JP2006269205A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池が発電可能状態であるか否かについての判断精度を向上させることが可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 燃料電池システム1は、コントローラ120が推定機能と判断機能とを有している。推定機能は、燃料電池10内部の氷の量を推定するようになっている。判断機能は、推定機能により推定された氷の量に応じて発電維持可能か否かの判断するようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
従来、燃料電池の温度又は燃料電池周辺の温度(冷却液の温度や外気温度)に基づいて、燃料電池が凍結状態か否かを判断する燃料電池システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−22198号公報
ところで、燃料電池システムは、燃料電池の温度がたとえ氷点下であったとしても発電が不可能とならない場合がある。しかし、従来の燃料電池システムは、燃料電池の温度又は周辺温度が氷点下であると発電不可能と判断しているため、燃料電池が発電可能状態であるか否かの判断精度に向上の余地があった。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、燃料電池が発電可能状態であるか否かについての判断精度を向上させることが可能な燃料電池システムを提供することにある。
本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させることにより発電を行う燃料電池と、燃料電池内部の氷の量を推定する推定手段と、推定手段により推定された氷の量に応じて前記燃料電池での発電を維持可能か否かを判断する判断手段とを備えている。
本発明によれば、燃料電池内部の氷の量を推定して、推定した氷の量に応じて燃料電池での発電を維持可能か否かを判断することとしている。ここで、燃料電池は、その温度が氷点下であっても全く発電できないわけでなく、発電により生成される生成水が内部に存在する氷に邪魔されて排出ができなくなって滞留又は凍結することから、発電を維持できなくなる。従って、燃料電池内部の氷の量を推定して発電を維持可能か判断するようにすることで、燃料電池等の温度を判断する場合に比して、燃料電池が発電可能状態であるか否かについての判断精度を向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。なお、図1に示す構成については、便宜上、一部接続関係を省略して図示するものとする。図1に示すように、燃料電池システム1は、燃料電池スタック10(以下単に燃料電池という)と、燃料ガス供給系20と、燃料ガス排出系30と、燃料ガス循環系40と、酸化剤ガス供給系50と、酸化剤ガス排出系60と、冷却液循環系70とを備えている。
燃料電池10は、燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させることにより発電を行うものである。ここで、本実施形態では例えば燃料ガスとして水素ガスが用いられ、酸化剤ガスとして酸素が用いられる。この燃料電池10のアノードは、燃料ガス供給系20から燃料ガスの供給を受け、燃料ガス排出系30からアノードのオフガスを排出するようになっている。なお、以下の説明において燃料ガスとして水素ガスを例に説明し、酸化剤ガスとして酸素を例に説明する。
燃料ガス供給系20は、燃料電池10に水素ガスを供給するものであって、水素タンク21と、水素ガス供給配管22と、水素圧力調整弁23とからなっている。水素タンク21は、燃料電池10のアノードに水素ガスを供給する供給源となるものである。水素ガス供給配管22は水素タンク21と燃料電池10のアノードとを接続し、水素タンク21からの水素ガスを燃料電池10のアノードまで導くものである。水素圧力調整弁23は、水素ガス供給配管22に設けられ、水素タンク21から燃料電池10のアノードに供給される水素の供給量を制御できるようになっている。
燃料ガス排出系30は、燃料電池10のアノードから排出されたガスを外部へ排出するものであって、水素ガス排出配管31と、パージ弁32とを備えている。水素ガス排出配管31は、燃料電池10のアノードと外部とを接続し、水素ガスを含むアノードオフガスを外部に導くものである。パージ弁32は、水素ガス排出配管31に設けられ、開閉動作することにより流路を遮断したり開放したりしてアノードオフガスの排出を制御するものである。
また、燃料ガス循環系40は、燃料電池10のアノードから排出されたオフガスを再度燃料電池10に送り込むものであって、水素循環配管41と水素循環ポンプ42とを備えている。水素循環配管41は、一端が燃料電池10のアノードとパージ弁32との間の水素ガス排出配管31に接続され、他端が水素圧力調整弁23と燃料電池10のアノードとの間の水素ガス供給配管22に接続されており、アノードにおいて発電に寄与しなかった水素を含むオフガスをアノードの下流から上流に循環させるための配管である。水素循環ポンプ42は、水素循環配管41に設けられ、燃料電池10のアノードから排出されたオフガスを循環させて再度アノードに送り込む循環源となるものである。
また、燃料電池10のカソードは、酸化剤ガス供給系50から酸素を含む空気の供給を受け、酸化剤ガス排出系60からカソードオフガスを排出するようになっている。酸化剤ガス供給系50は、燃料電池10に酸素を供給するものであって、コンプレッサ51と、空気供給配管52とからなっている。
コンプレッサ51は、燃料電池10のカソードに酸素を供給するためのポンプであって、外部からの空気を圧送して空気に含まれる酸素を燃料電池10に供給するものである。空気供給配管52は、コンプレッサ51と燃料電池10のカソードとを接続するものであり、コンプレッサ51により圧送される空気を燃料電池10のカソードに導くものである。
酸化剤ガス排出系60は、空気排出配管61と、空気圧力調整弁62とを備えている。空気排出配管61は、燃料電池10のカソードと外部とを接続し、カソードオフガスである排空気を外部に導くものである。空気圧力調整弁62は、空気排出配管61に設けられ、カソードオフガスの排出量を制御するものであり、オフガスの排出量を制御することでカソード内の圧力についても制御可能となっている。
冷却液循環系70は、燃料電池10の温度が高温となり過ぎないように温度を抑制するためのものであり、燃料電池10に冷却液を流入させて該燃料電池10を冷却し、該燃料電池10を冷却したことにより暖められた冷却液を冷却して再度燃料電池10に送り込む構成となっている。冷却液循環系70は、冷却液循環配管71と冷却液ポンプ72とからなっている。
冷却液循環配管71は、冷却液循環系70において冷却液を循環させる流路となるものである。冷却液ポンプ72は、冷却液循環系70において冷却液を循環させる循環源となっており、冷却液は燃料電池10にて暖められた後、図示しないラジエータによって冷却されて再度燃料電池10に送り込まれるようになっている。
また、燃料電池システム1は、上記構成に加えて、電力変換装置81、負荷装置82及び二次電池83を備えている。電力変換装置81は、燃料電池10により発電された電力を変換して負荷装置82に供給するものである。負荷装置82は、例えば燃料電池車両の駆動源となるモータなどの機器である。二次電池83は、補助的なバッテリであって、負荷装置82にて消費されない余剰電力を蓄えておき、燃料電池10にて発電を行えなかったり発電量が不足したりする場合に負荷装置82に電力を供給するものである。
さらに、上記の燃料電池システム1は、各種センサ91〜106を備えている。まず、燃料電池システム1は、各種センサ91〜106として、冷却液入口温度センサ(第1温度検出手段)91と、冷却液温度センサ(第2温度検出手段)92と、冷却液出口温度センサ93とを有している。
これらの温度センサ91〜93は、冷却液循環配管71に存在する冷却液の温度を検出するものである。このうち、冷却液入口温度センサ91は、冷却液循環系70によって燃料電池10に送り込まれる冷却液のうち、燃料電池10から第1所定距離未満の地点に存在する冷却液の温度を検出するように配置されている。また、冷却液温度センサ92は、冷却液循環系70によって燃料電池10に送り込まれる冷却液のうち、燃料電池10から第1所定距離以上離れた地点に存在する冷却液の温度を検出するように配置されている。また、冷却液出口温度センサ93は、冷却液循環系70によって循環させられる冷却液のうち、燃料電池10にて暖められて排出された冷却液の温度を検出するように配置されている。
