JP2006263114A - 元気・健康点検票、元気・健康点検装置、および元気・健康点検方法 - Google Patents

元気・健康点検票、元気・健康点検装置、および元気・健康点検方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
SF−36などによる健康状態の自己点検方法では、実際の健康状態についての誤認識などによる現状と乖離した回答により生じる測定、評価結果のずれを判断する材料がなく、その妥当性や正確性を判断することが困難である、という課題である。
【解決手段】
本発明は上記課題解決のため、所定の健康分類に関する質問の回答を指標化したものと、その健康分類についての自身の満足度を指標化したものと、を重ねあった軸上に記録する元気・健康点検票を提供する。これは指標化された回答と満足度とを示す点は上記重なった軸においては本来重なり合うべきであるので、その双方の点が重なり合っていればその回答は現状に合った回答であり、したがって測定、評価結果は妥当性、正確性がある判断することができるからである。また、同様の効果を奏する元気・健康点検装置およびその方法も提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、個人の健康状態の評価、測定に際し、その評価、測定結果の妥当性や正確性を判断するための技術に関する。
現在、スポーツクラブやフィットネスクラブの施設数、およびクラブの会員数について見てみると、例えば笹川スポーツ財団が刊行している「スポーツ白書2010」から、漸次増加傾向を示していることが分かる。また株式会社日本マーケティング・レポートの公表している「健食・サプリメント市場の実態」では、健食(健康用食品)市場の市場規模はおおむね増加傾向にある、との報告がなされている。
このことは、個人のレベルで健康に気を配り、病気などにかからないよう努めている人が増えてきていることを背景としている、と考えられる。このように現在では、従来の病気になってから直す、という対処的なアプローチから、病気にかからないようにする、という予防的アプローチに変化してきている、と言える。
そして、この「病気を予防する」というアプローチにおいては、自己の健康状態について自己点検することによって、現在の自分自身の健康状態や、今までの健康状態の履歴などをしっかりと把握すること、が必要である。そのために例えば「SF−36」と呼ばれる自己の健康状態を点検し、健康状態を測定、評価するための尺度が利用されている。「SF−36」では、「あなたの健康状態は?」「過去一ヶ月の間に、身体の痛みをどのくらい感じましたか?」などの質問に回答することで、回答者は統一的な基準に基づいて健康状態についての自己点検を行うことができ、自身の健康状態を容易に把握することができる。
SF−36v2日本語版マニュアル
しかし、SF−36、あるいはその他の健康に関する一般的なアンケートなどによる健康状態の自己点検方法には以下のような課題がある。すなわち、これら健康状態の自己点検方法では、その測定、評価結果の妥当性や正確性を判断する術がない、あるいは困難である、という課題である。
なぜならば上記測定、評価をするための質問に対する回答が現実に合う回答になっていないことがあるからである。その理由としては、回答の誤記入や回答者が質問に対して意図的にあるいは無意識的に嘘の答えをした場合のほか、例えば自分では心肺機能が丈夫だと思っていても実際は標準より弱い、と言う具合に質問されている健康状態について回答者自身の認識や意識が誤っている場合が考えられる。
したがって個人の健康状態の自己点検に際しては、このような実際の自己の健康状態との誤認識などで生じる不正確な回答による測定、評価結果のずれがないかを見極め、測定、評価結果の妥当性、正確性を保証する必要がある。
上記課題を解決するために、本発明は、所定の健康分類に関する質問の回答を指標化したものと、その健康分類についての自身の満足度を指標化したものと、を重ねあった軸上に記録する元気・健康点検票を提供する。
具体的には、回答者が健康状態の自己点検を行うための点検票であって、質問に対する回答を指標化して記録する指標化回答記録軸と、回答者が例えば回答を見ながら満足度を主観的に指標化して記録する指標化満足度記録軸と、を有し、前記指標化回答記録軸と指標化満足度記録軸とは重なった軸であることを特徴とする元気・健康点検票を提供する。この指標化された回答と満足度とを示す点は、上記のように重なった軸においては本来重なり合うべきである。したがって、その双方の点が重なり合っていればその回答は現状に合った回答であり、したがって測定、評価結果は妥当性、正確性があると判断することができる。
また、本発明は、痛みなど自己の身体に異常感に関する質問項目に対する回答を指標化し記録する記録軸をさらに有する元気・健康点検票も提供する。これは、前記の満足度を指標化したものが健康状態についての自己評価を与えるものであるのに対し、前記異常感の質問に対する回答を指標化したものは非健康状態についての自己評価を提供している。
また、上記元気・健康点検票と同様の効果の効果を有する元気・健康点検装置も提供する。具体的には、回答者が自己の健康状態について自己点検を行うための自己点検装置であって、
回答を取得する回答取得部と、その回答を指標化する回答指標化部と、回答者の主観的な満足度を取得する満足度取得部と、その満足度を指標化する満足度指標化部と、指標化された回答と指標化された満足度との類似相関関係を表示する類似相関関係表示部と、類似相関関係に基づいて自己点検の的確性を判断する自己点検的確性判断部と、を備える元気・健康点検装置を提供する。
また、上記元気・健康点検装置と同様の効果の効果を有する元気・健康点検方法も提供する。
以上のような元気・健康点検票、または元気・健康点検装置やその方法によって、回答者は、信憑性を保って回答をすることができたか、すなわち自身の健康状態についてどの程度正確に認識しているか、についても知ることができる。また、自身の健康状態についての自己点検結果の妥当性、正確性を容易に判断することができる。
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
なお、実施例1は、主に請求項1,2,4について説明する。
