JP2006274863A - 内燃機関燃焼制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内燃機関の排気浄化用フィルタの目詰まりを確実に防止する。
【解決手段】 ディーゼルエンジンの運転経過に伴って生じる堆積量変化率[ΔDpga/ΔPM]により排気浄化用フィルタの目詰まりの可能性を判断する(S114)。そして、この堆積量変化率が基準率Aupよりも高率である場合には(S114で「yes」)、ディーゼルエンジンの燃焼状態をPM生成抑制側に調節している(S116)。このように堆積量変化率にて排気浄化用フィルタの目詰まりの可能性を判定しているので目詰まりが生じる可能性判断の確度を高めることができる。そして排気浄化用フィルタの目詰まりが生じる可能性が生じた場合には、PM生成を抑制している(S116)ので、確実に排気浄化用フィルタの目詰まりを防止することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、排気中の粒子状物質を濾過すると共に堆積した粒子状物質を触媒機能により酸化することで再生可能な排気浄化用フィルタを排気系に設けた内燃機関の燃焼制御装置に関する。
内燃機関、特にディーゼルエンジンでは、排気中に含まれる粒子状物質が大気中に放出されないように、排気系に排気浄化用フィルタを配置する技術が用いられている。このような内燃機関では、排気浄化用フィルタに堆積した粒子状物質を除去して再生する必要があるので、或程度、粒子状物質が堆積すると排気浄化用フィルタを高温化して粒子状物質を酸化させて浄化する技術が存在している(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1の技術では、排気浄化用フィルタを再生する時に、粒子状物質の酸化量が、燃焼室側から排気浄化用フィルタに流入する粒子状物質量よりも小さい場合には、機関の空気過剰率を大きくしている。このことにより排気浄化用フィルタ再生中での粒子状物質堆積量の増加を防止して、排気浄化用フィルタが目詰まりしないようにしている。
特開2003−20933号公報(第3−4頁、図2)
しかし前記特許文献1の技術では、粒子状物質の酸化量と排出量との大小比較であるために、排出量自体の異常な増加を早期に判断することができない。このため排気浄化用フィルタの再生中に内燃機関の燃焼状態の変化により粒子状物質排出量が異常に多くなってきたにもかかわらず、酸化量が多いために正常であると判断してしまう可能性がある。したがって、再生制御が終了した後に、急速に粒子状物質堆積量が上昇し、正常と判定していたにもかかわらず、再生終了直後に排気浄化用フィルタに目詰まりを生じる可能性があり、確実に目詰まりを防止できるとは限らない。
本発明は、確実に排気浄化用フィルタの目詰まりを防止することを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関燃焼制御装置は、排気中の粒子状物質を濾過すると共に堆積した粒子状物質を触媒機能により酸化することで再生可能な排気浄化用フィルタを排気系に設けた内燃機関の燃焼制御装置であって、前記排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量における内燃機関運転経過に伴う変化率を検出する堆積量変化率検出手段と、前記堆積量変化率検出手段により検出された変化率が、粒子状物質堆積量の増加側に設定された基準率よりも高率である場合には内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節する粒子状物質生成抑制手段とを備えたことを特徴とする。
このように粒子状物質生成抑制手段は、内燃機関の運転経過に伴って生じる、排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量の変化率により、目詰まりの可能性を判定している。本発明では、粒子状物質の排出量と酸化量とを大小比較するのではなく、更に粒子状物質堆積量そのものから判断するのでもなく、粒子状物質堆積量の変化率から判断している。そしてこの変化率が増加側に設定された基準率よりも高率である場合に、排気浄化用フィルタの目詰まりのおそれが生じたとして、内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節している。
このことから、排気浄化用フィルタの目詰まりが生じる可能性判断の確度を高めることができ、このことに基づいて内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することで、確実に排気浄化用フィルタの目詰まりを防止することができる。
請求項2に記載の内燃機関燃焼制御装置では、請求項1において、前記排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量として前記排気浄化用フィルタでの排気流動抵抗を検出する排気流動抵抗検出手段と、内燃機関の運転状態に基づいて前記排気浄化用フィルタでの粒子状物質の推定堆積量を算出する推定堆積量算出手段とを備え、前記堆積量変化率検出手段は、前記推定堆積量算出手段にて算出される推定堆積量の変化量に対する、前記排気流動抵抗検出手段により検出される排気流動抵抗の変化量の程度として、前記物理量の変化率を検出することを特徴とする。
推定堆積量の変化量に対する排気流動抵抗の変化量の程度は、前記基準率以下であれば、内燃機関の燃焼状態は、堆積量の推定計算において予想の範囲内である。しかし、推定計算では予想できない燃焼状態となって粒子状物質が大量に排出し始めると、排気浄化用フィルタ内の実際の堆積量は急速に上昇し、推定堆積量の変化量に対する排気流動抵抗の変化量の程度は上昇して基準率を超える。
したがって、このような物理量の変化率を検出することで、容易に高い確度で排気浄化用フィルタの目詰まりの可能性を検出でき、このことに基づいて内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することで、確実に目詰まりを防止することができる。
請求項3に記載の内燃機関燃焼制御装置では、請求項1において、前記排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量として、前記排気浄化用フィルタの排気流動抵抗を検出する排気流動抵抗検出手段と、内燃機関の積算回転回数を検出する機関積算回転回数検出手段とを備え、前記堆積量変化率検出手段は、前記機関積算回転回数検出手段にて検出される内燃機関の積算回転回数の増加量に対する、前記排気流動抵抗検出手段により検出される排気流動抵抗の増加量の程度として、前記物理量の変化率を検出することを特徴とする。
内燃機関が予想できない燃焼状態となって粒子状物質を大量に排出し始めると、排気浄化用フィルタ内の実際の堆積量は急速に上昇し、内燃機関の積算回転回数の増加量に対する排気流動抵抗の増加量の程度が予想以上に上昇して基準率を超える。
したがって、このような物理量の変化率を検出することで、容易に高い確度で排気浄化用フィルタの目詰まりの可能性を検出でき、このことに基づいて内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することで、確実に目詰まりを防止することができる。
請求項4に記載の内燃機関燃焼制御装置では、請求項1において、前記内燃機関は車両駆動用であり、前記排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量として、前記排気浄化用フィルタの排気流動抵抗を検出する排気流動抵抗検出手段と、内燃機関が搭載された車両の走行距離を検出する走行距離検出手段とを備え、前記堆積量変化率検出手段は、前記走行距離検出手段にて検出される車両の走行距離の増加量に対する、前記排気流動抵抗検出手段により検出される排気流動抵抗の増加量の程度として、前記物理量の変化率を検出することを特徴とする。
内燃機関が予想できない燃焼状態となって粒子状物質を大量に排出し始めると、排気浄化用フィルタ内の実際の堆積量は急速に上昇し、車両の走行距離の増加量に対する排気流動抵抗の増加量の程度が予想以上に上昇して基準率を超える。
