JP2006269608A - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リブ付きの太陽電池パネルにフレームを設ける工程の作業性を改善し得る太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】 太陽電池パネルとリブとフレームで構成される太陽電池モジュールの製造方法であって、太陽電池パネル10にリブ13を設ける工程、リブ13の端部にスライド部材14を設ける工程、スライド部材14をフレーム15aにスライド挿入する工程を有することを特徴とする。
【選択図】 図1f
【解決手段】 太陽電池パネルとリブとフレームで構成される太陽電池モジュールの製造方法であって、太陽電池パネル10にリブ13を設ける工程、リブ13の端部にスライド部材14を設ける工程、スライド部材14をフレーム15aにスライド挿入する工程を有することを特徴とする。
【選択図】 図1f
Description
本発明は、太陽電池パネルとリブとフレームで構成される太陽電池モジュールの製造方法に関する。
太陽エネルギーは無尽蔵且つクリーンなエネルギーであるため、化石燃料の枯渇、環境問題の深刻化に伴い、注目度が年々増してきている。現在、太陽エネルギーを利用して発電する太陽光発電システムは、一般住宅の屋根、高層ビルの壁面など多様な場所に施設されている。
従来の太陽電池モジュールの一般的な構成例を図4a及び図4bに示す。図4aは太陽電池モジュールを受光面側から見た平面図、図4bは図4a中のG−G’断面図である。この太陽電池モジュールは、ガラス板42、光起電力素子41、封止材44及び裏面フィルム43からなる太陽電池パネル40と、フレーム45とで構成されている。
太陽電池モジュールのサイズは様々であるが、発電所や公共施設の屋根など設置エリアが比較的広い場合、大面積の太陽電池モジュール(以下、『大面積モジュール』と呼ぶ)が好適に用いられる。その理由として、(1)大面積モジュールを用いれば単位面積当たりのモジュール使用枚数が少なくなるため、モジュールの設置作業及びモジュール間の電気接続作業が削減されること、(2)小面積の太陽電池モジュールに比べて、大面積モジュールのワットコストが安いことなどが挙げられる。
一方、太陽電池モジュールが強風時や積雪時に受ける荷重は、受光面の面積に比例して大きくなるため、大面積モジュールの場合、前記荷重に耐え得るように補強する必要がある。一般的には、図5a乃至図5dに示すように、複数本のリブを非受光面側に配することで機械的強度を向上させた太陽電池モジュールが知られている。
図5aは太陽電池モジュールを受光面側から見た平面図、図5bは太陽電池モジュールを非受光面側から見た平面図、図5cは図5a中のH−H’断面図、図5dはフレームの斜視図である。この太陽電池モジュールは、表面フィルム52a、光起電力素子51、封止材52c及び裏面フィルム52bからなる太陽電池パネル50と、太陽電池パネルの非受光面側に設けられたリブ53と、リブ53の端部を嵌合するための切り欠き54bを有するフレーム54とで構成されている。
図5a乃至図5dに示すようなリブ付きの太陽電池モジュールは、一般的に光起電力素子51を表面フィルム52a及び封止材52c及び裏面フィルム52bで封止することで太陽電池パネル50を形成する工程、前記太陽電池パネルの非受光面にリブ53を配置する工程、前工程で形成されたリブ付きの太陽電池パネルにフレーム54を設ける工程を経て製造される。
また、特許文献1には、太陽電池パネルと、アクリル系フォーム基材と、H型リブとを順次積層し、E字状断面を有する枠状フレームの上下2段の溝に太陽電池パネルとH型リブをそれぞれ嵌入接着した太陽電池モジュールが記載されている。
図5a乃至図5dに示したようなリブ付きの太陽電池パネルにフレームを設ける工程は、フレームの溝に接着剤を充填する作業とリブ付きの太陽電池パネルを前記溝に差し込む作業からなる。前記フレームには、図5dに示すように、太陽電池パネルの端辺を差し込むための溝54aとリブの端部を嵌合するための切り欠き54bに代表される結合部が存在するため、前述したフレームの溝に太陽電池パネルを差し込む作業では、リブとフレームの位置合わせを正確に行う必要がある。具体的には、太陽電池パネルの端辺とフレームの溝54aの位置を合わせるとともに、各リブ53とこれに対応する切り欠き54bの位置を合わせる必要がある為、円滑に作業を進めることができなかった。
また、前記リブ付きの太陽電池パネルが可撓性を有する場合、太陽電池パネル端辺の形状がハンドリングにより変形するため、フレームの位置合わせはより困難であった。
