JP2006270995A - 表面実装型アンテナおよびアンテナ装置ならびに共振周波数の調整方法 - Google Patents

表面実装型アンテナおよびアンテナ装置ならびに共振周波数の調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アンテナの共振周波数特性を容易に安定して得ることができ、かつ小型で安価な表面実装型アンテナおよびアンテナ装置を提供する。
【解決手段】直方体状の基体11の一方側面の一方端側に給電端子12が設けられ、給電端子に一端が接続された放射電極13・14・15・16・17・18が、前記一方側面の一方端側から前記基体の一方主面の一方端側を経た後、前記一方主面の他方端側または前記一方側面の他方端側または他方主面の他方端側のいずれかへ引き回されて、それら他方端側からそれぞれの一方端側へ基体11の稜に平行に延びて他端を開放端として配設された表面実装型アンテナ10を、表面に給電電極12とその近傍に直線状の辺24を有して配置された接地導体層23とが形成された実装基板20に、基体11の稜を接地導体層23の辺24と平行に対向させて実装したアンテナ装置25である。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話等の移動体通信装置に使用される小型アンテナである表面実装型アンテナおよびアンテナ装置に関するものである。
近年の携帯電話等の移動体通信装置においては小型化、軽量化、高機能化が急速に進められており、その構成部品の一つであるアンテナについても表面実装型アンテナ等により小型化、高性能化への要求が強く要求されている。
従来の表面実装型アンテナおよびそれを用いたアンテナ装置について、図10の斜視図を用いて説明する。
図10において、200は表面実装型アンテナであり、これが実装基板210に実装されてアンテナ装置220を構成している。
図10に示す表面実装型アンテナ200において、201は略直方体の基体、202は給電端子、206は表面実装用補助端子、203・204・205はそれぞれの導体が連結されて成る放射電極である。また、実装基板210において、211は基板、207は給電電極、208は表面実装用補助電極、209は接地導体層である。
従来の表面実装型アンテナ200においては、基体201の側面に給電端子202が形成され長い導体パターンとして引き回される放射電極203・204・205は側面の給電端子202から上方へ伸び、基体201の上面において平面視でコの字状に配設されて、基体の短辺部(図10の基体上面右側)に沿って放射電極205の開放端部が形成されている。
また、所望の共振周波数に調整する目的で基体の短辺部(図10の基体上面右側)に沿って形成される放射電極の開放端部205を切断して放射電極の長さを短くすることにより、共振周波数を高くすることが可能である。
また、この放射電極203・204・205の給電端子202に接続される実装基板210の給電電極207には表面実装型アンテナの放射電極203・204・205と給電電極207をインピーダンス整合させるための目的で整合回路(図示せず)が設けられる。
一方、実装基板210においては、基板211の表面に給電電極207と、表面実装用補助電極208と、この表面実装用補助電極208に接続されてその一方側に配置された接地導体層209が形成されている。
そして、表面実装型アンテナ200が給電端子202を給電電極207に、表面実装用補助端子206を表面実装用補助電極208に接続して実装基板210の表面に実装されることによって、アンテナ装置220が構成されている。
特開2002−158529号公報
しかしながら、このような従来の表面実装型アンテナ200では、放射電極203・204・205において所望の共振周波数に調整する目的で表面実装型アンテナ200の基体短辺部(図10の基体上面右側)に沿って形成される放射電極の開放端部205を切断して放射電極の長さを短くすることにより、共振周波数を高くすることが可能であるが、その場合切断長さに対する共振周波数変化量が大きく、調整作業が困難であるため、所望の設計通りのアンテナ特性を安定して得ることが難しいという問題点があった。
本発明はこのような従来の技術における問題点を解決すべく案出されたものであり、その目的は、良好なアンテナ特性を容易に安定して得ることができ、放射効率が高く、かつ小型で安価な表面実装型アンテナおよびアンテナ装置を提供することにある。
本発明の表面実装型アンテナは、直方体状の誘電体または磁性体から成る基体の一方側面の一方端側に給電端子が設けられ、該給電端子に一端が接続された放射電極が、前記一方側面の一方端側から前記基体の一方主面の一方端側を経た後、前記一方主面の他方端側または前記一方側面の他方端側または他方主面の他方端側のいずれかへ引き回されて、それら他方端側からそれぞれの一方端側へ前記基体の稜に平行に延びて他端を開放端として配設され、前記開放端である放射電極終端部を共振周波数微調整部としていることを特徴とするものである。
また、本発明は、前記基体に、前記一方側面から前記他方側面にかけてもしくは一方端面から前記他方端面にかけてもしくは前記一方主面から前記他方主面にかけて貫通する貫通孔を、または前記他方主面に前記一方端面から前記他方端面にかけてもしくは前記一方側面から前記他方側面にかけて貫通する溝を設けたことを特徴とするものである。
さらに、本発明は、前記基体の前記他方主面に表面実装用補助端子を設けたことを特徴とするものである。
またさらに、本発明は、表面に給電電極と該給電電極の近傍に直線状の辺を有して配置された接地導体層とが形成された実装基板に、本発明の表面実装型アンテナを、前記基体の前記他方主面を前記実装基板の前記表面側にし、かつ前記基体の前記稜を前記接地導体層の前記辺と平行に対向させて実装するとともに、前記給電端子を前記給電電極に接続したことを特徴とするものである。