また、実施例2は、主に請求項3,4について説明する。
また、実施例3は、主に請求項5,8について説明する。
また、実施例4は、主に請求項6,7,9,10について説明する。
≪実施例1≫
<概要>
図1に示すのは、本実施例の元気・健康点検票の一例を表す図である。この図にあるように元気・健康点検票は、例えば8つの軸からなるレーダーチャートである。回答者の食生活に関する質問(図3に例示)の回答を指標化し合計したものの平均点を示すのが黒円(0101)である。一方、回答者自身の食生活についての満足度を5段階の得点で指標化したものを示すのが黒星(0102)である。そしてその双方がレーダーチャートの所定の軸(0103)上に配置されている。このように本実施例の元気・健康点検票では、質問の回答を指標化したものと満足度を指標化したものとが同軸上に配置されるので、その位置関係を容易に把握することができる。これは、例えば質問項目に対する自己の回答を見ての判断結果として満足度を評価するようにとの指示がなされていること、から言えることである。
そしてその位置関係が近い場合、この回答者の食生活に関しての質問に対する回答は信憑性があり(すなわち回答者の認識と健康状態の実際の状況との乖離が少なく)、測定結果である合計点の妥当性、正確性はかなり高い、と判断することができる。同様に、本図で例示しているレーダーチャートは、その息(呼吸)の軸上では合計点と満足度の指標とが位置的に離れて配置されていることから、この回答者の呼吸に関しての質問に対する回答は信憑性が乏しく、その測定結果の妥当性、正確性はあまり高くない、と判断することができる。
<構成>
図2に示すのは、本実施例における元気・健康点検票の構成の一例について説明するための図である。この図にあるように、本実施例の元気・健康点検票は、例えば食(食生活)と息(呼吸)についてそれぞれに記録するための指標化回答記録軸(0201aと0201b)と、食と息についてそれぞれに記録するための指標化満足度記録軸(0202aと0202b)とを有している。
なお、本発明では、例えばこの食についての指標化回答記録軸(0201a)と食についての指標化満足度記録軸(0202a)と、息についての指標化回答記録軸(0201b)と息についての指標化満足度記録軸(0202b)と、がそれぞれ「重なった軸であること」を特徴している。しかし、図2ほかでは説明を分かりやすくするために、必要に応じてあえて重なった軸を分離して表記してある。
また、上図では説明を分かりやすくするために回答および満足度を指標化して記録する軸を食と息についての2つとしたが、もちろん軸の数はそれには限られない。概要で例示したような8本やそれ以上であっても良いし、特定の軸1本のみでも構わない。
(分類項目、および質問について)
「指標化回答記録軸」(0201)は、健康状態を評価するための分類項目に関連した質問に対する回答を指標化して記録するための軸である。「健康状態を評価するための分類項目」とは、健康状態について自己点検を行うために、健康状態に影響を及ぼすと思われる人間の生活行動や生活環境、心的要因などを分類した項目をいう。例えば、「食生活」、「呼吸」、「睡眠」、「体温調節」、「運動」、「心」、「性」、「環境」などが挙げられる。
従来は、健康とは「病気ではない状態」を指していたが、最近ではQOL(クオリティ・オブ・ライフ)などと言われるように、質そのものを重要視するようになってきている。言い換えれば、医療において、病気を治療して「病気ではない状態」にすることのみならず、その後の生活において健康の質として満足や快適性などを回復、あるいは促進する手助けが求められている。したがって、本実施例の元気・健康点検票では、健康の質を積極的に維持、増進するような分類項目に関連した質問が設けられていることが望ましい。なぜならば、健康概念は万人に共通したものは無いが、健康に影響のある生活行動は万人に共通しており回答者はそのような質問に回答することで、そのような生活活動を学ぶこともできるからである。そして、その学んだ生活行動を取り続ければ、少なくとも生活習慣病の危険性からは遠ざかるとことができる、という意味で回答者は自身の「健康状態」についての認識度合いを知ることが出来るからである。
「質問」とは、前記分類項目に関連した質問に関する質問をいう。ここで、この分類項目が「食生活」であれば、その質問としては、例えば、その食事内容や食事を取る回数、量、時間帯などが挙げられる。
そしてこの食事内容や食事を取る回数、量、時間帯などは、生活習慣病などを引き起こす原因となる危険性があることは当然であるが、一方、本人が意識して行動を取れば、その危険性から回避されるという意味において健康に寄与する可能性が高い生活行動である。したがって、食事の回数や量、時間帯に関する質問に対する回答を見たとき、回答者の生活習慣病発生の危険度を評価することができる。そして後述するように、この回答を指標化したものと、後述の満足度を指標化したものとを比較することによってその危険度の評価の妥当性、正確性を判断することができる。
(食生活や呼吸に関する質問例)
図3に示すのは、この「健康状態を評価するため分類項目」である食生活に関連する質問例である。この図にあるように、例えば「1.食事はゆっくり食べている」「2.朝、昼、晩を3食しっかり食べる」「3.食材は栄養や安全を吟味している」という「食(食生活)」に関する質問が挙げられる。
また、食生活に関するその他の質問例としては、「季節感のある食材や料理を食べています」、「毎回できるだけ、穀物、豆、魚、肉、卵、乳製品、海草、野菜、果物などを組み合わせてバランスの良い食事をしています」、「毎回の食事は腹八分目を心がけています」、「唾液が十分出るまで良く噛んで食べています」、「排尿は気持ちよくすることができます」、「夜食や間食は控えるようにしています」、「食欲があり、食事はいつもおいしく感じています」、「塩辛いものや脂っこい食品を控えています」、「食間におなかがすいたらお茶や水を飲みます」、「便秘や下痢をすることはありません」、「便通は毎日、ほぼ一定の時間にあります」、「お酒を飲みすぎることはありません」と言った具合の質問例が挙げられる。
また、図3に同様に示すように、「健康状態を評価するため分類項目」である呼吸に関連する質問例として、「意識的に深呼吸する習慣がある」、「タバコは吸いません」、「日頃、早朝など、おいしい空気を吸っています」、という質問などが挙げられる。これらは、本人が行動しようとすれば、実行可能な生活行動である。
呼吸に関するその他の質問例としては、「意識せずに自然に呼吸ができます」、「日常的に咳や痰は出ません」、「睡眠中いびきをかくことはありません」、「意識的に時々深呼吸をする習慣があります」などの質問も挙げられる。これらは、本人が意識的に行動しようとしても出来ることではないが、呼吸機能としては望ましいことである、と言える。
なお、上記のような質問例は、医学的観点などに基づいたもので、健康の維持、増進を図るために必要な生活行動などをしめすもの、を質問例として作成し、回答させることが望ましい。回答者はこのような質問に回答することで、例えば健康状態に良い、または悪い影響を及ぼすと思われる人間の生活行動などを自然と知ることができる。また、そのような生活行動などを今後は心がけて実践する/しない、ことなどのインセンティブにもなり得る。
(質問に対する回答)
そして、回答者はこのような質問に対して、例えば図で示すように、5段階の実践、意識レベルの中から自身が該当すると思うレベルを選択し回答とする、と言う具合である。もちろん、回答は100点満点中の点数付けやキーワード、あるいはフリースタイルの文章の記入による回答方式であっても構わない。ただし、後述する回答の指標化のためにキーワードやフリースタイルの文章による回答の場合、キーワードなどごとに数値化するためのテーブルなどを予め用意しておく必要がある。
(質問に対する回答の指標化)
「質問に対する回答の指標化」とは、質問に対してなされた回答を数値化することをいい、それにより後述する満足度との比較が可能になる。この指標化は、例えば質問の回答が「Yes」「No」や「当てはまる」「どちらでもない」「あてはまらない」などの択一式回答であれば、「Yes=1点」、「No=0点」という具合にそれぞれの回答ごとに点数を予め設定しておく。そして回答の合計点や、全体得点に対する合計点の割合、あるいは平均をその指標とする方法が挙げられる。
図4に示すのは、この回答の指標化の一例について説明するための図である。図3にあるように、分類項目である食生活(食)に関する質問として「1.食事はゆっくり楽しんで食べている」、「2.朝、昼、晩を三食しっかり食べる」、「3.食材は栄養や安全を吟味している」という質問が出題されている。これらの質問に対し回答者は、図4に示すように「1.全くその通り(5)」、「2.全くその通り(5)」、「3.どちらかと言えばその通り(3)」という回答を行った。本例では、それぞれの回答に応じて()内に示す数値がその回答の点数として定められている。そしてこれらの得点の平均点を算出することで、食生活に関する回答の指標として「4.3」という値が算出される。また、分類項目である呼吸(息)に関する質問として「1.意識的に深呼吸する習慣がある」という質問が出題され、その回答が「ほぼその通り(4)」である場合、呼吸に関する回答の指標として、その得点「4.0」という値が算出される、という具合である。
あるいは回答がフリースタイルの記述形式であるならば、予めキーワードとその得点を定めておき、キーワードの出現率に応じて累計点を算出し、その点数を指標としても良い。
また、指標化には重み付けでそれぞれの質問に異なる指標化関数が与えられていても良い。例えば上記食事に関する質問のうち、「朝、昼、晩の3食しっかり食べること」のほうが「食事をゆっくり楽しんで食べること」よりも健康に対する影響が大きい場合、前者の回答の得点を2倍として計算し、指標を算出する、という具合である。
(指標化回答記録軸への記録)
図5に示すのは、上記のようにして算出された指標が、本実施例の元気・健康点検票の指標化回答記録軸に記録された様子の一例を表す図である。この図にあるように分類項目である食事(食)と呼吸(息)のそれぞれの指標化回答記録軸上の該当する地点に、上記のように算出された指標がそれぞれプロットされている。なお、この値は必ずしも整数値とは限らない。そして、この各分類項目の回答の指標が該当位置にプロットされ記録された指標化回答記録軸が、次に説明する「満足度」を指標化したものを記録した指標化満足度記録軸と比較されることにより、自己点検の評価結果の妥当性、正確性を判断することができる。
(満足度について)
「満足度」とは、前記分類項目についての回答者の主観的な満足感を示す度合いをいい、例えば、「全体として食の現状に満足しているか」という質問に対する回答によって示される。
ここで、この満足度に関して、例えば図3に示すように、各分類項目の質問の最後に「7.全体として食の現状に満足か?」、「7.全体として呼吸の現状に満足か?」、という具合の回答者の満足度を問う質問を用意する。そして、この満足度に関する回答についてはそれ以前の質問に対する回答と照らし合わせたうえで回答するように要請するとよい。つまり健康の維持、増進に寄与する生活行動に関する質問の後に、それを踏まえた上での主観的な満足度の質問という流れにする。すると、前段の質問に対する回答は生活行動に関する先入観などのない状態での回答となり、最後の満足度の回答は生活行動などを意識した状態での回答、となる。したがって前段の回答と最後の満足度の回答との相関関係から、その回答の信憑性の度合いを明確にすることができる。
また、このように質問の最後で満足度を「宣言」させることにより、回答者に前の質問で示される健康状態に寄与する生活行動についての意識をより強くすることができる効果も期待できる。
(満足度の指標化と指標化満足度記録軸への記録)
図6に示すのは、この満足度の指標化および記録軸への記録の一例について説明するための図である。まず、この図(a)にあるように、「全体的に食の現状について満足か」という満足度を問う質問に5段階評価で「ほぼその通り(4)」と回答(図3参照)した。その場合、指標化としてその回答に設定された指標化用の点数「4」という数値が算出される。また同様に息に関しての満足度についても「どちらとも言えないがその通り(3)」という満足度の回答から指標「3」という数値が算出される。
そして、その指標化された数値が、図6(b)に示すように指標化満足度記録軸の該当する点にプロットされる。