したがって、車両に搭載された内燃機関の場合には、このような物理量の変化率を検出することで、容易に高い確度で排気浄化用フィルタの目詰まりの可能性を検出でき、このことに基づいて内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することで、確実に目詰まりを防止することができる。
請求項5に記載の内燃機関燃焼制御装置では、請求項1において、前記排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量として、前記排気浄化用フィルタの排気流動抵抗を検出する排気流動抵抗検出手段と、内燃機関の積算燃料噴射量を検出する積算燃料噴射量検出手段とを備え、前記堆積量変化率検出手段は、前記積算燃料噴射量検出手段にて検出される積算燃料噴射量の増加量に対する、前記排気流動抵抗検出手段により検出される排気流動抵抗の増加量の程度として、前記物理量の変化率を検出することを特徴とする。
内燃機関が予想できない燃焼状態となって粒子状物質を大量に排出し始めると、排気浄化用フィルタ内の実際の堆積量は急速に上昇し、積算燃料噴射量の増加量に対する排気流動抵抗の増加量の程度が予想以上に上昇して基準率を超える。
したがって、このような物理量の変化率を検出することで、容易に高い確度で排気浄化用フィルタの目詰まりの可能性を検出でき、このことに基づいて内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することで、確実に目詰まりを防止することができる。
請求項6に記載の内燃機関燃焼制御装置では、請求項2〜5のいずれかにおいて、単位時間当たりの内燃機関への吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、前記排気浄化用フィルタの上流側と下流側との排気圧力差を検出する圧力差検出手段とを備え、前記排気流動抵抗検出手段は、前記圧力差検出手段にて検出された排気圧力差と前記吸入空気量検出手段にて検出された吸入空気量との比として、前記排気浄化用フィルタの排気流動抵抗を検出することを特徴とする。
このように排気流動抵抗は、排気浄化用フィルタの上流側と下流側との排気圧力差と吸入空気量との比として算出することができる。このことにより容易に排気流動抵抗が検出できるので、容易に高い確度で排気浄化用フィルタの目詰まりの可能性を検出でき、このことに基づいて内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することで、確実に目詰まりを防止することができる。
請求項7に記載の内燃機関燃焼制御装置では、請求項1において、前記排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量として、前記排気浄化用フィルタの温度を検出するフィルタ温度検出手段を備え、前記堆積量変化率検出手段は、前記フィルタ温度検出手段にて検出される前記排気浄化用フィルタの温度が基準温度よりも高くなる頻度として、前記物理量の変化率を検出することを特徴とする。
内燃機関が予想できない燃焼状態となって粒子状物質を大量に排出し始めると、排気浄化用フィルタ内の実際の堆積量は急速に上昇し、再生時には大量の粒子状物質が酸化を開始することにより予想よりも短時間に大量の発熱を生じることが多くなる。したがって排気浄化用フィルタの温度が基準温度を超える頻度が高くなる。
したがって、排気浄化用フィルタの温度が基準温度よりも高くなる頻度として物理量の変化率を検出することで、容易に高い確度で排気浄化用フィルタの目詰まりの可能性を検出できる。そして、このことに基づいて内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することで、確実に目詰まりを防止することができる。
請求項8に記載の内燃機関燃焼制御装置では、請求項7において、前記フィルタ温度検出手段は、前記排気浄化用フィルタから流出した直後の排気の温度を、前記排気浄化用フィルタの温度として検出することを特徴とする。
このように排気浄化用フィルタの温度として排気浄化用フィルタから流出した直後の排気の温度を用いることができる。したがってこの排気温度が基準温度よりも高くなる頻度により容易に高い確度で排気浄化用フィルタの目詰まりの可能性を検出できる。そして、このことに基づいて内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することで、確実に目詰まりを防止することができる。
請求項9に記載の内燃機関燃焼制御装置では、請求項1〜8のいずれかにおいて、前記粒子状物質生成抑制手段は、EGR率を低下させることにより内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することを特徴とする。
EGR率の低下により、内燃機関に吸入される外気の比率を上昇させて、燃焼状態を粒子状物質が生成しにくい状態にすることができる。このことにより排気浄化用フィルタの目詰まりの可能性が生じたときに、内燃機関の燃焼状態を粒子状物質の生成を抑制する側に調節できるので、確実に目詰まりを防止することができる。
請求項10に記載の内燃機関燃焼制御装置では、請求項9において、前記粒子状物質生成抑制手段は、EGRバルブの目標開度の低下、目標EGR率の低下、及びスロットル開度の増加のいずれか、又はこれらの2つ以上の組み合わせにより、EGR率を低下させることを特徴とする。
EGRバルブの目標開度の低下、目標EGR率の低下、スロットル開度の増加を実行することによって、内燃機関の燃焼状態を、粒子状物質の生成を抑制する側に調節でき、確実に排気浄化用フィルタの目詰まりを防止することができる。
請求項11に記載の内燃機関燃焼制御装置では、請求項1〜8のいずれかにおいて、前記粒子状物質生成抑制手段は、燃料噴射状態を変更することにより内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することを特徴とする。
燃料噴射状態の変更により燃焼状態を粒子状物質が生成しにくい状態にすることができる。このことにより排気浄化用フィルタの目詰まりの可能性が生じたときに、内燃機関の燃焼状態を粒子状物質の生成を抑制する側に調節できるので、確実に目詰まりを防止することができる。
請求項12に記載の内燃機関燃焼制御装置では、請求項11において、前記粒子状物質生成抑制手段は、目標燃料噴射時期の変更、目標燃料噴射圧の増加、燃料噴射量の低下、及びパイロット噴射とメイン噴射とのインターバルの変更のいずれか、又はこれらの2つ以上の組み合わせにより、燃料噴射状態を変更することを特徴とする。
目標燃料噴射時期の変更、目標燃料噴射圧の増加、燃料噴射量の低下、パイロット噴射とメイン噴射とのインターバルの変更を実行することによって、内燃機関の燃焼状態を粒子状物質の生成を抑制する側に調節でき、確実に排気浄化用フィルタの目詰まりを防止することができる。
請求項13に記載の内燃機関燃焼制御装置では、請求項1〜8のいずれかにおいて、前記粒子状物質生成抑制手段は、ターボ過給圧を上昇させることにより内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することを特徴とする。
ターボ過給圧の上昇を実行することによって、内燃機関の燃焼状態を粒子状物質の生成を抑制する側に調節でき、確実に排気浄化用フィルタの目詰まりを防止することができる。
請求項14に記載の内燃機関燃焼制御装置では、請求項1〜13のいずれかにおいて、前記堆積量変化率検出手段により検出された変化率が、回復基準率よりも低率である場合には内燃機関の燃焼状態を、前記粒子状物質生成抑制手段による調節方向とは逆方向に調節する回復手段を備えたことを特徴とする。
前記粒子状物質生成抑制手段による粒子状物質の生成抑制制御はそのまま継続しても良いが、前記変化率が回復基準率よりも低率となった場合には、内燃機関の燃焼状態を、粒子状物質生成抑制手段による調節方向とは逆方向に調節するようにしても良い。
すなわち元の制御状態に近づけても、又は元の制御状態に戻しても排気浄化用フィルタの目詰まりが生じる可能性がなくなった状況下であれば、元に戻す方向に内燃機関の燃焼状態を調節しても良い。このことにより、主としてNOxなど排気の他の成分との生成バランスが良好な状態に維持でき、排気浄化制御全体としてバランスのとれた制御が可能となる。
