JP2006265238A - ピリジル酢酸化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペプチダーゼ阻害作用を有し、糖尿病の予防・治療剤などとして有用である化合物の提供。
【解決手段】式(I):
Figure 2006265238

[式中、RはC3-10シクロアルキル基で置換されていてもよいC1-6アルキル基を、RはC2-6アルキル基を、Rは水素原子、C1-6アルキル基またはハロゲン原子を、Xは−ORまたは−NRR(RおよびRは水素原子、炭化水素基または複素環基を、Rは炭化水素基、複素環基またはヒドロキシ基等を示す。]で表される化合物またはその塩。
【選択図】なし

Description

本発明は、ペプチダーゼ阻害作用を有し、糖尿病の予防・治療剤などとして有用なピリジル酢酸化合物に関する。
ペプチダーゼは、様々な疾患に関連していることが知られている。ペプチダーゼの1種であるジペプチジルペプチダーゼ−IV(以下、DPP−IVと略記することがある)は、N末端から2番目にプロリン(あるいはアラニン)を含むペプチドに特異的に結合し、そのプロリン(あるいはアラニン)のC末端側を切断してジペプチドを産生するセリンプロテアーゼである。また、DPP−IVはCD26と同一分子であることも示されており、免疫系にも関係があることが報告されている。哺乳類におけるDPP−IVの役割は完全には明らかになっていないが、神経ペプチドの代謝、T細胞の活性化、ガン細胞の内皮細胞への接着やHIVの細胞内への侵入等において重要な役割を演じていると考えられている。特に糖代謝の面では、DPP−IVはインクレチンであるGLP−1(glucagon-like peptide-1)あるいはGIP(Gastric inhibitory peptide/Glucose-dependent insulinotropic peptide)の不活性化に一役買っている。GLP−1に関して更に言えば、血漿中の半減期が1〜2分と短い上、DPP−IVによる分解産物であるGLP−1(9−36)amideがGLP−1受容体に対してアンタゴニストとして働くなど、DPP−IVに分解されることによりその生理活性が著しく損なわれる事が知られている。そしてDPP−IV活性を阻害することによりGLP−1の分解を抑制すれば、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進するなどGLP−1の有する生理活性が増強される事も知られている。これらの事実からDPP−IV阻害作用を有する化合物は、1型及び2型糖尿病などにおいて認められる耐糖能不全、食後高血糖、空腹時高血糖やそれに伴う肥満・糖尿病性合併症などに効果を示すことが期待される。
DPP−IV阻害作用を有する化合物としては、例えば式:
Figure 2006265238
[式中、XはNまたはCR5(R5は水素または低級アルキルを示す)を;R1およびR2は独立して水素または低級アルキルを;R3は低級アルキル等でそれぞれ置換されていてよいヘテロ環基またはアリールを;R4は低級アルキル等を示す]で表される化合物またはその塩が報告されている(特許文献1参照)。
しかしながら、本発明の化合物についての報告はない。
国際公開第WO03/068757号パンフレット
ペプチダーゼ阻害作用を有し、糖尿病の予防・治療剤などとして有用であり、かつ薬効、作用時間、特異性、低毒性等の点で優れた性質を有する化合物の開発が望まれている。
本発明者らは、ピリジン環の3位にメチレン基を介したアミノ基、4位に置換されていてもよいフェニル基、5位にメチレン基を介したアシル基および6位にC2−6アルキル基が結合している点に化学構造上の特徴を有する式(I):
Figure 2006265238
[式中、Rは、C3−10シクロアルキル基で置換されていてもよいC1-6アルキル基を、
Rは、C2−6アルキル基を、
Rは、水素原子、C1−6アルキル基またはハロゲン原子を、
Xは、−ORまたは−NRR(RおよびRは、独立して水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、Rは、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基または置換されていてもよいヒドロキシ基を示すか、あるいはRおよびRは、隣接する窒素原子とともに、置換されていてもよい含窒素複素環を形成していてもよい)を示す。]
で表される化合物またはその塩[以下、化合物(I)と略記することがある。]が、優れたペプチダーゼ阻害作用を有し、糖尿病の予防・治療剤などとして有用であることを初めて見出した。この知見に基づいて、本発明者らは鋭意研究を行い、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は
1)化合物(I);
2)Xが−OHである化合物(I);
3)RがC3−6アルキル基である化合物(I);
4)RがC1−6アルキル基である化合物(I);
5)[5-(アミノメチル)-2-エチル-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸;
[5-(アミノメチル)-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸;
[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸;
1-{[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]アセチル}-L-プロリンアミド;
またはその塩である化合物(I);
6)化合物(I)のプロドラッグ;
7)化合物(I)またはそのプロドラッグを含有してなる医薬;
8)糖尿病、糖尿病性合併症、耐糖能不全または肥満症の予防・治療剤である前記7)記載の医薬;
9)化合物(I)またはそのプロドラッグを含有してなるぺプチダーゼ阻害剤;
10)ぺプチダーゼがジペプチジルぺプチダーゼ−IVである前記9)記載の阻害剤;
11)糖尿病、糖尿病性合併症、耐糖能不全または肥満症の予防・治療剤を製造するための、化合物(I)またはそのプロドラッグの使用;
12)ペプチダーゼ阻害剤を製造するための、化合物(I)またはそのプロドラッグの使用;
13)化合物(I)またはそのプロドラッグを哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物における糖尿病、糖尿病性合併症、耐糖能不全または肥満症の予防または治療方法;
14)化合物(I)またはそのプロドラッグを哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物におけるペプチダーゼの阻害方法;
15)式(1):
Figure 2006265238
[式中、Pは水素原子またはアミノ基の保護基を、
Rは、C3−10シクロアルキル基で置換されていてもよいC1-6アルキル基を、
Rは、C2−6アルキル基を、
Rは、水素原子、C1−6アルキル基またはハロゲン原子を示す。]
で表される化合物またはその塩を加水分解反応および脱保護反応に付すことを特徴とする、式(I−a):
Figure 2006265238
[式中の記号は前記と同意義を示す。]
で表される化合物またはその塩の製造方法;
などに関する。
本発明化合物は、優れたペプチダーゼ阻害作用を有し、糖尿病の予防・治療剤などとして有用である。
以下、式(I)中の各記号の定義について詳述する。
R1で示される「C3-10シクロアルキル基で置換されていてもよいC1-6アルキル基」における「C1-6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルなどが挙げられる。
R1で示される「C3-10シクロアルキル基で置換されていてもよいC1-6アルキル基」における「C3-10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシル、アダマンチルなどが挙げられる。
R1は、好ましくはC3-6アルキル基であり、より好ましくは分枝状C3-6アルキル基であり、特に好ましくはイソブチル、ネオペンチルである。
R2で示される「C2-6アルキル基」としては、例えば、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルなどが挙げられる。
R2は、好ましくはエチル、イソブチルである。
R3で示される「C1-6アルキル基」としては、前記R1において例示したものが挙げられる。
R3で示される「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
R3は、好ましくはC1-6アルキル基であり、より好ましくはメチルである。
R4、R5またはR6で示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」としては、例えば、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C4-10シクロアルカジエニル基、C6-14アリール基、C7-13アラルキル基、C8-13アリールアルケニル基、C3-10シクロアルキル−C1-6アルキル基などが挙げられる。
ここで、C1-10アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。
C2-10アルケニル基としては、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニルなどが挙げられる。
C2-10アルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニルなどが挙げられる。
C3-10シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシル、アダマンチルなどが挙げられる。
C3-10シクロアルケニル基としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられる。
C4-10シクロアルカジエニル基としては、例えば、2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルなどが挙げられる。
上記のC3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C4-10シクロアルカジエニル基はベンゼン環とそれぞれ縮合していてもよく、例えば、インダニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル等が挙げられる。
C6-14アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル、ビフェニリルなどが挙げられる。なかでも、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが好ましい。
C7-13アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、ビフェニリルメチルなどが挙げられる。
C8-13アリールアルケニル基としては、例えば、スチリルなどが挙げられる。
C3-10シクロアルキル−C1-6アルキル基としては、例えば、シクロヘキシルメチルなどが挙げられる。
前記した、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基は置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、例えば、
(1)C3-10シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロヘキシル);
(2)C6-14アリール基(例、フェニル、ナフチル);
(3)カルボキシル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基およびC1-6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、チエニル、フリル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、キノリル、インドリル);
(4)C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)で置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフリル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、ピロリジニル、ピペラジニル、オキソジオキソリル、オキソジオキソラニル、オキソ−2−ベンゾフラニル、オキソオキサジアゾリル);
(5)C1-6アルキル基(例、メチル、エチル)、C1-6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、イソブタノイル、イソペンタノイル)およびC1-6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル)から選ばれる置換基でモノあるいはジ置換されていてもよいアミノ基;
(6)C1-6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ);
(7)アミジノ基;
(8)C1-6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、イソブタノイル、イソペンタノイル);
(9)C1-6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル);
(10)C1-6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル);
(11)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル)でモノあるいはジ置換されていてもよいカルバモイル基;
(12)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル)でモノあるいはジ置換されていてもよいチオカルバモイル基;
(13)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル)でモノあるいはジ置換されていてもよいスルファモイル基;
(14)カルボキシル基;
(15)ヒドロキシ基;
(16)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ);
(17)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC2-6アルケニルオキシ基(例、エテニルオキシ);
(18)C3-10シクロアルキルオキシ基(例、シクロヘキシルオキシ);
(19)C7-13アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ);
(20)C6-14アリールオキシ基(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシ);
(21)C1-6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ);
(22)チオール基;
(23)1〜3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-6アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ);
(24)C7-13アラルキルチオ基(例、ベンジルチオ);
(25)C6-14アリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフチルチオ);
(26)スルホ基;
(27)シアノ基;
(28)アジド基;
(29)ニトロ基;
(30)ニトロソ基;
(31)ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素);
(32)C1-6アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル);
などが挙げられる。
また、前記「炭化水素基」として例示した、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C4-10シクロアルカジエニル基、C6-14アリール基、C7-13アラルキル基、C8-13アリールアルケニル基、C3-10シクロアルキル−C1-6アルキル基は置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、例えば、
前記したC1-10アルキル基等における置換基として例示した置換基;
ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルボキシル基、C1-6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、カルバモイル基およびC1-6アルコキシ基(例、メトキシ)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル);
ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルボキシル基、C1-6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)およびカルバモイル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC2-6アルケニル基(例、エテニル、1−プロペニル);
C7-13アラルキル基(例、ベンジル);
オキソ基;
などが挙げられる。
R4、R5またはR6で示される「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」としては、芳香族複素環基および非芳香族複素環基が挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5〜7員の単環式芳香族複素環基および縮合芳香族複素環基が挙げられる。該縮合芳香族複素環基としては、例えば、これら5〜7員の単環式芳香族複素環基と、1ないし2個の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環とが縮合した基等が挙げられる。
芳香族複素環基の好適な例としては、フリル(例、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピラジニル(例、2−ピラジニル)、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、イソチアゾリル、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)、チアジアゾリル(例、1,3,4−チアジアゾール−2−イル)、トリアゾリル(例、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−5−イル)などの単環式芳香族複素環基;
キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル)、キナゾリル(例、2−キナゾリル、4−キナゾリル)、キノキサリル(例、2−キノキサリル)、ベンゾフリル(例、2−ベンゾフリル、3−ベンゾフリル)、ベンゾチエニル(例、2−ベンゾチエニル、3−ベンゾチエニル)、ベンゾオキサゾリル(例、2−ベンゾオキサゾリル)、ベンゾチアゾリル(例、2−ベンゾチアゾリル)、ベンゾチアジアゾリル(例、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−4−イル)、ベンズイミダゾリル(例、ベンズイミダゾール−1−イル、ベンズイミダゾール−2−イル)、インドリル(例、インドール−1−イル、インドール−3−イル)、インダゾリル(例、1H−インダゾール−3−イル)、ピロロピラジニル(例、1H−ピロロ[2,3-b]ピラジン−2−イル、1H−ピロロ[2,3-b]ピラジン−6−イル)、イミダゾピリジニル(例、1H−イミダゾ[4,5-b]ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ[4,5-c]ピリジン−2−イル)、イミダゾピラジニル(例、1H−イミダゾ[4,5-b]ピラジン−2−イル)などの縮合芳香族複素環基などが挙げられる。
非芳香族複素環基としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する5〜7員の単環式非芳香族複素環基および縮合非芳香族複素環基が挙げられる。該縮合非芳香族複素環基としては、例えば、これら5〜7員の単環式非芳香族複素環基と、1ないし2個の窒素原子を含む6員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環とが縮合した基等が挙げられる。非芳香族複素環基には、橋かけ環式のものも含まれる。