なお、冷却液入口温度センサ91と冷却液温度センサ92とは冷却液循環系70において冷却液の温度分布を計測できる程度に離されており、例えば冷却液入口温度センサ91は燃料電池10の入口近傍に設けられ、冷却液温度センサ92は燃料電池10の入口から離れた距離に設けられている。
また、燃料電池システム1は、各種センサ91〜106として、水素ガス入口温度センサ(第3温度検出手段)94と、水素ガス温度センサ(第4温度検出手段)95と、水素ガス圧センサ96と、流量センサ97とを有している。水素ガス入口温度センサ94と水素ガス温度センサ95とは、水素ガス供給配管22に存在する水素ガスの温度を検出するものである。このうち、水素ガス入口温度センサ94は、燃料ガス供給系20によって燃料電池10に送り込まれる水素ガスのうち、燃料電池10から第2所定距離未満の地点に存在する水素ガスの温度を検出するように配置されている。また、水素ガス温度センサ95は、燃料ガス供給系20によって燃料電池10に送り込まれる水素ガスのうち、燃料電池10から第2所定距離以上離れた地点に存在する水素ガスの温度を検出するように配置されている。
水素ガス圧センサ96は、燃料電池10のアノード側の圧力を検出するものである。また、流量センサ97は、燃料ガス循環系40によって循環させられるガスの流量を検出するものである。なお、水素ガス入口温度センサ94と水素ガス温度センサ95とは燃料ガス供給系20において燃料ガスの温度分布を計測できる程度に離されており、例えば水素ガス入口温度センサ94は燃料電池10の入口近傍に設けられ、水素ガス温度センサ95は燃料電池10の入口から離れた距離に設けられている。
また、燃料電池システム1は、各種センサ91〜106として、空気入口温度センサ(第3温度検出手段)98と、空気温度センサ(第4温度検出手段)99と、空気圧センサ100とを有している。空気入口温度センサ98と空気温度センサ99とは、空気供給配管52に存在する空気の温度を検出するものである。このうち、空気入口温度センサ98は、酸化剤ガス供給系50によって燃料電池10に送り込まれる空気のうち、燃料電池10から第2所定距離未満の地点に存在する空気の温度を検出するように配置されている。また、空気温度センサ99は、酸化剤ガス供給系50によって燃料電池10に送り込まれる空気のうち、燃料電池10から第2所定距離以上離れた地点に存在する空気の温度を検出するように配置されている。
空気圧センサ100は、燃料電池10のカソード側の圧力を検出するものである。なお、空気入口温度センサ98と空気温度センサ99とは酸化剤ガス供給系50において空気の温度分布を計測できる程度に離されており、空気入口温度センサ98は燃料電池10の入口近傍に設けられ、空気温度センサ99は燃料電池10の入口から離れた距離に設けられている。
また、燃料電池システム1は、各種センサ91〜106として、セル電圧センサ101と、発電電流センサ102と、発電電圧センサ103と、二次電池用電圧センサ104と、二次電池用電流センサ105と、二次電池用温度センサ106とを備えている。
セル電圧センサ101は、燃料電池10内に直列に接続されたセルの各電圧を測定するものである。発電電流センサ102は、燃料電池10にて発電され負荷装置82に供給される電流の値を検出するものである。すなわち、発電電流センサ102は、燃料電池10からの取り出される電流の値を検出することとなる。発電電圧センサ103は、燃料電池10全体の電圧値を検出するものである。
また、二次電池用電圧センサ104は、二次電池83の電圧の値を検出するものであり、二次電池用電流センサ105は、二次電池83と電力変換装置81との間を流れる電流の値を検出するものである。二次電池用温度センサ106は、二次電池83近傍の温度を検出するものである。
また、燃料電池システム1は、電気ヒータ(ヒータ)110とコントローラ120とを備えている。電気ヒータ110は、冷却液循環系70に取り付けられ、冷却液を昇温させるものである。この電気ヒータ110は、通電量を変化させることで発熱量を制御して、冷却液を昇温させるようになっている。なお、電気ヒータ110は、冷却液循環系70に限らず、燃料電池10自体、又は酸化剤ガス供給系50に設けられていてもよい。
コントローラ120は、燃料電池システム1の全体を制御するものであって、各種センサ90〜106からの信号を入力し、水素圧力調整弁23、パージ弁32、水素循環ポンプ42、コンプレッサ51、空気圧力調整弁62、冷却液ポンプ72、電力変換装置81、及び電気ヒータ110を制御する構成となっている。
詳細にコントローラ120は、推定機能(推定手段)、判断機能(判断手段)、補正機能(補正手段)、及び制御機能(制御手段)を備えている。推定機能は、燃料電池10内部の氷の量を推定する機能である。また、判断機能は、推定機能により推定された氷の量に応じて燃料電池10での発電を維持可能か否かを判断するものである。ここで、燃料電池10は低温環境下において発電を維持できなくなることがある。このため、判断機能は、低温環境下などにおいて発電維持可能か否かを、推定された氷の量から判断するようになっている。
補正機能は、推定機能により推定された氷の量を補正する機能である。ここで、氷の量は、燃料電池10の運転状況に応じて増減する。例えば、今後発電量を増加させる予定であるとする。この場合、発電量を増加させると燃料電池10にて水が生成され、水素ガスの温度が低いときになどには生成水が凍結し、氷の量が増加する。補正機能は、このような運転状況に応じて推定機能により推定された氷の量を補正する。故に、判断機能は、補正された氷の量に応じて発電を維持できるか否かを判断することとなり、正確な判断を行えるようになる。
さらに、制御機能は、燃料電池システム1の運転状態を制御するものである。例えば、制御機能は、判断機能により発電を維持できなくなると判断された場合には、発電を維持できるように運転状態を変更するようになっている。すなわち、制御機能は、このままの制御を続けると発電を維持できないと予測される場合に、制御内容を変更して発電を継続できるようにするものである。
次に、本実施形態に係る燃料電池システム1の動作の概略を、図1を参照して説明する。まず、燃料電池システム1が起動すると、コントローラ120は、水素圧力調整弁23とコンプレッサ51とを制御して、燃料電池10に水素ガス及び空気を供給する。
ここで、燃料電池システム1が氷点下などの低温環境下において使用されているとすると、燃料電池10は発電を行えなくなる可能性がある。そこで、コントローラ120は、発電を維持できるか否かを判断するために、推定機能により、燃料電池10内部の氷の量を推定する。このとき、コントローラ120は、燃料電池10から取り出す電流の値を変化させた後に燃料電池10の電圧値が一定値に到達するまでの時間に応じて氷の量を推定する。
図2は、図1に示したコントローラ120によって氷の量が推定されるときの処理を示す説明図であり、(a)は発電電流及び発電電圧と時刻との関係を示し、(b)は応答時間と氷の量との相関を示している。まず、図2(a)に示すように、コントローラ120は、発電電流をステップ的に(なだらかでなくパルス的に)Δだけ変化させる。このとき、発電電圧は電流の変化に追従して一定値に素早く落ち着くはずである。ところが、燃料電池10の氷の量が多い場合、一定値に落ち着くまでの時間(以下応答時間という)が長くなる傾向にある。
すなわち、氷の量と応答時間とには図2(b)に示すような相関関係があり、応答時間を求めることによって氷の量を推定することができる。このように、推定機能は、応答時間が長くなるに従って氷の量が多くなるように推定することとなる。
以上のように、氷の量を推定した後、コントローラ120の補正機能は、推定した氷の量を補正する。図3は、図1に示したコントローラ120により氷の量が補正されるときの処理を示す説明図であり、(a)は発電電流の取り出しまでの時間と補正量との関係を示し、(b)は空気入口温度センサ98及び空気温度センサ99による検出温度と補正量との相関を示している。また、(c)は水素ガス入口温度センサ94と水素ガス温度センサ95による検出温度と補正量との相関を示し、(d)は冷却液入口温度センサ91と冷却液温度センサ92とによる検出温度と補正量との相関を示している。