[実施の形態1]
図1は上述した発明が適用された車両用ディーゼルエンジンと、内燃機関燃焼制御装置の機能を果たす制御システムとの概略を表す構成説明図である。尚、本発明は希薄燃焼式ガソリンエンジンなどについて同様な触媒構成を採用した場合においても適用できる。
ディーゼルエンジン2は複数気筒、ここでは4気筒#1,#2,#3,#4からなる。尚、他の気筒数でも良い。各気筒#1〜#4の燃焼室4は吸気弁6にて開閉される吸気ポート8及び吸気マニホールド10を介してサージタンク12に連結されている。そしてサージタンク12は、吸気通路13を介して、インタークーラ14に連結され、更に過給機、ここでは排気ターボチャージャ16のコンプレッサ16aの出口側に連結されている。コンプレッサ16aの入口側はエアクリーナ18に連結されている。サージタンク12には、排気再循環(以下、「EGR」と称する)経路20のEGRガス供給口20aが開口している。そしてサージタンク12とインタークーラ14との間の吸気通路13には、スロットル弁22が配置され、コンプレッサ16aとエアクリーナ18との間には吸入空気量センサ24(吸入空気量検出手段に相当)及び吸気温センサ26が配置されている。
各気筒#1〜#4の燃焼室4は排気弁28にて開閉される排気ポート30及び排気マニホールド32を介して排気ターボチャージャ16の排気タービン16bの入口側に連結され、排気タービン16bの出口側は排気通路34に接続されている。尚、排気タービン16bは排気マニホールド32において第4気筒#4側から排気を導入している。
この排気通路34には、排気浄化触媒が収納されている3つの触媒コンバータ36,38,40が配置されている。最上流の第1触媒コンバータ36にはNOx吸蔵還元触媒36aが収納されている。ディーゼルエンジン2の通常の運転時において排気が酸化雰囲気(リーン)にある時には、NOxはこのNOx吸蔵還元触媒36aに吸蔵される。そして還元雰囲気(ストイキあるいはストイキよりも低い空燃比)ではNOx吸蔵還元触媒36aに吸蔵されたNOxがNOとして離脱しHCやCOにより還元される。このことによりNOxの浄化を行っている。
そして2番目に配置された第2触媒コンバータ38にはモノリス構造に形成された壁部を有するフィルタ38a(排気浄化用フィルタに相当)が収納され、この壁部の微小孔を排気が通過するように構成されている。この基体としてのフィルタ38aの微小孔表面にコーティングにてNOx吸蔵還元触媒の層が形成されているので、排気浄化触媒として機能し前述したごとくにNOxの浄化が行われる。更にフィルタ壁部には排気中の粒子状物質(以下「PM」と称する)が捕捉されて堆積する。この堆積したPMは、高温の酸化雰囲気とすることで、NOx吸蔵時に発生する活性酸素によりPMの酸化が開始されると共に、更に周囲の過剰酸素によりPM全体が酸化される。このことによりNOxの浄化と共にPMの酸化による浄化を実行している。尚、ここでは第1触媒コンバータ36と第2触媒コンバータ38とは一体化された構成で形成されている。
最下流の第3触媒コンバータ40は、酸化触媒40aが収納され、ここではHCやCOが酸化されて浄化される。
尚、NOx吸蔵還元触媒36aとフィルタ38aとの間には第1排気温センサ44が配置されている。又、フィルタ38aと酸化触媒40aとの間において、フィルタ38aの近くには第2排気温センサ46(フィルタ温度検出手段に相当)が、酸化触媒40aの近くには空燃比センサ48が配置されている。
上記空燃比センサ48は、ここでは固体電解質を利用したものであり、排気成分に基づいて排気の空燃比を検出し、空燃比に比例した電圧信号をリニアに出力するセンサである。又、第1排気温センサ44と第2排気温センサ46とはそれぞれの位置で排気温度thci,thcoを検出するものである。
フィルタ38aの上流側と下流側には差圧センサ50(圧力差検出手段に相当)の配管がそれぞれ設けられ、差圧センサ50はフィルタ38aの目詰まりの程度、すなわちPMの堆積度合を検出するためにフィルタ38aの上下流での差圧ΔPを検出している。
尚、排気マニホールド32には、EGR経路20のEGRガス吸入口20bが開口している。このEGRガス吸入口20bは第1気筒#1側で開口しており、排気タービン16bが排気を導入している第4気筒#4側とは反対側である。
EGR経路20の途中にはEGRガス吸入口20b側から、EGRガスを改質するための鉄系EGR触媒52が配置され、更にEGRガスを冷却するためのEGRクーラ54が設けられている。尚、EGR触媒52はEGRクーラ54の詰まりを防止する機能も有している。そしてEGRガス供給口20a側にはEGR弁56が配置されている。このEGR弁56の開度調節によりEGRガス供給口20aから吸気系へのEGRガス供給量の調節が可能となる。
各気筒#1〜#4に配置されて、各燃焼室4内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁58は、燃料供給管58aを介してコモンレール60に連結されている。このコモンレール60内へは電気制御式の吐出量可変燃料ポンプ62から燃料が供給され、燃料ポンプ62からコモンレール60内に供給された高圧燃料は各燃料供給管58aを介して各燃料噴射弁58に分配供給される。尚、コモンレール60には燃料圧力を検出するための燃料圧センサ64が取り付けられている。
更に、燃料ポンプ62からは別途、低圧燃料が燃料供給管66を介して添加弁68に供給されている。この添加弁68は第4気筒#4の排気ポート30に設けられて、排気タービン16b側に向けて燃料を噴射することにより排気中に燃料添加するものである。この燃料添加により後述する触媒制御モードが実行される。
電子制御ユニット(以下「ECU」と称する)70はCPU、ROM、RAM等を備えたデジタルコンピュータと、各種装置を駆動するための駆動回路とを主体として構成されている。そしてECU70は前述した吸入空気量センサ24、吸気温センサ26、第1排気温センサ44、第2排気温センサ46、空燃比センサ48、差圧センサ50、EGR弁56内のEGR開度センサ、燃料圧センサ64及びスロットル開度センサ22aの信号を読み込んでいる。更にアクセルペダル72の踏み込み量(アクセル開度ACCP)を検出するアクセル開度センサ74、及びディーゼルエンジン2の冷却水温THWを検出する冷却水温センサ76から信号を読み込んでいる。更に、クランク軸78の回転数NE(rpm)を検出するエンジン回転数センサ80、クランク軸78の回転位相あるいは吸気カムの回転位相を検出して気筒判別を行う気筒判別センサ82、車両の走行距離を検出するオドメーター84から信号を読み込んでいる。
そしてこれらの信号から得られるエンジン運転状態に基づいて、ECU70は燃料噴射弁58による燃料噴射量制御や燃料噴射時期制御を実行する。更にEGR弁56の開度制御、モータ22bによるスロットル開度制御、燃料ポンプ62の吐出量制御、及び添加弁68の開弁制御により後述するPM再生制御、S被毒回復制御あるいはNOx還元制御といった触媒制御やその他の各処理を実行する。
ECU70が実行する燃焼モード制御としては、通常燃焼モードと低温燃焼モードとの2種類から選択した燃焼モードを、運転状態に応じて実行する。ここで低温燃焼モードとは、低温燃焼モード用EGR弁開度マップを用いて大量の排気再循環量により燃焼温度の上昇を緩慢にしてNOxとスモークとを同時低減させる燃焼モードである。この低温燃焼モードは、低負荷低中回転領域にて実行し、空燃比センサ48が検出する空燃比AFに基づいてスロットル開度TAの調節による空燃比フィードバック制御がなされている。これ以外の燃焼モードが、通常燃焼モード用EGR弁開度マップを用いて通常のEGR制御(EGRしない場合も含める)を実行する通常燃焼モードである。
そして排気浄化触媒に対する触媒制御を実行する触媒制御モードとしては、PM再生制御モード、S被毒回復制御モード、NOx還元制御モード及び通常制御モードの4種類のモードが存在する。
