JP2006272604A - 透明バリアフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1高分子樹脂フィルムと、少なくとも、金属を積層してなる金属層と、ガスバリア性物質を積層してなるガスバリア層と、金属酸化物を積層してなる金属酸化物層と、第2高分子樹脂フィルムよりなる第2高分子樹脂フィルム層と、を積層してなる積層フィルムと、第3高分子樹脂フィルムと、を、この記載順に積層してなり、前記積層フィルムには、少なくとも前記金属層、前記ガスバリア層、前記金属酸化物層、及び前記第2高分子樹脂フィルム層、のそれぞれが少なくとも1層以上存在している、という構成を有する透明ガスバリアフィルムとした。
【選択図】なし
Description
本願発明に係る透明ガスバリアフィルムについて第1の実施の形態として説明する。
本実施の形態にかかる透明ガスバリアフィルムは、第1高分子樹脂フィルム(A)と、少なくとも、金属を積層してなる金属層(a)と、ガスバリア性物質を積層してなるガスバリア層(b)と、金属酸化物を積層してなる金属酸化物層(c)と、第2高分子樹脂フィルムよりなる第2高分子樹脂フィルム層(d)と、を積層してなる積層フィルム(B)と、第3高分子樹脂フィルム(C)と、を、この記載順に積層してなり、積層フィルム(B)には、少なくとも金属層(a)、ガスバリア層(b)、金属酸化物層(c)、及び第2高分子樹脂フィルム層(d)、のそれぞれが少なくとも1層以上存在してなるものである。そして第1高分子樹脂フィルム(A)と、積層フィルム(B)と、第3高分子樹脂フィルム(C)と、を積層するときに、第1高分子樹脂フィルム(A)と積層フィルム(B)との間、及び積層フィルム(B)と第3高分子樹脂フィルム(C)との間、のいずれか一方もしくは双方において、接着剤層を介在させている。
この第1高分子樹脂フィルムは、例えばPETフィルムや、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルムなどの従来公知のガスバリアフィルムに用いられてる一般的な高分子樹脂フィルムであってよいが、予め帯電防止処理を施されたものであると、本実施の形態の目的の一つである帯電防止性付与という性能を向上させることができるので、これらの条件を満たすフィルムを用いると好適である。例えば帯電防止処理済みPETフィルム(以下「AS−PETフィルム」という。)や帯電防止処理済みのポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルムなどであれば、上述した条件に適合するものであると言える。そして以下本実施の形態においてはAS−PETフィルムを利用するものとする。
本実施の形態における積層フィルムは上述の通り、金属層(a)、ガスバリア層(b)、金属酸化物層(c)、第2高分子樹脂フィルム層(d)、の4つの層から構成されている。
ここで用いる第2高分子樹脂フィルム層(d)に用いられる高分子樹脂フィルムは、例えばPETフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、又はポリオレフィンフィルム、のいずれか若しくは複数を用いればよいが、本実施の形態においてはPETフィルムを用いることとする。そしてここで用いるPETフィルムの厚みは5μm以上50μm以下であることが好ましいが、これは5μm未満の厚みであると後述の各種積層工程を実施するに際して生じる種々の処理に耐えられない可能性が高く、また50μmよりも厚くすると今度は最終的に得られるフィルム全体の厚みが増えてしまうからである。そして本実施の形態では厚みが12μmのPETフィルムであるものとする。
金属酸化物層を形成するのに用いる金属酸化物としては、例えば酸化珪素や酸化アルミニウムのいずれか若しくは双方を用いること、などが考えられるが、本実施の形態では酸化珪素を用いることとする。これはガスバリア性を備え、また透明性も確保するのに好適な周知の物質であるからである。そして酸化珪素による金属酸化物層の厚みは100Å以上1000Å以下であることが好ましいが、これは100Å以下であると十分なガスバリア性を確保することができなくなり、また1000Å以上であると透明性及び耐屈曲性が劣るからである。そして本実施の形態では、その厚みは400Åであるものとする。尚、酸化珪素の積層方法としては、やはり従来公知のものであってよ、例えば真空蒸着法などの手法を用いればよい。金属酸化物による金属酸化物層を第2高分子樹脂フィルム層に積層することにより、ガスバリア性を確保することが出来る。
本実施の形態におけるガスバリア層(b)を構成するには、ガスバリア性を有した物質を用いればよく、例えばそれに用いられるのに好ましい樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、またはこれらの樹脂にシランカップリング剤を配合してなる樹脂、のいずれかもしくは複数であることが好適である。この樹脂は、積層フィルムにあってはガスバリア性を補完すると同時に、層間密着力を向上させる作用も有したものであることが望ましい。またシランカップリング剤を例えば直接塗布することによりガスバリア層(b)を形成する、という手法とすることも考えられる。
この金属層(a)は、例えばアルミニウム、ニッケル、金、銀、銅、又はプラチナのいずれか若しくは複数によるものであって、例えば従来公知である真空蒸着法などの手法によりガスバリア層の表面に積層される。金属層を設けることにより、この積層フィルムに静電気シールド性が付与されることとなる。そしてその厚みは30Å以上150Å以下であることが好ましいが、これは150Å以上であると透明性に劣るようになってしまい、また30Å未満であると十分な静電気シールド性が得られない、即ち十分な帯電防止性が得られないからである。そして本実施の形態ではアルミニウムによる金属層であり、その厚みは90Åであるものとする。尚、本実施の形態においてこの金属層はアルミニウムにより形成されてなるものとするが、必ずしもこれに限定されるものではないことを断っておく。