まず、図3(a)に示すように、氷点下などの低温環境下において発電電流の取り出しまでの時間が長くなると、氷の量が増加してしまう。すなわち、氷点下などの低温環境下においては、第1所定温度(例えば0度)以下の水素ガスや空気、及び、第2所定温度(例えば0度)以下の冷却液が燃料電池10に供給され、燃料電池10の温度が低下する傾向にある。このため、補正機能は、発電電流の取り出しまでの時間が長くなるに従って氷の量を多くなるように補正する。
また、氷点下などの低温環境下において発電を行い、今後燃料電池による発電量を増加させる場合、補正機能は、図3(b)〜(d)示す相関に従って氷の量を補正する。すなわち、補正機能は、図3(b)に示すように、空気入口温度センサ98と空気温度センサ99とによって検出された温度(例えば検出された温度の和)が低くなるに従って、推定機能により推定された氷の量が多くなるように補正する。例えば氷点下などの低温環境下において発電量を増加させると、発電量の増加よって生成水が増加し、空気入口温度センサ98と空気温度センサ99とによって検出された温度が低いと、供給される空気は低温であることから生成水を凍結させることとなる。しかも、空気入口温度センサ98の温度だけでなく空気温度センサ99にて検出される温度も低いことから、低温の空気が供給され続けることとなる。このような状態のとき、補正機能は、燃料電池内部の氷の量が多くなるように補正する。
また、補正機能は、図3(c)に示すように、水素ガス入口温度センサ94と水素ガス温度センサ95とによって検出された温度(例えば検出された温度の和)が低くなるに従って、推定機能により推定された氷の量が多くなるように補正する。すなわち、水素ガス入口温度センサ94と水素ガス温度センサ95とによって検出された温度が低いと、供給される水素ガスは低温であることから生成水を凍結させることとなる。しかも、水素ガス入口温度センサ94の温度だけでなく水素ガス温度センサ95にて検出される温度も低いことから、低温の水素ガスが供給され続けることとなる。このような状態のとき、補正機能は、燃料電池内部の氷の量が多くなるように補正する。
また、補正機能は、図3(d)に示すように、冷却液入口温度センサ91と冷却液温度センサ92とによって検出された温度が低くなるに従って、推定機能により推定された氷の量が多くなるように補正する。すなわち、冷却液入口温度センサ91と冷却液温度センサ92とによって検出された温度(例えば検出された温度の和)が低いと、供給される冷却液は低温であることから生成水を凍結させることとなる。しかも、冷却液入口温度センサ91の温度だけでなく冷却液温度センサ92にて検出される温度も低いことから、低温の冷却液が供給され続けることとなる。このような状態のとき、補正機能は、燃料電池内部の氷の量が多くなるように補正する。
以上のように補正機能が氷の量を補正した後、判断機能は、現在の運転状態を継続したままで発電を維持できるか否かを判断する。このとき、判断機能は、(1)現在の運転状態を継続したと仮定したときに発電電圧が所定値以下となる時間を求め、(2)予測時間内に発電を維持できるとして設定された所定条件を満たすか否かを判断する。そして、判断機能は、所定条件を満たすと判断した場合に、現在の運転状態を継続したままで発電を維持できると判断する。以下、判断機能の説明をする。
まず、判断機能は、現在の運転状態を継続したと仮定したときに、上記のようにして求めたれた氷の量と、燃料電池10から取り出す電流の値とから発電電圧が所定値以下となる時間、すなわち発電ができなくなるまでの時間を予測する。
図4は、発電ができなくなるまでの時間を予測する処理を示す説明図であり、(a)は氷の量と発電電流から求められる予測時間を示し、(b)は予測時間の大小関係を示している。図4(a)に示すように、コントローラ120は、発電電圧が所定値以下となるまでの時間を、氷の量と発電電流とから予測する。そして、コントローラ120は、発電電流が小さい場合、氷の量が少ないとき及び中程度のときに発電できなくなるまでの時間を「M」と予測し、氷の量が多いときに「S」と予測する。
また、コントローラ120は、発電電流が中程度である場合、氷の量が少ないときに発電できなくなるまでの時間「L」をと予測し、氷の量が中程度のときに「M」と予測し、氷の量が多いときに「S」と予測する。さらに、コントローラ120は、発電電流が大きい場合、氷の量が少ないときに発電できなくなるまでの時間「VL」をと予測し、氷の量が中程度のときに「S」と予測し、氷の量が多いときに「VS」と予測する。
このように、コントローラ120は、発電電圧が所定値以下となるまでの時間を5段階に予測する。そして、5段階の予測時間は、図4(b)に示すようになっている。図4(b)に示すように、発電電圧が所定値以下となるまでの時間は、「VS」「S」「M」「L」「VL」の順に短くなっている。なお、予測時間は5段階に限るものではなく、6段階以上などに予測されてもよい。
ここで、上記の図4(a)のようにコントローラ120が時間を予測するのは、以下の理由による。例えば、氷の量が多いと、発電してできた生成水が一層氷に邪魔されて燃料電池10内部に滞留することとなる。このため、発電を維持できなくなる時間は早まってくる。また、氷の量が多い場合にはもともとの発電電圧が小さいことから、取り出す電流の値が大きいと電圧値は一層下がり、発電を維持できなくなる時間が早まってくる。逆に氷の量が少ない場合にはもともとの発電電圧が多少大きい値となっている。このため、取り出す電流の値が大きいと電圧値は下がってくるものの所定値以下とはなり難い。故に、発電による発熱によって電圧値が所定値以下となる時間が長くなる傾向にある。以上のように、コントローラ120は、氷の量や取り出す電流の値を考慮することで、電圧が所定値以下になるまでの時間、すなわち発電をできなくなるまでの時間を正確に予測している。
なお、氷の量が多い、中程度である又は少ないに関しては、使用される燃料電池10の容量などによって決定されることは言うまでもない。また、発電電流の大小についても使用される燃料電池10によって決定されることは言うまでもない。
以上のように、発電をできなくなるまでの時間を予測した後、コントローラ120の判断機能は、この予測時間に基づいて発電を維持できるか否かを判断する。具体的に判断機能は、予測時間内に、発電を維持できるとして設定された所定条件を満たすか否かによって、発電を維持できるか否かを判断する。例えば、判断機能は、予測時間内に、発電を維持できる程度に燃料電池10が昇温されるという条件(所定条件)を満たすときには、発電を維持できると判断する。以下、予測時間に基づく判断を説明する。
まず、判断機能は、空気入口温度センサ98からの信号を読み取って、予め記憶した空気入口温度の閾値T1から、空気入口温度センサ98により検出される燃料電池10入口付近の空気の温度を減じて、温度差ΔT1を求める。次いで、判断機能は、現在のコンプレッサ51の回転数と、現在のコンプレッサ51の運転圧力と、現在の外気温度とから温度差ΔT1分だけ昇温するのに、必要な時間t1を求める。
また、判断機能は、冷却液入口温度センサ91からの信号を読み取って、予め記憶した冷却液温度の閾値T2から、冷却液入口温度センサ91により検出される燃料電池10入口付近の冷却液温度を減じて、温度差ΔT2を求める。次いで、判断機能は、冷却液循環系70に設けられた電気ヒータ110の通電量と外気温度とから温度差ΔT2分だけ昇温するのに、必要な時間t2を求める。
図5は、昇温に必要な時間t1,t2を求める処理を示す説明図であり、(a)は時間t1を求めるときに用いられるテーブルを示し、(b)は時間t2を求めるときに用いられるテーブルを示している。まず、図5(a)に示すように、コントローラ120は、コンプレッサ51の回転数とコンプレッサ51の運転圧力とから単位時間あたりの空気の昇温量を決定することができる空気昇温テーブルを、外気温度ごとに記憶している。すなわち、コントローラ120は、時間t1を求めるにあたり、現在の外気温度から参照すべき空気昇温テーブルを選択し、選択した空気昇温テーブルに現在のコンプレッサ51の回転数と現在のコンプレッサ51の運転圧力とを当てはめて、単位時間あたりの空気の昇温量を求める。そして、コントローラ120は、温度差ΔT1を昇温量で除することで時間t1を求めることとなる。
