JP2006266792A - 溶融金属の発光分光分析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザ発振器5からのレーザを表面に照射して溶融金属2を励起させる。この励起で生じた光を集光レンズ8で受光し、分光分析する装置であり、分光器11と光検出器12を集光レンズ8の近くに配置し、集光レンズ8と分光器11を、長さ3mの紫外光伝送用光ファイバ10で接続する。計算機14を光検出器12から20m程度離れた位置に配置し、計算機14と光検出器12との間を通信線13で接続する。計算機14は、光検出器12で検出された光強度データに基づいて、溶融金属2に含まれる元素の分析値を算出する。
【選択図】図1
Description
そのため、精錬中の溶融金属をライン上で直接、リアルタイムに分析する発光分光分析装置では、溶融金属の近くで受光した光を、紫外領域の光を含めて十分に(分析可能な量だけ)分光器に入射できるようにすることが課題となっている。
この方法では、光ファイバに入射された可視光像を変化させずに光検出器まで伝送するために、10万本程度のコアを有する光ファイバーや極細(例えば、直径が10〜50μm程度) の光ファイバを多数束ねたバンドルファイバを使用する必要があるが、いずれも高価である。
本発明の発光分光分析装置によれば、受光部で受光された光を、紫外光の伝送が可能な所定長さの光ファイバで分光器まで伝送するため、非常に高価なバンドルファイバ等のイメージ伝送手段を使用しないで、溶融金属からの発光を、紫外領域の光を含めて十分に(分析可能な量だけ)分光器に入射することができる。
なお、紫外光の伝送が可能な光ファイバとしては、前記特許文献4に記載の「紫外光伝送用光ファイバ」が使用可能であるが、長さが長くなると紫外領域の光が減衰して、分析に必要な光量が分光器に入射されなくなる。よって、本発明では、使用する光ファイバの長さを、紫外領域の光が分析に必要な光量で分光器に入射される長さとする必要があり、この長さが、前記所定長さに相当する。そして、この所定長さは、例えば、伝送損失が20dB以下となる長さである。
図1は、この実施形態の発光分光分析装置を示す図である。
この発光分光分析装置は、容器1に入った溶融金属2にレーザを照射して溶融金属2を励起させ、これにより生じた光を分光して、溶融金属2中に含まれる元素を分析する装置である。溶融金属2の入った容器1の上部に、縦長の筒状体3が配置されている。この筒状体3は、下端が開口され、下端面が溶融金属2の液面より下側に位置するように配置されている。また、筒状体3の上端面は、照射するレーザの波長に対して透明な材料(硼珪酸ガラス等)からなる窓材(光学窓)4で塞がれている。
この集光レンズ8に紫外光の伝送が可能な光ファイバ10が接続され、この光ファイバ10は筒状体3内の上方に延びている。光ファイバ10の上端には分光器11が接続され、この分光器11には光検出器12が接続されている。分光器11と光検出器12は、筒状体3の上部に設けた拡径部32内に設置されている。筒状体3には、また、この拡径部32より上部にガス導入口31が設けてある。
この発光分光分析装置を使用する際には、ガス導入口31から筒状体3内に不活性ガスを導入し、レーザ発振器5、分光器11、検出器12、計算機14を起動する。これにより、レーザ発振器5から出射されたレーザが、反射ミラー6で曲げられて筒状体3内に入り、集光レンズ7で集光されて筒状体3の下端面近くで焦点を結ぶ。なお、ガス導入口31から入った不活性ガスは、筒状体3内を下側に進み、石英板9と筒状体3の内面との間を通って溶融金属2の液面に至り、レーザを照射する面をフレッシュな溶融金属面とする。
また、この実施形態では、レーザ照射で溶融金属2を励起して発光させているが、燃焼性ガスや反応性ガスを吹き付けて溶融金属2を励起させてもよい。
図1のレーザ発振器5としては、波長1064nmのYAGパルスレーザを用い、集光レンズ7としては、焦点距離1000mmの反射防止膜付き硼珪酸ガラス製の平凸レンズを用いた。
光ファイバ10としては、昭和電線電纜(株)の紫外光伝送用光ファイバで、コアの直径が600μmで、長さが3mのものを用いた。この光ファイバの紫外領域での透過特性を図2に示す。この図から、Cのピーク波長である193.09nmでの1m当たりの透過率は約50%であることが分かる。波長が193.09nmの場合の光ファイバの1m当たりの伝送損失Kは、下記の(1)式で表される。この式から、この光ファイバの1m当たりの伝送損失Kは6dB/mである。この実施例では、長さが3mの光ファイバを用いているため、この光ファイバによる伝送損失は18dBである。
K=−20×log10(T)‥‥(1)
(1)式中、Tは波長193.09nmでの1m当たりの透過率〔%/m〕を示す。
また、分光器11としては、分光計器(株)のエシェル分光器を用い、光検出器12としては、アンドールテクノロジーリミテッド製のICCD検出器を用いた。通信線13としては、「イーサネット(登録商標)100/10BASE−T」に対応するUTPケーブルを用いた。計算機14としては、Windows(登録商標)対応のパソコンを用いた。
そのため、この実施例の発光分光分析装置では、光検出器12の検出感度との兼ね合いから、光ファイバ10による伝送損失を20dB以下とすることが好ましく、前述の紫外光伝送用光ファイバを用いる場合には、長さを3.3m以下にする。よって、この実施例では光ファイバ10の長さを3mとした。
以上のことから、この実施例の発光分光分析装置により、小型転炉での溶鋼中のC濃度を、ライン上で直接、リアルタイムに測定できることが分かる。
2 溶融金属
3 筒状体
31 ガス導入口
32 拡径部(分光器と光検出器の設置部)
4 光学窓
5 レーザ発振器
54 筐体
6 反射ミラー
7 集光レンズ
8 集光レンズ(受光部)
9 合成石英板
10 光ファイバ
11 分光器
12 光検出器
13 通信線(通信手段)
14 計算機
Claims (3)
- 溶融金属を励起させて生じた光を、この光の近くで受光する受光部と、受光部で受光された光を分光する分光器と、分光器で分光された各波長の光強度を検出する光検出器と、光検出器で検出された光強度データに基づいて前記溶融金属に含まれる元素の分析値を算出する計算機と、を備えた溶融金属の発光分光分析装置において、
前記受光部と分光器を紫外光の伝送が可能な所定長さの光ファイバで接続し、前記計算機を光検出器から所定距離だけ離れた位置に配置し、前記計算機と光検出器との間を通信手段で接続したことを特徴とする溶融金属の発光分光分析装置。 - 前記光検出器はマルチチャンネル検出器である請求項1記載の溶融金属の発光分光分析装置。
- 溶融金属の入った容器の上部に、下端が開口された筒状体を、その下端面が溶融金属の液面より下側に位置するように配置し、前記筒状体内に、前記受光部、分光器、および光検出器を設置し、前記計算機は前記筒状体の外部に設置したことを特徴とする請求項1記載の溶融金属の発光分光分析装置。
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JP2005083609A JP2006266792A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 溶融金属の発光分光分析装置 |
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2005
- 2005-03-23 JP JP2005083609A patent/JP2006266792A/ja active Pending
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