JP2006269914A - 電子装置の製造方法および装置ならびに電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な工程で電子装置を製造すると共に、封止用樹脂が電子部品の機能を妨げることや封止用樹脂による封止が不完全になることを防止する。
【解決手段】固体撮像素子20は、開口部11を有する基板10に対して、機能面21が開口部11に向くように実装される。固体撮像素子20は、機能面21の周辺に配置された電極22を有し、基板10は、電極22に接続される導体層12を有している。固体撮像素子20の実装時には、基板10は支持台30に載置され、基板10の開口部11の周囲の環状の領域に、液状の熱硬化性樹脂13が配置される。固体撮像素子20と熱硬化性樹脂13とが接触してから、電極22と導体層12とが接触するまでの期間では、支持台30、基板10、固体撮像素子20および熱硬化性樹脂13によって囲まれた中空部分内の気体の圧力は、その変動が抑制されるように調整される。
【選択図】図1
【解決手段】固体撮像素子20は、開口部11を有する基板10に対して、機能面21が開口部11に向くように実装される。固体撮像素子20は、機能面21の周辺に配置された電極22を有し、基板10は、電極22に接続される導体層12を有している。固体撮像素子20の実装時には、基板10は支持台30に載置され、基板10の開口部11の周囲の環状の領域に、液状の熱硬化性樹脂13が配置される。固体撮像素子20と熱硬化性樹脂13とが接触してから、電極22と導体層12とが接触するまでの期間では、支持台30、基板10、固体撮像素子20および熱硬化性樹脂13によって囲まれた中空部分内の気体の圧力は、その変動が抑制されるように調整される。
【選択図】図1
Description
本発明は、貫通する開口部を有する基板と、この基板に対して、電子部品の機能面が開口部に向くように実装された電子部品とを備えた電子装置の製造方法および装置、ならびに上記基板と電子部品とを備えた電子装置に関する。
従来、固体撮像素子を基板に実装する方法としては、チップオンボード方式が多く用いられていた。この方法では、固体撮像素子は接着剤を用いて基板上に固定され、ワイヤボンディングによって固体撮像素子の電極と基板の導体層とが接続される。
近年、固体撮像素子の高密度実装の要求が高まっている。この要求を満たすために、最近では、例えば特許文献1に記載されているように、フリップチップ方式によって固体撮像素子を基板に実装する方法も用いられている。この実装方法を用いる場合、固体撮像素子では、受光面である機能面が配置された1つの面において、機能面の周辺に複数の電極が設けられる。一方、基板には、固体撮像素子の機能面を露出させるための貫通する開口部が設けられる。また、基板には、一方の面において露出し、固体撮像素子の電極に接続される複数の導体層が設けられる。固体撮像素子は、その機能面が基板の開口部に向くように配置され、固体撮像素子の電極と基板の導体層とが電気的に接続される。また、この電極と導体層との電気的接続部分は封止される。
フリップチップ方式による固体撮像素子の実装方法には、電極と導体層とを、金属接合により直接、あるいは半田等の導電性物質を介して、電気的および機械的に接続した後、電極と導体層との接続部分の周囲に封止用樹脂を充填する方法がある。以下、この方法を第1の実装方法と言う。その他、フリップチップ方式による固体撮像素子の実装方法には、予め導体層のうち電極が接続される部分の周辺に封止用樹脂を配置しておき、電極と導体層とを接触させて、これらを電気的に接続し、封止用樹脂を硬化させることによって、電極と導体層の位置関係を固定する方法がある。以下、この方法を第2の実装方法と言う。
特許文献1には、撮像素子およびバンプが形成された基板を、開口部を有するプリント配線基板に対して、上記の第2の実装方法によって実装する方法が記載されている。また、特許文献1には、封止用樹脂がプリント配線基板の開口部に流入することを防止するために、開口部の周部にダム状の突起部を設ける技術が記載されている。
また、特許文献2には、半導体チップのセンシティブエリアが基板に対向するように、フリップチップ方式によって半導体チップを基板に実装する方法が記載されている。また、特許文献2には、半導体チップのセンシティブエリアの周辺を筒状のゴムシートにより覆い、このゴムシートの内部に空間部を形成する技術が記載されている。
前述の第2の実装方法には、工程が簡単であるため、コストの低減が可能になるという利点がある。特に、第2の実装方法において、封止用樹脂として、フィルム状の樹脂ではなく液状樹脂を用いる場合には、必要な位置に適量の樹脂を配置しやすいという利点がある。すなわち、液状樹脂を用いる場合には、フィルム状の樹脂を用いる場合に比べて、ディスペンサーを用いた描画や印刷によって樹脂を精密に配置することが容易である。そのため、この場合には、実装工程を自動化しやすくなる。
しかしながら、第2の実装方法において、封止用樹脂として液状樹脂を用いる場合には、液状樹脂が流動しやすいことに起因して、以下のような問題点がある。まず、第1の問題点は、液状樹脂の塗布面に存在する凹凸や塗布面における材質の相違により、塗布面における液状樹脂に対するぬれ性が場所によって異なり、その結果、塗布後の液状樹脂が一定形状を保つことが困難なことである。
次に、図18ないし図20を参照して第2の問題点について説明する。図18ないし図20は、固体撮像素子の実装方法の一例における各工程を説明するための説明図である。この実装方法は、基板10に対して固体撮像素子20を実装する方法である。基板10は、一方の面10aと、その反対側の面10bとを有している。また、基板10は、貫通する開口部11を有している。基板10は、更に、一方の面10aにおいて露出する複数の導体層12を有している。固体撮像素子20は、一方の面20aと、その反対側の面20bとを有している。また、固体撮像素子20は、一方の面20aに配置された機能面(受光面)21を有している。固体撮像素子20は、更に、面20aにおいて、機能面21の周辺に配置された複数の電極22を有している。電極22は、例えばバンプである。前述の基板10の開口部11は、固体撮像素子20の機能面21を露出させるためのものである。また、基板10の導体層12は、固体撮像素子20の電極22に接続されるようになっている。
この実装方法では、まず、図18に示したように、基板10は、一方の面10aが上を向き、反対側の面10bが支持台230の上面230aに接するようにして、支持台230の上に載置される。支持台230は、基板10を吸着するための複数の基板吸着孔231を有している。基板吸着孔231内の気体は、図示しない吸引ポンプによって吸引され、これにより、支持台230の上面230aに基板10が吸着される。
次に、基板10の一方の面10aにおいて、導体層12のうち、固体撮像素子20の電極22に接続される部分の上に、液状樹脂213を配置する。この液状樹脂213は、開口部11の周囲に環状に配置されて、畝を形成する。次に、図示しない加熱・加圧ツールによって固体撮像素子20を吸引し保持する。加熱・加圧ツールは、温度調節可能なヒーターを内蔵している。更に、加熱・加圧ツールは、支持台230に対して相対的に垂直および水平方向に移動可能で、且つ保持した固体撮像素子20に対して荷重を加えることができるようになっている。
次に、図19に示したように、加熱・加圧ツールを下降させて、機能面21が基板10の開口部11に対向し、且つ電極22が基板10の導体層12に対向するように、固体撮像素子20を基板10上に配置する。
次に、基板10と固体撮像素子20との間に液状樹脂213を介在させた状態で、電極22と導体層12とを接触させ、電極22と導体層12の少なくとも一方を加熱しながら、所定の時間だけ、電極22および導体層12を、それらが互いに密着するように加圧することにより、電極22と導体層12とを接続すると共に、液状樹脂213を硬化させて電極22と導体層12との接続部分の周囲を封止する。液状樹脂213は、硬化することにより、電極22と導体層12との接続部分の周囲を封止する封止用樹脂となる。電極22と導体層12の少なくとも一方の加熱は、例えば、加熱・加圧ツールによって固体撮像素子20を加熱することによって行う。以上の一連の工程により、フリップチップ方式によって固体撮像素子20が基板10に実装され、基板10と固体撮像素子20とを含む固体撮像装置が製造される。