また、図5(b)に示すように、コントローラ120は、外気温度と電気ヒータ110の通電量とから単位時間あたりの冷却液の昇温量を決定することができる冷却液昇温テーブルを記憶している。このため、コントローラ120は、現在の外気温度と現在の電気ヒータ110の通電量とを冷却液昇温テーブルに当てはめて、単位時間あたりの冷却液の昇温量を求める。そして、コントローラ120は、温度差ΔT2を昇温量で除することで時間t2を求めることとなる。
以上のようにして、燃料電池10の入口付近の空気温度を閾値T1まで昇温する時間t1と、燃料電池10の入口付近の冷却液温度を閾値T2まで昇温するまでの時間t2とを求めた後、コントローラ120は、時間t1,t2のうち長い方を選択する。次いで、コントローラ120の判断機能は、時間t1,t2のうち長い方と、上記した発電をできなくなるまでの予測時間とを比較し、発電をできなくなるまでの予測時間の方が短い場合、発電を維持できないと判断する。他方、判断機能は、発電をできなくなるまでの予測時間の方が長い場合、発電を維持できると判断する。すなわち、判断機能は、発電をできなくなるまでの予測時間の方が長い場合、発電ができなくなるまえに空気と冷却液とが充分に昇温されることから、発電を維持できると判断する。他方、そうでない場合には、空気と冷却液とが充分に昇温されずに発電を維持できなくなると判断することとなる。
以上のように、本実施形態の燃料電池システム1は、燃料電池10内部の氷の量を推定して、推定した氷の量に応じて発電できなくなるまでの予測時間を求め、その時間から燃料電池10での発電を維持可能か否かを判断することとしている。すなわち、燃料電池システム1は、燃料電池10の温度が単に氷点下などであっても発電を維持できないと断定することなく、発電できなくなる予測時間までに発電を継続できる条件を満たすか否かを判断することにより、発電可能か否かを判断するようになっている。このため、燃料電池システム1は、従来よりも燃料電池10が発電可能状態であるか否かについての判断精度を向上させることができる。
次に、本実施形態に係る燃料電池システム1の詳細な動作を説明する。図6は、本実施形態に係る燃料電池システム1の動作を示すフローチャートである。同図に示すように、燃料電池システム1が起動すると、コントローラ120は、水素圧力調整弁23とコンプレッサ51とを制御して、燃料電池10に水素ガス及び空気を供給する(ST1)。
次に、コントローラ120は、燃料電池システム1の起動処理を継続するか否かを判断する(ST2)。図7は、図6に示したステップST2の詳細を示すフローチャートである。同図に示すように、コントローラ120は、燃料電池10の電圧が無負荷電圧であるか否かを判断する(ST21)。
ここで、燃料電池10の電圧が無負荷電圧でない場合とは、例えば2通りの場合が考えられる。1つ目は燃料電池10が故障している場合であり、2つ目は燃料電池10の反応層が全て氷あるいは水で覆われている場合である。ところが、一般に反応層は撥水効果を有する材料で作られるため、起動時に反応層が全て氷あるいは水で覆われている状態は通常起こりえない。従って、燃料電池10の電圧が無負荷電圧でない場合とは、燃料電池10が故障している場合である可能性が高い。
故に、コントローラ120は燃料電池10の電圧が無負荷電圧であるか否かを判断し、燃料電池10の電圧が無負荷電圧である場合(ST21:YES)には、燃料電池10が正常であると判断し、燃料電池システム1の起動処理を継続すると判断する(ST22)。これにより、図6のステップST2において「YES」と判断されることとなる。一方、燃料電池10の電圧が無負荷電圧でない場合(ST21:NO)に、コントローラ120は燃料電池10が故障していると判断し、燃料電池システム1の起動処理を継続しないと判断する(ST23)。そして、図6のステップST2において「NO」と判断される。
再度、図6を参照する。図7の処理を経て燃料電池システム1の起動処理を継続しないと判断した場合(ST2:NO)、図6に示す処理は終了する。他方、燃料電池システム1の起動処理を継続すると判断した場合(ST2:YES)、コントローラ120は、発電開始タイミングを早めるか否かを判断し、早めると判断した場合には開始タイミングを早める処理を実行する(ST3)。
図8は、図6に示したステップST3の詳細を示すフローチャートである。まず、コントローラ120は、燃料電池10の入口付近の水素ガス温度が閾値以下(第3所定温度以下)であるか否かを判断する(ST31)。ここで、燃料電池10の入口付近の水素ガス温度が閾値以下であると判断した場合(ST31:YES)、コントローラ120の制御機能は、燃料電池10のアノードの圧力を高くし、燃料ガス循環系40でのガスの循環量を多くする(ST32)。ここで、燃料電池10へ供給する水素ガス温度が低いと燃料電池10内部が冷やされて氷の量が増加してしまうこととなる。すなわち、発電維持不可能となるケースが増加してしまう。よって、本実施形態では、入口付近の水素ガス温度が閾値以下である場合、上記ステップST32において3つの処理を行って、水素ガスを燃料電池10のアノード極内に早く満たすこととしている。これにより、発電を早期に開始できることとなり、発電維持不可能になるケースを一層低減することができる。そして、ステップST32を経て処理は図6のステップST4に移行する。
なお、ステップST32においては、より発電維持不可能となるケースを低減するために、燃料電池10のアノードの圧力を最大とし、水素循環ポンプ42の回転数を最大にしている。
一方、燃料電池10の入口付近の水素ガス温度が閾値以下でないと判断した場合(ST31:NO)、コントローラ120は、燃料電池10の入口付近の空気温度が閾値以下(第3所定温度以下)であるか否かを判断する(ST33)。そして、燃料電池10の入口付近の空気温度が閾値以下であると判断した場合(ST33:YES)、制御機能は、燃料電池10のアノードの圧力を最大とし、水素循環ポンプ42の回転数を最大にし、パージ弁32の開度を最大にする(ST32)。そして、処理は図6のステップST4に移行する。
また、燃料電池10の入口付近の空気温度が閾値以下でないと判断した場合(ST33:NO)、コントローラ120は、冷却液が循環しているか否かを判断する場合(ST34)。冷却液が循環していない場合(ST34:NO)、処理は図6のステップST4に移行する。冷却液が循環している場合(ST34:YES)、コントローラ120は、燃料電池10の入口付近の冷却液温度が閾値以下(第4所定温度以下)であるか否かを判断する(ST35)。燃料電池10の入口付近の冷却液温度が閾値以下でないと判断した場合(ST35:NO)、図6に示す処理は終了する。
他方、燃料電池10の入口付近の冷却液温度が閾値以下であると判断した場合(ST35:YES)、制御機能は、燃料電池10のアノードの圧力を最大とし、水素循環ポンプ42の回転数を最大にし、パージ弁32の開度を最大にする(ST32)。そして、処理は図6のステップST4に移行する。
再度、図6を参照する。ステップST3の処理の終了後、コントローラ120は、発電を開始すべきタイミングか否かを判断し、発電開始タイミングであるときには燃料電池10に発電を行わせる(ST4)。図9は、図6に示したステップST4の詳細を示すフローチャートである。まず、コントローラ120は、流量センサ97からの信号を読み取って、水素ガスの循環流量が閾値以上であるか否かを判断する(ST41)。そして、水素ガスの循環流量が閾値以上でないと判断した場合(ST41:NO)、コントローラ120は、発電開始タイミングでないと判断し(ST42)、処理は図6のステップST6に移行する。
一方、水素ガスの循環流量が閾値以上であると判断した場合(ST41:YES)、コントローラ120は、発電開始タイミングであると判断し(ST43)、仮の目標発電電流を設定する(ST44)。次に、コントローラ120は、仮の目標発電電流の値が発電電流値の上限値から所定値Δ以上低いか否かを判断する(ST45)。
ここで、目標発電電流の値が発電電流値の上限値から所定値Δ以上低いと判断した場合(ST45:YES)、コントローラ120は、ステップST44にて設定した仮の目標発電電流の値を目標発電電流として設定し(ST46)、処理は図6のステップST5に移行する。一方、目標発電電流の値が発電電流値の上限値から所定値Δ以上低くないと判断した場合(ST45:NO)、コントローラ120は、発電電流の上限値から所定値Δを減じた値を目標発電電流として設定し(ST47)、処理は図6のステップST5に移行する。