PM再生制御モードとは、PMの推定堆積量(以下、PM堆積量PMsmで表す)がPM再生基準値に到達すると、特に第2触媒コンバータ38内のフィルタ38aに堆積しているPMを高温化により前述したごとく酸化により燃焼させてCO2とH2Oにして排出するPM浄化用昇温処理を実行するモードである。このモードでは、ストイキ(理論空燃比)よりも高い空燃比状態で添加弁68からの燃料添加を繰り返して触媒床温を高温化(例えば600〜700℃)するが、更に燃料噴射弁58による膨張行程あるいは排気行程における燃焼室4内への燃料噴射であるアフター噴射を加える場合がある。尚、PM堆積量PMsmがPM再生基準値に到達していなくても、前述した差圧センサ50が検出するフィルタ38aの上下流での差圧ΔPが大きくなった場合についても、PM浄化用昇温処理を実行して、フィルタ38aに堆積しているPMを高温化により酸化により燃焼させて浄化している。上記PM堆積量PMsmは、ディーゼルエンジン2の運転状態に基づいて燃焼室4から排出されるPMの単位時間当たりの排出量とフィルタ38aでの酸化による単位時間当たりの浄化量との差から、時間経過にしたがってフィルタ38aに堆積しているPM量を推定した値である。
尚、PM再生制御モード内において間欠添加処理によるバーンアップ型昇温処理を実行しても良い。この間欠添加処理は、添加弁68からの間欠的な燃料添加により空燃比をストイキ又はストイキよりもわずかに低い空燃比とする空燃比低下処理を、全く燃料添加しない期間を間に置いて行う。ここではストイキよりもわずかに低い空燃比とするリッチ化を行っている。この処理においても燃料噴射弁58によるアフター噴射を加える場合がある。このことにより、PMの焼き尽くし(バーンアップ)作用を生じさせて、NOx吸蔵還元触媒36aの前端面のPM詰まりを解消したり、フィルタ38a内に堆積したPMを焼き尽くす処理を行う。
S被毒回復制御モードとは、NOx吸蔵還元触媒36a及びフィルタ38aがS被毒してNOx吸蔵能力が低下した場合にS成分を放出させてS被毒から回復させるモードである。このモードでは、添加弁68から燃料添加を繰り返して触媒床温を高温化(例えば650℃)する昇温処理を実行し、更に添加弁68からの間欠的な燃料添加により空燃比をストイキ又はストイキよりもわずかに低い空燃比とする空燃比低下処理を行う。ここではストイキよりもわずかに低い空燃比とするリッチ化を行っている。このモードも燃料噴射弁58によるアフター噴射を加える場合がある。
NOx還元制御モードとは、NOx吸蔵還元触媒36a及びフィルタ38aに吸蔵されたNOxを、N2、CO2及びH2Oに還元して放出するモードである。このモードでは、添加弁68からの比較的時間をおいた間欠的な燃料添加により、触媒床温は比較的低温(例えば250〜500℃)で空燃比をストイキ又はストイキよりも低下させる処理を行う。
尚、これら3つの触媒制御モード以外の状態が通常制御モードとなり、この通常制御モードでは添加弁68からの燃料添加や燃料噴射弁58によるアフター噴射はなされない。
次に図2にECU70により実行されるPM抑制用エンジン燃焼制御処理のフローチャートを示す。本処理は一定の時間周期で割り込み実行される処理である。なお個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
本処理が開始されると、まず今回の本制御開始タイミングがPM再生完了直後か否かが判定される(S102)。すなわち前述したPM再生制御モードによりPM浄化用昇温処理を実行してフィルタ38aに堆積したPMを酸化して浄化する処理を完了した直後か否かが判定される。
PM再生完了直後であれば(S102で「yes」)、式1のごとくベース圧力損失値Bdpgaに現時点で差圧センサ50で検出されているフィルタ38aの上下流の差圧ΔPと、吸入空気量センサ24にて検出される吸入空気量GA(g/s)との比[圧力損失:ΔP/GA]の値が設定される(S104)。
[式1] Bdpga ← ΔP/GA
更に、式2に示すごとく、ベースPM堆積量Bpmに現時点でのPM堆積量PMsmを設定する(S106)。
[式2] Bpm ← PMsm
ステップS106の終了後、あるいはステップS102にて「no」と判定された後に、現在のPM堆積量PMsmが判定基準値PMj以上か否かが判定される(S108)。この判定基準値PMjは、ディーゼルエンジン2がPM排出過多状態であることを精度良く判定するために設けられた値であり、或程度、PM堆積量PMsmが大きい状態であることを判定するための判定基準値である。
ここで、PMsm<PMjであれば(S108で「no」)、このまま、一旦本処理を終了する。
PMsm≧PMjであれば(S108で「yes」)、次に式3に示すごとく、圧力損失変化量ΔDpgaを算出する(S110)。
[式3] ΔDpga ← ΔP/GA − Bdpga
次に式4に示すごとく、PM堆積量変化量ΔPMを算出する(S112)。
[式4] ΔPM ← PMsm − Bpm
次に圧力損失変化量ΔDpgaとPM堆積量変化量ΔPMとの比である堆積量変化率[ΔDpga/ΔPM](単位PM堆積量変化量当たりの圧力損失変化量とも言える)が、基準率Aup以上か否かが判定される(S114)。
ここで基準率Aupは、推定計算しているPM堆積量PMsmの増加に比較してフィルタ38aでの圧力損失ΔP/GAの上昇の程度が過剰であることを判断するために設けられたものである。
本実施の形態では基準率Aupは、図3のグラフ(PM堆積量PMsmと圧力損失ΔP/GAとの関係)上で圧力損失ΔP/GAの限界レベルとして表すと、例えば、一点鎖線で示されるごとく推移するように設定されている。この基準率Aupは一定値でも良く、あるいはマップによりPM堆積量PMsm及び圧力損失ΔP/GAの一方、又は両方に基づいて設定する値でも良い。
この基準率Aupは、予めPM排出が予想範囲にある正常な燃焼状態において、PM堆積量PMsmと圧力損失ΔP/GAとの関係(図3にて二点鎖線「正常値」で示す)から、PM堆積が許容できる上限値となるように設定されている。あるいは、エンジン燃焼状態をPM増加が許容できる限界値となるように設定して実際にエンジンを運転し、推定値であるPM堆積量PMsmと圧力損失ΔP/GAとの関係から求めた値、あるいはマップ化した値である。
ΔDpga/ΔPM<Aupであれば(S114で「no」)、このまま一旦本処理を終了する。
ΔDpga/ΔPM≧Aupであれば(S114で「yes」)、PM排出過多異常対策用燃焼調節処理の実行がなされて(S116)、本処理を一旦終了する。
ここでPM排出過多異常対策用燃焼調節処理とは、PMを現状よりも抑制して通常の排出状態となるように燃焼制御を行う処理である。例えば次のような処理が挙げられる。
(1)EGR弁56の開度を現在のEGR制御よりも開き側に制御する。より具体的には、EGR制御において、マイナスオフセット値を設けて、EGR弁56の目標開度や、目標EGR率を小さくする。
(2)燃料噴射弁58における目標噴射時期をPM排出抑制側に変更する。噴射時期を進角するか遅角するかはエンジンにより異なるが、本実施の形態のディーゼルエンジン2では、進角することにより燃焼性を高くしてPMの排出を抑制する。
(3)燃料ポンプ62を含めた燃料系の制御によりコモンレール60における燃料圧力であるコモンレール圧を上昇させる。このことにより燃料噴射弁58から噴射される燃料の霧化をより良好な状態にすることで燃焼性を高くしてPMの排出を抑制する。
(4)その他、燃料噴射弁58からの燃料噴射量の低減、スロットル弁22の開度増加、排気ターボチャージャ16による過給圧の上昇などが挙げられる。更に、燃料噴射弁58にてパイロット噴射が行われている場合にはパイロット噴射量の低減、パイロット噴射とメイン噴射とのインターバルの変更などが挙げられる。更に、燃料噴射弁58にてアフター噴射が行われている場合にはアフター噴射量の低減などが挙げられる。
以上に示した各手法の1つ又は2つ以上を組み合わせたPM排出過多異常対策用燃焼調節処理が行われることにより、燃焼室4側からフィルタ38aへのPM排出が抑制される。
図3において[1],[2],[3]は、それぞれディーゼルエンジン2の燃焼状態が異常となってPMの排出量が可成り過剰となった場合を示す。[1]がPM排出速度が最も多いことを示し、その次が[2]、次が[3]であることを示している。このため[1]の場合はPMsm=M1の時にΔDpga/ΔPM≧Aupとなる。[2]の場合にはPMsm=M2の時にΔDpga/ΔPM≧Aupとなる。[3]の場合にはPMsm=M3の時にΔDpga/ΔPM≧Aupとなる。
