JP2006267291A - 熱現像画像の観察方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、厚みの薄い熱現像感光材料を用いて画像形成後、フォルダーに挿入して画像を観察する新規な画像観察方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面上に、非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、および現像剤としての還元剤を有する画像形成層を配してなるシート状熱現像感光材料を画像露光と熱現像して得られた画像を観察する方法であって、前記熱現像感光材料の厚みが30μm以上150μm以下であり、前記画像を少なくとも一方の面が透明であるフォルダーに挿入して観察することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は熱現像画像の観察方法に関するものであり、厚みの薄い熱現像感光材料を用いて画像形成後、フォルダーに挿入して画像を観察する方法に関するものである。
従来、有機銀塩を用いた熱現像感光材料が知られていて、医療用画像記録材料、印刷製版用画像記録材料、およびマイクロ写真感光材料など広い分野で利用されている(例えば、非特許文献1参照。)。
画像品質に対する要求は、利用される分野によって異なり、そのため、それぞれの用途に応じて品質設計されている。特に、医療診断用途の熱現像感光材料においては、画像による診断に際して、一般的な画像の解像力、シャープネス、および粒状性といった特性の他に画像色調が重要である。従来、画像色調を改良するために幅広い努力がなされてきた。例えば現像銀の色調を調整するために現像促進剤や現像抑制剤などによる現像速度のコントロール、発色剤の利用、層を顔料や染料で染色することなどが試みられた(例えば、特許文献1〜3参照。)。こえらの対策はそれぞれ一定の効果を示したが、いずれも弊害を伴うために十分に満足するレベルには達していない。例えば、現像促進剤や現像抑制剤などによる現像速度のコントロールは、感光材料の保存安定性に影響し、発色剤の利用は画像濃度域全体に渉ってバランス良く色調を改良することが困難であり、また画像の保存安定性が問題になり、層を顔料や染料で染色することは、染料や顔料による汚染や転写ムラなどの問題があった。
さらに、別の課題として、熱現像感光材料は画像形成に必要な全ての薬剤を膜中に予め含有するため、画像露光と加熱によって画像が得られる最大のメリットを有するが、厚みが厚くならざるを得なかった。加えて一般に画像はシート状で一枚ずつ観察されるので、シートに剛性がないと画像観察時にシートが変形して観察に支障を来した。剛性を高める為、支持体厚みを厚くした結果、熱現像感光材料の厚さが厚くなった。そのため、画像形成装置に装填する熱現像感光材料シートを複数枚収納したカセットの厚みが厚くなり、装置内に広いスペースを必要とした。また得られた画像の厚みも増大するため、画像を保管するスペースも広く必要とした。熱現像システムの簡便さの故に利用が増加し、またその用途が拡大するにつれて、より省スペースのコンパクトな装置、画像保管の要求が高まってきた。
特開2000−275779 特開2002−90950 D.H.Klosterboer著、「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette第8版、スタージ(Sturge)、V.ウオールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第9章、第279頁、1989年発行
本発明の課題は、熱現像画像の新規な観察方法を提供することであり、厚みの薄い熱現像感光材料を用いて画像形成後、フォルダーに挿入して画像を観察する方法を提供することである。
本発明者らは、下記の手段によって本発明の課題が解決し得ることを見出した。
<1> 支持体の少なくとも一方の面上に、非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、および現像剤としての還元剤を有する画像形成層を配してなる熱現像感光材料を画像露光と熱現像して得られた画像を観察する方法であって、前記熱現像感光材料の厚みが30μm以上150μm以下であり、前記画像を少なくとも一方の面が透明であるフォルダーに挿入して観察することを特徴とする熱現像画像の観察方法。
<2> 前記熱現像感光材料の厚みが50μm以上120μm以下であることを特徴とする<1>に記載の熱現像画像の観察方法。
<3> 前記熱現像感光材料の厚みが60μm以上100μm以下であることを特徴とする<1>または<2>に記載の熱現像画像の観察方法。
<4> 前記フォルダーの少なくとも一方の面の表面反射率が10%以上80%以下であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
<5> 前記フォルダーの両面が透明であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
<6> 前記フォルダーの透明面の透過色調がCIELAB色空間で表してa*およびb*が共に絶対値が5以下であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
<7> 前記熱現像感光材料の前記画像形成層を有する面とは反対面にカールバランス層を有することを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
<8> 前記熱現像感光材料の画像形成層を有する面と反対面との動摩擦係数が0.01以上0.5以下であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
<9> 前記熱現像感光材料の少なくとも一方の面のF/C値が0.1以上1.5以下であることを特徴とする<1>〜<8>のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
<10> 前記熱現像感光材料の前記画像形成層を有する面のベック平滑度が10以上1000以下、反対面のベック秒が10以上1000以下であることを特徴とする<1>〜<9>のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
本発明により、厚みの薄い熱現像感光材料を用いて画像形成後、フォルダーに挿入して画像を観察する新規な画像観察方法が提供される。
以下に本発明を詳細に説明する。
(熱現像感光材料)
1.熱現像感光材料
本発明に用いられる熱現像感光材料は、支持体の少なくとも一方面上に感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤、及びバインダーを含有する画像形成層を有している。本発明に用いられる熱現像感光材料は支持体の片面にのみ画像形成層を有しても良く、支持体の両面に画像形成層を有しても良い。また、好ましくは画像形成層の上に表面保護層、あるいはその反対面にバック層やバック保護層などを有してもよい。
これらの各層の構成、およびその好ましい成分について詳しく説明する。
(有機銀塩の説明)
本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる銀塩である。有機銀塩は還元剤により還元されうる銀イオンを供給できる任意の有機物質であってよい。このような非感光性の有機銀塩については、特開平10−62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号等に記載されている。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。脂肪酸銀塩の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀およびこれらの混合物などを含む。本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀が好ましい。
その他、本発明に用いることの出来る有機銀塩については、特開平11−349325号、特開2002−196446号、特開2004−13000号、特開2004−85661号、特開2004−46193号、および特開2002−131867に記載に記載されている。
本発明における有機銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀も含めた全塗布銀量として0.1g/m2〜5.0g/m2が好ましく、より好ましくは0.3g/m2〜3.0g/m2、さらに好ましくは0.5g/m2〜2.0g/m2である。
(還元剤の説明)
本発明の熱現像感光材料には有機銀塩のための還元剤である熱現像剤を含むことが好ましい。有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であってよい。このような還元剤の例は、特開平11−65021号の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。
本発明において、還元剤としてはフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するいわゆるヒンダードフェノール系還元剤あるいはビスフェノール系還元剤が好ましい。
その他、本発明に用いることの出来る還元剤については、特開2001-092075号、特開2001−188314号、特開2004−54126号、特開2004−46191号、特開2004−46193号、特開2003−19073号、および特願2003−281805に記載に記載されている。
