JP2006274090A - ポリマー固体微粒子を含む顔料分散体及びインク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被塗工面での塗工濃度のアップが可能な顔料分散体とインク組成物を提供する。
【解決手段】 顔料、ポリマー固体微粒子、分散剤及び溶剤を含有する顔料分散体
【選択図】なし

Description

本発明は、被塗工面での塗工濃度のアップなど様々な要求物性に優れたインク組成物及びかかるインク組成物を提供しうる顔料分散体に関する。
従来、各種微粒子を添加した顔料分散体やインク組成物が提案されている。例えば特許文献1には印字濃度、耐水性、及び耐擦過性に優れた水性インク組成物を得るためにイオン性のポリマーエマルジョンを含有してなる水性インクが提案されている。また、特許文献2には紙への定着性、インキ塗膜の耐水性を向上させるため、アクリル系、スチレンアクリル系、酢酸ビニル系、エチレン-酢酸ビニル系及びウレタン系からなる群から選ばれる少なくとも1種のエマルジョン樹脂を含むインクジェット記録液が提案されている。
しかし、本発明者らの検討によれば、これら従来得られていたものはいずれも、顔料分散体にポリマーエマルジョンを後添加するという手法をとるため、結果、インク組成物中の顔料濃度が下がってしまうという問題があった。更にこれらポリマーエマルジョンを分散時に添加するという手法をとると、分散が阻害され、分散が不可能であったり、仮に分散出来たとしても、保存安定性に問題があるという結果なる。また、塗工濃度についても添加した効果が発現しない。
次に、微粒子の種類が違うものとして無機酸化物コロイドを添加した顔料分散体やインク組成物の作成も提案されている。例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13には無機コロイドを含有するインク組成物が記載されており、無機酸化物コロイドとしては高分子量の無水珪酸の超微粒子コロイド、アルミナの超微粒子コロイド、コロイダルシリカ、アルミナコロイドが挙げられている。
しかし、本発明者らの検討によれば、これら従来得られていたものはいずれも、顔料分散体、インク組成物の安定性の指標である分散粘度、分散平均粒子径等の経時での安定性が低く、増粘、増粒、ゲル化、沈降などの問題が発生し、安定した顔料分散体やインク組成物を得ることが出来なかった。
また、仮に顔料分散体で安定したものが得られても、インク作製時の各種添加物によるショックで増粘、増粒、ゲル化、沈降などの問題が発生する場合も多々ある。
また、安定したインク組成物を得られても、被塗工面での耐擦性、密着性、塗工濃度のアップなど全てが満足されたものは得られなかった。
最後に、現在市場に出回っている高発色の顔料分散体、インクについては紙面上での密着が低く、紙の種類によっては軽く擦るだけで取れてしまうという問題を抱えている。
特開2002-97396号公報 特開2003-171574号公報 再表98-30398号公報 特開平9-272826号公報 特開平9-286940号公報 特開平9-286941号公報 特開平10-193775号公報 特開平10-195404号公報 特開平10-287035号公報 特開平11-10856号公報 特開平11-12516号公報 特開平11-105415号公報 特開平11-115303号公報
本発明は、上記の問題に鑑み、被塗工面での塗工濃度のアップが可能な顔料分散体とインク組成物を提供することを目的のひとつとする。
本発明者らは、様々な粒子を添加して塗工濃度アップについて種々検討した結果、どのような粒子を添加するか、また有機微粒子であってもそれがエマルジョンなのか?マイクロゲルなのか?が塗工濃度アップに影響することを見出し、さらに有機微粒子としてマイクロゲルを用いることにより、上記の問題を改善される事を発見し本発明の完成に至った。
本発明により、ポリマー固体微粒子を添加した分散液を使用したインク組成物は、光沢のある紙としてインクジェット専用写真光沢紙に代表されるミクロポア層を有する被塗工物に塗工した時、また、表面状態の違う被塗工物としてのPPC用紙などに代表されるマクロポア構造を持つメディアに塗工した時の双方で、印刷濃度がアップすることが確認された。
着色剤として特に顔料を用い同時にポリマー固体微粒子を添加して、分散液としての粘度の経時安定性、平均粒子径の安定性、沈降安定性などの分散液諸物性改善をすることができ、またこのような分散液を使用したインク組成物を提供することができるのである。さらに適切な分散剤で分散を実施することで、より性能のアップが達成できる。
この分散液を使用することで、例えば、インクジェット用インク組成物、筆記具用インク組成物として被塗工面への印刷後の印字濃度(OD値)アップなどの他に、インク組成を色々と変更することで、ガラス、金属、フィルム、セラミック、布、不織布などのあらゆる被塗工物に塗工ができ、印刷後の印字濃度(OD値)が高い塗工面、印刷面を得ることが可能である。
すなわち、本発明は、
(1)顔料、ポリマー固体微粒子、分散剤及び溶剤を含有する顔料分散体、
(2)ミクロポア層を有するメディアに塗工した時にOD値が2.65以上である上記(1)に記載の顔料分散体、
(3)OD値が、PPC用紙などに代表されるマクロポア構造をもつメディアに塗工した時に1.30以上である上記(1)又は(2)に記載の顔料分散体、
(4)ポリマー固体微粒子の平均粒子径が、100nm以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の顔料分散体、
(5)ポリマー固体微粒子の添加量が、顔料分散体中の固形分として0.1〜50重量%であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の顔料分散体、
