JP2006266583A - 加湿装置、加湿システム、及び座席専用空調装置 - Google Patents
加湿装置、加湿システム、及び座席専用空調装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006266583A JP2006266583A JP2005084700A JP2005084700A JP2006266583A JP 2006266583 A JP2006266583 A JP 2006266583A JP 2005084700 A JP2005084700 A JP 2005084700A JP 2005084700 A JP2005084700 A JP 2005084700A JP 2006266583 A JP2006266583 A JP 2006266583A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- humidifying
- air
- humidification
- heat exchange
- unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Central Air Conditioning (AREA)
- Air Humidification (AREA)
Abstract
【課題】加湿に伴う温度低下を消費電力量が多大なヒータなどを用いることなく最小限に抑制でき、省エネルギー化を図りつつ良好な加湿性能を得ることができる加湿装置、加湿ユニット、及び座席専用空調装置を提供する。
【解決手段】加湿装置22は本体ケース26を備えており、該本体ケース26内には3つの加湿ユニット27A,27B,27Cと2つの熱交換ユニット28A,28Bとが設けられている。各加湿ユニット27A〜27Cは、該加湿ユニット27A〜27C内を通過する加湿用空気を加湿するようになっている。また、各熱交換ユニット28A,28Bには、加湿用空気が通過する扁平管37の管路37aと仕切形成された熱交換用空気通路39が設けられている。そして、熱交換用空気通路39内を通過する熱交換用空気は、加湿ユニット27A〜27Cによって加湿された加湿用空気と熱交換するようになっている。
【選択図】 図3
【解決手段】加湿装置22は本体ケース26を備えており、該本体ケース26内には3つの加湿ユニット27A,27B,27Cと2つの熱交換ユニット28A,28Bとが設けられている。各加湿ユニット27A〜27Cは、該加湿ユニット27A〜27C内を通過する加湿用空気を加湿するようになっている。また、各熱交換ユニット28A,28Bには、加湿用空気が通過する扁平管37の管路37aと仕切形成された熱交換用空気通路39が設けられている。そして、熱交換用空気通路39内を通過する熱交換用空気は、加湿ユニット27A〜27Cによって加湿された加湿用空気と熱交換するようになっている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、例えば家屋の室内や航空機における客室内、及び前記客室内等に設置された座席装置の周りに仕切形成される小スペース等という所定スペース内の湿度を上昇させるための加湿装置、加湿システム、及び座席専用空調装置に関する。
従来、この種の加湿装置として、例えば特許文献1に記載の加湿装置(加湿ユニット)が提案されている。この加湿装置は、室内に設置されるものであり、箱形状をなす本体ケースを備え、その本体ケース内の下部には大円形水槽と小円形水槽とが設けられている。前記本体ケース内には、下部が大円形水槽内の水に浸されて湿潤状態とされるフィルタが設けられ、そのフィルタの上方にはファン(送風機)が配設されている。また、前記本体ケースの側面には前記大円形水槽の上方となる位置に吸入口が形成されると共に、前記本体ケースの上面には第1吹出口が形成されている。そして、前記ファンの駆動に基づき前記吸入口を介して加湿用の空気(室内の環境空気)が本体ケース内に吸入され、その空気がフィルタを透過することにより加湿された後、第1吹出口を介して室内へ吹き出されるようになっている。
また、前記本体ケース内には、前記小円形水槽内の水を加熱するための加熱部(例えばヒータ)が設けられている。この加熱部は、小円形水槽内の水を加熱することにより水蒸気として蒸発させ、その水蒸気を加熱部の上方に形成された第2吹出口を介して本体ケース外に吹き出させるようになっている。すなわち、前記加湿装置では、フィルタ通過時の水の気化潜熱によって温度低下した空気が第1吹出口から吹き出される一方、加熱部の加熱作用に基づき温度上昇した空気(水蒸気)が第2吹出口から吹き出されるようになっている。そして、前記加湿装置では、温度が相対的に低い空気(第1吹出口から吹き出された空気)と温度が相対的に高い空気(第2吹出口から吹き出された水蒸気)とを加湿装置の本体ケース外(すなわち、室内空間中)で中和させることにより、加湿装置が設置されたスペース内(室内)の温度の低下を抑制しつつ空気を加湿するようにしていた。
特開2001−336791号公報(請求項1、図1)
ところで、近時は、消費電力量の低い加湿装置が希求される傾向にある。特に、航空機などのように使用できる電力量が限られているところでは、加湿装置の消費電力量を低下させることが必要である。ところが、特許文献1の加湿装置では、消費電力が多大となる加熱部を駆動させることにより、小円形水槽内の水を蒸発(加熱)させていた。すなわち、特許文献1の加湿装置では、加湿される空気の温度低下を抑制しつつ所望する加湿性能を得るためには、非常に多くの電力を消費してしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、加湿に伴う温度低下を消費電力量が多大なヒータなどを用いることなく最小限に抑制でき、省エネルギー化を図りつつ良好な加湿性能を得ることができる加湿装置、加湿システム、及び座席専用空調装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、加湿装置に係る請求項1に記載の発明は、加湿用の空気が通過する空気流路上に、前記空気を加湿する加湿ユニットと、前記空気及び該空気を加湿するための水分のうち少なくとも一方と熱交換する熱交換ユニットとを配置したことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の加湿装置において、前記加湿ユニットには水分により湿潤状態とされる加湿部を前記空気が接触して通過するように設ける一方、前記熱交換ユニットには熱交換用の気体を通過させる気体流路が前記空気流路と仕切形成された熱交換部を設け、当該熱交換部を、前記空気流路を前記空気が通過すると共に前記気体流路を前記気体が通過する際に、当該気体が前記空気及び前記加湿部に含まれる水分のうち少なくとも一方と熱交換する配置構成としたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の加湿装置において、前記加湿部は、前記加湿ユニットに装着された吸水性を有するフィルタからなり、当該フィルタに対して水分供給手段から水分供給がなされるように構成されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の加湿装置において、前記加湿部は、前記加湿ユニット内に加湿用水を導入する水分供給流路と前記空気流路との間を仕切る防水透湿膜により構成されていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のうち何れか一項に記載の加湿装置において、前記熱交換部は、内側空間が前記気体流路となる熱交換用筒状体により構成され、当該熱交換用筒状体は、その外面が、前記空気流路を通過する加湿用の空気及び前記加湿部若しくは当該加湿部に供給される加湿用水のうち少なくとも一つと接触する配置態様とされていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項5のうち何れか一項に記載の加湿装置において、前記熱交換用の気体として、加湿用の空気と同様の装置周りの環境空気が使用されることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の加湿装置において、前記加湿ユニット及び熱交換ユニットは、前記空気流路の上流側から下流側へ、最上流側には加湿ユニットが配置される配置態様で、交互に配置されていることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の加湿装置において、前記加湿ユニット及び熱交換ユニットは、前記空気流路の上流側から下流側へ、当該空気流路に沿って平行な配置態様となるように配置されていることを特徴とする。
一方、加湿システムに係る請求項9に記載の発明は、室内の一部に加湿対象スペースを仕切形成するパーティションに請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の加湿装置が装備され、該加湿装置で加湿した空気により、室内全域のうち前記パーティションが仕切形成する加湿対象スペース単位での湿度調整を可能としたことを特徴とする。