更に、前記フレームの溝54aにはフレームを太陽電池パネル及びリブに固定するための接着剤が充填されているため、位置合わせに手間取ると、前記接着剤が太陽電池パネルの受光面に付着する可能性がある。これは、太陽電池モジュールの外観を損ねるだけでなく、発電量を低下させる要因となるため絶対に避けるべきである。
前述したような問題をカバーするために、これまではフレームの位置決め作業を2〜3人で行う必要があった。しかし、1つの工程に多くの作業者を配置することは太陽電池モジュールのワットコストを上昇させる要因となるため望ましくない。
また、特許文献1に記載の太陽電池モジュールにおいても、太陽電池パネルの大面積化に対応する為の機械的強度の向上は実現されているものの、特に太陽電池パネルが可撓性を有する場合には、太陽電池パネル端辺の形状がハンドリングにより変形するため、フレームの位置合わせは困難である。
本発明は、上述の問題点を解決するために考案されたもので、リブ付きの太陽電池パネルにフレームを設ける工程の作業性を改善し、且つ1人でも前記工程を円滑に遂行することができる太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究開発を重ねた結果、次のような方法が最良であることを見いだした。
即ち、本発明は、太陽電池パネルとリブとフレームで構成される太陽電池モジュールの製造方法であって、太陽電池パネルにリブを設ける工程、リブの端部にスライド部材を設ける工程、前記スライド部材をフレームにスライド挿入する工程を有することを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、前記リブは、前記フレームに直交するように配置されることが好ましい。
また、前記リブは、前記太陽電池パネルの長手方向に対して垂直に配置されることが好ましい。
また、リブの端部にスライド部材を設ける工程が、スライド部材の側面に形成された溝に接着剤を充填する工程と、前記溝にリブの端部を差し込む工程で構成されていることが好ましい。
また、前記スライド部材の側面に形成された溝は、前記リブの断面と同一形状であることが好ましい。
また、前記スライド部材は、角部が面取りされた形状を有することが好ましい。
また、スライド部材をフレームにスライド挿入する工程の後に、フレームの両端部にストッパーを設ける工程を有することが好ましい。
また、前記リブは、前記太陽電池パネルの長手方向に対して垂直に配置されることが好ましい。
また、リブの端部にスライド部材を設ける工程が、スライド部材の側面に形成された溝に接着剤を充填する工程と、前記溝にリブの端部を差し込む工程で構成されていることが好ましい。
また、前記スライド部材の側面に形成された溝は、前記リブの断面と同一形状であることが好ましい。
また、前記スライド部材は、角部が面取りされた形状を有することが好ましい。
また、スライド部材をフレームにスライド挿入する工程の後に、フレームの両端部にストッパーを設ける工程を有することが好ましい。
本発明ではリブの端部にスライド部材を設け、前記スライド部材をフレームに挿入するという手順でリブ付きの太陽電池パネルをフレームにスライド挿入する。これにより太陽電池パネルにフレームを形成する際、位置合わせに手間取ることがなくなるため、作業性が飛躍的に向上し、フレーム取付作業を1人でこなすことが可能であると共に、フレームに充填された接着剤が作業中に誤って太陽電池パネルの受光面に付着し、それが太陽電池モジュールの出力を低下させるといった事故が起こるのを防ぐこともできる。
以下、本発明の太陽電池モジュールの製造方法の好適な実施態様例について詳細に説明する。
本例の太陽電池モジュールを受光面側から見た平面図を図1aに、非受光面側から見た平面図を図1bに、図1a中のA−A’断面図を図1cに、図1a中のB−B’断面図(リブが設けられた部分の断面図)を図1dに、スライド部材の斜視図を図1eに示す。さらに、太陽電池モジュールの製造方法を説明する斜視図を図1fに示す。この太陽電池モジュールは、表面フィルム12a、光起電力素子11、封止材12c及び裏面フィルム12bからなる太陽電池パネル10と、太陽電池パネルの非受光面側に設けられたリブ13と、スライド部材14と、フレーム15a、15bとで構成されている。なお、太陽電池パネル10の非受光面側には、出力ケーブル16が取り付けられている。
本例の太陽電池モジュールの製造方法は、最初に太陽電池パネル10を形成する工程を有する。この工程は、複数枚の光起電力素子11をギャップを設けて並べ、光起電力素子同士を電気接続することで光起電力素子の電気接続体を形成する作業、前記電気接続体、表面フィルム12a、裏面フィルム12b及び封止材12cを積層する作業、前記積層体を一体化する作業からなる。前記積層体を一体化する作業には、前記積層体を加熱圧着する真空ラミネート装置が好適に用いられる。
