JP2006266137A - 多気筒エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パルス発生装置によって排気性能の向上にも寄与させること。
【解決手段】 排気ガス浄化触媒が活性温度より低い温度状態にある場合には、パルス発生装置を作動させる。このパルス発生装置の作動時に点火手段による点火タイミングを圧縮上死点後の所定タイミングにリタードさせる触媒活性促進運転を実行する。燃料の気化霧化やミキシング特性を向上し、点火手段の点火タイミングのリタード許容量を確保した状態でリタードさせることができるので、触媒活性促進運転に要する時間を可及的に短縮し、全体として低い燃費で高い排気性能を発揮することができる。
【選択図】 図10

Description

本発明は多気筒エンジンの制御装置に関し、特に、インパルス(気筒内に導入される高圧の圧力波)を生成するパルス発生装置を備えた多気筒エンジンの制御装置に関する。
従来より、インテークマニホールドのサージタンクと、サージタンクから分岐して各気筒の吸気ポートに接続された分岐管が設けられた多気筒エンジンの制御装置において、体積効率を高める技術が種々開発されている。
例えば、特許文献1には、吸気ポート毎に通路長の異なる複数の吸気通路を設け、これら吸気通路を切替弁によって択一的にサージタンクと連通する技術が開示されている。
他方、非特許文献1には、インパルスによる低運転領域のトルクアップを図る技術が開示されている。その構成では、インテークマニホールドの分岐管途中に、当該分岐管の経路方向にストロークする電磁弁を設け、吸気行程の途中までは、電磁弁を閉じて負圧を形成し、吸気行程の下死点近傍にて電磁弁を開放することによって、急激に気筒内に空気を供給する構成が開示されている。
また、特許文献2、非特許文献2には、インパルスを生成する装置として、フラップ弁を用いてパルスを発生させる装置が開示されている。
特開2003−41939号公報 特開2000−248946号公報 Impulse charging boosts torque at low speed , Findlay Publications社 「European Automotive Design」2004年2月号掲載 Development of an Actuator for a Fast Moving Flap for impulse Charging , Findlay Publications社 「European Automotive Design」2003年1月号掲載
上述した各パルス発生装置においては、インパルスの生成過程において、大きな負圧が吸気行程前半に生成されることから、ポンピングロスも大きくなる。また、高速運転領域では、インパルスの生成自体も困難になる。そのため、従来は、パルス発生装置の作動領域は、特定の限られた運転領域でしか用いられていなかった。この結果、従来のエンジンの制御装置では、排気性能を高めるためにパルス発生装置を利用することは考慮されていなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされものであり、排気性能の向上にも寄与することのできる多気筒エンジンの制御装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明は、複数の気筒の各吸気ポートに空気を供給する吸気管と、各気筒の吸気行程に対応して、吸気ポートの開弁期間内の吸気行程途中で開弁して、気筒内に圧力波を生成するパルス発生装置とを備えた多気筒エンジンの制御装置において、エンジンの排気ガス浄化触媒の活性状態を検出する触媒活性状態検出手段と、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、エンジンの負荷状態を検出するエンジン負荷検出手段と、噴射された燃料と空気の混合気に点火する点火手段と、前記触媒活性状態検出手段、エンジン回転数検出手段、および前記エンジン負荷検出手段の検出に基づいてパルス発生装置並びに点火手段を制御する制御手段とを設け、前記制御手段は、排気ガス浄化触媒が活性温度より低い温度状態にある場合には、パルス発生装置を作動させるとともに、このパルス発生装置の作動時に点火手段による点火タイミングを圧縮上死点後の所定タイミングにリタードさせる触媒活性促進運転を実行するものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置である。この態様では、排気ガス浄化触媒を活性させるための触媒活性促進運転を実行する際にはパルス発生装置が作動し、圧力波が生成され、過給される。この結果、排気ガス浄化触媒が活性温度に達していない状態において、パルス発生装置の開弁直前に筒内に大きな負圧が生成されるとともに、パルス発生装置の開弁に伴い筒内に流入する吸気の流速が高められ、これらの要因により燃料の気化霧化が促進されること等で燃焼安定性が向上する。この結果、点火手段による点火タイミングのリタード限界を拡げ、大きなリタード許容量を確保することが可能になる。そして、この触媒活性促進運転の実行時には、制御手段が点火手段による点火タイミングを圧縮上死点後の所定タイミングにリタードさせるので、排気温度が上昇し、排気ガス浄化触媒の温度も速やかに上昇する。この結果、触媒活性促進運転を実行する触媒活性期間を可及的に短縮することが可能になる。
好ましい態様において、エンジンの筒内温度に対応する温度を検出する温度検出手段と、パルス発生装置の開弁タイミングを変更する可変バルブタイミング機構とを設け、前記制御手段は、温度検出手段が検出した筒内温度が所定の値以上に達するまでは、当該筒内温度の上昇に伴ってパルス発生装置の開弁タイミングを進角させるものである。この態様では、エンジンの筒内温度が低い状態では、大きな圧力波を生成して燃料の気化霧化の促進を優先する一方、エンジンの筒内温度に応じてパルス発生装置の開弁タイミングを進角させることにより、必要以上に大きな負圧が筒内に生じるのを抑制し、パルス発生装置による燃料の気化霧化促進とポンピングロスの抑制とを両立させることが可能になる。
