JP2006264107A - 記録用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バックテンションの変動を要因とする色ムラ等の画像の乱れが発生し難く、銀塩写真調の高品位・高精細な記録画像を提供し得る記録用紙を提供すること。
【解決手段】 樹脂被覆紙と、該樹脂被覆紙の一方の面に設けられたインク受容層と、他方の面に設けられた塗布量0.8〜8g/m2のバックコート層とを有し、且つ、傾斜角14°の用紙載置面1a上に、用紙載置面1aとバックコート層のコーティング面とが接触するように用紙Mを載置し、傾斜姿勢の用紙Mに対して給紙方向Pと逆方向Qに一定のバックテンションを付与しながら、用紙Mを記録ヘッド3に向けて水平姿勢で紙送りさせた場合において、当該バックテンションの大きさTと、当該バックテンションが付与されている状態での用紙Mの紙送り量Fと、バックテンション無しの状態での用紙Mの紙送り量F0との間に、F=aT+F0(但し、−0.5≦a≦0)の関係が成立する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、銀塩写真調の高品位・高精細な記録物を提供し得るインクジェット記録用の記録用紙に関し、詳しくは、記録装置において記録用紙にかかるバックテンションの変動を要因とする色ムラ等の画像の乱れが発生し難い記録用紙に関する。
インクジェット方式は、記録ヘッドに設けられたノズルからインクの液滴を吐出させ、紙等の記録用紙にインクを付着させて画像を記録する印刷方式である。インクジェット記録用の記録用紙には高度なインク吸収性が要求されるため、これに対応すべく、支持体上にインク受容層を塗設した構成のものが開発され、インクジェット専用紙などとして汎用されている。このインクジェット専用紙の支持体としては、従来、紙が一般的であったが、銀塩写真調のフォトライクな画質を得る場合、該支持体として紙を用いたのでは、光沢、質感、耐水性等の点で不充分であった。そこで、近年、紙の両面をポリエチレン等の樹脂で被覆した樹脂被覆紙を支持体として用いたインクジェット専用紙(例えば、特許文献1参照)が開発されている。
また、インクジェット記録装置には、図4に示すように、用紙保持部では記録用紙を傾斜姿勢にして保持し、インクジェット記録部(記録ヘッド)では記録用紙を水平姿勢にするものがある。図4のインクジェット記録装置では、用紙保持部(給紙トレイ)20にて傾斜姿勢で保持されていた記録用紙Mは、給紙ローラ21によって搬送駆動ローラ22と搬送従動ローラ23との間に給紙され、更に、両搬送ローラ22,23によってプラテン25位置に水平姿勢で搬送されて、記録ヘッド24によって所望の記録がなされ、排紙駆動ローラ26と排紙従動ローラ27とのニップ部で挟持されつつ排紙される。このような構成のインクジェット記録装置においては、給紙パートで、用紙搬送路が、記録用紙の姿勢を傾斜状態から水平状態に矯正する構成となっているため、給紙時に記録用紙に屈曲負荷がかかり、これにより、記録用紙に給紙方向と逆方向にバックテンションがかかる。
上記バックテンションは、紙送り量にズレを生じさせ、紙送り精度に悪影響を及ぼすおそれがある。特に問題となるのは、バックテンションの変動による画像の乱れである。即ち、バックテンションは、図4に示す如き構成のインクジェット記録装置において、記録用紙Mに屈曲負荷がかかる給紙中に最大となり、給紙が終了して(記録用紙M全体が水平となって)屈曲負荷が消失した後は大幅に低減するという特性を有するところ、記録ヘッド24により記録用紙Mに対して記録が行われている最中に、このようなバックテンションの変動があると、インクの着弾位置にズレが生じ、色ムラ等の印刷画像の乱れが生じるのである。このような画像の乱れは、特に写真用紙のような高画質が求められるインクジェット専用紙に関して大きな課題であり、その解決が望まれている。
特開2001−63205号公報
従って、本発明の目的は、バックテンションの変動を要因とする色ムラ等の画像の乱れが発生し難く、銀塩写真調の高品位・高精細な記録画像を提供し得る記録用紙を提供することにある。