光起電力素子11には、単結晶シリコン系光起電力素子、多結晶シリコン系光起電力素子、微結晶シリコン系光起電力素子、非晶質シリコン系光起電力素子、多結晶化合物系光起電力素子などが好適に用いられる。表面フィルム12aにはフッ化物重合体フィルム、裏面フィルム12bにはポリフッ化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、封止材12cにはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂、アイオノマー樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などが好適に用いられる。
次に、前記太陽電池パネル10の非受光面にリブ13を設ける工程を有する。本例では、太陽電池パネル10の長手方向に対して垂直にリブ13を配置している。前記リブは、突起部13aと被接着部13bで構成されるものが好適に用いられる(図1c参照)。この工程は、リブの被接着部13bに接着剤を塗布する作業と、前記リブの被接着部13bを太陽電池パネルの非受光面に貼り付ける作業からなる。前記接着剤には、シリコーンシーラントが好適に用いられる。
前記リブとしては様々な形状のものを用いることができ、例えば図1gに示すような、1つの突起部と1つの被接着部からなるL字型のリブ、1つの突起部と2つの被接着部からなるハット型のリブ、2つの突起部と3つの被接着部からなる複数突起型のリブなどが好適に用いられる。また、リブの好適な材料として、亜鉛メッキ鋼板、フッ素樹脂や塩化ビニルなどの耐候性物質を有する鋼板、ステンレス鋼板等が挙げられる。前記板材料の厚みとしては、軽量化と加工性の両立から、0.2mm〜2.5mmくらいが好適である。尚、金属板は曲げ加工により容易にリブを形成することができるため特に好ましいが、これらに限定されるものではなく、FRPプラスチックやセラミック等も利用できる。
太陽電池パネルにリブを形成した後、前記各リブの両端部にスライド部材14を設ける工程を有する。この工程は、スライド部材の側面に設けられた溝14aに接着剤を充填する作業と、前記スライド部材の溝にリブの端部(及び太陽電池パネルの端部)を差し込む作業からなる。
前記溝14aは、リブの断面形状と同一形状に形成されている。これにより、太陽電池パネルに力が加えられた際にリブの断面が変形するのを効果的に防ぐことができる。
前記スライド部材14は、太陽電池パネル10の長手方向の端辺に取り付けられるフレーム15aの内側に挿入する部材であるため、スライド部材14の外形寸法は、フレーム15aの内形寸法よりも小さくなければならない。前記スライド部材の断面形状は様々であるが、本例のようにフレーム15aの断面形状がコの字の場合、矩形のの断面形状を有するスライド部材が好適に用いられる。
スムーズにスライド部材を挿入するために、スライド部材14の外形寸法は、フレーム15aの内形寸法よりもある程度小さく設定する必要があるが、スライド部材14の外形とフレーム15aの内形の寸法差が大き過ぎると、スライド部材にガタツキが生じたり、フレームからスライド部材が抜け落ちたりする。そこで、本発明では前記寸法差は、0.05mm〜0.5mm程度であることが好ましい。
スライド部材の材料としては、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂、アイオノマー樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、ポリエステル樹脂(FRE)、ウレタン樹脂、PPO樹脂が好適に用いられるがこれに限定されるものではない。
また、前記スライド部材が、0.5〜5MPa程度の弾性係数を有していれば、前記スライド部材に近いリブ及び太陽電池パネルの一部での応力集中が緩和されるため好ましい。
最後に、太陽電池パネルにフレームを取り付ける工程を有する。この工程は、スライド部材14を長辺側のフレーム15aにスライド挿入する作業、短辺側のフレーム15bを取り付ける作業、長辺側のフレーム15aと短辺側のフレーム15bをビス止めする作業からなる。
フレームは、本例では太陽電池パネルの周囲四辺に設けられるが、リブの取付方向に応じて、長辺側または短辺側の二辺にのみ設ける場合もある。フレームの材料としては加工性に優れたアルミニウム合金が特に好適に用いられる。
フレームの断面形状としては、Eの字状、Fの字状、コの字状のものが好適に用いられるがこれに限定されるものではない。
