JP2006266309A - ボールねじおよびこれを具備する電動パワーステアリング装置 - Google Patents

ボールねじおよびこれを具備する電動パワーステアリング装置 Download PDF

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良則 池田
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Abstract

【課題】
動力伝達や回り止めを、ボールねじ側に形成されたローレットによって行う場合、その結合部の取付精度と組立性を向上させたボールねじを提供する。
【解決手段】
外周面にねじ溝14aが形成されたねじ軸14と、これに外嵌され、内周面にねじ溝15aが形成されたナット15と、対応する両ねじ溝により形成される転動路に収容された多数のボール16とを備え、ナット15の外径面にローレット部22が形成され、これにより動力伝達や回り止めを行うボールねじにおいて、ローレット部22が予め転造加工により形成されると共に、この山部22aの先端が平坦面23に形成され、この平坦面23の幅寸法W0が、山部22aのピッチPの5〜15%の範囲に設定されると共に、ローレット部22が熱処理により表面硬化された後、山部22aの先端が研削加工により所定の外径寸法D1に形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車の電動パワーステアリング装置や電動アクチュエータ等に用いられるボールねじに関し、特にボールねじの動力伝達や回り止めを、ボールねじ側に形成されたローレットによって行う場合、その結合部の取付精度と組立性を向上させたボールねじに関する。
例えば、自動車の電動パワーステアリング装置(以下、EPSと呼ぶ)は、ステアリングホイールの操舵力を電動モータでアシストするものであり、種々の形式のものがある。そのうちの一つとして、車輪の操舵機構に連結された進退自在な操舵軸に対して、ステアリングホイールからラックピニオン機構等の変換機構を介して軸方向移動力を与えると共に、電動モータの出力をボールねじを介して軸方向移動力として与えるようにしたものがある。
こうしたEPSに適用されるボールねじとして、図4に示すようなものが知られている。このボールねじ50は、外周面に螺旋状のねじ溝51aが形成されたねじ軸51と、このねじ軸51に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝52aが形成されたナット52と、対向する両ねじ溝51a、52aにより形成される転動路53に収容された多数のボール54と、回転するナット52の両端に固定ボルト55を介して結合された一対のエンドキャップ56、56とで構成されている。
このボールねじ50は、所謂エンドキャップ形式のものであり、ナット52にはボール54が循環するための貫通孔57が形成されている。エンドキャップ56は、内径がナット52の内径と等しいリング状に形成され、ナット52との接合面となる内側面には、ボール54の循環を行わせる溝状の案内路58が設けられている。この案内路58は、ナット52のねじ溝52aに続く一周未満の螺旋溝部と、この螺旋溝部から外径側へ斜めに延びる溝部とで構成されている。
ナット52は焼結合金を射出成形することにより円筒状に形成されていて、軸方向の略中央に、位置決め用のフランジ59が形成されている。このフランジ59の両側部分は、転がり軸受60が圧入される円筒面部61と、電動モータ(図示せず)のロータ62が外嵌される嵌合部63が形成されている。円筒面部61から端面までの外径面は僅かに縮径するテーパ面64に形成され、嵌合部63は、円筒部から端面にかけて僅かに縮径するテーパ面65に形成されている。そして、ロータ62の回り止め用のローレット部66が、この円筒部の全体とテーパ面65の一部にかけて形成されている。
このように、ナット52の軸受圧入側の端部外径がテーパ面64に形成されているため、転がり軸受60の圧入が容易で作業性が向上し、転がり軸受60を芯ずれなく圧入することができる。一方、ナット52のロータ嵌合側の端部外径がテーパ面65に形成されているため、ロータ62の組立時のガイドが円滑に行われる。
特開2000−296780号公報
こうした従来のボールねじ50は、ナット52の外径に形成されたローレット部66にロータ62を嵌合させて動力の伝達と回り止めを行うため、この結合部は外部からの回転力やねじ軸51から入力される荷重に対して充分耐え得る強度が必要とされる。また、ロータ62をローレット部66に食い込ませて塑性結合するため、ローレット部66の山部の摩耗や変形を防止する必要がある。したがって、通常、ナット52は、熱処理によって表面に硬化層が形成され、強度および耐摩耗性を向上させている。