本発明は、記録用紙を傾斜姿勢にして保持する用紙保持部と、該用紙保持部に保持されている記録用紙を水平姿勢にして記録ヘッドに送る紙送り機構とを備えたインクジェット記録装置で使用される記録用紙であって、原紙の両面が樹脂で被覆された樹脂被覆紙と、該樹脂被覆紙の一方の面に設けられたインク受容層と、他方の面に設けられた塗布量0.8〜8g/m2のバックコート層とを有し、且つ、傾斜角14°の用紙載置面と、該用紙載置面の傾斜方向下端側に設けられた記録ヘッドと、該用紙載置面に沿って傾斜姿勢で給紙された記録用紙を水平姿勢にして該記録ヘッドに送る紙送りローラとを備えた紙送り試験機の該用紙載置面上に、該用紙載置面と上記バックコート層のコーティング面とが接触するように上記記録用紙を載置し、該記録用紙に対して給紙方向と逆方向に一定のバックテンションを付与しながら、該記録用紙を該記録ヘッドに向けて紙送りさせた場合に、当該バックテンションの大きさT(単位:gf)と、当該バックテンションが付与されている状態での該記録用紙の紙送り量F(単位:μm)と、バックテンション無しの状態での該記録用紙の紙送り量F0(単位:μm)との間に、F=aT+F0(但し、−0.5≦a≦0)の関係が成立する記録用紙を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の記録用紙は、記録用紙に対して給紙方向と逆方向のバックテンションがかかるインクジェット記録装置(図4に示すような記録装置)に適用された場合でも、バックテンションの変動を要因とする色ムラ等の画像の乱れが発生しにくく、高品位・高精細な記録画像を提供することができる。特に、本発明の記録用紙は、銀塩写真調のフォトライクな画像の出力などのような高級写真用途に好適に使用できる。また、本発明の記録用紙は、カールを起こしにくく、取り扱い性にも優れる。
以下、本発明の記録用紙について詳細に説明する。
本発明の記録用紙は、原紙の両面が樹脂で被覆された樹脂被覆紙と、該樹脂被覆紙の一方の面に設けられたインク受容層と、他方の面に設けられたバックコート層とを有する。インク受容層及びバックコート層は何れも記録用紙の最外層に位置する層で、インク受容層のコーティング面(表面)は、記録用紙の被記録面(表面)となり、バックコート層のコーティング面(表面)は、記録用紙の非記録面(裏面)となる。
そして、本発明の記録用紙は、図1に示す如き紙送り試験機を用いて後述する紙送り試験を行った場合に、該記録用紙にかけられる給紙方向Pと逆方向Q向きのバックテンションの大きさT(単位:gf)と、当該バックテンションが付与されている状態での該記録用紙の紙送り量F(単位:μm)と、バックテンション無しの状態での該記録用紙の紙送り量F0(単位:μm)との間に、F=aT+F0(但し、−0.5≦a≦0)の関係が成立する。
上記紙送り試験機は、図1に示すように、傾斜角θ=14°の用紙載置面1aを有する台1と、該用紙載置面1aの傾斜方向下端側に設けられた記録ヘッド3と、該用紙載置面1a上にある用紙Mを該記録ヘッド3に送る紙送りローラ2とを備えている。また、台1の頂部には、滑車4が設けられており、後述する用紙Mとおもり5とを結ぶロープ6を該滑車4に架けられるようになっている。
上記紙送りローラ2は、一般的なインクジェット記録装置における紙送りローラと同様に構成されており、用紙Mの非記録面(バックコート層のコーティング面)と接触する駆動ローラ21と、用紙Mの記録面(インク受容層のコーティング面)と接触する従動ローラ22との組からなり、両ローラ21,22のニップ部で用紙載置面1a上にある傾斜姿勢の用紙Mを挟圧しつつ、該用紙Mを水平姿勢で記録ヘッド4に送るようになされている。給紙方向Pは、駆動ローラ21及び従動ローラ22それぞれの中心軸線と直交する方向である。
上記記録ヘッド4は、一般的なインクジェット記録装置における記録ヘッドと同様に構成されており、電気−機械変換素子や電気−熱変換素子等の公知のエネルギー発生手段を利用して、図示しないインクカートリッジから供給されるインクを液滴化して吐出させるようになっている。
上述の如き構成の紙送り試験機は、具体的には、セイコーエプソン社製のインクジェットプリンタPX−G900又はPM−G800から自動給紙機構(ASFユニット)を取り除いて作製することができる。