本発明において還元剤の添加量は0.1g/m2〜3.0g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.2g/m2〜1.5g/m2で、さらに好ましくは0.3g/m2〜1.0g/m2である。画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5モル%〜50モル%含まれることが好ましく、より好ましくは8モル%〜30モル%であり、10モル%〜20モル%で含まれることがさらに好ましい。還元剤は画像形成層に含有させることが好ましい。
(感光性ハロゲン化銀)
1)ハロゲン組成
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、いかなるハロゲン組成であっても良く、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、又はヨウ化銀を用いることができる。その中でも臭化銀、ヨウ臭化銀及びヨウ化銀が好ましい。特に好ましくは、ヨウ化銀含有率が40モル%以上の高ヨウ化銀である。残りは特に制限はなく、塩化銀、臭化銀またはチオシアン酸銀や燐酸銀などの有機銀塩から選ぶことができるが、特に臭化銀、塩化銀であることが好ましい。この様なヨウ化銀含有率が高い組成のハロゲン化銀を用いることによって、現像処理後の画像保存性、特に光照射によるかぶりの増加が著しく小さい好ましい熱現像感光材料が設計できる。
さらに、ヨウ化銀含有率が80モル%以上100モル%以下であると好ましく、特に90モル%以上100モル%以下であることが処理後の光照射に対する画像保存性の観点では極めて好ましい。
粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子も好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。コア部のヨウ化銀含有率が高いコア高ヨウ化銀構造、またはシェル部のヨウ化銀含有率が高いシェル高ヨウ化銀構造も好ましく用いることができる。また、粒子の表面にエピタキシャル部分とした塩化銀や臭化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
2)平均粒子サイズ
本発明に用いることの出来るハロゲン化銀の平均粒子サイズは、2つの好ましい領域がある。一つは、微粒子領域であって、好ましくは0.15μm以下、より好ましくは0.10μm以下、さらに好ましくは0.05μm以下である。
もう一つの領域は、平板状粒子による円相当直径の比較的大きな領域である。好ましくは、平均円相当直径が0.3μm以上10.0μm以下であり、より好ましくは0.4μm以上8.0μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上5.0μm以下である。ここでいう平均円相当直径とは、電子顕微鏡により観察した個々の投影面積から粒子面積を求め、同面積の円に換算したときの直径の平均をいう。
3)塗布量
この様なハロゲン化銀粒子の塗布量は、後述する非感光性有機銀塩の銀1モルに対して0.5モル%以上15モル%以下、好ましくは0.5モル%以上12モル%以下、10モル%以下であることがさらに好ましい。1モル%以上9モル%以下であることがより好ましく、特に好ましくは1モル%以上7モル%以下である。
4)粒子形状
本発明におけるハロゲン化銀粒子の形状としては、立方体、八面体、十二面体、十四面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、及びジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明における一つの好ましい形態は平板状粒子である。
平板粒子の形成方法に関しては、特開昭59−119350、特開昭59−119344に記載の方法が好ましく用いられる。12面体、14面体、8面体に関しては、特開2002−081020、同2003−287835、同2003−287836を参考にして調製することができる。
平板状ハロゲン化銀の平均厚みは0.3μm以下が好ましく、より好ましくは0.2μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下である。
平板状粒子としては、アスペクト比が2以上100以下が好ましく、より好ましくは5以上50以下である。
5)その他、下記についての説明は、特開2004−212948号、特開2004−271599号、特願2003−281805号、および特願2003−281806に記載に記載されている。
粒子形成方法、重金属、ゼラチン、化学増感、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物、吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物、、増感色素、複数のハロゲン化銀の併用、ハロゲン化銀と有機銀塩の混合、ハロゲン化銀の塗布液への混合、感光性ハロゲン化銀に由来する可視光吸収を熱現像後に実施的に減少させる化合物、特にヨウ化銀錯形成剤、現像促進剤、水素結合性化合物、画像形成層のバインダー、好ましい塗布液の溶媒、かぶり防止剤、特に有機ポリハロゲン化合物、その他の添加剤として1)メルカプト、ジスルフィド、およびチオン類、2)色調剤、3)可塑剤、潤滑剤、4)染料、顔料、5)造核剤、および塗布液の調製および塗布。
(層構成および構成成分)
本発明の熱現像感光材料は、支持体の片面にのみ画像形成層を有する「片面型」であっても、両面に画像形成層を有する両面型であっても良い。
本発明の画像形成層は、支持体上に一またはそれ以上の層で構成される。一層で構成する場合は有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、還元剤およびバインダーよりなり、必要により色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追加の材料を含む。二層以上で構成する場合は、第1画像形成層(通常は支持体に隣接した層)中に有機銀塩および感光性ハロゲン化銀を含み、第2画像形成層または両層中にいくつかの他の成分を含まなければならない。
本発明の熱現像感光材料は、画像形成層に加えて非感光性層を有することができる。非感光性層は、その配置から(a)画像形成層の上(支持体よりも遠い側)に設けられる表面保護層、(b)複数の画像形成層の間や画像形成層と保護層の間に設けられる中間層、(c)画像形成層と支持体との間に設けられる下塗り層、(d)画像形成層の反対側に設けられるバック層に分類できる。
また、光学フィルターとして作用する層を設けることができるが、(a)または(b)の層として設けられる。アンチハレーション層は、(c)または(d)の層として感光材料に設けられる。
−支持体−
本発明における支持体は、二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130℃〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステルフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムを用いることができ、より好ましくはポリエチレンナフタレートが好ましく用いられる。
本発明における支持体の厚みは、25μm〜140μm、好ましくは50μm〜95μmである。
支持体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11−84574号の水溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特願平11−106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。支持体の含水率は0.5wt%以下であることが好ましい。
その他、下記についての説明は、特開2004−212948号、特開2004−271599号、特願2003−281805号、および特願2003−281806に記載に記載されている。
表面保護層、アンチハレーション層、バック層、マット剤、ポリマーラテックス、膜面pH、硬膜剤、界面活性剤、帯電防止剤、その他の添加剤、塗布方式、包装材料、およびその他の利用できる技術。
(熱現像感光材料の物理特性)
1)厚み
本発明の熱現像感光材料は、厚みが30μm〜150μmであり、好ましくは50μm〜120μmであり、より好ましくは60μm〜100μmである。本発明の熱現像感光材料の厚みは、主に支持体の厚みを選択することにより所望の領域に調整することができる。
2)カールバランス層
本発明の熱現像感光材料は、上記の様に支持体厚みが薄いため、支持体の画像形成層と反対面にカールバランス層を設けることが望ましい。カールバランス層は、画像形成層面のポリマーバインダーと同種のポリマーバインダーを主体とする層が好ましい。厚みは、画像形成層面側のトータル厚みの50%〜150%の範囲が一般に有効である。
カールバランス層には、必要に応じて、ハレーション防止染料、帯電調整剤、架橋剤、可塑剤、滑り剤、ポリマーラテックス、およびマット剤等の添加剤を加えることが出来る。
3)動摩擦係数
本発明の熱現像感光材料は、上記の様に支持体厚みが薄いため、積層されたフィルムを搬送する際、画像形成層面とバック面との動摩擦係数がある値に無いと、フィルムにしわが発生してしまう。動摩擦係数は、好ましくは0.01〜0.5、より好ましくは0.1〜0.4である。
4)F/C