以後は、PMの生成自体が抑制される燃焼状態となるので、PM堆積量PMsmの上昇に比較して、圧力損失ΔP/GAの上昇の程度は過剰でなくなり、図3において[1][2][3]共に勾配が鈍くなる。この後、PM堆積量PMsmがPM再生制御開始の基準堆積値を越えるか、あるいは圧力損失ΔP/GAが限界値を超えることにより、PM再生制御が開始されて、フィルタ38aに堆積したPMは酸化により浄化される。
これ以後、ディーゼルエンジン2における燃焼状態はステップS116にて設定されたPM抑制制御が継続されていることから、図3に示した正常値に近いパターンとなる。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU70が堆積量変化率検出手段、粒子状物質生成抑制手段、排気流動抵抗検出手段、及び推定堆積量算出手段に相当する。ECU70が実行するPM抑制用エンジン燃焼制御処理(図2)にて堆積量変化率[ΔDpga/ΔPM]を算出するまでの処理が堆積量変化率検出手段としての処理に相当し、ステップS114での判定とステップS116の処理が粒子状物質生成抑制手段としての処理に相当する。ECU70で行われる圧力損失ΔP/GA(排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量である排気流動抵抗に相当)の計算が排気流動抵抗検出手段としての処理に、PM堆積量PMsm(粒子状物質の推定堆積量に相当)の計算が推定堆積量算出手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).PM抑制用エンジン燃焼制御処理(図2)においては、ディーゼルエンジン2の運転経過に伴って生じる堆積量変化率[ΔDpga/ΔPM]によりフィルタ38aの目詰まりの可能性を判断している(S114)。そして、この変化率が基準率Aupよりも高率である場合には(S114で「yes」)、ディーゼルエンジン2の燃焼状態を、PM生成を抑制する側に調節している(S116)。
このようにPM堆積量変化量ΔPMに対する圧力損失ΔP/GAの変化率である堆積量変化率[ΔDpga/ΔPM]にてフィルタ38aの目詰まりの可能性を判定しているので、フィルタ38aの目詰まりが生じる可能性判断の確度を高めることができる。そしてフィルタ38aの目詰まりが生じる可能性が生じた場合には、前述したごとくにステップS116を実行しているので、確実にフィルタ38aの目詰まりを防止することができる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、前記実施の形態1とは、前述した図2の処理の代わりに、図4に示すPM抑制用エンジン燃焼制御処理が実行される点が異なる。これ以外の構成については前記実施の形態1と同じである。したがって図1を参照して図4のPM抑制用エンジン燃焼制御処理について説明する。
図4の処理が開始されると、まず、今回の制御開始タイミングがPM再生完了直後か否かが判定される(S202)。この処理は前記図2のステップS102と同じ処理である。
PM再生完了直後であれば(S202で「yes」)、前記図2のステップS104にて説明したごとく前記式1にて圧力損失ΔP/GAが計算されてベース圧力損失値Bdpgaに設定される(S204)。
更に、式5に示すごとくベース走行距離Bdisに現時点でオドメーター84にて検出されている走行距離Disを設定する(S206)。
[式5] Bdis ← Dis
ステップS206の終了後、あるいはステップS202にて「no」と判定された後に、現在のPM堆積量PMsmが判定基準値PMj以上か否かが判定される(S208)。この判定は前記図2のステップS108と同じ処理である。
ここで、PMsm<PMjであれば(S208で「no」)、このまま、一旦本処理を終了する。
PMsm≧PMjであれば(S208で「yes」)、次に前記図2のステップS110にて説明したごとく前記式3にて圧力損失変化量ΔDpgaを算出する(S210)。
次に式6に示すごとく、走行距離変化量ΔDisを算出する(S212)。
[式6] ΔDis ← Dis − Bdis
次に圧力損失変化量ΔDpgaと走行距離変化量ΔDisとの比である堆積量変化率[ΔDpga/ΔDis]が、基準率Dup以上か否かが判定される(S214)。
ここで基準率Dupは、走行距離Disの増加に比較してフィルタ38aでの圧力損失ΔP/GAの上昇の程度が過剰であることを判定するために設けられたものである。
本実施の形態では基準率Dupは、図5のグラフ(走行距離Disと圧力損失ΔP/GAとの関係)上で圧力損失ΔP/GAの限界レベルとして表すと、例えば、一点鎖線で示されるごとく推移するように設定されている。この基準率Dupは一定値でも良く、あるいはマップにより走行距離Dis及び圧力損失ΔP/GAの一方、又は両方に基づいて設定する値でも良い。
この基準率Dupは、予めPM排出が予想範囲にある正常な燃焼状態において、走行距離Disと圧力損失ΔP/GAとの関係(図5にて二点鎖線「正常値」で示す)から、PM堆積が許容できる上限値となるように設定されている。あるいは、エンジン燃焼状態をPM増加が許容できる限界値となるように設定して実際にエンジンを運転し、走行距離Disと圧力損失ΔP/GAとの関係から求めた値、あるいはマップ化した値である。
ΔDpga/ΔDis<Dupであれば(S214で「no」)、このまま一旦本処理を終了する。
ΔDpga/ΔDis≧Dupであれば(S214で「yes」)、PM排出過多異常対策用燃焼調節処理を実行して(S216)、本処理を一旦終了する。
このPM排出過多異常対策用燃焼調節処理は前記図2のステップS116で述べたごとく実行されて、PMの排出が抑制される。
図5において[4],[5]は、それぞれディーゼルエンジン2の燃焼状態が異常となってPMの排出量が可成り過剰となった場合を示し、[6]はPM排出量が過剰ではない場合を示す。このため[4]の場合はDis=D1の時にΔDpga/ΔDis≧Dupとなる。[5]の場合にはDis=D2の時にΔDpga/ΔDis≧Dupとなる。[6]の場合にはΔDpga/ΔDis<Dupの状態が継続する。
[4],[5]の場合については、以後は、PMの生成自体が抑制される燃焼状態となるので、走行距離Disの増加に比較して、圧力損失ΔP/GAの上昇の程度は過剰でなくなり、図5において[4][5]共に勾配が鈍くなる。この後、[4],[5],[6]について、それぞれPM堆積量PMsmがPM再生制御開始の基準堆積値を越えるか、あるいは圧力損失ΔP/GAが限界値を超えることにより、PM再生制御が開始されて、フィルタ38aに堆積したPMは酸化により浄化される。
これ以後については、[4],[5]についてはディーゼルエンジン2における燃焼状態は、ステップS216にて設定されたPM抑制制御が継続されることから、図5に示した正常値に近いパターンとなる。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU70が堆積量変化率検出手段、粒子状物質生成抑制手段、及び排気流動抵抗検出手段に相当し、オドメーター84が走行距離検出手段に相当する。ECU70が実行するPM抑制用エンジン燃焼制御処理(図4)にて堆積量変化率[ΔDpga/ΔDis]を算出するまでの処理が堆積量変化率検出手段としての処理に相当し、ステップS214での判定とステップS216の処理が粒子状物質生成抑制手段としての処理に相当する。ECU70で行われる圧力損失ΔP/GAの計算が排気流動抵抗検出手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).PM抑制用エンジン燃焼制御処理(図4)において、走行距離変化量(走行距離増加量)ΔDisに対する圧力損失ΔP/GAの変化率[ΔDpga/ΔDis]によりフィルタ38aの目詰まりの可能性を判断している(S214)。そして、この変化率が基準率Dupよりも高率である場合には(S214で「yes」)、ディーゼルエンジン2の燃焼状態をPMの生成を抑制する側に調節している(S216)。
このことによりフィルタ38aの目詰まりが生じる可能性判断の確度を高めることができる。そしてフィルタ38aの目詰まりが生じる可能性が生じた場合には、前述したごとくにステップS216を実行しているので、確実にフィルタ38aの目詰まりを防止することができる。