なお、満足度の指標化は、このような択一式の質問に割り当てられた点数から算出する以外に、食の現状に対する満足度は100満点中何点か、と言う具合の質問で答えさせその数値をそのまま指標化された満足度としたり、フリースタイルの記述から予め得点が付されているキーワードを抽出し、その得点合計を指標化された満足度としたりする方法などが挙げられる。ただし、前述の通りこの満足度は回答を指標化したものと比較されるので、その指標化に際しては回答と同様の基準にて指標化される必要があることは言うまでもない。
(重なった軸)
図7に示すのは、指標化回答記録軸と指標化満足度記録軸とが前記各分類項目について重なった軸であることの一例を説明するための図である。この図(a)で示すように、質問に対する回答と満足度とが分類項目別に算出されそれぞれの記録軸に記録される。このとき指標化回答記録軸と指標化満足度記録軸とは各分類項目について重なった軸であるので、本実施例の元気・健康点検票は図(b)に示すような表記がなされる点検票である。このように、回答と満足度の指標が同じ記録軸上にプロットされているので両者を容易に比較することができる。したがって、図(b)の食についての記録軸に示すようにそのプロットの位置が近い場合、評価結果はおおむね正確である、と判断することができる。一方、図(b)の息についての記録軸に示すようにそのプロットの位置が離れている場合、自身の健康についての認識が誤っている可能性があり、回答の正確性に疑問がある、と判断することができる。
(重なった軸の別の一例)
本実施例の元気・健康点検票は、上述するように記録軸がレーダーチャートを構成することで、複数の分類項目に関する回答と満足度との比較を視覚的に容易に行うことができる、という効果を奏する。しかし、本実施例の元気・健康点検票は、もちろんレーダーチャートによる表記には限定されない。
図8に示すのは、本実施例の元気・健康点検票に表記されている記録軸の別の一例を説明するための図である。この図にあるように、例えば横軸に各分類項目をとり、縦軸にその指標化された数値をとるグラフを表記することで、回答と満足度とを容易に比較できる元気・健康点検票であっても良い。
<発明の効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例の元気・健康点検票によって、回答者は、自身の健康状態についての自己点検結果の妥当性、正確性を容易に判断することができる。また自己点検結果の妥当性、正確性が分かると言うことは、逆にいえば、回答者が自身の健康状態についてどの程度正確に認識しているか、についても知ることができる。
また、本実施例の元気・健康点検票の健康状態を評価するための分類項目に関連した質問に対して回答することにより、回答者に個人の健康に必要な生活行動を認識させることで、回答者自身に健康な生活をデザインさせるための助けとすることができる。
<その他>
(分類項目および質問のその他の例)
また、分類項目としては上記説明した食生活、呼吸の他に、例えば、マズローの欲求5段階説に基づいた、睡眠、体温調節、運動、心、性、環境などの分類項目を挙げることができる。
(その他の分類項目に関する質問例)
「睡眠」に関する質問例としては、「毎朝、目覚めた時、熟睡感・爽快感があります」、「昼間、耐えがたい眠気を感じることはありません」、「毎日ほぼ決まった時刻に起床するようにしています」、「夜中に何度も目が覚めることはありません」、「昼間、生活の場に陽の光を入れています」、「室温や騒音など寝室の環境はよいと思います」、「寝る前は、照明を落とし、眠くなってから床に入るようにしています」、「夕方居眠りする習慣はありません」などの質問が挙げられる。
なお、上記睡眠に関する質問例は以下のようにして設定された質問例である。すなわち、生体リズムや睡眠改善、睡眠環境学などの研究、論文に基づいて、「生体リズムの規則性の確保」、「日中や就寝前の良好な覚醒状態の確保」、「就寝前のリラックスと睡眠への脳と身体の準備」、「良好な睡眠環境の整備」を快適睡眠、ひいては睡眠による健康維持、増進のための4条件として設定する。そしてそれに応じて「毎日ほぼ決まった時間に睡眠する」、「昼間、生活の場に日の光を入れます」、「室温や騒音など寝室の環境は良いと思います」と言う具合に、睡眠による健康状態の維持、増進に役立つような質問例を出題する、という具合である。こうすれば回答者はこの質問に回答することで、例えば健康に良い生活活動を学ぶこともできるようになり、そして、その学んだ生活行動を取り続ければ、少なくとも生活習慣病の危険性からは遠ざかるとことができる。したがって回答者は自身の「健康状態」についての認識度合いを知ることが出来る。
もちろん、これは睡眠に関する質問のみならず、以下に例示する健康状態を評価するための分類項目ほか、全ての分類項目に関連した質問について同様の効果が期待できる。
また、「体温調節」に関する質問例としては、「暑さ寒さに合わせて衣服の調節をしています」、「穏やかな陽の光に当たるようにしています」、「こまめに水分補給するよう注意しています」、「気温や湿度の変化を感じることができます」、「入浴すると気分がよくなります」、「熱すぎない風呂にゆっくり入る習慣があります」、「自分のいる部屋には温・湿度計を置いて、まめに見るようにしています」などの質問が挙げられる。
また、「運動」に関する質問例としては、「スポーツ・散歩など体を使う趣味を楽しんでいます」、「運動する習慣があります」、「毎日、歩いたり走ったりしています」、「身体を動かして汗を流すことに快感を覚えます」、「車を使わず歩いたり、意識して階段を使ったりしています」、「日常生活の動作は余裕をもって行なうことができます」、「ストレッチ(柔軟体操)をよく行います」などの質問が挙げられる。
また、「心」に関する質問例としては、「日常のことが気分良くやれています」、「物覚えは大丈夫です」、「時間や気持ちにゆとりがあります」、「あまり思いつめたり、考え過ぎないようにしています」、「夢ややりがいのある仕事・趣味を持っています」、「毎日、目的意識を持って生活しています」、「読書や文化、芸術、スポーツ等に関心があります」、「時々、自分の気持ちの状態についてチェックしています」、「美しいものや良いことに素直に感動します」などの質問が挙げられる。