またさらに、本発明のアンテナ装置における共振周波数調整方法は、前記共振周波数微調整部の長さを変化させることでアンテナの共振周波数を調整すること特徴とするものである。
本発明の表面実装型アンテナによれば、直方体状の誘電体または磁性体から成る基体の一方側面の一方端側に給電端子が設けられ、該給電端子に一端が接続された放射電極が、前記一方側面の一方端側から前記基体の一方主面の一方端側を経た後、前記一方主面の他方端側または前記一方側面の他方端側または他方主面の他方端側のいずれかへ引き回されて、それら他方端側からそれぞれの一方端側へ前記基体の稜に平行に延びて他端を開放端として配設され、前記開放端である放射電極終端部を共振周波数微調整部としていることから、基板上に実装してアンテナ装置とした際に、前記放射電極終端部と基板上の接地導体層の直線状の辺とがほぼ平行に対向して実装されることとなり、共振周波数微調整部の長さを調節しても放射電極と接地導体層との間に形成される浮遊容量の変化を小さくさせることができるため、アンテナ特性として重要である共振周波数の微調整において、放射電極終端部の長さを調整する場合に、単位長さあたりの共振周波数変化量を小さくすることが可能となる。
また、本発明によれば、直方体状の誘電体または磁性体から成る基体に、一方側面から他方側面にかけてもしくは一方端面から他方端面にかけてもしくは一方主面から他方主面にかけて貫通する貫通孔を、または他方主面に一方端面から他方端面にかけてもしくは一方側面から他方側面にかけて貫通する溝を設けたときには、基体の実効的な比誘電率を低くすることができ、これによって電界エネルギーの蓄積を小さくすることができ、本発明の第1の表面実装型アンテナの帯域幅を広げることが可能になる。
また、このような貫通孔、または溝を設けることにより、基体の材料使用量の削減や軽量化を図ることが出来る。
また、本発明によれば、表面実装型アンテナの他方主面に表面実装用補助端子を設けたときには、実装基板へ表面実装型アンテナを搭載する場合に、実装基板に設けられた表面実装用補助電極とロウ材などの半田を用いて強固に接着固定することが可能となり、表面実装型アンテナの位置ズレを防止し、アンテナ特性を良好に維持することが可能となる。
また、本発明のアンテナ装置によれば、表面に給電電極とこの給電電極の近傍に直線状の辺を有して配置された接地導体層とが形成された実装基板に、本発明の第1乃至第3のいずれかの表面実装型アンテナを、本発明の表面実装型アンテナの基体の他方主面を実装基板の表面側にし、かつ基体の稜を接地導体層の辺と平行に対向させて実装するとともに、本発明の表面実装型アンテナの給電端子を給電電極に接続したことから、本発明の表面実装型アンテナの放射電極終端部と実装基板の接地導体層の直線状の辺とがほぼ平行に配置されることとなり、アンテナの共振周波数の調整が容易なアンテナ装置を得ることができる。
さらに、本発明によれば、前記共振周波数微調整部の長さを変化させることでアンテナの共振周波数を調整することから、前記アンテナ装置では放射電極終端部と接地導体層との間の距離の変化を少なくすることができるために放射電極終端部と接地導体層との間に形成される浮遊容量の変化も少なく抑えることができることとなり、放射電極終端部の長さを変化させたときの長さの変化量に対するアンテナの共振周波数の変化量が少なくなって放射電極終端部の長さの調整範囲に余裕を持たすことができることとなってアンテナの共振周波数の調整を容易に行なうことができる。
以上により、本発明によれば良好なアンテナ特性を容易に安定して得ることができ、放射効率が高く、かつ小型で安価な表面実装型アンテナおよびアンテナ装置ならびに共振周波数調整方法を提供することができた。
以下、本発明の表面実装型アンテナおよびアンテナ装置の実施の形態の例について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の第1の表面実装型アンテナの実施の形態の一例およびそれを実装基板の表面に実装して成る本発明のアンテナ装置の実施の形態の一例を示す斜視図である。
図1において、10は本発明の第1の表面実装型アンテナであり、11は直方体状の誘電体または磁性体から成る基体である。
aは基体11の一方側面、bは基体11の一方主面、cは基体11の他方側面、dは基体11の他方主面を示す。12は基体11の一方側面aの一方端側に設けられた給電端子であり、放射電極13・14・15・16・17・18は一端が給電端子12に接続され、一方側面aの一方端側から一方主面bの一方端側を経た後、さらに他方側面cの一方端側へと延びその一方端側の途中で屈曲して他方側面cの他方端側へ延びた後、さらに屈曲して一方主面bの他方端側へ延び屈曲して一方主面bの他方端側へ引き回されて、さらに一方主面の他方端から一方主面bの一方端側へ基体11の長辺方向の稜に平行に延びて他端が開放端として配設されている。19は放射電極終端部であり、放射電極13・14・15・16・17・18が一方主面bの他方端側へ引き回された後の、一方主面bの他方端側から開放端までの放射電極13・14・15・16・17・18の終端部分である。
また、20は実装基板であり、21は基板、22は基板21の表面に形成された給電電極、23は接地導体層であり、24は給電電極22の近傍に設けられた接地導体層23の直線状の辺を示している。そして本発明の第1の表面実装型アンテナ10は、基体11の他方主面dを実装基板20の表面側の接地導体層24の無い部分に、基体11の長辺方向の稜を接地導体層23の直線状の辺24と平行に対向させて実装されているとともに、給電端子12が給電電極22に接続されて、本発明のアンテナ装置25が構成されている。
