JP2006265235A - 1−メチルカルバペネム化合物の結晶を含有する医薬 - Google Patents

1−メチルカルバペネム化合物の結晶を含有する医薬 Download PDF

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Abstract

【課題】
化合物(I)
【化1】
Figure 2006265235

又はその薬理上許容される塩の結晶の中で、保存安定性が改善されたものを有効成分として含有する医薬を見出すこと。
【解決手段】
銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折において、特定の主ピークを示すことを特徴とする式(I)で表される1−メチルカルバペネム化合物又はその薬理上許容される塩の結晶を有効成分として含有する医薬。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた抗菌活性及び保存安定性を有し、かつ、生産性の高い又は取り扱い容易な1−メチルカルバペネム化合物の結晶を有効成分として含有する医薬、特に抗菌剤に関する。
特許文献1及び特許文献2には、式
Figure 2006265235
で表される1−メチルカルバペネム化合物が開示されている。本化合物(I)は、グラム陰性菌のみならずグラム陽性菌にも優れた抗菌活性を示し、抗菌剤としての有用性が期待できる。
特許文献3及び特許文献4には、本化合物(I)又はその薬理上許容される塩の特定の結晶が開示されている。当該結晶は凍結乾燥粉末に比べれば保存安定性に優れ、取り扱いが容易であるが、生産性や保存安定性について必ずしも全く問題がないとは言い切れない。
特開平10−204086号公報 特開平11−71277号公報 特許2001−72681号公報 特開2002−161034号公報
そこで発明者等は、これらの問題点を解決するため種々検討を行った結果、特定の新規の結晶を得ることに成功した。これらの結晶は、特開2001−72681号公報の実施例に記載された結晶と比較して、生産性及び保存安定性が改善されており、医薬、特に抗菌剤として実用的に極めて有用な結晶であることを見出し、本発明を完成した。
具体的には、後述の結晶1は、高収率かつ簡単な操作で製造可能であり、乾燥工程において特殊な乾燥条件を必要とせず、乾燥条件下での保存安定性が改善された結晶である。後述の結晶2は、簡単な操作で製造可能であり、乾燥工程が不要又は短時間でよく、通常の湿度又は湿度の高い条件下で保存安定であるため取り扱い容易な結晶である。特定の水分量を含有する後述の結晶3は、高収率かつ簡単な操作で製造可能であり、乾燥工程が不要又は短時間でよく、通常の湿度又は湿度の高い条件下で保存安定であるため取り扱い容易な結晶である。
本発明は、
(1) 銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折において、面間隔d=7.60、6.69、6.33、6.14、5.15、4.58及び4.48に主ピークを示すことを特徴とする式
Figure 2006265235
で表される1−メチルカルバペネム化合物・エタノール和物の結晶(以下、結晶1とする。)を有効成分として含有する医薬;
(2) 銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折において、面間隔d=11.68、8.79、7.53、6.57、5.58、5.37、3.99及び3.09に主ピークを示すことを特徴とする式
Figure 2006265235
で表される1−メチルカルバペネム化合物・4水和物の結晶(以下、結晶2とする。)を有効成分として含有する医薬;
(3) 水分量が0.5〜2質量%である結晶1を有効成分として含有する医薬;
(4) 水分量が8〜10質量%である、面間隔d=6.65、5.68、4.86、4.57及び4.03に主ピークを示すことを特徴とする式
Figure 2006265235
で表される1−メチルカルバペネム化合物・エタノール和物・3水和物の結晶(特開2001−72681号公報に記載されている。以下、結晶3とする。)を有効成分として含有する医薬;及び
(5) 前記結晶を有効成分として含有する抗菌剤に関する。
上記において、
式(I)で表される1−メチルカルバペネム化合物は特開平10−204086号及び特開平11−071277号公報に開示された化合物であり、グラム陽性菌からグラム陰性菌まで広範囲の細菌に対して強力な抗菌活性を有する化合物である。
化合物(I)は薬理上許容される塩であってもよい。ここで薬理上許容される塩とは、医薬として使用され得る塩をいう。
化合物(I)は分子内に塩基性基である3級アミノ基及びグアニジノ基を有するので、常法に従って酸で処理することにより、相当する薬理上許容し得る酸付加塩に変えることができる。このような酸付加塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;炭酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩;又はメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩が挙げられる。
