JP2006264140A - インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧電アクチュエータの変位をキャビティユニットに確実に伝達しながら、圧電アクチュエータをインクから保護し、かつ組み立て時の作業性にも優れていることを課題とする。
【解決手段】 導電性の平板材52の一方面に絶縁膜53を設け、この絶縁膜53に、少なくともキャビティユニット20の全部の圧力室24を覆う面積を有する開口54のパターンを形成する工程と、平板材52における絶縁膜53の開口54の領域に、金属膜50を電鋳法で形成する工程と、平板材52から絶縁膜53を除去する工程と、平板材52上の金属膜50に、圧電アクチュエータ21及びキャビティユニット20のうちの一方を重ねて固着する工程と、平板材52を金属膜50から剥離する工程と、金属膜50における平板材52を剥離した側の面に、圧電アクチュエータ21及びキャビティユニット20のうちの他方を重ねて固着する工程とを有する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、圧電アクチュエータの活性部がインクを充填した圧力室に吐出圧力を与えるように構成されたインクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッドに関するものである。
従来から、インクジェットヘッドにおいては、圧電層と電極層とを積層して形成されるプレート型の圧電アクチュエータを、キャビティユニットの圧力室に面して接合させて、この圧電アクチュエータの変位により、前記圧力室の容積に変化を与えインクを吐出させるものが知られている。
例えば、特許文献1のインクジェットヘッドでは、キャビティユニットが複数のプレートを積層して形成されており、その最前面のプレートに複数のノズルが設けられるとともに、最背面のプレートにノズル毎に対応する複数の圧力室が背面側に開口を有して設けられている。圧電アクチュエータは、キャビティユニットの各圧力室毎に対応した個別電極の層と全圧力室に共通なコモン電極の層とが圧電シートを挟んで交互に積層されており、個別電極とコモン電極とに上下を挟まれた圧電シートの領域が活性部となっている。
そして、前記各圧力室の位置に各活性部を対応させて、キャビティユニットの背面に圧電アクチュエータが積層固定され、インクジェットヘッドが形成される。このインクジェットヘッドでは、個別電極に選択的に電圧を印加することで対応する活性部が変位し、この変位が伝達されて圧力室に吐出圧力が与えられる。
ところが、一般的に、圧電アクチュエータは、PZT系等の圧電材料(セラミック粉末)を加圧成形した圧電シートを積層して焼結することにより形成されているため、圧電シートに微小なひび(ヘアクラック)が生じ易い。それ故に、上述のように、圧力室の開口を圧電アクチュエータで直接覆って密閉していると、焼結体である圧電シートにインクが浸透する可能性が大きい。そして、さらにインクの浸透が進むと、電極間の電気的短絡を招くという問題があった。
そこで、上記インクの浸透を防ぐために、キャビティユニットと圧電アクチュエータとの間に、特許文献1のように樹脂製のシート(樹脂フィルム)あるいは金属製のシート(金属板)等を挟むことも知られている。
特開2002−59547号公報(段落0027〜0032、図7及び図8参照)
しかしながら、前記キャビティユニットと圧電アクチュエータとの間では、活性部の変位を圧力室に効率よく伝達する必要があるから、介挿されるシートの厚みは前記伝達を妨げないように、きわめて薄くしなければならない。加えて、インクジェットヘッド自体が小型化しているから、介挿されるシートはその面積もきわめて小さくする必要があった。
従って、きわめて薄くまた面積も小さいシートを、キャビティユニットと圧電アクチュエータとの間に、正しく位置あわせして挟み込みかつ接着する作業は、ハンドリング性が悪く、作業効率を低下させるという問題があった。
本発明は、上記問題を解消するものであり、圧電アクチュエータの変位をキャビティユニットに確実に伝達しながら、圧電アクチュエータをインクから保護し、かつ組み立て時の作業性にも優れているインクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッドを提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明におけるインクジェットヘッドの製造方法は、インクを吐出する複数のノズルと各ノズル毎に設けられる複数の圧力室とを有するキャビティユニットと、各圧力室毎に対応する複数の活性部を有する圧電アクチュエータとを備え、前記活性部の変位により前記圧力室に吐出圧力を与えて、ノズルからインクを吐出させるインクジェットヘッドの製造方法において、導電性の平板材の一方面に絶縁膜を設け、この絶縁膜に、少なくともキャビティユニットの全部の圧力室を覆う面積を有する開口のパターンを形成する工程と、前記平板材における前記絶縁膜の開口の領域に、金属膜を電鋳法で形成する工程と、前記平板材から前記絶縁膜を除去する工程と、前記平板材上の金属膜に、前記圧電アクチュエータ及びキャビティユニットのうちの一方を重ねて固着する工程と、前記平板材を前記金属膜から剥離する工程と、前記金属膜における前記平板材を剥離した側の面に、前記圧電アクチュエータ及びキャビティユニットのうちの他方を重ねて固着する工程とを有することを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、前記絶縁膜のパターンには、前記開口の領域が複数含まれて、前記平板材の一方面には、前記金属膜が複数に分割されて形成され、分割された金属膜毎に、前記圧電アクチュエータ及びキャビティユニットのうちの一方が固着されることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、前記絶縁膜の開口の領域には、前記圧電アクチュエータとキャビティユニットとの位置合わせ用のマークを前記金属膜に形成するためのパターンが形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法において、前記金属膜と前記圧電アクチュエータまたはキャビティユニットとの接着には、接着剤が使用され、前記絶縁膜の開口の領域には、接着剤の逃がし溝を前記金属膜に形成するための突形パターンが形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法において、前記圧電アクチュエータは、前記キャビティユニットの全部の圧力室を覆う面積を有する複数層の圧電シートと、前記各圧力室と対応して位置し前記圧電シートの各活性部に電圧を印加するための複数の電極とを備え、前記キャビティユニット側に前記圧電シートの面を露出させたものであって、前記平板材上の金属膜にその露出した前記圧電シートの面を重ねて固着することを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明におけるインクジェットヘッドは、インクを吐出する複数のノズルと、各ノズル毎に設けられる複数の圧力室とを有するキャビティユニットと、各圧力室毎に対応する複数の活性部を有する圧電アクチュエータとを備え、前記活性部の変位により前記圧力室に吐出圧力を与えて、ノズルからインクを吐出させるインクジェットヘッドにおいて、前記キャビティユニットと圧電アクチュエータとの間には、電鋳法で形成された金属膜が、少なくとも全部の圧力室を覆う面積を有し且つ活性部の変位を対応する圧力室に伝達可能に介挿されていることを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の発明におけるインクジェットヘッドは、前記金属膜の厚みは、5μm以上10μm以下であることを特徴とするものである。
また、請求項8に記載の発明におけるインクジェットヘッドは、前記圧電アクチュエータは、前記キャビティユニットの全部の圧力室を覆う面積を有する複数層の圧電シートと、前記各圧力室と対応して位置し前記圧電シートの各活性部に電圧を印加するための複数の電極とを備え、前記キャビティユニット側に前記圧電シートの面を露出させて、この露出した圧電シートの面を前記平板材上の金属膜に重ねて固着されていることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、圧電アクチュエータとキャビティユニットとの間に挟まれる金属膜が、電鋳法で形成されるから、圧電アクチュエータの振動(変位)を効率よく圧力室に伝達するのに最適な薄さの金属膜を、容易に製造することができる。また、金属膜は全部の圧力室を覆う面積を有しているから、圧力室に充填されるインクの圧電シートへの浸透を金属膜で阻止し、電極の腐食や短絡を確実に防止することができる。また、金属膜は平板材とともに、圧電アクチュエータ及びキャビティユニットのうちの一方に固着されるから、薄い金属膜であってもハンドリング性に優れ、作業性に優れている。
さらに圧電アクチュエータ及びキャビティユニットの一方に固着された側と反対側の金属膜の面は、平板材の平面度に応じて形成されるから、圧電アクチュエータ及びキャビティユニットの他方に対して精度よく密着させることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、平板材上に複数個分の金属膜が同時に製造され、平板材を剥離するまでの工程では、複数個分の製造を一括して行なうことができ、製造効率に優れている。
