出するガス送出管を接続したことを特徴とするガス加熱装置。
(10)前記(1)から(9)のいずれかに記載のガス加熱装置のガス流入口に水蒸気あるいは水蒸気を含む混合ガスを導入し、容器内部に設置された発熱体に該ガスを接触させることにより過熱水蒸気又は水素含有ガスを製造することを特徴とする高温ガス製造方法。
(11)高温ガスが、800℃以上の過熱水蒸気である前記(10)に記載の高温ガス製造方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、被加熱流体を発熱体に接触させることにより加熱流体を製造する装置において、容器内部に設置されたマイクロ波吸収性に優れた発熱体(マイクロ波吸収発熱体)と、該容器外に設置された前記発熱体を加熱するマイクロ波加熱手段とを組み合わせたこと、そして、前記発熱体を、マイクロ波照射による自己発熱により800℃以上に発熱することが可能なセラミックス材料で構成したこと、少なくとも水蒸気を含む被加熱流体を前記発熱体と接触させることによって600℃以上の高温過熱水蒸気を発生させること、を特徴とするものである。
本発明において、前記被加熱流体として、例えば、水又は水蒸気を使用することが可能であり、該被加熱流体を発熱体と接触させることによって、過熱水蒸気を発生させることが可能である。また、本発明では、水を水蒸気(ガス)として容器に導入して過熱水蒸気を製造する際に、ガスにメタンなどの炭化水素ガスを混入する、あるいは炭素や有機物を混在させることにより、水素含有ガスを発生させることが可能である。
本発明は、上述のマイクロ波吸収発熱体と、マイクロ波加熱手段を組み合わせて、被加熱流体をマイクロ波を吸収して高温に加熱された発熱体と直接的に接触させて800℃以上の高温過熱水蒸気を連続的に製造することを特徴とするものであり、これらの基本構成のほかは、適宜の手段を任意に付加することが可能である。また、本発明のガス加熱装置の具体的な構成についても、その使用目的等に応じて任意に設計することが可能である。
本発明では、マイクロ波発生装置を導波管を経て接続したチャンバの内部に、ガス流入口とガス流出口を有するセラミック容器を設置し、該容器の内部にマイクロ波吸収発熱体を設置し、該容器に被加熱流体を導入するガス送入管と加熱流体を送出するガス送出管を接続したことを特徴とするガス加熱装置が好適なものとして例示される。そして、本発明では、被加熱流体をマイクロ波吸収発熱体と接触させることにより800℃以上の高温加熱流体とすることができるものであれば、装置の形状及び構造、材質等は特に制限されるものではない。
以下、本発明について、図面を参照しながら、好ましい実施の形態について説明する。本発明の装置は、その基本構成として、図1に示されるように、マイクロ波発生装置11を導波管12を経て接続したチャンバ13の内部に、ガス流入口14aとガス流出口14bを有するセラミック容器14を設置し、更に、該セラミック容器14の内部にマイクロ波吸収発熱体15を設置し、該セラミック容器14にガス送入管21とガス送出管22を接続して構成される。更に、該ガス送入管21は、ガス供給手段20に接続される。
本発明の装置では、保温のために、容器14の内部又は外側に多孔質アルミナ製等の断熱材を設置することが好ましい。マイクロ波発生装置11から導波管12を経てチャンバ13の内部にマイクロ波を供給すると、マイクロ波吸収発熱体15は、マイクロ波を吸収して高温に加熱され、ガス流入口14aからセラミック容器14に送入されたガスは、マイクロ波吸収発熱体15に接触して高温に加熱され、ガス送出管22から外部へ運ばれる。
本発明では、マイクロ波の周波数は1〜100GHzが好ましく、特に、2.45GHzが好ましい。1GHz以下の周波数では加熱効率が低くなり、一方、100GHz以上ではマイクロ波発振器が高価になり好ましくない。周波数2.45GHzのマイクロ波発振器は最も普及しており、該発振器を使用することで、マイクロ波発生装置11を小型かつ安価なものとすることができる。
前記チャンバ13は、マイクロ波を外部に漏洩させないために、電気良導体である金属で構成される。また、文献(例えば、特開2003−277157号公報)で知られているように、チャンバ13内のマイクロ波の分布を均一にするために、金属製のプロペラ16をチャンバ13内に回転可能に設置することが好ましい。