ところで、一般的に、基板吸着孔231は、基板10の開口部11の位置に配慮して設けられている訳ではない。そのため、図18、図19に示したように、基板吸着孔231が基板10の開口部11に面する位置に存在することも起こり得る。一方、図19に示したように、固体撮像素子20が液状樹脂213に接すると、支持台230、基板10、固体撮像素子20および液状樹脂213によって囲まれた中空部分241が形成される。ここで、前述のように、基板吸着孔231が基板10の開口部11に面する位置に存在していると、図20に示したように、基板吸着孔231を通して中空部分241内の気体が吸引され、中空部分241が過剰に減圧状態となる。すると、中空部分241が縮小するように、硬化前の流動可能状態にある液状樹脂213が流動し、その結果、液状樹脂213が固体撮像素子20の機能面21に付着し、固体撮像素子20の光学的機能が損なわれる場合がある。これが第2の問題点である。
前述のように、特許文献1には、封止用樹脂がプリント配線基板の開口部に流入することを防止するために、開口部の周部にダム状の突起部を設ける技術が記載されている。また、特許文献2には、半導体チップのセンシティブエリアの周辺を筒状のゴムシートにより覆い、このゴムシートの内部に空間部を形成する技術が記載されている。これらの技術を用いれば、液状樹脂213が固体撮像素子20の機能面21に付着することを防止することができる。しかし、この場合には、突起部や筒状のゴムシートのような新たな部品が必要になると共に、この部品を取り付ける工程が必要になり、固体撮像装置の製造コストが増加する。
図21は、固体撮像素子の実装方法の他の例における一工程を示している。図21に示したように、基板吸着孔231が基板10の開口部11以外の部分に面する位置に配置されるようにすれば、第2の問題点を解消することができる。しかし、この場合には、新たな第3の問題点が生じる。以下、この第3の問題点について説明する。基板吸着孔231が基板10の開口部11以外の部分に面する位置に配置されるようにした場合には、中空部分241は完全に密閉された空間になる。この空間は、固体撮像素子20の下降に伴って圧縮される。更に、加熱・加圧ツールによって固体撮像素子20が加熱されることにより、中空部分241内の気体は急激に膨張しようとする。これらのことから、中空部分241内の気体の圧力が上昇する。一方、中空部分241が形成されてから液体樹脂213が硬化するまでの間は液体樹脂213が流動性を有する。そのため、中空部分241内の気体の圧力が上昇すると、液体樹脂213によって形成された環状の畝の一部が破壊されて、中空部分241内の気体の一部が外部に排出される場合がある。図22は、このようにして液体樹脂213によって形成された環状の畝の一部が破壊された状態を示している。なお、図22は、固体撮像素子20を基板10に実装する工程中における基板10、固体撮像素子20および液体樹脂213を示す平面図である。液体樹脂213によって形成された環状の畝の一部が破壊されると、封止用樹脂による封止が不完全になる場合がある。
なお、以上説明した問題点は、開口部を有する基板に対して、フリップチップ方式によって固体撮像素子を実装する場合に限らず、貫通する開口部を有する基板に対して、フリップチップ方式によって電子部品の機能面が開口部に向くように実装する場合の全般に当てはまる。固体撮像素子以外の電子部品の例としては、発光素子、受光素子、種々のセンサ等がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、貫通する開口部を有する基板と、この基板に対して、電子部品の機能面が開口部に向くように実装された電子部品とを備えた電子装置の製造方法および装置であって、簡単な工程で電子装置を製造できると共に、封止用樹脂が電子部品の機能を妨げることや封止用樹脂による封止が不完全になることを防止できるようにした電子装置の製造方法および装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、貫通する開口部を有する基板と、この基板に対して、電子部品の機能面が開口部に向くように実装された電子部品とを備えた電子装置であって、簡単な工程で製造可能であると共に、封止用樹脂が電子部品の機能を妨げることや封止用樹脂による封止が不完全になることを防止できるようにした電子装置を提供することにある。
本発明の電子装置の製造方法は、貫通する開口部を有する基板と、基板に対して、電子部品の機能面が開口部に向くように実装された電子部品とを備えた電子装置を製造する方法である。電子部品は、機能面が配置された1つの面において、機能面の周辺に配置された電極を有し、基板は、一方の面において露出し、電極に接続される導体層を有している。
本発明の電子装置の製造方法は、
支持台の上に、一方の面が上を向くように基板を載置する工程と、
基板の一方の面における開口部の周囲にあって、導体層のうちの電極に接続される部分を含む環状の領域に、液状の熱硬化性樹脂を配置する工程と、
機能面が開口部に対向し、且つ電極が導体層に対向するように、電子部品を基板の上方に配置する工程と、
電子部品と熱硬化性樹脂とが接触し、更に電極と導体層とが接触するように、電子部品と基板とを接近させる工程と、
基板と電子部品との間に熱硬化性樹脂が介在し、且つ電極と導体層とが接触した状態で、電極と導体層の少なくとも一方を加熱しながら、電極および導体層を、それらが互いに密着するように加圧することにより、電極と導体層とを接続すると共に、熱硬化性樹脂を硬化させて電極と導体層との接続部分の周囲を封止する加熱・加圧工程とを備えている。
支持台の上に、一方の面が上を向くように基板を載置する工程と、
基板の一方の面における開口部の周囲にあって、導体層のうちの電極に接続される部分を含む環状の領域に、液状の熱硬化性樹脂を配置する工程と、
機能面が開口部に対向し、且つ電極が導体層に対向するように、電子部品を基板の上方に配置する工程と、
電子部品と熱硬化性樹脂とが接触し、更に電極と導体層とが接触するように、電子部品と基板とを接近させる工程と、
基板と電子部品との間に熱硬化性樹脂が介在し、且つ電極と導体層とが接触した状態で、電極と導体層の少なくとも一方を加熱しながら、電極および導体層を、それらが互いに密着するように加圧することにより、電極と導体層とを接続すると共に、熱硬化性樹脂を硬化させて電極と導体層との接続部分の周囲を封止する加熱・加圧工程とを備えている。
熱硬化性樹脂は、温度25℃においてE型粘度計によって測定される粘度に関して、回転数1rpmにおける粘度が90Pa・s〜700Pa・sの範囲内であり、且つ回転数1rpmにおける粘度を回転数10rpmにおける粘度で除した値が2〜6の範囲内の値となる性質を有している。電子部品と基板とを接近させる工程は、電子部品と熱硬化性樹脂とが接触してから、電極と導体層とが接触するまでの期間において、支持台、基板、電子部品および熱硬化性樹脂によって囲まれた中空部分内の気体の圧力を、その変動が抑制されるように調整する。
本発明の電子装置の製造方法において、支持台は、中空部分に通じる通気孔を有し、通気孔を通して中空部分の内部から外部への気体の排出と中空部分の外部から内部への気体の供給の少なくとも一方を行うことによって、中空部分内の気体の圧力の調整が行われてもよい。
また、本発明の電子装置の製造方法において、中空部分内の気体の圧力を検出し、この検出した圧力が所定の許容範囲に入るように気体の排出と供給の少なくとも一方を行うことによって、中空部分内の気体の圧力の調整が行われてもよい。
また、本発明の電子装置の製造方法において、通気孔の一端は、支持台の上面において、支持台の上に基板が載置されたときに基板の開口部に面する位置に配置され、通気孔の他端は大気に開放され、通気孔を介して中空部分を大気に開放することによって、中空部分内の気体の圧力の調整が行われてもよい。
また、本発明の電子装置の製造方法において、通気孔の一端は、支持台の上面において、支持台の上に基板が載置されたときに基板の開口部に面する位置に配置され、通気孔の他端は中空部分内の気体の圧力変動を吸収するためのバッファ空間に接続され、通気孔を介して中空部分とバッファ空間とを接続することによって、中空部分内の気体の圧力の調整が行われてもよい。
また、本発明の電子装置の製造方法において、基板は、支持台の上に載置されたときに、支持台の上面と基板の間に、開口部に通じると共に大気に開放された通気路を形成する通気路形成部を有し、通気路を介して中空部分を大気に開放することによって、中空部分内の気体の圧力の調整が行われてもよい。
また、本発明の電子装置の製造方法において、支持台は、中空部分の体積を変化させる機構を有し、この機構を制御して中空部分の体積を変化させることによって、中空部分内の気体の圧力の調整が行われてもよい。
本発明の電子装置の製造装置は、貫通する開口部を有する基板と、基板に対して、電子部品の機能面が開口部に向くように実装された電子部品とを備えた電子装置を製造するために用いられるものである。電子部品は、機能面が配置された1つの面において、機能面の周辺に配置された電極を有し、基板は、一方の面において露出し、電極に接続される導体層を有している。