(6)ポリマー固体微粒子を顔料の分散時に添加して粉砕された顔料分散体を使用することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の顔料分散体、
(7)バインダー成分として高分子ポリマーを顔料の分散時に添加して粉砕された顔料分散体を使用することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の顔料分散体、
(8)分散剤が、アニオン系であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の顔料分散体、
(9)分散剤が、ノニオン系であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の顔料分散体、
(10)分散剤が、カチオン系であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の顔料分散体、
(11)分散剤が、両性系であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の顔料分散体、
(12)分散剤の重量平均分子量が、500〜100000であることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の顔料分散体、
(13)インク組成物である上記(1)〜(12)のいずれかに記載の顔料分散体、
(14)ポリマー固体微粒子をインク作製時に添加することを特徴とする顔料分散インク組成物の製造方法、
(15)ポリマー固体微粒子とバインダー成分として高分子ポリマーをインク作製時に添加することを特徴とするインク組成物の製造方法、
に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の顔料分散体は、少なくとも(1)顔料、(2)ポリマー固体微粒子(マイクロゲル)、(3)分散剤、(4)溶剤、を含有する。
〔ポリマー固体微粒子(マイクロゲル)〕
本発明で特徴とするポリマー固体微粒子とは、マイクロゲルとも称されるものである。重合可能な有機モノマーを重合して得られる微粒子であり、しかも固体であるものである。
一般には乳化重合によって合成されるが、その他、ゾル-ゲル法、エマルジョン膜乳化法などがあるが、いずれも粒子であり、水などの液体中においても、粒子内部が架橋している、していないに関わらず、粒子自体は固体であるものを指す。いわゆるゲル状、一般に粒子内部が三次元架橋構造をとるものをも含む。粒子の形状は限定されないが通常は球状である。
また、共重合などの方法により粒子表面、内部に各種官能基を導入しているものもある。
ポリマー固体微粒子を得るに際し用いられる重合可能なモノマー種には限定されないが、アクリル系モノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピル等のアクリル酸アルキルエステル、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド及びジアセトンアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類並びにグリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールのジアクリル酸エステル、ジエチルグリコールのジアクリル酸エステル、トリエチレングリコールのジアクリル酸エステル、ポリエチレングリコールのジアクリル酸エステル、ジプロピレングリコールのジアクリル酸エステル、トリプロピレングリコールのジアクリル酸エステル等の(ポリ)アルキレングリコールのジアクリル酸エステル類、エチレングリコールのジメタクリル酸エステル、ジエチレングリコールのジメタクリル酸エステル、トリエチレングリコールのジメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールのジアクリル酸エステル、プロピレングリコールのジメタクリル酸エステル、ジプロピレングリコールのジメタクリル酸エステル、トリプロピレングリコールのジメタクリル酸エステル等の(ポリ)アルキレングリコールのジメタクリル酸エステル類等が挙げられ、これらの単独又は少なくとも2種の複合モノマーを適宜用いることができる。
また、ビニル系モノマーとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、パーサティック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、塩化ビニリデン、クロロヘキサンカルボン酸ビニル、アクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸−2−クロロエチル等が挙げられる。
また、アクリル酸シクロヘキシル等の脂環式アルコールのアクリル酸エステルや、メタクリル酸シクロヘキシル等の脂環式アルコールのメタクリル酸エステル等が挙げられる。
また、スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン及びオクチルスチレン等のルキルスチレン、フロロスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、クロルメチルスチレン等のハロゲン化スチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレン、α−メチルスチレン等を挙げることができる。