リブ付きの太陽電池パネルにフレームを形成する工程に関して、これまでは、フレームが長尺であるためハンドリングしにくいうえに、フレームの溝とリブ付き太陽電池パネルの端辺の位置、フレームの各切り欠きと前記切り欠きに対応するリブの位置をすべて同時に合わせる必要があったため、作業性が非常に悪かった。しかし、本発明の方法では、スライド部材がフレームと比べて小さく軽いためハンドリングしやすく、しかも、前記スライド部材の溝に対しては、リブの1端部のみを位置合わせするだけでよい。すなわち、位置合わせを行う際の制約が大幅に緩和されるため、前記工程の作業性が飛躍的に向上する。
(実施例1)
本実施例は、太陽電池パネルの長手方向に対して垂直にリブを配置し、太陽電池パネルの長手方向にのみフレームを取り付けた太陽電池モジュールの例である。
本実施例は、太陽電池パネルの長手方向に対して垂直にリブを配置し、太陽電池パネルの長手方向にのみフレームを取り付けた太陽電池モジュールの例である。
本実施例に係る太陽電池モジュールを受光面側から見た平面図を図2aに、非受光面側から見た平面図を図2bに、図2a中のC−C’断面図を図2cに、図2a中のD−D’断面図(リブが設けられた部分の断面図)を図2dに、電気結線図を図2eに示す。また、太陽電池パネルを受光面側からみた平面図を図2fに示す。
本例の太陽電池モジュールの製造方法は、16枚の光起電力素子21をギャップを設けて配置し直列に電気接続して直列接続体を形成する工程、前記直列接続体に取り出し電極及びバイパスダイオードを取り付ける工程、前記直列接続体を被覆材にて封止し太陽電池パネル20を形成する工程、前記太陽電池パネルの非受光面にリブ23を接着固定する工程、前記リブの端部にスライド部材24を設ける工程、前記太陽電池パネルにフレーム25を設ける工程、前記取り出し電極にJ−Box26及び出力ケーブル27を設ける工程を有する。以下、各工程について詳細に説明する。
光起電力素子の直列接続体を形成する工程は、ギャップを設けてアモルファスシリコン系の光起電力素子21を8枚並べる作業、光起電力素子の正極電極を、前記光起電力素子に隣接する光起電力素子の負極電極に電気接続することで光起電力素子8枚を直列接続する作業、直列接続された8枚の光起電力素子をギャップを設けて2列並べ、それらを銅箔を使用して直列接続する作業で構成される。
ここで、光起電力素子21は、受光面側より樹脂層、透明電極層、光電変換層、裏面反射層、裏面電極層という構成になっており、樹脂層はアクリルウレタン系の樹脂、透明電極層はITO、光電変換層はP−I−N型の非晶質シリコン、裏面反射層はZnO及びAl、裏面電極層はステンレスによりそれぞれ構成されている。また、透明電極層の受光面には銀メッキ銅箔からなる正極電極、裏面電極層の非受光面には銅箔からなる負極電極がそれぞれ設けられている。
取り出し電極を設ける工程は、直列接続体の両端に位置する光起電力素子の電極に、銅箔からなる取り出し電極を半田付けする作業からなる。また、バイパスダイオードを取り付ける工程は、図2gに示すようにショットキバリア型ダイオード28の両端にL字型の銅箔28aを半田付けして端子付きダイオードを形成する作業、前記端子付きダイオードを、光起電力素子短辺の外側に配置する作業、各端子付きダイオードの一方のダイオード端子を光起電力素子の負極電極に、もう一方のダイオード端子を前記光起電力素子に隣接する素子の負極電極にそれぞれ電気接続する作業で構成される。ここで、バイパスダイオードは、各光起電力素子に1個設けられているが、これは、前記直列接続体の一部に影がかかると、太陽光が当たらず未発電状態となった光起電力素子に、前記未発電状態の光起電力素子と直列に電気接続されている発電状態の光起電力素子から負荷を経由して逆バイアス電圧が印加され、光起電力素子が破損する可能性が高いためである。
前記直列接続体を被覆材にて封止し太陽電池パネル20を形成する工程は、前記直列接続体及びフィルムを積層する作業、前記積層体を150℃の加熱オーブンに投入し、40分間真空加熱することで各被覆材と光起電力素子を一体化し太陽電池パネルを形成する作業、前記太陽電池パネルを加熱オーブンから取り出し、冷風を当てて冷却する作業で構成される。
本工程は、二重真空方式のラミネート装置を用いて行なわれる。また、前記積層体の構成は、裏面フィルムとしてのPETフィルム22b(厚み:50μm)、前記PETフィルム上に封止材としてのEVAフィルム22c(厚み:400μm)、EVAフィルム上に光起電力素子の直列接続体(受光面が上向き)、直列接続体の受光面に封止材としてのEVAフィルム22c(厚み:400μm)、EVAフィルム上に表面フィルムとしてのETFEフィルム22a(厚み:25μm)である。