本発明の電子装置の製造装置は、一方の面が上を向くように基板を支持する支持台と、支持台によって支持された基板に対して、電子部品を実装するための加熱・加圧手段とを備えている。
加熱・加圧手段は、
支持台によって支持された基板の一方の面における開口部の周囲にあって、導体層のうちの電極に接続される部分を含む環状の領域に、液状の熱硬化性樹脂が配置された状態で、機能面が開口部に対向し、且つ電極が導体層に対向するように、電子部品を基板の上方において保持し、
電子部品と熱硬化性樹脂とが接触し、更に電極と導体層とが接触するように、電子部品と基板とを接近させ、
基板と電子部品との間に熱硬化性樹脂が介在し、且つ電極と導体層とが接触した状態で、電極と導体層の少なくとも一方を加熱しながら、電極および導体層を、それらが互いに密着するように加圧することにより、電極と導体層とを接続すると共に、熱硬化性樹脂を硬化させて電極と導体層との接続部分の周囲を封止するものである。
支持台によって支持された基板の一方の面における開口部の周囲にあって、導体層のうちの電極に接続される部分を含む環状の領域に、液状の熱硬化性樹脂が配置された状態で、機能面が開口部に対向し、且つ電極が導体層に対向するように、電子部品を基板の上方において保持し、
電子部品と熱硬化性樹脂とが接触し、更に電極と導体層とが接触するように、電子部品と基板とを接近させ、
基板と電子部品との間に熱硬化性樹脂が介在し、且つ電極と導体層とが接触した状態で、電極と導体層の少なくとも一方を加熱しながら、電極および導体層を、それらが互いに密着するように加圧することにより、電極と導体層とを接続すると共に、熱硬化性樹脂を硬化させて電極と導体層との接続部分の周囲を封止するものである。
本発明の電子装置の製造装置は、更に、電子部品と熱硬化性樹脂とが接触してから、電極と導体層とが接触するまでの期間において、支持台、基板、電子部品および熱硬化性樹脂によって囲まれた中空部分内の気体の圧力を、その変動が抑制されるように調整する圧力調整手段を備えている。
本発明の電子装置の製造装置では、圧力調整手段によって、電子部品と熱硬化性樹脂とが接触してから、電極と導体層とが接触するまでの期間において、中空部分内の気体の圧力の変動が抑制されるように、中空部分内の気体の圧力が調整される。
本発明の電子装置の製造装置において、圧力調整手段は、支持台に設けられ、中空部分に通じる通気孔を有し、通気孔を通して中空部分の内部から外部への気体の排出と中空部分の外部から内部への気体の供給の少なくとも一方を行ってもよい。
また、本発明の電子装置の製造装置において、圧力調整手段は、更に、中空部分内の気体の圧力を検出する検出手段と、検出手段によって検出された圧力が所定の許容範囲に入るように気体の排出と供給の少なくとも一方を行う圧力制御手段とを有していてもよい。
また、本発明の電子装置の製造装置において、通気孔の一端は、支持台の上面において、支持台の上に基板が載置されたときに基板の開口部に面する位置に配置され、通気孔の他端は大気に開放され、通気孔を介して中空部分を大気に開放することによって、中空部分内の気体の圧力の調整が行われてもよい。
また、本発明の電子装置の製造装置において、通気孔の一端は、支持台の上面において、支持台の上に基板が載置されたときに基板の開口部に面する位置に配置され、通気孔の他端は中空部分内の気体の圧力変動を吸収するためのバッファ空間に接続され、通気孔を介して中空部分とバッファ空間とを接続することによって、中空部分内の気体の圧力の調整が行われてもよい。
また、本発明の電子装置の製造装置において、圧力調整手段は、支持台に設けられ、中空部分の体積を変化させる機構を有し、この機構を制御して中空部分の体積を変化させることによって、中空部分内の気体の圧力の調整が行われてもよい。
本発明の電子装置は、貫通する開口部を有する基板と、基板に対して、電子部品の機能面が開口部に向くように実装された電子部品とを備えている。電子部品は、機能面が配置された1つの面において、機能面の周辺に配置された電極を有し、基板は、電子部品に対向する面において露出し、電極に接続される導体層を有している。
本発明の電子装置は、更に、基板と電子部品との間において、開口部の周囲の環状の領域に配置されて、電極と導体層との接続部分の周囲を封止する封止用樹脂を備えている。基板は、更に、電子部品に対向する面が上を向くように支持台の上に載置されたときに、支持台の上面と基板の間に、開口部に通じると共に大気に開放された通気路を形成する通気路形成部を有している。
本発明の電子装置の製造方法では、封止のために用いられる熱硬化性樹脂として、温度25℃においてE型粘度計によって測定される粘度に関して、回転数1rpmにおける粘度が90Pa・s〜700Pa・sの範囲内であり、且つ回転数1rpmにおける粘度を回転数10rpmにおける粘度で除した値が2〜6の範囲内の値となる性質を有するものが用いられる。また、本発明の電子装置の製造方法では、電子部品と熱硬化性樹脂とが接触してから、電極と導体層とが接触するまでの期間において、中空部分内の気体の圧力の変動が抑制されるように、中空部分内の気体の圧力が調整される。以上のことから、本発明によれば、簡単な工程で電子装置を製造できると共に、封止用樹脂が電子部品の機能を妨げることや封止用樹脂による封止が不完全になることを防止することができるという効果を奏する。
また、本発明の電子装置の製造装置によれば、電子部品と熱硬化性樹脂とが接触してから、電極と導体層とが接触するまでの期間において、中空部分内の気体の圧力の変動が抑制されるように、中空部分内の気体の圧力が調整される。これにより、本発明によれば、簡単な工程で電子装置を製造できると共に、封止用樹脂が電子部品の機能を妨げることや封止用樹脂による封止が不完全になることを防止することができるという効果を奏する。
また、本発明の電子装置では、基板は、電子部品に対向する面が上を向くように支持台の上に載置されたときに、支持台の上面と基板の間に、開口部に通じると共に大気に開放された通気路を形成する通気路形成部を有している。従って、本発明の電子装置を製造する際には、支持台、基板、電子部品および封止用樹脂によって囲まれた中空部分は、通気路を介して大気に開放される。これにより、本発明によれば、簡単な工程で電子装置を製造できると共に、封止用樹脂が電子部品の機能を妨げることや封止用樹脂による封止が不完全になることを防止することができるという効果を奏する。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子装置の製造装置の構成を示す説明図である。図2は、図1に示した製造装置における支持台の平面図である。図3は、本実施の形態に係る電子装置の製造方法における一工程を示す平面図である。図4ないし図6は、本実施の形態に係る電子装置の製造方法における各工程を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子装置の製造装置の構成を示す説明図である。図2は、図1に示した製造装置における支持台の平面図である。図3は、本実施の形態に係る電子装置の製造方法における一工程を示す平面図である。図4ないし図6は、本実施の形態に係る電子装置の製造方法における各工程を説明するための説明図である。
始めに、図3および図6を参照して、本実施の形態に係る電子装置の製造方法および電子装置の製造装置によって製造される電子装置について説明する。本実施の形態における電子装置は、基板10と、この基板10に対して実装された電子部品としての固体撮像素子20とを備えている。
基板10は、一方の面10aと、その反対側の面10bとを有している。また、基板10は、貫通する開口部11を有している。基板10の外形および開口部11は、いずれも矩形になっている。基板10は、更に、一方の面10aにおいて露出する複数の導体層12を有している。
固体撮像素子20は、一方の面20aと、その反対側の面20bとを有している。また、固体撮像素子20は、一方の面20aに配置された機能面(受光面)21を有している。固体撮像素子20は、更に、面20aにおいて、機能面21の周辺に配置された複数の電極22を有している。電極22は、例えばバンプである。前述の基板10の開口部11は、固体撮像素子20の機能面21を露出させるためのものである。また、基板10の導体層12は、固体撮像素子20の電極22に接続されるようになっている。
固体撮像素子20は、基板10に対して、機能面21が開口部11に向くように、フリップチップ方式により実装されている。電子装置は、更に、基板10と固体撮像素子20との間において、開口部11の周囲の環状の領域に配置されて、電極22と導体層12との接続部分の周囲を封止する封止用樹脂14を備えている。
