JP2006271447A - シートヒータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シートヒータの温度センサの設置位置ずれ判定を行い、これによりヒートヒータの通電を停止する。
【解決手段】 シートに埋設されたシートヒータの温度が、その近傍に配置されたシートヒータ温度センサにより検出される。その検出温度が、目標温度に達したか否かを判定して(S110)、目標温度に達していればシートヒータの電源をOFFとする(S160)通常制御が行われる。目標温度に達していない状態が判定時間経過後も継続している場合(S140)は、センサの位置ずれ発生などのセンサ異常が発生したものと推定し、シートヒータの電源を直ちにOFFとする。
【選択図】 図3
【解決手段】 シートに埋設されたシートヒータの温度が、その近傍に配置されたシートヒータ温度センサにより検出される。その検出温度が、目標温度に達したか否かを判定して(S110)、目標温度に達していればシートヒータの電源をOFFとする(S160)通常制御が行われる。目標温度に達していない状態が判定時間経過後も継続している場合(S140)は、センサの位置ずれ発生などのセンサ異常が発生したものと推定し、シートヒータの電源を直ちにOFFとする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、着座員が着座するシートを加熱することにより着座員に快適感を与えるシートヒータ装置に係わり、特に車両用シートヒータ装置に用いられて好適である。
従来より、例えば、車室内の空調環境として暖房効果を向上させるために、乗員が座るシートに面状のシートヒータを埋め込み、このシートヒータにより乗員に温感を与えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−234318号公報
このような、シートヒータ装置では、通常、シートヒータの温度を検出する温度センサを用いてシートヒータの過熱状態を回避する安全装置を備えている。さらに、温度センサ自体が断線またはショートするようなセンサ単体の故障が発生した場合には、その故障検出は容易に行うことができ、センサの故障によるヒータの過熱状態も防止することは可能である。
しかし、例えば、小児が座席上で飛び跳ねる動作を頻繁に行うなどにより、温度センサが設置された位置からずれてしまう場合には、温度センサ自体は正常に作動しても、正確なヒータ温度を検出できなくなるという問題がある。すなわち、実際のヒータ温度よりも検出温度が低いと、設定温度に満たないものとしてヒータへの連続通電がおこなわれ、これによりヒータの高温状態が継続することとなって、着座乗員に違和感や不快感を与えることとなる。
本発明は、上記点に鑑み、シートヒータの温度センサの設置位置ずれ判定を行い、これによりヒートヒータの通電を停止することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、着座員が着座するシート(4)内に埋設され、通電により温度上昇するシートヒータ(50、51)と、シート内のシートヒータ近傍に組み込まれ、シートヒータの温度を検出するシートヒータ温度センサ(60、61)と、検出されるシートヒータ温度が、目標温度に達するまでシートヒータに通電を行うシートヒータ制御部(9)とを備え、シートヒータ制御部は、シートヒータ温度が、判定時間経過後に目標温度以下である場合には、シートヒータへの通電を停止することを特徴とする。
この発明によれば、判定時間経過後にシートヒータ温度センサによるシートヒータの検出温度が目標温度に達していない場合には、シートヒータ温度センサは正常な配置位置からずれた位置に移動し、このため目標温度以下の低い温度を検出していると判定されるため、この判定結果に応じてシートヒータへの通電を停止する。これにより、シートヒータ温度が目標温度に達していない、正しい温度が検出できていないというセンサの異常状態が発生した場合に、シートヒータに通電を続けることによりシートヒータが目標温度以上の高温状態が継続されて着座員に違和感や不快感を与えることを防止することができる。
なお、請求項2に記載のように、判定時間を、室内温度センサ(7a)により検出される室内温度が低いほど長くなるように設定することにより、シートヒータ温度センサの位置ずれをより正確に推定することができる。
