JP2006266112A - タービン動翼 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タービン動翼1の先端3から翼底部5までそれぞれ独立した複数の冷却空気通路2となる貫通孔を設け、該翼体をタービンディスクに設置する翼底部5に、前記貫通孔にディスクからの空気を供給するためのオリフィス穴6−1を形成した板6を設け、該オリフィス穴6−1は前記貫通孔の翼底部開口部に接し且つ接する部分では該開口部よりも同等又はより小なる開口穴を有するオリフィス穴とした。
【選択図】図3
Description
本発明では、別の手段として、的確な流量調整装置をマルチホールと組み合わせて的確なものとすることを課題とした。
(1)翼体の先端から翼底部までそれぞれ独立した複数の冷却空気通路となる貫通孔を設け、該翼体をタービンディスクに設置する翼底部に、前記貫通孔にディスクからの空気を供給するためのオリフィス穴を形成した板を設け、該オリフィス穴は前記貫通孔の翼底部開口部に接し且つ接する部分では該開口部よりも同等又はより小なる開口穴を有するオリフィス穴としたことを特徴とするタービン動翼として、冷却通路を流れる的確な冷却空気の流量を規制し、冷却性能のよい通路とすることができた。
(2)オリフィス板に形成したオリフィス穴は翼底部と接する部分よりディスクと面する部分で開口面積を大きくしたことを特徴とする(1)記載のタービン動翼として、冷却空気が冷却通路に流れていくように方向つけができた。
(3)オリフィス穴の翼底部側とディスク側とで穴に傾斜を持たせたことを特徴とする(2)記載のタービン動翼によって、円滑な流れを形成することができた。
(4)オリフィス板のオリフィス穴を翼厚部分でのマルチホールに合わせて2列にしたことを特徴とする(1)記載のタービン動翼によって、翼内部に大きな空室を設けるのでなく、冷却通路を翼の両側に備えて表面を効率よく冷却するようにした。
(5)オリフィス板のオリフィス穴を翼厚部分でのマルチホールに合わせて千鳥足状にしたことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼によって、あまり厚くない翼幅のものでも、2列状態とできる。
(6)翼前縁側のマルチホールの孔径を翼後縁側のマルチホールの孔径よりも大きくしたことを特徴とする(1)記載のタービン動翼によって、高温ガスに晒される前縁側をより冷却しやすいように効率のよい冷却空気利用とした。
(7)翼体の先端から翼底部までそれぞれ独立した複数の冷却空気通路となる貫通孔を設け、該翼体をタービンディスクに設置する翼底部に、前記貫通孔にディスクからの空気を供給するためのオリフィス穴を形成した板を設けるとともに該板に合致するように翼根底部に溝を形成したことを特徴とするタービン動翼によって、オリフィスの取付が自在にできる。
(8)翼体の先端及び翼底部から機械加工して中間部で合致させてそれぞれ独立した複数の冷却空気通路となる貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼によって、機械加工しやすくでき、加工性のよいものとすることがよい。
図1は、本発明1実施例ガスタービン動翼の正面図であり、動翼1は、耐熱材料から形成され、内部には複数の独立した冷却通路、マルチホール2が穿孔又は成形されている。このマルチホールは翼の先端3と翼根部4とに連なりそれぞれ翼の先端3及び翼底部5にて開口している。冷却空気は、図の矢印から各マルチホールに供給され、動翼を冷却しながら、翼先端から高温ガス通路に排出される。
1実施例では、マルチホールの穴は翼体を機械加工によって穿孔され、翼先端から中段までのマルチホール2aは1〜2mm程度の孔径とし、また翼底部から中段までのマルチホール2bは、2aより大き目の孔径にして3〜4mm程度の孔を穿孔し、中段において合致して貫通孔とする。このように翼の底部に近いところの通路は比較的孔径を大きくしているので冷却空気の流れが円滑にいく。また、穿孔は翼先端からと翼底部とからそれぞれ行うので、加工時間が短縮されるし、穿孔の仕損じも少なくなる。