また、水酸基を含有する重合可能なモノマーとしては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、1,1,1−トリヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、ヒドロキシビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、本発明においては、これらの単独又は2種以上の複合モノマーを適宜好適に使用することができる。
また、重合性不飽和基を複数個(2〜6個)有するヒドロキシル基含有重合性多官能モノマーも適宜好適に使用することができ、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、必要に応じてポリマー微粒子(マイクロゲル)の表面又は粒子内部に介在させる水酸基の他に、例えば、カルボキシル基、エポキシ基、スルホン酸基、アミノ基、アルキルアミド基、アミド基等の官能基を導入させることができる。
そのような官能基を有するモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸が挙げられ、また、これらの誘導体として、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、メタクリル酸アミノエチル及びメタクリル酸アミノプロピル、マレニルイミド等が挙げられる。また、例えば、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジルエーテル、メタアクリル酸グリシジルエーテル、アクリル酸−2−エチルグリシジルエーテル、メタアクリル酸−2−エチルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、マレイン酸のモノ及びジグリシジルエステル、フマル酸のモノ及びジグリシジルエステル、クロトン酸のモノ及びジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸のモノ及びジグリシジルエステル、イタコン酸のモノ及びグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸のモノ及びジグリシジルエステル、シトラコン酸のモノ及びジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノ及びグリシジルエステル等のジカルボン酸モノ及びアルキルグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸のアルキルグリシジルエステル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド等のエポキシ基含有重合性モノマーが挙げられ、また、例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル系誘導体類、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン等のビニルアミン系誘導体類、アリルアミン、メタクリルアミン、N−メチルアクリルアミン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアリルアミン系誘導体、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等のアクリルアミド系誘導体、p−アミノスチレン等のアミノスチレン類、6−アミノヘキシルコハク酸イミド、2−アミノエチルコハク酸イミド等のアミノ基含有エチレン性不飽和結合を有するモノマーが挙げられる。
本発明において用いられるポリマー固体微粒子に対して、一般的な水系エマルジョンは、活性剤乳化、ソープフリーいずれにしても水中では、油状の液体粒子を形成している点で、固体であるポリマー固体微粒子(マイクロゲル)とは異なり、区別できる。そして本発明ではポリマー固体微粒子を用いることにより、塗工濃度などの性能がアップする顔料分散体を得ることができるのである。
平均粒子径は好ましくは100nm以下、特に好ましくは5〜100nmである。内部架橋されたポリマー固体微粒子(マイクロゲル)を添加すると特に、顔料分散液を使用した水性インク組成物を作製し、被塗工物に筆記、塗布、印字することで、筆記、塗布、印字のOD値濃度をアップできることを本発明者らは見出した。
本発明の顔料分散体又はインク組成物の作製には、通常次の工程を踏む。
(1)顔料に分散剤を使用して凝集状態から一次粒子径近くまで分散する工程
(2)分散された分散液をインク組成物として使用可能なインクに調整する希釈インク化工程
である。(1)(2)のどの工程においても,ポリマー固体微粒子(マイクロゲル)を含有しているのが好ましい。
添加量としては、顔料分散体又はインク組成物中、固形分として0.1〜50重量%、好ましくは、0.5〜30重量%、更に好ましくは1〜25重量%が好ましい。
顔料100重量部に対しては0.5重量部から500重量部、好ましくは、1重量部から400重量部、更に好ましくは、1重量部から300重量部が好ましい。
〔顔料〕
本発明の顔料分散体あるいはインク組成物に使用される顔料は、特に限定がなく、有機顔料、無機顔料のいずれも使用する事が出来る。
有機顔料としては、例えばアゾレーキ顔料、不溶性モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料:フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料などの多環式顔料、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなどの染料キレート:ニトロ顔料:ニトロソ顔料などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば酸化チタン、酸化鉄イエロー、酸化鉄ブラウン、酸化クロム、紺青、群青、モリブデン赤、酸化鉄ブラック、黄鉛、複合酸化物顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