前記マイクロ波吸収発熱体15は、マイクロ波を吸収して自己発熱により発熱し、更に、直接的にガスを加熱する役割を果たすために、マイクロ波吸収特性に優れた材料から構成され、更には、ガスを効率的に加熱するために、マイクロ波加熱により容易に800℃以上に加熱できる材料であることが望ましい。このような材料として、好適には、例えば、炭化ケイ素や、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化クロム、酸化チタン等の酸化物、更に、これらの物質を含む複合材料等が挙げられる。しかし、これらに制限されるものではなく、これらと同効のものであれば同様に使用することができる。
マイクロ波吸収発熱体15は、例えば、ボール状、柱状、チューブ状等の任意の形状を持つ緻密体あるいは多孔体として、その複数個をセラミック容器14に充填、あるいは三次元的に繋がった空隙を持つ多孔体の塊としてセラミック容器14に設置する。セラミック容器14の保温のために、セラミック容器14とマイクロ波吸収発熱体15の間、あるいはセラミック容器14の外部に多孔質アルミ等の断熱材を設置することも適宜可能である。
前記セラミック容器14は、加熱された高温ガスの流路となり、また、高温に加熱されたマイクロ波吸収発熱体15の保持の役割を果たす。従って、セラミック容器14は、800℃以上の耐熱性を有する緻密質セラミック材料で構成されることが望ましい。また、セラミック容器14の内部に設置されたマイクロ波吸収発熱体15をマイクロ波により効率的に加熱するために、セラミック容器14は、マイクロ波吸収発熱体15に比べてマイクロ波を吸収し難い材料で構成される。このような要件を満たすセラミック容器14の材料としては、好適には、例えば、石英、アルミナ、窒化ケイ素、ムライトなどが挙げられるが、これらに制限されるものではなく、これらと同効のものであれば同様に使用することができる。
また、上記に述べたことと同じ理由により、セラミック容器14を断熱するための断熱材は、マイクロ波吸収発熱体15よりもマイクロ波を吸収し難い材料で構成される。特に、マイクロ波吸収発熱体として、炭化ケイ素などのセラミック材料を使用した場合、該材料は、高温過熱水蒸気中でも劣化が少ない。例えば、本発明において、マイクロ波吸収発熱体として好適に用いられる炭化ケイ素は、過熱水蒸気中では1200℃まではほとんど酸化劣化がないことが知られている(E. J. Opila, “Variation of the Oxidation Rate of Silicon Carbide with Water-Vapor Pressure,” Journal of the American Ceramic Society, 82 [3] 625-36 (1999))。
また、セラミック容器14も、耐熱性と耐水蒸気腐食性に優れている石英、アルミナ、窒化ケイ素、ムライト等のセラミック材料で構成することが可能であるため、本発明の装置は、高温過熱水蒸気の発生装置として好適に使用できるものである。また、本発明の装置では、水蒸気をガスとして送入する場合、加熱用ヒーターの間隙に炭素や有機物を混在させることにより、あるいはガスにメタンなどの炭化水素ガスを混入させることにより、水素含有ガスを効率的に製造することも可能である。すなわち、本発明の装置は、過熱水蒸気の発生装置の他、水素含有ガス製造装置としても好適に用いることができる。
従来の誘導加熱方式によるガス加熱装置においては、例えば、金属ヒータやカーボンヒータがヒータとして用いられているが、これらのヒータを過熱水蒸気中で使用した場合、600℃以上で劣化し、電気ヒータとしての安定性が損なわれるだけでなく、加熱できなくなる場合もある。一方、セラミック容器とマイクロ波吸収発熱体で構成される本発明の装置では、800℃以上の過熱水蒸気中でも劣化がほとんどなく、長時間、安定して使用できる等の優位性がある。