また、放射電極13・14・15・16・17・18の給電端子12に接続される実装基板20の給電電極22には表面実装型アンテナの放射電極13・14・15・16・17・18と給電電極22をインピーダンス整合させるための目的で整合回路(図示せず)が設けられる。
ここで基体11は直方体状としており、実装基板20への実装性を考慮して基体11の他方主面dの主要部が平坦な面を有しており、実装基板20の平坦面と対向して接触することで安定な実装性を得ることが出来る。また、直方体の角や稜には曲面や平面状の面取りを設けても良い。こうすることで誘電体または磁性体から成る基体11のクラックやチッピングを防止できると共に、基体の機械的応力を緩和させることが出来るので好ましい。
また、放射電極13・14・15・16・17・18の各接続部となる基体11の稜線部での断線の可能性を軽減することも出来る。
本発明の第1の表面実装型アンテナ10においては、給電電極22から供給された高周波信号が放射電極13・14・15・16・17・18へと伝達され、放射電極はλ/4共振器として振る舞い、供給された高周波信号に応じてアンテナとして動作することが可能となる。
また給電電極22にはインピーダンス整合させるための整合回路(図示せず)を適宜構成することにより効率良くアンテナとして動作させることが可能となる。
さらに、放射電極13・14・15・16・17・18の共振周波数は放射電極13・14・15・16・17・18の接続部である給電端子12から開放端までの電気長を変化させることで任意に可変させることができ、例えば放射電極終端部19を短くすることにより、共振周波数を高くすることが出来る。また放射電極13・14・15・16・17・18の線幅を太くすることによっても同様の効果が得られる。
ここで、放射電極13・14・15・16・17・18は給電端子12から基体11の一方側面aの一方端側を経て一方主面bの一方端側に延び、さらに他方側面cの一方端側へと延びその一方端側の途中で屈曲して他方側面cの他方端側へ延びた後、さらに屈曲して一方主面bの他方端側へ延びてさらに屈曲して一方主面bの一方端側へ引き回されて放射電極終端部19が基体11の長辺方向の稜に平行に延びて開放端として配設されており、そしてこの基体11は他方主面dを実装基板20の表面側にし、かつ基体11の長辺方向の稜を接地導体層23の直線状の辺24と平行に対向させて実装されている。すなわち、放射電極終端部19が基体11の長辺方向の稜と平行に配設されており、その基体11の長辺方向の稜が接地導体層23の直線状の辺24と平行に対向するように実装されていることにより、放射電極終端部19と接地導体層23の直線状の辺24はほぼ平行に配置されることになる。ここで放射電極終端部19と接地導体層23の直線状の辺24とがほぼ平行に配置されていることが重要である。
また、このように実装された本発明の第1の表面実装型アンテナ10およびアンテナ装置25によれば、放射電極13・14・15・16・17・18と接地導体層23が近接して配置されていることから放射電極13・14・15・16・17・18と接地導体層23との間に浮遊容量が形成されることとなり、この浮遊容量はアンテナの共振周波数を低くする影響があるため、この浮遊容量の変化を少なくすることは、アンテナ特性を安定させるために重要なこととなる。
ここで、放射電極終端部19が基体11の長辺方向の稜に平行に延びて開放端として配設されており、基体11の他方主面を実装基板20の表面側にし、かつ基体11の長辺方向の稜を接地導体層23の直線状の辺24と平行に対向させて実装することにより、放射電極終端部19は接地導体層23の近くに配置され、よって形成される浮遊容量に対して支配的となるが、放射電極終端部19は接地導体層23の直線状の辺24とほぼ平行に配置されているため、放射電極終端部19の長さを変化させても接地導体層23との距離の変化を少なく抑えることができるので、接地導体層23と放射電極終端部19の間に形成される浮遊容量の変化を小さくさせることができる。このためアンテナ特性として重要である共振周波数の微調整において、放射電極終端部19の長さを調整する場合、放射電極終端部19と接地導体層23との間の浮遊容量の影響を少なくしつつ、放射電極の電気長を変化させることによる共振周波数の変化を主に用いることができて、浮遊容量の影響が少ない分、単位長さあたりの共振周波数の変化量を小さくすることが可能となる。
そして、このような構成の本発明の第1の表面実装型アンテナ10は、基体11の稜と接地導体層23の直線状の辺24との距離を例えば0.5mm乃至3mm程度の距離を設けて実装され、給電端子12と給電電極22が接続されることによって、周波数帯域が例えば1乃至10GHz程度の本発明のアンテナ装置25として動作するものとなる。
一方、図10に示すような従来のアンテナ装置220の場合、放射電極205は基体203の短辺方向に放射電極終端部を有して配置されており、実装基板210の接地導体層209と垂直に対向している為、放射電極205の放射電極終端部を短くすると、接地導体層209と放射電極205の距離も同時に大きくなってしまうため、接地導体層209と放射電極205の間に形成される浮遊容量の変化が大きくなる。このためアンテナ特性として重要である共振周波数の微調整において、放射電極終端部の長さを調整する場合、放射電極の電気長を変化させることによる共振周波数の変化ならびに、接地導体層209と放射電極205の間に形成される浮遊容量の変化に伴う共振周波数の変化の影響により、放射電極の単位長さあたりの共振周波数変化量が大きくなり、アンテナ特性として重要である共振周波数の微調整が困難になってしまう。