なかでも、耐光性を考慮すれば、イソインドリノン系顔料、キナクリドン系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、カーボンブラックが好適に用いられる。
前期有機顔料の具体例としては、例えばピグメント・イエロー1カラーインデックス(以下、C.I.という)11680)、ピグメント・イエロー3(C.I.11710)ピグメント・イエロー14(C.I.21095)ピグメント・イエロー17(C.I.21105)ピグメント・イエロー42(C.I.77492)、ピグメント・イエロー74(C.I.11741)ピグメント・イエロー83(C.I.21108)ピグメント・イエロー93(C.I.20710)ピグメント・イエロー98(C.I.11727)、ピグメント・イエロー109(C.I.56284)ピグメント・イエロー110(C.I.56280)ピグメント・イエロー128(C.I.20037)ピグメント・イエロー138(C.I.56300)ピグメント・イエロー139(C.I.56298)ピグメント・イエロー147(C.I.60645)ピグメント・イエロー154(C.I.11781)ピグメント・イエロー155(C.I.−)、ピグメント・イエロー180(C.I.21290)、ピグメント・イエロー185(C.I.56290)、ピグメント・オレンジ5(C.I.12075)ピグメント・オレンジ13(C.I.21110)、ピグメント・オレンジ16(C.I.21160)ピグメント・オレンジ34(C.I.21160)ピグメント・オレンジ43(C.I.71105)ピグメント・オレンジ61(C.I.11265)、ピグメント・オレンジ71(C.I.56120)ピグメント・レッド5(C.I.12490)ピグメント・レッド8(C.I.12335)、ピグメント・レッド17(C.I.12390)ピグメント・レッド22(C.I.12315)、ピグメント・レッド48:2(C.I.15865:2)ピグメント・レッド112(C.I.12370)、ピグメント・レッド122(C.I.73915)ピグメント・レッド177(C.I.65300)、ピグメント・レッド202(C.I.73907)ピグメント・レッド254(C.I.56110)、ピグメント・バイオレット19(C.I.46500)ピグメント・バイオレット23(C.I.51319)、ピグメント・ブルー15:1(C.I.74160)、ピグメント・ブルー15:3(C.I.74160)、ピグメント・ブルー15:4(C.I.74160)、ピグメント・ブルー60(C.I.69800)、ピグメントグリーン7(C.I.74260)、ピグメントグリーン36(C.I.74265)などが挙げられる。
無機顔料の具体例としては、例えばピグメント・イエロー42(C.I.77492)ピグメント・ホワイト6(C.I.77891)、ピグメント・ブルー27(C.I.77510)、ピグメント・ブルー29(C.I.77007)、ピグメント・ブラック7(C.I.77266)などが挙げられる。
好ましくは,ピグメント・イエロー74(C.I.11741)、ピグメント・イエロー109(C.I.56284)ピグメント・イエロー110(C.I.56280)ピグメント・イエロー128(C.I.20037)、ピグメント・イエロー155(C.I.−)、ピグメント・イエロー180(C.I.21290)、ピグメント・レッド122(C.I.73915)、ピグメント・レッド202(C.I.73907)、ピグメント・バイオレット19(C.I.46500)、ピグメント・ブルー15:1(C.I.74160)、ピグメント・ブルー15:3(C.I.74160)、ピグメント・ブルー15:4(C.I.74160)、ピグメント・ブルー60(C.I.69800)、ピグメント・ブラック7(C.I.77266)などが挙げられる。
特にカーボンブラックは、ストラクチャー等の他のカーボンには、無い特性があり、物性に大きく影響してくることから選択が必要である。カーボンブラックの種類としては、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラックなどが挙げられる。
カーボンブラックの一次粒子径は、50nm以下、特に好ましくは,40nm以下、更に好ましくは,30nm以下である。
DBP吸油量は、通常40ml/100g以上好ましくは,70ml/100g以上である。この範囲を超えたカーボンは,構造の違うメディアでの物性の両立が難しくなる。
尚、一次粒子径は、電子顕微鏡による値、DBP吸油量は、「JISK6221 A法」による測定値である。
以上のようなカーボンの具体例としては、「カーボンブラック#990」、「#970」、「#960」、「#950」、「#650」、「#750」、「MA600」、「#4000」、「MA100」、「#40」、「#32」、「#30」、「MA230」、「#3230」、「#3350」(以上三菱化学製)、「MONARCH880」、「―1000」、「―1300」、「―1400」、「―460」、「―480」、「VULCAN―P」、「―XC―72」、「―9A32」、「ELFTEX―8」(以上、キャボット社製)、「ColorBlackFW1」、「―2」、「―200」、「―18」、「―S160」、「―S170」、「SpecialBlack―5」、「―6」、「―4」、「―4A」、「Printex―90」、「―80」、「―60」、「―40」、「―30」、「―3」、「―140U」、「―140V」、「―150T」、「―P」、「―L6」、「―L」、「―U」、「―V」、(以上、デグッサ社製)「Raven―5000ULTRAIII」、「―7000」、「―5750」、「―5250」、「―890H」、「―790URTRA」、「―C ULTRA」、「Conductex−SC ULTRA」、「―975ULTRA」(以上、コロンビアン製)等が挙げられる。