本発明の熱現像感光材料は、上記の様に支持体厚みが薄いため、静電耐電が起こり擬接着すると2枚送りなどの搬送故障を起こすため、感光材料のF/C値をある値にする事が重要である。F/C値は、X線光電子分光法(ESCA)によって測定される熱現像感光材料の表面のフッ素原子(F)と炭素原子(C)のモル比である。F/C値は、好ましくは0.1〜1.5、より好ましくは0.1〜1.0である。
5)ベック平滑度
本発明の熱現像感光材料は、上記の様に支持体厚みが薄いため、静電耐電が起こり擬接着すると2枚送りなどの搬送故障を起こすため、感光材料のベック平滑度をある値にする事が重要である。ベック平滑度は好ましくは、画像形成側、その反対側ともに10以上1000以下で、好ましくは50以上1000以下である。
2.画像形成方法
1)画像露光
本発明においては、露光光源としていかなる光源も用いることができる。例えば、カメラによるワンショット撮影、走査露光、あるいは放射線増感スクリーンなどによる発光による露光などを利用することが出来る。
本発明における一つの好ましい露光方法は、上記のX線蛍光増感スクリーンを用いた方法である。
別の本発明に好ましい画像露光は、レーザーによる走査露光である。レーザー光源として、赤〜赤外発光のHe−Neレーザー、赤色半導体レーザー、あるいは青〜緑発光のAr+,He−Ne,He−Cdレーザー、青色半導体レーザーなど種々の既存のレーザーを利用できる。好ましくは、半導体レーザーであり、赤色〜赤外半導体レーザーであり、レーザー光のピーク波長は、600nm〜900nm、好ましくは620nm〜850nmである。
一方、近年、特に、SHG(Second HarmonIc Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーが開発されてきて、短波長領域のレーザー出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザーは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、本発明において好ましく用いることが出来る。青色レーザー光のピーク波長は、300nm〜500nm、特に400nm〜500nmが好ましい。
レーザー光は、高周波重畳などの方法によって縦マルチに発振していることも好ましく用いられる。
2)熱現像
本発明の黒白熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては105℃〜180℃であり、好ましくは105℃〜140℃、さらに好ましくは105℃〜130℃である。現像時間としては、通常1秒〜60秒で行われるが、好ましくは3秒〜30秒で行われるが、より好ましくは5秒〜30秒である。
熱現像の方式としてはドラム型ヒーター、プレート型ヒーターのいずれを使用してもよいが、プレート型ヒーター方式がより好ましい。プレート型ヒーター方式による熱現像方式とは特開平11−133572号に記載の方法が好ましく、潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒーターからなり、かつ前記プレートヒーターの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒーターとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。プレートヒーターを2段〜6段に分けて先端部については1℃〜10℃程度温度を下げることが好ましい。例えば、独立に温度制御できる4組のプレートヒーターを使用し、それぞれ112℃、119℃、121℃、120℃になるように制御する例が挙げられる。
画像形成装置の小型化および画像形成時間の短縮のためには、現像部より排出された熱現像感光材料がことが好ましく、また、1枚のシート感材を先頭部から露光開始し、後端部まで露光が終わらないうちに熱現像を開始することが望ましい。本発明に好ましい迅速処理ができるイメージャーは例えば特開2002−289804号および同2002−287668号に記載されている。
本発明に用いることの出来る熱現像方法及び熱現像装置については、さらに詳細には特願2003−307824号、特願2003−307825号、特願2003−307826号、特願2003−308039号、特願2003−307831号、および特願2003−307832号に記載されている。
3)画像観察のためのフォルダー
医療画像は、通常、シート状画像をバックライト型のビューアーにかざして観察され、医学的判断を下すのに利用される。あるいは、1枚を手に持って明るい照明に透かして観察する簡便な手段が取られる場合がある。
本発明においては、得られた画像シートは、剛性に乏しいためシート単独では平坦な形態を保ち続けるのが困難であって、少なくとも一面が透明なフォルダーに挿入して観察される。好ましくは、フォルダーは両面が透明である。
−フォルダーの形態−
本発明におけるフォルダーは、画像シートを挿入し得る形態であればいかなる形態も取り得る。本発明におけるフォルダーは、少なくとも2枚のシートを有し、少なくとも一辺が開放された袋状形態が好ましい。2辺が開放された袋状形態は、画像シートの挿入し易すさの点で好ましい。一辺のみシールされて、2枚のシートがノート状に開くことの出来る形態も好ましい。フォルダーを構成するシートの少なくとも一辺に、適当な形状の切り込み部を設けるなどのシートの間に画像シートを挿入し易くする手段を設けることが好ましい。シールされる辺は、ホットメルト接着、物理的嵌合、あるいは粘着性接着剤でシールされる。好ましくは、ホットメルト接着される。
−フォルダーの材質−
フォルダーを構成する少なくとも2枚のシートの少なくとも一方は透明であり、好ましくは全て透明である。シート材料は、透明フィルムであればいかなる材料でも用いることが出来る。例えば、セルロース誘導体(ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート、硝酸セルロースなど)、ポリエステル類(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ビニル誘導体(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなど)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートなどが挙げられる。また、これらの複合フィルムも好ましく用いることが出来る。2枚のシートは材質が同一であっても異なっても良い。
フォルダーを構成するフィルムの厚みは、5μm〜120μmが好ましく、より好ましくは10μm〜60μmである。2枚のシートの厚みは同一であっても、異なってもよい。
−フォルダーの物理特性−
フォルダーを構成するシートは、表面反射率が10%以上80%以下であることが、読影上の点で好ましい。より好ましくは、表面反射率が30%以上60%以下である。
フォルダーを構成する透明面のシートは、薄く着色することが画像観察を容易にする点で好ましい。特に医療画像の場合、透過色調がCIELAB色空間で表示してa*、およびb*の絶対値が共に5以下であることが好ましい。より好ましくは、a*、およびb*の絶対値が共に2以下である。
(本発明の用途)
本発明の熱現像感光材料を用いた画像観察方法は、医療診断画像用途に特に好ましく利用することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
1.PET支持体の作製
2軸延伸した厚み65μm、80μm、140μm、および175μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに下記のコロナ放電処理を施した後、下塗り層と塗布して厚みの異なる支持体を作製した。
<表面コロナ放電処理>
ピラー社製ソリッドステートコロナ放電処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kv・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
<下塗り>
1)下塗層塗布液の作製
処方(1)(画像形成層側下塗り層用)
・高松油脂(株)製ペスレジンA−520(30質量%溶液) 46.8g
・東洋紡績(株)製バイロナールMD−1200 10.4g
・ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル
(平均エチレンオキシド数=8.5)1質量%溶液 11.0g
・綜研化学(株)製 MP−1000(PMMAポリマー微粒子、平均粒径0.4μm)
0.91g
・蒸留水 931mL
処方(2)(バック面第1層用)
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 130.8g
(固形分40質量%、スチレン/ブタジエン質量比=68/32)
・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウム塩(8質量%水溶液)
5.2g
・ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10mL
・ポリスチレン粒子分散物(平均粒子径2μm、20質量%) 0.5g
・蒸留水 854mL
処方(3)(バック面側第2層用)
・SnO2/SbO(9/1質量比、平均粒径0.5μm、17質量%分散物)
84g
・ゼラチン 7.9g
・信越化学工業(株)製メトローズTC−5(2質量%水溶液) 10g
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10mL
・NaOH(1質量%) 7g
・プロキセル(アビシア社製) 0.5g
・蒸留水 881mL
2)塗布