非芳香族複素環基の好適な例としては、ピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、ピペリジニル(例、ピペリジノ)、モルホリニル(例、モルホリノ)、チオモルホリニル(例、チオモルホリノ)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル)、ヘキサメチレンイミニル(例、ヘキサメチレンイミン−1−イル)、オキサゾリジニル(例、オキサゾリジン−3−イル)、チアゾリジニル(例、チアゾリジン−3−イル)、イミダゾリジニル(例、イミダゾリジン−3−イル)、オキソイミダゾリジニル(例、2−オキソイミダゾリジン−1−イル)、ジオキソイミダゾリジニル(例、2,4−ジオキソイミダゾリジン−3−イル)、ジオキソオキサゾリジニル(例、2,4−ジオキソオキサゾリジン−3−イル、2,4−ジオキソオキサゾリジン−5−イル、2,4−ジオキソオキサゾリジン−1−イル)、ジオキソチアゾリジニル(例、2,4−ジオキソチアゾリジン−3−イル、2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)、ジオキソイソインドリニル(例、1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)、オキソオキサジアゾリジニル(例、5−オキソオキサジアゾリジン−3−イル)、オキソチアジアゾリジニル(例、5−オキソチアジアゾリジン−3−イル)、オキソピペラジニル(例、3−オキソピペラジン−1−イル)、ジオキソピペラジニル(例、2,3−ジオキソピペラジン−1−イル、2,5−ジオキソピペラジン−1−イル)、オキソジオキソリル(例、2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)、オキソジオキソラニル(例、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)、3-オキソ−1,3-ジヒドロ-2−ベンゾフラニル(例、3−オキソ−1,3-ジヒドロ-2−ベンゾフラン−1−イル)、オキソジヒドロオキサジアゾリル(例、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)、オキソジヒドロピラゾリル(例、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-3-イル)、4-オキソ-2-チオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イル、4-オキソ-2-チオキソ-1,3-オキサゾリジン-5-イル、テトラヒドロピラニル(例、4−テトラヒドロピラニル)、4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾフラニル(例、4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾフラン-3-イル)、1,3(2H,5H)-ジオキソテトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジニル、1,3(2H,5H)-ジオキソ-10,10a-ジヒドロイミダゾ[1,5-b]イソキノリニル、アザビシクロオクチル(例、1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-2-イル、1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-イル)などが挙げられる。
R4およびR5が隣接する窒素原子とともに形成する「置換されていてもよい含窒素複素環」における「含窒素複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含み、さらに酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし2個含有していてもよい5〜7員の含窒素複素環が挙げられる。該含窒素複素環の好適な例としては、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、オキソピペラジン、ホモピペリジン、ホモピペラジン、チアゾリジン、ジヒドロインドール(例、2,3-ジヒドロインドール)、ジヒドロイソインドール(例、1,3-ジヒドロイソインドール)、テトラヒドロキノリン(例、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン)、トリアザスピロデカンジオン(例、1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン)、ヘキサヒドロピラジノオキサジノン(例、ヘキサヒドロピラジノ[2,1-c][1,4]オキサジン-4(3H)-オン)などが挙げられる。
該含窒素複素環は、置換可能な位置に1ないし3個(好ましくは1または2個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、前記R4またはR5で示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として例示したC3-10シクロアルキル基における置換基として例示したものが挙げられる。
R5で示される「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては、例えば、炭化水素基で置換されていてもよいヒドロキシ基が挙げられる。
ここで、炭化水素基としては、前記R4、R5またはR6で示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」として例示したものが挙げられる。
該「置換されていてもよいヒドロキシ基」は、好ましくは、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)などである。
R4、R5としては、同一または異なって、それぞれ水素原子(R4の場合のみ)、置換されていてもよいC1-10アルキル基、置換されていてもよいC3-10シクロアルキル基、置換されていてもよいC6-14アリール基、置換されていてもよいC7-13アラルキル基、置換されていてもよい複素環基および置換されていてもよいヒドロキシ基(R5の場合のみ)が好ましい。具体的には、
(1)水素原子(R4の場合のみ);
(2)C1-6アルコキシ−カルボニル基、C1-6アルコキシ基および複素環基(例、2−チエニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1-10アルキル基(好ましくはメチル、エチル);
(3)ベンゼン環と縮合していてもよいC3-10シクロアルキル基(好ましくはインダニル、テトラヒドロナフチル);
(4)(4a)ハロゲン原子;
(4b)C1-6アルコキシ−カルボニル基で置換されていてもよいC1-6アルキル基;
(4c)C1-6アルキル−カルボニル基;
(4d)C1-6アルキルスルホニル基;および
(4e)1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基;
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6-14アリール基(好ましくはフェニル);
(5)1ないし3個のC1-6アルキルスルホニル基で置換されていてもよいC7-13アラルキル基(好ましくはベンジル);
(6)C1-6アルキル基、C6-14アリール基、C7-13アラルキル基およびC1-6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基(例、ピリジル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、オキソジヒドロピラゾリル、アザビシクロオクチル、ピロリジニル);ならびに
(7)C1-6アルコキシ基(R5の場合のみ);
が好ましい。
R4およびR5が、隣接する窒素原子とともに形成する「置換されていてもよい含窒素複素環」における「含窒素複素環」としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ホモピペリジン、ホモピペラジン、チアゾリジン、ジヒドロインドール、ジヒドロイソインドール、テトラヒドロキノリン、トリアザスピロデカンジオン、ヘキサヒドロピラジノオキサジノンなどが好ましい。
これら含窒素複素環の置換基としては、
(1)カルバモイル基;
(2)C1-6アルキル−カルボニル基;
(3)C1-6アルコキシ−カルボニル基;
(4)C1-6アルキルスルホニル基;
(5)C1-6アルコキシ基およびC1-6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基;
(6)非芳香族複素環基(例、ピロリジニル);
(7)C1-6アルキル−カルボニル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基;
(8)ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素);
が好ましい。
R6としては、水素原子および置換されていてもよいC1-10アルキル基が好ましい。C1-10アルキル基の置換基としては、C1-6アルキル基で置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、オキソジオキソリル)が挙げられる。R6としては、特に水素原子が好ましい。
化合物(I)の好適な例としては、以下の化合物が挙げられる。
[化合物A]
R1が、C3-6アルキル基(好ましくはイソブチル、ネオペンチル);
R2が、C2-6アルキル基(好ましくはエチル、イソブチル);
R3が、C1-6アルキル基(好ましくはメチル);
Xが、-OR6または-NR4R5
R6が、水素原子、およびC1-6アルキル基で置換されていてもよい非芳香族複素環基(例、オキソジオキソリル)で置換されていてもよいC1-10アルキル基;
R4およびR5が、同一または異なって、それぞれ
(1)水素原子(R4の場合のみ);
(2)C1-6アルコキシ−カルボニル基、C1-6アルコキシ基および複素環基(好ましくは2−チエニル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1-10アルキル基(好ましくはメチル、エチル);
(3)ベンゼン環と縮合していてもよいC3-10シクロアルキル基(好ましくは、インダニル、テトラヒドロナフチル);
(4)(4a)ハロゲン原子;
(4b)C1-6アルコキシ−カルボニル基で置換されていてもよいC1-6アルキル基;
(4c)C1-6アルキル−カルボニル基;
(4d)C1-6アルキルスルホニル基;および
(4e)1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されていてもよいC1-6アルコキシ基;
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6-14アリール基(好ましくはフェニル);
(5)1ないし3個のC1-6アルキルスルホニル基で置換されていてもよいC7-13アラルキル基(好ましくはベンジル);
(6)C1-6アルキル基、C6-14アリール基、C7-13アラルキル基およびC1-6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基(例、ピリジル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、オキソジヒドロピラゾリル、アザビシクロオクチル、ピロリジニル);または
(7)C1-6アルコキシ基(R5の場合のみ);
であるか、あるいは、
R4およびR5が、隣接する窒素原子とともに
(1)カルバモイル基;
(2)C1-6アルキル−カルボニル基;
(3)C1-6アルコキシ−カルボニル基;
(4)C1-6アルキルスルホニル基;
(5)C1-6アルコキシ基およびC1-6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1-6アルキル基;
(6)非芳香族複素環基(例、ピロリジニル);
(7)C1-6アルキル−カルボニル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基;および
(8)ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素);
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい含窒素複素環(好ましくはピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ホモピペリジン、ホモピペラジン、チアゾリジン、ジヒドロインドール、ジヒドロイソインドール、テトラヒドロキノリン、トリアザスピロデカンジオン、ヘキサヒドロピラジノオキサジノン)を形成する;
化合物。

[化合物B]
上記[化合物A]のうち、Xが−OHである化合物。

[化合物C]
[5-(アミノメチル)-2-エチル-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸(実施例1);
[5-(アミノメチル)-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸 (実施例2);
[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸(実施例4);
1-{[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]アセチル}-L-プロリンアミド(実施例6);
またはその塩。
化合物(I)の塩としては、薬理学的に許容される塩が好ましく、このような塩としては、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
上記した塩の中でも無機酸との塩および有機酸との塩が好ましく、さらに塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩などが好ましい。
化合物(I)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物(I)に変化する化合物である。化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物);化合物(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物);化合物(I)のカルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物(例、化合物(I)のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。
また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
また、化合物(I)は、同位元素(例、3H、14C、35S、125Iなど)などで標識されていてもよい。
さらに、化合物(I)は、無水物であっても、水和物であってもよい。
化合物(I)またはそのプロドラッグ[以下、本発明化合物と略記することがある。]は、毒性が低く、そのまま、または薬理学的に許容し得る担体などと混合して医薬組成物とすることにより、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル)に対して、後述する各種疾患の予防または治療剤として用いることができる。
ここにおいて、薬理学的に許容し得る担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤の好適な例としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
溶剤の好適な例としては、注射用水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油などが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖などが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。
着色剤の好適な例としては、水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号などの食用色素)、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩)、天然色素(例、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラ)などが挙げられる。
甘味剤の好適な例としては、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビアなどが挙げられる。
前記医薬組成物の剤形としては、例えば、錠剤(舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの経口剤;および注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、点滴剤)、外用剤(例、経皮製剤、軟膏剤)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等の非経口剤が挙げられ、これらはそれぞれ経口的あるいは非経口的に安全に投与できる。
これらの製剤は、速放性製剤または徐放性製剤などの放出制御製剤(例、徐放性マイクロカプセル)であってもよい。
医薬組成物は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば、日本薬局方に記載の方法等により製造することができる。
なお、医薬組成物中の本発明化合物の含量は、剤形、本発明化合物の投与量などにより異なるが、例えば、約0.1〜100重量%である。
前記経口剤は、必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性を目的として、コーティング基剤でコーティングされていてもよい。
該コーティング基剤としては、例えば、糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤、徐放性フィルムコーティング基剤などが挙げられる。
糖衣基剤としては、白糖が用いられ、さらに、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナバロウなどから選ばれる1種または2種以上を併用してもよい。
水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE〔オイドラギットE(商品名)、ロームファルマ社〕、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プルランなどの多糖類などが挙げられる。
腸溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーLD〔オイドラギットL−30D55(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーS〔オイドラギットS(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物などが挙げられる。
徐放性フィルムコーティング基剤としては、例えば、エチルセルロースなどのセルロース系高分子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS〔オイドラギットRS(商品名)、ロームファルマ社〕、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル共重合体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子などが挙げられる。
上記したコーティング基剤は、その2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。また、コーティングの際に、例えば、酸化チタン、三二酸化鉄等のような遮光剤を用いてもよい。
本発明化合物は、毒性(例、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、癌原性)が低く、副作用も少なく、哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、サル、マウス、ラット;特にヒト)に対し、各種疾患の予防または治療剤、または診断薬として用いることができる。
本発明化合物は、優れたペプチダーゼ阻害作用を有し、ペプチドホルモン、サイトカイン、神経伝達物質等の生理活性物質のペプチダーゼによる分解を抑制することができる。
該ペプチドホルモンとしては、例えば、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、グルカゴン様ペプチド−2(GLP−2)、GIP、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)等が挙げられる。
サイトカインとしては、例えば、ランテス(RANTES)のようなケモカイン等が挙げられる。
神経伝達物質としては、例えば、ニューロペプチドY(neuropeptide Y)等が挙げられる。