次に、本実施の形態に係る電子装置の製造装置について説明する。図1に示したように、電子装置の製造装置は、基板10を支持する支持台30と、固体撮像素子20を保持する加熱・加圧ツール40とを備えている。基板10は、一方の面10aが上を向くように支持台30の上に載置され、支持台30は、この基板10を吸着して保持する。支持台30は、温度調節可能なヒーターを内蔵していてもよい。
支持台30の内部には、圧力検出用通気孔31と、圧力調整用通気孔32と、4つの基板吸着孔33と、圧力調整用通気路34と、基板吸着用通気路35とが設けられている。また、支持台30には、圧力検出装置36が取り付けられている。圧力検出用通気孔31と圧力調整用通気孔32の各一端は、支持台30の上に基板10が載置されたときに基板10の開口部11に面する位置に配置されている。圧力検出用通気孔31の他端は、圧力検出装置36に接続されている。圧力調整用通気孔32の他端は、圧力調整用通気路34に接続されている。4つの基板吸着孔33の各一端は、支持台30の上面において、支持台30の上に基板10が載置されたときに基板10のうちの開口部11以外の部分に面する位置に配置されている。基板吸着孔33の各他端は、基板吸着用通気路35に接続されている。
圧力検出装置36は、気体の圧力を検出する検出部と、この検出部によって検出された圧力の値が、予め設定された許容範囲の上限値と下限値の間か、上限値よりも大きいか、下限値よりも小さいかに応じて異なる信号を出力するスイッチ部とを有している。
加熱・加圧ツール40は、固体撮像素子20を吸着して保持する。また、加熱・加圧ツール40は、温度調節可能なヒーターを内蔵している。更に、加熱・加圧ツール40は、支持台30に対して相対的に垂直および水平方向に移動可能で、且つ保持した固体撮像素子20に対して荷重を加えることができるようになっている。加熱・加圧ツール40は、本発明における加熱・加圧手段に対応する。
電子装置の製造装置は、更に、圧力制御部50を備えている。圧力制御部50は、一端が圧力調整用通気路34に接続された管路51と、一端が基板吸着用通気路35に接続された管路52と、各一端が管路51の他端に接続された管路61,62,63と、各一端が管路52の他端に接続された管路64,65とを有している。
圧力制御部50は、更に、管路61の他端に接続された加圧装置66と、管路62の他端に接続された消音器67と、管路63の他端に接続された減圧装置68と、管路64の他端に接続された減圧装置69と、管路65の他端に接続された消音器70とを有している。加圧装置66は、管路61に対して空気を吐出する。減圧装置68,69は、それぞれ、管路63,64から空気を吸引する。加圧装置66および減圧装置68,69は、例えばポンプである。
圧力制御部50は、更に、管路61の途中に設けられた加圧用開閉弁71と、管路62の途中に設けられた大気開放用開閉弁72と、管路63の途中に設けられた減圧用開閉弁73と、管路64の途中に設けられた開閉弁74と、管路65の途中に設けられた開閉弁75とを有している。
圧力制御部50は、更に、管路61において、その一端と開閉弁71との間に設けられた逆止め弁付き流量調整弁76と、管路62において、その一端と開閉弁72との間に設けられた可変絞り弁77と、管路63において、その一端と開閉弁73との間に設けられた逆止め弁付き流量調整弁78と、管路64において、その一端と開閉弁74との間に設けられた逆止め弁付き流量調整弁79とを有している。
圧力制御部50は、更に、圧力検出装置36の出力信号を入力し、開閉弁71〜75を制御するプログラマブルコントローラ80を有している。このプログラマブルコントローラ80は、予め入力されたプログラムに従って、後述する処理を実行するようになっている。
加圧用開閉弁71が開状態で、開閉弁72,73が閉状態のときには、加圧装置66から吐出された空気が、管路61,51、圧力調整用通気路34、圧力調整用通気孔32を経由して、支持台30の上面に配置された圧力調整用通気孔32の一端から吐出される。
大気開放用開閉弁72の開状態で、開閉弁71,73が閉状態のときには、圧力調整用通気孔32、圧力調整用通気路34、管路51,62を介して、圧力調整用通気孔32の一端の外側が大気に開放される。
減圧用開閉弁73が開状態で、開閉弁71,72が閉状態のときには、減圧装置68によって、管路63,51、圧力調整用通気路34、圧力調整用通気孔32を介して、圧力調整用通気孔32の一端の外側の空気が吸引される。
開閉弁74が開状態で、開閉弁75が閉状態のときには、減圧装置69によって、管路64,52、基板吸着用通気路35、基板吸着孔33を介して、支持台30の上面に配置された基板吸着孔33の一端の外側の空気が吸引される。
開閉弁75が開状態で、開閉弁74が閉状態のときには、基板吸着孔33、基板吸着用通気路35、管路52,65を介して、基板吸着孔33の一端の外側が大気に開放される。
圧力検出用通気孔31、圧力調整用通気孔32、圧力調整用通気路34、圧力検出装置36、管路51,61〜63、加圧装置66、消音器67、減圧装置68、開閉弁71〜73、流量調整弁76、絞り弁77、流量調整弁78およびプログラマブルコントローラ80は、本発明における圧力調整手段に対応する。また、圧力検出用通気孔31および圧力検出装置36は、本発明における検出手段に対応する。また、圧力調整用通気孔32、圧力調整用通気路34、管路51,61〜63、加圧装置66、消音器67、減圧装置68、開閉弁71〜73、流量調整弁76、絞り弁77、流量調整弁78およびプログラマブルコントローラ80は、本発明における圧力制御手段に対応する。
次に、図4ないし図7を参照して、本実施の形態に係る電子装置の製造方法について説明する。図4ないし図6は、前述のように、本実施の形態に係る電子装置の製造方法における各工程を説明するための説明図である。図7は、本実施の形態に係る電子装置の製造方法における各種のタイミングを示す説明図である。
図7に示したように、製造装置の初期状態では、開閉弁72,75が開状態で、開閉弁71,73,74が閉状態となっている。従って、圧力調整用通気孔32の一端の外側および基板吸着孔33の一端の外側は大気に開放されている。
本実施の形態に係る電子装置の製造方法では、まず、図4に示したように、基板10を、一方の面10aが上を向き、反対側の面10bが支持台30の上面に接するように、支持台30の上に載置する。次に、開閉弁74を開状態に切り替え、開閉弁75を閉状態に切り替える。これにより、基板吸着孔33の一端の外側の空気が吸引され、その結果、基板10は、支持台30の上面に吸着され、支持台30によって保持される。
次に、基板10の一方の面10aにおける開口部11の周囲にあって、導体層12のうち、固体撮像素子20の電極22に接続される部分を含む環状の領域に、液状の熱硬化性樹脂13を配置する。この熱硬化性樹脂13は、例えばディスペンサーによって塗布することによって、上記の領域に配置する。
次に、加熱・加圧ツール40によって、一方の面20aが下を向くように固体撮像素子20を吸着して保持し、機能面21が開口部11に対向し且つ電極22が導体層12に対向するように、固体撮像素子20を基板10の上方に配置する。このときに加熱・加圧ツール40が配置されている位置の高さを、待機高さと言う。なお、図7では、「加熱・加圧ツール40が配置されている位置の高さ」を、「ツールの高さ」として記載している。また、以下の説明でも、「加熱・加圧ツール40が配置されている位置の高さ」を「ツールの高さ」と言う。
なお、基板10を支持台30の上に載置する工程および熱硬化性樹脂13を配置する工程と、固体撮像素子20を基板10の上方に配置する工程は、どちらが先でもよく、ほぼ同時に行われてもよい。
次に、加熱・加圧ツール40を下降させて、固体撮像素子20と基板10とを接近させる。この過程では、初めに、図5に示したように、固体撮像素子20と熱硬化性樹脂13とが接触する。更に加熱・加圧ツール40を下降させてゆくと、図6に示したように、電極22と導体層12とが接触する。図3は、このときの基板10、固体撮像素子20および熱硬化性樹脂13を示している。固体撮像素子20と基板10とを接近させる工程では、図7に示したように、ツールの高さが所定の下降減速高さに達するまでは、第1の速度で加熱・加圧ツール40を下降させ、ツールの高さが下降減速高さに達した後は、第1の速度よりも小さい第2の速度で加熱・加圧ツール40を下降させる。なお、下降減速高さは、固体撮像素子20と熱硬化性樹脂13とが接触を開始するときのツールの高さよりも上である。