[実施の形態3]
本実施の形態では、前記実施の形態1とは、前述した図2の処理の代わりに、図6に示すPM抑制用エンジン燃焼制御処理が実行される点が異なる。これ以外の構成については前記実施の形態1と同じである。したがって図1を参照して図6のPM抑制用エンジン燃焼制御処理について説明する。
図6の処理が開始されると、まず、触媒床温判定条件が成立しているか否かが判定される(S302)。ここで触媒床温判定条件は、(1)今回の制御開始タイミングがPM再生中であること、(2)前述したごとくのバーンアップ型昇温処理などの通常よりもフィルタ38aを高温化する処理を実行しておらず安定したPM再生処理が継続している状態であることの両条件(1)(2)を満足される場合には成立する。
前記条件(1)(2)の1つでも満足されていない場合には(S302で「no」)、このまま一旦本処理を終了する。
前記条件(1)(2)がいずれも満足されていれば(S302で「yes」)、条件成立カウンタCpmをインクリメントする(S306)。この条件成立カウンタCpmの値はECU70内のバックアップメモリやフラッシュメモリ内に記憶される。
そしてフィルタ38aの直下に設けられた第2排気温センサ46が検出する排気温度thcoが基準温度THj以上か否かが判定される(S308)。
この基準温度THjは、PM再生制御時に、フィルタ38aにおいて通常よりも過剰な熱量が生じていることを判定するためのものであり、例えば800〜900℃に設定されている。ディーゼルエンジン2が予想よりもPM排出速度が過多である状態では、フィルタ38a内の実際のPM堆積量は通常よりも高いレベルとなり、再生時には予想よりも大量の発熱を生じる。したがって燃焼室4から排出されるPM量の過剰状態の有無を捉えるために、フィルタ38aの下流直下での排気の温度を第2排気温センサ46にて検出し、この検出された排気温度thcoと基準温度THjとを比較している。
ここでthco<THjであれば(S308で「no」)、過剰な発熱はないと判断して、このまま一旦本処理を終了する。
thco≧THjであれば(S308で「yes」)、過剰な発熱があるとして過熱カウンタCthをインクリメントする(S310)。この過熱カウンタCthの値はECU70内のバックアップメモリやフラッシュメモリ内に記憶される。
次に条件成立カウンタCpmが基準回数Cpmjに達したか否かが判定される(S312)。基準回数Cpmjは判定精度を上げるために設けられている。ここでCpm<Cpmjであれば(S312で「no」)、PM再生制御が検出精度上必要な期間行われていないとして、このまま一旦本処理を終了する。
Cpm=Cpmjとなれば(S312で「yes」)、PM再生制御が検出精度上必要な期間行われたとして、過熱カウンタCthが高頻度判定値Cj以上か否かが判定される(S314)。すなわち、条件成立カウンタCpmにてカウントされた再生制御期間、ここでは基準回数Cpmjに相当する期間において、フィルタ38aでの過熱状態の頻度が高頻度か否かが判定されることになる。例えば、基準温度THjが800〜900℃に設定されている場合に、高頻度判定値Cjの値としては、例えば基準回数Cpmjの値の50〜60%の値が設定されている。
ここで高頻度でなければ、すなわちCth<Cjであれば(S314で「no」)、条件成立カウンタCpmと過熱カウンタCthとを「0」に戻して(S318)、一旦本処理を終了する。
一方、Cth≧Cjであれば(S314で「yes」)、PM排出過多異常対策用燃焼調節処理の実行がなされる(S316)。このPM排出過多異常対策用燃焼調節処理は前記図2のステップS116で述べたごとく実行されて、PM排出が抑制される。
そして条件成立カウンタCpmと過熱カウンタCthとを「0」に戻して(S318)、一旦本処理を終了する。
図7の実線は、PM再生制御において過熱の期間aが短い例を表している。一点鎖線は過熱の期間「b+c+d」が長い例を表している。
したがって、実線のような状態では、条件成立カウンタCpmが基準回数Cpmjに達した時に、Cth<CjであるのでPM排出過多異常対策用燃焼調節処理は実行されない。しかし、一点鎖線のような状態では、条件成立カウンタCpmが基準回数Cpmjに達した時に、Cth≧CjとなるのでPM排出過多異常対策用燃焼調節処理が実行される。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU70が堆積量変化率検出手段、及び粒子状物質生成抑制手段に相当し、第2排気温センサ46がフィルタ温度検出手段に相当する。ECU70が実行するPM抑制用エンジン燃焼制御処理(図6)のステップS312で「yes」と判定されて過熱カウンタCthの値が決定されるまでの処理が堆積量変化率検出手段としての処理に相当し、ステップS314の判定とステップS316の処理が粒子状物質生成抑制手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).PM抑制用エンジン燃焼制御処理(図6)では、過熱カウンタCthの値に現れる過熱頻度によりフィルタ38aの目詰まりの可能性を判断し(S314)、Cth≧Cjである場合には(S314で「yes」)、ディーゼルエンジン2の燃焼状態をPMの生成を抑制する側に調節している(S316)。
このように過熱頻度によりフィルタ38aの目詰まりの可能性を判断しているので、目詰まりが生じる可能性判断の確度を高めることができる。そしてフィルタ38aの目詰まりが生じる可能性が生じた場合には、前述したごとくにステップS316を実行しているので、確実にフィルタ38aの目詰まりを防止することができる。
[実施の形態4]
本実施の形態では、前記実施の形態1とは、前述した図2の処理の代わりに、図8に示すPM調節用エンジン燃焼制御処理が実行される点が異なる。これ以外の構成については前記実施の形態1と同じである。したがって図1を参照して図8のPM調節用エンジン燃焼制御処理について説明する。
更に図8においては、ステップS102〜S116までの処理は、図2において示した同一符号の処理と同じである。図2と異なる処理は、ステップS118,S120である。
ステップS118は、ステップS114にて「no」と判定された場合に実行される。すなわち、ΔDpga/ΔPM<Aupである場合には(S114で「no」)、ΔDpga/ΔPMが回復基準率Adn以下か否かが判定される(S118)。
ここで回復基準率Adnは、推定計算しているPM堆積量PMsmの増加に比較してフィルタ38aでの圧力損失ΔP/GAの上昇の程度が過少であることを判断するために設けられたものである。
本実施の形態では回復基準率Adnは、図9のグラフ(PM堆積量PMsmと圧力損失ΔP/GAとの関係)上で圧力損失ΔP/GAの下限の限界レベルとして表すと、例えば、二点鎖線で示す正常値より下の一点鎖線で示されるごとく推移するように設定されている。この回復基準率Adnは一定値でも良く、あるいはマップによりPM堆積量PMsm及び圧力損失ΔP/GAの一方、又は両方に基づいて設定する値でも良い。
この回復基準率Adnは、予めPM排出が予想範囲にある正常な燃焼状態において、PM堆積量PMsmと圧力損失ΔP/GAとの関係(二点鎖線の「正常値」)から、PM排出が許容できる下限値となるように設定されている。あるいは、エンジン燃焼状態をPM排出減少が許容できる限界値となるように設定して実際にエンジンを運転し、推定値であるPM堆積量PMsmと圧力損失ΔP/GAとの関係から求めた値、あるいはマップ化した値である。
燃焼室4での燃焼状態調節によりPM排出量を低下させるとNOx排出量が増加することが判明している。したがってPM排出が許容できる下限値とは、NOx排出量が許容できる上限値に到達したか否かの判定をするためのものである。
ΔDpga/ΔPM>Adnであれば(S118で「no」)、このまま一旦本処理を終了する。
ΔDpga/ΔPM≦Adnであれば(S118で「yes」)、PM排出過少異常対策用燃焼調節処理の実行がなされて(S120)、本処理を一旦終了する。
ここでPM排出過少異常対策用燃焼調節処理とは燃焼によるPM生成を現状よりも促進させて通常のPM排出状態となるように燃焼制御を行う処理である。これは前述したごとくPMの生成量とNOxの生成量とは反比例する関係にあるため、NOx排出量とのバランスをとるためである。例えば次のような処理が挙げられる。