また、従来、マイクロ波加熱により過熱水蒸気を製造することは提案されているが、従来装置は、水をマイクロ波で直接加熱する方式のものであり、800℃以上の高温の過熱水蒸気を発生させることは困難であった。これに対して、本発明の装置では、マイクロ波照射による自己発熱により800℃以上に発熱することが可能なセラミックス材料から成るマイクロ波吸収発熱体と該発熱体を加熱するマイクロ波加熱手段を組み合わせたことにより、従来装置では困難とされていた、800℃以上の高温過熱水蒸気を長時間、安定して供給することを可能とするとともに、高温過熱水蒸気による劣化のない高耐食性の装置を提供することを可能とするものである。本発明は、マイクロ波を吸収して高温に加熱されたマイクロ波吸収発熱体に気体又は液体を接触させて効率良く高温に加熱されたガスを製造するものであり、それにより、800℃以上の高温過熱水蒸気を長時間、安定供給することを実現するものである。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明の装置は、800℃を超える過熱水蒸気を長期にわたり、安定して発生させることができる。
(2)本発明の装置は、高温過熱水蒸気中でも劣化がほとんどなく、長期間、安定して使用できる。
(3)本発明の装置は、高温過熱水蒸気の発生装置、及び水素含有ガス製造装置として使用することが可能である。
(4)セラミックス材料から成る発熱体とマイクロ波加熱手段で構成される800℃以上の高温過熱水蒸気の発生に好適な新しい過熱水蒸気発生装置を提供することができる。
(5)本発明の装置は、800℃以上の高温過熱水蒸気を容易に製造することができ、高温過熱水蒸気による有機性廃棄物の分解処理や有害化学物質の分解除去に利用することができる。
(6)本装置により製造された高温過熱水蒸気を用いることにより、バイオマスを含めた未利用資源から高効率に水素を製造することができる。
(7)また、上記のバイオマスの高度資源化においては、本装置のチャンバー内に直接バイオマスを投入することにより、マイクロ波による有機物の脱水処理が同時に生ずるため従来のシステムに比べて極めて高い効率で水素を製造することができる。
次に、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例の範囲に限定されるものではない。
本実施例では、本発明の実施の形態1として、図2に示す装置を作製し、該装置を用いて過熱水蒸気を製造した。マイクロ波吸収発熱体15を収容する筒状の容器14、ガス送入管23a並びにガス送出管23bは、石英ガラス製とした。容器14の上部と底部には、ガス流入口と流出口が設けられており、それぞれ摺り合せ構造によりガス送入管23aとガス送出管23bに接続される。保温のために、容器14の内部には、厚み10mmの多孔質アルミナ製断熱材17aを設置し、更にその内部に、直径10mmの緻密質炭化ケイ素ボールから成る発熱体15を約150mmの高さに充填した。
ステンレス製のチャンバ13には、4本の導波管12a〜12dが接続され、それぞれの導波管は、発振周波数2.45GHzのマグネトロン式マイクロ波発振器11a〜11dに接続された。また、チャンバ13内のマイクロ波の分布を均一にするために、チャンバ13内に金属製のプロペラ16aを回転可能に設置した。
マイクロ波発振器11a〜11dから発振されたマイクロ波は、導波管12a〜12dを通ってチャンバ13内に入射され、発熱体(炭化ケイ素ボール)15が発熱した。その後、ガス送入管23aから100℃の水蒸気を送入した。合計4台のマイクロ波発振器11a〜11dを用い、総出力4kWでマイクロ波を発振させたところ、800℃の過熱水蒸気ガスが発生して、ガス送出管23bから放出された。
本実施例では、実施の形態2として、実施例1と同じ装置を用いて過熱水蒸気を製造した。本装置では、容器14内部に充填した炭化ケイ素ボールの隙間にカーボン粉末を分散させた。マイクロ波照射により炭化ケイ素ボールを発熱させた後、ガス送入管23aから100℃の水蒸気を送入した。合計4台のマイクロ波発振器11a〜11dを用い、総出力5kWでマイクロ波を発振させたところ、水素を10vol%以上含む800℃の過熱水蒸気ガスが発生して、ガス送出管23bから放出された。
本実施例では、本発明の実施の形態3として、図3に示す装置を作製し、該装置を用いて過熱水蒸気を製造した。発熱体を収容する筒状の容器14、ガス送入管23a並びにガス送出管23bは、窒化ケイ素で作製した。容器14の上部と底部にはガス流入口と流出口が設けられており、耐熱セメントを用いてそれぞれガス送入管23aとガス送出管23bに接合した。容器14の内部には、直径10mmの緻密質炭化ケイ素ボールから成る発熱体15を約150mmの高さに充填し、更に、保温のために、容器14の外側には、厚み約15mmの多孔質アルミナ製断熱材17aを設置した。