図5に示したように、固体撮像素子20と熱硬化性樹脂13とが接触すると、支持台30、基板10、固体撮像素子20および熱硬化性樹脂13によって囲まれた中空部分41が形成される。本実施の形態では、固体撮像素子20と熱硬化性樹脂13とが接触してから、電極22と導体層12とが接触するまでの期間において、中空部分41内の気体の圧力を、その変動が抑制されるように調整する。以下、この圧力の調整のことを調圧と言う。調圧は、圧力調整用通気孔32を通して中空部分41の内部から外部への気体の排出と中空部分41の外部から内部への気体の供給の少なくとも一方を行うことによって行われる。調圧の開始時点は、固体撮像素子20と熱硬化性樹脂13とが接触を開始する時点とする。このときのツールの高さを、調圧高さとする。調圧の終了時点は、電極22と導体層12とが接触を開始する時点とする。調圧における具体的な動作については、後で詳しく説明する。なお、図7中の「中空部分の圧力制御」の欄において、中空部分41が形成されていない期間に関しては、圧力調整用通気孔32の一端の外側の状態を記載している。
次に、基板10と固体撮像素子20との間に熱硬化性樹脂13が介在し、且つ電極22と導体層12とが接触した状態で、電極22と導体層12の少なくとも一方を加熱しながら、所定の時間だけ、電極22および導体層12を、それらが互いに密着するように加圧することにより、電極22と導体層12とを接続すると共に、熱硬化性樹脂13を硬化させて電極22と導体層12との接続部分の周囲を封止する。この工程は、本発明における加熱・加圧工程に対応する。電極22と導体層12の少なくとも一方の加熱は、例えば、加熱・加圧ツール40によって固体撮像素子20を加熱することによって行う。硬化後の熱硬化性樹脂13は、封止用樹脂14となる。
加熱・加圧工程の開始時点は、調圧の終了時点と一致している。加熱・加圧工程の開始時点で、開閉弁72は開状態とされ、開閉弁71,73は閉状態とされる。その後も、この状態が維持される。従って、加熱・加圧工程の開始時点以後は、中空部分41は大気に開放されている。
加熱・加圧工程が終了すると、図7に示したように、ツールの高さが下降減速高さに達するまで、第3の速度で加熱・加圧ツール40を上昇させる。ツールの高さが下降減速高さに達した後は、ツールの高さが待機高さに達するまで、第3の速度よりも大きい第4の速度で加熱・加圧ツール40を上昇させる。
次に、ツールの高さが待機高さに達してから所定時間の後に、開閉弁74を閉状態に切り替えると共に開閉弁75を開状態に切り替えて、支持台30による基板10の吸着を解除する。次に、支持台30から基板10を除去し、この基板10を製造装置から搬出し、初期状態に戻る。
以上の一連の工程により、フリップチップ方式によって固体撮像素子20が基板10に実装され、基板10と固体撮像素子20とを含む電子装置が製造される。この電子装置において、固体撮像素子20の機能面21は、基板10の開口部11に向くように配置されて、開口部11から露出している。
本実施の形態において、熱硬化性樹脂13は、温度25℃においてE型粘度計によって測定される粘度に関して、回転数1rpmにおける粘度が90Pa・s〜700Pa・sの範囲内であり、且つ回転数1rpmにおける粘度を回転数10rpmにおける粘度で除した値(以下、チキソ比と言う。)が2〜6の範囲内の値となる性質を有している。以下、その理由について説明する。
液状の熱硬化性樹脂13を塗布する基板10の面10aでは、場所によって、導体や絶縁物等の材質が異なっている。また、面10aには、数十μm程度の高低差が存在している。そのため、温度25℃においてE型粘度計によって測定される、回転数1rpmにおける粘度が90Pa・s未満である熱硬化性樹脂を使用した場合には、この熱硬化性樹脂を面10a上に塗布した後に熱硬化性樹脂が流動する傾向が顕著になる。その結果、面10a上で熱硬化性樹脂が濡れ広がる等して、塗布後の熱硬化性樹脂が一定形状を維持することが困難になる。図9は、このような場合における基板10、固体撮像素子20および熱硬化性樹脂を示す平面図である。図9には、本実施の形態における熱硬化性樹脂13の代わりに、温度25℃においてE型粘度計によって測定される、回転数1rpmにおける粘度が90Pa・s未満である熱硬化性樹脂93を使用した場合における、塗布後の熱硬化性樹脂93の形状の一例を示している。
実験の結果、温度25℃においてE型粘度計によって測定される、回転数1rpmにおける粘度が90Pa・s以上である熱硬化性樹脂13を使用した場合には、図3に示したように、塗布後の熱硬化性樹脂13がほぼ一定形状を維持できることが分かった。
一方、温度25℃においてE型粘度計によって測定される、回転数1rpmにおける粘度が700Pa・sを超える熱硬化性樹脂では、以下のような不具合がある。まず、この場合には、液状の熱硬化性樹脂の製造工程中において、樹脂の混練時等において樹脂中の入り込んだ気泡を排除することが困難になる等の不具合が生じ、樹脂の製造自体が困難になる。また、この場合には、一般的に用いられるエア押し出し式ディスペンサーを用いて熱硬化性樹脂を基板10上に塗布する場合において、熱硬化性樹脂の吐出量が低下して、押し出しが困難になる等の不具合が生じ、作業性が低下する。
以上のことから、本実施の形態では、熱硬化性樹脂13を、温度25℃においてE型粘度計によって測定される、回転数1rpmにおける粘度が90Pa・s〜700Pa・sの範囲内にあるものとした。
また、熱硬化性樹脂13は、塗布の作業性の点から塗布時には粘度が小さい方が好ましく、塗布後の形状の安定性の点から塗布後の粘度は大きい方が好ましい。この2つの要望を満たすために、本実施の形態では、熱硬化性樹脂13として、チキソ比が2〜6の範囲内の値となるものを用いる。熱硬化性樹脂13のチキソ比は、2.5〜4.5の範囲内の値であることがより好ましい。
熱硬化性樹脂13は、例えばエポキシ樹脂および潜在性硬化触媒を含有している。熱硬化性樹脂13に使用されるエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、カルボン酸グリシジルエステル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂等がある。熱硬化性樹脂13に使用されるエポキシ樹脂は、上記のように例示した各樹脂のうちの1種でもよいし、2種以上の混合物でもよい。
また、熱硬化性樹脂13に使用される潜在性硬化触媒は、熱硬化性樹脂13の保存時と、電子装置の製造過程で熱硬化性樹脂13が低温である段階における安定性を熱硬化性樹脂13に与え、これにより、電子装置の製造における作業性を良好なものとする。ここでいう潜在性硬化触媒は、特定の温度以上になると急速にエポキシ樹脂硬化触媒として機能する性質を有する。熱硬化性樹脂13に使用可能な潜在性硬化触媒には、マイクロカプセル型、アミンアダクト型等、いくつかの種類がある。このうち、特に、実装性や安定性の点からマイクロカプセル型の潜在性硬化触媒を用いることが好ましい。また、熱硬化性樹脂13には、複数種類の潜在性硬化触媒を組み合わせて使用してもよい。
次に、図8を参照して、調圧における具体的な動作について詳しく説明する。図8は、調圧の動作を示す流れ図である。調圧は、プログラマブルコントローラ80が、予め入力されたプログラムに従って、以下の処理を実行することによって行われる。
調圧が開始されると、まず、プログラマブルコントローラ80は、減圧用開閉弁73を開状態とし、開閉弁71,72を閉状態とする(ステップS101)。次に、プログラマブルコントローラ80は、圧力検出装置36の出力信号に基づいて、中空部分41内の気体の圧力が上限値よりも大きいか否かを判断する(ステップS102)。中空部分41内の気体の圧力が上限値よりも大きい場合(Y)には、プログラマブルコントローラ80は、減圧用開閉弁73を開状態とし、開閉弁71,72を閉状態として(ステップS103)、ステップS107に進む。
一方、中空部分41内の気体の圧力が上限値よりも大きくない場合(ステップS102;N)には、プログラマブルコントローラ80は、圧力検出装置36の出力信号に基づいて、中空部分41内の気体の圧力が下限値よりも小さいか否かを判断する(ステップS104)。中空部分41内の気体の圧力が下限値よりも小さい場合(Y)には、プログラマブルコントローラ80は、加圧用開閉弁71を開状態とし、開閉弁72,73を閉状態として(ステップS105)、ステップS107に進む。中空部分41内の気体の圧力が下限値よりも小さくない場合(ステップS104;N)には、プログラマブルコントローラ80は、大気開放用開閉弁72を開状態とし、開閉弁71,73を閉状態として(ステップS106)、ステップS107に進む。
