JP2006270916A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基板2と、基板2上の表面に形成されたグラウンド導体3と、基板2上に配置され、素体14と素体14に形成された線状の導体パターン15とを有するローディング部4と、導体パターン15の一端とグラウンド導体3との間に接続されるチップインダクタ5と、チップインダクタ5の一端に給電する給電点7とを備え、導体パターン15の一端とチップインダクタ5との間に周波数調整部6が設けられ、周波数調整部6が、導体パターン15の一端とチップインダクタ5とを接続する容量可変ダイオードと、容量可変ダイオードのキャパシタンスを調整するバイアス電圧入力端子とを有する。
【選択図】 図1
Description
一方、携帯端末機では、470MHz帯以上の帯域では1/4波長型のアンテナが用いられている。1/4波長型のアンテナは、アンテナエレメントの電気長が1/4波長であり、物理長として1/4波長の長さを持つホイップアンテナが携帯電話機用として用いられている。また、内蔵アンテナは、物理長を1/4よりも小型化することで携帯端末機に内蔵可能としたもので、小型化のために帯域幅やアンテナ利得がホイップアンテナよりも劣化している。なお、ホイップアンテナの比帯域幅は、一般的に十数%程度となっている。
そこで、共振周波数を可変とする方法として、バリキャップを用いてコンデンサのキャパシタンスを電圧によって制御し、アンテナの共振周波数を可変とするアンテナ装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、アンテナ装置の共振周波数は、アンテナエレメントの電気長によるインダクタンス成分をLとし、容量可変素子によるキャパシタンス成分をCとしたときに、1/√(L・C)に比例する。そこで、容量可変素子のキャパシタンスを変化させることで、アンテナ装置の共振周波数を設定することができる。したがって、例えば地上デジタル放送の放送帯域である470MHz〜770MHzのように広い帯域幅であっても、キャパシタンスが適宜の範囲で可変である容量可変素子を用いることで、チャンネルに合わせてキャパシタンスを調整し、共振周波数をシフトすることでカバーできる。
また、周波数調整部の一端とグラウンド導体とを接続するようにインダクタ部を設けることで、アンテナ装置のインピーダンスが調整され、例えば470MHz〜770MHzの周波数帯域においても、電圧定在波比(Voltage Standing Wave Ratio、以下VSWR
と省略する)特性の劣化を防止する。
この発明によれば、複数のローディング部のうちの1つと、このローディング部とインダクタ部とをそれぞれ接続する容量可変素子と、インダクタ部とによって1つのアンテナ部が形成される。したがって、アンテナ装置は、複数のアンテナ部を有することになる。
このとき、複数のアンテナ部のうちの少なくとも1つのアンテナ部によってカバーされる周波数帯域の少なくとも一部が、他のアンテナ装置によってカバーされる周波数帯域と異なるように構成することで、アンテナ部が1つだけの場合と比較して、より広い周波数帯域をカバーすることができる。一方、容量可変素子のキャパシタンスの可変範囲が小さく、1つのアンテナ部がカバー可能な周波数帯域が狭くても、各アンテナ部が分担してカバーすることによって広い周波数帯域をカバーすることができる。
また、受信する周波数において、複数のアンテナ部のうちからVSWRの最も小さいアンテナ部で受信した高周波信号を選択して受信することで、よりVSWR特性の劣化が小さく、良好な状態で受信することができる。
この発明によれば、容量可変ダイオードに対してバイアス電圧を入力し、この電圧を高くすることによって、容量可変ダイオードの空乏層の幅が広がる。これは、平行平板コンデンサにおいて平行平板間の距離が大きくなることと同様の効果であり、バイアス電圧を高くすることによって、容量可変ダイオードのキャパシタンスが小さくなる。したがって上述したように、印加するバイアス電圧を高くすることで、アンテナ装置の共振周波数が高周波側にシフトする。以上より、印加するバイアス電圧によって、アンテナ装置の共振周波数を容易に設定できる。
この発明によれば、集中定数素子によって、ローディング部の導体パターンの長さを変更することなく電気長を調整可能となるので、容易に共振周波数を設定できる。また、給電点におけるアンテナ装置のインピーダンスを整合させることができる。
この発明によれば、周波数調整部を周波数調整モジュールとしていることで、ユーザに対して周波数調整部の回路構造及び素子値をブラックボックス化することができ、さらにシンプルな構成となることからアンテナ装置の設計の自由度が増大する。
この発明によれば、配線パターンに、トリミング可能な周波数微調整用の調整パッド部を設けているので、配線パターンの形状精度や実装する容量可変素子等のディスクリート部品自体のばらつきを調整パッド部のトリミングによって微調整することができる。
この発明によれば、導体パターンを螺旋形状とすることで、導体パターンが長くなり、アンテナ装置の利得を増やすことができる。