さらに、請求項3に記載のように、判定時間を、電源電圧センサ(7b)により検出されるシートヒータの通電時の印加電圧が低いほど長くなるように設定することにより、シートヒータ温度センサの位置ずれをより正確に推定することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における車室1内のシートヒータ装置の配置状態を示す平面概要図であり、図中、矢印にて車両の前後左右の方向を示している。
車室1内の前方には、計器盤2内に設置さられた空調ユニット(図示せず)から着座員としての乗員に向けて空調風を吹き出す吹出口3a、3bが設けられている。前席左右のシート4a、4bには、シートクッション部40a、40bとシートバック部41a、41bとに、それぞれ、面状の電気ヒータであるシートヒータ50a、50bおよび51a、51bが埋設されている。なお、以下では、シート4、シートヒータ50、51、シートヒータ温度センサ60、61において、前席左右および後席左右を区別するために、符号a、bを添えて表記する。
これらシートヒータ50a、51a、50b、51bのそれぞれの近傍には、シートヒータ50a〜51bの温度を検出するシートヒータ温度センサ60a、61a、60b、61bが配置されている。具体的には、各シートヒータの裏面(着座員と接するシート表皮とは反対側の面)の中央部付近を設置位置として、シートヒータと接するように埋設されている。
通常の使用状態では、この設置位置におけるシートヒータ温度センサ60a、61a、60b、61bの検出温度に基づき、シートヒータの通電制御を行い、シートヒータの温度調節を行っている。
なお、後席左右のシート4c、4dにおいても、前席と同様、シートクッション部40c、40dおよびシートバック部41c、41dに、それぞれシートヒータ50c、50d、51c、51dおよびシートヒータ温度センサ60c、60d、61c、61dが埋設されている。
図2は、シートヒータ装置10の制御ブロック図である。シートヒータ制御部としてのシートヒータコントローラ9は、マイクロコンピュータおよびヒータ駆動回路などの周辺回路を含んで構成される周知のものである。
シートヒータコントローラ9の入力側には、シートヒータ温度センサ60a〜61d、車室内温度センサ7a、電源電圧センサ7b、シートヒータ操作パネル8が接続されている。
各シートヒータ温度センサ60a〜61dは、図2中では1つのブロックで示されているが、それぞれ、その検出信号をシートヒータコントローラ9に個別に出力する。
車室内温度センサ7aは、空調制御用として車室内の空気温度を検出する既設の内気温度センサを利用することができ、その検出信号がシートヒータコントローラ9に出力される。
電源電圧センサ7bは、各シートヒータ50a〜51dの通電時の印加電圧である車載バッテリ(図示せず)の電源電圧を検出するものであり、その検出信号がシートヒータコントローラ9に出力される。
シートヒータ操作パネル8は、各シート4a〜4dの近傍に配置され、各シートヒータ50a〜51dの作動/非作動を切り替える電源スイッチおよび乗員の希望温度を例えば、高・中・低に切り替える温度設定スイッチを備えており、これらの操作信号がシートヒータコントローラ9に出力される。
また、シートヒータコントローラ9の出力側には、各シートヒータ50a〜51dが接続され、シートヒータ50a〜51dへの電源電圧の印加を断続(オンオフ)することにより通電量を制御して、シートヒータ50a〜51dの温度を調節する。
次に、本実施形態のシートヒータ装置10の作動を説明する。シートヒータコントローラ9は、電源が投入されると、メモリに記憶された制御プログラムがスタートして、図3に示すルーチンにしたがってヒータ制御処理が一定期間ごとに繰り返し実行する。なお、図3に示すルーチンは、各シートヒータ50a〜51d毎に、個別に行われる。以下では、シートヒータ50aおよびヒートヒータ温度センサ60aにおける処理として説明する。
まず、ステップS100で、シートヒータ操作パネル8からの操作信号が読み込まれシートヒータ50aの作動がON(電源スイッチON)とされているか判定される。電源スイッチがOFFの場合は、ステップS180にてシートヒータコントローラ9に内蔵されるタイマカウンタがゼロにクリアされる。
シートヒータ50aの電源スイッチがONである場合は、ステップS110にて、シートヒータ温度センサ60aから読み込まれたヒータ温度が目標温度を超えたか否かが判定される。
この目標温度は、シートヒータ操作パネル8より入力された設定温度(高、中、低)に応じて、正常位置に設置されたシートヒータの温度として到達すべき目標温度として予め設定されているものである。