本発明に係る紙送り試験は、図1に示す紙送り試験機を用いて次のようにして行うことができる。先ず、被試験体であるA4サイズの用紙Mの一端にパンチ等で穴を開け、その穴にロープ6の一端を結び付けると共に、ロープ6を滑車4に架けてその他端を鉛直方向に垂らしておく。次に、上記一端と反対側の他端を給紙方向Pの先端として、用紙Mを、用紙載置面1aと該用紙Mのバックコート層のコーティング面とが接触するように用紙載置面1a上に載せて、駆動ローラ21と従動ローラ22との間に挿入し、両ローラ21,22のニップ部で押圧固定する。この押圧固定では、従動ローラ22によってA4サイズの用紙Mに掛けられる圧力が2400gfとなるように調整する。更に、ロープ6の上記他端に所定重量のおもり5を結び付ける。こうして、用紙Mに給紙方向Pと逆方向Qに沿って所定のバックテンションが付与された状態が作られる。そして、この状態から紙送りローラ2を作動させて、用紙Mを水平姿勢で記録ヘッド3に向けて送る。記録ヘッド3は、送られてきた用紙Mに対して所定の画像パターンで画像を記録する。該画像パターンとしては、例えば図2に示すように、用紙Mの両側端部それぞれに、紙送り方向と直行する複数の直線Lを等間隔で形成するパターンを用いることができる。こうして所定の画像パターンが形成された用紙Mにおける複数の該直線L間の各間隔を測定し、それらの平均値を当該バックテンション付与状態における紙送り量Fとして記録する。
以上の手順を、おもり5を種々変更して複数回繰り返した後、バックテンションの大きさT(おもり5の重さ、単位:gf)を横軸に、当該バックテンション付与時における用紙Mの紙送り量F(複数の直線L間の間隔の平均値、単位:μm)を縦軸にとって、記録した複数の値をそれぞれプロットし、プロットされた点と相関性の最も高い数式(一次式)を求め、その一次式の傾きaを求める(図3参照)。
上述したように、本発明の記録用紙は、このようにして算出されたバックテンションTと紙送り量Fとの間に成立する一次式の傾きaが、−0.5〜0の範囲にある。より好ましい傾きaの範囲は、−0.4〜0である。この傾きaは、紙送りローラによる紙送り中に記録用紙がスリップする程度を示すスリップ率とも言うべきものであり、紙送り精度の観点からは、a=0が理想であるが、本発明のように傾きaが−0.5〜0の範囲、より好ましくは−0.4〜0の範囲にあれば、「記録用紙を傾斜姿勢で保持する用紙保持部と、該用紙保持部に保持されている記録用紙を水平姿勢で記録ヘッドに送る紙送り機構とを備えたインクジェット記録装置」(図4に示すような記録装置)、即ち、記録用紙に対して給紙方向と逆方向のバックテンションがかかるインクジェット記録装置において、バックテンションの変動を要因とする色ムラ等の画像の乱れが効果的に防止される。即ち、図3中、F=F0(a=0、スリップ率0)と、F=−0.5T+F0(a=−0.5、スリップ率−0.5)とで囲まれる領域(図3中、斜線を付した領域)は、バックテンションの変動を要因とする画像の乱れを防止するためのスリップ率の許容範囲と言え、本発明の記録用紙は、そのスリップ率aが図3中斜線を付した領域に属している。尚、上述した紙送り試験においては、バックテンションが付与されている状態での記録用紙の紙送り量Fが、バックテンション無しの状態での記録用紙の紙送り量F0より大となること、即ち、スリップ率aが0より大きい値となることは理論上あり得ない。そこで、本発明では、スリップ率aの上限値を0としている。
上記一次式の傾きa(スリップ率)は、バックコート層の形態(組成、厚み)に大きく左右される。以下に、本発明に係るバックコート層について説明する。
本発明に係るバックコート層としては、上記スリップ率aが−0.5≦a≦0の範囲に入るようにする観点から、(1)樹脂を主体とするもの(樹脂成分の含有量がバックコート層の50重量%を超えるもの)か、又は、(2)顔料とバインダーを必須成分とするもの(バインダーの含有量は、バックコート層の50重量%以下)が好ましい。(2)の場合、顔料及びバインダーの種類並びにこれらの含有量については、本発明に係るインク受容層について適用可能なもの(後述する)から適宜選択することができる。バックコート層としては、特に、(1)の樹脂を主体としたものが好ましい。