さらに、座席専用空調装置に係る請求項10に記載の発明は、シートとは別体構成であって該シートと共に座席装置を構成するシート周りモジュールに請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の加湿装置が装備され、該加湿装置で加湿した空気により、前記シート周りモジュールが対応する座席装置単位での湿度調整を可能としたことを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の座席専用空調装置において、前記シート周りモジュールは、該シート周りモジュールが対応する座席装置のシートの周りに配置されて該シートの周辺に前記座席装置の専用スペースを仕切形成するパーティションであることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の座席専用空調装置において、前記パーティションには、該パーティションが仕切形成する前記座席装置の専用スペースを上方から覆うことが可能なカバー部材が装備されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、加湿用の空気(加湿前空気)は、空気流路を通過する際に加湿ユニットによって加湿されると、その際の気化潜熱により温度が低下することになる。しかし、その温度低下の度合いは、加湿ユニットと共に空気流路上に配置されている熱交換ユニットが、加湿ユニットにより加湿された空気及び該空気を加湿するための水分のうち少なくとも一方と熱交換するため、温度低下の抑制された空気(加湿後空気)が得られるようになる。したがって、加湿に伴う温度低下を消費電力量が多大なヒータなどを用いることなく最小限に抑制でき、省エネルギー化を図りつつ良好な加湿性能を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、熱交換ユニットの熱交換部において、気体流路を通過する熱交換用の気体が、空気流路を通過する空気と混じり合うことなく、該空気及び加湿部に含まれる水分のうち少なくとも一方と熱交換することにより、加湿ユニットの加湿作用によって加湿用の空気が温度低下する程度を好適に抑制できる。
請求項3に記載の発明によれば、水分供給手段から供給される水分によってフィルタは常に湿潤状態とされるため、そのフィルタにて加湿ユニットを通過する加湿用の空気を確実に加湿できると共に、そのようなフィルタが劣化したような場合には、当該フィルタを交換装着することで容易にメンテナンスすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、水分供給流路を介して加湿用水を加湿ユニットへ導入すれば、その加湿用水が防水透湿膜を介して迅速に気化して空気流路内を通過する加湿用の空気を加湿するため、良好な加湿効率を簡単に得ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、熱交換用筒状体の外面が、空気流路を通過する加湿用の空気と接触する配置態様では気体−気体の熱交換となり、加湿部若しくは当該加湿部に供給される加湿用水と接触する配置態様では、気体−気体の熱交換よりも熱交換効率のよい気体−液体の熱交換となる。このように、上記構成によれば、熱交換ユニットでの設計自由度が広がると共に、気体−液体の熱交換となるように構成した場合には、加湿性能及び熱交換効率が共に高くなるため装置全体の小型化が容易になる。
請求項6に記載の発明によれば、熱交換用の気体として別途に高温気体等を使用せず、加湿用の空気と同様の装置周りの環境空気を使用するため、ランニングコストが嵩むこともない。
請求項7に記載の発明によれば、加湿ユニットを通過することで温度低下して相対湿度が高くなった加湿用の空気は、次に熱交換ユニットを通過することで温度上昇して相対湿度が低くなる。したがって、再び加湿ユニットを通過する際には更なる加湿が促進され、その結果、加湿用の空気における絶対湿度を容易に高くできるようになり、高い加湿性能を得ることができる。
請求項8に記載の発明によれば、加湿ユニットによる加湿用の空気に対する加湿作用(気化潜熱により温度を低下させる作用)と熱交換ユニットによる熱交換作用(加湿用の空気の温度低下抑制作用)が同時進行的に行われることになるため、空気流路を通過する途中で加湿用の空気の温度変化を最小限にできる。
請求項9に記載の発明によれば、加湿装置は、室内全域よりも狭い空間域となるように仕切形成された加湿対象スペースの加湿を図ることになるため、その加湿効率を消費電力の低減を図りつつ好適に向上することができる。
請求項10に記載の発明によれば、加湿装置がシートと共に座席装置を構成するシート周りモジュールに装備されているので、該シート周りモジュールが対応する座席装置単位での環境空気の加湿を図ることができる。
請求項11に記載の発明によれば、シート周りモジュールが座席装置の専用スペースを仕切形成するパーティションであるため、座席装置単位での環境空気の加湿効率を消費電力の低減を図りつつ好適に向上することができる。
請求項12に記載の発明によれば、パーティションにより仕切形成された専用スペースの上方がカバー部材により覆われた場合、その専用スペースは、厳密な意味での密閉空間とはならないが、一種の小容量閉空間となる。したがって、そのような小容量閉空間の環境空気を加湿することになる加湿装置では、より一層、その消費電力を低減することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を、航空機におけるファーストクラスの客室に設置される一人掛けの座席装置が有する座席専用空調装置(加湿システム)及び該座席専用空調装置に設けられる加湿装置に具体化した第1の実施形態を図1〜図6に従って説明する。
以下、本発明を、航空機におけるファーストクラスの客室に設置される一人掛けの座席装置が有する座席専用空調装置(加湿システム)及び該座席専用空調装置に設けられる加湿装置に具体化した第1の実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1(a)(b)に示すように、本実施形態の座席装置10は、一人掛けのシート11と、該シート11とは別体構成で該シート11と共に座席装置10を構成するパーティション(シート周りモジュール)12とを備えている。このパーティション12は、前記シート11の後側に位置する後側壁12aと、前記シート11の右側に位置する右側壁12bと、前記シート11の左側に位置する左側壁12cとを備え、平面視略U字状をなすように形成されている。そして、前記パーティション12は、その後側壁12aと左右の両側壁12b,12cが前記シート11の後方及び左右両側を覆うようにしてシート11周りに配置されることにより、該シート11の周辺に前記座席装置10の専用スペースSを加湿対象スペースとして仕切形成するようになっている。航空機におけるファーストクラスの客室(図示略)内には、上記のような座席装置10が客室内全域よりも狭い空間域となる前記専用スペースSをパーティション12により仕切形成された状態で多数設置されている。
前記シート11は、図示しないスライド機構を介して前後方向へのスライド移動自在とされたシート基部13を備えており、該シート基部13の上にクッション材からなる座部14が設けられている。座部14の後側縁には背もたれとして機能するバックレスト15が、その下端部を支点として前後方向へ傾動自在に設けられており、バックレスト15の上端部にはヘッドレスト16が設けられている。また、前記座部14の前側縁にはレッグレスト17が、その上端部を支点として前後方向への傾動自在に設けられ、座部14の左右両側縁にはアームレスト18がそれぞれ設けられている。
そして、本実施形態の座席装置10では、前記シート11が、バックレスト15を略直立とする通常状態、その通常状態からバックレスト15が後方へ所定角度だけ傾倒されるリクライニング状態、及びそのリクライニング状態からバックレスト15が更に後方へ傾倒されて略水平となるベッド状態という3つのシート態様を取り得るようになっている。また、パーティション12における右側壁12bの内面側においてシート11のバックレスト15と対応する高さ位置には空気吹出口19が設けられている。なお、図示はしないが、パーティション12における左側壁12cの内面側にも前記空気吹出口19と同様の空気吹出口が設けられている。
また、前記座席装置10には、パーティション12の内側に形成された前記専用スペースSを上方から覆うことが可能なカバー部材20が装備されている。このカバー部材20は、座席装置10の利用者Mの操作に基づき、前記専用スペースSを上方から覆ったり(図1(b)参照)、専用スペースSを外部に開放したり(図1(a)参照)できるようになっている。そして、カバー部材20が前記専用スペースSを上方から覆った場合、該専用スペースSは、一種の小容量閉空間となり、その内部の雰囲気(温度や湿度)がある程度維持されるようになっている。
図1(b)に示すように、前記パーティション12には、後側壁12aの内部に中空部21が形成されており、該中空部21は、その下部が前面側へ膨出されて直方体形状のユニット収容室21aとされている。そして、このユニット収容室21a内には、前記専用スペースS内を加湿するための加湿装置22(図2参照)を内蔵したユニットボックス23が配置されると共に、該ユニットボックス23の後面側と対応する位置で後側壁12aの後面側には、前記ユニット収容室21a内への空気の吸い込みを可能とする空気取入口24が設けられている。前記ユニットボックス23の上面からはユニット収容室21a内で後方へ屈曲した後に後側壁12aの中空部21内を上方へ延びるように空気導管25が延設されている。この空気導管25は、前記左右の各空気吹出口19に連結されている。そして、本実施形態では、前記加湿装置22及びパーティション12により、該パーティション12が対応する座席装置10単位での雰囲気環境の調整を可能とする座席専用空調装置(加湿システム)10Aが構成されている。