上記厚さの異なる2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(画像形成層面)に上記下塗り塗布液処方(1)をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6mL/m2(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方(2)をワイヤーバーでウエット塗布量が5.7mL/m2になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方(3)をワイヤーバーでウエット塗布量が8.4mL/m2になるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作製した。
(バック層)
1)バック層塗布液の調製
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物1を、2.5kg、及び界面活性剤(商品名:デモールN、花王(株)製)300g、ジフェニルスルホン800g、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩1.0g及び蒸留水を加えて総量を8.0kgに合わせて混合し、混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散した。分散方法は、混合液をを平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填したUVM−2にダイアフラムポンプで送液し、内圧50hPa以上の状態で、所望の平均粒径が得られるまで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における450nmにおける吸光度と650nmにおける吸光度の比(D450/D650)が3.0まで分散した。得られた分散物は、塩基プレカーサーの濃度で25質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにろ過(平均細孔径:3μmのポリプロピレン製フィルター)を行って実用に供した。
2)染料固体微粒子分散液の調製
シアニン染料化合物−1を6.0kg及びp−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.0kg、花王(株)製界面活性剤デモールSNB0.6kg、及び消泡剤(商品名:サーフィノール104E、日信化学(株)製)0.15kgを蒸留水と混合して、総液量を60kgとした。混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いて、0.5mmのジルコニアビーズで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における650nmにおける吸光度と750nmにおける吸光度の比(D650/D750)が5.0以上であるところまで分散した。得られた分散物は、シアニン染料の濃度で、6質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにフィルターろ過(平均細孔径:1μm)を行って実用に供した。
3)ハレーション防止層塗布液の調製
容器を40℃に保温し、等電点6.6のゼラチン(ニッピ(株)製ABAゼラチン)37g、ベンゾイソチアゾリノン0.1g、水を加えてゼラチンを溶解させた。さらに上記染料固体微粒子分散液36g、上記塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)を73g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液43mL、SBRラテックス(スチレン/ブタジエン/アクリル酸共重合体;質量比68.3/28.7/3.0)10質量%液82gを混合し、完成液量773mLのハレーション防止層塗布液とした。完成液のpH値は、6.3であった。
4)バック面保護層塗布液の調製
容器を40℃に保温し、等電点4.8のゼラチン(宮城化学工業(株)製PZゼラチン)43g、ベンゾイソチアゾリノン0.21g、水を加えてゼラチンを溶解させた。さらに1mol/lの酢酸ナトリウム水溶液8.1mL、単分散ポリ(エチレングリコールジメタクリレート−コ−メチルメタクリレート)微粒子(平均粒子サイズ7.7μm、粒径標準偏差0.3μm)0.93g、流動パラフィンの10質量%乳化物を5g、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリットの10質量%乳化物を10g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液10mL、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液17mL、フッ素系界面活性剤(F−1)2質量%溶液を2.4mL、フッ素系界面活性剤(F−2)2質量%溶液を2.4mL、エチルアクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比96.4/3.6)ラテックス20質量%液30mLを混合した。塗布直前にN,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)4質量%水溶液50mLを混合し、完成液量855mLのバック面保護層塗布液とした。完成液のpH値は6.2であった。
5)バック層の塗布
上記下塗り支持体のバック面側に、アンチハレーション層塗布液をゼラチン塗布量が0.54g/m2となるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.85g/m2となるように同時重層塗布し、乾燥し、バック層を作製した。
(画像形成層、中間層、及び表面保護層)
1.塗布用材料の準備
1)ハロゲン化銀乳剤
《ハロゲン化銀乳剤1の調製》
蒸留水1421mLに1質量%臭化カリウム溶液3.1mLを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5mL、フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、30℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mLに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.3gとヨウ化カリウム0.8gを蒸留水にて容量97.4mLに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10mL添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8mL添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mLに希釈した溶液Cと臭化カリウム44.2gとヨウ化カリウム2.2gを蒸留水にて容量400mLに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で20分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液C及び溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10-4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5mL加え、40分後に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10-5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10-4モル加えて91分間熟成した。その後、分光増感色素Aと増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液を銀1モル当たり増感色素AとBの合計として1.2×10-3モル加え、1分後にN,N’−ジヒドロキシ−N”−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mLを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10-3モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10-3モル及び1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを水溶液で銀1モルに対して8.5×10-3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作製した。
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.042μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の{100}面比率は、クベルカムンク法を用いて80%と求められた。