ここで、ステップST45〜ST47の処理は、後に氷の量を推定するときに、発電電流をステップ的に増加させるために行われている。すなわち、目標発電電流が上限値に近いと、発電電流をステップ的に増加させることができなくなる。これを防止するために、ステップST45〜ST47の処理では、Δの余裕分を有するように発電電流が設定されている。
また、上記ステップST41では、水素ガスの循環流量が閾値以上であるか否かが判断されているが、これに限らず、アノード内の水素ガスの濃度が閾値以上であるか否かを判断するようにしてもよい。
再度、図6を参照する。上記処理を経た後、コントローラ120は、発電が開始されているか否かを判断する(ST5)。発電が開始されていない場合(ST5:NO)、処理はステップST4に戻る。発電が開始されていると判断した場合(ST5:YES)、コントローラ120の推定機能は、氷の量を推定する(ST6)。
図10は、図6に示したステップST6の詳細を示すフローチャートである。まず、推定機能は、発電電流をステップ的にΔだけ増加させる(ST61)。すなわち、推定機能は、図2(a)を参照して説明したように発電電流をパルス的にΔだけ増加させる。次に、推定機能は、応答時間の計測を開始する(ST62)。そして、推定機能は、電圧が一定値に到達したか否かを判断する(ST63)。
電圧が一定値に到達していない場合(ST63:NO)、到達したと判断されるまで、この処理が繰り返される。他方、電圧が一定値に到達した場合(ST63:YES)、推定機能は、ステップST62によって計測開始された応答時間を特定し、この応答時間に基づいて氷の量を推定する(ST64)。すなわち、推定機能は、図2(b)に示した相関に基づいて、応答時間から氷の量を推定する。次いで、処理は図6のステップST7に移行する。
再度、図6を参照する。氷の量を推定した後、コントローラ120の補正機能は、推定機能より推定した氷の量を補正する(ST7)。図11は、図6に示したステップST7の詳細を示すフローチャートである。同図に示すように、補正機能は、水素ガス及び空気を燃料電池10に供給してから、発電電流の取り出しまでの時間が長くなるに従って氷の量を多くなるように補正する(ST71)。すなわち、補正機能は、図3(a)に示した相関に従って補正することとなる。
次に、補正機能は、今後発電量を増加させる場合、空気入口温度センサ98と空気温度センサ99にて検出された温度が低くなるに従って、推定機能により推定された氷の量が多くなるように補正する(ST72)。すなわち、補正機能は、図3(b)に示した相関に従って補正することとなる。
その後、補正機能は、今後発電量を増加させる場合、水素ガス入口温度センサ94と水素ガス温度センサ95にて検出された温度が低くなるに従って、推定機能により推定された氷の量が多くなるように補正する(ST73)。すなわち、補正機能は、図3(c)に示した相関に従って補正することとなる。
次いで、補正機能は、今後発電量を増加させる場合、冷却液入口温度センサ91と冷却液温度センサ92にて検出された温度が低くなるに従って、推定機能により推定された氷の量が多くなるように補正する(ST74)。すなわち、補正機能は、図3(d)に示した相関に従って補正することとなる。その後、処理は図6のステップST8に移行する。
再度、図6を参照する。氷の量を補正した後、コントローラ120の判断機能は、発電維持可能か否かを判断する(ST8)。図12は、図6に示したステップST8の詳細を示すフローチャートである。同図に示すように、発電維持可能か否かを判断するにあたって、まず、コントローラ120の判断機能は、現在の運転状態を継続したと仮定したときに、上記氷の量と、燃料電池10から取り出す電流の値とから発電電圧が所定値以下となる時間を予測する(ST81)。このとき、判断機能は、図4を参照して説明したようにして、発電電圧が所定値以下となる時間を予測する。
次に、コントローラ120の判断機能は、空気入口温度センサ98からの信号を読み取って、予め記憶した酸化剤ガス入口温度の閾値T1から、空気入口温度センサ98により検出される燃料電池10入口付近の酸化剤ガスの温度を減じて、温度差ΔT1を求める(ST82)。次いで、判断機能は、冷却液入口温度センサ91からの信号を読み取って、予め記憶した冷却液温度の閾値T2から、冷却液入口温度センサ91により検出される燃料電池10入口付近の冷却液温度を減じて、温度差ΔT2を求める(ST82)。
その後、判断機能は、現在のコンプレッサ51の回転数と、現在のコンプレッサ51の運転圧力と、現在の外気温度とから、温度差ΔT1分だけ昇温するのに必要な時間t1を求める(ST83)。次に、判断機能は、冷却液循環系70に設けられた電気ヒータ110の通電量と外気温度とから、温度差ΔT2分だけ昇温するのに必要な時間t2を求める(ST84)。ここで、時間t1,t2は、図5を参照して説明したように求められる。
そして、判断機能は、時間t1,t2のうち長い方を選択する(ST85)。次いで、コントローラ120の判断機能は、時間t1,t2のうち長い方と、発電電圧が所定値以下となる予測時間とを比較し、予測時間の方が短いか否かを判断する(ST86)。
そして、予測時間の方が短いと判断した場合(ST86:YES)、コントローラ120の判断機能は、発電を維持できるとして設定された所定条件を満たさないと判断し(ST87)、処理は図6のステップST9に移行する。他方、予測時間の方が短くない場合(ST86:NO)、判断機能は、発電を維持できるとして設定された所定条件を満たすと判断し(ST88)、処理は図6のステップST9に移行する。
再度、図6を参照する。ステップST9において、コントローラ120の判断機能は、発電維持できないと判断されたか否かを判断する(ST9)。ここで、発電維持できると判断されていた場合(ST9:NO)、処理はステップST12に移行する。一方、発電維持できないと判断されていた場合(ST9:YES)、コントローラ120の制御機能は、発電を維持できるとして設定された所定条件を満たすようにステップST10〜ST12の処理を行う。
詳細に説明すると、コントローラ120の制御機能は、運転条件を変更して、燃料電池10を昇温させるようにする(ST10)。このとき、制御機能は、例えば燃料電池10の温度が所望の温度となるように、電気ヒータ110の通電量を多くしたり、コンプレッサ51の運転圧力を高くしたりする。
なお、コンプレッサ51の運転圧力を高くする場合には、制御機能は、予め設定された音や振動の制限値にかかわらず送り込む空気の流量を多くする。すなわち、燃料電池システム1の周辺の騒音や振動などを考慮して制限値が定められるのが通常であり、燃料電池システム1の運転は原則として制限値を超えないように行われる。しかし、コンプレッサ51の運転圧力を高くする場合、予め設定された音や振動の制限値にかかわらず送り込む酸化剤ガスの流量を多くすることで、発電維持を優先的に行うこととなる。
次いで、コントローラ120の制御機能は、冷却液の循環について運転条件を変更する(ST11)。図13は、図6に示したステップST11の詳細を示すフローチャートである。同図に示すように、まず、制御機能は所定閾値以上の発電量で所定時間以上継続して発電を行っているか否かを判断する(ST111)。ここで、所定閾値以上の発電量で所定時間以上継続して発電を行っていなかった場合(ST111:NO)、制御機能は、燃料電池10が充分な期間発電を行っておらず暖まっていないと判断し、冷却液の循環を停止させる(ST112)。次いで、処理は図6のステップST12に移行する。
一方、所定閾値以上の発電量で所定時間以上継続して発電を行っていた場合(ST111:YES)、制御機能は、燃料電池10が多少暖まっていると判断し、冷却液を循環させる。このように、燃料電池10が暖まっていない場合に、冷却液を循環させて冷却しないようにし、温度を早期に上昇させて発電維持できるようにしている。また、冷却液の循環を停止させると、燃料電池10の内部温度を測定できなくなるが、断続的に冷却液を循環させるため、燃料電池10の内部温度が測定できなくなる事態を防止することにもつながる。