ペプチダーゼとしては、例えば、生化学国際連合命名委員会が分類するところの、EC 3.4.11.1 (Leucyl aminopeptidase)、EC 3.4.11.2 (Membrane alanine aminopeptidase)、EC 3.4.11.3 (Cystinyl aminopeptidase)、EC 3.4.11.4 (Tripeptide aminopeptidase)、EC 3.4.11.5 (Prolyl aminopeptidase)、EC 3.4.11.6 (Aminopeptidase B)、EC 3.4.11.7 (Glutamyl aminopeptidase)、EC 3.4.11.9 (Xaa-Pro aminopeptidase)、EC 3.4.11.10 (Bacterial leucyl aminopeptidase)、EC 3.4.11.13 (Clostridial aminopeptidase)、EC 3.4.11.14 (Cytosol alanyl aminopeptidase)、EC 3.4.11.15 (Lysyl aminopeptidase)、EC 3.4.11.16 (Xaa-Trp aminopeptidase)、EC 3.4.11.17 (Tryptophanyl aminopeptidase)、EC 3.4.11.18 (Methionyl aminopeptidase)、EC 3.4.11.19 (D-stereospecific aminopeptidase)、EC 3.4.11.20 (Aminopeptidase Ey)、EC 3.4.11.21 (Aspartyl aminopeptidase)、EC 3.4.11.22 (Aminopeptidase I)、EC 3.4.13.3 (Xaa-His dipeptidase)、EC 3.4.13.4 (Xaa-Arg dipeptidase)、EC 3.4.13.5 (Xaa-methyl-His dipeptidase)、EC 3.4.13.7 (Glu-Glu dipeptidase)、EC 3.4.13.9 (Xaa-Pro dipeptidase)、EC 3.4.13.12 (Met-Xaa dipeptidase)、EC 3.4.13.17 (Non-stereospecific dipeptidase)、EC 3.4.13.18 (Cytosol nonspecific dipeptidase)、EC 3.4.13.19 (Membrane dipeptidase)、EC 3.4.13.20 (Beta-Ala-His dipeptidase)、EC 3.4.14.1 (Dipeptidyl-peptidase I)、EC 3.4.14.2 (Dipeptidyl-peptidase II)、EC 3.4.14.4 (Dipeptidyl-peptidase III)、EC 3.4.14.5 (Dipeptidyl-peptidase IV)、EC 3.4.14.6 (Dipeptidyl-dipeptidase)、EC 3.4.14.9 (Tripeptidyl-peptidase I)、EC 3.4.14.10 (Tripeptidyl-peptidase II)、EC 3.4.14.11 (Xaa-Pro dipeptidyl-peptidase)等が挙げられる。また、ペプチダーゼとしては、FAPα、DPP8、DPP9等も挙げられる。
これらのなかでも、EC 3.4.14.1、EC 3.4.14.2、EC 3.4.14.4、EC 3.4.14.5、EC 3.4.14.6、EC 3.4.14.9、EC 3.4.14.10、EC 3.4.14.11が好ましく、とりわけEC 3.4.14.5 (Dipeptidyl-peptidase IV)が好ましい。
本発明化合物は、ペプチダーゼ阻害作用に加えて、グルカゴンアンタゴニスト作用あるいはCETP(Cholesterylester transfer protein)阻害作用を併有していてもよい。本発明化合物がこれらの作用を併有する場合は、本発明化合物は、糖尿病(例、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、slowly progressive insulin dependent diabetes mellitus (SPIDDM)、LADA(Latent Autoimmune Diabetes in Adults) 、インスリン分泌不全型糖尿病、肥満型糖尿病)および高脂血症(例、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL血症、食後高脂血症)の予防・治療剤として、より効果的である。
本発明化合物は、糖尿病(例、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、slowly progressive insulin dependent diabetes mellitus (SPIDDM)、LADA(Latent Autoimmune Diabetes in Adults)の予防・治療剤;高脂血症(例、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL血症、食後高脂血症)の予防・治療剤;動脈硬化の予防・治療剤;耐糖能不全[IGT(Impaired Glucose Tolerance)]の予防・治療剤;インスリン分泌促進剤;および耐糖能不全から糖尿病への移行抑制剤として用いることができる。
糖尿病の判定基準については、日本糖尿病学会、ADA(米国糖尿病学会)およびWHOから判定基準が報告されている。
この報告によれば、糖尿病とは、空腹時血糖値(静脈血漿におけるグルコース濃度)が126mg/dL以上、75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)2時間値(静脈血漿におけるグルコース濃度)が200mg/dL以上、随時血糖値(静脈血漿におけるグルコース濃度)が200mg/dL以上のいずれかを示す状態である。また、上記糖尿病に該当せず、かつ、「空腹時血糖値(静脈血漿におけるグルコース濃度)が110mg/dL未満または75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)2時間値(静脈血漿におけるグルコース濃度)が140mg/dL未満を示す状態」(正常型)でない状態を、「境界型」と呼ぶ。
また、上記報告によれば、耐糖能不全とは、空腹時血糖値(静脈血漿におけるグルコース濃度)が126mg/dL未満であり、かつ、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値(静脈血漿におけるグルコース濃度)が140mg/dL以上200mg/dL未満を示す状態である。さらに、ADAの報告によれば、空腹時血糖値(静脈血漿におけるグルコース濃度)が110mg/dL以上126mg/dL未満の状態をIFG(Impaired Fasting Glucose)と呼ぶ。一方、WHOの報告によれば、該IFG(Impaired Fasting Glucose)のうち、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値(静脈血漿におけるグルコース濃度)が140mg/dL未満である状態をIFG(Impaired Fasting Glycemia)と呼ぶ。
本発明化合物は、上記した判定基準により決定される糖尿病、境界型、耐糖能不全、IFG(Impaired Fasting Glucose)およびIFG(Impaired Fasting Glycemia)の予防・治療剤としても用いられる。さらに、本発明化合物は、境界型、耐糖能不全、IFG(Impaired Fasting Glucose)またはIFG(Impaired Fasting Glycemia)から糖尿病への進展を防止することもできる。
本発明化合物は、例えば、糖尿病性合併症[例、神経障害、腎症、網膜症、白内障、大血管障害、骨減少症、糖尿病性高浸透圧昏睡、感染症(例、呼吸器感染症、尿路感染症、消化器感染症、皮膚軟部組織感染症、下肢感染症)、糖尿病性壊疽、口腔乾燥症、聴覚の低下、脳血管障害、末梢血行障害]、肥満症、骨粗鬆症、悪液質(例、癌性悪液質、結核性悪液質、糖尿病性悪液質、血液疾患性悪液質、内分泌疾患性悪液質、感染症性悪液質または後天性免疫不全症候群による悪液質)、脂肪肝、高血圧、多嚢胞性卵巣症候群、腎臓疾患(例、糖尿病性ネフロパシー、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症、末期腎臓疾患)、筋ジストロフィー、心筋梗塞、狭心症、脳血管障害(例、脳梗塞、脳卒中)、アルツハイマー病、パーキンソン病、不安症、痴呆症、統合失調症、インスリン抵抗性症候群、シンドロームX、メタボリックシンドローム、高インスリン血症、高インスリン血症における知覚障害、腫瘍(例、白血病、乳癌、前立腺癌、皮膚癌)、過敏性腸症候群、急性または慢性下痢、炎症性疾患(例、慢性関節リウマチ、変形性脊椎炎、変形性関節炎、腰痛、痛風、手術または外傷後の炎症、腫脹、神経痛、咽喉頭炎、膀胱炎、肝炎(非アルコール性脂肪性肝炎を含む)、肺炎、膵炎、腸炎、炎症性腸疾患(炎症性大腸疾患を含む)、潰瘍性大腸炎、胃粘膜損傷(アスピリンにより引き起こされた胃粘膜損傷を含む))、小腸粘膜損傷、吸収不良、精巣機能障害、内臓肥満症候群などの予防・治療剤としても用いることができる。
本発明化合物は、内臓脂肪の減少、内臓脂肪蓄積の抑制、糖代謝改善、脂質代謝改善、酸化LDL産生抑制、リポタンパク代謝改善、冠動脈代謝改善、心血管合併症の予防または治療、心不全合併症の予防または治療、血中レムナント低下、無排卵症の予防または治療、多毛症の予防または治療、高アンドロゲン血症の予防または治療、膵(β細胞)機能改善、膵(β細胞)再生、膵(β細胞)再生促進、食欲調節などにも用いられる。
本発明化合物は、上記した各種疾患(例、心筋梗塞などの心血管イベント)の2次予防および進展抑制にも用いられる。
本発明化合物は、高血糖の患者(例えば、空腹時血糖値が126mg/dL以上または75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)2時間値が140mg/dL以上である患者)において、選択的にインスリン分泌促進作用を発揮する、グルコース依存性インスリン分泌促進剤である。したがって、本発明化合物は、インスリンの弊害である血管合併症や低血糖誘発などの危険性の低い、安全な糖尿病の予防・治療剤として有用である。
本発明化合物は、スルホニルウレア2次無効糖尿病治療剤としても有用であり、スルホニルウレア化合物や速効性インスリン分泌促進薬ではインスリン分泌効果が得られず、したがって十分な血糖低下効果が得られない糖尿病患者においても、優れたインスリン分泌効果および血糖低下効果を奏する。
ここで、スルホニルウレア化合物としては、スルホニルウレア骨格を有する化合物またはその誘導体、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド、グリピザイド、グリブゾールなどが挙げられる。
また、速効性インスリン分泌促進薬としては、スルホニルウレア骨格を有さないが、スルホニルウレア化合物と同様に膵β細胞からのインスリン分泌を促進する化合物、例えばレパグリニド、セナグリニド、ナテグリニド、ミチグリニドまたはそのカルシウム塩水和物などのグリニド系化合物などが挙げられる。
本発明化合物の投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状などによっても異なるが、例えば、成人の糖尿病患者に経口投与する場合、通常1回量として約0.01〜100mg/kg体重、好ましくは0.05〜30mg/kg体重、さらに好ましくは0.1〜10mg/kg体重であり、この量を1日1回〜3回投与するのが望ましい。
本発明化合物は、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤、化学療法剤、免疫療法剤、抗血栓剤、骨粗鬆症治療剤、抗痴呆剤、勃起不全改善剤、尿失禁・頻尿治療剤、排尿困難治療剤などの薬剤(以下、併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。この際、本発明化合物と併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。さらに、本発明化合物と併用薬剤とは、それぞれの活性成分を含む2種類の製剤として投与されてもよいし、両方の活性成分を含む単一の製剤として投与されてもよい。
併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。
なお、糖尿病治療剤としては、インスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌またはイーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤;インスリン亜鉛;プロタミンインスリン亜鉛;インスリンのフラグメントまたは誘導体(例、INS−1)、経口インスリン製剤)、インスリン抵抗性改善剤(例、ピオグリタゾンまたはその塩(好ましくは塩酸塩)、ロシグリタゾンまたはその塩(好ましくはマレイン酸塩)、レグリキサン(Reglixane)(JTT-501)、GI-262570、ネトグリタゾン(Netoglitazone)(MCC-555)、DRF-2593、KRP-297、R-119702、リボグリタゾン(Rivoglitazone)(CS-011)、FK-614、WO99/58510に記載の化合物(例えば(E)-4-[4-(5-メチル-2-フェニル-4-オキサゾリルメトキシ)ベンジルオキシイミノ]-4-フェニル酪酸)、WO01/38325に記載の化合物、テサグリタザール(Tesaglitazar)(AZ−242)、ラガグリタザール(Ragaglitazar)(NN-622)、ムラグリタザール(Muraglitazar)(BMS-298585)、ONO-5816、エダグリタゾン(Edaglitazone)(BM-13-1258)、LM-4156、MBX-102、ナベグリタザール(Naveglitazar)(LY-519818)、MX-6054、LY-510929、バラグリタゾン(Balaglitazone)(NN-2344)、T-131またはその塩、THR-0921)、PPARγアゴニスト、PPARγアンタゴニスト、PPARγ/αデュアルアゴニスト、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート)、ビグアナイド剤(例、フェンホルミン、メトホルミン、ブホルミンまたはそれらの塩(例、塩酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩))、インスリン分泌促進剤[スルホニルウレア剤(例、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド、グリピザイド、グリブゾール)、レパグリニド、セナグリニド、ナテグリニド、ミチグリニドまたはそのカルシウム塩水和物]、GPR40アゴニスト、GLP-1受容体アゴニスト[例、GLP-1、GLP-1MR剤、リラグルチド(Liraglutide)(NN-2211)、エキセナチド(Exenatide)(AC-2993,exendin-4)及びエキセナチド徐放剤(Exenatide LAR)、BIM-51077、Aib(8,35)hGLP-1(7,37)NH2、CJC-1131]、アミリンアゴニスト(例、プラムリンチド)、フォスフォチロシンフォスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸ナトリウム)、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(例、NVP-DPP-728、PT-100、P32/98、ヴィダグリプチン(Vidagliptin)(LAF-237)、P93/01、TS-021、シタグリプチン(Sitagliptin)(MK−0431)、サクサグリプチン(Saxagliptin)(BMS-477118) 、T-6666)、β3アゴニスト(例、AJ-9677、AZ40140)、糖新生阻害剤(例、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤)、SGLT(sodium-glucose cotransporter)阻害剤(例、T-1095)、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬(例、BVT-3498)、アジポネクチンまたはその作動薬、IKK阻害薬(例、AS-2868)、レプチン抵抗性改善薬、ソマトスタチン受容体作動薬(WO01/25228、WO03/42204、WO98/44921、WO98/45285、WO99/22735に記載の化合物)、グルコキナーゼ活性化薬(例、Ro-28-1675)等が挙げられる。
糖尿病性合併症治療剤としては、アルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、ミナルレスタット、フィダレスタット(SNK-860)、CT-112、ラニレスタット)、神経栄養因子およびその増加薬(例、NGF、NT-3、BDNF、WO01/14372に記載のニューロトロフィン産生・分泌促進剤(例えば、4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−[3−(2−メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾール))、神経再生促進薬(例、Y-128)、PKC阻害剤(例、ルボキシスタウリン メシレート(ruboxistaurin mesylate;LY-333531))、AGE阻害剤(例、ALT946、ピマゲジン、ピラトキサチン、N-フェナシルチアゾリウム ブロマイド(ALT766)、ALT-711、EXO-226、ピリドリン(Pyridorin)、ピリドキサミン)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸)、脳血管拡張剤(例、チアプリド、メキシレチン)、ソマトスタチン受容体作動薬(例、BIM23190)、アポトーシスシグナルレギュレーティングキナーゼ-1(ASK-1)阻害薬が挙げられる。
抗高脂血症剤としては、HMG−CoA還元酵素阻害剤であるスタチン系化合物(例、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチンまたはそれらの塩(例、ナトリウム塩、カルシウム塩))、スクアレン合成酵素阻害剤(例、WO97/10224に記載の化合物、例えば、N−[[(3R,5S)-1-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イル]アセチル]ピペリジン-4-酢酸)、フィブラート系化合物(例、ベザフィブラート、クロフィブラート、シムフィブラート、クリノフィブラート)、ACAT阻害剤(例、アバシマイブ(Avasimibe)、エフルシマイブ(Eflucimibe))、陰イオン交換樹脂(例、コレスチラミン)、プロブコール、ニコチン酸系薬剤(例、ニコモール(nicomol)、ニセリトロール(niceritrol))、イコサペント酸エチル、植物ステロール(例、ソイステロール(soysterol)、ガンマオリザノール(γ−oryzanol))等が挙げられる。
降圧剤としては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、エナラプリル、デラプリル)、アンジオテンシンII受容体拮抗剤(例、カンデサルタン シレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン、1-[[2'-(2,5-ジヒドロ-5-オキソ-4H-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビフェニル-4-イル]メチル]-2-エトキシ-1H-ベンズイミダゾール-7-カルボン酸)、カルシウム拮抗剤(例、マニジピン、ニフェジピン、アムロジピン、エホニジピン、ニカルジピン)、カリウムチャンネル開口薬(例、レブクロマカリム、L-27152、AL 0671、NIP-121)、クロニジン等が挙げられる。
抗肥満剤としては、例えば中枢性抗肥満薬(例、デキスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス;MCH受容体拮抗薬(例、SB-568849;SNAP-7941;WO01/82925およびWO01/87834に記載の化合物);ニューロペプチドY拮抗薬(例、CP-422935);カンナビノイド受容体拮抗薬(例、SR-141716、SR-147778);グレリン拮抗薬;11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬(例、BVT-3498))、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット、ATL-962)、β3アゴニスト(例、AJ-9677、AZ40140)、ペプチド性食欲抑制薬(例、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子))、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチトリプト、FPL-15849)、摂食抑制薬(例、P-57)、GPR40拮抗薬等が挙げられる。
利尿剤としては、例えば、キサンチン誘導体(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン)、チアジド系製剤(例、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラクトン、トリアムテレン)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等が挙げられる。
化学療法剤としては、例えば、アルキル化剤(例、サイクロフォスファミド、イフォスファミド)、代謝拮抗剤(例、メソトレキセート、5−フルオロウラシルまたはその誘導体)、抗癌性抗生物質(例、マイトマイシン、アドリアマイシン)、植物由来抗癌剤(例、ビンクリスチン、ビンデシン、タキソール)、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシドなどが挙げられる。なかでも5−フルオロウラシル誘導体であるフルツロンあるいはネオフルツロンなどが好ましい。