然しながら、ナット52に浸炭焼入れ等の熱処理を施した場合、ローレット部66の山部66aの先端は過浸炭となり易く、図5(a)に示すように、山部66aに発生したバリ67やダレ68が、ロータ62の嵌合によって欠けたり、また、そこに割れが発生する恐れがある。さらに、脱落した破材69が装置内に残留し、ねじ軸51やナット52のねじ溝51a、52aに付着した場合、ボール54の円滑な循環を阻害するだけでなく、ボールねじ50の耐久性を低下させる恐れがあった。
また、ローレット部66が転造ダイスを用いて塑性加工によって形成される場合、この種のナット52では回転センタが使用できないため片持ちの状態で転造加工されるが、ローレット加工による加工抵抗が大きく、ナット52の倒れによる回転振れが発生することがある。すると、ナット52の外径に対するローレット部66の芯ずれや、これに熱処理変形が加わることにより、図5(b)に示すように、ナット52の外径に変形が発生する恐れがある。
このように、ロータ62の内径dに対して、ローレット部66の外径Dが楕円状等に変形した場合、A部(楕円の長軸側)は強圧入状態となり、また、B部(楕円の短軸側)は、弱圧入状態となるか、その変形量によっては圧入代がなくなり、結合強度が低下すると共に、例えテーパ面65が形成されていてもロータ62の芯ずれが発生することになって信頼性が低下する恐れがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、動力伝達や回り止めを、ボールねじ側に形成されたローレットによって行う場合、その結合部の取付精度と組立性を向上させたボールねじを提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、電動アクチュエータに用いられるボールねじであって、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、対応する両ねじ溝により形成される転動路に収容された多数のボールとを備え、前記ナットまたはねじ軸の外径面にローレット部が形成され、このローレット部により動力伝達や回り止めを行うボールねじにおいて、前記ローレット部が熱処理により表面が硬化された後、当該ローレット部における山部の先端が研削加工により所定の外径寸法に形成されている。
このように、ナットまたはねじ軸の外径面にローレット部が形成され、このローレット部により動力伝達や回り止めを行うボールねじにおいて、ローレット部が熱処理により表面が硬化された後、当該ローレット部における山部の先端が研削加工により所定の外径寸法に形成されているので、熱処理による変形分を除去することができ、所望の同軸度を得ることができる。したがって、ボールねじの組立性が向上して生産性が高くなり、低コスト化を達成することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記山部の先端が平坦面に形成され、この平坦面の幅寸法が、前記山部のピッチの15〜20%の範囲に設定されていれば、相手部材をこのローレット部に嵌合させる時の圧入力を抑制すると共に、食い込ませる山部の投影面積を確保して所望の結合力を得ることができる。
さらに好ましくは、請求項3に記載の発明のように、前記ローレット部が予め転造加工により形成されると共に、この山部の先端が平坦面に形成され、この平坦面の幅寸法が、前記山部のピッチの5〜15%の範囲に設定されていれば、ローレット加工時の押付け力のバラツキ等により、転造により盛上った山部の先端にバリやダレが発生するのを防止することができると共に、研削後においても山部の平坦面に所望の硬化層が残り、この山部を相手部材に容易に食い込ませることができる。
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、略円筒状をなすハウジングと、このハウジングに貫通し、車輪を操舵する操舵機構に連結された操舵軸と、ステアリングホイールからの回転力を、前記操舵軸を長手方向に移動させるための力に変換する変換機構と、前記操舵軸の一部がねじ軸となり、このねじ軸に複数のボールを介して外嵌されたナットとからなるボールねじと、前記ステアリングホイールで発生する操舵トルクに応じて補助トルクが発生するモータとを備えた電動パワーステアリング装置において、前記請求項1乃至4いずれかに記載されたボールねじが適用され、前記モータのロータが前記ナットのローレット部に結合されている。