また、請求項3に記載の発明によれば、絶縁膜のパターンに位置合わせ用のマークのパターンを形成しているから、別個に位置合わせ用のマークを形成する工程を付加しなくても、金属膜に位置合わせ用のマークを容易に形成することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、絶縁膜のパターンに、接着剤の逃がし溝のためのパターンを形成しているから、金属膜に別個に逃がし溝を加工する工程を付加しなくても、金属膜に逃がし溝を形成し、金属膜と圧電アクチュエータまたはキャビティユニットとの接着に際して接着剤が所定の位置からはみ出すのを抑えることができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、圧電アクチュエータを複数層の圧電シートと電極とから構成し、キャビティユニット側に圧電シートを露出させたものであっても、その露出した圧電シートの面に金属膜を固着するから、圧電シートに微小なひびが生じてもインクの浸透を確実に阻止し、電極の腐蝕や短絡を防止することができる。また、圧電アクチュエータのキャビティユニット側の面は、平板材の平面度に応じて形成されるから、キャビティユニットと精度よく密着させることができ、外部へのインク漏れを抑えることができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、圧電アクチュエータとキャビティユニットとの間に挟まれる金属膜が、電鋳法で形成されるから、圧電アクチュエータの振動(変位)を効率よく圧力室に伝達するのに最適な薄さの金属膜を、容易に製造することができる。また、金属膜は全部の圧力室を覆う面積を有しているから、圧力室に充填されるインクの圧電シート側への浸透を、金属膜で確実に防止することができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、圧電アクチュエータのインクの浸透を確実に防止できるとともに、圧電アクチュエータ側の変位をキャビティユニットに確実に伝達させることができる。
また、請求項8に記載の発明によれば、圧力室に充填されるインクの圧電シート側への浸透を、金属膜で確実に防止することができるから、圧電シートが圧力室側に露出しても、電極がインクに侵される心配がない。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態のインクジェットヘッドの斜視図、図2はインクジェットヘッドの分解斜視図、図3は図1のIII −III 線矢視断面図、図4はキャビティユニットの部分平面図、図5は製造工程を示すフローチャート、図6は絶縁膜の開口が形成された平板材の平面図である。
図1は、本発明の実施形態による圧電式のインクジェットヘッド1におけるキャビティユニット20、圧電アクチュエータ21、及びフレキシブルフラットケーブル22の斜視図であり、金属板製の複数枚のプレートからなるキャビティユニット20にプレート型の圧電アクチュエータ21が金属膜50を介して接合され、このプレート型の圧電アクチュエータ21の上面に外部機器との接続のためのフレキシブルフラットケーブル22が重ね接合されている。そして、キャビティユニット20の下面側に開口されたノズル23から、下向きにインクが吐出するものとする(図3参照)。
前記キャビティユニット20は、図2に示すように、ノズルプレート30、スペーサプレート31、2枚のマニホールドプレート33a、33b、サプライプレート34、ベースプレート35、及びキャビティプレート36の合計7枚の薄い板をそれぞれ接着剤にて重ね接合した構造となっている。
実施形態では、各プレート30〜36は50〜150μm程度の厚さを有し、ノズルプレート30はポリイミド等の合成樹脂製で、その他のプレート31〜36は42%ニッケル合金鋼板製である。前記ノズルプレート30には、微小径(約20〜23μm程度)のインク吐出用のノズル23が微小間隔で多数個穿設されている。このノズル23は、当該ノズルプレート30における長辺方向(X方向)と平行な2列に配列されている。
また、前記キャビティプレート36には、図3に示すように、複数の圧力室24がキャビティプレート36の長辺(前記X方向)と平行な2列に配列されている。実施形態では、前記各圧力室24は、平面視細長形状に形成され、その長手方向がキャビティプレート36の短辺方向(Y方向)に沿うようにして穿設され、長手方向の一端部がノズル23と連通し、他端部が後述する共通インク室25と連通する。
各圧力室24における先端部は、サプライプレート34、ベースプレート35と2枚のマニホールドプレート33a、33b、及びスペーサプレート31に穿設されている微小径の連通孔26を介して、ノズルプレート30における前記各ノズル23に連通している。