《ハロゲン化銀乳剤2の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を47℃に変更し、溶液Bは臭化カリウム15.9gを蒸留水にて容量97.4mLに希釈することに変更し、溶液Dは臭化カリウム45.8gを蒸留水にて容量400mLに希釈することに変更し、溶液Cの添加時間を30分にして、六シアノ鉄(II)カリウムを除去した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤2の調製を行った。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。更に、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり1.1×10-4モル、分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液の添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として7.0×10-4モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールを銀1モルに対して3.3×10-3モル及び1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを銀1モルに対して4.7×10-3モル添加に変えた以外は乳剤1と同様にして分光増感、化学増感及び5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤2を得た。ハロゲン化銀乳剤2の乳剤粒子は、平均球相当径0.080μm、球相当径の変動係数20%の純臭化銀立方体粒子であった。
《ハロゲン化銀乳剤3の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を27℃に変更する以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤3の調製を行った。また、ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で1:1を固体分散物(ゼラチン水溶液)として添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として6×10-3モル、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり5.2×10-4モルに変え、テルル増感剤の添加3分後に臭化金酸を銀1モル当たり5×10-4モルとチオシアン酸カリウムを銀1モルあたり2×10-3モルを添加したこと以外は乳剤1と同様にして、ハロゲン化銀乳剤3を得た。ハロゲン化銀乳剤3の乳剤粒子は、平均球相当径0.034μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。
《塗布液用混合乳剤Aの調製》
ハロゲン化銀乳剤1を70質量%、ハロゲン化銀乳剤2を15質量%、ハロゲン化銀乳剤3を15質量%溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10-3モル添加した。
さらに1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物1,2,3をそれぞれハロゲン化銀の銀1モル当たり2×10-3モルになる量を添加した。
吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物1,2をそれぞれハロゲン化銀1モルあたり5×10-3モルになる量を添加した。
さらに塗布液用混合乳剤1kgあたりハロゲン化銀の含有量が銀として38.2gとなるように加水した。塗布液用混合乳剤1kgあたり0.34gとなるように1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。
2)脂肪酸銀分散物の調製
<再結晶ベヘン酸の調製>
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)100kgを、1200kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、30℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、3℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、100kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC−FID測定をしたところ、ベヘン酸含有率は96モル%、それ以外にリグノセリン酸が2モル%、アラキジン酸が2モル%、エルカ酸0.001モル%含まれていた。
<脂肪酸銀分散物の調製>
再結晶ベヘン酸88kg、蒸留水422L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Bを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液Bの全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液Bを添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液Bのみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液Bの添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液Bの添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
ベヘン酸ナトリウム溶液Bを添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.21μm、b=0.4μm、c=0.4μm、平均アスペクト比2.1、球相当径の変動係数11%の結晶であった。(a,b,cは本文の規定)
乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3kg及び水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1150kg/cm2に調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
3)還元剤分散物の調製
《還元剤−1分散物の調製》
還元剤−1(2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール))10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を60℃で5時間加熱処理し、還元剤−1分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《還元剤−2分散物の調製》
還元剤−2(6,6’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジメチル−2,2’−ブチリデンジフェノール)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加熱処理し、還元剤−2分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.50μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
4)水素結合性化合物−1分散物の調製
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物−1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
5)現像促進剤−1分散物の調製
現像促進剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて現像促進剤の濃度が20質量%になるように調製し、現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た現像促進剤分散物に含まれる現像促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた現像促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
6)現像促進剤−2及び色調調整剤−1の分散物調製
現像促進剤−2及び色調調整剤−1の固体分散物についても現像促進剤−1と同様の方法により分散し、それぞれ20質量%、15質量%の分散液を得た。
7)ポリハロゲン化合物の調製
《有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が26質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《有機ポリハロゲン化合物−2分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調製した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物―2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
8)フタラジン化合物−1溶液の調製
8kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgとフタラジン化合物−1(6−イソプロピルフタラジン)の70質量%水溶液14.28kgを添加し5質量%溶液を調製した。
9)メルカプト化合物の調製
《メルカプト化合物−1水溶液の調製》
メルカプト化合物−1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
《メルカプト化合物−2水溶液の調製》
メルカプト化合物−2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
10)顔料−1分散物の調製