このように、ラックアシスト型のEPSにおいて、本発明に係るボールねじが適用され、モータのロータがナットのローレット部に結合されているので、ロータの組立性が向上すると共に、ロータの芯ずれを防止して信頼性を向上させることができる。
また、請求項5に記載の発明は、前記ナットの軸方向略中央に軸受位置決め用のフランジが突設され、このフランジを挟んで、軸受圧入側と反対側の外径面に前記ローレット部が形成されると共に、前記ねじ軸に外挿されたスリーブの一端が転がり軸受を介して前記ハウジングに回転自在に支持され、前記ロータが前記スリーブに一体固定されているので、ロータを一対の転がり軸受で両持ち支持することができ、回転振れを抑制して安定した回転駆動を得ることができる。
本発明に係るボールねじは、電動アクチュエータに用いられるボールねじであって、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、対応する両ねじ溝により形成される転動路に収容された多数のボールとを備え、前記ナットまたはねじ軸の外径面にローレット部が形成され、このローレット部により動力伝達や回り止めを行うボールねじにおいて、前記ローレット部が熱処理により表面が硬化された後、当該ローレット部における山部の先端が研削加工により所定の外径寸法に形成されているので、熱処理による変形分を除去することができ、所望の同軸度を得ることができる。したがって、ボールねじの組立性が向上して生産性が高くなり、低コスト化を達成することができる。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、略円筒状をなすハウジングと、このハウジングに貫通し、車輪を操舵する操舵機構に連結された操舵軸と、ステアリングホイールからの回転力を、前記操舵軸を長手方向に移動させるための力に変換する変換機構と、前記操舵軸の一部がねじ軸となり、このねじ軸に複数のボールを介して外嵌されたナットとからなるボールねじと、前記ステアリングホイールで発生する操舵トルクに応じて補助トルクが発生するモータとを備えた電動パワーステアリング装置において、前記請求項1乃至4いずれかに記載されたボールねじが適用され、前記モータのロータが前記ナットのローレット部に結合されているので、ロータの組立性が向上すると共に、ロータの芯ずれを防止して信頼性を向上させることができる。
電動アクチュエータに用いられるボールねじであって、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、対応する両ねじ溝により形成される転動路に収容された多数のボールとを備え、前記ナットまたはねじ軸の外径面にローレット部が形成され、このローレット部により動力伝達や回り止めを行うボールねじにおいて、前記ローレット部が予め転造加工により形成されると共に、この山部の先端が平坦面に形成され、この平坦面の幅寸法が、前記山部のピッチの5〜15%の範囲に設定されると共に、前記ローレット部が熱処理により表面が硬化された後、当該ローレット部における山部の先端が研削加工により所定の外径寸法に形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るEPSを示す一部破断側面図、図2(a)は、このEPSに適用されるボールねじの一実施形態を示す平面図、図2(b)は、同上縦断面図である。
モータハウジング1は、図示しないブラケットを介して車体に固定され、このモータハウジング1内には操舵軸2が貫通している。操舵軸2の両端部にはタイロッド3、4が連設され、車輪を操舵する操舵機構(図示せず)に連結されている。そして、モータハウジング1の一側から斜め上方に延びるようにピニオン軸5が設けられ、このピニオン軸5は、上端でステアリングホイール(図示せず)に連結されている。ピニオン軸5は、回転自在に支持されており、その回転は下端の変換機構6を介して操舵軸2に軸方向の移動力として伝達される。変換機構6は、操舵軸2の長手方向の一部に形成されているラック歯7と、ピニオン軸5の下端に設けられ、ラック歯7と噛合するピニオン(図示せず)とからなる。ピニオン軸5の一部には、操舵トルクを検出し、モータ制御装置(図示せず)にその検出信号を送信するトルク検出器(図示せず)が設けられている。