〔分散剤〕
本発明でいう分散剤とは一般に顔料分散剤と呼ばれる、顔料分散機能を有する化合物であり、具体的には、各種陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、高分子系分散剤などが挙げられる。印字物の耐擦過性及び光沢が良好で有ることから、高分子系分散剤が特に好適に使用される。
陰イオン性界面活性剤としては,脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩類、ポリオシエチレンアルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル塩類、アルカンスルホン酸塩類、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩類、N―メチル―オレオイルタウリン酸塩、α―オレフィンスルホン酸塩類などが挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、特にエチレンオキシド構造または、プロピレンオキシド構造を有するものが保存安定性及び印刷濃度の点で好ましく,その中でもHLBが9〜17(特に10〜16)である物が更に好ましい。このような非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレン誘導体類、エチレンオキシド―プロピレンオキシドブロック共重合体類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、アセチレングリコール類、アセチレングリコール類のエチレングリコール付加物などが、挙げられる。
陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤としては、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類、アルキルベタイン類、アミンオキシド類などが挙げられる。
これらイオン性界面活性剤は、分散剤としての添加、濡れ剤、洗浄剤、表面張力調整剤としての効果が有る為、インク化工程時にも添加する事が出来る。
高分子系分散剤としては、疎水性官能基および親水性官能基を共に含む高分子系分散剤が、分散の安定性、印刷物の耐水、耐擦過性の点で好ましい。高分子系分散剤としては、カルボン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基及びリン酸(塩)基から選ばれるアニオン性官能基を有するアニオン性高分子が好適に使用される。
上記のアニオン性高分子の具体例としては、構成成分として疎水性ビニル単量体単位とアニオン性ビニル単量体を含むアクリル樹脂が挙げられる。そして疎水性ビニル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸の脂肪族炭化水素及び/または、芳香族炭化水素エステル、マレイン酸の脂肪族炭化水素及び/または、芳香族炭化水素エステル、スチレン、α―メチルスチレン等が挙げられ、アニオン性ビニル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、2―アクリルアミド―2―メチルプロパンスルホン酸または、これらの塩が挙げられる。
更に上記のアニオン性高分子の他の具体例としては、オレフィン骨格にカルボン酸やスルホン酸を導入したものや、イソプレン骨格にカルボン酸やスルホン酸を導入した物、ポリエステル系ウレタン樹脂やポリエーテル系ウレタンなどの合成時にカルボン酸やスルホン酸を導入した物などが挙げられる。これら高分子分散剤は、被膜性アップのバインダー樹脂としても添加する事が出来る。またインク化工程時にも添加する事が可能である。
分散剤としての添加量は、カーボン100重量部に対して固形分換算値として1から100重量部、好ましくは、1〜50重量部、更に好ましくは、5〜40重量部である。
以上のような高分子分散剤の市販品としては、フレーク品として「ジョンクリル67」、「ジョンクリル678」、「ジョンクリル586」、「ジョンクリル680」、「ジョンクリル682」、「ジョンクリル683」、「ジョンクリル690」、「HPD―671」及び/または、その塩「ジョンクリル52」、「ジョンクリル57」、「ジョンクリル60」、「ジョンクリル61J」、「ジョンクリル62」、「ジョンクリル63」、「ジョンクリル70」、「ジョンクリル501」、「ジョンクリル354」、「ジョンクリル6610」、「HPD―71」、「HPD―96」、「PDX-6102B」(以上ジョンソンポリマー社製)、「ザイクセンシリーズ」(住友精化)、「ケミパールSシリーズ」(三井化学)、「ダイナフローシリーズ」(JSR)、「ハイドランHWシリーズ」、「ハイドランAPシリーズ」(以上、大日本インキ化学社製)、「タケラックWシリーズ」(以上、三井武田ケミカル社製)等が挙げられる。これら高分子分散剤は、フレーク状、溶液、エマルション等の形で入手する事が出来る。
本発明で使用される高分子分散剤は,分散安定性の観点から、その重量平均分子量が500以上100000、特に好ましくは500以上50000以下であることが好ましく、1000以上30000以下であることが更に好ましく、更に好ましくは1000以上20000以下であることが好ましい。
〔中和塩〕