すなわち、本発明の第1の表面実装型アンテナ10およびアンテナ装置25においては、放射電極終端部19と接地導体層23の直線状の辺24がほぼ平行な位置関係にあることにより、アンテナの共振周波数を調整するために放射電極終端部19の長さを調整しても、放射電極終端部19と接地導体層23との間の距離の変化を少なくすることができるために放射電極終端部19と接地導体層23との間に形成される浮遊容量の変化も少なく抑えることができることとなる。結果として、放射電極終端部19の長さを変化させたときの長さの変化量に対するアンテナの共振周波数の変化量が少なくなって、換言すれば、放射電極終端部19の長さ調整に対するアンテナの共振周波数の変化の感度が下がるので、放射電極終端部19の長さの調整範囲に余裕を持たすことができることとなって、アンテナの共振周波数の調整を容易に行なうことができることとなる。これらの結果は、実験を実施しこの効果は確認済みであり、後述の実施例で詳しく説明する。
図2、図3、図4は本発明の第1の表面実装型アンテナの実施の形態の他の例である。図2において、30は本発明の第1の表面実装型アンテナであり、31は直方体状の誘電体または磁性体から成る基体である。aは基体31の一方側面、bは基体31の一方主面、cは基体31の他方側面、dは基体31の他方主面を示す。32は基体31の一方側面aの一方端側に設けられた給電端子であり、放射電極33・34・35・36・37・38は一端が給電端子32に接続され、一方側面aの一方端側から一方主面bの一方端側を経た後、さらに他方側面cの一方端側へと延びその一方端側の途中で屈曲して他方側面cの他方端側へ延びた後、屈曲してさらに一方主面bの他方端側へ引き回されて、一方主面bの他方端側の途中から屈曲して一方主面の他方端側から一方主面bの一方端側へ基体31の長辺方向の稜に平行に延びて他端が開放端として配設されている。39は放射電極終端部であり、放射電極33・34・35・36・37・38が一方主面bの他方端側へ引き回された後の、一方主面の他方端側から開放端までの放射電極33・34・35・36・37・38の終端部分である。
また、40は実装基板であり41は基板、42は基板41の表面に形成された給電電極、43は接地導体層であり、44は給電電極42の近傍に設けられた接地導体層43の直線状の辺を示している。基体31の他方主面dを実装基板40の表面側の接地導体層の無い部分に、基体31の長辺方向の稜を接地導体層43の直線状の辺44と平行に対向させて実装されているとともに、給電端子32を給電電極42に接続することにより、本発明のアンテナ装置45が構成されている。
すなわち、放射電極終端部39が基体31の長辺方向の稜と平行に配設されており、その基体31の長辺方向の稜が接地導体層43の直線状の辺44と平行に対向するように実装されていることにより、放射電極終端部39と接地導体層43の直線状の辺44はほぼ平行に配置されることになる。
また、図2に示す本発明の第1の表面実装型アンテナ30は、図1に示す本発明の第1の表面実装型アンテナ10に対して、放射電極終端部39が一方主面bの中心寄りに配設されているものに相当する。
そして、このような構成の本発明の第1の表面実装型アンテナ30は、基体31の稜と接地導体層43の直線状の辺44との距離を例えば0.5mm乃至3mm程度の距離を設けて実装され、給電端子42と給電電極32が接続されることによって、周波数帯域が例えば1乃至10GHz程度の本発明のアンテナ装置45として動作するものとなる。
次に、図3において、50は本発明の第1の表面実装型アンテナであり、51は直方体状の誘電体または磁性体から成る基体である。aは基体51の一方側面、bは基体51の一方主面、cは基体51の他方側面、dは基体51の他方主面を示す。52は基体51の一方側面aの一方端側に設けられた給電端子であり、放射電極53・54・55・56・57・58・59は一端が給電端子52に接続され、一方側面aの一方端側から一方主面bの一方端側を経た後、さらに他方側面cの一方端側へと延び、その一方端側の途中で屈曲して他方側面cの他方端側へ延びた後、屈曲してさらに一方主面bの他方端側へ延び、一方主面bの他方端側から一方側面aの他方端側へと引き回されて、一方側面aの他方端側の適当な位置で屈曲して一方側面aの他方端側から一方側面aの一方端側へ基体51の長辺方向の稜に平行に延びて他端を開放端として配設されている。60は放射電極終端部であり、放射電極53・54・55・56・57・58・59が一方側面aの他方端側へ引き回された後の、一方側面aの他方端側から開放端までの放射電極53・54・55・56・57・58・59の終端部分である。
また、61は実装基板であり、62は基板、63は基板62の表面に形成された給電電極、64は接地導体層であり、65は給電電極63の近傍に設けられた接地導体層64の直線状の辺を示している。基体51の他方主面dを実装基板61の表面側の接地導体層64の無い部分に、基体51の長辺方向の稜を接地導体層64の直線状の辺65と平行に対向させて実装されているとともに給電端子63を給電電極52に接続することにより、本発明のアンテナ装置66が構成されている。
すなわち、放射電極終端部60が基体51の長辺方向の稜と平行に配設されており、その基体51の長辺方向の稜が接地導体層64の直線状の辺65と平行に対向するように実装されていることにより、放射電極終端部60と接地導体層64の直線状の辺65はほぼ平行に配置されることになる。
また、図3に示す本発明の第1の表面実装型アンテナ50は、図1に示す本発明の表面実装型アンテナ10に対して、放射電極53・54・55・56・57・58・59が一方主面bの一方端側から一方側面aの他方端側に引き回されて、放射電極終端部60が一方側面aに配設されているものに相当する。