免疫療法剤としては、例えば、微生物または細菌成分(例、ムラミルジペプチド誘導体、ピシバニール)、免疫増強活性のある多糖類(例、レンチナン、シゾフィラン、クレスチン)、遺伝子工学的手法で得られるサイトカイン(例、インターフェロン、インターロイキン(IL))、コロニー刺激因子(例、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポエチン)などが挙げられ、なかでもIL−1、IL−2、IL−12などのインターロイキンが好ましい。
抗血栓剤としては、例えば、ヘパリン(例、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ダルテパリンナトリウム(dalteparin sodium))、ワルファリン(例、ワルファリンカリウム)、抗トロンビン薬(例、アルガトロバン(aragatroban))、血栓溶解薬(例、ウロキナーゼ(urokinase)、チソキナーゼ(tisokinase)、アルテプラーゼ(alteplase)、ナテプラーゼ(nateplase)、モンテプラーゼ(monteplase)、パミテプラーゼ(pamiteplase))、血小板凝集抑制薬(例、塩酸チクロピジン(ticlopidine hydrochloride)、シロスタゾール(cilostazol)、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム(beraprost sodium)、塩酸サルポグレラート(sarpogrelate hydrochloride))などが挙げられる。
骨粗鬆症治療剤としては、例えば、アルファカルシドール(alfacalcidol)、カルシトリオール(calcitriol)、エルカトニン(elcatonin)、サケカルシトニン(calcitonin salmon)、エストリオール(estriol)、イプリフラボン(ipriflavone)、パミドロン酸二ナトリウム(pamidronate disodium)、アレンドロン酸ナトリウム水和物(alendronate sodium hydrate)、インカドロン酸二ナトリウム(incadronate disodium)、リセドロン酸二ナトリウム(risedronate disodium)等が挙げられる。
抗痴呆剤としては、例えば、タクリン(tacrine)、ドネペジル(donepezil)、リバスチグミン(rivastigmine)、ガランタミン(galanthamine)等が挙げられる。
勃起不全改善剤としては、例えば、アポモルフィン(apomorphine)、クエン酸シルデナフィル(sildenafil citrate)等が挙げられる。
尿失禁・頻尿治療剤としては、例えば、塩酸フラボキサート(flavoxate hydrochloride)、塩酸オキシブチニン(oxybutynin hydrochloride)、塩酸プロピベリン(propiverine hydrochloride)等が挙げられる。
排尿困難治療剤としては、例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害薬(例、ジスチグミン)等が挙げられる。
さらに、動物モデルや臨床で悪液質改善作用が認められている薬剤、すなわち、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例、インドメタシン)、プロゲステロン誘導体(例、メゲステロールアセテート)、糖質ステロイド(例、デキサメサゾン)、メトクロプラミド系薬剤、テトラヒドロカンナビノール系薬剤、脂肪代謝改善剤(例、エイコサペンタエン酸)、成長ホルモン、IGF−1、あるいは悪液質を誘導する因子であるTNF−α、LIF、IL−6、オンコスタチンMに対する抗体なども本発明化合物と併用することができる。
併用薬剤は、好ましくはインスリン製剤、インスリン抵抗性改善剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド剤、インスリン分泌促進剤(好ましくはスルホニルウレア剤)などである。
上記併用薬剤は、2種以上を適宜の割合で組み合せて用いてもよい。2種以上の併用薬剤を用いる場合の好ましい組み合わせとしては、例えば、以下の組み合わせが挙げられる。
1)インスリン分泌促進剤(好ましくはスルホニルウレア剤)およびα−グルコシダーゼ阻害剤;
2)インスリン分泌促進剤(好ましくはスルホニルウレア剤)およびビグアナイド剤;
3)インスリン分泌促進剤(好ましくはスルホニルウレア剤)、ビグアナイド剤およびα−グルコシダーゼ阻害剤;
4)インスリン抵抗性改善剤およびα−グルコシダーゼ阻害剤;
5)インスリン抵抗性改善剤およびビグアナイド剤;
6)インスリン抵抗性改善剤、ビグアナイド剤およびα−グルコシダーゼ阻害剤。
本発明化合物と併用薬剤とを組み合せて使用することにより、
(1)本発明化合物または併用薬剤を単独で投与する場合に比べて、本発明化合物および/または併用薬剤の投与量を低減することができる、
(2)本発明化合物と作用機序が異なる併用薬剤を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、
(3)本発明化合物と併用薬剤とを併用することにより、相乗効果が得られる、などの優れた効果を得ることができる。
また、本発明化合物が併用薬剤と組み合せて使用される場合には、お互いの剤の量は、それらの剤の反対効果を考えて安全な範囲内で低減できる。特に、インスリン抵抗性改善剤、インスリン分泌促進剤(好ましくはスルホニルウレア剤)およびビグアナイド剤は通常の投与量よりも低減できる。したがって、これらの剤により引き起こされるであろう反対効果は安全に防止できる。それに加えて、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤の投与量は低減でき、その結果これらの剤により引き起こされるであろう反対効果は効果的に防止できる。
以下、本発明化合物の製造法について説明する。
本発明化合物は、自体公知の方法、例えば、以下に詳述する方法、あるいはこれに準ずる方法に従って製造することができる。
なお、以下の式中の化合物14は、塩を形成している場合も含まれ、このような塩としては、例えば化合物(I)の塩と同様のものが挙げられる。
以下の式中の各工程で得られた化合物は、反応液のままか粗生成物として、次の反応に用いることもできるが、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより、反応液から容易に単離精製することができる。
また、以下の式中の化合物が市販されている場合には市販品をそのまま用いることもできる。
また、以下の各反応において、原料化合物が置換基としてアミノ基、カルボキシル基または水酸基を有する場合、これらの基は、ペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基で保護されていてもよい。この場合、反応後に、必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
本明細書中、アミノ基の保護基としては、例えば、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、ベンゾイル基、C7−10アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル)、C7−14アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル)、トリチル基、フタロイル基、N,N−ジメチルアミノメチレン基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)などが挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基およびニトロ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基、C7−11アラルキル基(例、ベンジル)、フェニル基、トリチル基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)等が挙げられる。
水酸基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基、フェニル基、トリチル基、C7−10アラルキル基(例、ベンジル)、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基、ベンゾイル基、C7−10アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル)、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)などが挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはニトロ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
上記した保護基の除去方法は、自体公知の方法、例えば、プロテクティブ グループス イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、 John Wiley and Sons 刊(1980)に記載の方法などが挙げられる。具体的には、酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキルシリルハライド(例えば、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルブロミドなど)などを使用する方法、還元法などが用いられる。
式(I)中、Xが水酸基である化合物(I−a)は、下記スキーム1あるいはこれに準ずる方法により製造できる。
Figure 2006265238
[式中の記号は前記と同意義を示す。]
Pで示されるアミノ基の保護基は、好ましくは、C1−6アルコキシ−カルボニル基(好ましくは、Boc(tert−ブトキシカルボニル)基)、C7−14アラルキルオキシ−カルボニル基(好ましくは、Cbz(ベンジルオキシカルボニル)基、Fmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル)基)などである。
本法では、化合物のシアノ基を加水分解し、同時にあるいは引き続いて、アミノ基の保護基を除去することによって化合物(I−a)を製造する。
加水分解反応は、通常、酸または塩基の存在下に行うことができる。
ここで、酸としては、例えば、鉱酸類(例、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸)、カルボン酸類(例、ギ酸、酢酸、プロピオン酸)などが挙げられる。なかでも、塩酸、硫酸などが好ましい。
塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属塩;水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどのアミン類;などが挙げられる。なかでも、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが好ましい。
酸または塩基の使用量は、1モルの化合物に対して、通常、0.01〜100モル、好ましくは0.1〜50モルである。
加水分解反応は、通常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;水などが挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは10〜100℃である。
反応時間は用いる酸塩基試薬や溶媒により異なるが、通常、0.1〜100時間、好ましくは0.1〜10時間である。
アミノ基の保護基の除去は、自体公知の方法に従って行われる。
前記スキーム1において、原料化合物として用いられる化合物は、下記スキーム2あるいはこれに準ずる方法によって製造できる。
Figure 2006265238
[式中、R7は、置換されていてもよいC1-10アルキル基を、Lは脱離基(例、置換スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基)、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素))を、その他の記号は前記と同意義を示す。]
Rで示される置換されていてもよいC1-10アルキル基としては、前記R6として例示したものが挙げられる。
化合物は、例えば、化合物11をシアノ化剤を用いてシアノ化することにより製造できる。ここで用いられるシアノ化剤としては、一般的なシアノ化剤、例えば、シアン化カリウムやトリメチルシランカルボニトリル(TMSCN)などが挙げられる。シアノ化剤としてシアン化カリウムを用いる場合、テトラブチルアンモニウムブロミド等を添加することで、またトリメチルシランカルボニトリルを用いる場合は、テトラブチルアンモニウムフロリド(TBAF)を添加することで、反応効率を向上させることができる。
化合物11は、例えば、化合物10の水酸基を脱離基に変換することにより製造できる。このような脱離基への変換は、常法に従い、例えば、適切な塩基存在下、メタンスルホニルクロリドと反応させることにより、あるいは、適切な塩基存在下、塩化チオニルと反応させることなどにより実施することができる。脱離基への変換に用いられる適切な塩基としては、例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリエチルアミン(TEA)、ピリジン、N,N−ジメチルアニリンなどが挙げられる。
化合物10は、例えば、化合物のアミノ基を保護することにより製造できる。アミノ基の保護は自体公知の方法に従って行われる。
化合物は、例えば、化合物を還元反応に付し、化合物の5位置換基であるシアノ基と3位置換基である置換オキシカルボニル基を、それぞれアミノメチル基とヒドロキシメチル基に変換することにより製造できる。シアノ基の還元反応と置換オキシカルボニル基の還元反応は、順次あるいは同時に実施してよい。該還元反応を順次実施する場合は、いずれの還元反応から実施してもよく、また、必要に応じて、一方の還元反応終了時に得られる中間体を単離精製した後、該中間体を他方の還元反応に付してもよい。このような還元反応は、常法に従い、還元剤の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
還元剤としては、例えば、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBALH)等の金属水素化合物;水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムナトリウム等の金属水素錯化合物;などが挙げられる。
還元剤の使用量は、1モルの化合物に対して、通常、0.1〜20モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸tert−ブチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が用いられる。これらの溶媒は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常、−70〜150℃、好ましくは−20〜100℃である。
反応時間は、通常、0.1〜100時間、好ましくは0.1〜40時間である。
また、シアノ基の還元反応は、パラジウム−炭素、パラジウム黒、塩化パラジウム、酸化白金、白金黒、白金−パラジウム、ラネーニッケル、ラネーコバルトなどの金属触媒および水素源の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行うこともできる。
金属触媒の使用量は、1モルの化合物に対して、通常、0.001〜1000モル、好ましくは0.01〜100モルである。
水素源としては、例えば、水素ガス、ギ酸、ギ酸アミン塩、ホスフィン酸塩、ヒドラジンなどが挙げられる。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、メタノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
本反応は、必要によりアンモニア(例、アンモニア水、アンモニア−メタノール)の存在下に行ってもよい。アンモニアの存在下に反応を行うことにより、副反応が抑制され、化合物を高収率で製造することができる。
化合物は、例えば、化合物を酸化することにより製造できる。このような酸化反応は、常法に従い、酸化剤(例えば、希硝酸、硝酸第二アンモニウムセリウム(CAN))の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例えば、ジオキサン、アセトン)中で行われる。
化合物は、自体公知の方法、例えば、丸善出版1973年刊「新実験化学講座(日本化学会編)」第14巻有機化合物の合成と反応2057頁に記載のHantzchのピリジン合成法あるいはそれに準ずる方法により、例えば、化合物と化合物とから製造することができる。
化合物は、自体公知の方法、例えば、化合物と化合物とを公知のKnoevenagel縮合に付すことによって製造することができる。
化合物は、自体公知の方法、例えば、Synthesis, (1999年), 11巻, 1951-1960頁;Journal of Chemical Society Perkin Transactions 1, (2002年), 1663-1671頁などに記載の方法またはそれに準ずる方法に従って、化合物とアンモニアあるいはアンモニウム塩との反応により製造することができる。
前記した化合物、化合物および化合物は自体公知の方法に従って製造することができる。
式(I)中、Xが−OR[Rは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示す]である化合物(I−b)は、下記スキーム3あるいはこれに準ずる方法により製造できる。
Rで示される置換されていてもよい炭化水素基および置換されていてもよい複素環基としては、それぞれ前記R6として例示したものが挙げられる。
Figure 2006265238
[式中、Doxは、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル基を、その他の記号は前記と同意義を示す。]
本法では、化合物12をエステル化し、必要に応じて、同時にまたは引き続いて、アミノ基の保護基を除去することにより、化合物(I−b)を製造する。
エステル化は、自体公知の方法、例えば、アルコール(R-OH)によるエステル化反応と、O−アルキル化剤(R-L)によるエステル化反応などが挙げられる。
アルコール類によるエステル化反応は、常法に従い、酸触媒あるいは脱水剤の存在下、化合物12とアルコールとを反応させることによって行われる。本反応は、通常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われるが、当該アルコール類自体を溶媒として用いてもよい。
酸触媒としては、縮合反応における酸触媒として通常用いられる酸、例えば、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、フッ化ホウ素エーテラートなどが挙げられる。
酸触媒の使用量は、1モルの化合物12に対して、好ましくは約0.05〜約50モルである。
脱水剤としては、化合物12を活性化させる試薬(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、トリフルオロ酢酸無水物)や、アルコール類を活性化させる試薬(例えば、有機リン化合物(例えばトリフェニルホスフィン)と親電子剤(例えばアゾジカルボン酸ジエチル)との組合せ)などが挙げられる。
脱水剤の使用量は、1モルの化合物12に対して、好ましくは約1〜約50モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常、−30℃〜150℃である。
反応時間は、通常、0.5〜20時間である。
O−アルキル化剤によるエステル化反応は、常法に従い、例えば、塩基存在下、O−アルキル化剤を用いて、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
このような塩基としては、カルボキシル基のO−アルキル化に通常用いられる塩基、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類;炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩などが挙げられる。
O−アルキル化剤および塩基の使用量は、1モルの化合物12に対して、それぞれ好ましくは約1〜約50モルである。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常、−30℃〜100℃である。
反応時間は、通常、0.5〜20時間である。
アミノ基の保護基の除去は、自体公知の方法に従って行われる。
式(I)中、Xが-NRRである化合物(I−c)は、下記スキーム4あるいはこれに準ずる方法により製造できる。
Figure 2006265238
[式中の各記号は前記と同意義を示す。]
本法では、化合物12と化合物13とを縮合した後、アミノ基の保護基を除去することにより化合物(I−c)を製造する。
縮合反応は、常法に従い、例えば、一般的なペプチドカップリング法に従って行われる。このような方法としては、例えば、化合物12と化合物13とを縮合剤を用いて直接縮合させる方法、あるいは、化合物12の反応性誘導体と化合物13とを反応させる方法などが挙げられる。