また、「性」に関する質問例としては、「愛することは美しいことだと思います」、「家族やともだち、隣人等から愛情を受けています」、「気になる異性に会うと、胸がときめきます」、「異性の友達が欲しいと思います」、「家族やともだち、隣人等に愛情を注いでいます」、「家族で性について話し合うことがあります」、「スキンシップの愛情表現は大切だと思います」、「美しく、たくましくありたいと思います」、「テレビでラブシーンや恋愛の場面が気になります」、などの質問が挙げられる。
また、「環境」に関する質問例としては、「近所に治安の面で不安な場所はありません」、「物事や人に対して感謝の念を抱いています」、「困っている人にやさしく対応しています」、「通勤や職場環境は快適です」、「社会のもろもろの情報に関心があります」、「ごみの分別はしっかり行っています」、「まわりの人々に迷惑をかけていません」、「いろいろ相談できる友達がいます」、「環境のことをいつも考えて行動しています」、「住まいの内外の掃除を毎日しています」、「身近な自然の"みどり"に触れるようにしています」、「少々遠くても歩くか自転車に乗るようにしています」などの質問が挙げられる。
≪実施例2≫
<構成>
本実施例の元気・健康点検票は、実施例1に基づいて、分類項目にさらに自己の身体の異常感に関する項目を含むことを特徴としている。具体的には、実施例1における分類項目は健康状態を評価するためのものである。一方、本実施例にて追加される項目は、「自己の身体の異常感」すなわち、「自己の非健康状態」を基準として健康状態を評価するための項目である、と言うことである。
(自己の身体の異常感に関する項目の一例)
図9に示すのは、自己の身体の異常感に関する項目での質問の一例を説明するための図である。この図にあるように、自己の身体の異常感に関する項目での質問は、「頭痛」「耳鳴り」「めまい」などの非健康状態の前兆があるか否か、についての質問である。そしてこの項目の回答についても指標化を行い、やはり最後に異常感がないことについての満足度を、例えば安心度として回答者に記入させ指標化することで、実施例1同様に指標化された回答と指標化された安心度とを比較することができる。そしてそれにより、自己の身体の異常感について回答者の認識が現状と乖離していないかを判断することができる。
また、全ての分類項目についての質問に対する回答を指標化したものの平均値と、上記自己の身体の異常感に関する項目での質問の回答を指標化したものとの平均値を、例えば総計点として算出しても良い。その総計点を、例えば実施例1で算出した指標化された満足度と比較することで、健康状態、および非健康状態双方に関する信憑性のある回答が為されているか、を判断することもできる。
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例の元気・健康点検票によって、回答者の健康状態の把握状況の判断に加え、身体の異常感について信憑性のある回答が得られているか否か、すなわち回答者の認識が現状と乖離していないかを判断することができる。
≪実施例3≫
<概要>
本実施例は、実施例1の元気・健康点検票と同様の作用を計算機上で実現する、回答者が自己点検を行うための元気・健康点検装置である。具体的には、分類項目に関連した質問に対する回答と回答者の主観的な満足度とを取得する。そして、それぞれを指標化し、指標化した両者の類似相関関係を表示し、また判断する機能を備えた計算装置である。
この自己点検装置は、スタンドアロン型の計算機として例えば家庭や病院などに設置され、タッチパネルなどで必要な情報を入力されることでユーザーの回答の信憑性の度合いから自己点検の的確性を判断しても良い。あるいはネットワークに接続されることで多くのユーザーに上記表示、判断機能を提供しても良い。
<構成>
図10に示すのは、本実施例の元気・健康点検装置における
機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の元気・健康点検装置(1000)は、「回答取得部」(1001)と、「回答指標化部」(1002)と、「満足度取得部」(1003)と、「満足度指標化部」(1004)と、「類似相関関係表示部」(1005)と、「自己点検的確性判断部」(1006)と、を有する。
なお、以下に記載する本装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやメモリ、バス、ハードディスクドライブ、CD−ROMやDVD−ROMなどのメディア読取ドライブ、各種通信や印刷機器用の送受信ポート、インターフェース、その他の周辺装置などのハードウェア構成部や、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラムなどが挙げられる。
具体的には、メモリ上に展開されたプログラムを順次実行することで、メモリ上のデータや、インターフェースを介して入力されるデータの加工、蓄積、出力などにより各部の機能が実現される。
また、この発明は装置またはシステムとして実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができることもできる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記録媒体に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
「回答取得部」(1000)は、健康状態を評価するための分類項目に関連した質問に対する回答を取得する機能を有する。なお、「健康状態を評価する分類項目」および「質問に対する回答」は実施例1で記載したものと同様であるので、その説明、例示は省略する。
図11に示すのは、本実施例の元気・健康点検装置が回答を取得するため表示画面の一例を表す図である。この図にあるように、この回答取得部での回答の取得は、例えば画面上に質問と択一式の回答を表示し、タッチパネル式で回答者に回答を選択、入力させることで取得する方法が挙げられる。