封止後も、前記直列接続体の取り出し電極の一部が被覆材から露出するように、光起電力素子の非受光面側に配されたPETフィルム及びEVAフィルムの、取り出し電極に対応する位置には直径20mmの穴がプレス加工によりあらかじめ形成されている。
太陽電池パネル20の非受光面にリブ23を形成する工程は、リブに設けられた2つの被接着部23bに接着剤を塗布する作業と、前記リブを太陽電池パネルの非受光面に、太陽電池パネルの長手方向に対して垂直に配置する作業からなる。ここで、前記リブは、亜鉛めっき鋼板からなり、太陽電池パネルの非受光面に接着固定する2つの被接着部23bと、この被接着部と被接着部の間に形成された突起部23aで構成されている。本工程において、リブを太陽電池パネルの長手方向に対して垂直に配置することで、長手方向に配置する場合に比べて、応力が作用した際の太陽電池パネルの撓みを抑制することができる。
また、リブ23の両端にスライド部材24を設ける工程は、スライド部材の溝24aに接着剤を充填する作業と、前記溝に太陽電池パネル及びリブの端部を差し込む作業からなる。したがって、図2hに示すようなスライド部材が、リブの端部と同じ数だけ必要となる。
前記スライド部材24は、ABS樹脂からなる直方体のブロックの一部の角部が面取りされた形状のものであり、その1面にリブの断面と同一形状の溝を有する。
太陽電池パネルにフレームを設ける工程は、前記スライド部材24を順にフレーム25に挿入する作業、全てのスライド部材をフレームに挿入後、図2iに示すようにフレームの両端部にストッパー29を接着剤にて固定する作業からなる。
前記フレーム25は、アルミニウム合金からなるC字型の部材でる。本例では、前記スライド部材24の一部の角部にあらかじめ面取りを施すことで、フレーム25にスライド部材24を挿入する作業のより一層の効率化を図っている。また、太陽電池パネルの長辺側端辺にのみフレームを設けることで、短辺側のフレームの重量分だけ太陽電池モジュールを軽量化することができる。
ここで、リブ23、スライド部材24、ストッパー29を固定する際に使用する接着剤は、すべてシリコーンシーラントからなる。
取り出し電極にJ−Box26及び出力ケーブル27を設ける工程は、J−Boxを太陽電池パネルの非受光面に設けられた露出部を囲うように両面テープで固定する作業、前記J−Boxに設けられた穴に防水コネクターを有する出力ケーブルを挿入し、出力ケーブルと取り出し電極を電気接続する作業、J−Boxにシリコーンシーラントを充填し硬化させる作業により構成される。
(実施例2)
本実施例は、太陽電池パネルの長手方向に対して垂直にリブを配置し、太陽電池パネルの周囲四辺にフレームを取り付けた太陽電池モジュールの例である。
本実施例は、太陽電池パネルの長手方向に対して垂直にリブを配置し、太陽電池パネルの周囲四辺にフレームを取り付けた太陽電池モジュールの例である。
本実施例に係る太陽電池モジュールを受光面側から見た平面図を図3aに、非受光面側から見た平面図を図3bに、図3a中のF−F’断面図を図3cに示す。また、太陽電池モジュールのフレーム連結部の斜視図を図3dに示す。
本例の太陽電池モジュールの製造方法は、太陽電池パネル30を形成する工程、前記太陽電池パネルの裏面にリブ33を接着固定する工程、前記リブの端部にスライド部材を設ける工程、前記スライド部材をフレーム35aに挿入する工程、フレーム35aが設けられていない太陽電池パネルの端辺にフレーム35bを設ける工程、J−Box36及び出力ケーブル37を設ける工程を有する。詳細を以下に説明する。
太陽電池パネル30を形成する工程は、単結晶シリコンからなる光起電力素子31を40枚直列化する工程、ガラス基板32a上に、封止材としてのEVAシート32c、前記直列化された光起電力素子、封止材としてのEVAシート32c、裏面フィルムとしてのテドラフィルム32bを順次積層する工程、前工程で形成された積層体を加熱圧着して一体化する工程からなる。ここで、前記ガラス基板は3.2mm厚の非強化ガラスからなる。
太陽電池パネル30にリブ33を接着固定する工程は、リブの被接着部に接着剤を塗布する工程と前記リブを太陽電池パネル非受光面の所定の位置に、太陽電池パネルの長手方向に対して垂直に配置する工程からなる。前記リブは、L字型の断面形状を有しており、厚さ2.0mmのガルバリウム鋼板を折り曲げることで形成されている。
通常、太陽電池パネルには、強化ガラスが用いられるが、太陽電池パネルの非受光面に多数のリブを配する工程を設けることで、太陽電池パネルに機械的強度を付与し、非強化のガラスを使用することを可能とした。
リブの端部にスライド部材を設ける工程は、スライド部材に設けられた溝にシリコーン接着剤を充填する工程と前記溝にリブを差し込む工程からなる。前記スライド部材の形状は直方体であり、その1面にはL字型の溝が設けられている。