縮合剤としては、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)及びその塩酸塩などのカルボジイミド系縮合試薬;シアノリン酸ジエチル、アジ化ジフェニルホスホリルなどのリン酸系縮合試薬;カルボニルジイミダゾール、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロリン酸O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム(HATU)などが挙げられる。
縮合剤を用いる反応に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;水などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
化合物13の使用量は、1モルの化合物12に対して、通常、1〜10モル、好ましくは1〜3モルである。
縮合剤の使用量は、1モルの化合物12に対して、通常、0.1〜10モル、好ましくは0.3〜3モルである。
縮合剤としてカルボジイミド系縮合試薬を用いる場合、必要に応じて適当な縮合促進剤(例、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシこはく酸イミド、N−ヒドロキシフタルイミド)を用いることにより反応効率を向上させることができる。また、縮合剤としてHATUやリン酸系縮合試薬を用いる場合、トリエチルアミンやN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの有機アミン性塩基を用いることにより反応効率を向上させることができる。
上記した縮合促進剤や有機アミン性塩基の使用量は、1モルの化合物12に対して、通常、それぞれ0.1〜10モル、好ましくは0.3〜3モルである。
反応温度は、通常、−30℃〜120℃である。好ましくは−10〜100℃である。
反応時間は、通常、0.5〜60時間である。
化合物12の反応性誘導体としては、例えば、酸無水物、酸ハライド(例えば、酸クロリド、酸ブロミド)、イミダゾリド、混合酸無水物(例えば、メチル炭酸、エチル炭酸、イソブチル炭酸との無水物など)などが挙げられる。
例えば、酸無水物または酸ハライドを用いる場合、反応は、通常、塩基の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン等のアミン類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩などが挙げられる。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;水などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
なお、反応に悪影響を及ぼさない溶媒として、上記アミド類を用いる場合、塩基の非存在下に反応を行うこともできる。
化合物13の使用量は、1モルの化合物12に対して、通常、1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
塩基の使用量は、1モルの化合物12に対して、通常、1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
反応温度は、通常、−30℃〜100℃である。好ましくは−10〜100℃である。
反応時間は、通常、0.5〜30時間である。
また、混合酸無水物を用いる場合、化合物12とクロロ炭酸エステル(例、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソブチル)を塩基の存在下に反応させ、さらに化合物13と反応させる。
ここで用いる塩基としては、例えば、前述の、化合物12の酸無水物または酸ハライドと化合物13との反応で用いる塩基として例示したものなどが挙げられる。
化合物13の使用量は、1モルの化合物12に対して、通常、1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
塩基の使用量は、1モルの化合物12に対して、通常、1〜10モル、好ましくは1〜3モルである。
反応温度は、通常、−30℃〜120℃である。好ましくは−10〜100℃である。
反応時間は、通常、0.5〜20時間である。
イミダゾリドを用いる場合、化合物12と、例えば、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)から対応するイミダゾリドを得、さらに化合物13と反応させる。
化合物13の使用量は、1モルの化合物12に対して、通常、1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
反応温度は、通常、−30℃〜120℃である。好ましくは−10〜100℃である。
反応時間は、通常、0.5〜20時間である。
アミノ基の保護基の除去は、自体公知の方法に従って行われる。
このようにして得られる化合物(I)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
また、化合物(I)が遊離化合物として得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、目的とする塩に変換することができ、逆に、塩で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、遊離体または目的とする他の塩に変換することができる。
化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体を含有する場合には、これらも化合物(I)として含有されるとともに、自体公知の合成手法、分離手法によりそれぞれを単品として得ることができる。例えば、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、該化合物から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。
光学異性体は自体公知の方法により製造することができる。具体的には、光学活性な合成中間体を用いる、または、最終物のラセミ体を常法に従って光学分割することにより光学異性体を得る。
光学分割法としては、自体公知の方法、例えば、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法等が用いられる。
1)分別再結晶法
ラセミ体と光学活性な化合物(例えば、(+)−マンデル酸、(−)−マンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、(+)−1−フェネチルアミン、(−)−1−フェネチルアミン、シンコニン、(−)−シンコニジン、ブルシン)との塩を形成させ、これを分別再結晶法によって分離し、所望により、中和工程を経てフリーの光学異性体を得る方法。
2)キラルカラム法
ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラルカラム)にかけて分離する方法。例えば、液体クロマトグラフィーの場合、ENANTIO−OVM(トーソー社製)あるいは、ダイセル社製 CHIRALシリーズなどのキラルカラムに光学異性体の混合物を添加し、水、種々の緩衝液(例、リン酸緩衝液)、有機溶媒(例、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸、ジエチルアミン)を単独あるいは混合した溶液として展開させることにより、光学異性体を分離する。また、例えば、ガスクロマトグラフィーの場合、CP−Chirasil−DeX CB(ジーエルサイエンス社製)などのキラルカラムを使用して分離する。
3)ジアステレオマー法
ラセミ体の混合物を光学活性な試薬と化学反応によってジアステレオマーの混合物とし、これを通常の分離手段(例えば、分別再結晶、クロマトグラフィー法)などを経て単一物質とした後、加水分解反応などの化学的な処理により光学活性な試薬部位を切り離すことにより光学異性体を得る方法。例えば、化合物(I)が分子内にヒドロキシ基または1級もしくは2級アミノ基を有する場合、該化合物と光学活性な有機酸(例えば、MTPA〔α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、(−)−メントキシ酢酸)などとを縮合反応に付すことにより、それぞれエステル体またはアミド体のジアステレオマーが得られる。一方、化合物(I)がカルボキシル基を有する場合、該化合物と光学活性アミンまたはアルコールとを縮合反応に付すことにより、それぞれアミド体またはエステル体のジアステレオマーが得られる。分離されたジアステレオマーは、酸加水分解あるいは塩基性加水分解反応に付すことにより、元の化合物の光学異性体に変換される。
化合物(I)は、結晶であってもよい。
化合物(I)の結晶(以下、本発明の結晶と略記することがある)は、化合物(I)に自体公知の結晶化法を適用して、結晶化させることによって製造することができる。
ここで、結晶化法としては、例えば、溶液からの結晶化法、蒸気からの結晶化法、溶融体からの結晶化法などが挙げられる。
該「溶液からの結晶化法」としては、化合物の溶解度に関係する因子(溶媒組成、pH、温度、イオン強度、酸化還元状態等)または溶媒の量を変化させることによって、飽和していない状態から過飽和状態に移行させる方法が一般的であり、具体的には、例えば、濃縮法、徐冷法、反応法(拡散法、電解法)、水熱育成法、融剤法などが挙げられる。用いられる溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム)、飽和炭化水素類(例、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン)、ニトリル類(例、アセトニトリル)、ケトン類(例、アセトン)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド)、酸アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、エステル類(例、酢酸エチル)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)、水などが用いられる。これらの溶媒は単独あるいは2種以上を適当な割合(例、1:1ないし1:100(容積比))で混合して用いられる。
該「蒸気からの結晶化法」としては、例えば、気化法(封管法、気流法)、気相反応法、化学輸送法などが挙げられる。
該「溶融体からの結晶化法」としては、例えば、ノルマルフリージング法(引上げ法、温度傾斜法、ブリッジマン法)、帯溶融法(ゾーンレベリング法、フロートゾーン法)、特殊成長法(VLS法、液相エピタキシー法)などが挙げられる。
結晶化法の好適な例としては、化合物(I)またはその塩を20〜120℃の温度下に、適当な溶媒(例、メタノール、エタノールなどのアルコール類)に溶解し、得られる溶液を溶解時の温度以下(例えば、0〜50℃、好ましくは0〜20℃)に冷却する方法などが挙げられる。
このようにして得られる本発明の結晶は、例えば、ろ過などによって単離することができる。
本明細書中、融点は、例えば、微量融点測定器(ヤナコ、MP−500D型またはBuchi、B−545型)またはDSC(示差走査熱量分析)装置(SEIKO、EXSTAR6000)等を用いて測定される融点を意味する。
一般に、融点は、測定機器、測定条件などによって変動する場合がある。本明細書中の結晶は、通常の誤差範囲内であれば、本明細書に記載の融点と異なる値を示す結晶であってもよい。
本発明の結晶は、物理化学的性質(例、融点、溶解度、安定性)および生物学的性質(例、体内動態(吸収性、分布、代謝、排泄)、薬効発現)に優れ、医薬として極めて有用である。
本発明は、以下の参考例、実施例、実験例および製剤例によって、さらに詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
なお、参考例、実施例中の略号は次の意味を有する。
s:シングレット(singlet)、d:ダブレット(doublet)、t:トリプレット(triplet)、q:クワルテット(quartet)、m:マルチプレット(multiplet)、J:カップリング定数
また、室温とは約10〜35℃を意味する。%は特記しない限り重量%を示す。
参考例、実施例中のマススペクトル(MS)はウォーターズ社ZQ、ZMPまたは島津製作所LCMS−2010Aを用い、電子衝撃イオン化法により測定した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製はフラッシュクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン、酢酸エチル、メタノールから選ばれる溶媒またはこれらの混合溶媒)により実施した。また、HPLCによる精製はギルソン社ハイスループット精製システム(YMC Combiprep Hydrosphere C18、S−5μm、50×20mm;移動相:2%アセトニトリルと98%水および0.1%トリフルオロ酢酸から、95%アセトニトリルと5%水および0.1%トリフルオロ酢酸までのグラジエント溶出)により実施した。
Figure 2006265238
Figure 2006265238
参考例1 [5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸
工程A.5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
EP 135252 A2(Ex.Y)と同様の方法により調製した5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(5.0 g, 40 mmol)、p-トルアルデヒド(4.8 g, 40 mmol)、ピペリジン(0.34 g, 4.0 mmol)、酢酸(0.48 g, 8.0 mmol)およびトルエン(200 mL)からなる混合物をDean-Starkトラップを用いて12時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残留物をメタノール(50 mL)に溶解し、3-アミノクロトン酸メチル(4.6 g, 40 mmol)を添加して6時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物(7.45 g, 収率57%)を無色結晶として得た。 融点171℃。
工程B.5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル
氷冷した5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(75.5 g, 0.23 mol)のアセトン(500 mL)溶液に、硝酸第二アンモニウムセリウム(319 g, 0.58 mol)の水(300 mL)溶液を滴下して加えた。得られた混合物を氷冷下1時間撹拌した後、減圧下濃縮した。残留物を酢酸エチルと水とに分液し、有機層を順次、飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をヘキサンから結晶化させ、標題化合物(69.4 g, 収率93%)を白色粉末として得た。MS 323(M+1)。
工程C.5-(アミノメチル)-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル
5-シアノ-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル(1.00 g, 3.10 mmol)、ラネーニッケル(4 mL)、25%アンモニア水(6 mL)、テトラヒドロフラン(15 mL)およびメタノール(45 mL)からなる混合物を、封管中、0.3-0.5 MPaの水素雰囲気下、室温で6時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を減圧下濃縮して、残留物を酢酸エチルと10%炭酸カリウム水溶液とに分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(0.97 g, 収率95%)を淡黄色結晶として得た。 MS 327(M+1)。
工程D.{[5-(ヒドロキシメチル)-2-イソブチル-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
5-(アミノメチル)-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル(9.3 g, 29 mmol)のトルエン(150 mL)溶液を-78℃に冷却し、1 M水素化ジイソブチルアルミニウム トルエン溶液(100 mL, 100 mmol)を30分間かけて滴下して加えた。得られた混合物を昇温した後、0℃でアセトン(10 mL)および硫酸ナトリウム10水和物(40 g)を加えた。反応液を室温で終夜撹拌した後、不溶物をろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液と洗液とを合わせ、1規定水酸化ナトリウム水溶液(30 mL, 30 mmol)と二炭酸ジ-tert-ブチル(6.9 mL, 30 mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液を順次、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(8.5 g, 収率75%)を無色結晶として得た。 MS 399(M+1)。
工程E.{[5-(シアノメチル)-2-イソブチル-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
氷冷した、{[5-(ヒドロキシメチル)-2-イソブチル-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(17.4 g, 43 mmol)と、トリエチルアミン(15 mL, 108 mmol)、およびテトラヒドロフラン(150 mL)からなる混合物に、メタンスルホニルクロリド(4.0 mL, 52 mmol)を滴下して加え、0℃で30分間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して、メタンスルホン酸[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチルを粗生成物(20 g)として得た。該粗生成物(20 g)をアセトニトリル(300 mL)に溶解し、トリメチルシランカルボニトリル(6.7 mL, 50 mmol)次いで1 Mテトラブチルアンモニウムフロリド テトラヒドロフラン溶液(50 mL, 50 mmol)を順次添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌した後、減圧下濃縮した。残留物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をヘキサンとジエチルエーテルの混合物で洗浄して、標題化合物(15.6 g, 収率89%)を白色粉末として得た
。 MS 408(M+1)。
工程F.[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸
{[5-(シアノメチル)-2-イソブチル-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(14.5 g, 36 mmol)を6規定塩酸(150 mL)に懸濁し、90℃で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、ジエチルエーテルで洗浄した。水層を8規定水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ性(pH8)にし、酢酸エチル(200 mL)と二炭酸ジ-tert-ブチル(10 mL, 44 mmol)とを加え、室温で1時間撹拌した。反応液に塩酸を加えて中和し、分液して、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層と抽出液とを合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して、標題化合物(14.0 g, 収率92%)を白色粉末として得た。 MS 427(M+1)。
参考例2 [5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸
工程A.2-(3,3-ジメチルブタノイル)-3-(4-メチルフェニル)アクリロニトリル
EP 135252 A2(Ex.V)と同様の方法により調製した5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリル(302 g, 2.2 mol)、p-トルアルデヒド(256 mL, 2.2 mol)、ピペリジン(22 mL, 0.22 mol)、酢酸(25 mL, 0.43 mol)およびトルエン(1.4 L)からなる混合物をDean-Starkトラップを用いて8時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残留物をヘキサン-トルエンから再結晶して、標題化合物(390 g, 収率75%)を白色粉末として得た。 1H-NMR (CDCl3) δ:1.10 (9H, s), 2.44 (3H, s), 2.81 (2H, s), 7.31 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.92 (2H, d, J = 8.3 Hz), 8.13 (1H, s).