もちろんタッチパネルによる取得の他にキーボードやマウスなどその他の入力デバイスを利用して回答者に選択、入力させて取得しても良い。あるいは択一式ではなく、キーワードやフリースタイルでの文章などを入力デバイスで回答者に入力させることによって回答を取得しても良い。あるいはマークシート形式などで回答者に回答させ、読取機で回答を読取、取得する方法も挙げられる。
また、前述の通り、回答者の利用する端末に質問画面および回答入力画面を表示し、端末に入力された回答をネットワークを介して取得しても良い。
「回答指標化部」(1002)は、回答取得部(1001)で取得した回答を指標化する機能を有する。この回答指標化部での回答の指標化は、例えば回答とその回答の評価値などを関連付けたテーブルを予め保持しておき、回答取得部で取得した回答に応じて前記テーブルに保持されている評価値を指標とする、などの方法が挙げられる。なお、テーブルで保持されている回答と評価値の関連付けの例示などに関しては実施例1で説明したものと同様であるのでその説明は省略する。もちろん、指標化はこのようなテーブルを利用したものに限られず、最初から回答が数値で取得されその数値が指標とされるなど様々な方法での回答の指標化があってよい。
この回答指標化部での回答の指標化は、例えば回答を指標化するためのプログラムがメモリ上に呼び出され、CPUがそのメモリ上のプログラムとハードディスクなどの記憶媒体に蓄積されている上記テーブルのデータを演算処理することで実現される。
「満足度取得部」(1003)は、前記分類項目についての回答者の主観的な満足度を取得する機能を有する。なお、「満足度」は実施例1で記載したものと同様であるので、その説明、例示は省略する。
また、満足度取得部での満足度の取得は、基本的には回答取得部での回答の取得と同様の方法で取得される。もちろん、回答がタッチパネルで入力、取得されるならば、満足度もタッチパネルで取得される、と言う具合に両者とも同一の手段であることが望ましい。
なお、この満足度の取得は、実施例1で説明したような「食生活の現状に満足していますか」という具合の満足度についての質問が例えばディスプレイなどに表示され、それに対する回答が入力されることで取得される。その際、この満足度についての質問が表示される順番は、前記分類項目に関連した質問群との順番関係においてさまざまであってよい。例えば所定の分類項目に関する質問群を1セットとした場合、その分類項目に関する満足度の質問をその1セットの最後に行っても良い。その場合、満足度の判断を行う際に回答者に分類項目に関する前記質問群の内容をより明確に意識させた上で回答させることが可能になる。あるいは、1セット中のランダムな順番で為されてもよいし、全ての分類項目における全ての質問がなされた後で、まとめて満足度についての質問が為されても良い。
「満足度指標化部」(1004)は、満足度取得部(1003)で取得した満足度を指標化する機能を有する。この満足度指標化部での満足度の指標化も、回答の指標化同様、例えば満足度とその評価値からなるテーブルを利用する方法が挙げられる。
「類似相関関係表示部」(1005)は、回答指標化部(1002)にて指標化された回答と、満足度指標化部(1004)にて指標化された満足度との類似相関関係を表示する機能を有する。「類似相関関係」とは、例えば5点満点中の回答の指標と、5点満点中の満足度の指標と、という具合に比較可能に基準が同じ指標とした場合に、その双方の指標の数値が近似の値をとる関係が挙げられる。あるいは、このような数値的な近似関係以外に、例えば回答と満足度とを示す数値以外の指標とが関連付けられたテーブルが保持されており、そのテーブルを参照し回答と満足度が関連付けられている場合の関係なども挙げられる。
そしてこの類似相関関係は、例えばディスプレイなどの表示装置に実施例1で説明した元気・健康点検票のレーダーチャートなどを表示することで表示されても良い。あるいは、その元気・健康点検票がプリンタなどの印刷装置で印刷されることで表示されても良い。
あるいは、レーダーチャートなどのビジュアル化された表示方法のほかに、両者の相関の度合いを示す指数などが表示、あるいは印刷などにより示されても良い。
「自己点検的確性判断部」(1006)は、前記類似相関関係が所定の類似範囲内の関係にあるかに基づいて、前記自己点検の的確性を判断する機能を有する。この的確性の判断の一例は、例えば回答を指標化した数値である「4.7点(5点満点中)」と満足度を指標化した数値である「4.0点(5点満点中)」との差分値を類似相関関係とし、その差分値がプラスマイナス1.0以内であれば両者は類似であり、自己点検の的確性を有していると判断する、という具合である。もちろん類似相関関係に基づく的確性の判断は上記例には限定されない。例えば、回答を指標化した数値で満足度を指標化した数値を除した(あるいは逆に除した)値で示され、その値の範囲が0.8以上1.2以下であれば的確性を有すると判断しても良い。
この自己点検的確性判断部での的確性の判断は、回答指標化部同様、例えば的確性判断のためのプログラムがメモリ上に呼び出され、CPUがそのメモリ上のプログラムとハードディスクやメモリ上に記憶されている類似相関関係を示す情報に基づいて演算処理することで実現する方法が挙げられる。
そして、その判断結果を、例えば画面表示やプリントアウト、あるいはネットワークを介して判断結果のデータを端末に送信するなどの手段により回答者に知らせると良い。
このようにして、回答者は自己の健康状態についての自己点検において、回答と満足度との類似相関関係を知ることができ、また自己点検の的確性を知ることもできる。
また、質問や回答をクイズ形式にしたりタッチパネル式の回答方式でゲーム性を高めたりするなどすれば、同一の回答者からの回答取得の反復性を高めることも期待できる。このように回答の反復性が高まれば、同一の回答者に関する回答や満足度のデータを蓄積することができる。また、そのように回答者個々人について時系列的に回答や満足度のデータを蓄積することで、回答者個々人の未来における健康状態を予測することも期待できる。
<処理の流れ>
図12に示すのは、本実施例の元気・健康点検装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。この図にあるように、まず、分類項目に関連した質問に対する回答を取得し(ステップ1201)、前記ステップ1201にて取得した回答を指標化する(ステップ1202)。また、前記分類項目についての回答者の主観的な満足度を取得し(ステップ1203)、前記ステップ1203にて取得した満足度を指標化する(ステップ1204)。