好ましい態様において、前記制御手段は、パルス発生装置の進角に伴って点火手段の点火タイミングを進角させるものである。この態様では、点火タイミングのリタードによって暖機を促進することができる一方、パルス発生装置の進角によって点火タイミングのリタード限界が小さくなるのに伴い、点火手段による点火タイミングのリタード量を低減させることにより、運転状態に応じて排気性能と燃費の向上とを両立させることが可能になる。
好ましい態様において、前記制御手段は、少なくとも触媒活性促進運転の実行初期においては、パルス発生装置の開弁タイミングを最遅角させるものである。この態様においては、排気ガス浄化触媒の活性要求が最も高い触媒活性促進運転の実行初期においては大きな圧力波を生成して燃料の気化霧化の促進を優先することができる。
好ましい態様において、エンジンの筒内温度に対応する温度を検出する温度検出手段と、パルス発生装置の開弁タイミングを変更する可変バルブタイミング機構とを設け、前記制御手段は、温度検出手段が検出した筒内温度が所定の温度に満たない場合には、前記触媒活性促進運転の実行中において、パルス発生装置の開弁タイミングを最遅角させるものである。この態様では、エンジンの冷間時では、大きな圧力波を生成して燃料の気化霧化が促進されるので、触媒活性期間の短縮を図ることが可能になる。
好ましい態様において、最遅角時のパルス発生装置は、吸気行程の後半に開弁するものである。
好ましい態様において、前記制御手段は、エンジンの作動開始時にはパルス発生装置の作動を停止させるものである。この態様では、エンジンの作動時においては、ポンピングロスの小さい運転特性を得ることが可能になる。なお、パルス発生装置の作動を停止する手段としては、可変バルブタイミング機構を設けて、パルス発生装置を最進角させる方法を採用する他、吸気管を連通する連通路と、この連通路を開閉する開閉機構を設け、エンジンの作動直後は、連通路を開く構成を採用してもよい。
好ましい態様において、エンジンに燃料を噴射する燃料噴射弁を設け、前記制御手段は、パルス発生装置の開弁開始時の直前に燃料噴射弁による燃料噴射を開始するものである。この態様では、パルス発生装置によって生成された圧力波によって、吸気の速度を高めることが可能になる。この結果、燃料が流速の早い吸気によって筒内にいわば押込まれることになり、燃料の気化霧化や、空気とのミキシング特性の促進を図ることが可能になる。
好ましい態様において、前記制御手段は、前記触媒活性促進運転時において吸気行程の開弁期間内で燃料の噴射を分割する分割噴射制御を実行するものである。この態様では、パルス発生装置による圧力波の生成前後において、燃料が噴射される。圧力波が生成される前は、筒内の負圧が大きくなっているので、このタイミングで噴射された最初の燃料は、筒内の負圧により、気化霧化が促進される。さらに、パルス発生装置による圧力波の生成後に噴射された燃料は、生成された圧力波によって、いわば筒内に押込まれた状態で空気と混合する。このため、燃料のミキシング特性が格段に向上する。なお、吸気行程の上死点前に噴射される燃料は、ポート噴射構成のエンジンである場合、圧縮行程後半であってもよい。
好ましい態様において、前記制御手段は、パルス発生装置の開弁前の吸気行程前半に前半の燃料を噴射し、パルス発生装置が開弁する付近の時期に後半の燃料を噴射するものである。この態様では、エンジンの燃焼室に直接燃料を噴射するいわゆる直噴エンジンにおいても、確実に燃料の気化霧化の促進や、ミキシング性能の向上を図ることが可能になる。
以上説明したように、本発明によれば、パルス発生装置を用いて、燃料の気化霧化やミキシング特性を向上し、点火タイミングのリタード許容量を確保した状態で点火手段の点火タイミングをリタードさせることができるので、触媒活性促進運転に要する時間を可及的に短縮し、全体として低い燃費で高い排気性能を発揮することができるという顕著な効果を奏する。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る4サイクル火花点火式多気筒エンジンの右側面図、図2は、図1のA−A断面略図である。また図3は、本実施形態の要部を簡略化して示す斜視図である。
各図を参照して、このエンジン10は、シリンダブロック11およびこのシリンダブロック11の上部に一体化されたシリンダヘッド12とを一体に有している。エンジン10には、第1〜第4気筒12A〜12Dが設けられるとともに、各気筒12A〜12Dの内部には、クランクシャフト3に連結されたピストン4が嵌挿されることにより、その上方に燃焼室15が形成されている。
シリンダヘッド12には、前記各気筒12A〜12Dの燃焼室15毎に点火手段としての点火プラグ16が固定されている。各点火プラグ16は、その先端が対応する燃焼室15の内部に頂部から臨むように設置されている。
また、シリンダヘッド12には、前記気筒12A〜12D毎に燃焼室15に向かって開口する吸気ポート17、排気ポート18がそれぞれ形成されているとともに、これらのポート17、18には、吸気弁19および排気弁20がそれぞれ装備されている。
各吸気ポート17には燃料噴射弁21が設けられている。この燃料噴射弁21は、ニードル弁およびソレノイドを内蔵している。
排気ポート18には、図略の排気マニホールドが接続されている。この排気マニホールド集合部下流の排気通路には、排気ガス浄化触媒が設けられている。この排気ガス浄化触媒は、例えば、排気の空燃比状態が理論空燃比近傍にあるときにHC、COおよびNOxの浄化率が極めて高い、いわゆる三元触媒からなっている。この三元触媒からなる排気ガス浄化触媒は、一般に知られているように、排気ガスの空燃比が理論空燃比(つまり空気過剰率λ=1)付近にあるときにHC,CO及びNOxに対して高い浄化性能を示す触媒である。
吸気弁19および排気弁20は、エンジン10に支承された吸気弁用および排気弁用のカムシャフト22、23によって、所定位相差で同期して吸気ポート17、排気ポート18を開閉するように構成されている。前記カムシャフト22、23は、図略のカムスプロケットギヤに連結され、このカムスプロケットギヤは、カムプーリ30から図略のタイミングベルトを介して動力を受けている(図3参照)。カムプーリ30は、エンジン10の前面にクランクシャフト3と平行な軸線を中心に回転自在に取り付けられている。他方、クランクシャフト3にはエンジン10の前面側に取り付けられた出力プーリ32が固定されており、両プーリ30、32は、タイミングベルト34によって同期連動するように構成されている。