(1)EGR弁56の開度を現在のEGR制御よりも閉じ側に制御する。より具体的には、EGR制御において、プラスオフセット値を設けて、EGR弁56の目標開度や、目標EGR率を大きくする。
(2)燃料噴射弁58における目標噴射時期をPM排出促進側に変更する。噴射時期を進角するか遅角するかはエンジンにより異なるが、本実施の形態のディーゼルエンジン2では、遅角することにより燃焼性を低下させてPMの排出を促進する。
(3)燃料ポンプ62を含めた燃料系の制御によりコモンレール圧を低下させる。このことにより燃料噴射弁58から噴射される燃料の霧化を悪化方向に調節することで燃焼性を低下させて、PMの排出を促進する。
(4)その他、燃料噴射弁58からの燃料噴射量の増加、スロットル弁22の開度低下、排気ターボチャージャ16による過給圧の低下などが挙げられる。更に、燃料噴射弁58にてパイロット噴射が行われている場合にはパイロット噴射量の増加、パイロット噴射とメイン噴射とのインターバルの変更などが挙げられる。更に、燃料噴射弁58にてアフター噴射が行われている場合にはアフター噴射量の増加などが挙げられる。
以上に示した各手法の1つ又は2つ以上を組み合わせたPM排出過少異常対策用燃焼調節処理が行われることにより、燃焼室4からのPMの排出が促進され、この結果、NOx排出量とバランスするように調節される。
図9において[10]はディーゼルエンジン2の燃焼状態が異常となってPMの排出量が過少、すなわちNOx排出量が多くなった場合を示す。このため[10]の場合、PMsm=M10の時にΔDpga/ΔPM≦Adnとなるので、PMの生成自体が促進される燃焼状態となる。このため、PM堆積量PMsmの上昇に比較して圧力損失ΔP/GAの上昇の程度は過少でなくなり、図9において勾配が大きくなる。この後、PM堆積量PMsmがPM再生制御開始の基準堆積値を越えるか、あるいは圧力損失ΔP/GAが限界値を超えることにより、PM再生制御が開始されて、フィルタ38aに堆積したPMは酸化により浄化される。
これ以後については、ディーゼルエンジン2における燃焼状態は、ステップS120にて設定されたPM促進制御が有効にされていることから、図9に示した正常値に近いパターンとなる。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU70が堆積量変化率検出手段、粒子状物質生成抑制手段、回復手段、排気流動抵抗検出手段、及び推定堆積量算出手段に相当する。ECU70が実行するPM調節用エンジン燃焼制御処理(図8)にて堆積量変化率[ΔDpga/ΔPM]を算出するまでの処理が堆積量変化率検出手段としての処理に相当し、ステップS114での判定とステップS116の処理が粒子状物質生成抑制手段としての処理に相当する。そしてステップS118での判定とステップS120の処理が回復手段としての処理に相当する。ECU70で行われる圧力損失ΔP/GAの計算が排気流動抵抗検出手段としての処理に、PM堆積量PMsmの計算が推定堆積量算出手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の効果を生じる。
(ロ).PM排出量が過少である場合には、NOx排出量とのバランスが悪化することから、ΔDpga/ΔPM≦Adnとなった場合には、ディーゼルエンジン2の燃焼状態をPM生成抑制ではなく促進する方向に調節してPM排出量を戻している。
このことによりフィルタ38aの目詰まりが生じない状況下にて、主としてNOxなど排気の他の成分との生成バランスが良好な状態に維持でき、排気浄化制御全体としてバランスのとれた制御が可能となる。
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態1のPM抑制用エンジン燃焼制御処理(図2)において、PM堆積量PMsmの代わりに、ディーゼルエンジンの積算回転回数SUMneを用いても良い。したがってPM堆積量変化量ΔPMの代わりにPM再生制御完了直後からの積算回転回数増加量ΔSUMneを用いる。そして圧力損失変化量ΔDpgaと積算回転回数増加量ΔSUMneとの比である堆積量変化率[ΔDpga/ΔSUMne]が基準率Sup以上か否かを判定し、基準率Sup以上であればPM排出過多異常対策用燃焼調節処理を実行することによりPMを現状よりも抑制し通常のPM排出状態となるようにする。
この場合、ECUにより別途実行されるディーゼルエンジンの回転回数の積算処理が、機関積算回転回数検出手段としての処理に相当する。
(b).前記実施の形態1のPM抑制用エンジン燃焼制御処理(図2)において、PM堆積量PMsmの代わりに、ディーゼルエンジンの燃焼室に噴射される燃料の積算燃料噴射量SUMinjを用いても良い。したがってPM堆積量変化量ΔPMの代わりにPM再生制御完了直後からの積算燃料噴射量増加量ΔSUMinjを用いる。そして圧力損失変化量ΔDpgaと積算燃料噴射量増加量ΔSUMinjとの比である堆積量変化率[ΔDpga/ΔSUMinj]が基準率Iup以上か否かを判定し、基準率Iup以上であればPM排出過多異常対策用燃焼調節処理を実行することによりPMを現状よりも抑制し通常のPM排出状態とする。
この場合、ECUにより別途実行されるディーゼルエンジンの燃焼室に噴射される燃料量の積算処理が、積算燃料噴射量検出手段としての処理に相当する。
(c).上記(a)に述べたディーゼルエンジンの積算回転回数SUMne及び(b)に述べた積算燃料噴射量SUMinjについては、前記実施の形態4のPM調節用エンジン燃焼制御処理(図8)に述べたごとくPM排出過少異常対策用燃焼調節処理(S120)を実行する場合にも適用できる。前記実施の形態2の走行距離Disについても同様にPM調節用エンジン燃焼制御処理(図8)に適用できる。
したがって、ディーゼルエンジンの積算回転回数SUMneや積算燃料噴射量SUMinj、あるいは走行距離Disを用いた場合においても、NOxなど排気の他の成分との生成バランスが良好な状態に維持でき、排気浄化制御全体としてバランスのとれた制御が可能となる。
(d).前記実施の形態3において、フィルタ温度検出手段としては、第2排気温センサ46を用いてフィルタ38a下流直下の排気温度thcoを検出して用いていたが、フィルタ38a中に温度センサを設けている場合には、この温度センサをフィルタ温度検出手段として用いても良い。
(e).前記各実施の形態では、排気浄化用のフィルタ38aとしては、「DPNR」と称されるNOx浄化用触媒と捕集したパティキュレートを酸化する触媒とを担持したディーゼルパティキュレートフィルタが用いられていたが、NOx浄化用触媒が存在しないフィルタでも良い。すなわち「DPF」と称される捕集したパティキュレートを酸化する触媒を担持したディーゼルパティキュレートフィルタを用いても良い。
実施の形態1の車両用ディーゼルエンジンと制御システムとの概略構成説明図。 実施の形態1のPM抑制用エンジン燃焼制御処理のフローチャート。 実施の形態1のPM抑制用エンジン燃焼制御処理にて用いられる基準率Aupに対応する限界レベルと制御の一例とを重ねて示すPM堆積量PMsm−圧力損失ΔP/GA推移グラフ。 実施の形態2のPM抑制用エンジン燃焼制御処理のフローチャート。 実施の形態2のPM抑制用エンジン燃焼制御処理にて用いられる基準率Dupに対応する限界レベルと制御の一例とを重ねて示す走行距離Dis−圧力損失ΔP/GA推移グラフ。 実施の形態3のPM抑制用エンジン燃焼制御処理のフローチャート。 実施の形態3における触媒床温状態の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態4のPM調節用エンジン燃焼制御処理のフローチャート。 実施の形態4のPM調節用エンジン燃焼制御処理にて用いられる基準率Aup及び回復基準率Adnに対応する限界レベルと制御の一例とを重ねて示すPM堆積量PMsm−圧力損失ΔP/GA推移グラフ。
符号の説明