つづいて、前記ステップ1202にて指標化された回答と、前記ステップ1204にて指標化された満足度との類似相関関係を表示する(ステップS1205)。
最後に、前記類似相関関係が所定の類似範囲内の関係にあるかに基づいて、前記自己点検の的確性を判断する(ステップ1206)。
そして、その判断結果を例えばステップ1205で示された類似相関関係と合わせてディスプレイなどで表示したりプリンタでプリントアウトしたり、あるいはネットワークを介して端末に対して送信したりする。
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例の元気・健康点検装置によって、回答者は自己の健康状態についての自己点検において、回答と満足度との類似相関関係を簡単に知ることができ、また自己点検の的確性を知ることもできる。
≪実施例4≫
<概要>
本実施例の元気・健康点検装置は、実施例3を基本として、回答者の回答や満足度に応じて健康状態の維持、増進に有用なアドバイスなどを行う機能をさらに備えていることを特徴としている。
図13に示すのは、このアドバイスの一例を説明するための図である。この図にあるように、例えば食生活に関する質問の回答を数値化し、平均した値が所定値よりも低い場合、本実施例の元気・健康点検装置はディスプレイなどに「あなたへ:食生活に関する回答の平均値が低いようです。食に関する質問に書かれている内容を意識して実行し、生活することを心がけてください」などのアドバイスを表示する、という具合である。
<構成>
図14に示すのは、本実施例の元気・健康点検装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の元気・健康点検装置(1400)は、実施例3を基本として、「回答取得部」(1401)と、「回答指標化部」(1402)と、「満足度取得部」(1403)と、「満足度指標化部」(1404)と、「類似相関関係表示部」(1405)と、「自己点検的確性判断部」(1406)と、を有する。なお、この「回答取得部」と「回答指標化部」と「満足度取得部」と「満足度指標化部」と「類似相関関係表示部」と「自己点検的確性判断部」の作用や例示などは、実施例3で記載済みであるので、その説明は省略する。
そして、本実施例の元気・健康点検装置の特徴点は、「生活行動改善情報保持部」(1407)と、「生活行動改善情報取得部」(1408)とをさらに有する点である。
「生活行動改善情報保持部」(1407)は、前記質問に対して回答者の入力した回答、又は/および同様に入力した満足度と、前記分類項目に関する回答者への生活行動改善情報とを関連付けて保持する機能を有している。この生活行動改善情報保持部は、例えばハードディスクなどの磁気記憶装置や不揮発性メモリ、あるいは光学記録メディアなどの記憶媒体で実施することができる。
「生活行動改善情報」とは、健康の維持、増進に寄与する可能性が高い生活行動をより良くするための情報をいい、例えば「食生活に関してもっと注意しましょう」など分類項目ごとに注意を促すような情報や、あるいは食事の回数や量、種類、禁煙、日光の取り入れ、こまめな水分補給、運動の習慣化、など様々な生活行動を改善することについての情報が挙げられる。
また、前述のように、前記質問が健康の維持や増進に寄与する生活行動についてのものであるならば、生活行動改善情報には「質問に書かれていることを意識して実行しましょう」などの情報も含まれる。
図15に示すのは、生活行動改善情報保持部での生活行動改善情報の保持の様子の一例を説明するための図である。この図(a)にあるように、例えば回答を指標化したものの平均値の範囲を示す「3.0以上4.0以下」に関連付けて、「大きな問題はありませんが、○○(分類項目)に意識してより一層、あなたの健康について向上を図ってください」、同様に3.0未満(図面も修正してあります)の範囲に関連付けて「もっと○○について注意したほうが良いようです。それでも気になる場合は病院などで診察を受けたほうが良いかもしれません」、などという具合に生活行動改善情報保持部にて生活行動改善情報が保持されている。
あるいは図の(b)に示すように、満足度を指標化した数値2と関連付けて「○○についてあまり満足していないようです。何が理由で満足できていないのか、質問を参考に考えてください」が保持されている、と言う具合に、満足度と生活行動改善情報とが関連付けて保持されていても良い。
あるいは、回答を指標化したものと満足度を指標化したものとの比較結果と関連付けて、例えば「あなたは回答と満足度とが乖離しています。回答に信憑性があるか疑問があります。もう一度自分の健康状態についてよく把握し直してみてください。」という具合の生活行動改善情報が保持されていても良い。
「生活行動改善情報取得部」(1408)は、前記取得した質問に対する回答、又は/および前記満足度に基づいて、生活行動改善情報保持部(1409)から生活行動改善情報を取得する機能を有する。この生活行動改善情報取得部では、例えば取得した回答を数値化し平均化した数値をキーとして、生活行動改善情報として「大きな問題はありませんが、○○(分類項目)に意識してより一層、あなたの健康について向上を図ってください」を取得する、という具合である。
そして、その取得した生活行動改善情報を、例えばディスプレイなどに出力したりプリンタでプリントアウトしたりすることで回答者に対してアドバイスを行うことができる。
なお生活行動改善情報の取得は、上記のような分類項目ごとの回答の平均値に基づいた取得には限定されない。その他に、例えば質問ごとに個別に生活行動改善情報の取得が行われても良い。その場合、生活行動改善情報保持部では、質問と個別に関連付けて生活行動改善情報が保持されており、例えば、図3に示す質問1の回答が「全く違う(1)」や「どちらかと言えば違う(2)」という場合、「もっと楽しんで食事をするようにしてください」という生活行動改善情報が取得される、という具合である。