ステンレス製のチャンバ13には、4本の導波管12a〜12dが接続され、それぞれの導波管は、発振周波数2.45GHzのマグネトロン式マイクロ波発振器11a〜11dに接続された。また、チャンバ13内のマイクロ波の分布を均一にするために、チャンバ13内に金属製のプロペラ16a、16bを回転可能に設置した。
マイクロ波発振器から発振されたマイクロ波を、導波管を通ってチャンバ13内に入射し、発熱体(炭化ケイ素ボール)15を発熱させた。その後、ガス送入管23aから100℃の水蒸気を送入した。合計4台のマイクロ波発振器11a〜11dを用い、総出力5kWでマイクロ波を発振させたところ、1000℃の過熱水蒸気ガスが発生して、ガス送出管23bから放出された。
以上詳述したように、本発明は、マイクロ波加熱による過熱水蒸気の製造装置に係るものであり、本発明は、800℃以上の高温過熱水蒸気を長時間、安定して供給することが可能な高効率のガス加熱装置を提供することを可能とするものである。本発明は、水蒸気等のガスを急速かつ高温に加熱することができるとともに、高い耐久性を有する新しいガス加熱装置を提供するものである。本発明は、特に、高温で多量の過熱水蒸気の供給が必要とされる、食品加工の分野や、有機性廃棄物や有害物質の分解除去あるいはバイオマス等の高度資源化の分野において、簡便な手段で、高温の過熱水蒸気を、長時間、安定して供給することを可能とするものとして有用である。
本発明のガス加熱装置を模式的に示す図である。 実施例1において組み立てたガス加熱装置の概略図である。 実施例3において組み立てたガス加熱装置の概略図である。
符号の説明
(図1の符号)
11 マイクロ波発生装置
12 導波管
13 チャンバ
14 セラミック容器
14a ガス流入口
14b ガス流出口
15 マイクロ波吸収発熱体
16 プロペラ
20 ガス供給手段
21 ガス送入管
22 ガス送出管

(図2、図3の符号)
11 a〜11d マイクロ波発振器
12 a〜12d 導波管
13 チャンバ
14 容器
15 マイクロ波吸収発熱体
16a、16b プロペラ
17a、17b 断熱材
23a ガス送入管
23b ガス送出管

Claims (11)

  1. 被加熱流体を発熱体に接触させることにより加熱流体を製造する装置において、容器内部に設置されたマイクロ波吸収性に優れた発熱体と、該容器外部に設置された前記発熱体を加熱するマイクロ波加熱手段とを有することを特徴とするガス加熱装置。
  2. 発熱体が、マイクロ波照射による自己発熱により800℃以上に発熱することが可能なセラミック材料から構成される請求項1に記載のガス加熱装置。
  3. 容器が、800℃以上の耐熱性を有するセラミック材料から構成される請求項1に記載のガス加熱装置。
  4. 少なくとも水蒸気を含む被加熱流体を発熱体と接触させることによって600℃以上の高温過熱水蒸気を発生させる請求項1から3のいずれかに記載のガス加熱装置。
  5. 少なくとも水蒸気を含む被加熱流体を発熱体と接触させることによって水素含有ガスを発生させる請求項1から4のいずれかに記載のガス加熱装置。
  6. 被加熱流体が水蒸気を含むガスであって、発熱体と接触させることによって水素含有ガスを発生させる請求項1から4のいずれかに記載のガス加熱装置。
  7. 容器が、被加熱流体の流入口及び加熱流体の排出口を備えた請求項1に記載のガス加熱装置。
  8. 被加熱流体が、水又は水蒸気である請求項1に記載のガス加熱装置。
  9. マイクロ波発生装置を導波管を経て接続したチャンバの内部に、ガス流入口とガス流出口を有するセラミック容器を設置し、該容器の内部にマイクロ波吸収発熱体を設置し、該容器に被加熱流体を導入するガス送入管と加熱流体を送出するガス送出管を接続したことを特徴とするガス加熱装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のガス加熱装置のガス流入口に水蒸気あるいは水蒸気を含む混合ガスを導入し、容器内部に設置された発熱体に該ガスを接触させることにより過熱水蒸気又は水素含有ガスを製造することを特徴とする高温ガス製造方法。
  11. 高温ガスが、800℃以上の過熱水蒸気である請求項10に記載の高温ガス製造方法。
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