ステップS107では、プログラマブルコントローラ80は、圧力検出装置36の出力信号に基づいて、中空部分41内の気体の圧力が、上記の上限値と下限値で決まる許容範囲内か否かを判断する。中空部分41内の気体の圧力が許容範囲内ではない場合(N)には、ステップS102に戻る。中空部分41内の気体の圧力が許容範囲内である場合(ステップS107;Y)には、プログラマブルコントローラ80は、大気開放用開閉弁72を開状態とし、開閉弁71,73を閉状態として(ステップS108)、動作を終了する。
なお、上限値は、1気圧(1.01325×105Pa)よりも大きい値で、例えば、2.0265×105Paとする。また、下限値は、1気圧よりも小さい値で、例えば、0.5066×105Paとする。
以上の動作により、中空部分41内の気体の圧力が上限値よりも大きいときには、中空部分41内が減圧され、中空部分41内の気体の圧力が下限値よりも小さいときには、中空部分41内が加圧され、中空部分41内の気体の圧力が許容範囲に入った時点で、中空部分41内は大気に開放される。このように,本実施の形態では、中空部分41内の気体の圧力を検出し、この検出した圧力が所定の許容範囲に入るように、圧力調整用通気孔32を通して中空部分41の内部から外部への気体の排出と中空部分41の外部から内部への気体の供給の少なくとも一方を行うことによって、中空部分41内の気体の圧力の変動が抑制されるように、中空部分41内の気体の圧力の調整が行われる。
従って、本実施の形態によれば、中空部分41が形成されてから、熱硬化性樹脂13が硬化して封止が完了するまでの間、熱硬化性樹脂13が中空部分41の中心に向かって流動して固体撮像素子20の機能面21に付着したり、逆に熱硬化性樹脂13が中空部分41の中心から離れる方向に流動して熱硬化性樹脂13によって形成された環状の畝の一部が破壊されたりすることを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、簡単な工程で、且つ短時間で、基板10に対して固体撮像素子20を実装することが可能になる。以上のことから、本実施の形態によれば、簡単な工程で電子装置を製造できると共に、封止用樹脂14が固体撮像素子20の機能を妨げることや封止用樹脂14による封止が不完全になることを防止することができる。
なお、本実施の形態において、微小な体積の中空部分41内の気体の圧力を感度よく検出し、且つ応答性よく中空部分41内の気体の圧力を調整するためには、中空部分41から圧力検出装置36に至る圧力検出用通気孔31内の容積、および中空部分41から開閉弁71〜73に至る気体の通路内の容積は、できるだけ小さい方がよい。そのため、本実施の形態において、圧力制御部50のうち、中空部分41内の気体の圧力の調整に関わる部分は、支持台30に近づけたり、支持台30に内蔵したりすることが好ましい。
[第2の実施の形態]
次に、図10を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図10は、本実施の形態に係る電子装置の製造装置の構成を示す説明図である。本実施の形態に係る電子装置の製造装置では、第1の実施の形態における圧力検出用通気孔31、圧力調整用通気孔32、圧力調整用通気路34、圧力検出装置36および圧力制御部50は設けられていない。ただし、本実施の形態では、第1の実施の形態における圧力制御部50に含まれていた管路52,64,65、減圧装置69、消音器70、開閉弁74,75および逆止め弁付き流量調整弁79は設けられている。
次に、図10を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図10は、本実施の形態に係る電子装置の製造装置の構成を示す説明図である。本実施の形態に係る電子装置の製造装置では、第1の実施の形態における圧力検出用通気孔31、圧力調整用通気孔32、圧力調整用通気路34、圧力検出装置36および圧力制御部50は設けられていない。ただし、本実施の形態では、第1の実施の形態における圧力制御部50に含まれていた管路52,64,65、減圧装置69、消音器70、開閉弁74,75および逆止め弁付き流量調整弁79は設けられている。
本実施の形態に係る製造装置は、中空部分41に通じる通気孔101を有している。そして、本実施の形態では、通気孔101を通して中空部分41の内部から外部への気体の排出と中空部分41の外部から内部への気体の供給の少なくとも一方を行うことによって、中空部分41内の気体の圧力の変動が抑制されるように、中空部分41内の気体の圧力の調整が行われる。通気孔101の一端は、支持台30の上面において、支持台30の上に基板10が載置されたときに基板10の開口部11に面する位置に配置されている。通気孔101の他端は大気に開放されていてもよいし、中空部分41内の気体の圧力変動を吸収するためのバッファ空間102に接続されていてもよい。バッファ空間102は、中空部分41の最大時の体積よりも十分に大きな体積を有する空間であり、例えば支持台30の内部に設けられる。バッファ空間102の体積は、中空部分41の最大時の体積の10倍以上であることが好ましい。
本実施の形態では、第1の実施の形態における調圧の動作は行われないが、以下の作用によって、固体撮像素子20と熱硬化性樹脂13とが接触してから、電極22と導体層12とが接触するまでの期間において、中空部分41内の気体の圧力を、その変動が抑制されるように調整する。通気孔101の他端が大気に開放されている場合には、通気孔101を介して中空部分41が大気に開放される。これにより、中空部分41内の気体の圧力の変動が抑制される。通気孔101の他端がバッファ空間102に接続されている場合には、通気孔101を介して中空部分41とバッファ空間102とが接続される。バッファ空間102は、中空部分41の最大時の体積よりも十分に大きな体積を有しているので、このバッファ空間102が中空部分41に接続されることにより、中空部分41内の気体の圧力の変動が抑制される。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、図11ないし図14を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。図11は、本実施の形態における電子装置の製造装置の要部および本実施の形態に係る電子装置を示す説明図である。図12は、本実施の形態における基板10の底面を示す底面図である。図13は、図11におけるA−A線断面図である。図14は、図11におけるB−B線断面図である。
次に、図11ないし図14を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。図11は、本実施の形態における電子装置の製造装置の要部および本実施の形態に係る電子装置を示す説明図である。図12は、本実施の形態における基板10の底面を示す底面図である。図13は、図11におけるA−A線断面図である。図14は、図11におけるB−B線断面図である。
本実施の形態における支持台30は、第2の実施の形態における支持台30から、通気孔101およびバッファ空間102を除いた構成になっている。本実施の形態における電子装置の製造装置のその他の構成は、第2の実施の形態と同様である。
図12に示したように、本実施の形態に係る電子装置において、基板10は、開口部11を有する基板本体110と、4つのスペーサ111とを備えている。基板本体110の外形および開口部11は矩形になっている。また、基板本体110の一方の面は、固体撮像素子20に対向する面10aになっている。4つのスペーサ111は、板状をなし、基板本体110の他方の面に接合されている。スペーサ111の平面形状は台形になっている。また、スペーサ111は、短い第1の側面111aと、第1の側面111aよりも長く第1の側面111aに平行に配置された第2の側面111bと、第1の側面111aの一端と第2の側面111bの一端を結ぶ第3の側面111cと、第1の側面111aの他端と第2の側面111bの他端を結ぶ第4の側面111dとを有している。4つのスペーサ111の第1の側面111aは、開口部11の4つの辺の近傍に配置されている。4つのスペーサ111の第2の側面111bは、基板本体110の外形の4つの辺の近傍に配置されている。
隣り合うスペーサ111の間には間隙が設けられ、この間隙によって、4つの通気路形成部112が形成されている。4つの通気路形成部112は、開口部11の四隅から基板本体110の四隅に向けて放射状に延びている。スペーサ111の材料は、特に限定されない。スペーサ111の材料は、基板10を構成する材料とは異なる材料であってもよいし、基板10を構成する絶縁材料や導電材料であってもよい。