化合物(I)は分子内に酸性基であるカルボキシル基を有するので、常法に従って塩基と処理することにより、相当する薬理上許容し得る塩基付加塩に変えることができる。このような塩基付加塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;又はアンモニウム塩のようなアンモニウム四級塩を挙げることができる。
また、化合物(I)又はその薬理上許容される塩は、大気中に放置しておくことにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、また、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合もあるが、そのような水和物又は溶媒和物も本化合物(I)及びその薬理上許容される塩に包含される。
このような塩、水和物及び溶媒和物としては、好適には、ナトリウム塩、塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、水和物又はエタノール和物であり、より好適には、水和物又はエタノール和物である。
式(I−1)で表される化合物は、化合物(I)のエタノール和物であり、式(I−2)で表される化合物は、化合物(I)の4水和物である。
本発明の結晶は、その内部構造が三次元的に構成原子(又はその集団)の規則正しい繰り返しでできている固体をいい、そのような規則正しい内部構造を持たない無定形の固体とは区別される。
同じ化合物の結晶であっても、結晶化の条件によって、複数の異なる内部構造及び物理化学的性質を有する結晶が生成することがあるが、本発明の結晶は、これら結晶形のいずれであってもよく、2以上の結晶形の混合物であってもよい。
式(I−1)で表される1−メチルカルバペネム化合物の結晶は、銅のKα線(波長λ=1.54オングストローム)の照射で得られる粉末X線回折において、面間隔d=7.60、6.69、6.33、6.14、5.15、4.58及び4.48に主ピークを示す。
式(I−2)で表される1−メチルカルバペネム化合物の結晶は、銅のKα線(波長λ=1.54オングストローム)の照射で得られる粉末X線回折において、面間隔d=11.68、8.79、7.53、6.57、5.58、5.37、3.99及び3.09に主ピークを示す。
本発明の結晶は、化合物(I)又はその薬理上許容される塩の結晶の中で、生産性又は保存安定性が改善されたものであり、工業生産において有用である。
式(I)で表される1−メチルカルバペネム化合物は特開平10−204086号及び特開平11−071277号公報に開示された方法又はそれに準ずる方法に従って製造することができる。
本発明の結晶は、例えば、化合物(I)又はその薬理上許容される塩を適当な溶媒(良溶媒)に溶解し、必要に応じて濃縮し、必要に応じて貧溶媒を加え、必要に応じて冷却する等して、化合物(I)又はその薬理上許容される塩を過飽和状態に導き、結晶を析出させ、次いで、析出した結晶を単離し、乾燥させることによって達成される。
結晶の析出は、反応容器中で自然に開始し得るが、種結晶の接種、超音波刺激、反応器の表面を擦る等の機械的刺激を与えることによっても開始又は促進させることができる。
化合物(I)の薬理上許容される塩は、好適には塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩である。薬理上許容される塩は、化合物(I)の溶液に所望の塩を形成する酸若しくは塩基を必要量加えることによって生成させることができる。
化合物(I)又はその薬理上許容される塩の溶液を取り扱う場合、化合物(I)の分解を抑えるため、通常0℃乃至60℃の温度で取り扱い、好適には0℃乃至25℃で取り扱う。
結晶化させる為の冷却温度としては0℃乃至10℃が好適である。
化合物(I)又はその薬理上許容される塩の溶液を濃縮する方法としては、例えば、ロータリーエバポレータ等を用いて常圧若しくは減圧下で加温しながら溶媒を蒸発させて濃縮する方法、逆浸透膜を用いて濃縮する方法などがある。水溶液の濃縮に使用する逆浸透膜としては、例えばポリアクリロニトリル系膜、ポリビニルアルコール系膜、ポリアミド系膜、酢酸セルロース系膜等から選択することができる。
化合物(I)又はその薬理上許容される塩の良溶媒としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メタノールを挙げることができるが、好適には水である。
化合物(I)又はその薬理上許容される塩の貧溶媒としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノールのような炭素数2乃至4個のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類を挙げることができるが、好適にはエタノール又はアセトンであり、最も好適にはエタノールである。
出発原料の化合物(I)は凍結乾燥粉末として既に単離したものを用いてもよいが、結晶化により精製することも可能であるので、化合物(I)を含む合成反応粗生成物の溶液を使用することもできる。
過飽和状態は、例えば、化合物(I)の水溶液を30℃乃至60℃の加温下に飽和状態まで濃縮し、0℃乃至10℃まで、徐々に冷却することによって、或いは、飽和状態の水溶液にエタノール又はアセトンのような貧溶媒を徐々に加え、必要に応じて冷却することによって得ることができる。
本発明の結晶は、好適には、化合物(I)又はその薬理上許容される塩を含む水溶液を濃縮し、必要に応じて貧溶媒を加え、必要に応じて冷却することによって析出する。