C.I.Pigment Blue60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し、水を加えて顔料の濃度が5質量%になるように調製して顔料−1分散物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
11)SBRラテックス液の調製
SBRラテックス(TP−1)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5質量%)7.73g、1mol/L、NaOH14.06mL、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mLに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックスTP−1を774.7g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、145ppmであった。
上記ラテックスは平均粒径90nm、Tg=17℃、固形分濃度44質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.80mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し25℃にて測定)であった。
12)イソプレンラテックス液の調製
イソプレンラテックス(TP−2)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に蒸留水1500g添加し、90℃で3時間加熱し、重合釜のステンレス表面やステンレス製撹拌装置の部材に不動態皮膜を形成させる。この処理を行った重合釜に、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水582.28g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))9.49g、1mol/LのNaOHを19.56g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.20g、スチレン314.99g、イソプレン190.87g、アクリル酸10.43g、tert−ドデシルメルカプタン2.09gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温65℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.61gを水40mLに溶解した液を添加し、そのまま6時間撹拌した。この時点でのは重合転化率は固形分測定から90%であった。ここで、アクリル酸5.22gを水46.98gに溶解した液を添加し、続いて水10gを添加し、過硫酸アンモニウム1.30gを水50.7mLに溶解した液をさらに添加した。添加後、90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後、内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、イソプレンラテックスTP−2を1248g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、142ppmであった。
上記ラテックスは平均粒径113nm、Tg=15℃、固形分濃度41.3質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.4質量%、イオン伝導度5.23mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し25℃にて測定)であった。
2.塗布液の調製
1)画像形成層塗布液の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物1000gに、水、顔料−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−2分散物、フタラジン化合物−1溶液、SBRラテックス(TP−1)液、イソプレンラテックス(TP−2)液、還元剤−1分散物、還元剤−2分散物、水素結合性化合物−1分散物、現像促進剤−1分散物、現像促進剤−2分散物、メルカプト化合物−1水溶液、メルカプト化合物−2水溶液を順次添加し、塗布直前にハロゲン化銀混合乳剤Aを添加して良く混合した画像形成層塗布液をそのままコーティングダイへ送液した。
上記画像形成層塗布液の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)で28[mPa・s]であった。
Haake社製RheoStress RS150を使用した38℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、1000[1/秒]においてそれぞれ37、40、38、30、19[mPa・s]であった。
塗布液中のジルコニウム量は銀1gあたり0.32mgであった。
2)中間層塗布液の調製
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)1000g、顔料−1分散物163g、青色染料化合物−1(日本化薬(株)製:カヤフェクトターコイズRNリキッド150)18.5質量%水溶液33g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液27mL、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液4200mLにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27mL、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135mL、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、8.9mL/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で58[mPa・s]であった。
3)表面保護層第1層塗布液の調製
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水840mLに溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸の15質量%メタノール溶液を46mL、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を5.4mLを加えて混合し、塗布直前に4質量%のクロムみょうばん40mLをスタチックミキサーで混合したものを塗布液量が26.1mL/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・s]であった。
4)表面保護層第2層塗布液の調製
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水800mLに溶解し、流動パラフィンの10質量%乳化物を10g、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリットの10質量%乳化物を30g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸15質量%メタノール溶液40mL、フッ素系界面活性剤(F−1)の1質量%溶液を5.5mL、フッ素系界面活性剤(F−2)の1質量%水溶液を5.5mL、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を28mL、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.6μm、体積加重平均の分布60%)21gを混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3mL/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
3.熱現像感光材料−1〜4の作製
バック面と反対の面に下塗り面から画像形成層、中間層、表面保護層第1層、表面保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。このとき、画像形成層と中間層の塗布液は31℃に、表面保護層第一層の塗布液は36℃に、表面保護層第二層の塗布液は37℃に温度調整した。
支持体に175μmを用いた試料−1、140μmを用いた試料−2、80μmを用いた試料−3,65μmを用いた試料−4を得た。得られた試料の厚みは、試料−1が193μm、試料−2が158μm、試料−3が98μm、及び試料−4が83μmであった。
画像形成層の各化合物の塗布量(g/m2)は以下の通りである。
脂肪酸銀 5.42
顔料(C.I.Pigment Blue 60) 0.036
ポリハロゲン化合物−1 0.12
ポリハロゲン化合物−2 0.25
フタラジン化合物−1 0.18
SBRラテックス(TP−1) 3.88
イソプレンラテックス(TP−2) 5.82
還元剤−1 0.40
還元剤−2 0.40
水素結合性化合物−1 0.116
現像促進剤−1 0.019
現像促進剤−2 0.016
メルカプト化合物−1 0.002
メルカプト化合物−2 0.012
ハロゲン化銀(Agとして) 0.10
塗布乾燥条件は以下のとおりである。
塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10mm〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196Pa〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10℃〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23℃〜45℃、湿球温度15℃〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40%RH〜60%RHで調湿した後、膜面を70℃〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
作製された熱現像感光材料のマット度はベック平滑度で画像形成層面側が550秒、バック面が130秒であった。また、画像形成層面側の膜面のpHを測定したところ6.0であった。
以下に本発明の実施例で用いた化合物の化学構造を示す。
Figure 2006267291
Figure 2006267291
Figure 2006267291
Figure 2006267291
Figure 2006267291
Figure 2006267291
4.性能の評価
4−1.準備
得られた試料は半切サイズ(43cm長×35cm幅)に切断し、25℃50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した後、以下の評価を行った。
<包装材料>
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny15μm/カーボン3質量%を含むポリエチレン50μmを積層したフィルム:
酸素透過率:0.02mL/atm・m2・25℃・day、
水分透過率:0.10g/atm・m2・25℃・day。
4−2.熱現像感光材料の露光、現像
各試料を富士メディカル(株)ドライレーザーイメージャーDRYPIX7000(最大50mW(IIIB)出力の660nm半導体レーザー搭載)にて露光・熱現像(107℃−121℃−121℃に設定した3枚のパネルヒータで合計14秒)した。
4−3.フォルダーの作製
厚み20μmの透明ポリプロピレンフィルムを2枚重ねて2辺をヒートシールして半切サイズのシートを挿入できるフォルダーNo.1を作製した。
同様にして、50μmおよび100μmの透明フィルムでフォルダーNo.2,No.3を作製した。
4−4.評価
1)省スペース対応
各熱現像感光材料試料の熱現像前と熱現像後の試料をそれぞれ20枚ずつ重ねて厚みを測定した。その結果、本発明の試料−2は比較試料−1に比べて約20%トータル厚みが薄くなり、試料−3は約50%、試料−4は約60%薄くなり、省スペースとなった。これに伴い、熱現像装置に装填するカセッテも同様に小型化が可能となった。
2)画像の観察適性
得られた画像をそれぞれ上記で作製したフォルダーに挿入したものを10組準備した。その後、平均照度12000LUXのシャーカステンにフォルダーに入った画像の医学的観察の容易性を感覚的に評価した。実験は10人で各々10枚かけて観察する実験を行った。
<持ちやすさ>
○:10枚とも折れ曲がらずシャーカステンに懸かり、落下が平均1枚未満。
△:シャーカステンに懸かりにくいもの、落下した物が平均1枚以上、2枚未満発生した。
×:シャーカステンに懸かりにくいもの、落下した物が平均2枚以上発生した。
<鮮鋭度>
○:シャーカステンにかけた画像の鮮鋭度が問題ない。
△:鮮鋭度の問題を指摘する人がいるが平均1人未満。
×:鮮鋭度の問題を指摘する人が平均1人以上。
結果を表1に示した。
本発明の観察方法は持ちやすさ、鮮鋭度ともに良好であった。
Figure 2006267291
実施例2
実施例1のフォルダーNo.2で、50μmのフィルムを同じ厚みの各種色付きフィルムに変更してフォルダーNo.4〜8を作製した。
Macbeth社製Gretag MacbethのSpectrolinoを用い、濃度1.2での色調の測定を行った。測定光源はF5、測定面積は3mmφで実施し、CIEa**で表3に表した。その結果、下記の結果を得た。
**
フォルダーNo.4 ( −2 ) ( −4 )
フォルダーNo.5 ( −2 ) ( 1.5 )
フォルダーNo.6 ( −2 ) ( 4 )
フォルダーNo.7 ( 1.5 ) ( −2 )
フォルダーNo.8 ( 4 ) ( 0 )
実施例1の試料−3をこれらのフォルダーに挿入して、実施例1と同様の評価を行った結果を表2に示した。
その結果、フォルダーを用いた物は何れも、持ちやすさ、鮮鋭度の観点で、何れも良好であったが、中でもa*、b*が2以下が鮮鋭度が優れている事が解った。
Figure 2006267291
実施例3
実施例1の試料−3のバック面保護層と表面保護第2層のフッ素系界面活性剤の添加量と粒子サイズの異なるマット剤に変更し、表3に示す試料を作製した。
得られた試料のベック平滑度、動摩擦、F/C、カール値、表面光沢を測定した。
<ベック平滑度の測定>
測定する熱現像感光材料を25℃60%RHの環境で2時間調湿したのち、旭精工社製
の王研式透気度平滑度試験機KB15を用いて、JIS P 8119に準じてベック平
滑度の測定を行った。
<動摩擦係数の測定>
25℃60%RHで感材を3時間調湿した後、25℃60%RHの環境で、測定を行な
った。測定は、感材と感材試験片(感材の裏面)を貼り付け、滑り片の大きさは、3.5cm×3.5cmで、感材試験片の大きさは、15×5cmで行なった。貼り付け30秒後、滑り片と滑り片との相対速度は、搬送速度を1000mm/minとして測定した。なお、その他の測定条件は、JIS K7125:1999(ISO8295:1995)に準じる。また、測定は、感材を包装材料から開封して行なった。
<F/C値の測定>
熱現像感光材料を0.5cm×0.5cmの大きさに裁断し、Shimadzu社製E
SCA750にてフッ素と、炭素の元素分析を実施した。なお、フッ素はF1s起因のピ
ーク高さを、炭素はCH起因のC1sピークをピックアップし、その比を求める事で、F
/Cの値を算出した。
<カール値>
25℃60%RHの環境で、熱現像感光材料を半切サイズの長辺が床面と垂直方向になるようにシャーカステンにかけて、5分後の試料のシャーカステンからの浮き上がり量(半切サイズの短辺の両端真中の3点がシャーカステンから浮き上がっている距離の平均)を測定した。
<表面光沢>
光沢度計GLOSSMETERを用いて、測定角度20°で光沢の測定を行った。各試料はフォルダー−2で挟んだ状態で測定した。
<ジャミング枚数>
これらの試料を搬送速度29mm/秒で実施例1のレーザーイメージャーで100枚処理したときのジャミングの発生枚数をカウントした。
得られた結果を、表3に示した。その結果、動摩擦係数の低減とF/C、ベック平滑度対策を十分に施した試料ではジャミング故障が改良され、80μmの薄い支持体を用いても良好な搬送性を保てた。
Figure 2006267291
実施例4
1.試料の作製
1−1.塗布用材料の準備
1)ハロゲン化銀乳剤
(ハロゲン化銀乳剤Aの調製)
蒸留水1421mLに1質量%ヨウ化カリウム溶液4.3mLを加え、さらに0.5モル/L硫酸を3.5mL、フタル化ゼラチン36.5g、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタノールの5質量%メタノ−ル溶液160mLを添加した溶液を、ステンレス製反応壷中で撹拌しながら75℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え218mLに希釈した溶液Aとヨウ化カリウム36.6gを蒸留水にて366mLに希釈した溶液Bを、溶液Aは一定流量で16分かけて全量添加し、溶液BはpAgを10.2に維持しながらコントロールダブルジェット法で添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10mL添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8mL添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて508.2mLに希釈した溶液Cとヨウ化カリウム63.9gを蒸留水にて639mLに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で80分かけて全量添加し、溶液DはpAgを10.2に維持しながらコントロールダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10-4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg11.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
ハロゲン化銀乳剤Aは、純ヨウ化銀乳剤であり、平均投影面積直径0.93μm、平均投影面積直径の変動係数17.7%、平均厚み0.057μm、平均アスペクト比16.3の平板状粒子が全投影面積の80%以上を占めていた。球相当直径は0.42μmであった。X線粉末回折分析による解析の結果、ヨウ化銀の90%以上がγ相で存在していた。
(ハロゲン化銀乳剤Bの調製)
ハロゲン化銀乳剤Aで調製した平板状粒子AgI乳剤1モルを反応容器に入れた。pAgは38℃で測定して10.2であった。次いで、ダブルジェット添加により、0.5モル/LのKBr溶液及び0.5モル/LのAgNO3溶液を10mL/分で10分間にわたって添加し、実質的に5モル%臭化銀をAgIホスト乳剤上にエピタキシャル状に沈殿させた。操作中、pAgは10.2に維持した。