上記(1)のバックコート層の主形成材料となる樹脂としては、例えば、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、塩化ビニル−アクリル系、塩化ビニル−塩化ビニリデン系、塩化ビニリデン−アクリル系、SBR系、NBR系の何れか1種、若しくは、これらの2種以上の共重合体を形成材料とするラテックス粒子、又は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、セルロール系樹脂等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明に係るバックコート層(上記(1)又は(2)のバックコート層。以下同じ。)には、必要に応じ、後述するインク受容層における各種添加剤と同様のものを、上記スリップ率aが−0.5≦a≦0の範囲から外れない範囲で適宜含有させることができる。
本発明に係るバックコート層は、上記スリップ率aが−0.5≦a≦0の範囲に入るようにすると共に、カールを防止する観点から、その塗布量が乾燥状態で0.8〜8g/m2、好ましくは0.8〜7.5g/m2である。バックコート層の塗布量が0.8g/m2未満では、スリップ率aが−0.5〜0の範囲に収まらないおそれがあり、逆にバックコート層の厚みが8g/m2を超えると、カールが発生する可能性が高まり、またコスト的にも好ましくない。
以下に、上述のバックコート層を除く、本発明の記録用紙の各構成部材(樹脂被覆紙、インク受容層)について説明する。
上記樹脂被覆紙を構成する原紙としては、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できる。この紙を構成するパルプとしては、例えば、天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。この紙には、必要に応じ、一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の各種添加剤を含有させることができる。また、この紙に、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が塗布されていてもよい。また、この紙を抄造中又は抄造後に、カレンダー装置等を用いて常法通り紙の表面平滑化処理を行ってもよい。
上記樹脂被覆紙を構成する樹脂としては、ポリオレフィン樹脂や電子線で硬化する電子線硬化型樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンのホモポリマー、エチレン−プロピレン共重合体等の2種以上のオレフィンからなる共重合体、あるいはこれらの混合物等が挙げられ、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用することができる。これらの中でも、特に、低密度又は高密度ポリエチレンは、質感、強度、耐水性及びコストの点で好ましい。また、上記樹脂の厚みは、樹脂被覆紙の表面、裏面共に、好ましくは5〜50μmである。尚、樹脂被覆紙の表面、裏面で、上記樹脂の組成や厚みは同じにしてもよく、異なるようにしてもよい。
上記樹脂中には、必要に応じ、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム等の白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076等の酸化防止剤、着色顔料や着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を適宜組み合わせて含有させることができる。
上記樹脂被覆紙は、上記樹脂としてポリオレフィン樹脂を用いる場合は、走行させた上記紙上に加熱溶融したポリオレフィン樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造することができる。上記樹脂として電子線硬化型樹脂を用いる場合は、グラビアコーター、ブレードコーター等の公知のコーターにより、上記紙上に該電子線硬化型樹脂を塗布した後、電子線を照射し、樹脂を硬化させることにより製造することができる。樹脂を紙に被覆する前に、紙にコロナ放電処理、火炎処理等の活性化処理を施してもよい。