ところで、制御機能は、冷却液を燃料電池10に断続的に流入させる場合、冷却液の循環流量が適切となるように、断続的に冷却液を流入させる際の冷却液の停止時間を決定する。具体的に制御機能は、まず、冷却液入口温度センサ91と冷却液温度センサ92とによる検出温度が双方とも閾値以下であるか否かを判断する(ST113)。双方とも閾値以下である場合(ST113:YES)、制御機能は、冷却液を断続的に燃料電池10に流入させると共に、断続的に流入させる際の冷却液の停止時間を長くする(ST114)。そして、処理は図6のステップST12に移行する。
他方、冷却液入口温度センサ91と冷却液温度センサ92とによる検出温度のいずれか一方でも閾値以下でない場合(ST113:NO)、制御機能は、冷却液を断続的に燃料電池10に流入させると共に、断続的に流入させる際の冷却液の停止時間を短くする(ST114)。そして、処理は図6のステップST12に移行する。
なお、図13の処理に代えて以下の処理を行ってもよい。すなわち、制御機能は、冷却液入口温度センサ91の検出温度から、図14に示す相関関係に従って、冷却液の停止時間を決めるようにする。図14は、冷却液入口温度センサ91及び冷却液温度センサ92の検出温度と、冷却液の停止時間との相関を示す説明図である。同図に示すように、制御機能は、冷却液温度がTa未満である場合、冷却液の循環を完全に停止する。また、制御機能は、冷却液温度がTa以上Tb未満である場合、冷却液の温度が低くなるに従って、停止時間を長くする。また、制御機能は、冷却液温度がTb以上である場合、冷却液を常時循環させる。
再度、図6を参照する。冷却液の循環制御を行った後、制御機能は、発電電流増加処理を実行する(ST12)。図15は、図6に示したステップST12の詳細を示すフローチャートである。同図に示すように、まず、制御機能は、冷却液を循環開始してから、所定時間以上継続して閾値以上の電圧が得られていたか否かを判断する(ST121)。そして、冷却液を循環開始してから所定時間以上継続して閾値以上の電圧が得られていたと判断した場合(ST121:YES)、制御機能は、発電電流を増加させる(ST122)。次いで、処理は図6のステップST13に移行する。
ここで、燃料電池10の発電電流を増加させると、発熱量も増加して燃料電池10を暖めることができる。このため、燃料電池10の発電を維持できるようにすることができる。ただし、発電電流を増加させると生成水の量が増えて生成水が凍結し、発電電圧が低下する可能性がある。そこで、本実施形態では、このような状態にならないようにステップST121において所定時間以上継続して閾値以上の電圧が得られていることを確認し、生成水の凍結等が生じないことを確認したうえで、発電電流を増加させるようにしている。
また、冷却液を循環開始してから所定時間以上継続して閾値以上の電圧が得られていなかったと判断した場合(ST121:NO)、制御機能は、冷却液出口温度センサ93からの信号を読み込んで、燃料電池10の出口付近の冷却液温度が、冷却液を循環開始してから所定時間以上継続して閾値以上の温度であるか否かを判断する(ST123)。冷却液を循環開始してから所定時間以上継続して閾値以上の温度である場合(ST123:YES)、制御機能は、発電電流を増加させる(ST122)。すなわち、ステップST121と同様に生成水が凍結等しないことを判定したうえで、発電電流を増加させるようにしている。そして、処理は図6のステップST13に移行する。
一方、冷却液を循環開始してから所定時間以上継続して閾値以上の温度でない場合(ST123:YES)、制御機能は生成水の凍結の可能性が高いと判断し、発電電流を増加させることなく、処理は図6のステップST13に移行する。
再度、図6を参照する。ステップST13において、コントローラ120は、起動終了判定処理を行う(ST13)。この処理においてコントローラ120は、氷の量を推定する際に発電電流を増加した後、所定時間以上継続して発電電圧が閾値を維持以上しており、且つ、冷却液が連続的に循環されており、且つ、燃料電池10の出口付近の冷却液温度が所定時間以上閾値以上の温度を維持している場合に、起動終了すると判断する。すなわち、コントローラ120は、これら条件が成立する場合、今後燃料電池10の発電を継続させても生成水が再凍結する状態に至らないと判断し、起動終了と判断する。その後、処理は通常の運転状態に移行することとなる。
このようにして、本実施形態に係る燃料電池システム1によれば、燃料電池10内部の氷の量を推定して、推定した氷の量に応じて燃料電池10での発電を維持可能か否かを判断することとしている。ここで、燃料電池10は、その温度が氷点下であっても全く発電できないわけでなく、発電により生成される生成水が内部に存在する氷に邪魔されて排出ができなくなって滞留又は凍結することから、発電を維持できなくなる。従って、燃料電池10内部の氷の量を推定して発電を維持可能か判断するようにすることで、燃料電池10などの温度等を判断する場合に比して、燃料電池10が発電可能状態であるか否かについての判断精度を向上させることができる。
また、燃料電池10から取り出す電流の値を変化させた後に燃料電池10の電圧値が一定値に到達するまでの時間に応じて氷の量を推定することとしている。ここで、取り出す電流の値を変化させた後、電圧が一定値に落ち着くまでの時間は燃料電池10内部の氷の量によって変化するという特徴がある。このため、一定値に到達するまでの時間によって氷の量を推定することで、現在の燃料電池10内部の氷の量を正確に知ることができ、発電可能状態であるか否かについての判断精度を一層向上させることができる。
また、燃料電池10から取り出す電流の値を変化させた後に燃料電池10の電圧値が一定値に到達するまでの時間が長くなるに従って氷の量が多くなるように推定することとしている。ここで、燃料電池10の電圧が一定値に到達するまでの時間は燃料電池10内部の氷の量が多いほど長くなるという特徴がある。このため、電圧が一定値に到達するまでの時間が長くなるに従って氷の量が多くなるように推定することで、現在の燃料電池10内部の氷の量を正確に知ることができ、発電可能状態であるか否かについての判断精度をより一層向上させることができる。
また、燃料電池10による発電量を増加させる場合に、燃料電池10から第1所定距離未満の地点に存在する冷却液の温度と燃料電池から第1所定距離以上離れたで地点に存在する冷却液の温度とが低くなるに従って、推定した氷の量が多くなるように補正することとしている。ここで、燃料電池10へ供給する冷却液温度が低い状態で長く継続すると燃料電池10内部の温度が冷えて生成水が凍結する。これにより、生成水の排出が邪魔され、燃料電池は発電を継続できなくなる。しかも、燃料電池10から離れた箇所の冷却液の温度が低くいことから、低温の冷却液が長く供給されることとなる。このような状態の時に発電量を増加して生成水が増えると、燃料電池10内部の氷の量が多くなるといえる。故に、発電量を増加させる場合には燃料電池10近傍又は燃料電池10から離れた冷却液の温度が低くなるに従って氷の量が多くなるように補正することで、発電量増加前に今後の氷の量を正確に知ることができ、発電可能状態であるか否かについての判断精度をより一層向上させることができる。
また、燃料電池10による発電量を増加させる場合に、燃料電池10から第2所定距離未満の地点に存在するガスの温度と燃料電池から第2所定距離以上離れたで地点に存在するガスの温度とが低くなるに従って、推定した氷の量が多くなるように補正することとしている。ここで、燃料電池10へ供給するガス温度が低い状態で長く継続すると燃料電池10内部の温度が冷えて生成水が凍結する。これにより、生成水の排出が邪魔され、燃料電池は発電を継続できなくなる。しかも、燃料電池から離れた箇所の水素ガスの温度が低くいことから、低温のガスが長く供給されることとなる。このような状態の時に発電量を増加して生成水が増えると、燃料電池10内部の氷の量が多くなるといえる。故に、発電量を増加させる場合には燃料電池10近傍又は燃料電池10から離れたガスの温度が低くなるに従って氷の量が多くなるように補正することで、発電量増加前に今後の氷の量を正確に知ることができ、発電可能状態であるか否かについての判断精度をより一層向上させることができる。