モータハウジング1は略円筒状に形成され、中央の筒体1aの両端に支持部材1b、1cがそれぞれ結合されている。また、モータハウジング1の内周中央部には、モータ8を構成するステータ9が圧入固定されている。ステータ9は、コアおよびステータコイルからなり、内周にモータ8のロータ10が所定の径方向隙間を介して対向配置されている。一方、ロータ10は磁性体により円筒状に形成され、スリーブ11の外周に一体固定されている。スリーブ11の内周には操舵軸2が軸方向移動自在に挿通されている。こうしたモータ8は、図示しないモータ制御装置により、前述したトルク検出器の検出信号に従って制御される。
スリーブ11の一端部(図中左側)は、転がり軸受12によりモータハウジング1内に回転自在に支承されている。この転がり軸受12は、単列の軸受であっても、また複列の軸受であっても良く、ラジアル荷重およびスラスト荷重を負荷できるものなら良い。
モータ8の回転は、ボールねじ13を介して操舵軸2に対して軸方向の移動力として伝達される。また、ボールねじ13は、外周に螺旋状のねじ溝14aが形成されたねじ軸14を備え、このねじ軸14は、操舵軸2の軸方向の一部として構成されている。
ボールねじ13を構成するナット15は、その外径部に嵌合された転がり軸受17を介してモータハウジング1内に回転自在に支承されている。この転がり軸受17は、ナット15の外径部に突設された位置決め用のフランジ18と、ナット15に装着された止め輪19とで挟持された状態で軸方向に位置決め固定されている。さらに、このナット15の一端部には、前述したロータ10の一端部が嵌合されている。このように、ロータ10がスリーブ11に一体固定され、ロータ10が一対の転がり軸受12、17で両持ち支持されているので、回転振れを抑制して安定した回転駆動を得ることができる。
ボールねじ13は、図2に示すように、外周面に螺旋状のねじ溝14aが形成されたねじ軸14と、このねじ軸14に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝15aが形成されたナット15と、対向する両ねじ溝14a、15aにより形成される転動路に収容された多数のボール16と、ナット15の胴部に装着された駒部材21とを備えている。
各ねじ溝14a、15aの断面形状は、サーキュラアーク形状であってもゴシックアーク形状であっても良いが、ここではボール16との接触角が大きくとれ、アキシアルすきまが小さく設定できるゴシックアーク形状に形成されている。これにより、軸方向荷重に対する剛性が高くなり、かつ振動を抑制することができる。
円筒状のナット15の胴部には、内外の周面に貫通してねじ溝15aの一部を切欠く楕円状の駒窓20が穿設され、この駒窓20に楕円状の駒部材21が嵌合されている。駒部材21の内方には、ねじ溝15aの隣合う1周分同士を連結する連結溝21aが形成され、この連結溝21aとねじ溝15aの略1周の部分とでボール16の転動路を構成している。そして、転動路内の内外のねじ溝14a、15a間に介在された多数のボール16はねじ溝14a、15aに沿って転動し、駒部材21の連結溝21aに案内され、ねじ軸14のランド部14bを乗り越えて隣接するねじ溝15aに戻り、再びねじ溝14a、15aに沿って転動する。
駒部材21は金属粉末を可塑状に調整し、射出成形機で成形される焼結合金からなる。この射出成形に際しては、まず、金属粉と、プラスチックおよびワックスからなるバインダとを混練機で混練し、その混練物をペレット状に造粒する。造粒したペレットは、射出成形機のホッパに供給し、金型内に加熱溶融状態で押し込む、所謂MIM(Metal Injection Molding)により成形されている。こうしたMIMによって成形される焼結合金であれば、加工度が高く複雑な形状であっても容易に、かつ精度良く所望の形状・寸法に成形することができる。
本実施形態では、ナット15のフランジ18を挟んで、軸受圧入側と反対側(図中右側)の外径面に電動モータ8のロータ10(図1参照)が外嵌されるローレット部22が形成されている。このローレット部22は、転造ダイスにより塑性加工された後、円筒研削で外径が所定の寸法に形成されている。ここで、ローレット加工前(塑性加工前)の外径寸法は、ローレット加工後に狙いの寸法となるように形成されている。すなわち、図3(a)に示すように、研削取代(図中クロスハッチングにて示す)+圧入代を考慮した外径寸法に設定されている。