ここで用いる第3高分子樹脂フィルムとしては、例えばLLPDEフィルム、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、等が考えられるが、本実施の形態ではLLPDEフィルムを用いることとする。この第3高分子樹脂フィルムは、本実施の形態においては、後述のようにいわゆるヒートシール性を付与するために用いられるのであるが、その目的のために、また後述のように本実施の形態にかかるフィルムには帯電防止性も必要であるので、これを補完するためにも帯電防止処理の施された厚みが40μmのAS−LLPDEフィルムを用いることとする。
次に第1の実施の形態で説明したのとは異なる構成を有する透明ガスバリアフィルムに関し、第2の実施の形態として説明する。尚、第1の実施の形態と同一のものに関しては説明を省略する。
前述した2つの実施の形態とは異なる特徴を有する本願発明に係る透明ガスバリアフィルムについて、第3の実施の形態として以下説明する。
Claims (9)
- 第1高分子樹脂フィルムと、
少なくとも、
金属を積層してなる金属層と、ガスバリア性物質を積層してなるガスバリア層と、金属酸化物を積層してなる金属酸化物層と、第2高分子樹脂フィルムよりなる第2高分子樹脂フィルム層と、を積層してなる積層フィルムと、
第3高分子樹脂フィルムと、
を、この記載順に積層してなり、
前記積層フィルムには、少なくとも前記金属層、前記ガスバリア層、前記金属酸化物層、及び前記第2高分子樹脂フィルム層、のそれぞれが少なくとも1層以上存在していること、
を特徴とする、透明ガスバリアフィルム。 - 請求項1に記載の透明ガスバリアフィルムにおいて、
前記第1高分子樹脂フィルムと、前記積層フィルムと、前記第3高分子樹脂フィルムと、を積層するときに、前記第1高分子樹脂フィルムと前記積層フィルムとの間、及び前記積層フィルムと前記第3高分子樹脂フィルムとの間、のいずれか一方もしくは双方において、接着剤層を介在させてなること、
を特徴とする、透明ガスバリアフィルム。 - 請求項1又は請求項2に記載の透明ガスバリアフィルムにおいて、
前記積層フィルムが、
前記金属層、前記ガスバリア層、前記金属酸化物層、前記第2高分子樹脂フィルム層、の順に積層されてなり、
前記第1高分子樹脂フィルムの側に前記金属層が位置するように前記積層フィルムが配されてなること、
を特徴とする、透明ガスバリアフィルム。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の透明ガスバリアフィルムにおいて、
前記積層フィルムを構成する、前記金属層、前記ガスバリア層、前記金属酸化物層、及び前記第2高分子樹脂フィルム層のいずれか若しくは複数の層が、前記積層フィルムの中で複数存在しており、かつ該複数存在する層を構成する物質が同一又は相違してなること、
を特徴とする、透明ガスバリアフィルム。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の透明ガスバリアフィルムにおいて、
前記金属層は、アルミニウム、ニッケル、金、銀、銅、又はプラチナのいずれか若しくは複数により形成されてなり、
前記ガスバリア層は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、又はこれらの樹脂にシランカップリング剤を配合してなる樹脂、のいずれか若しくは複数を積層すること、もしくはシランカップリング剤を直接積層すること、により形成されるものであり、
前記金属酸化物層は、酸化珪素、又は酸化アルミニウムのいずれか若しくは双方により形成されてなり、
前記第2高分子樹脂フィルム層は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、又はポリオレフィンフィルム、のいずれか若しくは複数により形成されてなること、
を特徴とする、透明ガスバリアフィルム。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の透明ガスバリアフィルムにおいて、
前記積層フィルムを形成するに際して予め前記第2高分子樹脂フィルムに対して表面処理を施しておくこと、
を特徴とする、透明ガスバリアフィルム。 - 請求項6に記載の透明ガスバリアフィルムにおいて、
前記表面処理は、コロナ放電、プラズマ処理、又はグロー放電処理のいずれか若しくは複数であること、
を特徴とする、透明ガスバリアフィルム。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の透明ガスバリアフィルムにおいて、
前記第1高分子樹脂フィルムが、帯電防止処理済ポリエチレンテレフタレートフィルムであること、
を特徴とする、透明ガスバリアフィルム。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の透明ガスバリアフィルムにおいて、
前記第3高分子樹脂フィルムが、帯電防止処理済直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであること、
を特徴とする、透明ガスバリアフィルム。
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