キャビティプレート36の下面に隣接するベースプレート35には、各圧力室36の他端部に接続する貫通孔28が穿設されている。
ベースプレート35の下面に隣接するサプライプレート34には、後述する共通インク室25から前記各圧力室24へインクを供給するための接続流路29が設けられる。そして各接続流路29には、共通インク室25からインクが入る入口孔と、圧力室36側(貫通孔38)に開口する出口孔と、入口孔と出口孔との間にあって、接続流路29中で最も大きな流路抵抗となるように断面積を小さくして形成された絞り部とが備えられている。
2枚のマニホールドプレート33a,33bには、その長辺方向(X方向)に沿って長い2つの共通インク室25が前記ノズル23の各列に沿って延びるように板厚さを貫通して形成されている。すなわち、図2及び図3に示すように、2枚のマニホールドプレート33a、33bを積層し、かつその上面をサプライプレート34にて覆い、下面をスペーサプレート31にて覆うことにより、合計2つの共通インク室(マニホールド室)25が密閉状に形成される。各共通インク室25は、各プレートの積層方向から平面視したときに、前記圧力室24の一部と重なって圧力室24の列方向(ノズル23の列方向)に沿って長く延びている。
また、図2に示すように、キャビティプレート36、ベースプレート35、及びサプライプレート34の一方の短辺側の端部には、上下の位置を対応させて、それぞれ2つのインク供給口40が穿設されている。インク供給源からのインクが、これらインク供給口40から共通インク室25の一端部に連通するようになっている。また、インク供給口40には、フィルタ体40aが接着剤等で貼着されている。
インク供給口40からノズル23に至るインク流通路では、インクは、インク供給口40からインク供給チャンネルとしての共通インク室25に供給された後、図3に示すように、サプライプレート34の接続流路29及びベースプレート35の貫通孔28を経由して各圧力室24に分配供給される。そして、インクは各圧力室24内から前記連通孔26を通って、その圧力室24に対応するノズル23に至るという構成になっている。
一方、前記圧電アクチュエータ21は、特開平4−341853号公報等に開示された公知のものと同様に、図3に示すように1枚の厚さが30μm程度の複数枚の圧電シート41〜43を積層した構造で、各圧電シートのうち下から所定数の偶数段目の圧電シート42の上面(広幅面)には、前記キャビティユニット20における各圧力室24に対応した箇所ごとに細幅の個別電極44が長辺方向(X方向)に沿って列状に形成されている。下から所定数の奇数段目の圧電シート41の上面(広幅面)には、複数個の圧力室24に対して共通のコモン電極45が形成されており、最上段のシートの上面には、表面電極46(図1参照)として、積層方向に対応する前記個別電極の各々に対して電気的に接続される表面電極と、前記コモン電極に対して電気的に接続される表面電極とが設けられている。
公知のように個別電極44とコモン電極45との間に高電圧を印加することで、両電極間に位置する圧電シートの部分が分極され、活性部として形成される。
そして、前記キャビティユニット20と圧電アクチュエータ21との間に介挿されている金属膜50は、その面積が、キャビティユニット20の全部の圧力室24を覆うように、圧電アクチュエータ20よりもわずかに大きい平面視細長形状に形成されるとともに、その厚みが、圧電アクチュエータ21の活性部の変位を圧力室24に効率よく伝達できるように、5μm以上10μm以下という薄さに形成されている。
この金属膜50には、圧電アクチュエータ21とキャビティユニット20との位置合わせに用いるための、位置合わせ用のマーク60が形成されている。この位置合わせ用のマーク60は、金属膜50の四隅であって、かつ圧電アクチュエータ21と金属膜50を積層させた際に圧電アクチュエータ21からはみ出た金属膜50の領域に形成されている。キャビティユニット20の圧力室24が形成された面にも四隅に位置合わせ用の穴61が形成されている。
圧電アクチュエータ21とキャビティユニット20とを位置決めするに際して、マーク60と位置合わせ穴61とを直接対向する位置に形成しておいてもよいが、特開2003−112423号公報に記載されているように、圧電アクチュエータ21においてその内部の個別電極と同時に形成した複数の位置決めマークを撮像装置で撮像してその重心位置を求め、また金属膜50の複数のマーク60を撮像装置で撮像してその重心位置を求め、各重心位置にもとづいて圧電アクチュエータ21と金属膜50とを位置決めして予め接着しておき、さらに、同様にして複数のマーク60およびキャビティユニット20の位置合わせ穴61をそれぞれ撮像装置で撮像して、それぞれの重心位置を求め、その各重心位置にもとづいて圧電アクチュエータ21とキャビティユニット20とを位置決めするようにしてもよい。好ましくは、金属膜50のマーク60を、圧電アクチュエータ21の内部の上記位置決めマークと平面視において重なる位置(しかし圧力室24とは重ならない位置)に貫通孔として形成しておくことで、圧電アクチュエータ21と金属膜50とを接着した後、特開2003−112423号公報に記載されているものと同様に、圧電アクチュエータ21の位置決めマークを透過光で撮像し、その位置決めマークおよびキャビティユニット20の位置合わせ穴61の各重心位置にもとづいて圧電アクチュエータ21とキャビティユニット20とを直接位置決めすることができる。