なお、各カムシャフト22、23に対し、その回転の位相を調節することにより、開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構24、25が設けられている。この結果、吸気弁19は、クランク角に対する位相を変更することができるようになっている。
本実施形態に係る吸気装置40は、エンジン10の側部に固定されるインテークマニホールド41と、このインテークマニホールド41に内蔵されるパルス発生装置またはPGV(Pulse Generating Valve)としてのロータリバルブ50とを有している。
インテークマニホールド41は、図略の支持部材を介してエンジン10に固定されており、エンジン10の前後方向(各気筒12A〜12Dが並んでいる方向)に水平に延びる集合部としてのサージタンク42と、このサージタンク42に接続され、それぞれが分離した吸気通路PH11〜PH14を形成する吸気管としての第1〜第4分岐吸気管43A〜43Dとを一体に有している。サージタンク42の後端部には、スロットルボディ44が固定されており、このスロットルボディ44の内部には、図略のスロットルバルブが内蔵されている。
サージタンク42は、略円筒形部材であり、分岐吸気管43A〜43Dと連通することによって、各分岐吸気管43A〜43Dの差圧を吸収し、異音やセンサの誤作動を防止する機能を果たすものである。本実施形態において、このサージタンク42の気筒列方向の長さSLは、次に説明する各分岐吸気管43A〜43Dの気筒列方向における下流端側の間隔DLよりも短くなるように設定されている(図1参照)。
各分岐吸気管43A〜43Dは、気筒12A〜12D毎に設けられ、正面視略L字形に湾曲した状態で、それぞれ対応する気筒12A〜12Dをサージタンク42と連通させている。図示の実施形態において、各分岐吸気管43A〜43Dは、その吸気通路PH11〜PH14の通路長(本実施形態においては、吸気ポート17からサージタンク42内のロータリバルブ50の周面51までの長さ)が同じ長さに設定されている。
ロータリバルブ50は、円筒形部材であり、その外周面51がサージタンク42の内周面に摺接した状態で、回転自在に配置されている。
図3を参照して、ロータリバルブ50の前端部には、入力ギア54Aが同心に設けられている。入力ギア54Aは、前記カムプーリ30と同心に設けられた出力ギア54Bが噛合しており、この出力ギア54Bを介して、クランクシャフト3から1:0.5の比率で動力が伝達されるようになっている。換言すれば、ロータリバルブ50は、カムプーリ30と1:1の比率で同期している。このロータリバルブ50の周面には、サージタンク42の内部と分岐吸気管43A〜43Dとを連通する一対の開口52、53が形成されている。各開口52、53は、周方向に180°位相がずれており、軸方向において、前方の開口52が後方の開口53に対して、回転方向上流側にずれている。なお図において、55はアイドラである。
図示の実施形態においては、ロータリバルブ50と入力ギア54Aとの間にロータリバルブ進角機構56が設けられている。このロータリバルブ進角機構56は、基本的には、本件出願人が先に提案している回転位相制御装置(特開平11−107718号公報参照)等を用いることにより、入力ギア54Aとロータリバルブ50との間に位相差を形成し、当該ロータリバルブ50の開弁タイミングを変更するための機構である。ロータリバルブ進角機構56は、図1に示すように、OCV(Oil Control Valve)システム57によって駆動制御されるようになっている。さらに、図1に示すように、ロータリバルブ50の位相を検出するために、ロータリバルブ進角機構56には、PGV角度センサ58が付設されている。
図示のエンジンは、直列4気筒エンジンであって、エンジン10の前方から順に各気筒を第1〜第4気筒12A〜12Dとするとき、吸気行程を迎える順番は、第1気筒12A、第3気筒12C、第4気筒12D、第2気筒12Bとなるように設定されている。この結果、第1気筒12Aが吸気行程を迎える時点を起点とすると、各気筒と行程の関係は、表1の通りとなる。
Figure 2006266137
そこで、本実施形態では、ロータリバルブ50の開口52に対して、第1分岐吸気管43Aを回転方向下流側、第2分岐吸気管43Bを回転方向上流側に位相をずらせて対向可能に配置するとともに、開口53に対して第3分岐吸気管43Cを回転方向上流側、第4分岐吸気管43Dを回転方向下流側に位相をずらせて対向可能に配置している。
より詳細に説明すると、第2気筒12Bに接続される第2分岐吸気管43Bと第1気筒12Aに接続される第1分岐吸気管43Aとが、前方の開口52に対向可能な位置に、上流側から順に90°位相をずらした状態でサージタンク42に固定されているとともに、第3気筒12Cに接続される第3分岐吸気管43Cと第4気筒12Dに接続される第4分岐吸気管43Dとが、後方の開口53に対向可能な位置に、上流側から順に90°位相をずらした状態でサージタンク42に固定されている。さらに、第1分岐吸気管43Aと第4分岐吸気管43D(従って、第2分岐吸気管43Bと第3分岐吸気管43C)がサージタンク42の周方向において同一位相に配置されている。従って、この構成では、エンジンの回転速度に拘わらず、所定のタイミングで分岐吸気管43A〜43Dを開閉することが可能になっているとともに、各分岐吸気管43A〜43Dの等長化並びにコンパクト化に寄与することになる。この結果、吸気通路PH11〜PH14を可及的に短縮化し、トルク向上に対するレスポンスの高い吸気構造を構成することが可能になる。また、上述したように、サージタンク42の気筒列方向の長さSLは、次に説明する各分岐吸気管43A〜43Dの気筒列方向における下流端側の間隔DLよりも短くなるように設定されている(図1参照)ことと相俟って、各分岐吸気管43A〜43Dの上流端は、下流端に比べて気筒列方向に集束している。このため、本実施形態においては、極めてトルク向上に対するレスポンスが高くなる構造になっている。
図4は図2の要部を拡大した断面図である。