更に好適には、化合物(I)又はその薬理上許容される塩を含む水溶液を濃縮し、必要に応じてエタノール又はアセトンを加え、必要に応じて冷却することによって析出する。
最も好適には、結晶1は、化合物(I)の水溶液を濃縮し、炭酸水素ナトリウム及びエタノールを加えて冷却することによって析出し;結晶2は、化合物(I)の水溶液を冷却し、炭酸水素ナトリウム及びアセトンを加えて冷却することによって析出し、又は、化合物(I)の水溶液を冷却することによって析出する。
析出した結晶は、例えば、濾過、遠心分離、又は傾斜法によって単離することができる。単離した結晶は、必要に応じて、適当な溶媒で洗浄してもよい。洗浄は、結晶化に用いた溶媒で行なうのが好ましい。
単離した結晶1は、通常10℃乃至50℃の温度で、好ましくは20℃乃至30℃の温度で、重量がほぼ一定になるまで乾燥させる。結晶1の乾燥は、必要に応じて、シリカゲル、塩化カルシウムのような乾燥剤の存在下、又は、減圧下で行なうこともできる。
結晶2は、減圧乾燥して得られた結晶を、通常10℃乃至60℃の温度で、好ましくは20℃乃至30℃の温度で、通常30%以上の湿度で、好ましくは70乃至90%の湿度で、通常30分間乃至2日間、好ましくは6時間乃至1日間静置することにより得ることができる。
このようにして得られた結晶1は、乾燥条件下での保存安定性が改善された結晶であり、結晶2は、通常の湿度又は湿度の高い条件下で保存安定であるため取り扱い容易な結晶である。
本発明の結晶1は、加湿することにより、銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折において、結晶3に変換することができる。また、逆に結晶3は乾燥させることにより結晶1に変換することができる。
結晶1を結晶3に変換する場合は、例えば10℃乃至60℃の温度で、好ましくは20℃乃至30℃の温度で、30%以上の湿度で、好ましくは50%乃至70%の湿度で、30分間乃至2日間、好ましくは6時間乃至1日間静置することにより達成される。
結晶3を結晶1に変換する場合は、例えば10℃乃至60℃の温度で、好ましくは15℃乃至25℃の温度で、2時間乃至2日間、好ましくは12時間乃至1日間減圧乾燥するか、又は、10℃乃至60℃の温度で、好ましくは20℃乃至30℃の温度で、20%以下の湿度で、好ましくは10%以下の湿度で、2時間乃至2日間、好ましくは6時間乃至1日間静置することにより達成される。
上記のように、結晶1及び結晶3は環境によりそれぞれ吸湿の程度が異なり得るが、吸湿の程度が異なったとしても、結晶1又は結晶3と同じ粉末X線解析のパターンを示す限り、それぞれ本発明の結晶1又は結晶3に含まれる。これらの吸湿の程度は、例えばカール・フィッシャーの方法等の常法により測定し求めることができ、例えば水分量で表すことができる。結晶1における好適な水分量は、0.5%乃至2%であり、水分量がこの範囲より少ないと過酷な乾燥条件が必要となり製造コストが上昇することが考えられ、水分量がこの範囲より多いと、結晶3に変化するおそれが高くなる。また、結晶3における好適な水分量は、3%乃至12%であり、より好適には8%乃至10%であり、水分量がこの範囲より小さいと、結晶1に変化するおそれが高くなり、水分量がこの範囲より大きいと、結晶が扱いにくくなることが考えられる。このように、結晶1及び結晶3は、水分量がこの範囲内である場合、当該混合物は保存安定性が特に優れ、常温常湿で品質変動がないため、取り扱いが極めて容易となり、医薬、特に抗菌剤として実用化するのに適した結晶である。
上記のような特定の水分量を含有する結晶3は、通常の湿度又は湿度の高い条件下で保存安定であるため取り扱い容易な結晶である。
本発明の結晶は、グラム陽性菌、グラム陰性菌及び嫌気性菌に対して、セファロスポリナーゼ生産菌も含めて、幅広い抗菌スペクトルと強力な抗菌活性を示す。その抗菌活性を寒天平板希釈法により測定したところ、例えば、黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、腸球菌などのグラム陽性菌、大腸菌、赤痢菌、肺炎桿菌、変形菌、セラチア、エンテロバクター、緑膿菌などのグラム陰性菌及びバクテロイデスフラジリスのような嫌気性菌を包含する広範囲な病原菌に対して、強力な抗菌活性を示した。更に、慢性胃炎や消化性潰瘍において高率に検出されるヘリコバクターピロリ菌に対しても強力な抗菌活性を示した。
本発明の結晶は、適当な溶剤に溶解してマウスに投与したところ、従来の同系薬剤に比べて長い血中濃度半減期を示し、高い尿中回収率を示した。
また、本発明の結晶は、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、大腸菌または緑膿菌によるマウス全身感染において、皮下投与により優れた感染治療効果を示した。従って、本発明の結晶は、医薬(特に、抗菌剤)、及び、その製造原末として有用である。
本発明の結晶は、医薬(特に抗菌剤)として使用する場合には、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される、賦形剤、希釈剤等と混合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等により経口的に、注射剤等により非経口的に、又は軟膏剤等により局所的に投与することができる。
これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビットのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α−デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプンのようなデンプン誘導体;結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロール誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;リン酸カルシウムのようなリン酸塩誘導体;炭酸カルシウムのような炭酸塩誘導体;硫酸カルシウムのような硫酸塩誘導体等)、結合剤(例えば、前記の賦形剤;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マクロゴール等)、崩壊剤(例えば、前記の賦形剤;クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾された、デンプン、セルロース誘導体等)、滑沢剤(例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ビーガム;ビーズワックス、ゲイロウのようなワックス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸のようなカルボン酸類;安息香酸ナトリウムのようなカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウムのような硫酸類塩;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;前記の賦形剤におけるデンプン誘導体等)、安定剤(例えば、メチルパラベン、プロピルバラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;無水酢酸;ソルビン酸等)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等)、懸濁化剤(例えば、ポリソルベート80、カルボキシメチルセルロースナトリウム等)、希釈剤、製剤用溶剤(例えば、水、エタノール、グリセリン等)、溶解補助剤(非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等)、局所麻酔剤(塩酸リドカイン、塩酸メビバカイン等)等の添加物を用いて周知の方法で製造される。
経口的投与に適した剤形としては、例えば、錠剤、コーティング剤、カプセル剤、トローチ剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、ドライシロップ剤等の固体製剤、或いはシロップ剤等の液体製剤を挙げることができる。非経口投与に適した剤形としては、例えば、注射剤、点滴剤、座剤等を挙げることができる。また、局所投与に適した剤形としては、例えば、軟膏剤、チンキ剤、クリーム剤、ゲル剤等を挙げることができる。これらの製剤は製剤学の分野でそれ自体公知の方法で調整することができる。
本発明の結晶性1−メチルカルバペネム化合物は、特に注射剤又は点滴剤の形態で非経口的に投与するのが好適である。その投与量は、年齢、体重、症状によって異なるが、通常、成人に対して1日当り下限10mg(好適には、50mg)、上限6000mg(好適には、4000mg)を、1乃至4回に分けて投与することができる。
以下、実施例、試験例及び製剤例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。なお、実施例の核磁気共鳴スペクトルにおいて、重水中での測定ではテトラメチルシランを内部標準物質として使用した。
(実施例1)
(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(3S)−3−(2−グアニジノアセチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・エタノール和物(結晶1)
特開2001−72681号公報に記載の方法により得られた(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(3S)−3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸 4−ニトロベンジルエステル(10.0g)の33%含水テトラヒドロフラン溶液(120mL)に7.5%パラジウム−炭素(3.13g)を添加し、その懸濁液を水素雰囲気下、20℃で4時間攪拌した。反応混合液をろ過し、ろ液を酢酸エチルで抽出洗浄した。水層に活性炭(4.3g)を添加して室温で30分間攪拌した。活性炭をろ別した後、そのろ液を減圧濃縮した。得られた濃縮液に炭酸水素ナトリウム(100mg)及びエタノール(240mL)を添加し、得られた懸濁液を0℃で16時間静置した。その後懸濁液を1時間攪拌し、析出した結晶をろ取し、エタノール:水(3:1)溶液で洗浄し、減圧乾燥することにより、標記エタノール和物の結晶(4.35g)を得た。
融点:225−240℃(分解)。