図2は、図1のA部を底面から見た説明図であり、(a)は翼底面であり、(b)はオリフィス板6の底面であり、(c)はオリフィス板6の断面図である。翼底面に開口しているマルチホール2の穴開口部2−1に当接するオリフィス穴6−1が設けられている。オリフィス板の厚みと穴口径とは冷却空気取り入れに重要な役割をし、冷却通路マルチホールの長さ、口径によっても規定される。また、同じマルチホール通路の口径でも翼前縁側2−2の孔面積を他より大きくすることも、翼前縁での高温に対し、有効な冷却が可能である。動翼の後縁側では他より小さなマルチホール口径でよく、できるだけ効率のよい冷却空気利用とすることが出力にも影響する。(c)はオリフィス穴がマルチホールの孔に合わせて翼厚方向で千鳥足状に設計されており、(d)は他実施例で、翼の厚みが比較的厚いものであり、翼厚方向に合わせて穴が2列状になっている。
図3は、図1A部のより詳細な断面図であり、(a)は翼根部4とオリフィス板6の取り付け構造を示し、(b)はオリフィス板の底面図を示す。図に詳細示すように、このオリフィス穴の当接する側の口径dは、貫通孔2の翼底部開口部口径Dよりも同等又はより小なる口径を有する。これにより、流量が規制され、適切量に制御される。
図4は、オリフィス孔の開口状態を示した部分断面図であり、(a)はハの字型でマルチホール側に口径の小さな面が当接するようにされ、そこからディスクと面する部分に向けて穴に傾斜面を設けている。これはオリフィス板厚みの大きな場合に使用されることが多い。(b)は略垂直の孔であり、これは板厚みの薄い場合に使用されることが多い。(c)は、オリフィス穴のディスクに面する側にR部(丸み)を施した穴形状として、冷却空気の円滑な流れを企図したもので、ディスク側空気供給通路が広い場合に有効である。このうち、(b)の略垂直孔は流量調整がしやすいという特徴がある。このように、オリフィス穴を設けた板によって規制できるので、穴の調整が簡単である。
(3)はガスタービン本体の出力(縦軸に出力をとる)に関する影響で、従来技術ではばらつきにより本体出力にもばらつきが生じ(a)、本発明では、ばらつきが少ないので、安定した出力を供給できる(b)。
(4)はガスタービン効率についても、従来技術のばらつきによる効率のばらつきが生じ、本発明では効率にばらつきのない運転が可能であり、効率アップが見込める。
ディスク側の冷却空気供給は、ロータ中心からディスク内の通路を経て、供給通路に入ってきて、オリフィス穴を通じて各マルチホールに供給される。また、オリフィス板は翼根部底面に差込みできるように、スライドできる溝を形成しておくことは、組付け時に有効である。
2 マルチホール
2−1 開口部
3 翼先端
4 翼根部
5 翼底部
6 オリフィス板
6−1 オリフィス穴
Claims (8)
- 翼体の先端から翼底部まで機械加工によりそれぞれ独立した複数の冷却空気通路となる貫通孔を設け、該翼体をタービンディスクに設置する翼底部に、前記貫通孔にディスクからの空気を供給するためのオリフィス穴を形成した板を設け、該オリフィス穴は前記貫通孔の翼底部開口部に接し且つ接する部分では該開口部よりも同等又はより小なる開口穴を有するオリフィス穴としたことを特徴とするタービン動翼。
- オリフィス板に形成したオリフィス穴は翼底部と接する部分よりディスクと面する部分で開口面積を大きくしたことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼。
- オリフィス穴のディスク側にR部を設けたことを特徴とする請求項2記載のタービン動翼。
- オリフィス板のオリフィス穴を翼厚部分でのマルチホールに合わせて2列にしたことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼。
- オリフィス板のオリフィス穴を翼厚部分でのマルチホールに合わせて千鳥足状にしたことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼。
- 翼前縁側のマルチホールの孔径を翼後縁側のマルチホールの孔径よりも大きくしたことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼。
- 翼体の先端から翼底部までそれぞれ独立した複数の冷却空気通路となる貫通孔を設け、該翼体をタービンディスクに設置する翼底部に、前記貫通孔にディスクからの空気を供給するためのオリフィス穴を形成した板を設けるとともに該板に合致するように翼根底部に溝を形成したことを特徴とするタービン動翼。
- 翼体の先端及び翼底部から機械加工して中間部で合致させてそれぞれ独立した複数の冷却空気通路となる貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼。
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