また、この金属膜50は、接着剤により固定されるため、接着剤の逃がし溝56が複数本貫通形成されている。この実施形態では、図4に示すように、長辺方向(Y方向)に沿って直線状に延びる2本ずつの逃がし溝51が、短辺方向の(X方向)の両側部及び中央部にそれぞれ設けられている。
次に、上記のように構成されたキャビティユニット20と圧電アクチュエータ21との組み立てについて説明する。なお、図5(a)〜図5(f)は、工程を説明するために模式的に図示したものである。
まず、図5(a)に示すように、導電性の平板材52を用意して、その広幅面の一方に絶縁膜53としてフォトレジストを成膜し、この絶縁膜53に、長方形状の開口54のパターンを形成する。前記絶縁膜53はフォトレジストであるため、開口54の形成は、公知の露光、現像等の技術を用いて簡単に行われる。なお、この開口54の領域内には、前述した逃がし溝51を形成するための突パターン53a(図5では3箇所でそれぞれ1本ずつの溝を形成するように省略して図示している)と、位置あわせ用のマーク60を形成するための突パターン(図示せず)が含まれている。
次に、図5(b)に示すように、前記絶縁膜53の開口54の領域に、公知の電鋳法により、平板材52を電極として、この平板材52上に金属、例えばニッケルを析出させ、金属膜50を形成する。電鋳法で金属膜50を形成するため、その厚みのコントロールが容易であり、活性部の変位を圧力室24に効率よく伝達するのに最適しい薄さを簡単に製造することができる。
次に、図5(c)に示すように、平板材52から絶縁膜53を除去する。絶縁膜53はフォトレジストであるため、レジスト専用の除去液を使用することで容易に除去することができる。この絶縁膜53を除去した段階では、平板材52上に、位置合わせ用のマーク60及び逃がし溝51の領域が空領域となった金属膜50が残されている。
次に、図5(d)に示すように、平板材51上の金属膜50に、接着剤を介して、圧電アクチュエータ2の最下段の圧電シートの下面(圧力室24に対向する面)が重ねられ固着される。このとき、逃がし溝51を通って、余分な接着剤や気泡が移動できるから、良好な接着を行なうことができる。
次に、図5(e)に示すように、平板材52を金属膜50から剥離する。これにより、圧電アクチュエータ21と金属膜50からなる接合体が得られる。金属膜50は平板材52上に電鋳法によって析出しているだけであるので、平板材52と金属膜50との密着強度は、接着剤で固着された圧電アクチュエータ21と金属膜50との密着強度よりも小さい。従って、平板材52を金属膜50から容易に剥離することができる。
次に、図5(f)に示すように、金属膜50における平板材52を剥離した側の面に、接着剤を介して、キャビティユニット20の上面(圧力室24が開口する面)が重ねられ固着される。このとき、金属膜50に設けられた位置合わせ用のマーク60と、キャビティユニット20に設けられた位置合わせ用の穴61を用いて、前述のように正確な位置合わせが行なわれる。また、前記逃がし溝51は、金属膜50に貫通形成され、キャビティユニット20側にも開口しているので、金属膜50とキャビティユニット20との接着の際にも、余分の接着剤や気泡の移動に利用できる。
なお、図5では図示していないが、図6に示すように、絶縁膜53を同一の平板材52上にて複数(ここでは4つ)の開口54を有するように形成し、図5(b)〜図5(d)までの工程を、複数個分同時に行なっても良い。
このように電鋳膜で形成した金属膜50を、圧電アクチュエータ21とキャビティユニット20との間に介挿するようにしたから、金属膜50を簡単に薄く形成できる。また、金属膜50が薄くても、金属膜50を平板材52とともに取り扱うから、そのハンドリング性にも優れている。その結果、圧電アクチュエータ21の圧電シートをインクから確実に保護できる。また、圧電アクチュエータの変位を各圧力室24に効率よく伝達することができる。
なお、図5では、金属膜50に先に圧電アクチュエータ21を固着するとして説明したが、キャビティユニット20を先に固着するようにしてもよい。