また、第1所定温度以下の水素ガス若しくは空気、及び第2所定温度以下の冷却液の少なくとも1つが燃料電池10に供給されてから発電電流が取り出されるまでの時間が長くなるに従って、推定された氷の量が多くなるように補正することとしている。ここで、燃料電池10へ供給するガス温度や冷却液温度が低いと燃料電池内部の温度が冷える。このため、発電電流の取り出し開始が遅くなると燃料電池10内で生成されていた生成水が凍結して、氷の量が多くなる。従って、低温ガスや冷却液が供給されてから発電電流を取り出すまでの時間が長くなるに従って氷の量が多くなるように補正することで、正確な氷の量を知ることができ、発電可能状態であるか否かについての判断精度をより一層向上させることができる。
また、燃料電池10での発電を維持し続けたと仮定したときに、燃料電池10の電圧が所定値以下となるまでの時間を予測し、この予測時間までに発電を維持できるとして設定された所定条件を燃料電池10が満たすか否かによって、発電を維持可能か否かを判断することとしている。すなわち、燃料電池10の電圧が所定値以下となって発電を維持できなくなる時間までに、発電を維持可能な所定条件を満たすことができるかを判断し、この結果によって発電を維持可能か否かを判断している。従って、所定条件を基準として発電を維持可能か否かを容易に判断することができる。
また、氷の量や取り出す電流の値に従って、燃料電池10の電圧が所定値以下となるまでの時間を予測することとしている。ここで、氷の量が多いと、発電してできた生成水が一層氷に邪魔されて燃料電池10内部に滞留することとなる。このため、発電を維持できなくなる時間が早まってくる。また、氷の量が多い場合に、取り出す電流の値が大きいと電圧値は下がってくることから、発電を維持できなくなる時間が早まってくる。逆に氷の量が少ない場合、取り出す電流の値が大きいと電圧値は下がってくるものの発電による発熱によって電圧値が所定値以下となる時間が長くなる傾向にある。以上のように、氷の量や取り出す電流の値を考慮することで、電圧が所定値以下になるまでの時間を正確に予測することができる。
また、燃料電池10での発電を維持できないと判断された場合、燃料電池10が所定条件を満たすように、運転状態を変更することとしている。このため、現状では発電を維持できなくなる状態であっても発電維持可能な状態となるように制御して発電維持できるようにすることができる。
また、発電を維持できないと判断された場合、燃料電池10の温度が所望の温度になるように電気ヒータ110の通電量を多くすること、燃料電池10の温度が所望の温度になるようにコンプレッサ51の運転圧力を上昇させること、及び燃料電池10の発電電流を大きくすることの少なくとも1つを行うこととしている。ここで、電気ヒータ110の通電量を多くすると燃料電池、冷却液及び水素ガスの少なくとも1つを暖めることとなる。また、コンプレッサ51の運転圧力を上昇させると、燃料電池10の温度を上昇させることにつながる。また、発電電流を大きくすると発電による発熱によって燃料電池10の温度を上昇させることとなる。これらにより、燃料電池10の温度を上昇させて生成水の滞留や凍結を防止し、燃料電池を発電維持できるようにすることができる。
また、コンプレッサ51の運転圧力を高くするとともに空気の流量も多くするようにしたので燃料電池10へ供給する空気の温度を高くして、燃料電池10を発電維持できるようにすることができる。特に、予め設定された音及び振動の制限値を超えて空気の流量を上昇させるため、燃料電池システム1の周辺の騒音や振動よりも、発電維持を優先させており、より最適に燃料電池10を発電維持できるようにすることができる。
また、燃料電池10での発電を維持できないと判断された場合、燃料電池10に断続的に冷却液を流入させると共に、燃料電池10から第1所定距離未満の冷却液及び燃料電池10から第1所定距離以上離れた冷却液の温度が低くなるに従って、断続的に冷却液を流入させる際の冷却液の停止時間を長くすることとしている。ここで、通常低温起動時には冷却液循環を止めて起動するが、冷却液循環を止めると燃料電池10の内部温度を知ることができなくなる。他方、冷却液を循環させると燃料電池10出口付近の冷却液温度から大凡の燃料電池10の内部温度を知ることができる。このため、冷却液を循環させることとしている。このとき、冷たい冷却液を継続して流しつづけると燃料電池内部で生成水の凍結が進行してしまうので、冷却液を断続的に流し、しかも冷却液の温度が低くなるに従って断続的に冷却液を流入させる際の冷却液の停止時間を長くなるようにする。これにより、生成水凍結の進行を抑制しつつも、燃料電池10の温度を検出できる状態とすることができる。
また、第3所定温度以下の水素ガス若しくは空気、及び第4所定温度以下の冷却液の少なくとも1つが燃料電池10に供給された場合、燃料電池10のアノードの圧力を高くすること、及び燃料ガス循環系40でのガスの循環量を高くすることのいずれかを行うこととしている。ここで、上記3つのうち少なくとも1つを行うと、水素ガスを燃料電池10のアノード極内に早く満たすことができる。このため、燃料電池10へ供給するガス温度や冷却液温度が低く燃料電池10の内部が冷える場合に、上記3つの少なくとも1つを行うことで、発電電流の取り出し開始が遅くなるを防止することができ、発電維持不可能になるケースを低減することができる。また、水素ガスが燃料電池10のアノード極内に満たされるまでに、発電を行うとアノード極の劣化を招くこととなるが、水素ガスを燃料電池10のアノード極内に早くに満たすことができるため、劣化防止にもつながる。従って、アノードの劣化を防止しつつ、発電維持不可能になるケースを低減することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 図1に示したコントローラによって氷の量が推定されるときの処理を示す説明図であり、(a)は発電電流及び発電電圧と時刻との関係を示し、(b)は応答時間と氷の量との相関を示している。 図1に示したコントローラにより氷の量が補正されるときの処理を示す説明図であり、(a)は発電電流の取り出しまでの時間と補正量との関係を示し、(b)は空気入口温度センサ及び空気温度センサによる検出温度と補正量との相関を示し、(c)は水素ガス入口温度センサと水素ガス温度センサによる検出温度と補正量との相関を示し、(d)は冷却液入口温度センサと冷却液温度センサとによる検出温度と補正量との相関を示している。 発電ができなくなるまでの時間を予測する処理を示す説明図であり、(a)は氷の量と発電電流から求められる予測時間を示し、(b)は予測時間の大小関係を示している。 昇温に必要な時間t1,t2を求める処理を示す説明図であり、(a)は時間t1を求めるときに用いられるテーブルを示し、(b)は時間t2を求めるときに用いられるテーブルを示している。 本実施形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。 図6に示したステップST2の詳細を示すフローチャートである。 図6に示したステップST3の詳細を示すフローチャートである。 図6に示したステップST4の詳細を示すフローチャートである。 図6に示したステップST6の詳細を示すフローチャートである。 図6に示したステップST7の詳細を示すフローチャートである。 図6に示したステップST8の詳細を示すフローチャートである。 図6に示したステップST11の詳細を示すフローチャートである。 冷却液入口温度センサ及び冷却液温度センサの検出温度と、冷却液の停止時間との相関を示す説明図である。 図6に示したステップST12の詳細を示すフローチャートである。
符号の説明
1…燃料電池システム
10…燃料電池
20…燃料ガス供給系
21…水素タンク
22…水素ガス供給配管
23…水素圧力調整弁
30…燃料ガス排出系
31…水素ガス排出配管
32…パージ弁
40…燃料ガス循環系
41…水素循環配管
42…水素循環ポンプ
50…酸化剤ガス供給系
51…コンプレッサ
52…空気供給配管
60…酸化剤ガス排出系
61…空気排出配管
62…空気圧力調整弁
70…冷却液循環系
71…冷却液循環配管
72…冷却液ポンプ
81…電力変換装置
82…負荷装置
83…二次電池
91…冷却液入口温度センサ(第1温度検出手段)
92…冷却液温度センサ(第2温度検出手段)
93…冷却液出口温度センサ
94…水素ガス入口温度センサ(第3温度検出手段)
95…水素ガス温度センサ(第4温度検出手段)
96…水素ガス圧センサ
97…流量センサ
98…空気入口温度センサ(第3温度検出手段)
99…空気温度センサ(第4温度検出手段)
100…空気圧センサ
101…セル電圧センサ
102…発電電流センサ
103…発電電圧センサ
104…二次電池用電圧センサ
105…二次電池用電流センサ