そして、このような構成の本発明の第1の表面実装型アンテナ50は、基体51の稜と接地導体層64の直線状の辺65との距離を例えば0.5mm乃至3mm程度の距離を設けて実装され、給電端子63と給電電極52が接続されることによって、周波数帯域が例えば1乃至10GHz程度の本発明のアンテナ装置66として動作するものとなる。
次に、図4において、70は本発明の第1の表面実装型アンテナであり、71は直方体状の誘電体または磁性体から成る基体である。aは基体71の一方側面、bは基体71の一方主面、cは基体71の他方側面、dは基体71の他方主面、eは基体71の他方端面を示す。72は基体71の一方側面aの一方端側に設けられた給電端子であり、放射電極73・74・75・76・77・78は一端が給電端子72に接続され、一方側面aの一方端側から一方主面bの一方端側を経た後、さらに他方側面cの一方端側へと延び、その一方端側の途中で屈曲して他方側面cの他方端側へ延びた後、さらに他方端面eを一方側面aに向かって延び、その途中で他方主面dに向かって屈曲して他方主面dの他方端側へと引き回されて、他方主面dの他方端側から他方主面dの一方端側へ基体71の長辺方向の稜に平行に延びて他端を開放端として配設されている。79は放射電極終端部であり、放射電極73・74・75・76・77・78が他方主面dの他方端側へ引き回された後の、他方主面dの他方端側から開放端までの放射電極73・74・75・76・77・78の終端部分である。
また、80は実装基板であり、81は基板、82は基板81の表面に形成された給電電極、83は接地導体層であり、84は給電電極82の近傍に設けられた接地導体層83の直線状の辺を示している。基体71の他方主面dを実装基板80の表面側の接地導体層83の無い部分に、基体71の長辺方向の稜を接地導体層83の直線状の辺84と平行に対向させて実装されているとともに給電端子72を給電電極82に接続することにより、本発明のアンテナ装置85が構成されている。
すなわち、図4に示す本発明の第1の表面実装型アンテナ70は、図1に示す本発明の表面実装型アンテナ10に対して、放射電極73・74・75・76・77・78が一方主面bの一方端側から他方主面dの他方端側に引き回されて、放射電極終端部79が他方主面dに配設されているものに相当する。
そして、このような構成の本発明の第1の表面実装型アンテナ70は、基体71の稜と接地導体層83の直線状の辺84との距離を例えば0.5mm乃至3mm程度の距離を設けて実装され、給電端子82と給電電極72が接続されることによって、周波数帯域が例えば1乃至10GHz程度の本発明のアンテナ装置85として動作するものとなる。
図2、図3、図4に示した表面実装型アンテナの実施の形態の例は、本発明の第1の表面実装型アンテナの他の実施の形態の例を示すものであり、放射電極は、上記の例の他、一方主面bの一方端側から一方主面b・一方側面a・他方側面c・他方主面d・他方端面eのいずれかまたはこれらを組み合わせて一本の導体となるように引き回すことができる。
このように引き回すことにより、アンテナの所望の共振周波数に対して必要な放射電極の長さを確保することができる。
また、いずれにおいても放射電極終端部は基体の長辺方向の稜と平行に配設し、結果として、接地導体層の直線状の辺とほぼ平行に対向させて配置することが重要である。
このようにすることにより、前記説明のように、放射電極終端部の長さを調整することによるアンテナの共振周波数の調整を容易に行なうことができることとなる。
またその目的である要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えても何ら差し支えない。
図5は本発明の第2の表面実装型アンテナの基体の形状の例を示す斜視図であり、図5(a)の110は基体、111は基体110の一方端面fから他方端面eの両端面にかけて貫通する貫通孔を示す。また、図5(b)の112は基体、113は基体112の一方側面aから他方側面cの両側面にかけて貫通する貫通孔を示す。また、図5(c)の114は基体、115は基体114の一方主面bから他方主面dの両主面にかけて貫通する貫通孔を示す。また、図5(d)の116は基体、117は基体116の他方主面dに、一方端面fから他方端面eの両端面にかけて貫通する溝を示す。また、図5(e)の118は基体、119は基体118の他方主面dに、一方側面aから他方側面cの両側面にかけて貫通する溝を示す。
図5(a)〜(e)に示す貫通孔または溝を設けることにより、基体110・112・114・116・118の実効的な比誘電率を低くすることができ、これによって電界エネルギーの蓄積を小さくすることができ、本発明の第1の表面実装型アンテナの帯域幅を広げることが可能になる。また、このような貫通孔または溝を設けることにより、基体の材料使用量の削減や軽量化を図ることが出来る。
これら貫通孔や溝の寸法や形状は、図1〜図4の例に示す放射電極の引き回しに差し支えない範囲で選択すれば良く、この貫通孔または溝を有する基体110・112・114・116・118に図1〜図4の例に示す給電端子や放射電極などを設けて本発明の第2の表面実装型アンテナが構成される。
ここで、図5の各基体に対して貫通孔や溝は各々一つの構成となっているが、貫通孔や溝は各基体に対して複数設けてもよく、前述の効果は同様に得ることが出来る。
またその目的である要旨を逸脱しない範囲で貫通孔や溝の形状を曲面を有するものや多角形状などに変更するなど種々の変更を加えても何ら差し支えない。