工程B.5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸tert-ブチル
2-(3,3-ジメチルブタノイル)-3-(4-メチルフェニル)アクリロニトリル(495 g, 2.1 mol)、3-アミノブタ-2-エン酸tert-ブチル(354 g, 2.3 mol)および酢酸(2.5 L)からなる混合物を80℃で30分間撹拌した。反応液を氷冷し、析出した結晶をろ取、75%水性エタノールで洗浄後、乾燥して、標題化合物(611 g, 収率78%)を無色結晶として得た。 融点202℃。
工程C.5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルニコチン酸tert-ブチル
標題化合物(134 g, 収率89%)は、5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(152 g, 0.40 mol)から、参考例1工程Bと同様の方法により、白色粉末として得た。 MS 379(M+1)。
工程D.5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルニコチン酸
5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルニコチン酸tert-ブチル(20 g, 53 mmol)のトリフルオロ酢酸(50 mL)溶液を50℃で12時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物をヘキサン-酢酸エチルから結晶化させて、標題化合物(12.1 g, 収率71%)を白色粉末として得た。 MS 323(M+1)。
工程E.5-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルニコチノニトリル
氷冷した、5-シアノ-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルニコチン酸(0.83g, 2.6 mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(0.02 mL)およびテトラヒドロフラン(20 mL)からなる混合物に、オキサリルクロリド(0.39 g, 3.1 mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を5℃で30分間撹拌した後、減圧下濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(10 mL)と1,2-ジメトキシエタン(10 mL)からなる混合物に溶解し、氷冷した。氷冷した該溶液に、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(0.34 g, 9.0 mmol)を添加し、撹拌した。該混合物にメタノール(3 mL)を滴下して加え、室温で30分間撹拌した後、反応液を酢酸エチルと水とに分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(0.69 g, 収率87%)を無色結晶として得た。 MS 309(M+1)。
工程F.{[5-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
5-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルニコチノニトリル(0.61 g, 2.0 mmol)、ラネーニッケル(2 mL)、25%アンモニア水(2 mL)およびメタノール(50 mL)からなる混合物を、封管中、0.3-0.5 MPaの水素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を減圧下濃縮して、残留物をテトラヒドロフラン(100 mL)に溶解した。該溶液に、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.50 mL, 2.2 mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、ジイソプロピルエーテル-酢酸エチルから再結晶して、標題化合物(0.67 g, 収率82%)を白色粉末として得た。 MS 413(M+1)。
工程G.{[5-(シアノメチル)-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
標題化合物(5.7 g, 収率93%)は、{[5-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(6.0 g, 15 mmol)から、参考例1工程Eと同様の方法により、無色結晶として得た。 MS 422(M+1)。
工程H.[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸
標題化合物(13.0 g, 収率80%)は、{[5-(シアノメチル)-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(15.5 g, 37 mmol)から、参考例1工程Fと同様の方法により、白色粉末として得た。 MS 441(M+1)。
参考例3 [5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸
工程A.5-メチル-3-オキソヘキサン酸メチル
窒素雰囲気下、炭酸ジメチル(6.3 g, 70 mmol)の1,4-ジオキサン(15 mL)溶液に、水素化ナトリウム(2.2 g, 55 mmol)を添加し、加熱還流した。該懸濁液に4-メチル-2-ペンタノン(2.5 g, 25 mmol)の1,4-ジオキサン(5 mL)溶液を滴下して加えた後、3時間加熱還流した。反応液を氷水にあけ、ヘキサンで洗浄した後、1規定塩酸で中和して、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して、標題化合物(3.9 g, 収率98%)を橙色油状物として得た。 1H-NMR (CDCl3) δ:0.94 (6H, d, J = 6.6 Hz), 2.10-2.25 (1H, m), 2.42 (2H, d, J = 7.0 Hz), 3.44 (2H, s), 3.74 (3H, s).
工程B.3-アミノ-5-メチルヘキサ-2-エン酸メチル
5-メチル-3-オキソヘキサン酸メチル(4.0 g, 25 mmol)、酢酸アンモニウム(9.8 g, 25 mmol)、酢酸(1.5 mL, 25 mmol)およびトルエン(200 mL)からなる混合物をDean-Starkトラップを用いて12時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物(3.0 g, 収率75%)を淡黄色油状物として得た。 1H-NMR(CDCl3) δ:0.94 (6H, d, J = 6.4 Hz), 1.80-1.95 (1H, m), 1.95-2.00 (2H, m), 3.65 (3H, s), 4.52 (1H, s).
工程C.5-シアノ-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル
5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(2.5 g, 20 mmol)、p-トルアルデヒド(2.4 g, 20 mmol)および3-アミノ-5-メチルヘキサ-2-エン酸メチル(3.1 g, 20 mmol)から、参考例1工程Aと同様の方法により、5-シアノ-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチルを粗生成物として得た。該粗生成物から、参考例1工程Bと同様の方法により、標題化合物(4.8 g, 収率65%)を白色粉末として得た。 1H-NMR (CDCl3) δ:0.93 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.00 (6H, d, J = 6.8 Hz), 2.17-2.34(2H, m), 2.40 (3H, s), 2.73 (2H, d, J = 7.4 Hz), 2.97 (2H, d, J = 7.2 Hz), 3.57 (3H, s), 7.27 (4H, s).
工程D.5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル
5-シアノ-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル(4.8 g, 13 mmol)から、参考例1工程Cと同様の方法により、5-(アミノメチル)-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチルを粗生成物として得た。該粗生成物のテトラヒドロフラン(60 mL)溶液に二炭酸ジ-tert-ブチル(3.4 g, 16 mmol)を室温で添加し、30分間撹拌した。減圧下濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(5.8 g, 収率95%)を白色粉末として得た。 MS 469(M+1)。
工程E.{[5-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル(5.4 g, 12 mmol)のトルエン(50 mL)溶液を-78℃に冷却し、1.5 M水素化ジイソブチルアルミニウム トルエン溶液(35 mL, 52 mmol)を30分間かけて滴下して加えた。得られた混合物を-78℃で30分間撹拌後、0℃に昇温して30分間撹拌した。反応液にメタノール(1 mL)を加えて15分間撹拌した後、硫酸ナトリウム10水和物(17 g)を加えて更に1時間撹拌した。不溶物をろ過して、酢酸エチルで洗浄した。ろ液と洗液とを合わせ、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(2.5 g, 収率49%)を得た。 MS 441(M+1)。
工程F.{[5-(シアノメチル)-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
標題化合物(2.4 g, 収率94%)は、{[5-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(2.5 g, 5.7 mmol)から、参考例1工程Eと同様の方法により、白色粉末として得た。 MS 450(M+1)。
工程G.[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸
標題化合物(1.7 g, 収率67%)は、{[5-(シアノメチル)-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(2.4 g, 5.3 mmol)から、参考例1工程Fと同様の方法により、白色粉末として得た。 MS 469(M+1)。
参考例4 [5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸
工程A.3-アミノペンタ-2-エン酸メチル
3-オキソペンタン酸メチル(3.3 g, 25 mmol)、酢酸アンモニウム(9.8 g, 127 mmol)、酢酸(1.45 mL, 25 mmol)およびトルエン(200 mL)からなる混合物をDean-Starkトラップを用いて12時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して標題化合物を粗生成物(2.5 g)として得た。
工程B.5-シアノ-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
5,5-ジメチル-3-オキソヘキサンニトリル(3.5 g, 19 mmol)、p-トルアルデヒド (2.3 g, 19 mmol)、ピペリジン(0.19 mL, 1.9 mmol)、酢酸(0.22 mL, 3.9 mmol)およびトルエン(200 mL)からなる混合物をDean-Starkトラップを用いて3時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、2-(3,3-ジメチルブタノイル)-3-(4-メチルフェニル)アクリロニトリルを粗生成物(5.7 g)として得た。該粗生成物(5.7 g)および参考例4工程Aで得られた粗生成物 (2.5 g)を酢酸(15 mL)に溶解し、80℃で30分間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物と酢酸エチルと飽和重曹水とに分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン-酢酸エチルから結晶化させて、標題化合物(3.1 g, 収率45%)を白色粉末として得た
。 融点126℃。
工程C.5-シアノ-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルニコチン酸メチル
5-シアノ-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチル-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(3.0 g, 8.6 mmol)のアセトン(75 mL)溶液に、硝酸第二アンモニウムセリウム(11.8 g, 21 mmol)の水(15 mL)溶液を室温で滴下して加えた。得られた混合物を室温で5分間撹拌した。反応液を酢酸エチルと水とに分液し、有機層を順次、飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をヘキサン-酢酸エチルから結晶化させて、標題化合物(2.5 g, 収率83%)を白色粉末として得た。 MS 351(M+1)。
工程D.5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルニコチン酸メチル
5-シアノ-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルニコチン酸メチル(1.0 g, 2.9 mmol)、ラネーニッケル(5 mL)、25%アンモニア水(5 mL)およびメタノール(50 mL)からなる混合物を、封管中、0.3-0.5 MPaの水素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応液をろ過して、ろ液を減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(1.00 g, 収率99%)を白色粉末として得た。 MS 355(M+1)。
工程E.{[6-エチル-5-(ヒドロキシメチル)-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルニコチン酸メチル(0.50 g, 1.4 mmol)のトルエン(10 mL)溶液を-78℃に冷却し、1 M水素化ジイソブチルアルミニウム トルエン溶液(3.3 mL, 4.9 mmol)を30分間かけて滴下して加えた。得られた混合物を昇温した後、0℃で15分間撹拌した。反応液にイソプロパノール(2 mL)を加えた後、テトラヒドロフラン(10 mL)と飽和重曹水(4 mL)とを加え、室温で5分間撹拌した。反応液に二炭酸ジ-tert-ブチル(0.49 mL, 2.1 mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、順次、1規定塩酸と、飽和重曹水、および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をヘキサンから結晶化させ、標題化合物(0.48 g, 収率80%)を無色結晶として得た。 MS 427(M+1)。
工程F.{[5-(シアノメチル)-6-エチル-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
氷冷した、{[6-エチル-5-(ヒドロキシメチル)-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(2.0 g, 4.8 mmol)、トリエチルアミン(1.3 mL, 9.6 mmol)およびテトラヒドロフラン(40 mL)からなる混合物に、メタンスルホニルクロリド(0.56 mL, 7.2 mmol)を滴下して加え、室温に昇温して30分間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、順次、水と、飽和重曹水、および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して、メタンスルホン酸[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチルを粗生成物(2.6 g)として得た。該粗生成物(2.6 g)をアセトニトリル(40 mL)とテトラヒドロフラン(40 mL)からなる混合物に溶解し、トリメチルシランカルボニトリル(0.77 mL, 5.7 mmol)、次いで1 Mテトラブチルアンモニウムフロリド テトラヒドロフラン溶液(5.7 mL, 5.7 mmol)を添加した。得られた混合物を室温で10分間撹拌した後、減圧下濃縮した。残留物を酢酸エチルと飽和食塩水とに分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン-酢酸エチルから結晶化させて、標題化合物(1.9 g, 収率92%)を白色粉末として得た。 MS 436(M+1)。
工程G.[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸
{[5-(シアノメチル)-6-エチル-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(1.9 g, 4.3 mmol)を6規定塩酸(100 mL)に懸濁し、90℃で24時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物を酢酸エチルと水とに分液した。水層に飽和重曹水を加えてアルカリ性にした後、テトラヒドロフラン(200 mL)と二炭酸ジ-tert-ブチル(1.5 mL, 6.5 mmol)を加え、室温で17時間撹拌した。反応液に1規定塩酸を加えて酸性にし、分液して、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層と抽出液とを合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して、標題化合物(1.8 g, 収率94%)を白色粉末として得た。 MS 455(M+1)。