フレーク状の物を中和塩として水溶液化したり、エマルジョン化する為の中和塩としては、アンモニア、トリエチルアミン、アミノメチルプロパノ−ル、アミノメチルプロパンジオール、アミノエチルプロパンジオール、トリハイドロキシメチルアミノメタン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、等の有機アミン類、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩が挙げられる。本発明では、いずれでも使用する事が出来る。
本発明の顔料分散体又はインク組成物は特に水性媒体に分散させた水性分散液とすることができる。水性分散液は、以上説明した顔料、分散剤及び媒体としての水、その他の水性媒体を含有するものであるが、その他の有機溶剤を含有させても良い。ここでの水性媒体とは、水または水と相溶し得る水溶性の溶媒をいう。水としては、イオン交換水を用いるのが特に好ましい。水溶性の溶媒としては、後述するインク組成物において用いられる溶媒から選択するのが望ましい。
顔料分散体又はインク組成物におけるその他の成分として、分散液の物性に悪影響を与えたりインク化した際の障害となるものでなければ限定されず、適宜選択する事ができるが、以下に説明する水性インク組成物において用いられる有機溶剤から選択した溶剤や,消泡剤、レベリング剤、表面張力調整剤、防菌防カビ剤などを含有してもよい。
顔料分散体又はインク組成物中での顔料の平均粒子径は、10nm以上250nm以下、好ましくは、10nm以上250nm以下、更に好ましくは,10nm以上200nm以下である。粒子径が250nmを超えると顔料の分離や沈降が発生しやすくなる。また10nmより小さいと粒子の制御、耐光性などの性能が低下する。
なおここでの平均粒子径は、顔料が実際に分散液中で形成している粒子としての分散径であり、測定装置としてマイクロトラックUPA(日機装(株)社製「UPA150」)を使用し粒子径分布におけるD50(50%の粒子がこの粒子径以下の大きさであることを示す)の値を平均粒子径の値とする。
なお本発明において顔料分散体とは顔料が液状の分散媒に分散された分散液を指し、最終製品であるインク組成物であると、主に前駆体として予め顔料を分散させたいわゆるミルベースであるとを問わない。すなわち顔料分散体がインク組成物に比較しより広い概念であるが、顔料分散体がミルベースを指す場合はインク組成物とは区別される。インクの製造に際しては、予めミルベースとし、これを用いてインク化するのが、顔料の分散の均一性、分散安定性その他物性的にも工程的にも好ましい。
〔分散機〕
本発明の顔料分散液を製造する分散機としては、例えばメディア媒体型分散機や衝突型分散機が挙げられる。
メディア媒体型分散機とは、ベッセル内で、媒体としてガラス、アルミナ、ジルコニア、スチール、タングステン等の小径のメディアを高速で運動させ、その間を通過するスラリーをメディア間のせん断力で磨砕させる物を言う。かかるメディア媒体型分散機の具体例としては、例えばボールミル、サンドミル、パールミル、スパイクミル、アジテーターミル、コボーミル、ウルトラビスコミルなどが挙げられる。
衝突型分散機としては、ひとつの壁面に流体を高速で衝突させるか、流体同士を高速で衝突させて流体中の顔料などを粉砕させるものを言う。かかる衝突型分散機の例としては,例えばナノマイザー、ホモジナイザー、マイクロフルイタイザー、アルチマイザーなどが挙げられる。
これら以外にもロールミル、超音波分散機などの他に公知の分散機を用いても構わない。
〔インク組成物〕
本発明のインク組成物は,前述したポリマー微粒子を少なくとも含有する事を特徴とする。色材は、前述した顔料が好ましく用いられる。
本発明のインク組成物の製造方法は特に限定されないが、顔料分散液を調整し、粗大粒子が存在する場合は,遠心処理、濾過処理によって粗大粒子を除去するのが望ましく、その後有機溶剤等を添加してインク化工程に進むのが望ましい。
インク組成物中の色材の含有量は,特に顔料を用いた場合、着色効果が充分に発現するようにするには、0.5重量%以上、好ましくは,2重量%以上である事が好ましい。
好ましい有機溶剤の具体例としては、高沸点のものとして例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール,1,2,6―ヘキサントリオール、チオグリコール、へキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリンなどの多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2―ピロリドン、N―メチル−2―ピロリドン、1、3―ジメチル―2―イミダゾリジノン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。低沸点のものとしては、メタノール、エタノール、n―プロピルアルコール、ISO―プロピルアルコール、n―ブタノール、Sec―ブタノール、tert―ブタノール、iso―ブタノール、n―ペンタノールなどが挙げられる。これらは、単独もしくは、2種類以上を混合して用いる事が出来る。
これら有機溶剤の添加量は、インク液中に1重量%から30重量%、好ましくは、1重量%から25重量%が望ましい。これら有機溶剤は、分散工程中にも添加する事ができる。
〔バインダー樹脂〕
被膜性のアップの為にバインダー樹脂を添加しても良い。公知の被膜性の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、PVA,PVP,アミド樹脂、エポキシ樹脂、メチルセルロース等の水溶性、前述した高分子分散剤のような中和塩物、エマルジョンのものが挙げられる。
バインダー樹脂としての添加量は、顔料100重量部に対して固形分換算値として1から200重量部、好ましくは、5〜150重量部、更に好ましくは、5〜120重量部、更に好ましくは5〜80重量部である。