同図を参照して、ロータリバルブ50の直径Dは、各分岐吸気管43A〜43Dの断面幅よりも大きく設定されている。このロータリバルブ50をクランクシャフト3と同期させて回転させることにより、各開口52、53が対応する分岐吸気管43A〜43Dを開く時間も短くなる。またロータリバルブ50が回転によって、周面に形成された開口52、53によって、当該周面に臨む分岐吸気管43A〜43Dに空気を供給するものであるので、空気の脈動を抑制することができ、異音の発生も少なくなる。
さらに、ロータリバルブ50に形成された各開口52、53間の閉弁角度θは、例えば120°に設定されており、開弁開始タイミングを吸気行程の前半部分とすることにより、吸気弁19が吸気ポート17を開いてもロータリバルブ50がサージタンク42を遮蔽した状態になるので、ロータリバルブ50が開くまでの間、吸気行程によって、対応する分岐吸気管43A(〜43D)内に負圧が生じることになる。
図5は図1の要部を拡大して示す部分拡大図である。
図4および図5を参照して、各分岐吸気管43A〜43Dには、可変通路長システムとしてのVIS(Valuable Induction System)60が設けられている。
VIS60は、クランクシャフト3と平行に延びる容積部としての容積管61と、この容積管61と各分岐吸気管43A〜43Dとを接続する連通管62と、連通管62を開閉する開閉機構としてのVISバルブ63とを有している。図示の例において、容積管61は、各分岐吸気通路43A〜43Dを連通する連通路としても機能する部材である。各VISバルブ63は、同一の駆動軸64に連結されており、駆動軸64を駆動するVISバルブアクチュエータ65によって、一斉に開閉駆動されるように構成されている。
図2を参照して、エンジン10には、エンジン回転数検出手段としての一対のエンジンクランク角度センサ66が設けられている。各エンジンクランク角度センサ66は、所定の位相差をもってクランクシャフト3の周囲に配置されており、一方のエンジンクランク角度センサ66から出力される検出信号に基づいてエンジンの回転速度が検出されるとともに、両エンジンクランク角度センサ66から出力される検出信号に基づいてクランクシャフト3の回転方向および回転角度が検出されるようになっている。さらに、エンジン10の運転状態を検出するために、エンジン10の冷却水の温度を検出するエンジン水温センサ67、エンジン負荷検出手段としてのアクセル開度センサ68、および上記排気ガス浄化触媒の上流側に配置され、排気ポート18から排出された排気ガスの酸素量を検出するOセンサ69が設けられている。
また、排気ポート18に排出された既燃ガスの一部を吸気ポート17に還流するためのEGRシステム70が設けられている。
図6は本実施形態に係るブロック図である。
同図を参照して、エンジン10を駆動制御するためのECU100は、マイクロプロセッサ、メモリ、入力部および出力部を有しているユニットである。このECU100の入力部には、ロータリバルブ50の位相を検出するPGV角度センサ58、エンジンクランク角度センサ66、エンジン水温センサ67、アクセル開度センサ68、Oセンサ69が入力要素として接続されている。また、ECU100の出力部には、点火プラグ16、燃料噴射弁21、吸気弁19および排気弁20の可変バルブタイミング機構24、25、ロータリバルブ進角機構56(具体的にはOCVシステム57)、およびVISバルブアクチュエータ65が出力要素として接続されている。
次に、ECU100のメモリに記憶されている制御マップについて説明する。
図7は本実施形態に係るトルクとエンジン回転数Nとの関係を示すグラフであり、図8はエンジン10の低速運転領域におけるロータリバルブおよびVISバルブとトルクとの関係を示すグラフである。
各図を参照して、この実施形態では、エンジン10の筒内温度に関する温度(例えば、エンジン水温センサ67で検出される冷却水の温度)Wtが予め設定された所定温度Wt1に満たない低温時をエンジン10の冷間時、所定温度Wt1以上の高温時を温間時として定め、冷間時におけるロータリバルブ50の運転領域(冷間時PGV作動領域)R4が温間時におけるロータリバルブ50の運転領域(温間時PGV作動領域)R5よりも拡がるようにECU100に定められている。すなわち、図7から明らかなように、エンジン10の温間時においては、エンジン回転数Nが約1500rpmまでにロータリバルブ50の作動領域R5が設定されているのに対し、冷間時においては、エンジン回転数Nが約2500rpmまで、エンジン負荷の状態に応じて、ロータリバルブ50の作動領域R4が拡張されている。これに伴い、VISバルブ63の動作も、低負荷側で容積管61を開くタイミングが、温間時のトルクτ1よりも冷間時のトルクτ2の方が高負荷側に拡張されている。
本実施形態では図7に示すように、温間時においても領域R5を定め、この運転領域でロータリバルブ50を運転することとしているので、トルクの向上を図ることとは別に、燃料の気化霧化を促進し、燃焼安定性を向上させるためにロータリバルブ50を有効利用することが可能になる。
さらに図8から明らかなように、図示の実施形態では、エンジン10の低速運転領域において、高負荷側(トルクτ3以上の領域)においても、VISバルブ63が閉じて、ロータリバルブ50が作動するように設定されている。この結果、燃料の気化性が重視される低速/低負荷領域と、高い出力性能が要請される低速/高負荷領域では、ロータリバルブ50が作動し、燃焼安定性の向上や体積効率の向上が図られる一方、比較的そのような要請の少ない低速/中負荷領域では、VISバルブ63が開くことによる分岐吸気管43A〜43Dの動的過給効果によって、燃費の向上を図りつつ、出力を確保するように構成されている。
図9は、筒内圧力とクランク角度との関係を示すグラフであり、(A)は冷間時、(B)は温間時である。図9においてINは吸気弁19の開弁特性、C11、C12は、冷間時、温間時のロータリバルブ50の開弁特性をそれぞれ示している。本実施形態では、最遅角時のロータリバルブ50は、吸気行程の後半に開弁するように設定されている。
同図(A)(B)を参照して、さらに図示の実施形態では、エンジン10の冷間時と温間時とで、燃料噴射タイミングTr1、Tr2が個別に設定されている。
本実施形態では、冷間時においては、ロータリバルブ50が開弁する前の吸気行程前半で燃料噴射し、温間時には、ロータリバルブ50の開弁タイミング付近(好ましくは、開弁直後)で燃料噴射するように設定されている。