参考例5 1-{[5-(アミノメチル)-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]アセチル}-L-プロリンアミド 二塩酸塩
工程A.{[5-{2-[(2S)-2-(アミノカルボニル)ピロリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-2-イソブチル-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸 (0.50 g, 1.2 mmol)、L-プロリンアミド (0.32 g, 2.8 mmol)、ヘキサフルオロリン酸O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム (1.1 g, 2.8 mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(20 mL)からなる混合物を室温で16時間撹拌した。反応液を酢酸エチルと水に分液した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物 (0.49 g, 収率81%)を白色粉末として得た。 MS 523(M+1)。
工程B.1-{[5-(アミノメチル)-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]アセチル}-L-プロリンアミド 二塩酸塩
{[5-{2-[(2S)-2-(アミノカルボニル)ピロリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-2-イソブチル-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル (0.48 g, 0.90 mmol)と4規定塩化水素 1,4-ジオキサン溶液(5 mL)からなる混合物を室温で2時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物をジイソプロピルエーテルで洗浄して、標題化合物(0.37 g, 収率82%)を白色粉末として得た。 MS 423(M+1)。
参考例6 8-{[5-(アミノメチル)-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]アセチル}ヘキサヒドロピラジノ[2,1-c][1,4]オキサジン-4(3H)-オン 二塩酸塩
工程A.8-ベンジルヘキサヒドロピラジノ[2,1-c][1,4]オキサジン-4(3H)-オン
J. Med. Chem. 1993, 36, 2075-2083. に記載の方法と同様の方法で調製した(4-ベンジルピペラジン-2-イル)メタノール(6.4 g, 30 mmol)、水(100 mL)およびテトラヒドロフラン(100 mL)からなる混合物に、炭酸カリウム(8.3g, 60 mmol)とクロロアセチルクロリド(3.6 mL, 45 mmol)を順次添加して、室温で12時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物を酢酸エチルと水とに分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をエタノール(100 mL)に溶解し、水酸化カリウム(2 g)を加えて50℃で3時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物を酢酸エチルと水とに分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して、標題化合物(2.6 g, 収率35%)を黄色油状物として得た。 MS 247(M+1)。
工程B.ヘキサヒドロピラジノ[2,1-c][1,4]オキサジン-4(3H)-オン 塩酸塩
8-ベンジルヘキサヒドロピラジノ[2,1-c][1,4]オキサジン-4(3H)-オン(2.6 g, 10.5 mmol)のメタノール(50 mL)溶液に、ギ酸アンモニウム(3.0g)とパラジウム−炭素(10%, 1.5g)を加えて80℃で15分間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、ろ過してパラジウム−炭素を除去した。ろ液を減圧下濃縮し、残留物に4規定塩化水素 酢酸エチル溶液を加えた。析出した結晶をろ取し、酢酸エチルで洗浄後、減圧下乾燥して、標題化合物(1.8 g, 収率93%)を淡黄色粉末として得た。 MS 157(M+1)。
工程C.({2-イソブチル-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-5-[2-オキソ-2-(4-オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1-c][1,4]オキサジン-8(1H)-イル)エチル]ピリジン-3-イル}メチル)カルバミン酸tert-ブチル
[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸(0.43 g, 1.0 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5 mL)に溶解し、ヘキサヒドロピラジノ[2,1-c][1,4]オキサジン-4(3H)-オン 塩酸塩(0.29 g, 1.5 mmol)、ヘキサフルオロリン酸O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム(0.57 g, 1.5 mmol)およびトリエチルアミン(0.35 mL, 2.5 mmol)を加えて室温で12時間撹拌した。反応液を酢酸エチルと水とに分液した。有機層を1規定塩酸と飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン-ジエチルエーテルから結晶化させて、標題化合物(0.42 g, 収率74%)を白色粉末として得た。 MS 565(M+1)。
工程D.8-{[5-(アミノメチル)-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]アセチル}ヘキサヒドロピラジノ[2,1-c][1,4]オキサジン-4(3H)-オン 二塩酸塩
({2-イソブチル-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-5-[2-オキソ-2-(4-オキソヘキサヒドロピラジノ[2,1-c][1,4]オキサジン-8(1H)-イル)エチル]ピリジン-3-イル}メチル)カルバミン酸tert-ブチル(0.42 g, 0.74 mmol)を酢酸エチル(2 mL)に溶解し、4規定塩化水素 酢酸エチル溶液(3 mL)を加えて室温で3時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、ヘキサン-ジエチルエーテルから結晶化させて、標題化合物(0.39 g, 収率98%)を白色粉末として得た。 MS 465(M+1)。
参考例7 2-[5-(アミノメチル)-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミド 二塩酸塩
工程A.{[2-イソブチル-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-5-(2-{[3-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-2-オキソエチル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
標題化合物(0.59 g, 収率87%)は、[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸(0.50 g, 1.17 mmol)と3-メチルスルホニルアニリン 塩酸塩(0.24 g, 1.17 mmol)から、参考例6工程Cと同様の方法により、結晶として得た。 1H-NMR (CDCl3) δ:0.98 (6H, d, J = 6.6 Hz), 1.38 (9H, s), 2.18-2.27 (1H, m), 2.41 (3H, s), 2.63 (3H, s), 2.77 (2H, d, J = 7.4 Hz), 3.05 (3H, s), 3.49 (2H, s), 4.06 (2H, d, J = 5.1 Hz), 4.23 (1H, s), 6.90 (1H, m), 7.01 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.25 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.50 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.64-7.67 (1H, m), 7.76 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.83 (1H, t, J = 1.9 Hz).
工程B.2-[5-(アミノメチル)-6-イソブチル-2-メチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]-N-[3-(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミド 二塩酸塩
{[2-イソブチル-6-メチル-4-(4-メチルフェニル)-5-(2-{[3-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-2-オキソエチル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(0.45 g, 0.78 mmol)のテトラヒドロフラン(4 mL)溶液に、4規定塩化水素 酢酸エチル溶液(10 mL)を添加し、室温で16時間撹拌した。析出した結晶をろ取して、酢酸エチルで洗浄し、メタノール-酢酸エチルから再結晶して、標題化合物(0.31 g, 収率56%)を結晶として得た。 1H-NMR (DMSO-d6) δ:0.99 (6H, d, J = 6.6 Hz), 2.14-2.23 (1H, m), 2.36 (3H, s), 2.80 (3H, s), 3.12-3.18 (2H, m), 3.18 (3H, s), 3.63 (2H, s), 3.79-3.84 (2H, m), 7.21 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.34 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.55-7.64 (2H, m), 7.70-7.74 (1H, m), 8.16-8.18 (1H, m), 8.37 (3H, s), 10.6 (1H, s).
Figure 2006265238
Figure 2006265238
実施例1 [5-(アミノメチル)-2-エチル-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸
工程A.5-シアノ-2-エチル-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル
3-オキソペンタン酸メチル(12.0 g, 92 mmol)から、参考例4工程Aと同様の方法で、3-アミノペンタ-2-エン酸メチルを粗生成物(11.5 g)として得た。
5-メチル-3-オキソヘキサンニトリル(11.4 g, 91 mmol)、p-トルアルデヒド (11.0 g, 91 mmol)、ピペリジン(0.90 mL, 9.1 mmol)、酢酸(1.05 mL, 18 mmol)およびトルエン(200 mL)からなる混合物をDean-Starkトラップを用いて12時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、2-(3-メチルブタノイル)-3-(4-メチルフェニル)アクリロニトリルを粗生成物(21 g)として得た。該粗生成物(21 g)および前記3-アミノペンタ-2-エン酸メチルの粗生成物(11.5 g)を酢酸(20 mL)に溶解し、90℃で2時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた橙色油状物をヘキサンで洗浄し、標題化合物(29.7 g, 収率96%)を橙色油状物として得た。 MS 339(M+1)。
工程B.5-シアノ-2-エチル-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル
5-シアノ-2-エチル-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(29.7 g, 88 mmol)のアセトン(750 mL)溶液に、硝酸第二アンモニウムセリウム(120 g, 0.21 mol)の水(150 mL)溶液を滴下して加えた。得られた混合物を室温で5分間撹拌した。反応液を酢酸エチルと水とに分液し、有機層を順次飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ヘキサンから結晶化させて、標題化合物(13.9 g, 収率47%)を白色粉末として得た。 MS 337(M+1)。
工程C.5-(アミノメチル)-2-エチル-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル
5-シアノ-2-エチル-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル(22.7 g, 68mmol)、ラネーニッケル(25 mL)、25%アンモニア水 (25 mL)およびメタノール (200 mL)からなる混合物を、封管中、0.3-0.5 MPaの水素雰囲気下、50℃で4時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残留物を1規定塩酸に溶解し、酢酸エチルで洗浄した。水層を分離し、5%アンモニア水でアルカリ性にした後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して、標題化合物(20.7 g, 収率90%)を淡橙色油状物として得た。 MS 341(M+1)。
工程D.{[6-エチル-5-(ヒドロキシメチル)-2-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
5-(アミノメチル)-2-エチル-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ニコチン酸メチル(20.6 g, 61 mmol)のトルエン(280 mL)溶液を-78℃に冷却し、1 M水素化ジイソブチルアルミニウム トルエン溶液(141 mL, 0.21 mol)を90分間かけて滴下して加えた。得られた混合物を同温で10分間撹拌した後、酢酸エチル(20 mL)と硫酸ナトリウム10水和物(69 g)を順次加えた。反応液を室温まで昇温し、12時間撹拌した。不溶物をろ過して除きトルエンで洗浄した。ろ液と洗液とを合わせ、減圧下濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン(180 mL)に溶解し、二炭酸ジ-tert-ブチル(14.5 mL, 63 mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物をヘキサン-ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、標題化合物(15.7 g, 収率63%)を灰白色粉末として得た。 MS 413(M+1)。
工程E.{[5-(シアノメチル)-6-エチル-2-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
氷冷した、{[6-エチル-5-(ヒドロキシメチル)-2-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(15.7 g, 38 mmol)、トリエチルアミン(10.6 mL, 76 mmol)およびテトラヒドロフラン(150 mL)からなる混合物に、メタンスルホニルクロリド(4.4 mL, 57 mmol)を滴下して加え、5℃で30分間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和重曹水と飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して、メタンスルホン酸[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-エチル-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチルを粗生成物(23 g)として得た。該粗生成物(23 g)をアセトニトリル(150 mL)とテトラヒドロフラン(150 mL)からなる混合物に溶解し、トリメチルシランカルボニトリル(6.1 mL, 46 mmol)、次いで1 Mテトラブチルアンモニウムフロリド テトラヒドロフラン溶液(46 mL, 46 mmol)を順次添加した。得られた混合物を室温で30分間撹拌した後、減圧下濃縮した。残留物を酢酸エチルと水とに分液し、有機層を飽和重曹水と飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物(15.7 g, 収率98%)を白色粉末として得た。 MS 422(M+1)。
工程F.[5-(アミノメチル)-2-エチル-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸
{[5-(シアノメチル)-6-エチル-2-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(15.6 g, 37 mmol)を6規定塩酸(60 mL)に懸濁し、90℃で24時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物を水(150 mL)に溶解して、酢酸エチルで洗浄した。水層を5℃で撹拌し、8規定水酸化ナトリウム水溶液により中和した。得られた懸濁液を同温で2時間撹拌した後、析出物をろ取、水洗後、乾燥して標題化合物の一水和物(9.1 g, 収率72%)を淡黄色粉末として得た。
元素分析値 C2128・HOとして
理論値:C,70.36;H,8.44;N,7.81.