インク組成物の粘性をつける為に、増粘剤を添加しても良い。公知の増粘剤として例えば、天然系多糖類としてグァーガム、ローカストビンガム、ガラクトマンナン、ペクチン及びその誘導体、サイリュウムシュードガム、タマリンドウガム、微生物系のキサンタンガム、レオザンガム、ラムザンガム、ウエランガム、ジュランガム等、海草多糖類のカラギーナン、アルギン酸及びその誘導体、樹脂多糖類のタラガントガム、セルロース及びその誘導体、合成高分子系では、ポリアクリル酸やその架橋型共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びその誘導体、ポリビニルメチルエーテル及びその誘導体、ポリエーテルポリオール系、ポリエーテルウレアポリウレタン系などの有機系増粘剤、スクメタイト、ベントナイト、モンモリロナイト等の無機系増粘剤などが挙げられる。
添加量は、用途によって適量を添加する。
更に、本発明のインク組成物には、所望の物性を有するようにする為に、前述のイオン性界面活性剤、防カビ剤、消泡剤、防腐剤などの添加剤を適宜配合する事が出来る。
〔被塗工物〕
以上説明した本発明のインク組成物は、特に一般に紙と呼ばれる被塗工物に対して、発色OD値の高い筆記、印刷の可能な水性インク組成物である。
この際の被塗工物の表面状態は、有機材質、無機材質を問わず結晶性、非結晶性、無孔質、多孔質、多孔質でもオングストロームの穴、サブミクロンの穴、ミクロンの細孔を持つもの、繊維状のものが折り重なったもの、オングストローム、サブミクロン、ミクロンの粒子径をもつ無機コロイド、有機コロイド、無機有機複合コロイド、無機粉体、有機粉体、無機有機複合粉体が存在もしくは、それらが塗膜化時に形成したオングストローム、サブミクロン、ミクロンの粒子同士の空隙孔をもつもの、或いは、これらの複合する表面状態をいう。
更に被塗工物の表面に光沢を与えるために、何らかの加工を施したものも用いることができる。加工の種類、方法は特に限定されず、金属表面などのポリッシュ加工、紙などに光沢を与えるために施されるキャストコート、フィルム光沢転写などがある。
また、表面状態が、非吸収、吸収であるかは問わない。
被塗工物として代表的には紙がある。用いられる紙は特に限定されないが、最も代表的には、コピー用紙に代表されるPPC用紙などのマクロポアを有するメディアがあり、一般的に使用されている事務用のコピー用紙(PPC用紙)、具体的には「ゼロックス4024P」(ゼロックス(株)社製),「コクヨKBOA用紙」(コクヨ(株)社製),「PBペーパー」(キヤノン(株)社製)、「上質普通紙」(セイコーエプソン(株)社製)などが挙げられる。
光沢のある紙としては例えば、インクジェット印刷で写真画像を得る為に開発されたトップ層にミクロポア層を有するメディアがあり、代表的には写真画質等の光沢のあるインクジェット用専用紙がある。具体的には、「PM写真用紙(光沢)」(セイコーエプソン(株)社製)、「プロフェショナルフォトペーパー」(キヤノン(株)社製)、「PhotolikeQP」(コニカ(株)社製)等が、挙げられる。
本発明の顔料分散体及び顔料インク組成物は、ミクロポア層を有するメディアに塗工した時にOD値が2.50以上とすることができる。またマクロポア構造を有するメディアに塗工した時にもOD値が1.30以上とすることができる。つまり、本発明の顔料分散体及び顔料インク組成物は、通常のコピー用紙であっても、光沢紙であっても、いずれでも高いOD値を得ることができるのである。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。特にことわりのない限り「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表す。
〔分散樹脂の調製〕
ジョンソンポリマー社製ジョンクリル679をアミノメチルプロパノ−ル(以降AMP)、ジョンクリル683は、アミノメチルプロパノ−ル(以降AMP)とアンモニアを使用して中和塩として溶解した。
また、ARCO Chemical社製 SMA1440Fについては、アンモニアを使用して中和塩として溶解した。
式1
ジョンクリル679の酸価は、平均200mgKOH/g、ジョンクリル683の酸価は、平均160mgKOH/g、SMA1440Fの酸価は、平均175mgKOH/gである。中和剤としては、アミノメチルプロパノールの分子量89.14、価数1、濃度100%と25%アンモニア水分子量17.05、価数1、濃度25%を使用して中和率100%で計算し、20%中和品をそれぞれ作成した。
ここで言う酸価とは、高分子中に含まれる酸性官能基の割合を示す値であって、未中和の樹脂1g(固形分)を中和する為に必要とされる水酸化カリウムの重量(mg単位)で表現し、単位は、mgKOH/gである。
〔分散液の調整〕
表-4、表-5、表-6、表-7、表-8の処方に従い、以下方法で顔料を分散して分散液とした。
表-4、表-5、表-6、表-7、表-8の分散配合で配合液を作成し、ペイントコンディショナーを使用して2時間分散を実施した。分散のメデイアとしては、1mmの無アルカリビーズを使用した。
〔分散性評価〕
表-4、表-5、表-6、表-7、表-8中に分散液の分散性を示す。分散性を流動性と平均粒子径で判断をする。
(評価基準)
分散液安定性A 目標平均粒子径150nm以下 ○
目標平均粒子径150nm以上 ×
平均粒子径の測定は、マイクロトラックUPA(日機装(株)社製「UPA150」)を使用し粒子径分布におけるD50(50%の粒子がこの粒子径以下の大きさであることを示す)の値を平均粒子径の値とする。
分散液安定性B 70℃1週間の粘度変化が初期値より±6%以内 ○
70℃1週間の粘度変化が初期値より±6%以上 ×
TV−20型粘度計(東機産業(株)社製)を使用し、測定した値を基に評価×の分散液については、次のインク下工程には、進まず試験を打ち切る。