図10はエンジン始動後のいわゆるファーストアイドル状態におけるロータリバルブの開弁角度と燃料噴射タイミング並びに点火タイミングを示すタイミングチャートである。同図において、INは吸気弁19の開弁特性、C10はファーストアイドル状態におけるロータリバルブ50の開弁特性を示している。
図10を参照して、エンジン10の冷間始動直後のファーストアイドル状態においては、排気ガス浄化触媒を活性化するための触媒活性促進運転がECU100によって実行されるようになっている。この触媒活性促進運転を実現するために、本実施形態では、排気ガス浄化触媒の活性温度に関連する温度として、エンジン水温センサ67の検出温度Wtを採用し、この検出温度Wtが予め設定された所定温度(触媒活性状態相当温度)Wt2に満たない低温時を触媒未活性状態、触媒活性状態相当温度Wt2以上の高温時を活性温度状態として判別するようにECU100が構成されている。なお、排気ガス浄化触媒の活性状態の判別は、水温検出とエンジン始動からの経過時間の判定とを併用して行うようにしてもよく、また、触媒温度を直接検出するようにしてもよい。そして、排気ガス浄化触媒が触媒活性状態相当温度Wt2より低い未活性状態にある場合、ECU100は、ロータリバルブ50を最遅角させて作動させるとともに、点火プラグ16の点火タイミングIGを所定のリタード限界までリタードさせるように設定されている。ロータリバルブ50を最遅角で作動させることにより、負圧によって燃料の気化霧化が促進されるため、燃焼安定性が向上するとともに、点火タイミングIGのリタード限界が大きくなり、排気性能を大幅に向上させることが可能になる。
次に、触媒活性促進運転時の燃料噴射は、特に図9(A)で説明した冷間時の燃料噴射タイミングTr1の範囲に加えて、燃料噴射タイミングをF1、F2に2分割することが好ましい。最初の燃料噴射タイミングF1は、原則として、吸気ポート17の開弁期間内において吸気行程前半までの間に設定され、2回目の燃料噴射タイミングF2は、ロータリバルブ50が開弁する付近(より詳細には、開弁開始直前に噴射を開始し、開弁後に噴射を終了するタイミング)に設定されることが好ましい。最初の燃料噴射タイミングF1を吸気ポート17の開弁期間内において吸気行程前半までの間に設定することにより、ロータリバルブ50によって生じた負圧により、噴射された燃料の気化率が大幅に向上する。
図11は吸気温度と気化率の関係を表わすグラフである。
同図を参照して、約一気圧(100KPa)の燃料が気化する気化率は、20℃の場合、100パーセント以上であるが、吸気温度が0℃に下がった時点で約70パーセントに減少する。これに対して、圧力が67KPaに下がったガソリンの気化率は、吸気温度が20℃から0℃まで下がった場合でも、98パーセント以上を維持している。従って、気化率が特に問題となる冷間時において、高い気化率を維持するためには、多少の温度変化があったとしても、圧力低下を利用する方が有利となる。
また、2回目の燃料噴射タイミングF2をロータリバルブ50が開弁する付近に設定することにより、ロータリバルブ50によって生成されるインパルスの流速で噴射された燃料をいわば筒内に押込むことが可能になり、気化霧化の向上に加え、インパルスによる燃料のミキシング性が向上する。
図10で示したような燃料噴射特性を採用することにより、点火プラグ16の点火タイミングIGのリタード限界も大幅に増加し、例えば、圧縮行程の上死点からクランク角度CAで約20°経過後まで点火タイミングを遅らせることが可能になる。そして、図示の実施形態では、検出された水温が触媒活性状態相当温度Wt2に達するまでは(すなわち、冷間時では)、検出温度Wtの上昇に伴い、ロータリバルブ50を進角させて、燃費と排気性能とのバランスを最適化するとともに、このロータリバルブ50の進角に伴って、点火タイミングIGを進角させ、リタード限界の範囲内で混合気の点火が行われるようにしている。このように点火タイミングIGを冷間時においてリタードさせることにより、エンジン10の暖機を促進することができるとともに、ロータリバルブ50の進角に伴って点火タイミングIGをリタードさせることにより、排気性能と燃費の向上とを両立させることが可能になる。
図12は触媒活性促進運転時から温間運転時までのロータリバルブの開弁特性を示す図である。
図12(A)を参照して、触媒活性促進運転時においては、リタード限界を可及的に大きく設定するため、ロータリバルブ50を最遅角状態に固定して運転することが好ましい。但し、運転状態によって、触媒活性促進運転の期間が短縮されることが予想される場合や、検出された温度が比較的触媒活性状態相当温度Wt2に近い場合には、図12(B)に示すように、温度上昇に伴って、ロータリバルブ50を進角させながら運転させてもよい。
次に、図7〜図12の設定がなされた実施形態に係る動作フローを図13以下のフローチャートで説明する。図13〜図15は、図7〜図12の設定に基づくフローチャートである。
図13を参照して、以上の構成では、まず、エンジン10が始動を開始した後(ステップS101)、ECU100は、入力部に接続された入力要素から各検出値を読み込む(ステップS102)。
次いで、これらの検出値に基づき、PGVとしてのロータリバルブ50の目標値を設定する(ステップS103)。図示の実施形態において、エンジン始動時のロータリバルブ50の位相は、最も進角した状態(すなわちOFFの状態)に設定されている。この状態でECU100は、ロータリバルブ進角機構56のOCVシステム57を制御し、ロータリバルブ50の開弁タイミングを決定する。ロータリバルブ50は、低速側では、遅角(吸気弁19の開弁タイミングに対して最も開弁タイミングが遅れる状態)に設定されている一方、エンジン回転数Nが上昇するに連れて進角(吸気弁19の開弁タイミングに対して開弁タイミングが近づく状態)するように構成されている。
次いで、ECU100は、エンジンの運転領域が低回転低負荷領域であるか否かを判別する(ステップS104)。