図6は本発明の第3の表面実装型アンテナの実施の形態の一例を示す斜視図であり、121・122・123は実装基板に設けられた表面実装用補助電極、124・125・126は基体の他方主面dに形成された表面実装用補助端子である。なお、図6において、図1と共通の部分の符号は省略して示してある。
これらの表面実装用補助電極124・125・126と表面実装用補助端子121・122・123によって、実装基板へ表面実装型アンテナを搭載する場合に、ロウ材などの半田を用いて本発明の表面実装型アンテナを強固に接着固定することができるため、表面実装型アンテナの位置ズレを防止し、アンテナ特性を良好に維持することが可能となる。
さらに、表面実装用補助端子124・125・126は他方主面dから両側面へと回り込むように形成しても良く、ロウ材などの半田で接着固定する場合には半田フィレットが形成されるので、さらに強固に接着固定することが出来る。
また、接地導体層側の表面実装用補助電極121は接地導体層から部分的に延長されて、接地導体層と電気的に接続されていても良い。
しかしながら、接地導体層と電気的に接続された表面実装用補助電極121に、本発明の表面実装型アンテナを、表面実装用補助端子124によって実装する場合は、アンテナの共振周波数調整時の放射電極の単位長さあたりの共振周波数変化割合が増加し、共振周波数の調整の容易性は低下する傾向がある。
この場合は、接地導体層と表面実装用補助電極の間に適当な間隙を設け、電気的に接続しないようにすれば良い。
図7は本発明の第3の表面実装型アンテナを実装したアンテナ装置の実施の形態の他の例を示す斜視図であり、重複説明は省略するが、実装基板に対するアンテナの位置を左奥へ移設した構成であり、この場合においても放射電極終端部と接地導体層の直線状の辺はほぼ平行に配置されるため、放射電極終端部の長さ調整に対するアンテナの共振周波数の変化の感度が下がるので、放射電極終端部の長さの調整範囲に余裕を持たすことができることにより、アンテナの共振周波数の調整を容易に行なうことができることとなる。
なお、図7においては図1または図6と共通する実装基板の主要な各部の符号のみを示し、本発明の表面実装型アンテナの各部の符号は省略した。
図8は本発明の第3の表面実装型アンテナを実装したアンテナ装置の実施の形態の他の例を示す斜視図であり、実装基板に対するアンテナの位置を中央奥へ移設した構成である。
なお、図8においては図1または図6と共通する実装基板の主要な各部の符号のみを示し、本発明の表面実装型アンテナの各部の符号は省略した。
図8に示すように中央奥へ移設することにより、放射電極終端部と接地導体層の直線状の辺はほぼ平行に配置されるため、放射電極終端部の長さ調整に対するアンテナの共振周波数の変化の感度が下がるので、放射電極終端部の長さの調整範囲に余裕を持たすことができることにより、アンテナの共振周波数の調整を容易に行なうことができることとなる。
図9は本発明の第3の表面実装型アンテナを実装したアンテナ装置の実施の形態のさらに他の例を示す斜視図である。なお、図9においても図1または図6と共通する実装基板の主要な各部の符号のみを示し、本発明の表面実装型アンテナの各部の符号は省略した。
図9は表面実装型アンテナを縦方向に配置し、実装基板に対するアンテナの位置を左奥へ設置した構成の例である。
これらの構成においても放射電極終端部と接地導体層の直線状の辺はほぼ平行に配置されるため、放射電極終端部の長さ調整に対するアンテナの共振周波数の変化の感度が下がるので、放射電極終端部の長さの調整範囲に余裕を持たすことができることにより、アンテナの共振周波数の調整を容易に行なうことができることとなる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
ここで、本発明の第1乃至第3の表面実装型アンテナ10・30・50・70において、基体11・31・51・71・110・112・114・116・118は、誘電体または磁性体から成る直方体状の形状のものであり、例えばアルミナを主成分とする誘電体材料(比誘電率:9.6)から成る粉末を加圧成形して焼成したセラミックスを用いて作製される。また、基体11・31・51・71・110・112・114・116・118には、誘電体であるセラミックスと樹脂との複合材料を用いてもよく、あるいはフェライト等の磁性体を用いてもよい。
基体11・31・51・71・110・112・114・116・118を誘電体材料で作製したときには、放射電極を伝播する高周波信号の伝播速度が遅くなって波長の短縮効果が生じる。基体11・31・51・71・110・112・114・116・118の比誘電率をεrとすると、放射電極の導体パターンの実効長は(1/εr)1/2倍に短くなる。従って、パターン長を同じとした場合であれば、基体11・31・51・71・110・112・114・116・118の比誘電率が大きくなるに従って放射電極部分における電流分布の領域が増えるため、放射電極から放射する電波の量を多くすることができ、アンテナの利得を向上することができる。
また逆に、従来のアンテナ特性と同じ特性にした場合であれば、放射電極のパターン長は(1/εr)1/2とすることができ、第1乃至第3の表面実装型アンテナ10・30・50・70の小型化を図ることができる。
なお、基体11・31・51・71・110・112・114・116・118を誘電体で作製する場合は、εrが3より低いと、大気中の比誘電率(εr=1)に近づいてアンテナの小型化という市場の要求に応えることが困難となる傾向がある。