ここで使用したカーボンの物性は、次の通りである。
〔カーボン性状〕
カーボンブラックA
一次粒子径 13nm
DBP吸油量 180g/100ml
24MDBP吸油量 110g/100ml
〔ポリマー固体微粒子〕
ここで使用したポリマー固体微粒子は粒子内部が三次元架橋構造(ゲル)をとっており、物性値の代表値としては、次の様である。
この数値は、Lot数値であって規格値ではない。
成分表 (ミストパールA-300 荒川化学工業(株)社製)
不揮発分 30.1%
粘度 11mPa・s
pH 2.9
粒子径 66nm
上記のような物性値を持つ物を使用した。
その他のポリマー微粒子(エマルジョン)については、表−3に示す。
〔試験インクの調製〕
表-9、表-10、表-11、表-12、表-13の処方に従いインク化を実施した。
表-9、表-10、表-11、表-12、表-13の配合で撹拌しながら添加することにより、インク組成物を作成した。
[インク評価]
インク安定性A
70℃1週間の平均粒子径変化が初期値より±6%以内 ○
70℃1週間の平均粒子径変化が初期値より±6%以上 ×
平均粒子径の測定は、マイクロトラックUPA(日機装(株)社製「UPA150」)を使用し粒子径分布におけるD50(50%の粒子がこの粒子径以下の大きさであることを示す)の値を平均粒子径の値とする。
インクの安定性B
70℃1週間の粘度変化が初期値より±6%以内 ○
70℃1週間の粘度変化が初期値より±6%以上 ×
TV−20型粘度計(東機産業(株)社製)を使用し、測定した値を基に評価
〔塗工検体の作成〕
現在市販されている被塗工物として、表面状態の違う物を準備する為に、インクジェット印刷で写真画像を得る為に開発された光沢のある被塗工物として「PM写真用紙(光沢)」(セイコーエプソン社製)、「キヤノンプロフェショナルフォトペーパー」(キヤノン(株)社製)をトップ層にミクロポア層を有する被塗工物として準備し、コピー用紙に代表されるPPC用紙として「ゼロックス4024P」(ゼロックス(株)社製)、粒径の大きなシリカ等を塗布したマット紙として「MCマット紙」(セイコーエプソン社製)をマクロポアを有する被塗工物として準備した。バーコーター#7(見掛けのインク量で16g/m2)で表−9、表−10、表−11、表−12、表−13で作成したインク組成物を塗工し、検体とした。
インク組成物の評価は、表-9、表-10、表-11、表-12、表-13中に示す。
〔検体評価〕
(1)塗工濃度の測定
上記塗工試験で得た塗工物の濃度をマクベス反射濃度計(RD―918)を使用して測定した。数値が大きい程、印字濃度が高い事を示す。
(2)耐擦過性の評価
上記塗工試験で得た塗工物の表面を綿布で数回擦ってその状態を確認した。
塗膜に変化がない。 ◎
綿布僅かに汚れが付着するが塗膜の剥れはない。 ○
綿布僅かに汚れが付着し、少し塗膜が剥れる。 △
綿布に汚れが付着し、塗膜が剥れる。 ×
上記の基準で判定を行なった。
以上の結果を表-14、表-15、表-16、表-17、表-18、に示す。
本発明により、被塗工面での塗工濃度のアップが可能な顔料分散体とインク組成物が得られる。

Claims (15)

  1. 顔料、ポリマー固体微粒子、分散剤及び溶剤を含有する顔料分散体
  2. ミクロポア層を有するメディアに塗工した時にOD値が2.50以上である請求項1に記載の顔料分散体。
  3. マクロポア構造を有するメディアに塗工した時にOD値が1.30以上である請求項1又は2に記載の顔料分散体。
  4. ポリマー固体微粒子の平均粒子径が100nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の顔料分散体。
  5. ポリマー固体微粒子の含有量が、顔料分散体中の固形分として0.1〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の顔料分散体。
  6. ポリマー固体微粒子を顔料の分散時に添加して粉砕された顔料分散体を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の顔料分散体。
  7. バインダー成分として高分子ポリマーを顔料の分散時に添加して粉砕された顔料分散体を使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の顔料分散体。
  8. 分散剤が、アニオン系であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の顔料分散体。
  9. 分散剤が、ノニオン系であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の顔料分散体。
  10. 分散剤が、カチオン系であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の顔料分散体。
  11. 分散剤が、両性系であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の顔料分散体。
  12. 分散剤の重量平均分子量が、500〜100000であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の顔料分散体。
  13. インク組成物である請求項1〜12のいずれかに記載の顔料分散体。
  14. ポリマー固体微粒子をインク作製時に添加することを特徴とする顔料分散インク組成物の製造方法。
  15. ポリマー固体微粒子とバインダー成分として高分子ポリマーをインク作製時に添加することを特徴とするインク組成物の製造方法。
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