実測値:C,69.95;H,8.18;N,7.54.
MS 341(M+1)。
実施例2 [5-(アミノメチル)-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸 二塩酸塩
参考例3で調製した[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸(0.050 g, 0.11 mmol)および4規定塩化水素 1,4-ジオキサン溶液(5 mL)からなる混合物を室温で2時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物をジイソプロピルエーテルから粉末化して、標題化合物(0.048 g, 収率100%)を淡黄色粉末として得た。 MS 369(M+1)。
実施例3 [5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸 二塩酸塩
参考例4で調製した[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸(0.14 g, 0.31 mmol)を6規定塩酸(5 mL)に懸濁し、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物をジイソプロピルエーテルから粉末化して、標題化合物(0.13 g, 収率99%)を白色粉末として得た。 MS 355(M+1)。
実施例4 [5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸
[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸 二塩酸塩(1.0 g, 2.3 mmol)を水(2 mL)に溶解し、氷冷下4規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。得られた懸濁液を5℃で1時間撹拌した後、結晶をろ取した。得られた結晶を冷水で洗浄後、乾燥して、標題化合物(0.69 g, 収率83%)を白色粉末として得た。
MS 355(M+1)。
[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸 二塩酸塩(3.6 g, 8.4 mmol)を水(7.2 mL)に溶解し、氷冷下4規定水酸化ナトリウム水溶液(3.5 mL)を滴下して中和した。得られた懸濁液を5℃で1時間撹拌した後、結晶をろ取した。得られた結晶を冷水(5 mL)で3回洗浄後、乾燥して、標題化合物の一水和物(2.4 g, 収率80%)を白色粉末として得た。
元素分析値 C2230・HOとして
理論値:C,70.94;H,8.66;N,7.52.
実測値:C,71.12;H,8.52;N,7.45.
実施例5 N-(3-アセチルフェニル)-2-[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]アセトアミド 二塩酸塩
工程A.{[5-{2-[(3-アセチルフェニル)アミノ]-2-オキソエチル}-6-エチル-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
参考例4で調製した[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸(0.35 g, 0.77 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5 mL)溶液に、3-アミノアセトフェノン(0.16 g, 1.2 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.20 mL, 1.2 mmol)およびヘキサフルオロリン酸O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム(0.44 g, 1.2 mmol)を順次添加した。該混合物を室温で17時間撹拌した後、酢酸エチルと水とに分液した。有機層を飽和重曹水と飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジイソプロピルエーテル-酢酸エチルから結晶化させて、標題化合物(0.36 g, 収率82%)を白色粉末として得た。 MS 572(M+1)。
工程B.N-(3-アセチルフェニル)-2-[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]アセトアミド 二塩酸塩
{[5-{2-[(3-アセチルフェニル)アミノ]-2-オキソエチル}-6-エチル-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(0.32 g, 0.56 mmol)を4規定塩化水素 酢酸エチル溶液(5 mL)に溶解し、該溶液を室温で1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物をジイソプロピルエーテル-メタノールから結晶化させて、標題化合物(0.28 g, 収率90%)を白色粉末として得た。 MS 472(M+1)。
実施例6 1-{[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]アセチル}-L-プロリンアミド
工程A.{[5-{2-[(2S)-2-(アミノカルボニル)ピロリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-6-エチル-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸 tert-ブチル
標題化合物(0.14 g, 収率98%)は、参考例4で調製した[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸(0.12 g, 0.26 mmol)とL-プロリンアミド(0.046 g, 0.4 mmol)から、実施例5工程Aと同様の方法により、白色粉末として得た。 MS 551(M+1)。
工程B.1-{[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]アセチル}-L-プロリンアミド
{[5-{2-[(2S)-2-(アミノカルボニル)ピロリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-6-エチル-4-(4-メチルフェニル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(0.14 g, 0.26 mmol)の酢酸エチル(2 mL)溶液に、4規定塩化水素 酢酸エチル溶液(3 mL)を加えて室温で3時間撹拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで洗浄した後、水層を25%アンモニア水溶液を用いてアルカリ性(pH8.0)にし、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン-ジエチルエーテルから結晶化させて、標題化合物の一水和物(0.057 g, 収率42%)を白色粉末として得た。
元素分析値 C2738・HOとして
理論値:C,69.20;H,8.60;N,11.96.
実測値:C,69.23;H,8.54;N,11.53.
MS 451(M+1)。
実施例7 2-[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]-N-[3-(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミド 二塩酸塩
工程A.{[6-エチル-4-(4-メチルフェニル)-5-(2-{[3-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-2-オキソエチル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル
参考例4で調製した[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸(0.18 g, 0.40 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5 mL)溶液に、3-メチルスルホニルアニリン 塩酸塩(0.12 g, 0.59 mmol)、N、N-ジイソプロピルエチルアミン(0.21 mL, 1.2 mmol)およびヘキサフルオロリン酸O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム(0.23 g, 0.59 mmol)を順次添加した。該混合物を室温で17時間撹拌した後、酢酸エチルと水とに分液した。有機層を飽和重曹水と飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジイソプロピルエーテル-酢酸エチルから結晶化させて、標題化合物(0.19 g, 収率77%)を淡黄色粉末として得た。 MS 608(M+1)。
工程B.2-[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]-N-[3-(メチルスルホニル)フェニル]アセトアミド 二塩酸塩
標題化合物(0.12 g, 収率85%)は、{[6-エチル-4-(4-メチルフェニル)-5-(2-{[3-(メチルスルホニル)フェニル]アミノ}-2-オキソエチル)-2-ネオペンチルピリジン-3-イル]メチル}カルバミン酸tert-ブチル(0.15 g, 0.25 mmol)から、実施例5工程Bと同様の方法により、淡黄色結晶として得た。 MS 508(M+1)。
実施例8 [5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸メチル 二塩酸塩
[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸(0.20 g, 0.44 mmol)および10%塩化水素 メタノール溶液(3 mL)からなる混合物を80℃で3時間加熱撹拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルと1規定水酸化ナトリウム水溶液とに分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた無色油状物に4規定塩化水素 酢酸エチル溶液(1 mL)を加えて撹拌した後、析出した結晶をろ取して酢酸エチルで洗浄し、標題化合物(0.18 g, 収率91%)を白色粉末として得た。 MS 369(M+1)。
実施例9 [5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル 二塩酸塩
工程A.[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル
[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸(0.77 g, 1.7 mmol)、4-(クロロメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン(0.38 g, 2.5 mmol)、炭酸カリウム(0.35 g, 2.5 mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(10 mL)からなる混合物を、60℃で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルと水とに分液した。有機層を水と飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、標題化合物(0.67 g, 収率71%)を白色粉末として得た。 MS 567(M+1)。
工程B.[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル 二塩酸塩
標題化合物(0.60 g, 収率99%)は、[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル(0.63 g, 1.1 mmol)から、実施例2と同様の方法により白色粉末として得た。 MS 467(M+1)。
実施例10 [(2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)-5-{2-[3-(メチルスルホニル)ピロリジン-1-イル]-2-オキソエチル}ピリジン-3-イル)メチル]アミン 二トリフルオロ酢酸塩
0.12 Mの[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸 N,N-ジメチルホルムアミド溶液(0.5 mL, 0.060 mmol)に、0.24 M 3-(メチルスルホニル)ピロリジン N,N-ジメチルホルムアミド溶液(0.5 mL, 0.12 mmol)と0.24 Mヘキサフルオロリン酸0-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム N,N-ジメチルホルムアミド溶液(0.5 mL, 0.12 mmol)を順次添加し、室温で17時間撹拌した。反応液をジクロロメタン(2 mL)で希釈し、飽和重曹水と水で順次洗浄した。有機層を分離し、トリフルオロ酢酸(1 mL)を加えて室温で1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残留物をHPLCで精製して、標題化合物(0.035 g, 収率81%)を得た。 MS 500(M+1)。
実施例11〜53の化合物は、実施例10と同様の方法により、[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸と、表3に対応するアミン類または対応するアミン類の塩から調製した遊離アミン類から調製した。
Figure 2006265238
Figure 2006265238
Figure 2006265238
Figure 2006265238

Figure 2006265238
実施例54〜94の化合物は、実施例10と同様の方法により、[5-{[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸と、表4に対応するアミン類または対応するアミン類の塩から調製した遊離アミン類から調製した。
Figure 2006265238
Figure 2006265238
Figure 2006265238
Figure 2006265238
実験例1
ラット血漿中のジペプチジルペプチダーゼIV阻害活性の測定
反応はレイモンド(Raymond)らの方法(ダイアビーティーズ(Diabetes)、47巻、1253−1258頁、1998年)に準じて96穴平底プレートを用いて30℃で実施した。水69 μL、1 Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)10 μL、1mMGly−Pro−p−NA水溶液100 μLに、試験化合物のジメチルスルホキシド溶液1 μLを添加し、混合溶液を調製した。次いでSDラット血液より常法で調製した血漿20 μLを上記混合溶液に加え、30℃で酵素反応を開始した。0時間および1時間後の吸光度をマイクロプレートリーダーを用いて波長405 nmで測定しその増加(△ODs)を求めた。同時に、試験化合物を含まない反応液における吸光度の増加(△ODc)、試験化合物および酵素を含まない反応液における吸光度の増加(△ODb)を求め、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素活性の阻害率を計算式:
{1−[(△ODs−△ODb)/(△ODc−△ODb)]}×100
により求めた。
試験化合物群のジペプチジルペプチダーゼIV阻害活性は、IC50値(nM)で表し、表5に示した。
Figure 2006265238
実験例2
ラット血漿中のジペプチジルペプチダーゼIV阻害活性の測定
実験例1と同様の方法で、試験化合物のN,N−ジメチルホルムアミド溶液1 μLを用いてジペプチジルペプチダーゼIV酵素活性の阻害率を求めた。
試験化合物群のジペプチジルペプチダーゼIV阻害活性は、IC50値(nM)で表し、表6に示した。
Figure 2006265238
このように、本発明化合物は、優れたジペプチジルペプチダーゼIV阻害活性を有するため、糖尿病の予防・治療剤などとして有用である。
製剤例1(カプセルの製造)
1)実施例1の化合物 30 mg
2)微粉末セルロース 10 mg
3)乳糖 19 mg
4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
計 60 mg
1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例2(錠剤の製造)
1)実施例1の化合物 30 g
2)乳糖 50 g
3)トウモロコシデンプン 15 g
4)カルボキシメチルセルロースカルシウム 44 g
5)ステアリン酸マグネシウム 1g
1000錠 計 140 g
1)、2)、3)の全量および30gの4)を水で練合し、真空乾燥後、整粒を行う。この整粒末に14 gの4)および1 gの5)を混合し、打錠機により打錠する。このようにして、1錠あたり実施例1の化合物30 mgを含有する錠剤1000錠を得る。
本発明化合物は、優れたペプチダーゼ阻害作用を有し、糖尿病の予防・治療剤などとして有用である。

Claims (15)

  1. 式(I):
    Figure 2006265238

    [式中、Rは、C3−10シクロアルキル基で置換されていてもよいC1-6アルキル基を、
    Rは、C2−6アルキル基を、
    Rは、水素原子、C1−6アルキル基またはハロゲン原子を、
    Xは、−ORまたは−NRR(RおよびRは、独立して水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、Rは、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基または置換されていてもよいヒドロキシ基を示すか、あるいはRおよびRは、隣接する窒素原子とともに、置換されていてもよい含窒素複素環を形成していてもよい)を示す。]
    で表される化合物またはその塩。
  2. Xが−OHである請求項1記載の化合物。
  3. RがC3−6アルキル基である請求項1記載の化合物。
  4. RがC1−6アルキル基である請求項1記載の化合物。
  5. [5-(アミノメチル)-2-エチル-6-イソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸;
    [5-(アミノメチル)-2,6-ジイソブチル-4-(4-メチルフェニル)ピリジン-3-イル]酢酸;
    [5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]酢酸;
    1-{[5-(アミノメチル)-2-エチル-4-(4-メチルフェニル)-6-ネオペンチルピリジン-3-イル]アセチル}-L-プロリンアミド;
    またはその塩である請求項1記載の化合物。
  6. 請求項1記載の化合物のプロドラッグ。
  7. 請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなる医薬。
  8. 糖尿病、糖尿病性合併症、耐糖能不全または肥満症の予防・治療剤である請求項7記載の医薬。
  9. 請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなるぺプチダーゼ阻害剤。
  10. ぺプチダーゼがジペプチジルぺプチダーゼ−IVである請求項9記載の阻害剤。
  11. 糖尿病、糖尿病性合併症、耐糖能不全または肥満症の予防・治療剤を製造するための、請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグの使用。
  12. ペプチダーゼ阻害剤を製造するための、請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグの使用。
  13. 請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグを哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物における糖尿病、糖尿病性合併症、耐糖能不全または肥満症の予防または治療方法。
  14. 請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグを哺乳動物に投与することを特徴とする、該哺乳動物におけるペプチダーゼの阻害方法。
  15. 式(1):
    Figure 2006265238
    [式中、Pは水素原子またはアミノ基の保護基を、
    Rは、C3−10シクロアルキル基で置換されていてもよいC1-6アルキル基を、
    Rは、C2−6アルキル基を、
    Rは、水素原子、C1−6アルキル基またはハロゲン原子を示す。]
    で表される化合物またはその塩を加水分解反応および脱保護反応に付すことを特徴とする、式(I−a):
    Figure 2006265238
    [式中の記号は前記と同意義を示す。]
    で表される化合物またはその塩の製造方法。
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