図14を参照して、ステップS104において、エンジン10の運転領域が低回転低負荷領域であった場合、ECU100は、触媒活性状態検出手段としてのエンジン水温センサ67の検出値に基づき、図略の排気ガス浄化触媒の温度状態を判定する(ステップS105)。仮に温度状態が良好であると判定された場合、ECU100は、エンジン水温センサ67の検出値に基づいて、エンジン10の検出温度Wtを推定し、この検出温度Wtが所定温度Wt1に満たないかどうか、すなわちエンジン10が冷間時であるか否かを判定する(ステップS106)。仮にエンジン10が冷間時である場合、ECU100は、検出温度Wt(検出された水温)に対応してロータリバルブ50の遅角補正領域を変更し(ステップS107)、さらに、検出温度Wtに対応してロータリバルブ50の設定値を変更する(ステップS108)。これらのステップS107、S106は、予め実験等によって収集されたデータを制御マップとしてECU100に記憶し、その制御マップに基づくことにより実現される。
さらにECU100は、図9で示したグラフに基づく制御マップから、燃料の噴射タイミングを設定する(ステップS109)。このフローでは、冷間時であるので、ECU100は、図9(A)に基づき、噴射タイミングを冷間時燃料噴射タイミングTr1に設定する。また、点火タイミングIGは、ステップS107、S108での設定に対応してリタードしている。
その後、ECU100は、ロータリバルブ50を上述したステップS107、S108の設定に基づいて駆動する(ステップS110)。その後、ステップS109の設定に基づいて、燃料を噴射する(ステップS111)。このフローでは、冷間時において、燃料が図9(A)で示す冷間時燃料噴射タイミングTr1に噴射されるので、燃焼安定性の低い冷間時において、ロータリバルブ50の生成するインパルスにより、燃料の気化霧化が促進される。これにより、燃焼安定性が向上し、排気性能も高くなる。
そして、燃料が噴射された後、所定時期に火花点火されることにより、ロータリバルブ50によって混合が促進された混合気が燃焼され、トルクが生成される(ステップS112)。この冷間時においては、点火タイミングIGが所定量リタードしているので、エンジン10の暖機が促進される。
火花点火の実行後、ECU100は、エンジン10が停止するまで、ステップS102に戻る(ステップS113)。
次に、ステップS105において、排気ガス浄化触媒の温度状態が触媒活性状態相当温度Wt2に達していないと判定された場合、ECU100は、ロータリバルブ50の設定値を最遅角量に設定する(ステップS114)。
次に、排気性能の向上を図るため、ECU100は、空燃比を理論空燃比に設定する(ステップS115)。その後、ECU100は、より多くの排気エネルギーを創出するように、図10に対応する制御マップに基づき、燃料の噴射形態を2分割した分割燃料噴射形態に設定する(ステップS116)。その後、点火タイミングIGを図10に示すように圧縮上死点よりも所定量(例えばクランク角度CAで20°)リタードさせた値に設定し(ステップS117)、その後、ステップS110以降に移行する。
この結果、ステップS110が実行された場合、ロータリバルブ50は、吸気弁19から最も遅れた状態で開弁することになるので、ロータリバルブ50が開弁するまでの間、吸気行程にある気筒12A〜12D内に大きな負圧が生成されることになる。
また、ステップS116に基づいてステップS111が実行された場合、理論空燃比に設定された燃料が、図10に対応する制御マップに基づいて吸気行程内にて2分割されて噴射される。
そして、ステップS117に基づいてステップS112が実行された場合、点火タイミングIGが相当量リタードした状態で点火プラグ16が混合気を点火する。この結果、比較的大きな排気エネルギーが生成され、速やかに排気ガス浄化触媒の温度が上昇して排気ガス浄化触媒の活性化が図られる。
次に、ステップS106において、排気ガス浄化触媒が活性した後、さらに検出温度Wtも温間領域に達した場合、ECU100は、エンジン回転数Nがアイドル回転域(アイドル回転数以下の領域)であるか否かを判定する(ステップS118)。仮にエンジン回転数Nがアイドル回転域である場合、ECU100は、ロータリバルブ50を図7および図8における温間時の設定値にロータリバルブ50の運転条件を設定する(ステップS119)。このステップS119を終了した後、ECU100は、ステップS109に移行する。
このフローは温間時のものであるので、ECU100は、噴射タイミングを図9(B)における温間時燃料噴射タイミングTr2に設定する。また点火タイミングIGは、圧縮上死点近傍に進角している。
次いで、制御が後続するステップに移行すると、ロータリバルブ50は、温間時の運転条件で作動し(ステップS110)、ロータリバルブ50の開弁開始タイミング直後で燃料が噴射され(ステップS111)、火花点火される(ステップS112)。このため、前記インパルスが発生する直前に燃料が噴射されるとともに、この燃料が吸気に乗って、気筒12A〜12D内にいわば押込まれる状態となる。この結果、燃料も効率よく気筒12A〜12D内に導入され、新気と混合されるので、ミキシングが促進されるとともに、燃料の気化潜熱によって新気が冷却されることになる。従って、高負荷状態において空燃比をエンリッチにした場合でも、通路壁面に燃料が付着するのを抑制し、気化潜熱によるノッキング防止機能を高めることができる。
他方、ステップS118において、エンジン回転数Nがアイドル回転域を超えている場合には、次に説明するフローのステップS121へと制御が移行する。
図15を参照して、図13のステップS104の判別において、エンジンの運転領域が低速低負荷領域以外であった場合、ECU100は、エンジン10の運転領域が部分負荷領域であるか否かを判定する(ステップS120)。仮に部分負荷領域である場合、ECU100は、VISバルブ63のフラグFを参照し(ステップS121)、フラグFの値が0の場合、ECU100は、VISバルブ63を開き(ステップS122)、フラグFの値を1に更新した後(ステップS123)、ステップS110に移行する。また、ステップS121において、フラグFの値が1の場合には、そのまま次のステップS110に移行する。
他方、ステップS120において、エンジンの運転状態が全負荷状態である場合、ECU100はフラグFの値が1であるか否かを参照し(ステップS124)、フラグFの値が1である場合には、VISバルブ63を閉じて(ステップS125)、フラグFの値を0に更新する(ステップS126)。また、フラグFの値が0である場合には、そのままステップS110に移行する。