次に、本実施形態の加湿装置22について図2〜図6に基づき以下説明する。なお、以降の記載において、「左右方向」及び「前後方向」は図2における「左右方向」及び「前後方向」を示すものとする。
図2に示すように、本実施形態の加湿装置22は、略直方体状をなす本体ケース26を備えており、該本体ケース26内には複数(本実施形態では3つ)の加湿ユニット27A,27B,27Cと複数(本実施形態では2つ)の熱交換ユニット28A,28Bとが設けられている。また、本体ケース26内において最左端側となる位置には加湿用ファン29(図3参照)を収容する加湿用送風ユニット30が設けられると共に、本体ケース26の後面側には熱交換用ファン(図示略)を収容する熱交換用送風ユニット31が前記各熱交換ユニット28A,28Bと個別対応するように複数(本実施形態では2つ)設けられている。
図2及び図3に示すように、前記本体ケース26の右側面には、前記パーティション12の後側壁12aに形成された空気取入口24を介して前記ユニット収容室21a内に流入した客室内の環境空気たる加湿用の空気(以下、「加湿用空気」と示す。)を本体ケース26内に吸入するための加湿用吸入口32が形成されている。また、本体ケース26の上面において前記加湿用送風ユニット30の上方となる位置には、前記本体ケース26内から加湿用空気を外部に吹き出すための加湿用吹出口33が設けられている。
さらに、前記本体ケース26の前面には、該本体ケース26内に熱交換用の気体となる空気(以下、「熱交換用空気」と示す。)を吸入するための熱交換用吸入口34が前記各熱交換ユニット28A,28Bと個別対応するように複数(本実施形態では2つ)形成されている。そして、本体ケース26の後面側において前記熱交換用送風ユニット31の後面には、前記本体ケース26内から熱交換用空気を外部に吹き出すための熱交換用吹出口(図示略)が複数(本実施形態では合計2つ)形成されている。
また、前記本体ケース26内において、各加湿ユニット27A〜27C及び各熱交換ユニット28A,28Bは、加湿用吸入口32側(上流側)から加湿用吹出口33側(下流側)へ、最右端側(最上流側)には第1加湿ユニット27Aが配置される配置態様で、交互に配置されている。すなわち、本体ケース26内には、右側から左側へ、第1加湿ユニット27A、第1熱交換ユニット28A、第2加湿ユニット27B、第2熱交換ユニット28B及び第3加湿ユニット27Cの順で、前記各ユニット27A〜27C,28A,28Bが連続するように配置されている。
前記各加湿ユニット27A〜27Cは、ユニット用ケース35をそれぞれ備えており、該各ユニット用ケース35の左右両側面には前記加湿用吸入口32と略同一形状をなす開口35aがそれぞれ形成されている。各ユニット用ケース35内には、蛇行形状をなす配水管36がそれぞれ収容されており、該各配水管36内には、本体ケース26外に配設された水分補給タンク(水分供給手段)WTを介して加湿用水(水分)が供給されるようになっている。各配水管36は防水透湿機能を有する素材にて形成されており、本実施形態では、前記各配水管36(特に、防水透湿機能を有する素材にて形成された管壁)が加湿用水により湿潤状態とされる加湿部として機能する構成とされている。
そして、前記加湿用ファン29の駆動に基づき前記加湿用吸入口32から本体ケース26内に吸入された加湿用空気は、各加湿ユニット27A〜27C内を通過する際、図3に示すように、各ユニット用ケース35内の蛇行した配水管36の隙間36aを通過するようになっている。その際に、配水管36内の加湿用水(水分)は、その一部が気化することにより配水管36外へ透過し、加湿ユニット27A〜27C内を通過する加湿用空気と共に加湿用吹出口33側(下流側)へ流動するようになる。そして、前記加湿用空気は、各加湿ユニット27A〜27Cにおいてユニット用ケース35内の前記配水管36の隙間36aを通過することにより加湿され、その際に、前記加湿用水の気化潜熱によって、その温度が低下することになる。
一方、前記各熱交換ユニット28A,28Bには、複数本(本実施形態では2本)の扁平管37と複数(本実施形態では3つ)の熱交換用フィン(例えばコルゲートフィン)38とが積層状態をなすようにそれぞれ配設されており、各扁平管37及び各熱交換用フィン38は、金属材料(例えば、アルミニウム)により形成されている。前記各扁平管37は、その内側の管路37aが左右方向に沿うように配設されており、該管路37a内を上流側の加湿ユニット(例えば第1加湿ユニット27A)から流入した加湿用空気が通過するようになっている。
すなわち、本実施形態では、前記各加湿ユニット27A〜27Cにおける蛇行した各配水管36の隙間36a及び前記各熱交換ユニット28A,28Bにおける各扁平管37の管路37aにより、加湿用吸入口32から加湿用吹出口33に向けて加湿用空気が通過する加湿用空気通路(空気流路)Pが形成されている。そして、この加湿用空気通路P上に(すなわち、その通路方向に沿って)、前述した各加湿ユニット27A〜27C及び各熱交換ユニット28A,28Bは、加湿用空気の通過方向の上流側から下流側へ交互に配置されている。
その一方で、前記各熱交換用ファンの駆動に基づき前記各熱交換用吸入口34から本体ケース26内に吸入された熱交換用空気は、各熱交換ユニット28A,28B内を通過する際、各熱交換用フィン38を収容配置して前後方向に延びる熱交換用空気通路(気体流路)39内を後方に向けて通過するようになっている。この熱交換用空気通路39は、各熱交換ユニット28A、28B内において、前記各扁平管37の管路37a(加湿用空気通路P)と各扁平管37の管壁で仕切形成されており、管路37a(加湿用空気通路P)内を通過する加湿用空気と熱交換用空気通路39内を通過する熱交換用空気とが混ざらないようにしている。そして、前記扁平管37の管路37a内を加湿用空気が通過すると共に前記熱交換用空気通路39内を熱交換用空気が通過する際に、該熱交換用空気が各熱交換用フィン38及び各扁平管37の管壁を介して各扁平管37の管路37a内を通過する加湿用空気と熱交換するようになっている。
このように、本実施形態おいて、加湿用空気は、前記加湿用空気通路P内を上流側から下流側へ通過する際に、各加湿ユニット27A〜27Cでの加湿作用と各熱交換ユニット28A,28Bでの熱交換作用を交互に受けるようになっている。すなわち、加湿用空気は、各加湿ユニット27A〜27Cで加湿されて温度低下した後、各熱交換ユニット28A,28Bにおいて各扁平管37の管路37a内を通過する際に、各扁平管37の管壁及び各熱交換用フィン38を介して熱交換用空気と熱交換することにより、その温度が上昇するようになっている。そして、本実施形態では、前記各扁平管37の管壁が熱交換ユニット28A,28Bにおいて熱交換用空気通路(気体流路)39を加湿用空気通路P(管路37a)と仕切形成する熱交換部として機能するように構成されている。
ここで、本実施形態の加湿装置22との対比の便宜上、従来技術に相当する比較例の加湿装置の構成及びその作用について、図4及び図5を参照しながら説明する。
図4に示すように、この比較例の加湿装置50には、図4における右側から左側に向けて順に加熱器(ヒータ等の熱源)51と、加湿ユニット(本実施形態の各加湿ユニット27A〜28Cに相当する)52と、加湿用ファン53とが設けられている。そして、加湿用ファン53の駆動に基づいて、加湿装置50の右端に形成された吸入口(図示略)を介して加湿用空気が加湿装置50内に吸入され、加湿装置50内を通過した加湿用空気が吹出口54を介して加湿装置50外に吹き出されるようになっている。
図4に示すように、この比較例の加湿装置50には、図4における右側から左側に向けて順に加熱器(ヒータ等の熱源)51と、加湿ユニット(本実施形態の各加湿ユニット27A〜28Cに相当する)52と、加湿用ファン53とが設けられている。そして、加湿用ファン53の駆動に基づいて、加湿装置50の右端に形成された吸入口(図示略)を介して加湿用空気が加湿装置50内に吸入され、加湿装置50内を通過した加湿用空気が吹出口54を介して加湿装置50外に吹き出されるようになっている。
前記加熱器51は、その駆動に基づいて、図5(a)に示すように、該加熱器51内を通過する加湿用空気を所定温度まで昇温させる。この際に、加熱器51内においては、図5(b)に示すように、加湿用空気が加湿されることはない。そのため、加湿用空気は、加熱器51内にて昇温されても加湿されることはないから、図5(c)に示すように、その相対湿度が加熱器51内に吸入される直前に比して低下する。
そして次に、前記加熱器51によって所定温度まで昇温された加湿用空気は、前記加湿ユニット52内を通過する際に加湿される。すなわち、加湿用空気は、加湿ユニット52内を通過する際に、その水分含有量(絶対湿度)が次第に増加する(図5(b)参照)。この際に、加湿用空気は、加湿用水の気化潜熱に基づき、水分含有量が増加するにつれて、その温度が次第に低下する(図5(a)参照)。そして、加湿用空気は、加湿ユニット52内にて加湿されつつ温度が低下することになるから、その相対湿度が加湿ユニット52内に吸入される直前に比して上昇する(図5(c)参照)。
そして、加湿ユニット52内を通過した加湿用空気は、その水分含有量が所定量に到達すると共に、その温度が加湿装置50内に吸入される直前の温度と略同一の温度(若干低い温度)となり、その後、吹出口54から吹き出される。しかし、比較例の加湿装置50では、図5(d)に示すように、前記加熱器51内にて加湿用空気を加熱するために、トータルの消費電力量が多くなっている。
そこで次に、上記比較例の加湿装置50に比して加湿性能が優れる本実施形態の加湿装置22の作用について図6に基づき以下説明する。