2…ディーゼルエンジン、4…燃焼室、6…吸気弁、8…吸気ポート、10…吸気マニホールド、12…サージタンク、13…吸気通路、14…インタークーラ、16…排気ターボチャージャ、16a…コンプレッサ、16b…排気タービン、18…エアクリーナ、20…EGR経路、20a…EGRガス供給口、20b…EGRガス吸入口、22…スロットル弁、22a…スロットル開度センサ、22b…モータ、24…吸入空気量センサ、26…吸気温センサ、28…排気弁、30…排気ポート、32…排気マニホールド、34…排気通路、36…第1触媒コンバータ、36a…NOx吸蔵還元触媒、38…第2触媒コンバータ、38a…フィルタ、40…第3触媒コンバータ、40a…酸化触媒、44…第1排気温センサ、46…第2排気温センサ、48…空燃比センサ、50…差圧センサ、52…EGR触媒、54…EGRクーラ、56…EGR弁、58…燃料噴射弁、58a…燃料供給管、60…コモンレール、62…吐出量可変燃料ポンプ、64…燃料圧センサ、66…燃料供給管、68…添加弁、70…ECU、72…アクセルペダル、74…アクセル開度センサ、76…冷却水温センサ、78…クランク軸、80…エンジン回転数センサ、82…気筒判別センサ、84…オドメーター。

Claims (14)

  1. 排気中の粒子状物質を濾過すると共に堆積した粒子状物質を触媒機能により酸化することで再生可能な排気浄化用フィルタを排気系に設けた内燃機関の燃焼制御装置であって、
    前記排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量における内燃機関運転経過に伴う変化率を検出する堆積量変化率検出手段と、
    前記堆積量変化率検出手段により検出された変化率が、粒子状物質堆積量の増加側に設定された基準率よりも高率である場合には内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節する粒子状物質生成抑制手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量として前記排気浄化用フィルタでの排気流動抵抗を検出する排気流動抵抗検出手段と、
    内燃機関の運転状態に基づいて前記排気浄化用フィルタでの粒子状物質の推定堆積量を算出する推定堆積量算出手段と、
    を備え、
    前記堆積量変化率検出手段は、前記推定堆積量算出手段にて算出される推定堆積量の変化量に対する、前記排気流動抵抗検出手段により検出される排気流動抵抗の変化量の程度として、前記物理量の変化率を検出することを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
  3. 請求項1において、
    前記排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量として、前記排気浄化用フィルタの排気流動抵抗を検出する排気流動抵抗検出手段と、
    内燃機関の積算回転回数を検出する機関積算回転回数検出手段と、
    を備え、
    前記堆積量変化率検出手段は、前記機関積算回転回数検出手段にて検出される内燃機関の積算回転回数の増加量に対する、前記排気流動抵抗検出手段により検出される排気流動抵抗の増加量の程度として、前記物理量の変化率を検出することを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
  4. 請求項1において、前記内燃機関は車両駆動用であり、
    前記排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量として、前記排気浄化用フィルタの排気流動抵抗を検出する排気流動抵抗検出手段と、
    内燃機関が搭載された車両の走行距離を検出する走行距離検出手段と、
    を備え、
    前記堆積量変化率検出手段は、前記走行距離検出手段にて検出される車両の走行距離の増加量に対する、前記排気流動抵抗検出手段により検出される排気流動抵抗の増加量の程度として、前記物理量の変化率を検出することを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
  5. 請求項1において、
    前記排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量として、前記排気浄化用フィルタの排気流動抵抗を検出する排気流動抵抗検出手段と、
    内燃機関の積算燃料噴射量を検出する積算燃料噴射量検出手段と、
    を備え、
    前記堆積量変化率検出手段は、前記積算燃料噴射量検出手段にて検出される積算燃料噴射量の増加量に対する、前記排気流動抵抗検出手段により検出される排気流動抵抗の増加量の程度として、前記物理量の変化率を検出することを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
  6. 請求項2〜5のいずれかにおいて、
    単位時間当たりの内燃機関への吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
    前記排気浄化用フィルタの上流側と下流側との排気圧力差を検出する圧力差検出手段と、
    を備え、
    前記排気流動抵抗検出手段は、前記圧力差検出手段にて検出された排気圧力差と前記吸入空気量検出手段にて検出された吸入空気量との比として、前記排気浄化用フィルタの排気流動抵抗を検出することを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
  7. 請求項1において、
    前記排気浄化用フィルタの粒子状物質堆積量を反映する物理量として、前記排気浄化用フィルタの温度を検出するフィルタ温度検出手段を備え、
    前記堆積量変化率検出手段は、前記フィルタ温度検出手段にて検出される前記排気浄化用フィルタの温度が基準温度よりも高くなる頻度として、前記物理量の変化率を検出することを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
  8. 請求項7において、前記フィルタ温度検出手段は、前記排気浄化用フィルタから流出した直後の排気の温度を、前記排気浄化用フィルタの温度として検出することを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記粒子状物質生成抑制手段は、EGR率を低下させることにより内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
  10. 請求項9において、前記粒子状物質生成抑制手段は、EGRバルブの目標開度の低下、目標EGR率の低下、及びスロットル開度の増加のいずれか、又はこれらの2つ以上の組み合わせにより、EGR率を低下させることを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
  11. 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記粒子状物質生成抑制手段は、燃料噴射状態を変更することにより内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
  12. 請求項11において、前記粒子状物質生成抑制手段は、目標燃料噴射時期の変更、目標燃料噴射圧の増加、燃料噴射量の低下、及びパイロット噴射とメイン噴射とのインターバルの変更のいずれか、又はこれらの2つ以上の組み合わせにより、燃料噴射状態を変更することを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
  13. 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記粒子状物質生成抑制手段は、ターボ過給圧を上昇させることにより内燃機関の燃焼状態を粒子状物質生成を抑制する側に調節することを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
  14. 請求項1〜13のいずれかにおいて、
    前記堆積量変化率検出手段により検出された変化率が、回復基準率よりも低率である場合には内燃機関の燃焼状態を、前記粒子状物質生成抑制手段による調節方向とは逆方向に調節する回復手段を備えたことを特徴とする内燃機関燃焼制御装置。
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