106…二次電池用温度センサ
110…電気ヒータ(ヒータ)
120…コントローラ(推定手段、判断手段、補正手段、制御手段)

Claims (13)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させることにより発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池内部の氷の量を推定する推定手段と、
    前記推定手段により推定された氷の量に応じて前記燃料電池での発電を維持可能か否かを判断する判断手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記推定手段は、前記燃料電池から取り出す電流の値を変化させた後に前記燃料電池の電圧値が一定値に到達するまでの時間に応じて氷の量を推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記推定手段は、前記燃料電池から取り出す電流の値を変化させた後に前記燃料電池の電圧値が一定値に到達するまでの時間が長くなるに従って氷の量が多くなるように推定することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池に冷却液を流入させて該燃料電池を冷却し、該燃料電池を冷却したことにより暖められた冷却液を冷却して再度燃料電池に送り込む冷却液循環系と、
    前記冷却液循環系によって前記燃料電池に送り込まれる冷却液うち、前記燃料電池から第1所定距離未満の地点に存在する冷却液の温度を検出する第1温度検出手段と、
    前記冷却液循環系によって前記燃料電池に送り込まれる冷却液うち、前記燃料電池から第1所定距離以上離れたで地点に存在する冷却液の温度を検出する第2温度検出手段と、
    前記推定手段により推定された氷の量を補正する補正手段と、をさらに備え、
    前記補正手段は、前記燃料電池による発電量を増加させる場合に、前記第1及び第2温度検出手段により検出された冷却液の温度が低くなるに従って、前記推定手段により推定された氷の量が多くなるように補正する
    こと特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給系と、
    前記燃料電池に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給系と、
    前記燃料ガス供給系又は前記酸化剤ガス供給系によって前記燃料電池に供給されるガスのうち、前記燃料電池から第2所定距離未満のガスの温度を検出する第3温度検出手段と、
    前記燃料ガス供給系又は前記酸化剤ガス供給系によって前記燃料電池に供給されるガスのうち、前記燃料電池から第2所定以上離れたガスの温度を検出する第4温度検出手段と、
    前記推定手段により推定された氷の量を補正する補正手段と、をさらに備え、
    前記補正手段は、前記燃料電池による発電量を増加させる場合に、前記第3及び第4温度検出手段により検出されたガスの温度が低くなるに従って、前記推定手段により推定された氷の量が多くなるように補正する
    こと特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池に冷却液を流入させて該燃料電池を冷却し、該燃料電池を冷却したことにより暖められた冷却液を冷却して再度燃料電池に送り込む冷却液循環系と、
    前記推定手段により推定された氷の量を補正する補正手段と、をさらに備え、
    前記補正手段は、第1所定温度以下の燃料ガス若しくは酸化剤ガス、及び第2所定温度以下の冷却液の少なくとも1つが前記燃料電池に供給されてから発電電流が取り出されるまでの時間が長くなるに従って、前記推定手段により推定された氷の量が多くなるように補正する
    こと特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記判断手段は、前記燃料電池での発電を維持し続けたと仮定したときに、前記燃料電池の電圧が所定値以下となるまでの時間を予測し、この予測時間までに発電を維持できるとして設定された所定条件を前記燃料電池が満たすか否かによって、前記燃料電池での発電を維持可能か否かを判断すること特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  8. 前記判断手段は、前記推定手段により推定により推定された氷の量又は前記補正手段により補正された氷の量、及び前記燃料電池から取り出す電流の値に応じて前記燃料電池の電圧が所定値以下となるまでの時間を予測することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 運転状態を制御する制御手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記判断手段により前記燃料電池での発電を維持できないと判断された場合、前記燃料電池が前記所定条件を満たすように、運転状態を変更することを特徴とする
    請求項7又は請求項8のいずれかに記載の燃料電池システム。
  10. 前記燃料電池に冷却液を流入させて該燃料電池を冷却し、該燃料電池を冷却したことにより暖められた冷却液を冷却して再度燃料電池に送り込む冷却液循環系と、
    前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給系と、
    前記燃料電池自体、前記冷却液循環系、及び前記燃料ガス供給系の少なくとも1つに設けられたヒータと、
    前記燃料電池に酸化剤ガスを供給するコンプレッサと、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記判断手段により前記燃料電池での発電を維持できないと判断された場合、前記ヒータの通電量を多くすること、前記コンプレッサの運転圧力を上昇させること、及び前記燃料電池の発電電流を大きくすることの少なくとも1つを行う
    ことを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
  11. 前記制御手段は、前記コンプレッサの運転圧力を上昇させる場合、予め設定された音及び振動の制限値にかかわらず送り込む酸化剤ガスの流量を上昇させることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システム。
  12. 前記冷却液循環系によって前記燃料電池に送り込まれる冷却液うち、前記燃料電池から第1所定距離未満の地点に存在する冷却液の温度を検出する第1温度検出手段と、
    前記冷却液循環系によって前記燃料電池に送り込まれる冷却液うち、前記燃料電池から第1所定距離以上離れたで地点に存在する冷却液の温度を検出する第2温度検出手段と、
    前記制御手段は、前記判断手段により前記燃料電池での発電を維持できないと判断された場合、前記冷却液循環系を制御して前記燃料電池に断続的に冷却液を流入させると共に、前記第1及び第2温度検出手段により検出された冷却液の温度が低くなるに従って、断続的に冷却液を流入させる際の冷却液の停止時間を長くする
    ことを特徴とする請求項10又は請求項11のいずれかに記載の燃料電池システム。
  13. 前記燃料電池のアノードから排出されたガスを再度燃料電池に送り込む燃料ガス循環系と、
    前記燃料電池のアノードから排出されたガスを外部へ排出する燃料ガス排出系と、を備え、
    前記制御手段は、第3所定温度以下の燃料ガス若しくは酸化剤ガス、及び第4所定温度以下の冷却液の少なくとも1つが前記燃料電池に供給された場合、及び前記燃料電池のアノードの圧力を高くすること、前記燃料ガス循環系でのガスの循環量を多くすることの少なくとも1つを行う
    ことを特徴とする請求項9〜請求項12のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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CN112909296A (zh) * 2019-12-04 2021-06-04 现代自动车株式会社 燃料电池控制系统和燃料电池控制方法

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