さて、加湿装置22の本体ケース26内には、加湿用ファン29の駆動に基づき加湿前の加湿用空気が加湿用吸入口32を介して吸入され、各熱交換ユニット28A,28Bの熱交換用空気通路39内には、各熱交換用ファンの駆動に基づき熱交換前の熱交換用空気が各熱交換用吸入口34を介して吸入される。そして、加湿用空気は、第1加湿ユニット27A内を、該第1加湿ユニット27A内における配水管36の隙間36aを縫うように通過し、その際に、加湿される。すなわち、加湿用空気は、図6(b)に示すように、該加湿用空気内に含まれる水分含有量(絶対湿度)が次第に増加すると共に、図6(a)に示すように、その温度が加湿用水の気化潜熱によって低下する。また、第1加湿ユニット27A内を通過した加湿用空気は、図6(c)に示すように、その相対湿度が飽和するため、この時点の加湿用空気の温度においてさらに加湿されることはない。
さて、加湿装置22の本体ケース26内には、加湿用ファン29の駆動に基づき加湿前の加湿用空気が加湿用吸入口32を介して吸入され、各熱交換ユニット28A,28Bの熱交換用空気通路39内には、各熱交換用ファンの駆動に基づき熱交換前の熱交換用空気が各熱交換用吸入口34を介して吸入される。そして、加湿用空気は、第1加湿ユニット27A内を、該第1加湿ユニット27A内における配水管36の隙間36aを縫うように通過し、その際に、加湿される。すなわち、加湿用空気は、図6(b)に示すように、該加湿用空気内に含まれる水分含有量(絶対湿度)が次第に増加すると共に、図6(a)に示すように、その温度が加湿用水の気化潜熱によって低下する。また、第1加湿ユニット27A内を通過した加湿用空気は、図6(c)に示すように、その相対湿度が飽和するため、この時点の加湿用空気の温度においてさらに加湿されることはない。
そして次に、前記第1加湿ユニット27A内を通過した加湿用空気は、第1熱交換ユニット28A内に流入する。すると、熱交換用空気通路39内を通過する熱交換用空気の温度の方が前記第1加湿ユニット27A内を通過した後の加湿用空気の温度よりも高温であるため、各扁平管37の管路37a内を通過する加湿用空気は前記熱交換用空気との熱交換により昇温させられる(図6(a)参照)。
また、この場合、加湿用空気は、第1熱交換ユニット28A(各扁平管37)内を通過する際に加湿されないため、その水分含有量が増加することはない(図6(b)参照)。そして、この際に、加湿用空気は、その温度が上昇しても水分含有量が一定であることから、その相対湿度が低下する(図6(c)参照)。そして、このように第1熱交換ユニット28A内を通過した加湿用空気は、第1熱交換ユニット28A内に流入する直前の加湿用空気の温度よりも高温であって、且つ本体ケース26内に吸入される直前の加湿用空気(加湿前の加湿用空気)の温度よりも僅かに低温になる。
そして次に、前記第1熱交換ユニット28A内を通過した加湿用空気は、第2加湿ユニット27B内を、該第2加湿ユニット27B内における配水管36の隙間36aを縫うように通過し、その際に、加湿される。すなわち、加湿用空気は、該加湿用空気内に含まれる水分含有量が次第に増加する(図6(b)参照)と共に、その温度が加湿用水の気化潜熱によって低下する(図6(a)参照)。ただし、第2加湿ユニット27B内を通過した加湿用空気は、含有水分の増加量が前記第1加湿ユニット27A内を通過したときに比して少量であるため、第1加湿ユニット27A内を通過した時点の加湿用空気よりも高温となる。また、第2加湿ユニット27B内を通過した加湿用空気は、その相対湿度が飽和する(図6(c)参照)。
そして次に、前記第2加湿ユニット27B内を通過した加湿用空気は、第2熱交換ユニット28B内に流入する。すると、熱交換用空気通路39内を通過する熱交換用空気の温度の方が前記第2加湿ユニット27B内を通過した後の加湿用空気の温度よりも高温であるため、各扁平管37の管路37a内を通過する加湿用空気は前記熱交換用空気との熱交換により昇温させられる(図6(a)参照)。
また、この場合、加湿用空気は、第2熱交換ユニット28B内を通過する際には加湿されないため、その水分含有量が増加することはない(図6(b)参照)。そして、この際に、加湿用空気は、その温度が上昇しても水分含有量が一定であることから、その相対湿度が低下する(図6(c)参照)。そして、このように第2熱交換ユニット28B内を通過した加湿用空気は、第2熱交換ユニット28B内に流入する直前の加湿用空気の温度よりも高温であって、且つ本体ケース26内に吸入される直前の加湿用空気(加湿前の加湿用空気)の温度よりも僅かに低温になる。
そして次に、前記第2熱交換ユニット28B内を通過した加湿用空気は、第3加湿ユニット27C内を、該第3加湿ユニット27C内における配水管36の隙間36aを縫うように通過し、その際に、加湿される。すなわち、加湿用空気は、該加湿用空気内に含まれる水分含有量が次第に増加する(図6(b)参照)と共に、その温度が加湿用水の気化潜熱によって低下する(図6(a)参照)。そして、第3加湿ユニット27C内を通過した加湿用空気は、含有水分の増加量が前記第2加湿ユニット27B内を通過したときに比して少量であるため、第2加湿ユニット27B内を通過した時点の加湿用空気よりも高温となる。したがって、加湿用空気は、上記のように充分に加湿されても、その温度が本体ケース26内に吸入される直前の加湿用空気の温度と略同一の温度(加湿装置22にて加湿される前よりも5℃程度低い温度)とされる。
そして、第3加湿ユニット27C内を通過した加湿用空気は、前記本体ケース26内から加湿用吹出口33を介して加湿装置22外に吹き出され、空気導管25及び空気吹出口19を介して専用スペースS内に吹き出される。そのため、この専用スペースS内が乾燥することが、良好に抑制される。また、本実施形態の加湿装置22においては、加湿用水の気化潜熱に基づく加湿用空気の温度低下が、上記比較例の加湿装置50の場合とは異なり、ヒータなどの熱源を利用することなく抑制される。したがって、図6(d)に示すように、加湿装置22の消費電力量が比較例の加湿装置50に比して良好に低減される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)加湿用空気(加湿用の空気)は、各加湿ユニット27A〜27Cにおいて各配水管36の隙間(空気流路)36aを通過する際に、防水透湿膜からなる各配水管36の管壁に接触するため、該各配水管36の管壁を透過した加湿用水(水分)を含有することにより加湿され、その際の加湿用水の気化潜熱により温度が低下することになる。しかし、加湿用水の気化潜熱に基づく加湿用空気の温度低下の度合いは、各熱交換ユニット28A,28Bにおいて熱交換用空気が加湿用空気(加湿されて温度低下した加湿用空気)と熱交換するため、温度低下の抑制された加湿後の加湿用空気が得られるようになる。したがって、加湿に伴う温度低下を消費電力量が多大なヒータ等を用いることなく最小限に抑制でき、省エネルギー化を図りつつ良好な加湿性能を得ることができる。
(1)加湿用空気(加湿用の空気)は、各加湿ユニット27A〜27Cにおいて各配水管36の隙間(空気流路)36aを通過する際に、防水透湿膜からなる各配水管36の管壁に接触するため、該各配水管36の管壁を透過した加湿用水(水分)を含有することにより加湿され、その際の加湿用水の気化潜熱により温度が低下することになる。しかし、加湿用水の気化潜熱に基づく加湿用空気の温度低下の度合いは、各熱交換ユニット28A,28Bにおいて熱交換用空気が加湿用空気(加湿されて温度低下した加湿用空気)と熱交換するため、温度低下の抑制された加湿後の加湿用空気が得られるようになる。したがって、加湿に伴う温度低下を消費電力量が多大なヒータ等を用いることなく最小限に抑制でき、省エネルギー化を図りつつ良好な加湿性能を得ることができる。
(2)熱交換ユニット28A,28Bの各扁平管(熱交換部)37において、各熱交換用空気通路(気体流路)39を通過する熱交換用空気が、各扁平管37の管路(空気流路)37aを通過する加湿用空気と混じり合うことはない。そのため、加湿用空気と熱交換することにより、加湿ユニット27A〜27Cの加湿作用によって加湿用空気が温度低下する程度を好適に抑制できる。
(3)熱交換前の熱交換用空気(熱交換用の気体)は、その温度が加湿前の加湿用空気の温度と同じであるため、本実施形態の加湿装置22においては、熱交換用空気の熱交換作用により、加湿される前の加湿用空気の温度とほぼ同じ温度の加湿用空気(加湿後の加湿用空気)を得ることができる。
(4)前記熱交換用気体として、熱交換用の気体として別途に高温ガス等を使用せずに、加湿用空気でもある客室内の環境空気を使用するため、ランニングコストが嵩むこともない。
(5)加湿ユニット27A〜27Cを通過することで温度低下して相対湿度が高くなった加湿用空気は、次に熱交換ユニット28A,28Bを通過することで温度上昇して相対湿度が低くなる。そのため、再び加湿ユニット27A〜27Cを通過する際には更なる加湿が促進され、その結果、加湿用空気における絶対湿度(水分含有量)を容易に高くできるようになり、高い加湿性能を得ることができる。
(6)本実施形態の加湿装置22はシート11と共に座席装置10を構成するパーティション(シート周りモジュール)12に装備されているので、該パーティション12が対応する座席装置10単位での環境空気の加湿を図ることができる。また、換言すると、パーティション12により客室内全域よりも狭い空間域に仕切形成された専用スペース(加湿対象スペース)Sの加湿を図ることになるため、その加湿効率を消費電力の低減を図りつつ好適に向上することができる。