また、ローレット加工後の山部22aの先端は、ローレット加工時の押付け力のバラツキ等により、転造により盛上った山部22aの先端にバリやダレが発生する恐れがあるため、その山部22aの先端に僅かに平坦な面が残るように形成されている。この平坦面23の幅寸法W0は、山部22aのピッチPの5〜15%の範囲に設定されている。これにより、山部22aの平坦面23に所望の硬化層が残り、ロータ10に容易に食い込ませることができる。なお、平坦面23の幅寸法W0が15%を超えると、研削取代が少なくなるので好ましくない。
円筒研削加工は、ワンチャックでナット15の円筒外径を仕上げることにより、ローレット部22を含む全ての外径を精度良く加工することができる。すなわち、ローレット部22における山部22aの先端が熱処理後に所定の外径寸法に研削仕上げされることにより、熱処理による変形分を除去することができるため、所望の同軸度を得ることができる。これにより、組立性が向上して生産性が高くなり、低コスト化を達成することができる。なお、ナット15を掴み直して2工程で加工する場合でも、先に仕上げられた軸受圧入面が加工基準となり、同軸精度を充分確保することができる。
ここで、研削後の平坦面24の幅寸法W1は、山部22aのピッチPの20%以下に設定されている。平坦面24の幅寸法W1が20%を超えると、ロータ10をこのローレット部22に嵌合させる時の圧入力が増大すると共に、ロータ10に食い込ませる量(投影面積)が不足し、結合力が低下して好ましくない。
ここでは、ローレット部22が予め転造加工により形成されたボールねじ13について述べたが、無論、従来のボールねじのように焼結合金を射出成形により形成しても良い。また、ボール循環機構として駒部材を用いた駒式ボールねじを例示し、EPSにこのボールねじ13を適用したものを例示したが、これに限らず、図示はしないが、エンドキャップ式をはじめ他の形式のボールねじであっても良く、また、電動リニアアクチュエータ等、ねじ軸側にローレット部が形成される用途においても適用することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係るボールねじは、ボールねじの動力伝達や回り止めを、ボールねじ側に形成されたローレットによって行う、自動車等のEPSや電動アクチュエータに用いられるボールねじに適用できる。
本発明に係るEPSを示す一部破断側面図である。 (a)は、本発明に係るボールねじの一実施形態を示す平面図である。 (b)は、(a)の縦断面図である。 (a)は、本発明に係るボールねじにおけるローレット部の転造加工後を示す要部拡大図である。 (b)は、同上、ローレット部の研削加工後を示す要部拡大図である。 従来のボールねじを示す縦断面図である。 (a)は、ローレット部の山部を示す模式図である。 (b)は、同上、ローレット部を示す説明図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・モータハウジング
1a・・・・・・・・・・・・・・・筒体
1b、1c・・・・・・・・・・・・支持部材
2・・・・・・・・・・・・・・・・・操舵軸
3、4・・・・・・・・・・・・・・タイロッド
5・・・・・・・・・・・・・・・・ピニオン軸
6・・・・・・・・・・・・・・・・変換機構
7・・・・・・・・・・・・・・・・ラック歯
8・・・・・・・・・・・・・・・・モータ
9・・・・・・・・・・・・・・・・ステータ
10・・・・・・・・・・・・・・・ロータ
11・・・・・・・・・・・・・・・スリーブ
12、17・・・・・・・・・・・・転がり軸受
13・・・・・・・・・・・・・・・ボールねじ
14・・・・・・・・・・・・・・・ねじ軸
14a、15a・・・・・・・・・・ねじ溝
14b・・・・・・・・・・・・・・ランド部
15・・・・・・・・・・・・・・・ナット
16・・・・・・・・・・・・・・・ボール
18・・・・・・・・・・・・・・・フランジ
19・・・・・・・・・・・・・・・止め輪
20・・・・・・・・・・・・・・・駒窓
21・・・・・・・・・・・・・・・駒部材
21a・・・・・・・・・・・・・・連結溝
22・・・・・・・・・・・・・・・ローレット部
22a・・・・・・・・・・・・・・山部
23、24・・・・・・・・・・・・平坦面
50・・・・・・・・・・・・・・・ボールねじ
51・・・・・・・・・・・・・・・ねじ軸
51a、52a・・・・・・・・・・ねじ溝
52・・・・・・・・・・・・・・・ナット
53・・・・・・・・・・・・・・・循環路
54・・・・・・・・・・・・・・・ボール
55・・・・・・・・・・・・・・・固定ボルト
56・・・・・・・・・・・・・・・エンドキャップ
57・・・・・・・・・・・・・・・貫通孔
58・・・・・・・・・・・・・・・案内路