この発明によれば、導体パターンをミアンダ形状とすることで、導体パターンが長くなり、アンテナ装置の利得が向上する。また、導体パターンが、素体の表面に形成されることで導体パターンの形成が容易となる。
本実施形態によるアンテナ装置1は、例えば地上デジタル放送を受信可能な携帯端末に用いられるアンテナ装置である。
ローディング素子11は、図2に示すように、例えばアルミナなどの誘電体からなる直方体の素体14と、この素体14の表面に素体14の長手方向に対して螺旋形状に巻回された線状の導体パターン15とによって構成されている。
この導体パターン15の両端は、ランド12A、12Bと接続するように、素体14の裏面に形成された接続導体16A、16Bにそれぞれ接続されている。
また、連結導体13には、連結導体13を分断する分断部(図示略)が形成されており、この分断部が集中定数素子としてチップインダクタ17が設けられている。このチップインダクタ17は、アンテナ装置1の共振周波数を設定する働きを有している。
周波数調整部本体21は、図3に示すように、互いにカソード側が対向するように接続された容量可変ダイオード(容量可変素子)31A、31Bと、容量可変ダイオード31A、31Bの接続点P2にバイアス電圧を印加するバイアス電圧入力端子(容量調整手段)32と、容量可変ダイオード31Aのアノード側とアースGとを接続して容量可変ダイオード31A、31Bに流れる高周波信号がグラウンドに流れることを防止するRFブロックインダクタ33Aと、容量可変ダイオード31Bのアノード側とアースGとを接続して容量可変ダイオード31A、31Bに流れる高周波信号がグラウンドに流れることを防止するRFブロックインダクタ33Bと、バイアス電圧入力端子32と接続点P2とを接続して容量可変ダイオード31A、31Bに流れる高周波信号がバイアス電圧入力端子32に流れることを防止するRFブロックインダクタ33Cと、容量可変ダイオード31Bのアノード側と給電導体8とを接続して受信信号中の直流電流成分を除去するDCブロックコンデンサ34と、を備えている。なお、図3に示すRFは、高周波回路を示している。
本格運用される2011年からは470MHz〜710MHz帯域が地上デジタル放送として使用されると言われているが、0V〜3.5Vの範囲で印加するバイアス電圧を変化させることで、この範囲をほぼカバーする。
また、連結導体48には、連結導体48を分断する分断部(図示略)が形成されており、この分断部が集中定数素子としてチップインダクタ49が設けられている。
周波数調整部本体51は、図7に示すように、互いにカソード側が対向するように配置された2組の容量可変ダイオード31A、31B及び31C、31Dと、接続点P2及び容量可変ダイオード31C、31Dの接続点P4にそれぞれバイアス電圧を印加するバイアス電圧入力端子32と、RFブロックインダクタ33A〜33Cと、容量可変ダイオード31C、31Dに流れる高周波信号がアースGに流れることを防止するRFブロックインダクタ33Dと、を備えている。
第2アンテナ部は、導体パターン44の長さやチップインダクタ49のインダクタンスによって電気長を調整することによって、容量可変ダイオード31A〜31Dにバイアス電圧を印加しない状態において、その共振周波数が第1アンテナ部の共振周波数よりも高周波側となるように構成されている。
図8に示すように、バイアス電圧を印加しない状態において、第1アンテナ部は約470MHzの共振周波数を有し、第2アンテナ部は第1アンテナ部の共振周波数よりも高周波である約650MHzの共振周波数を有している。
図9に示すように、470MHz〜770MHzのうちの低周波の帯域を第1アンテナ部で、高周波の帯域を第2アンテナ部でそれぞれ分担して受信することによって、650MHz以上のような高周波帯域においてもインピーダンス特性の劣化をより抑えてカバーできる。
また、1つのアンテナ部によってカバーする周波数帯域を狭くできるため、各アンテナ部を構成する容量可変ダイオードのキャパシタンスの可変範囲が小さくなる。これにより、バイアス電圧入力端子32に印加する電圧の範囲を、第1の実施形態におけるアンテナ装置1と比較して、0V〜3.0Vのように小さくすることができる。
実施例として、第1の実施形態におけるアンテナ装置1を試料1として製作し、地上デジタル放送の放送帯域である470MHz〜770MHzにおけるVSWR特性を測定した。この結果は、図5に示すとおりである。また、比較例として、図10に示すように、チップインダクタ5が設けられていないアンテナ装置を製作し、同様にバイアス電圧入力端子32への印加電圧を0.0V、1.0V、2.0V、3.0V、3.5VとしたときにおけるVSWR特性を測定した。この結果を図11に示す。なお、図11に示す曲線C6〜C10は、印加電圧を0.0V、1.0V、2.0V、3.0V、3.5VとしたときのVSWR特性をそれぞれ示している。
例えば、本実施形態において、アンテナ装置を、地上デジタル放送を受信可能な携帯端末に用いたが、携帯電話機など、他の無線通信機器に用いてもよい。
また、容量可変素子として容量可変ダイオードを用いているが、容量可変コンデンサなど、他の容量可変素子を用いてもよい。また、2つの容量可変ダイオードを用いているが、共振周波数の可変範囲に応じて、1つであってもよく、3つ以上用いてもよい。