(7)シート周りモジュールを構成するパーティション12により仕切形成された座席装置10の専用スペースSは、該専用スペースSの上方がカバー部材20により覆われた場合、厳密な意味での密閉空間とはならないが、一種の小容量閉空間となる。したがって、そのような小容量閉空間の環境空気を加湿することになる加湿装置22では、より一層、その消費電力を低減することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図7〜図9に従って説明する。なお、第2の実施形態は、加湿装置の構成が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分(すなわち、加湿装置)について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。また、以降の記載において、「左右方向」及び「前後方向」は図7における「左右方向」及び「前後方向」を示すものとする。
次に、本発明の第2の実施形態を図7〜図9に従って説明する。なお、第2の実施形態は、加湿装置の構成が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分(すなわち、加湿装置)について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。また、以降の記載において、「左右方向」及び「前後方向」は図7における「左右方向」及び「前後方向」を示すものとする。
図7及び図8に示すように、本実施形態の加湿装置60は、下側が開口した略直方体状をなす金属製(例えば、アルミニウム製)の本体ケース61と、該本体ケース61の下側に接合されて加湿用水Wを貯留する加湿用水タンク(水分供給手段)62とを備えている。前記本体ケース61内において最左端側となる位置には加湿用ファン29(図8参照)を収容する加湿用送風ユニット30が設けられると共に、本体ケース61の後面側には熱交換用ファン(図示略)を収容する熱交換用送風ユニット31が配設されている。また、前記本体ケース61の右側面には加湿用吸入口32が形成されると共に、本体ケース61の上面において前記加湿用送風ユニット30の上方となる位置には、前記本体ケース61内から加湿用空気を外部に吹き出すための加湿用吹出口33が設けられている。
前記本体ケース61の前面側及び後面側には、それぞれ複数個(本実施形態では各45個ずつ)の貫通孔61aが左右方向及び上下方向に整列した状態で形成されている。これら前面側及び後面側の各貫通孔61aに前後両端を挿通支持されるようにして、本体ケース61内には、略円筒形状をなす金属製(例えば、アルミニウム製)の熱交換用パイプ63が複数本(本実施形態では45本)設けられている。そして、前記熱交換用送風ユニット31の熱交換用ファンが駆動された場合には、本体ケース61の前面側から熱交換用空気が前記各熱交換用パイプ63の内側空間(気体流路)63aを後面側に向けて通過するようになっている。なお、以下の説明においては、上下方向に整列する各熱交換用パイプ63の集合体のことを、「熱交換用パイプ列63A」と示すものとする。
前記本体ケース61内には、複数(本実施形態では9つ)の熱交換用パイプ列63Aが形成されており、互いに隣り合う熱交換用パイプ列63Aの間には、吸水性を有する加湿用フィルタ64がそれぞれ介装されている。各加湿用フィルタ64は、左右方向で隣接する熱交換用パイプ63の外面63b間に挟持された状態で本体ケース61内に保持されている。また、各加湿用フィルタ64は、その下端部が前記加湿用水タンク62内の加湿用水Wに浸されており、その吸水作用(「毛細管現象」ともいう。)によって常に加湿用水Wを吸い込んだ湿潤状態にある。すなわち、本実施形態では、この加湿用フィルタ64により、加湿ユニット及び加湿部が構成されている。
そして、前記加湿用ファン29の駆動に基づき本体ケース61内に吸入された加湿用空気は、本体ケース61内において上下方向に間隔をおいて並ぶ各熱交換用パイプ63の隙間に形成される空気流路としての加湿用空気通路(図8にて一点鎖線で示す。)65を右側から左側に向けて通過するようになっている。そして、加湿用空気は、各加湿用フィルタ64を透過(通過)する度に、該各加湿用フィルタ64を湿潤している加湿用水Wとの接触により加湿されると共に、各熱交換用パイプ63の外面63bと接触するように加湿用空気通路65を通過する度に、各熱交換用パイプ63の内側空間63aを通過する熱交換用空気と熱交換するようになっている。したがって、本実施形態では、前記各熱交換用パイプ63が、その外面63bが加湿用空気通路65を通過する加湿用空気及び加湿用フィルタ64と接触する熱交換用筒状体、及び、その内側空間63aが気体流路とされる熱交換部として機能するようになっている。
次に、本実施形態の加湿装置60の作用について図9に基づき以下説明する。
さて、加湿装置60の本体ケース61内には、加湿用ファン29の駆動に基づき加湿前の加湿用空気が加湿用吸入口32を介して吸入され、加湿装置60の各熱交換用パイプ63内には、熱交換用ファンの駆動に基づき熱交換前の熱交換用空気が供給される。すると、この熱交換用空気は、各熱交換用パイプ63内の内側空間63aを通過する際に、加湿用空気通路65を通過する加湿用空気と熱交換すると共に、各加湿用フィルタ64(加湿用フィルタ64内の加湿用水W)と熱交換し、該各加湿用フィルタ64に吸収されている加湿用水Wは、その温度が熱交換前の熱交換用空気と略同一の温度にまで上昇する。
さて、加湿装置60の本体ケース61内には、加湿用ファン29の駆動に基づき加湿前の加湿用空気が加湿用吸入口32を介して吸入され、加湿装置60の各熱交換用パイプ63内には、熱交換用ファンの駆動に基づき熱交換前の熱交換用空気が供給される。すると、この熱交換用空気は、各熱交換用パイプ63内の内側空間63aを通過する際に、加湿用空気通路65を通過する加湿用空気と熱交換すると共に、各加湿用フィルタ64(加湿用フィルタ64内の加湿用水W)と熱交換し、該各加湿用フィルタ64に吸収されている加湿用水Wは、その温度が熱交換前の熱交換用空気と略同一の温度にまで上昇する。
この状態で、前記加湿用ファン29の駆動に基づき本体ケース61内に供給された加湿用空気は、加湿用空気通路65内を通過する際に、加湿用フィルタ64を透過することにより加湿される。すなわち、図9(b)に示すように、加湿用空気内に含まれる水分含有量(絶対湿度)が増加すると共に、図9(c)に示すように、加湿用空気の相対湿度は上昇する。また、この場合、図9(a)に示すように、加湿用水Wの気化潜熱に基づき、加湿用空気は、その温度が低下する。ただし、加湿用水Wも熱交換用空気との熱交換により温度が上昇させられているため、その温度低下の度合いは、前記第1の実施形態の場合よりも小さなものとなる。
そして次に、加湿用フィルタ64を透過した加湿用空気は、上下方向に整列された各熱交換用パイプ63間(加湿用空気通路65)を通過する。すると、各熱交換用パイプ63の内側空間63aを通過する熱交換用空気の温度の方が加湿用空気通路65を通過する加湿用空気の温度よりも高温であるため、各加湿用空気通路65を通過する加湿用空気は前記熱交換用空気との熱交換により昇温させられる(図9(a)参照)。そして、この際に、加湿用空気は、加湿されないため、その水分含有量が増加しない(図9(b)参照)と共に、その相対湿度が低下する(図9(c)参照)。そして、各熱交換用パイプ63によって昇温された加湿用空気は、次の加湿用フィルタ64を透過する。
このように、加湿用フィルタ64による加湿作用、及び各熱交換用パイプ63による昇温作用が繰り返された加湿用空気には、所定量の水分が含まれると共に、その温度が本体ケース61内に吸入される前の加湿用空気の温度に比して略同一の温度(ほんの僅かだけ低い温度)にされる。そして、本体ケース61内を通過した加湿用空気は、前記加湿用吹出口33を介して加湿装置60外に吹き出され、空気導管25及び空気吹出口19を介して専用スペースS内に吹き出される。そのため、本実施形態の加湿装置60においては、加湿用水Wの気化潜熱に基づく加湿用空気の温度低下が、ヒータなどの熱源を利用することなく抑制される。したがって、図9(d)に示すように、加湿装置60の消費電力量が比較例の加湿装置50に比して良好に低減される。
本実施形態では、さらに以下に示す効果をも得ることができる。
(8)加湿用水タンク(水分供給手段)62から供給される加湿用水Wによって加湿用フィルタ64は常に湿潤状態とされる。そのため、加湿用フィルタ64を透過(通過)する加湿用空気を確実に加湿できると共に、そのような加湿用フィルタ64が劣化したような場合には、当該加湿用フィルタ64を交換装着することで容易にメンテナンスすることができる。
(8)加湿用水タンク(水分供給手段)62から供給される加湿用水Wによって加湿用フィルタ64は常に湿潤状態とされる。そのため、加湿用フィルタ64を透過(通過)する加湿用空気を確実に加湿できると共に、そのような加湿用フィルタ64が劣化したような場合には、当該加湿用フィルタ64を交換装着することで容易にメンテナンスすることができる。