図13および図14に示したように、基板10は、スペーサ111が支持台30の上面に接するように、支持台30の上に載置される。このとき、支持台30の上面と基板10の間に、通気路形成部112によって、開口部11に通じると共に大気に開放された通気路が形成される。本実施の形態に係る電子装置のその他の構成は、第1の実施の形態と同様である。なお、支持台30に設けられた4つの基板吸着孔33の各一端は、各通気路形成部112に対応する位置に配置されている。
本実施の形態に係る電子装置の製造方法は、第1の実施の形態における調圧の動作が行われないことを除いて、第1の実施の形態と同様である。本実施の形態に係る電子装置を製造する際には、以下の作用によって、固体撮像素子20と熱硬化性樹脂13とが接触してから、電極22と導体層12とが接触するまでの期間において、中空部分41内の気体の圧力を、その変動が抑制されるように調整する。すなわち、本実施の形態では、前述のように、支持台30の上面と基板10の間に、通気路形成部112によって、開口部11に通じると共に大気に開放された通気路が形成される。そして、この通気路を介して中空部分41を大気に開放することによって、中空部分41内の気体の圧力の調整が行われる。
なお、本実施の形態に係る電子装置を製造する際には、通気路形成部112によって形成される通気路を経由して、基板10の外部の空気が基板吸着孔33によって吸引される。そのため、中空部分41は若干減圧される。この中空部分41の減圧の程度は、通気路形成部112によって形成される通気路の断面積や形状によって調整することができる。一方、通気路形成部112が設けられていない場合には、電子装置を製造する際に中空部分41内の気体の圧力は増加する。そのため、この圧力の増加分が前述の中空部分41の減圧によって相殺されるように、減圧の程度を調整することにより、中空部分41内の気体の圧力の変動を抑制することができる。
また、基板吸着孔33によって基板10を吸着する機能が必要以上に低下しないように、通気路形成部112によって形成される通気路の断面積や形状を変更したり、スペーサ111とは別の部材を基板本体110に取り付けたりして、基板10の外部から基板吸着孔33によって吸引される空気の量を調整してもよい。
また、基板吸着孔33の一端を、通気路形成部112に対応しない位置に配置してもよい。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第2の実施の形態と同様である。
[第4の実施の形態]
次に、図15ないし図17を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。図15は、本実施の形態に係る電子装置の製造装置の構成を示す説明図である。図16および図17は、本実施の形態に係る電子装置の製造装置の動作を示す説明図である。
次に、図15ないし図17を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。図15は、本実施の形態に係る電子装置の製造装置の構成を示す説明図である。図16および図17は、本実施の形態に係る電子装置の製造装置の動作を示す説明図である。
図15に示したように、本実施の形態における支持台30は、第2の実施の形態における通気孔101およびバッファ空間102の代わりに、中空部分41の体積を変化させる体積可変機構を有している。この体積可変機構は、支持台30の上面で開口する空気室121と、この空気室121内に配置された可動部122とを有している。空気室121は、支持台30の上に基板10が載置されたときに基板10の開口部11に面する位置に配置されている。可動部122は、空気室121内を上下方向に移動し、これにより、空気室121内のうち、可動部122の上面から上側の部分の体積が変化するようになっている。以下、この体積が変化する部分を体積可変部分と言う。体積可変部分は、中空部分41の一部を構成する。
体積可変機構は、更に、支持台30に固定されたエアシリンダ123を有している。このエアシリンダ123は、ピストンロッド124を有し、このピストンロッド124の先端は、可動部122の下面に接続されている。従って、このピストンロッド124を進退させることにより、可動部122が上下方向に移動する。エアシリンダ123は、ピストンロッド124を前進させるための空気が供給される第1のポートと、ピストンロッド124を後退させるための空気が供給される第2のポートとを有している。
体積可変機構は、更に、一端がエアシリンダ123の第1のポートに接続された管路131と、一端がエアシリンダ123の第2のポートに接続された管路132と、管路131の途中に設けられた逆止め弁付き流量調整弁133と、管路132の途中に設けられた逆止め弁付き流量調整弁134と、5ポート電磁弁135と、空気圧源136とを有している。管路131の他端と管路132の他端と空気圧源136は、5ポート電磁弁135における異なるポートに接続されている。5ポート電磁弁135は、図示しないプログラマブルコントローラによって制御されるようになっている。
電磁弁135がオフのときには、空気圧源136から吐出される空気が、電磁弁135、管路131を経由して、エアシリンダ123の第1のポートに供給され、同時に、エアシリンダ123の第2のポートから吐出される空気が、管路132、電磁弁135を経由して排出される。これにより、エアシリンダ123のピストンロッド124が前進し、体積可変部分の体積は小さくなる。
また、電磁弁135がオンのときには、空気圧源136から吐出される空気が、電磁弁135、管路132を経由して、エアシリンダ123の第2のポートに供給され、同時に、エアシリンダ123の第1のポートから吐出される空気が、管路131、電磁弁135を経由して排出される。これにより、エアシリンダ123のピストンロッド124が後退し、体積可変部分の体積は大きくなる。
本実施の形態に係る電子装置の製造方法では、図16に示したように、固体撮像素子20と熱硬化性樹脂13とが接触する以前は、エアシリンダ123のピストンロッド124が最も前進した状態になっている。このとき、体積可変部分の体積は最も小さくなっている。
図17に示したように、固体撮像素子20と熱硬化性樹脂13とが接触してから、電極22と導体層12とが接触するまでの期間では、エアシリンダ123のピストンロッド124が後退し、体積可変部分の体積が増加する。これにより、体積可変部分を含む中空部分41の体積が変化する。ピストンロッド124の移動速度は、予め実験により、中空部分41内の気体の圧力の変動が小さくなるように決められる。このように、本実施の形態では、体積可変機構を制御して中空部分41の体積を変化させることによって、中空部分41内の気体の圧力の変動が抑制されるように、中空部分41内の気体の圧力の調整が行われる。
なお、本実施の形態において、エアシリンダ123の代わりに、他の種類のアクチュエータを用いてもよい。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第2の実施の形態と同様である。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、加熱・加圧工程では、固体撮像素子20を加熱する代わりに、基板10を加熱してもよい。
また、本発明は、開口部を有する基板に対して、フリップチップ方式によって固体撮像素子を実装する場合に限らず、貫通する開口部を有する基板に対して、フリップチップ方式によって電子部品の機能面が開口部に向くように実装する場合の全般に適用することができる。固体撮像素子以外の電子部品の例としては、発光素子、受光素子、種々のセンサ等がある。
10…基板、11…開口部、12…導体層、13…熱硬化性樹脂、14…封止用樹脂、20…固体撮像素子、21…機能面、22…電極、30…支持台、31…圧力検出用通気孔、32…圧力調整用通気孔、33…基板吸着孔、34…圧力調整用通気路、35…基板吸着用通気路、36…圧力検出装置、40…加熱・加圧ツール、50…圧力制御部。
Claims (14)
- 貫通する開口部を有する基板と、前記基板に対して、電子部品の機能面が開口部に向くように実装された電子部品とを備えた電子装置を製造する方法であって、
前記電子部品は、前記機能面が配置された1つの面において、前記機能面の周辺に配置された電極を有し、前記基板は、一方の面において露出し、前記電極に接続される導体層を有し、前記方法は、
支持台の上に、前記一方の面が上を向くように前記基板を載置する工程と、
前記基板の一方の面における前記開口部の周囲にあって、前記導体層のうちの前記電極に接続される部分を含む環状の領域に、液状の熱硬化性樹脂を配置する工程と、
前記機能面が前記開口部に対向し、且つ前記電極が前記導体層に対向するように、前記電子部品を前記基板の上方に配置する工程と、
前記電子部品と熱硬化性樹脂とが接触し、更に前記電極と導体層とが接触するように、前記電子部品と基板とを接近させる工程と、