したがって、検出されたシートヒータ温度が目標温度に達した場合には、シートヒータ温度センサ60aは、正常な位置に配置されており、シートヒータ50aは正常に作動して目標温度に達していると判定でき、ステップS170でタイマカウンタをゼロにクリアし、さらにステップS160でシートヒータ50aの通電を停止(OFF)する。
ステップS110で、検出されたシートヒータ50aのセンサ温度が目標温度に達していない場合は、ステップS120にてタイマカウンタを1つ加算(インクリメント)し、ステップS130へ移行する。
ステップS130では、判定時間が車室内温度センサ7aにより検出される内気温度と電源電圧センサ7bにより検出される電源電圧とに応じて算出される。具体的には、内気温度が低いほど、シートヒータ50aの加熱による温度上昇速度は低下することに対応して、判定時間が長くなるよう算出される。
また、電源電圧(バッテリ電圧)は、バッテリの充電状態や車両の走行状態に応じて変動するため、このバッテリ電圧をシートヒータ50aの電源として印加する場合、電源電圧が低くなるほど、シートヒータ50aの温度上昇速度は低下することになる。したがって、電源電圧センサ7bにより検出される電源電圧が低くなるほど、判定時間が長くなるよう算出される。
次のステップS140では、タイマカウント値が算出された判定時間に達したか否かが判定され、まだ判定時間に達していない場合には、ステップS100に戻り上記処理が繰り返される。
タイマカウント値が判定時間に達した場合には、センサ温度が目標温度に達していない(S110)状態が判定時間経過後も継続しており、シートヒータ温度センサ60aが正常位置にない、すなわち設置位置ずれが生じたため温度を正確に検出できない「センサ異常」と推定される(ステップS150)。
この「センサ異常」が長く継続すると、シートヒータ温度センサ60aの検出温度は目標温度に達していないまま、シートヒータ50aへの通電が継続されて実際のシートヒータ50aの温度が目標温度以上の高温状態が継続されるおそれがある。したがって、ステップS160にて、直ちにシートヒータ50aの通電を停止(OFF)することにより、異常高温状態(目標温度以上の高温状態)が回避される。
このステップS160の処理により、シートヒータ50aの電源はOFFとなり、以降の処理ルーチンの繰り返しにおいては、この電源OFF状態が維持されることとなる。
なお、ステップS150において、センサ異常が検出されたときに、シートセンサ操作パネル8において、その旨の表示、または警報を発するようにして、使用者の注意を喚起するようにしてもよい。
50a、51a、50b、51b、50c、51c、50d、51d…シートヒータ、
60a、61a、60b、61b、60c、61c、60d、61d…シートヒータ温度センサ、9…シートヒータコントローラ。
60a、61a、60b、61b、60c、61c、60d、61d…シートヒータ温度センサ、9…シートヒータコントローラ。
Claims (3)
- 着座員が着座するシート(4)内に埋設され、通電により温度上昇するシートヒータ(50、51)と、
前記シート内の前記シートヒータ近傍に組み込まれ、前記シートヒータの温度を検出するシートヒータ温度センサ(60、61)と、
前記検出されるシートヒータ温度が、目標温度に達するまで前記シートヒータに通電を行うシートヒータ制御部(9)とを備え、
前記シートヒータ制御部は、前記シートヒータ温度が、判定時間経過後に前記目標温度以下である場合には、前記シートヒータへの通電を停止することを特徴とするシートヒータ装置。 - 前記シートが設置される室内の空気温度を検出する室内温度センサ(7a)を備え、
前記シートヒータ制御部は、前記判定時間を、前記検出される室内温度が低いほど長くなるように設定することを特徴とする請求項1に記載のシートヒータ装置。 - 前記シートヒータの通電時の印加電圧を検出する電源電圧センサ(7b)を備え、
前記シートヒータ制御部は、前記判定時間を、前記検出される電圧が低いほど長くなるように設定することを特徴とする請求項2に記載のシートヒータ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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2005
- 2005-03-28 JP JP2005090942A patent/JP2006271447A/ja active Pending
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