(9)各熱交換用パイプ(熱交換用筒状体)63は、その外面63bが加湿用空気通路(空気流路)65を通過する加湿用空気と加湿用フィルタ(加湿部)64との両方に接触している。すなわち、各熱交換用パイプ63は、気体同士の熱交換よりも熱交換効率のよい気体(熱交換用空気)−液体(加湿用フィルタ64内の加湿用水W)の熱交換も行う。したがって、加湿効率及び熱交換効率を高くすることができることから、装置全体を小型化することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図10〜図12に従って説明する。なお、第3の実施形態は、加湿装置の構成が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分(すなわち、加湿装置)について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。また、以降の記載において、「左右方向」及び「前後方向」は図10における「左右方向」及び「前後方向」を示すものとする。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図10〜図12に従って説明する。なお、第3の実施形態は、加湿装置の構成が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分(すなわち、加湿装置)について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。また、以降の記載において、「左右方向」及び「前後方向」は図10における「左右方向」及び「前後方向」を示すものとする。
図10及び図11に示すように、本実施形態の加湿装置70は、略直方体状をなす金属製(例えば、アルミニウム製)の本体ケース71と加湿用水タンク(水分供給手段)72とを備えている。前記本体ケース71内において最左端側となる位置には加湿用ファン(図示略)を収容する加湿用送風ユニット30が配設されると共に、本体ケース71の後面側には熱交換用ファン31a(図11参照)を収容する熱交換用送風ユニット31が配設されている。また、前記本体ケース71の右側面には加湿用吸入口32が形成されると共に、本体ケース71の上面において前記加湿用送風ユニット30の上方となる位置には加湿用吹出口33が設けられている。また、本体ケース71の前面側には熱交換用吸入口34が形成されると共に、本体ケース71の後面側には前記熱交換用吸入口34と対応するように後面側開口71aが形成されている。そして、この本体ケース71の後面側開口71aと対応するように、熱交換用送風ユニット31の前面側には前面側開口31bが形成されると共に、その後面側には熱交換用吹出口31cが形成されている。
前記本体ケース71内には、金属製(例えば、アルミニウム製)の熱交換ユニットとしての熱交換器(熱交換部)73が複数(本実施形態では3つ)設けられており、該各熱交換器73は左右方向に沿うように配置されている。各熱交換器73は、2枚の熱交換用プレート74と側面視波形状をなす熱交換用フィン75とを備えており、各熱交換用プレート74が熱交換用フィン75を挟んだ状態となるように形成されている。そして、各熱交換用プレート74と熱交換用フィン75との間には、前後方向に延びる熱交換用空気通路(気体流路)76が形成されている。
前記各熱交換器73の間には、長板状をなすスペーサ77が複数配設されており、該各スペーサ77によって各熱交換器73の間には、加湿用空気通路(空気流路)78が確保されている。そして、加湿用ファン29の駆動に基づき本体ケース71内に吸入された加湿用空気は、各加湿用空気通路78内を通過して加湿用吹出口33から加湿装置70外へ吹き出されるようになっている。なお、各スペーサ77のうち最も熱交換用吸入口34側に配置されるスペーサ77は、熱交換用ファン31aの駆動に基づき本体ケース71内に吸入された熱交換用空気が各加湿用空気通路78内に入り込まないようにする仕切り機能を有している。
また、本体ケース71内には、前記加湿用水タンク72から給水管79が延設されており、該給水管79からは、本体ケース71内において複数本(本実施形態では2本)の断面略扁平状をなす分岐給水管(水分供給流路)79aが分岐形成されている。前記各分岐給水管79aは、前記各熱交換器73の下面73a(熱交換用プレート74の下面74a)に沿うように配置されており、各分岐給水管79aの管壁には複数の細孔(図示略)が形成されている。また、本体ケース71内(各熱交換器73の間)には、分岐給水管79aと加湿用空気通路78との間を仕切る防水透湿膜80が設けられており、分岐給水管79aの各細孔から吐出した加湿用水Wは、気化することにより防水透湿膜80を透過して加湿用空気通路78内に流入するようになっている。
すなわち、本実施形態では、前記防水透湿膜80により、加湿部及び加湿ユニットが構成されている。そして、この防水透湿膜80は、熱交換用プレート74の下面74aに沿うように配置されている。したがって、本実施形態では、加湿ユニットを構成する防水透湿膜80と熱交換ユニットを構成する熱交換器73(具体的には、その熱交換用プレート74)とが、加湿用空気通路78に沿って平行な配置態様(換言すると、加湿用空気通路78を両側から挟んで対向する配置態様)となるように配置されている。そして、この熱交換用空気は、各熱交換器73の熱交換用空気通路76を通過する際に、加湿用空気通路78を通過する加湿用空気と熱交換すると共に、各分岐給水管79a(分岐給水管79a内の加湿用水W)と熱交換し、該各分岐給水管79a内の加湿用水Wは、その温度が熱交換前の熱交換用空気と略同一の温度にまで上昇する。
次に、本実施形態の加湿装置70の作用について図12に基づき以下説明する。
さて、加湿装置70の本体ケース71内には、加湿用ファンの駆動に基づき加湿前の加湿用空気が加湿用吸入口32を介して吸入され、各熱交換器73内の熱交換用空気通路76には、熱交換用ファン31aの駆動に基づき熱交換前の熱交換用空気が熱交換用吸入口34を介して供給される。すると、この熱交換用空気は、各熱交換器73内の熱交換用空気通路76を通過する際に、加湿用空気通路78を通過する加湿用空気と熱交換すると共に、各分岐給水管79a内の加湿用水Wと熱交換し、該各分岐給水管79a内の加湿用水Wは、その温度が熱交換前の熱交換用空気と略同一の温度にまで上昇する。
さて、加湿装置70の本体ケース71内には、加湿用ファンの駆動に基づき加湿前の加湿用空気が加湿用吸入口32を介して吸入され、各熱交換器73内の熱交換用空気通路76には、熱交換用ファン31aの駆動に基づき熱交換前の熱交換用空気が熱交換用吸入口34を介して供給される。すると、この熱交換用空気は、各熱交換器73内の熱交換用空気通路76を通過する際に、加湿用空気通路78を通過する加湿用空気と熱交換すると共に、各分岐給水管79a内の加湿用水Wと熱交換し、該各分岐給水管79a内の加湿用水Wは、その温度が熱交換前の熱交換用空気と略同一の温度にまで上昇する。
そして、本実施形態では、この昇温された加湿用水Wのうち気化した加湿用水Wが防水透湿膜80を透過することにより前記加湿用空気通路78内を通過する加湿用空気を加湿する作用と、この加湿用空気通路78内を通過する加湿用空気に対する前記熱交換用空気通路76を通過する熱交換用空気による熱交換作用とが同時進行的に行われる。
すなわち、加湿用空気は、熱交換器73(熱交換用空気)との熱交換によって昇温された加湿用水Wを含むようになるため、加湿用水Wの気化潜熱に基づく温度の低下が抑制される。また、これと同時に、加湿用空気は、熱交換器73の上面73b(熱交換用プレート74の上面)に沿って加湿用空気通路78内を通過するため、熱交換用プレート74を介して熱交換用空気と熱交換することになり、温度低下がより確実に抑制される。そのため、図12(a)(b)(c)に示すように、加湿用空気は、本体ケース71内を通過する際に、徐々に水分含有量(絶対湿度)及び相対湿度が増加すると共に、水分含有量の増加に伴い温度が少しずつ低下する。
そして、本体ケース71内を通過した加湿用空気は、前記加湿用吹出口33を介して加湿装置70外に放出され、空気導管25及び空気吹出口19を介して専用スペースS内に吹き出される。そのため、本実施形態の加湿装置70においては、加湿用水Wの気化潜熱に基づく加湿用空気の温度低下が、ヒータなどの熱源を利用することなく抑制される。したがって、図12(d)に示すように、加湿装置70の消費電力量が比較例の加湿装置50に比して良好に低減される。
本実施形態では、さらに以下に示す効果をも得ることができる。
(10)防水透湿膜80(加湿ユニット)による加湿用空気に対する加湿作用(気化潜熱により温度を低下させる作用)と熱交換器(熱交換ユニット)73による熱交換作用(加湿用空気の温度低下抑制作用)が同時進行的に行われることになる。そのため、加湿用空気通路(空気流路)78を通過する途中で加湿用空気の温度変化を最小限にできる。
(10)防水透湿膜80(加湿ユニット)による加湿用空気に対する加湿作用(気化潜熱により温度を低下させる作用)と熱交換器(熱交換ユニット)73による熱交換作用(加湿用空気の温度低下抑制作用)が同時進行的に行われることになる。そのため、加湿用空気通路(空気流路)78を通過する途中で加湿用空気の温度変化を最小限にできる。
(11)給水管79及び分岐給水管(水分供給流路)79aを介して加湿用水Wを防水透湿膜(加湿部)80にて構成される加湿ユニットへ導入すれば、その加湿用水Wが防水透湿膜80を介して迅速に気化して加湿用空気通路(空気流路)78内を通過する加湿用空気を加湿するため、良好な加湿効率を簡単に得ることができる。
なお、前記各実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・前記第2の実施形態において、各加湿用フィルタ64は、図13に示すように、側面視波形状をなすように曲げ形成されたものであってもよい。この構成によれば、熱交換用パイプ63の外面63bと各加湿用フィルタ64との接触面積が大きくなるため、熱交換用パイプ63の内側空間63aを通過する熱交換用空気と加湿用フィルタ64を湿潤している加湿用水Wとの熱交換効率が向上する。