さらに、0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調製し、撹拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg11.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5mL加え、40分後に60℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10-5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.0×10-5モル加えて91分間熟成した。その後、N,N’−ジヒドロキシ−N’’、N’’−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mLを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10-3モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10-3モルおよび1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを水溶液で銀1モルに対して8.5×10-3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤Bを作製した。
(ハロゲン化銀乳剤Cの調製)
ハロゲン化銀乳剤Aと同様にして2,2’−(エチレンジチオ)ジエタノールの5質量%メタノ−ル溶液の添加量、粒子形成時の温度、溶液Aの添加時間を適宜変更してハロゲン化銀乳剤Cを調製した。ハロゲン化銀乳剤Cは純ヨウ化銀乳剤であり、平均投影面積直径1.369μm、平均投影面積直径の変動係数19.7%、平均厚み0.130μm、平均アスペクト比11.1の平板状粒子が全投影面積の80%以上を占めていた。球相当直径は0.71μmであった。X線粉末回折分析による解析の結果、ヨウ化銀の90%以上がγ相で存在していた。
(ハロゲン化銀乳剤Dの調製)
ハロゲン化銀乳剤Cを用いたこと以外は、ハロゲン化銀乳剤Bとまったく同様にして、臭化銀エピタキシャル5モル%を含有するハロゲン化銀乳剤Dを調製した。
<塗布液用混合乳剤の調製>
ハロゲン化銀乳剤Bとハロゲン化銀乳剤Dを銀モル比として3:2になる量を溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10-3モル添加した。さらに1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物化合物1と2と3をそれぞれハロゲン化銀の銀1モル当たり2×10-3モルになる量を添加した。
また吸着基と還元基を有する化合物1と2をそれぞれハロゲン化銀1モルあたり8×10-3モルになる量を添加した。
さらに塗布液用混合乳剤1リットルあたりハロゲン化銀の含有量が銀として15.6gとなるように加水した。
2)ヨウ化銀錯形成剤の調製
8kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP−203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgと6−イソプロピルフタラジンの70質量%水溶液14.28kgを添加し、ヨウ化銀錯形成剤の5質量%溶液を調製した。
1−2.塗布液の調製
<画像形成層塗布液Cの調製>
脂肪酸銀分散物を1000gに、水、顔料−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−2分散物、ヨウ化銀錯形成剤溶液、SBRラテックス(Tg=17℃)液、還元剤−1分散物、還元剤−2分散物、水素結合性化合物−1分散物、現像促進剤−1分散物、現像促進剤−2分散物、色調調整剤−1分散物、メルカプト化合物−1水溶液、メルカプト化合物−2水溶液を順次添加し、塗布直前に塗布液混合用ハロゲン化銀乳剤を添加して良く混合した画像形成層塗布液をそのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
1−3.熱現像感光材料−31の作製
実施例1の試料−3の画像形成層塗布液の代わりに画像形成層塗布液Cを用いて、実施例1と同様に画像形成層、中間層、表面保護層第1層、表面保護層第2層の順番で同時重層塗布し、熱現像感光材料−31を作製した。
2.青色蛍光増感スクリーンの作製
1)下塗り層の作製
特開2001−124898号公報の実施例4と同様にして、250μmのポリエチレンテレフタレート(支持体)上にアルミナ粉体よりなる乾燥後の膜厚が50μmの光反射層を形成した。
2)蛍光体シートの製造
BaFBr:Eu蛍光体(平均粒径3.5μm)250g、ポリウレタン系バインダー樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名:パンデックスT5265M)8g、エポキシ系バインダー樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、商品名:エピコート1001)2g、およびイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:コロネートHX)0.5gをメチルエチルケトンに加え、プロペラミキサで分散して、粘度が25PS(25℃)の蛍光体層形成用塗布液を調製した。この塗布液を仮支持体(予めシリコーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレートシート)の表面に塗布し、乾燥して蛍光体層を形成した。この蛍光体層を仮支持体から剥がし取って蛍光体シートを得た。
3)光反射層上への蛍光体シートの付設
前記の工程1)で製造した光反射層付き支持体の光反射層の表面に、上記の蛍光体シートを重ね、カレンダロールにて、圧力400kgw/cm2、温度80℃の条件で加圧し、光反射層上に蛍光体層を設けた。得られた蛍光体層の厚みは125μmであり、蛍光体層中の蛍光体粒子の体積充填率は68%であった。
4)表面保護層の形成
厚み6μmのポリエチレンテレフタレート(PET)の片面にポリエステル系の接着剤を塗布し、ラミネート法で蛍光体層上に表面保護層を設けた。このようにして、支持体、光反射層、蛍光体層および表面保護層からなる蛍光増感スクリーンを得た。
5)発光特性
40kVpのX線で発光スペクトルを測定した結果、390nmにピークをもつ半値幅の狭い発光を示した。
3.性能評価
1)画像露光
上記の青色蛍光増感スクリーンを2枚使用して、その間に試料を挟み、像形成用組立体を作製した。この組立体に、0.05秒のX線露光を与え、X線センシトメトリーを行った。使用したX線装置は、東芝(株)製の商品名DRX−3724HDであり、タングステンターゲットを用いた。三相にパルス生器で80kVpの電圧をかけ、人体とほぼ等価な吸収を持つ水7cmのフィルタを通したX線を光源とした。距離法にてX線露光量を変化させ、logE=0.15の幅でステップ露光を行なった。
2)熱現像
実施例1と同様に行った。
3)評価項目
実施例1と同様の実験を行った結果、実施例1と同様に本発明の効果を確認した。

Claims (10)

  1. 支持体の少なくとも一方の面上に、非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、および現像剤としての還元剤を有する画像形成層を配してなるシート状熱現像感光材料を画像露光と熱現像して得られた画像を観察する方法であって、前記熱現像感光材料の厚みが30μm以上150μm以下であり、前記画像を少なくとも一方の面が透明であるフォルダーに挿入して観察することを特徴とする熱現像画像の観察方法。
  2. 前記熱現像感光材料の厚みが50μm以上120μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像画像の観察方法。
  3. 前記熱現像感光材料の厚みが60μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱現像画像の観察方法。
  4. 前記フォルダーの少なくとも一方の面の表面反射率が10%以上80%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
  5. 前記フォルダーの両面が透明であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
  6. 前記フォルダーの透明面の透過色調がCIELAB色空間で表してa*およびb*が共に絶対値が5以下であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
  7. 前記熱現像感光材料の前記画像形成層を有する面とは反対面にカールバランス層を有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
  8. 前記熱現像感光材料の画像形成層を有する面と反対面との動摩擦係数が0.01以上0.5以下であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
  9. 前記熱現像感光材料の少なくとも一方の面のF/C値が0.1以上1.5以下であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
  10. 前記熱現像感光材料の前記画像形成層を有する面のベック平滑度が10以上1000以下、反対面のベック秒が10以上1000以下であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の熱現像画像の観察方法。
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