実施形態のインクジェットヘッドの斜視図である。 インクジェットヘッドの分解斜視図である。 図1のIII −III 線矢視断面図である。 キャビティユニットの部分平面図である。 (a)〜(f)は製造工程を示すフローチャートである。 絶縁膜の開口が形成された平板材の平面図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
20 キャビティユニット
21 圧電アクチュエータ
22 フレキシブルフラットケーブル
23 ノズル
24 圧力室
41、42、43 圧電シート
50 金属膜
51 逃がし溝
52 平板材
53 絶縁膜
53a 突パターン
54 開口
60 位置合わせ用のマーク
61 位置合わせ用の穴

Claims (8)

  1. インクを吐出する複数のノズルと各ノズル毎に設けられる複数の圧力室とを有するキャビティユニットと、各圧力室毎に対応する複数の活性部を有する圧電アクチュエータとを備え、前記活性部の変位により前記圧力室に吐出圧力を与えて、ノズルからインクを吐出させるインクジェットヘッドの製造方法において、
    導電性の平板材の一方面に絶縁膜を設け、この絶縁膜に、少なくともキャビティユニットの全部の圧力室を覆う面積を有する開口のパターンを形成する工程と、
    前記平板材における前記絶縁膜の開口の領域に、金属膜を電鋳法で形成する工程と、
    前記平板材から前記絶縁膜を除去する工程と、
    前記平板材上の金属膜に、前記圧電アクチュエータ及びキャビティユニットのうちの一方を重ねて固着する工程と、
    前記平板材を前記金属膜から剥離する工程と、
    前記金属膜における前記平板材を剥離した側の面に、前記圧電アクチュエータ及びキャビティユニットのうちの他方を重ねて固着する工程と
    を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記絶縁膜のパターンには、前記開口の領域が複数含まれて、前記平板材の一方面には、前記金属膜が複数に分割されて形成され、
    分割された金属膜毎に、前記圧電アクチュエータ及びキャビティユニットのうちの一方が固着されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 前記絶縁膜の開口の領域には、前記圧電アクチュエータとキャビティユニットとの位置合わせ用のマークを前記金属膜に形成するためのパターンが形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 前記金属膜と前記圧電アクチュエータまたはキャビティユニットとの接着には、接着剤が使用され、
    前記絶縁膜の開口の領域には、接着剤の逃がし溝を前記金属膜に形成するための突形パターンが形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 前記圧電アクチュエータは、前記キャビティユニットの全部の圧力室を覆う面積を有する複数層の圧電シートと、前記各圧力室と対応して位置し前記圧電シートの各活性部に電圧を印加するための複数の電極とを備え、前記キャビティユニット側に前記圧電シートの面を露出させたものであって、前記平板材上の金属膜にその露出した前記圧電シートの面を重ねて固着することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. インクを吐出する複数のノズルと、各ノズル毎に設けられる複数の圧力室とを有するキャビティユニットと、各圧力室毎に対応する複数の活性部を有する圧電アクチュエータとを備え、前記活性部の変位により前記圧力室に吐出圧力を与えて、ノズルからインクを吐出させるインクジェットヘッドにおいて、
    前記キャビティユニットと圧電アクチュエータとの間には、電鋳法で形成された金属膜が、少なくとも全部の圧力室を覆う面積を有し且つ活性部の変位を対応する圧力室に伝達可能に介挿されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 前記金属膜の厚みは、5μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記圧電アクチュエータは、前記キャビティユニットの全部の圧力室を覆う面積を有する複数層の圧電シートと、前記各圧力室と対応して位置し前記圧電シートの各活性部に電圧を印加するための複数の電極とを備え、前記キャビティユニット側に前記圧電シートの面を露出させて、この露出した圧電シートの面を前記平板材上の金属膜に重ねて固着されていることを特徴とする請求項6または7に記載のインクジェットヘッド。
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