上記樹脂被覆紙の一方の面に設けられる上記インク受容層としては、インクジェット記録用インク(通常は水性インク)に対して十分な吸収性能を有する塗工層であればよく、例えば、顔料をバインダーで結着させてなる多孔質のインク受容層(吸収タイプ、多孔タイプ、空隙タイプなどとも呼ばれる)、あるいは、ゼラチン等の水溶性ポリマーを主成分とするいわゆる膨潤タイプのインク受容層が挙げられる。好ましくは多孔質のインク受容層である。
上記多孔質のインク受容層を構成する顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記顔料として特に好ましいものは気相法シリカである。気相法シリカは、気相法によって製造されたシリカ微粒子である。該シリカ微粒子の構成は、乾量基準でSiO293%以上、Al23約5%以下、Na2O約5%以下となっている。気相法は、揮発性金属化合物の蒸気の熱分解や、原材料の加熱、蒸発、生成した気相種の冷却、凝縮による微粒子製造方法である。シリカ微粒子の製造方法には、気相法の他に、液相法、粉砕固相法、晶析固相法などがある。
上記気相法シリカは、平均一次粒子径が3〜50nmのものが好ましく、5〜30nmのものが更に好ましい。
上記顔料の含有量は、上記インク受容層の全固形分重量に対して、好ましくは40〜95重量%である。顔料の含有量が40重量%未満では、インク吸収性が不十分となるおそれがあり、逆に95重量%超では、インク受容層の塗膜強度が不足し、粉落ちなどの不都合が発生するおそれがある。
上記多孔質のインク受容層を構成するバインダー(顔料の結着剤)としては、インクと親和性を有する水溶性あるいは非水溶性の高分子化合物を含有させることができる。具体的には、例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系接着剤、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、及びアルブミン等の天然高分子樹脂又はこれらの誘導体、ポリビニルアルコール及びその変性物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックスやエマルジョン類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び無水マレイン酸又はその共重合体等、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール等のアセタール樹脂が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記バインダーとして好ましいものは、ポリビニルアルコール及びその変性物(変性ポリビニルアルコール)であり、特に、ケン化度75〜98モル%、平均重合度500〜5000のポリビニルアルコール及びその変性物が好ましい。該変性物としては、カチオン変性物やシラノール変性物が挙げられる。斯かるポリビニルアルコール等は、インク受容層の水性インク吸収性を阻害せず、比較的少量の添加で層強度を高めることができ、上記摩擦係数低下率5%以下の達成を容易にする。
上記バインダーの含有量は、上記インク受容層中の上記顔料に対して、好ましくは2〜50重量%である。バインダーの含有量が対顔料で2重量%未満では、インク受容層の塗膜強度が不足するおそれがあり、逆に対顔料で50重量%超では、インク吸収性が低下するおそれがある。
上記インク受容層には、上述の顔料及びバインダーの他に、必要に応じ、架橋剤、インク定着剤(カチオン性物質)、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤等の各種添加剤を適宜含有させることができる。
上記インク受容層の塗布量(乾燥重量)は、高画質と粉落ち防止とのバランスの観点から、好ましくは8〜40g/m2である。
また、上記インク受容層の表面は、銀塩写真調の画像を得るためには光沢性が高いことが望ましく、具体的には、JIS−Z8741で規定する20度光沢度が10%以上、特に15%以上であることが好ましい。インク受容層表面の光沢性の調整は、上記樹脂被覆紙を構成する原紙の平滑度の調整や、樹脂被覆量の増量、インク受容層中の顔料粒子の種類や粒径の調整、あるいは光沢層の付与等により行うことができる。
上述した本発明に係るバックコート層及びインク受容層は、それぞれ、上記各種成分を含有させた塗工液を公知の塗工法により塗工することにより形成することができる。