・前記第2の実施形態において、各加湿用フィルタ64は、図13に示すように、側面視波形状をなすように曲げ形成されたものであってもよい。この構成によれば、熱交換用パイプ63の外面63bと各加湿用フィルタ64との接触面積が大きくなるため、熱交換用パイプ63の内側空間63aを通過する熱交換用空気と加湿用フィルタ64を湿潤している加湿用水Wとの熱交換効率が向上する。
・前記第2の実施形態において、各熱交換用パイプ63は、その内部に熱交換用空気を通過させる内側空間63aが形成されたものであれば、その断面形状が円筒形状以外の任意の形状をなすパイプであってもよい。例えば、図14に示すように、断面四角筒形状をなす熱交換用パイプ90であってもよい。この構成によれば、熱交換用パイプ90の外面90aに沿って加湿用空気通路65が真っ直ぐに形成されることになり、断面円筒形状の熱交換用パイプ63の場合よりも、加湿用空気が加湿用空気通路65を抵抗少なく通過することになる。
・前記第3の実施形態において、給水管79から分岐形成された各分岐給水管79aは、それらの管壁が防水透湿機能を有する素材にて形成されたものであってもよい。この場合、本体ケース71内に防水透湿膜80を設けなくてもよい。すなわち、各分岐給水管79aが加湿部としても機能することになる。
・前記第1の実施形態において、各加湿ユニット27A〜27Cは、配水管36に代えて吸水性を有する加湿用フィルタにより加湿部を構成するものであってもよい。また、第3の実施形態において、加湿ユニットは、分岐給水管79aから給水される防水透湿膜80ではなく、吸水性を有する加湿用フィルタにより加湿部を構成するものであってもよい。なお、これらの場合、加湿用フィルタに給水するための加湿用水タンクを併設する必要がある。
・前記第3の実施形態において、各熱交換器73の上面73b側にも、図15に示すように、加湿ユニットを設けてもよい。すなわち、給水管79からは、各熱交換器73の上面73b及び下面73aの各々に沿うように分岐給水管79aを分岐形成し、該各分岐給水管79aをそれぞれ覆うように防水透湿膜80を配設する。このように構成した場合、各熱交換器73は、加湿用空気通路78内を通過する加湿用空気ではなく、各分岐給水管79a内の加湿用水Wと熱交換するようになる。
・前記第2の実施形態において、各加湿用フィルタ64は、本体ケース61内における加湿用空気の通過方向に沿うように配置されてもよい。
・前記第1の実施形態において、熱交換ユニット(第1熱交換ユニット28A)が加湿用空気通路Pの最上流側(本体ケース26内における右端側)に配置されてもよい。
・前記第1の実施形態において、熱交換ユニット(第1熱交換ユニット28A)が加湿用空気通路Pの最上流側(本体ケース26内における右端側)に配置されてもよい。
・前記各実施形態において、熱交換用の気体は、加湿用空気と同様の航空機客室内の環境空気ではなく、例えば別途設けた圧縮機などから供給される高温ガスなどの任意の気体であってもよい。
・前記各実施形態において、加湿装置22,60,70には、座席装置10の専用スペースS内を暖房することを目的としたヒータを更に備えた構成であってもよい。この場合、ヒータは、本体ケース26,61,71と加湿用ファン29との間に配置されることが望ましい。
・前記各実施形態において、加湿ユニットは、加湿用水タンク内に貯留されている加湿用水Wを超音波振動させるための超音波発生源を備えた「いわゆる超音波式の加湿機(加湿ユニット)」であってもよい。この場合、加湿用水タンク内の加湿用水Wは、超音波発生源が発生する超音波に基づき超音波振動することにより、気化することになる。
・前記各実施形態において、冷房目的で専用スペースS内の温度を低下させたい場合には、熱交換用ファン31aを駆動させなくてもよい。この場合、専用スペースS内に吹き出される加湿後の加湿用空気は、加湿用水Wの気化潜熱によって、その温度が低下している。そのため、専用スペースS内を、適度に加湿しつつ温度を低下させて良好に冷房することができる。
・前記各実施形態において、座席装置10は、航空機におけるファーストクラス用の座席装置ではなく、家庭用の座席装置に具体化したものであってもよい。また、建物の室内にパーティションで仕切形成される狭い空間域を加湿対象スペースとして、該スペース内の加湿を図るものとしてもよい。これらの場合においても、その小空間の加湿対象スペース(専用スペースS)内が加湿装置22,60,70によって効率良く加湿されるため、大きな空間域の室内(客室)全体を加湿する場合に比して、充分に省エネルギー化を図ることができる。
10…座席装置、10A…座席専用空調装置(加湿システム)、11…シート、12…パーティション(シート周りモジュール)、20…カバー部材、22,60,70…加湿装置、27A…第1加湿ユニット、27B…第2加湿ユニット、27C…第3加湿ユニット、28A…第1熱交換ユニット(熱交換部)、28B…第2熱交換ユニット(熱交換部)、36…配水管(加湿部)、39,76…熱交換用空気通路(気体流路)、62,72…加湿用水タンク(水分供給手段),63,90…熱交換用パイプ(熱交換ユニット、熱交換部、熱交換用筒状体)、63a…内側空間(気体流路)、63b,90a…外面、64…加湿用フィルタ、65,78,P…加湿用空気通路(空気流路)、73…熱交換器(熱交換ユニット、熱交換部)、79a…分岐給水管(水分供給流路)、80…防水透湿膜、S…専用スペース(加湿対象スペース)、W…加湿用水、WT…水分補給タンク(水分供給手段)。
Claims (12)
- 加湿用の空気が通過する空気流路上に、前記空気を加湿する加湿ユニットと、前記空気及び該空気を加湿するための水分のうち少なくとも一方と熱交換する熱交換ユニットとを配置した加湿装置。
- 前記加湿ユニットには水分により湿潤状態とされる加湿部を前記空気が接触して通過するように設ける一方、前記熱交換ユニットには熱交換用の気体を通過させる気体流路が前記空気流路と仕切形成された熱交換部を設け、当該熱交換部を、前記空気流路を前記空気が通過すると共に前記気体流路を前記気体が通過する際に、当該気体が前記空気及び前記加湿部に含まれる水分のうち少なくとも一方と熱交換する配置構成とした請求項1に記載の加湿装置。
- 前記加湿部は、前記加湿ユニットに装着された吸水性を有するフィルタからなり、当該フィルタに対して水分供給手段から水分供給がなされるように構成されている請求項2に記載の加湿装置。
- 前記加湿部は、前記加湿ユニット内に加湿用水を導入する水分供給流路と前記空気流路との間を仕切る防水透湿膜とにより構成されている請求項2に記載の加湿装置。
- 前記熱交換部は、内側空間が前記気体流路となる熱交換用筒状体により構成され、当該熱交換用筒状体は、その外面が、前記空気流路を通過する加湿用の空気及び前記加湿部若しくは当該加湿部に供給される加湿用水のうち少なくとも一つと接触する配置態様とされている請求項2〜請求項4のうち何れか一項に記載の加湿装置。
- 前記熱交換用の気体として、加湿用の空気と同様の装置周りの環境空気が使用される請求項2〜請求項5のうち何れか一項に記載の加湿装置。
- 前記加湿ユニット及び熱交換ユニットは、前記空気流路の上流側から下流側へ、最上流側には加湿ユニットが配置される配置態様で、交互に配置されている請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の加湿装置。
- 前記加湿ユニット及び熱交換ユニットは、前記空気流路の上流側から下流側へ、当該空気流路に沿って平行な配置態様となるように配置されている請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の加湿装置。
- 室内の一部に加湿対象スペースを仕切形成するパーティションに請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の加湿装置が装備され、該加湿装置で加湿した空気により、室内全域のうち前記パーティションが仕切形成する加湿対象スペース単位での湿度調整を可能とした加湿システム。
- シートとは別体構成であって該シートと共に座席装置を構成するシート周りモジュールに請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の加湿装置が装備され、該加湿装置で加湿した空気により、前記シート周りモジュールが対応する座席装置単位での湿度調整を可能とした座席専用空調装置。
- 前記シート周りモジュールは、該シート周りモジュールが対応する座席装置のシートの周りに配置されて該シートの周辺に前記座席装置の専用スペースを仕切形成するパーティションである請求項10に記載の座席専用空調装置。
- 前記パーティションには、該パーティションが仕切形成する前記座席装置の専用スペースを上方から覆うことが可能なカバー部材が装備されている請求項11に記載の座席専用空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005084700A JP2006266583A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 加湿装置、加湿システム、及び座席専用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005084700A JP2006266583A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 加湿装置、加湿システム、及び座席専用空調装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006266583A true JP2006266583A (ja) | 2006-10-05 |