本実施形態では、排気ガス浄化触媒を活性させるための触媒活性促進運転を実行する際にはロータリバルブ50が作動し、インパルスが生成され、過給される。この結果、排気ガス浄化触媒が活性温度に達していない状態において、ロータリバルブ50の開弁直前に筒内に大きな負圧が生成されるとともに、ロータリバルブ50の開弁に伴い筒内に流入する吸気の流速が高められ、これらの要因により燃料の気化霧化が促進されること等で燃焼安定性が向上する。この結果、点火手段としての点火プラグ16による点火タイミングIGのリタード限界を拡げ、大きなリタード許容量を確保することが可能になる。そして、この触媒活性促進運転の実行時には、ECU100が点火プラグ16による点火タイミングIGを圧縮上死点後の所定タイミング(図10参照)にリタードさせるので、排気温度が上昇し、排気ガス浄化触媒の温度も速やかに上昇する。この結果、触媒活性促進運転を実行する触媒活性期間を可及的に短縮することが可能になる。
本実施形態では、エンジン水温センサ67が検出した検出温度Wtが所定温度Wt1以上に達するまでは、当該検出温度Wtの上昇に伴ってロータリバルブ50の開弁タイミングを進角させている。このため本実施形態では、エンジン10の検出温度Wtが低い状態では、大きなインパルスを生成して燃料の気化霧化の促進を優先する一方、エンジン10の検出温度Wtに応じてロータリバルブ50の開弁タイミングを進角させることにより、必要以上に大きな負圧が筒内に生じるのを抑制し、ロータリバルブ50による燃料の気化霧化促進とポンピングロスの抑制とを両立させることが可能になる。
また本実施形態では、エンジン10の冷間時において、ロータリバルブ50の進角に伴って点火プラグ16の点火タイミングIGを進角させている。このため本実施形態では、点火タイミングIGのリタードによって暖機を促進することができる一方、ロータリバルブ50の進角によって点火タイミングIGのリタード限界が小さくなるのに伴い、点火プラグ16による点火タイミングIGのリタード量を低減させることにより、運転状態に応じて排気性能と燃費の向上とを両立させることが可能になる。
また本実施形態では、図12(A)(B)で示したように、少なくとも触媒活性促進運転の実行初期においては、ロータリバルブ50の開弁タイミングを最遅角させている。この態様においては、排気ガス浄化触媒の活性要求が最も高い触媒活性促進運転の実行初期においては大きなインパルスを生成して燃料の気化霧化の促進を優先することができる。
また本実施形態では、エンジン水温センサ67が検出した検出温度Wtが所定の温度に満たない場合には、前記触媒活性促進運転の実行中において、ロータリバルブ50の開弁タイミングを最遅角させている。このため本実施形態では、エンジン10の冷間時では、大きなインパルスを生成して燃料の気化霧化が促進されるので、触媒活性期間の短縮を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、エンジン10の作動開始時にはロータリバルブ50の作動を停止させている。このため本実施形態では、エンジン10の作動時においては、ポンピングロスの小さい運転特性を得ることが可能になる。なお、ロータリバルブ50の作動を停止する手段としては、ロータリバルブ進角機構56、OCVシステム57を設けて、ロータリバルブ50を最進角させる方法を採用する他、VISバルブ63開いて各分岐吸気管43A〜43Dを連通路としての容積管61と連通する構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、ロータリバルブ50の開弁開始時の直前に燃料噴射弁21による燃料噴射を開始させている。このため本実施形態では、ロータリバルブ50によって生成されたインパルスによって、吸気の速度を高めることが可能になる。この結果、燃料が流速の早い吸気によって筒内にいわば押込まれることになり、燃料の気化霧化や、空気とのミキシング特性の促進を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、触媒活性促進運転時において吸気行程の開弁期間内で燃料の噴射を分割する分割噴射制御を実行している。このため本実施形態では、ロータリバルブ50によるインパルスの生成前後において、燃料が噴射される。インパルスが生成される前は、筒内の負圧が大きくなっているので、このタイミングで噴射された最初の燃料は、筒内の負圧により、気化霧化が促進される。さらに、ロータリバルブ50によるインパルスの生成後に噴射された燃料は、生成されたインパルスによって、いわば筒内に押込まれた状態で空気と混合する。このため、燃料のミキシング特性が格段に向上する。なお、吸気行程の上死点前に噴射される燃料は、ポート噴射構成のエンジン10である場合、圧縮行程後半であってもよい。
本実施形態では、ロータリバルブ50の開弁前の吸気行程前半に前半の燃料を噴射し、ロータリバルブ50が開弁する付近の時期に後半の燃料を噴射している。このため本実施形態では、エンジン10の燃焼室に直接燃料を噴射するいわゆる直噴エンジンにおいても、確実に燃料の気化霧化の促進や、ミキシング性能の向上を図ることが可能になる。
上述した各実施形態は、本発明の好ましい具体例に過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。
例えば、触媒活性促進運転の実行時に燃料噴射を分割するに当たり、直噴エンジンにこの態様を適用する場合には、後半の燃料噴射を圧縮行程中に行うようにしてもよい。また、分割の態様として、吸気弁の開弁開始後ロータリバルブ50の開弁開始前と、ロータリバルブ50の開弁開始直後と、圧縮行程前半の3分割噴射を採用してもよい。
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