59・・・・・・・・・・・・・・・フランジ
60・・・・・・・・・・・・・・・転がり軸受
61・・・・・・・・・・・・・・・円筒面部
62・・・・・・・・・・・・・・・ロータ
63・・・・・・・・・・・・・・・嵌合部
64、65・・・・・・・・・・・・テーパ面
66・・・・・・・・・・・・・・・ローレット部
66a・・・・・・・・・・・・・・山部
67・・・・・・・・・・・・・・・バリ
68・・・・・・・・・・・・・・・ダレ
69・・・・・・・・・・・・・・・破材
D・・・・・・・・・・・・・・・・ローレット部の外径
d・・・・・・・・・・・・・・・・ロータの内径
D0・・・・・・・・・・・・・・・転造加工後のローレット部の外径
D1・・・・・・・・・・・・・・・研削加工後のローレット部の外径
P・・・・・・・・・・・・・・・・ローレット部における山部のピッチ
W0・・・・・・・・・・・・・・・転造加工後の山部における平坦部の幅寸法
W1・・・・・・・・・・・・・・・研削加工後の山部における平坦部の幅寸法
PC・・・・・・・・・・・・・・・基準ピッチ円

Claims (5)

  1. 電動アクチュエータに用いられるボールねじであって、
    外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、
    このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、
    対応する両ねじ溝により形成される転動路に収容された多数のボールとを備え、
    前記ナットまたはねじ軸の外径面にローレット部が形成され、このローレット部により動力伝達や回り止めを行うボールねじにおいて、
    前記ローレット部が熱処理により表面が硬化された後、当該ローレット部における山部の先端が研削加工により所定の外径寸法に形成されていることを特徴とするボールねじ。
  2. 前記山部の先端が平坦面に形成され、この平坦面の幅寸法が、前記山部のピッチの15〜20%の範囲に設定されている請求項1に記載のボールねじ。
  3. 前記ローレット部が予め転造加工により形成されると共に、この山部の先端が平坦面に形成され、この平坦面の幅寸法が、前記山部のピッチの5〜15%の範囲に設定されている請求項2に記載のボールねじ。
  4. 前記略円筒状をなすハウジングと、
    このハウジングに貫通し、車輪を操舵する操舵機構に連結された操舵軸と、
    ステアリングホイールからの回転力を、前記操舵軸を長手方向に移動させるための力に変換する変換機構と、
    前記操舵軸の一部がねじ軸となり、このねじ軸に複数のボールを介して外嵌されたナットとからなるボールねじと、
    前記ステアリングホイールで発生する操舵トルクに応じて補助トルクが発生するモータとを備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記請求項1乃至4いずれかに記載されたボールねじが適用され、前記モータのロータが前記ナットのローレット部に結合されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 前記ナットの軸方向略中央に軸受位置決め用のフランジが突設され、このフランジを挟んで、軸受圧入側と反対側の外径面に前記ローレット部が形成されると共に、前記ねじ軸に外挿されたスリーブの一端が転がり軸受を介して前記ハウジングに回転自在に支持され、前記ロータが前記スリーブに一体固定されている請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010125869A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Hitachi Automotive Systems Ltd 油圧式パワーステアリング用コントロールバルブ
CN107171493A (zh) * 2017-06-26 2017-09-15 温州铬铭传动设备有限公司 一种双向同步伸缩的电动推杆

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010125869A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Hitachi Automotive Systems Ltd 油圧式パワーステアリング用コントロールバルブ
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