また、導体パターンが素体表面に巻回された螺旋形状を有していたが、素体表面に形成されたミアンダ形状を有していてもよく、他の形状であってもよい。
また、給電導体に分断部を形成し、この分断部をチップコンデンサによって接続してもよい。ここで、チップコンデンサのキャパシタンスを適宜設定することで、給電部におけるインピーダンスを容易に整合させることができる。なお、インピーダンス調整部としてチップコンデンサに限らず、インダクタを用いることも可能である。
また、図14に示すように、接続点P2と接続点P4との間にRFブロックインダクタ33Eを設け、接続点P2と接続点P4との間で高周波信号が流れることを防止するような構成であってもよい。
また、図16に示すように、接続点P2と接続点P4とをオープンとし、第1アンテナ部の容量可変ダイオード31A、31Bに対してRFブロックインダクタ33Fを介してバイアス電圧入力端子32Aから電圧を印加し、第2アンテナ部の容量可変ダイオード31C、31Dに対してRFブロックインダクタ33Cを介してバイアス電圧入力端子32Bから電圧を印加するような構成であってもよい。
この例として、具体的な構成及び周波数の微調整方法について、図17及び図25を参照しながら説明する。
この周波数調整モジュールとした周波数調整部106は、図22に示すように、PCB基板である基板102に半田材等で実装される。なお、基板102は、上記実施形態の基板2と同様に、グラウンド導体3、給電部7、連結導体13、バイアス電圧入力端子接続導体35が形成され、チップインダクタ17及びチップインダクタ5が所定位置に実装されている。
まず、ケース部材109の取り付け前の状態で周波数調整部106を基板102に実装し、検査工程で周波数特性を評価する。その際、所望の周波数からずれている場合、レーザトリマーによって調整パッド部110にスリットを形成する。例えば、図23に示すように、周波数の調整度合いに応じて、スリットS1、S2を一方のみ又は両方形成することで、共振周波数を修正する。その後、ケース部材109を基板102上に取り付けて周波数の微調整を完了する。
また、周波数を評価する工程の次にレーザトリマーによる共振周波数の修正工程を設けることにより、検査と同時に周波数の補正を行うことが可能になる。
110…調整パッド部、P1…接続点、S1、S2、S3、S4…スリット
Claims (8)
- 基板と、
該基板上の表面に形成されたグラウンド導体と、
前記基板上に配置され、誘電体または磁性体あるいはその両方を兼ね備えた複合材料からなる素体と、該素体に形成された線状の導体パターンとを有するローディング部と、
前記導体パターンの一端と前記グラウンド導体との間に接続されるインダクタ部と、
前記インダクタ部の一端に給電する給電点とを備えるアンテナ装置において、
前記導体パターンの一端と前記インダクタ部との間に周波数調整部が設けられ、
該周波数調整部が、前記導体パターンの一端と前記インダクタ部とを接続する容量可変素子と、該容量可変素子のキャパシタンスを調整する容量調整手段とを有することを特徴とするアンテナ装置。 - 前記ローディング部を複数備えると共に、
前記周波数調整部が、複数の前記ローディング部の一端と前記インダクタ部とをそれぞれ接続する複数の前記容量可変素子を備えることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。 - 前記容量可変素子が、容量可変ダイオードで構成され、
前記容量調整手段が、前記容量可変ダイオードにバイアス電圧を印加して該容量可変ダイオードのキャパシタンスを調整することを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。 - 前記導体パターンの一端に接続される集中定数素子が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
- 前記周波数調整部が、前記基板に載置可能であると共に前記導体パターンの一端と前記インダクタ部とを接続する周波数調整モジュールとされていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
- 前記周波数調整モジュールが、配線パターンを表面に有するモジュール基板と、
前記モジュール基板に前記配線パターンを用いて設けられた周波数調整部本体と、
前記モジュール基板に設けられ前記ローディング部に接続されるアンテナ端子と、を備え、
前記配線パターンが、前記アンテナ端子に接続されトリミング可能な周波数微調整用の調整パッド部を有していることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。 - 前記導体パターンが、前記素体の長手方向に巻回された螺旋形状を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
- 前記導体パターンが、前記素体の表面に形成されたミアンダ形状を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
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