核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, D2O) δ ppm: 1.17-1.94 (6H, m), 1.31 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.56-1.74 (1H, m), 1.94-2.12 (1H, m), 2.19-2.29 (1H, m), 2.28, 2.29 (3H, s×2), 2.72-2.88 (2H, m), 3.08 (1H, d, J = 10.5 Hz), 3.29-3.74 (8H, m), 3.74-3.94 (2H, m), 4.01 (2H, s), 4.17-4.28 (2H, m), 4.39-4.54 (1H, m).
赤外線吸収スペクトル (KBr) νmax (cm-1): 3335, 2970, 1755, 1651, 1452, 1387, 1251.
粉末X線(Cu Ka, λ = 1.54 オングストローム) d(オングストローム): 7.60, 6.69, 6.33, 6.14, 5.15, 4.58, 4.48。
(実施例2)
(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(3S)−3−(2−グアニジノアセチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・4水和物(結晶2)
特開2001−72681号公報に記載の方法により得られた(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(3S)−3−(2−グアニジノアセチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸(5.50g)を水(14mL)に添加し、その懸濁液を0℃で1時間攪拌した。得られた結晶をろ取し、減圧乾燥することにより無水物結晶を得た。この無水物結晶を25℃、湿度80%雰囲気下に1日静置することにより、標記4水和物の結晶(5.28g)を得た。
融点:235−250℃(分解)。
核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, D2O) δ ppm: 1.34 (3H, dd, J = 7.1, 1.9Hz), 1.44 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.58-1.68 (1H, m), 1.96-2.13 (1H, m), 2.18-2.34 (1H, m), 2.27, 2.28 (3H, s×2), 2.69-2.89 (2H, m), 3.07 (1H, d, J = 10.7Hz), 3.29-3.74 (6H, m), 3.75-3.94 (2H, m), 4.00 (2H, s), 4.16-4.31 (2H, m), 4.37-4.49 (1H, m).
赤外線吸収スペクトル (KBr) νmax (cm-1): 3336, 2967, 1753, 1628, 1576, 1451, 1384, 1285, 1182.
粉末X線(Cu Ka, λ = 1.54 オングストローム) d(オングストローム): 11.68, 8.79, 7.53, 6.57, 5.58, 5.37, 3.99, 3.09。
(実施例3)
(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(3S)−3−(2−グアニジノアセチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・エタノール和物(結晶1)
特開2001−72681号公報に記載の方法により得られた(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(3S)−3−(2−グアニジノアセチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・エタノール和物・3水和物(特開2001−72681号公報には「1/2炭酸塩・1/2エタノール」と誤記されている。4.76g)を20℃で6時間減圧乾燥させることにより、標記エタノール和物(2.55g)を得た。
(実施例4)
(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(3S)−3−(2−グアニジノアセチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・エタノール和物・3水和物(結晶3)
実施例1で得られた(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(3S)−3−(2−グアニジノアセチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・エタノール和物(42.89g)を25℃、湿度60%の容器に入れ、1日間静置することにより、標記エタノール和物・3水和物(45.46g)を得た。
融点:228−233℃(分解)。
核磁気共鳴スペクトル (400 MHz, D2O) δ ppm: 1.13-1.24 (4.5H, m), 1.30 (3H, d, J=6.4 Hz), 1.57-1.72 (1H, m), 1.93-2.10 (1H, m), 2.15-2.35 (1H, m), 2.27, 2.29 (3H, s×2), 2.68-2.88 (2H, m), 3.09 (1H, d, J=10.6 Hz), 3.29-3.73 (7H, m), 3.75-3.93 (2H, m), 4.01 (2H, s), 4.12-4.30 (2H, m), 4.38-4.50 (1H, m).