前記基板と電子部品との間に前記熱硬化性樹脂が介在し、且つ前記電極と導体層とが接触した状態で、前記電極と導体層の少なくとも一方を加熱しながら、前記電極および導体層を、それらが互いに密着するように加圧することにより、前記電極と導体層とを接続すると共に、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記電極と導体層との接続部分の周囲を封止する加熱・加圧工程とを備え、
前記熱硬化性樹脂は、温度25℃においてE型粘度計によって測定される粘度に関して、回転数1rpmにおける粘度が90Pa・s〜700Pa・sの範囲内であり、且つ回転数1rpmにおける粘度を回転数10rpmにおける粘度で除した値が2〜6の範囲内の値となる性質を有し、
前記電子部品と基板とを接近させる工程は、前記電子部品と熱硬化性樹脂とが接触してから、前記電極と導体層とが接触するまでの期間において、前記支持台、基板、電子部品および熱硬化性樹脂によって囲まれた中空部分内の気体の圧力を、その変動が抑制されるように調整することを特徴とする電子装置の製造方法。 - 前記支持台は、前記中空部分に通じる通気孔を有し、前記通気孔を通して前記中空部分の内部から外部への気体の排出と前記中空部分の外部から内部への気体の供給の少なくとも一方を行うことによって、前記中空部分内の気体の圧力の調整が行われることを特徴とする請求項1記載の電子装置の製造方法。
- 前記中空部分内の気体の圧力を検出し、この検出した圧力が所定の許容範囲に入るように前記気体の排出と供給の少なくとも一方を行うことによって、前記中空部分内の気体の圧力の調整が行われることを特徴とする請求項2記載の電子装置の製造方法。
- 前記通気孔の一端は、前記支持台の上面において、前記支持台の上に前記基板が載置されたときに基板の開口部に面する位置に配置され、前記通気孔の他端は大気に開放され、前記通気孔を介して前記中空部分を大気に開放することによって、前記中空部分内の気体の圧力の調整が行われることを特徴とする請求項2記載の電子装置の製造方法。
- 前記通気孔の一端は、前記支持台の上面において、前記支持台の上に前記基板が載置されたときに基板の開口部に面する位置に配置され、前記通気孔の他端は前記中空部分内の気体の圧力変動を吸収するためのバッファ空間に接続され、前記通気孔を介して前記中空部分とバッファ空間とを接続することによって、前記中空部分内の気体の圧力の調整が行われることを特徴とする請求項2記載の電子装置の製造方法。
- 前記基板は、前記支持台の上に載置されたときに、前記支持台の上面と基板の間に、前記開口部に通じると共に大気に開放された通気路を形成する通気路形成部を有し、前記通気路を介して前記中空部分を大気に開放することによって、前記中空部分内の気体の圧力の調整が行われることを特徴とする請求項1記載の電子装置の製造方法。
- 前記支持台は、前記中空部分の体積を変化させる機構を有し、前記機構を制御して前記中空部分の体積を変化させることによって、前記中空部分内の気体の圧力の調整が行われることを特徴とする請求項1記載の電子装置の製造方法。
- 貫通する開口部を有する基板と、前記基板に対して、電子部品の機能面が開口部に向くように実装された電子部品とを備えた電子装置を製造するために用いられる電子装置の製造装置であって、
前記電子部品は、前記機能面が配置された1つの面において、前記機能面の周辺に配置された電極を有し、前記基板は、一方の面において露出し、前記電極に接続される導体層を有し、前記製造装置は、
前記一方の面が上を向くように前記基板を支持する支持台と、
前記支持台によって支持された前記基板に対して、前記電子部品を実装するための加熱・加圧手段とを備え、
前記加熱・加圧手段は、
前記支持台によって支持された前記基板の一方の面における前記開口部の周囲にあって、前記導体層のうちの前記電極に接続される部分を含む環状の領域に、液状の熱硬化性樹脂が配置された状態で、前記機能面が前記開口部に対向し、且つ前記電極が前記導体層に対向するように、前記電子部品を前記基板の上方において保持し、
前記電子部品と熱硬化性樹脂とが接触し、更に前記電極と導体層とが接触するように、前記電子部品と基板とを接近させ、
前記基板と電子部品との間に前記熱硬化性樹脂が介在し、且つ前記電極と導体層とが接触した状態で、前記電極と導体層の少なくとも一方を加熱しながら、前記電極および導体層を、それらが互いに密着するように加圧することにより、前記電極と導体層とを接続すると共に、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記電極と導体層との接続部分の周囲を封止するものであり、
前記製造装置は、更に、前記電子部品と熱硬化性樹脂とが接触してから、前記電極と導体層とが接触するまでの期間において、前記支持台、基板、電子部品および熱硬化性樹脂によって囲まれた中空部分内の気体の圧力を、その変動が抑制されるように調整する圧力調整手段を備えたことを特徴とする電子装置の製造装置。 - 前記圧力調整手段は、前記支持台に設けられ、前記中空部分に通じる通気孔を有し、前記通気孔を通して前記中空部分の内部から外部への気体の排出と前記中空部分の外部から内部への気体の供給の少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項8記載の電子装置の製造装置。
- 前記圧力調整手段は、更に、前記中空部分内の気体の圧力を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された圧力が所定の許容範囲に入るように気体の排出と供給の少なくとも一方を行う圧力制御手段とを有することを特徴とする請求項9記載の電子装置の製造装置。
- 前記通気孔の一端は、前記支持台の上面において、前記支持台の上に前記基板が載置されたときに基板の開口部に面する位置に配置され、前記通気孔の他端は大気に開放され、前記通気孔を介して前記中空部分を大気に開放することによって、前記中空部分内の気体の圧力の調整が行われることを特徴とする請求項9記載の電子装置の製造装置。
- 前記通気孔の一端は、前記支持台の上面において、前記支持台の上に前記基板が載置されたときに基板の開口部に面する位置に配置され、前記通気孔の他端は前記中空部分内の気体の圧力変動を吸収するためのバッファ空間に接続され、前記通気孔を介して前記中空部分とバッファ空間とを接続することによって、前記中空部分内の気体の圧力の調整が行われることを特徴とする請求項9記載の電子装置の製造装置。
- 前記圧力調整手段は、前記支持台に設けられ、前記中空部分の体積を変化させる機構を有し、前記機構を制御して前記中空部分の体積を変化させることによって、前記中空部分内の気体の圧力の調整が行われることを特徴とする請求項8記載の電子装置の製造装置。
- 貫通する開口部を有する基板と、前記基板に対して、電子部品の機能面が開口部に向くように実装された電子部品とを備えた電子装置であって、
前記電子部品は、前記機能面が配置された1つの面において、前記機能面の周辺に配置された電極を有し、
前記基板は、前記電子部品に対向する面において露出し、前記電極に接続される導体層を有し、
電子装置は、更に、前記基板と電子部品との間において、前記開口部の周囲の環状の領域に配置されて、前記電極と導体層との接続部分の周囲を封止する封止用樹脂を備え、
前記基板は、更に、前記電子部品に対向する面が上を向くように支持台の上に載置されたときに、前記支持台の上面と基板の間に、前記開口部に通じると共に大気に開放された通気路を形成する通気路形成部を有することを特徴とする電子装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005088376A JP2006269914A (ja) | 2005-03-25 | 2005-03-25 | 電子装置の製造方法および装置ならびに電子装置 |
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Cited By (1)
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JP2011192808A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Fujifilm Corp | 撮像モジュール及びその製造方法並びに内視鏡装置 |
-
2005
- 2005-03-25 JP JP2005088376A patent/JP2006269914A/ja not_active Withdrawn
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