Family
ID=37202763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005084700A Pending JP2006266583A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 加湿装置、加湿システム、及び座席専用空調装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006266583A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009502483A (ja) * | 2005-07-28 | 2009-01-29 | グローバル リサーチ テクノロジーズ,エルエルシー | 空気からの二酸化炭素除去 |
US8337589B2 (en) | 2006-10-02 | 2012-12-25 | Kilimanjaro Energy, Inc. | Method and apparatus for extracting carbon dioxide from air |
US8715393B2 (en) | 2007-04-17 | 2014-05-06 | Kilimanjaro Energy, Inc. | Capture of carbon dioxide (CO2) from air |
JP2014129930A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Daikin Ind Ltd | 調湿モジュール及びそれを備えた調湿装置 |
US8999279B2 (en) | 2008-06-04 | 2015-04-07 | Carbon Sink, Inc. | Laminar flow air collector with solid sorbent materials for capturing ambient CO2 |
US9205372B2 (en) | 2006-03-08 | 2015-12-08 | Carbon Sink, Inc. | Air collector with functionalized ion exchange membrane for capturing ambient CO2 |
US9266051B2 (en) | 2005-07-28 | 2016-02-23 | Carbon Sink, Inc. | Removal of carbon dioxide from air |
US9527747B2 (en) | 2008-02-19 | 2016-12-27 | Carbon Sink, Inc. | Extraction and sequestration of carbon dioxide |
US11737398B2 (en) | 2018-02-16 | 2023-08-29 | Carbon Sink, Inc. | Fluidized bed extractors for capture of CO2 from ambient air |
-
2005
- 2005-03-23 JP JP2005084700A patent/JP2006266583A/ja active Pending
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009502483A (ja) * | 2005-07-28 | 2009-01-29 | グローバル リサーチ テクノロジーズ,エルエルシー | 空気からの二酸化炭素除去 |
US10010829B2 (en) | 2005-07-28 | 2018-07-03 | Carbon Sink, Inc. | Removal of carbon dioxide from air |
US9266051B2 (en) | 2005-07-28 | 2016-02-23 | Carbon Sink, Inc. | Removal of carbon dioxide from air |
US10150112B2 (en) | 2006-03-08 | 2018-12-11 | Carbon Sink, Inc. | Air collector with functionalized ion exchange membrane for capturing ambient CO2 |
US9205372B2 (en) | 2006-03-08 | 2015-12-08 | Carbon Sink, Inc. | Air collector with functionalized ion exchange membrane for capturing ambient CO2 |
US8337589B2 (en) | 2006-10-02 | 2012-12-25 | Kilimanjaro Energy, Inc. | Method and apparatus for extracting carbon dioxide from air |
US9861933B2 (en) | 2006-10-02 | 2018-01-09 | Carbon Sink, Inc. | Method and apparatus for extracting carbon dioxide from air |
US9266052B2 (en) | 2006-10-02 | 2016-02-23 | Carbon Sink, Inc. | Method and apparatus for extracting carbon dioxide from air |
US9616375B2 (en) | 2007-04-17 | 2017-04-11 | Carbon Sink, Inc. | Capture of carbon dioxide (CO2) from air |
US8715393B2 (en) | 2007-04-17 | 2014-05-06 | Kilimanjaro Energy, Inc. | Capture of carbon dioxide (CO2) from air |
US9527747B2 (en) | 2008-02-19 | 2016-12-27 | Carbon Sink, Inc. | Extraction and sequestration of carbon dioxide |
US8999279B2 (en) | 2008-06-04 | 2015-04-07 | Carbon Sink, Inc. | Laminar flow air collector with solid sorbent materials for capturing ambient CO2 |
JP2014129930A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Daikin Ind Ltd | 調湿モジュール及びそれを備えた調湿装置 |
US11737398B2 (en) | 2018-02-16 | 2023-08-29 | Carbon Sink, Inc. | Fluidized bed extractors for capture of CO2 from ambient air |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006266583A (ja) | 加湿装置、加湿システム、及び座席専用空調装置 | |
JP4311489B2 (ja) | 調湿装置 | |
JP2007139205A (ja) | 空気調和機 | |
JP2006071225A (ja) | 換気装置及び空気調和装置 | |
JP2009019862A (ja) | 調湿装置 | |
KR200489340Y1 (ko) | 바이패스식 열교환 환기장치 | |
US9200812B2 (en) | Humidity control apparatus | |
JP2008249211A (ja) | 空気調和機 | |
JP5279194B2 (ja) | 燃料電池装置 | |
KR101568706B1 (ko) | 공기조화기 | |
JP7015844B2 (ja) | 床置き式エアコン | |
JP2009024943A (ja) | 空気調和機 | |
JP2008241060A (ja) | 空気調和機の室内機 | |
CN213577849U (zh) | 空调器 | |
JP5790162B2 (ja) | 空気調和装置の室外機 | |
WO2003036179A1 (en) | Air conditioner | |
CN114127482B (zh) | 空调机 | |
JP2015098997A (ja) | 加湿装置 | |
JP2013228182A (ja) | 空気調和装置 | |
JP2011052885A (ja) | 空気調和機 | |
JP5659954B2 (ja) | 空気調和装置の室外機 | |
JP2004177049A (ja) | スリム形エアコン | |
JP2006145092A (ja) | 空調システム及び建物 | |
JP7041701B2 (ja) | 調湿ユニット及び調湿システム | |
CN219283529U (zh) | 空气处理设备 |