本発明の実施の一形態に係る4サイクル火花点火式多気筒エンジンの右側面図である。 図1のA−A断面略図である。 本実施形態の要部を簡略化して示す斜視図である。 図2の要部を拡大した断面図である。 図1の要部を拡大して示す部分拡大図である。 本実施形態に係るブロック図である。 本実施形態に係るトルクとエンジン回転数との関係を示すグラフである。 エンジンの低速運転領域におけるロータリバルブおよびVISバルブとトルクとの関係を示すグラフである。 筒内圧力とクランク角度との関係を示すグラフであり、(A)は冷間時、(B)は温間時である。 エンジン始動後のいわゆるファーストアイドル状態におけるロータリバルブの開弁角度と燃料噴射タイミング並びに点火タイミングを示すタイミングチャートである。 吸気温度と気化率の関係を表わすグラフである。 触媒活性促進運転時から温間運転時までのロータリバルブの開弁特性を示す図である。 図7〜図12の設定に基づくフローチャートである。 図7〜図12の設定に基づくフローチャートである。 図7〜図12の設定に基づくフローチャートである。
符号の説明
10 エンジン
12A〜12D 気筒
14 シリンダ
17 吸気ポート
18 排気ポート
19 吸気弁
20 排気弁
21 燃料噴射弁
22 カムシャフト
35 排気通路
40 吸気装置
41 インテークマニホールド
42 サージタンク
42 前記サージタンク
43A〜43D 分岐吸気管
44 スロットルボディ
50 ロータリバルブ
56 ロータリバルブ進角機構
57 OCVシステム
58 角度センサ
60 VIS(可変通路長システムの一例)
61 容積管
63 バルブ
64 駆動軸
65 バルブアクチュエータ
66 エンジンクランク角度センサ
67 エンジン水温センサ(触媒活性状態検出手段/温度検出手段の一例)
68 アクセル開度センサ(エンジン負荷検出手段の一例)
69 Oセンサ

Claims (10)

  1. 複数の気筒の各吸気ポートに空気を供給する吸気管と、
    各気筒の吸気行程に対応して、吸気ポートの開弁期間内の吸気行程途中で開弁して、気筒内に圧力波を生成するパルス発生装置と
    を備えた多気筒エンジンの制御装置において、
    エンジンの排気ガス浄化触媒の活性状態を検出する触媒活性状態検出手段と、
    エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    エンジンの負荷状態を検出するエンジン負荷検出手段と、
    噴射された燃料と空気の混合気に点火する点火手段と、
    前記触媒活性状態検出手段、エンジン回転数検出手段、および前記エンジン負荷検出手段の検出に基づいてパルス発生装置並びに点火手段を制御する制御手段と
    を設け、前記制御手段は、排気ガス浄化触媒が活性温度より低い温度状態にある場合には、パルス発生装置を作動させるとともに、このパルス発生装置の作動時に点火手段による点火タイミングを圧縮上死点後の所定タイミングにリタードさせる触媒活性促進運転を実行するものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  2. 請求項1記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    エンジンの筒内温度に対応する温度を検出する温度検出手段と、パルス発生装置の開弁タイミングを変更する可変バルブタイミング機構とを設け、前記制御手段は、温度検出手段が検出した筒内温度が所定の値以上に達するまでは、当該筒内温度の上昇に伴ってパルス発生装置の開弁タイミングを進角させるものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  3. 請求項2記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、パルス発生装置の進角に伴って点火手段の点火タイミングを進角させるものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  4. 請求項2または3記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、少なくとも触媒活性促進運転の実行初期においては、パルス発生装置の開弁タイミングを最遅角させるものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  5. 請求項1記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    エンジンの筒内温度に対応する温度を検出する温度検出手段と、パルス発生装置の開弁タイミングを変更する可変バルブタイミング機構とを設け、前記制御手段は、温度検出手段が検出した筒内温度が所定の温度に満たない場合には、前記触媒活性促進運転の実行中において、パルス発生装置の開弁タイミングを最遅角させるものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  6. 請求項2から5の何れか1項に記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    最遅角時のパルス発生装置は、吸気行程の後半に開弁するものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、エンジンの作動開始時にはパルス発生装置の作動を停止させるものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    エンジンに燃料を噴射する燃料噴射弁を設け、前記制御手段は、パルス発生装置の開弁開始時の直前に燃料噴射弁による燃料噴射を開始するものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  9. 請求項8項に記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、前記触媒活性促進運転時において吸気行程の開弁期間内で燃料の噴射を分割する分割噴射制御を実行するものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  10. 請求項9記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、パルス発生装置の開弁前の吸気行程前半に前半の燃料を噴射し、パルス発生装置が開弁する付近の時期に後半の燃料を噴射するものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
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