赤外線吸収スペクトル (KBr) νmax (cm-1): 3331, 2968, 2875, 2791, 1755, 1669, 1637, 1453, 1386, 1339, 1312, 1283, 1254。
(実施例5)
(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(3S)−3−(2−グアニジノアセチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・4水和物(結晶2)
特開2001−72681号公報に記載の方法により得られた(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(3S)−3−[2−[2,3−ビス(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)グアニジノ]アセチルアミノ]ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸 4−ニトロベンジルエステル(3.00g)を33%含水テトラヒドロフラン(36mL)に溶かし、この溶液に7.5%パラジウム−炭素(850mg)を添加し、その懸濁液を水素雰囲気下、20℃で4時間攪拌した。反応混合液をろ過し、ろ液を酢酸エチルで抽出洗浄した。得られた水層に活性炭(1.29g)を添加して室温で30分間撹拌した。反応液から活性炭をろ別した後、得られたろ液を減圧濃縮し、濃縮物に炭酸水素ナトリウム(30mg)及びアセトン(72mL)を添加し、その懸濁液を0℃で16時間静置した。その後当該懸濁液を1時間撹拌し、析出した結晶をろ取し、アセトン:水(3:1)混合溶液で洗浄することにより、標記4水和物の結晶(1.31g)を得た。
得られた結晶の融点、核磁気共鳴スペクトル、赤外線吸収スペクトル及び粉末X線は、実施例2で得られた結晶のものと同一であった。
(製剤例1)
注射剤
実施例1の化合物の結晶250mgを無菌的にバイヤルに充填し封栓する。本製剤には必要に応じて、塩酸リドカイン等の局所麻酔剤など公知の医薬添加物を配合することができる。本製剤は、投与時に注射用蒸留水等の溶媒に溶解して使用する。
本発明の結晶は、生産性又は保存安定性が改善されたものであり、医薬、特に抗菌剤として実用的に極めて有用である。
図1は、(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(3S)−3−(2−グアニジノアセチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・エタノール和物(I−1)の結晶について、銅のKα線(波長λ=1.54オングストローム)の照射で得られる粉末X線回折パターンである。尚、粉末X線回折パターンのたて軸は回折強度をカウント/秒(cps)単位で示し、横軸は回折角度2θの値で示す。 図2は、(1R,5S,6S)−2−[(2S,4S)−2−[(3S)−3−(2−グアニジノアセチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル]−1−メチルピロリジン−4−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・4水和物(I−2)の結晶について、銅のKα線(波長λ=1.54オングストローム)の照射で得られる粉末X線回折パターンである。尚、粉末X線回折パターンのたて軸は回折強度をカウント/秒(cps)単位で示し、横軸は回折角度2θの値で示す。

Claims (5)

  1. 銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折において、面間隔d=7.60、6.69、6.33、6.14、5.15、4.58及び4.48に主ピークを示すことを特徴とする式
    Figure 2006265235

    で表される1−メチルカルバペネム化合物・エタノール和物の結晶を有効成分として含有する医薬。
  2. 銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折において、面間隔d=11.68、8.79、7.53、6.57、5.58、5.37、3.99及び3.09に主ピークを示すことを特徴とする式
    Figure 2006265235

    で表される1−メチルカルバペネム化合物・4水和物の結晶を有効成分として含有する医薬。
  3. 水分量が0.5〜2質量%である請求項1に記載の結晶を有効成分として含有する医薬。
  4. 水分量が8〜10質量%である、銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折において、面間隔d=6.65、5.68、4.86、4.57及び4.03に主ピークを示すことを特徴とする式
    Figure 2006265235

    で表される1−メチルカルバペネム化合物・エタノール和物・3水和物の結晶を有効成分として含有する医薬。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の結晶を有効成分として含有する抗菌剤。
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