本発明の記録用紙には、上述した構成、即ち、樹脂被覆紙の一方の面にインク受容層を塗設し、他方の面にバックコート層を塗設した構成のもののみならず、例えば、樹脂被覆紙とインク受容層との間に、両者の接着性を高めるための中間層(下引き層、アンカーコート層)を塗設したものも含まれる。また、インク受容層は、単一組成の単層構造としてもよく、組成の異なる多層を積層した構成としてもよい。
以下に、本発明の実施例及び本発明の効果を示す試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、斯かる実施例により何等制限されるものではない。
(樹脂被覆紙の製造)
叩解度300mlcsfのLBKPパルプ100重量部に、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5重量部、アニオンポリアクリルアミド1.0重量部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1重量部、カチオンポリアクリルアミド0.5重量部を、何れもパルプに対する絶乾重量比で添加することによりスラリーを得、これを長網抄紙機にかけて170g/m2の原紙を抄造した。更に、この原紙の表面サイズを調整するため、ポリビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(住友化学工業製、Whitex BB)を0.04重量%添加し、これを絶乾重量換算で0.5g/m2となるように原紙に含浸させ、乾燥した後、更にキャレンダー処理を施して密度1.05g/mlに調整された原紙を得た。
得られた原紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚み19μmとなるようにコーティングし、マット面からなる樹脂層を形成した。このマット面側の樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業製、アルミナゾル100)と二酸化ケイ素(日産化学工業製、スノーテックスO)とを1:2の重量比で水に分散した分散液を、乾燥重量が0.2g/m2となるように塗布した。
更に、原紙における樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10重量%、微量の群青、及び蛍光増白剤0.01%(対ポリエチレン)を含有し、MFR(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなるように押し出し、高光沢な熱可塑性樹脂層を原紙の表面側に形成した。更に、この光沢面上に、媒染剤であるポリアリルアミン(日東紡績製)を0.6g/m2塗布・乾燥し、下引き層(媒染剤含有層)を形成した。こうして、樹脂被覆紙を製造した。
(インク受容層用塗布液及びバックコート層用塗布液の調製)
下記組成のインク受容層用塗布液並びにバックコート層用塗布液A及びBをそれぞれ調製した。
<インク受容層用塗布液の組成>
・気相法シリカ 10重量部
(トクヤマ製、レオロシールQS−30、平均一次粒子径7nm)
・バインダー 27.8重量部
(クラレ製、PVA235、ケン化度88モル%、平均重合度3500)
・カチオンポリマー 0.97重量部
(第一工業製薬製、シャロールDC902P、51.5%水溶液)
・ホウ酸(架橋剤) 0.4重量部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 1.2重量部
(花王製、エマルゲン109P、10%水溶液)
・イオン交換水 84.7重量部
<バックコート層用塗布液Aの組成>
・ポリウレタン樹脂 100重量部
(大日本インキ化学工業製、アイオノマー型ポリウレタン樹脂AP−20)
・界面活性剤 0.3重量部
(日本サーファクタント製、SWAM AM−2150)
<バックコート層用塗布液Bの組成>
・アクリルエステル系エマルジョン 100重量部
(ダイセル化学社製、密度1.18g/cm3
・コロイダルシリカ(日産化学社製、スノーテックスUP) 5重量部
・エタノール 10重量部
(記録用紙の製造)