前記工程を終えた後、前記スライド部材を長辺側のフレーム35aに設けられたC字状の溝にスライド挿入することで太陽電池パネルの長辺側端辺をフレーム35aにスライド挿入する。長辺側のフレーム35aを設けた後に、太陽電池パネルの短辺側端辺に短辺側のフレーム35bを配置する。短辺側のフレーム35bは断面がE字状であり、2つの溝を有している。そして、短辺側フレームを配置する際、太陽電池パネルの短辺側の端辺が、フレーム35bに設けられた上側の溝35dに差し込んで固定する。
長辺側のフレーム35aの端部は、図3dに示すように短辺側のフレーム35bに適合するように板状35cに加工されているため、前記板状35cの領域において短辺側のフレーム35bと長辺側のフレーム35aをビスで固定する。ここで、前記短辺側のフレーム35bが、スライド挿入した太陽電池パネルの抜け落ちを防止するストッパーとしての役割を果たしている。
太陽電池パネルの非受光面にJ−Box36及び出力ケーブル37を設ける工程は、直列接続された光起電力素子の電極の一部を太陽電池パネルの非受光面から露出させる工程、前記露出部を囲うようにJ−Box36を貼り付ける工程、バイパスダイオードを前記露出部に半田により電気接続する工程、出力ケーブル37を前記露出部に半田により電気接続する工程、J−Boxの内側をシリコーン樹脂にて充填する工程からなる。
10、20、30、40、50:太陽電池パネル
11、21、31、41、51:光起電力素子
12a、22a、52a:表面フィルム
12b、22b、32b、43、52b:裏面フィルム
12c、22c、32c、44、52c:封止材
13、23、33、53:リブ
13a、23a:突起部
13b、23b:被接着部
14、24:スライド部材
14a、24a:スライド部材に設けられた溝
15a、35a:長辺側フレーム
15b、35b:短辺側フレーム
16、27、37:出力ケーブル
25、45、54:フレーム
26、36:J−Box
28:ショットキバリア型ダイオード
28a:銅箔
29:ストッパー
32a:ガラス基板
42:ガラス板
54a:フレームに設けられた溝
54b:フレームに設けられた切り欠き
11、21、31、41、51:光起電力素子
12a、22a、52a:表面フィルム
12b、22b、32b、43、52b:裏面フィルム
12c、22c、32c、44、52c:封止材
13、23、33、53:リブ
13a、23a:突起部
13b、23b:被接着部
14、24:スライド部材
14a、24a:スライド部材に設けられた溝
15a、35a:長辺側フレーム
15b、35b:短辺側フレーム
16、27、37:出力ケーブル
25、45、54:フレーム
26、36:J−Box
28:ショットキバリア型ダイオード
28a:銅箔
29:ストッパー
32a:ガラス基板
42:ガラス板
54a:フレームに設けられた溝
54b:フレームに設けられた切り欠き
Claims (7)
- 太陽電池パネルとリブとフレームで構成される太陽電池モジュールの製造方法であって、太陽電池パネルにリブを設ける工程、リブの端部にスライド部材を設ける工程、前記スライド部材をフレームにスライド挿入する工程を有することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記リブは、前記フレームに直交するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記リブは、前記太陽電池パネルの長手方向に対して垂直に配置されることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- リブの端部にスライド部材を設ける工程が、スライド部材の側面に形成された溝に接着剤を充填する工程と、前記溝にリブの端部を差し込む工程で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記スライド部材の側面に形成された溝は、前記リブの断面と同一形状であることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記スライド部材は、角部が面取りされた形状を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- スライド部材をフレームにスライド挿入する工程の後に、フレームの両端部にストッパーを設ける工程を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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