また、εrが30を超えると、小型化は可能なものの、アンテナの利得および帯域幅はアンテナサイズに比例するため、アンテナの利得および帯域幅が小さくなり過ぎ、アンテナとしての特性を果たさなくなる傾向がある。従って、基体11・31・51・71・110・112・114・116・118を誘電体で作製する場合は、その比誘電率εrが3以上30以下の誘電体材料を用いることが望ましい。このような誘電体材料としては、例えばアルミナセラミックス・ジルコニアセラミックス等をはじめとするセラミック材料や、テトラフルオロエチレン・ガラスエポキシ等をはじめとする樹脂材料等がある。
他方、基体11・31・51・71・110・112・114・116・118を磁性体で作製すると、放射電極のインピーダンスが大きくなるため、アンテナのQ値を低くして帯域幅を広くすることができる。
基体11・31・51・71・110・112・114・116・118を磁性体で作製する場合は、比透磁率μrが8を超えると、アンテナの帯域幅は広くなるものの、アンテナの利得および帯域幅はアンテナサイズに比例するため、アンテナの利得および帯域幅が小さくなり過ぎ、アンテナとしての特性を果たさなくなる傾向がある。従って、基体11・31・51・71・110・112・114・116・118を磁性体で作製する場合は、その比透磁率μrが1以上8以下の磁性体材料を用いることが望ましい。このような磁性体材料としては、例えばYIG(イットリア・アイアン・ガーネット)・Ni−Zr系化合物・Ni−Co−Fe系化合物等がある。
放射電極、ならびに給電端子12・32・52・72および表面実装用補助端子124・125・126は、例えばアルミニウム・銅・ニッケル・銀・パラジウム・白金・金のいずれかを主成分とする金属により形成される。これらの金属により各々のパターンを形成するには、周知の印刷法や、蒸着法・スパッタリング法等の薄膜形成法や、金属箔の貼り合わせ法、あるいはメッキ法等によってそれぞれ所望のパターン形状の導体層を基体11・31・51・71・110・112・114・116・118の表面に形成すればよい。
実装基板20・40・61・80の基板21・41・62・81は、ガラスエポキシ基板やアルミナセラミックス基板やガラスセラミックス基板などの通常の回路基板が使われる。
また、給電電極22・42・63・82および接地導体層23・43・64・83は、例えばアルミニウム・銅・ニッケル・銀・パラジウム・白金・金のいずれかを主成分とする金属により形成される。
そして、実装基板20・40・61・80の表面において接地導体層23・43・64・83は、給電電極22・42・63・82の近傍に設けられた接地導体層23・43・64・83の直線状の辺24・44・65・84を有しており、基体11・31・51・71・110・112・114・116・118の他方主面dを実装基板20・40・61・80の表面側にし、かつ基体11・31・51・71・110・112・114・116・118の長辺方向の稜を接地導体層23・43・64・83の直線状の辺24、44、65、84と平行に対向させて実装されていることは勿論のこと接地導体層23・43・64・83の縁から0.5mm乃至3mm程度の距離を隔てるように実装される形態が、アンテナの帯域幅と利得の観点から望ましい。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
次に、本発明の表面実装型アンテナならびにアンテナ装置について、実施例を示す。
図1〜図3に示した本発明の第1の表面実装型アンテナ10・30・50および比較用に図10に示す従来の表面実装型アンテナ200を試作した。アルミナ基体(10×4×3mm)に銀導体で図1〜図3および図10の4種類の形状の放射電極を幅1mmの導体パターンで形成し、実装基板20・40・61・80・210には、厚さ0.8mmのガラスエポキシ基板を使用し、接地導体層23・43・64・209は横幅40mm長さ80mmの大きさとし、表面実装型アンテナ搭載部や給電電極22・42・63・82の部分は接地導体層を除去した。ここで、図1〜図3および図10の表面実装型アンテナの放射電極の放射電極終端部をトリミングにより短くしながら、各々4種類のアンテナ装置の各共振周波数を測定し、放射電極終端部のトリミング単位長さあたりの共振周波数の変化量を算出した。
また、図6のように表面実装型アンテナの基体の他方主面に設けた表面実装用補助端子124と、実装基板に設けられ、接地導体層と電気的に接続された表面実装用補助電極121とを接続した構成(GND接続)についても同様に実験した。
以上の実験結果を図11に示す。
図11において、実験結果1は従来の表面実装型アンテナの実験結果であり、実験結果2〜4はそれぞれ図1〜図3の放射電極パターンによる表面実装型アンテナの実験結果を示す。図11の放射電極配置構造は、図10および図1〜図3の放射電極パターンを平面図で示したものであり、図中の矢印は、放射電極終端部の長さを調整する方向を示す。また、GND分離は、図6に示す表面実装用補助端子124と、実装基板に設けられ、接地導体層との間に間隙を設けて電気的に接地導体層と分離された表面実装用補助電極121とを接続した構成のものを示し、GND接続は、接地導体層と電気的に接続された表面実装用補助電極121とを接続した構成のものを示す。
実験結果1(GND分離)は従来の表面実装型アンテナの構成であり、放射電極の放射電極終端部トリミング単位長さあたりの共振周波数の変化量(19.1MHz/mm)は本発明の第1の表面実装型アンテナの構成による実験結果2、3、4(GND分離)の共振周波数の変化量(13.0〜9.5MHz/mm)のいずれよりも大きくなっている。すなわち、本発明の表面実装型アンテナによれば、放射電極終端部のトリミングによってアンテナの共振周波数を調整する場合に、アンテナの共振周波数の変化が従来の表面実装型アンテナほど急峻ではなく、従って放射電極終端部のトリミングによってアンテナの共振周波数調整を容易に行なうことができるという効果が確認できた。