上記樹脂被覆紙の下引き層上に、上記インク受容層用塗布液を乾燥後の塗布量が25g/m2となるように塗布・乾燥してインク受容層を形成すると共に、該樹脂被覆紙の他方の面(マット面からなる樹脂層側)に、上記バックコート層用塗布液A又はBを塗布・乾燥してバックコート層を形成した。バックコート層用塗布液の種類(A又はB)、バックコート層の乾燥状態での塗布量を適宜変更することにより、数種類の記録用紙を製造し、これらを実施例又は比較例のサンプルとした。
上記各サンプル(記録用紙)について、上述した紙送り試験を行ってスリップ率aを求めると共に、色ムラ防止性及びカール防止性それぞれを下記の方法により評価した。これらの評価結果を下記〔表1〕に示す。
(色ムラ防止性の評価方法)
セイコーエプソン製のインクジェットプリンタPM−G800に上記サンプルをセットし、該サンプルのインク受容層の表面(被記録面)に、シアン、マゼンタ、イエローの各色インクをそれぞれデューティー33%で吐出させて、グレーのカラーパッチを印刷した。そして、このグレーのカラーパッチを印刷業界から任意に選んだ20人のモニターに観察してもらい、濃い色筋(色ムラ)が目立つと答えた人が5人未満のものをA(色ムラ防止性良好)、濃い色筋が目立つと答えた人が5人以上のものをBとした。
(カール防止性の評価方法)
上記サンプルを、室温23℃、湿度50%RHの環境下に8時間放置した後、平らな台の上に被記録面を上にして載置し、このときの該サンプルの四隅それぞれについてのサンプル載置面からの高さを測定し、これらの最大値をプラスカール値とした。また、これとは逆に、平らな台の上に被記録面を下にして上記サンプルを載置し、このときの該サンプルの四隅それぞれについてのサンプル載置面からの高さを測定し、これらの最大値をマイナスカール値とした。そして、プラスカール値1以下、且つマイナスカール値2以下のものをA(カール防止性良好)、プラスカール値3以下、且つマイナスカール値6以下のものをB(実用上問題なし)、プラスカール値が3を超える、又はマイナスカール値が6を超えるものをCとした。
本発明に係る紙送り試験機の一実施形態の概略構成を示す側面図である。 図1に示す紙送り試験機を用いた紙送り試験での画像パターンの一例を示す図である。 図1に示す紙送り試験機を用いた紙送り試験で作成するグラフの一例を示す図である。 一般的なインクジェット記録装置(本発明が適用可能なインクジェット記録装置)の概略側面図である。
符号の説明
1…台、1a…用紙載置面、2…紙送りローラ、21…駆動ローラ、22…従動ローラ、3…記録ヘッド、4…滑車、5…おもり、6…ロープ、M…用紙

Claims (4)

  1. 記録用紙を傾斜姿勢にして保持する用紙保持部と、該用紙保持部に保持されている記録用紙を水平姿勢にして記録ヘッドに送る紙送り機構とを備えたインクジェット記録装置で使用される記録用紙であって、
    原紙の両面が樹脂で被覆された樹脂被覆紙と、該樹脂被覆紙の一方の面に設けられたインク受容層と、他方の面に設けられた塗布量0.8〜8g/m2のバックコート層とを有し、且つ、
    傾斜角14°の用紙載置面と、該用紙載置面の傾斜方向下端側に設けられた記録ヘッドと、該用紙載置面に沿って傾斜姿勢で給紙された記録用紙を水平姿勢にして該記録ヘッドに送る紙送りローラとを備えた紙送り試験機の該用紙載置面上に、該用紙載置面と上記バックコート層のコーティング面とが接触するように上記記録用紙を載置し、該記録用紙に対して給紙方向と逆方向に一定のバックテンションを付与しながら、該記録用紙を該記録ヘッドに向けて紙送りさせた場合に、当該バックテンションの大きさT(単位:gf)と、当該バックテンションが付与されている状態での該記録用紙の紙送り量F(単位:μm)と、バックテンション無しの状態での該記録用紙の紙送り量F0(単位:μm)との間に、F=aT+F0(但し、−0.5≦a≦0)の関係が成立する記録用紙。
  2. 上記バックコート層は、樹脂を主体としたものである請求項1記載の記録用紙。
  3. 上記インク受容層は、顔料をバインダーで結着させてなる多孔質のインク受容層であることを特徴とする請求項1又は2記載の記録用紙。
  4. 上記インク受容層は、上記顔料として、少なくとも平均一次粒子径3〜50nmの気相法シリカを含有することを特徴とする請求項3記載の記録用紙。

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