また、図6のように表面実装型アンテナの基体の他方主面に設けた表面実装用補助端子124と、実装基板に設けられた表面実装用補助電極121を接続した構成(GND接続)についても同様に実験結果を示す。前記結果同様、従来の表面実装型アンテナの構成である実験結果1(GND接続)の、放射電極の開放端トリミング単位長さあたりの共振周波数の変化量(36.4MHz/mm)は本発明の第1の表面実装型アンテナの構成による実験結果2、3、4(GND接続)による変化量(23.7〜16.5MHz/mm)よりも大きくなっている。すなわち、本発明の表面実装型アンテナによれば、GND分離の場合よりは劣るものの、放射電極終端部のトリミングによるアンテナの共振周波数の変化量が従来の表面実装型アンテナほど急峻ではなく、従って放射電極終端部のトリミングによってアンテナの共振周波数調整を容易に行なうことができるという効果が確認できた。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
本発明の第1の表面実装型アンテナの実施の形態の一例およびそれを実装基板の表面に実装して成る本発明のアンテナ装置の実施の形態の一例を示す斜視図である。 本発明の第1の表面実装型アンテナの実施の形態の他の例およびそれを実装基板の表面に実装して成る本発明のアンテナ装置の実施の形態の他の例を示す斜視図である。 本発明の第1の表面実装型アンテナの実施の形態の他の例およびそれを実装基板の表面に実装して成る本発明のアンテナ装置の実施の形態の他の例を示す斜視図である。 本発明の第1の表面実装型アンテナの実施の形態の他の例およびそれを実装基板の表面に実装して成る本発明のアンテナ装置の実施の形態の他の例を示す斜視図である。 本発明の第2の表面実装型アンテナにおける基体の例を示す斜視図であり、(a)・(b)・(c)は貫通孔を有する例、(d)・(e)は溝を有する例である。 本発明の第3の表面実装型アンテナの実施の形態の一例およびそれを実装基板の表面に実装して成る本発明のアンテナ装置の実施の形態の他の例を示す斜視図である。 本発明の第3の表面実装型アンテナを実装基板の表面に実装して成る本発明のアンテナ装置の実施の形態の他の例を示す斜視図である。 本発明の第3の表面実装型アンテナを実装基板の表面に実装して成る本発明のアンテナ装置の実施の形態の他の例を示す斜視図である。 本発明の第3の表面実装型アンテナを実装基板の表面に実装して成る本発明のアンテナ装置の実施の形態の他の例を示す斜視図である。 従来の表面実装型アンテナおよびそれを用いたアンテナ装置の例を示す斜視図である。 放射電極終端部のトリミング単位長さあたりに対する共振周波数の変化量を説明するための図である。
符号の説明
10、30、50、70・・・表面実装型アンテナ
11、31、51、71、110、112、114、116、118・・・基体
12、32、52、72・・・給電端子
13、14、15、16、17、18・・・放射電極
33、34、35、36、37、38・・・放射電極
53、54、55、56、57、58、59・・・放射電極
73、74、75、76、77、78・・・放射電極
19、39、60、79・・・放射電極終端部
20、40、61、80・・・実装基板
22、42、63、82・・・給電電極
121、122、123・・・表面実装用補助電極
124、125、126・・・表面実装用補助端子
23、43、64、83・・・接地導体層
24、44、65、84・・・直線状の辺
a・・・一方側面
b・・・一方主面
c・・・他方側面
d・・・他方主面
e・・・他方端面
f・・・一方端面
25、45、66、85・・・アンテナ装置
111、113、115・・・貫通孔
117、119・・・溝

Claims (5)

  1. 直方体状の誘電体または磁性体から成る基体の一方側面の一方端側に給電端子が設けられ、該給電端子に一端が接続された放射電極が、前記一方側面の一方端側から前記基体の一方主面の一方端側を経た後、前記一方主面の他方端側または前記一方側面の他方端側または他方主面の他方端側のいずれかへ引き回されて、それら他方端側からそれぞれの一方端側へ前記基体の稜に平行に延びて他端を開放端として配設され、前記開放端である放射電極終端部を共振周波数微調整部としていることを特徴とする表面実装型アンテナ。
  2. 前記基体に、前記一方側面から前記他方側面にかけてもしくは一方端面から前記他方端面にかけてもしくは前記一方主面から前記他方主面にかけて貫通する貫通孔を、または前記他方主面に前記一方端面から前記他方端面にかけてもしくは前記一方側面から前記他方側面にかけて貫通する溝を設けたことを特徴とする請求項1記載の表面実装型アンテナ。
  3. 前記基体の前記他方主面に表面実装用補助端子を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の表面実装型アンテナ。
  4. 表面に給電電極と該給電電極の近傍に直線状の辺を有して配置された接地導体層とが形成された実装基板に、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表面実装型アンテナを、前記基体の前記他方主面を前記実装基板の前記表面側にし、かつ前記基体の前記稜を前記接地導体層の前記辺と平行に対向させて実装するとともに、前記給電端子を前記給電電極に接続したことを特徴とするアンテナ装置。
  5. 請求項4に記載のアンテナ装置における共振周波数を調整する方法であって、前記共振周波数微調整部の長さを変化させることでアンテナの共振周波数を調整すること特徴とする共振周波数の調整方法。
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