あるいは、生活行動改善情報保持部では、回答と満足度を指標化したものの比較結果と生活行動改善情報とが関連付けて保持されていても良い。その場合、例えば両者が乖離している比較結果では、「回答に信憑性がないようです。もう一度自分の身体をよく見直してみてください」などの生活行動改善情報が取得されても良い。
また質問や満足度のみならず、本実施例の元気・健康点検装置は、自己の身体に異常感に関する質問に対する回答を、例えば満足度と同様の形式にて安心度として取得する安心度取得部を備えていても良い。また、さらに、その安心度取得部で取得した安心度を指標化する安心度指標化部をさらに備えていても良い。
前記の満足度を指標化したものが健康状態についての自己評価を与えるものであるのに対し、このように安心度を取得し、その安心度を指標化することは非健康状態についての自己評価を提供することを可能にする。
<処理の流れ>
図16に示すのは、本実施例の元気・健康点検装置における処理の流れの一例を表すフローチャートである。この図にあるように、まず、分類項目に関連した質問に対する回答を取得し(ステップ1601)、前記ステップ1601にて取得した回答を指標化する(ステップ1602)。また、前記分類項目についての回答者の主観的な満足度を取得し(ステップ1603)、前記ステップ1603にて取得した満足度を指標化する(ステップ1204)。
次に、前記ステップ1602にて指標化された回答と、前記ステップ1604にて指標化された満足度との類似相関関係を表示する(ステップS1605)。
また、前記ステップにて取得した質問に対する回答または/及び満足度に基づいて、予め前記質問に対する回答、または/及び満足度と関連付けて保持されている生活行動改善情報を取得する(ステップS1606)。
そして、この取得した生活行動改善情報を、前記判断結果同様に、ディスプレイなどで表示したりプリンタでプリントアウトしたり、あるいはネットワークを介して端末に対して送信したりする。
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例の元気・健康点検装置によって、回答者は自己の回答や満足度、あるいは回答と満足度との乖離などに応じて様々な生活行動改善情報を知ることができる。したがって、回答者はより一層、健康状態の維持、増進を図ることが可能になる。
<その他>
また、本実施例の元気・健康点検票、または元気・健康点検装置での出力画面などに回答者の回答一覧を記載するようにしても良い。このように回答者の回答一覧を記載することで、例えば質問が健康状態の維持、増進に寄与する生活行動などを含む質問である場合、質問集を参照することでどのような生活行動が自分に足りないのか、を回答者が知ることができるようになる。
また、本実施例の元気・健康点検票、または元気・健康点検装置によって時系列的に回答者個々人別にその回答や満足度を収集、蓄積しても良い。そのようにすることで、回答者個々人の健康に対する考えや取り組みの変遷を時系列的に把握することが可能になる。また、それによって回答者が行っている健康状態の維持、増進に関する生活行動が健康に及ぼす効果を定性的に把握し、またその生活行動による健康への効果の程度を判断することもできるようになる。
実施例1の元気・健康点検票の一例を表す図 実施例1の元気・健康点検票における構成の一例について説明するための図 実施例1の元気・健康点検票における健康状態を評価するため分類項目に関連する質問例を説明するための図 実施例1の元気・健康点検票における回答の指標化の一例について説明するための図 実施例1の元気・健康点検票において、指標化された回答が指標化回答記録軸に記録された様子の一例を表す図 実施例1の元気・健康点検票における満足度の指標化および記録軸への記録の一例について説明するための図 実施例1の元気・健康点検票において、指標化回答記録軸と指標化満足度記録軸とが前記各分類項目について重なった軸であることの一例を説明するための図 実施例1の元気・健康点検票に表記されている記録軸の別の一例を説明するための図 実施例2の元気・健康点検票における自己の身体の異常感に関する項目での質問の一例を説明するための図 実施例3の元気・健康点検装置における機能ブロックの一例を表す図 実施例3の元気・健康点検装置が回答を取得するため表示画面の一例を表す図 実施例3の元気・健康点検装置における処理の流れの一例を表すフローチャート 実施例4の元気・健康点検装置におけるアドバイスの一例を説明するための図 実施例4の元気・健康点検装置における機能ブロックの一例を表す図 実施例4の元気・健康点検装置の生活行動改善情報保持部での生活行動改善情報の保持の様子の一例を説明するための図 実施例4の元気・健康点検装置における処理の流れの一例を表すフローチャート
符号の説明
0101 回答を指標化したもの
0102 満足度を指標化したもの
0201 指標化回答記録軸
0202 指標化満足度記録軸
1000 元気・健康点検装置
1001 回答取得部
1002 回答指標化部
1003 満足度取得部
1004 満足度指標化部
1005 類似相関関係表示部
1006 自己点検的確性判断部

Claims (10)

  1. 回答者が自己の健康状態について自己点検を行うための点検票であって
    前記健康状態を評価するための分類項目に関連した質問に対する回答を指標化して記録する指標化回答記録軸と、
    前記分類項目についての回答者の主観的な満足度を指標化して記録する指標化満足度記録軸と、
    を有し、前記指標化回答記録軸と、指標化満足度記録軸とは、前記各分類項目について重なった軸であることを特徴とする元気・健康点検票。
  2. 前記分類項目は、食生活、呼吸、睡眠、体温調節、運動、心、性、環境のいずれか一、または二以上の組み合わせである請求項1の元気・健康点検票。
  3. 前記分類項目は、さらに、自己の身体の異常感に関する項目を含む請求項2に記載の元気・健康点検票。
  4. 前記各軸は、レーダーチャートを構成する請求項1から3のいずれか一に記載の元気・健康点検票。
  5. 回答者が自己の健康状態について自己点検を行うための自己点検装置であって、
    健康状態を評価するための分類項目に関連した質問に対する回答を取得する回答取得部と、
    前記回答取得部で取得した回答を指標化する回答指標化部と、
    前記分類項目についての回答者の主観的な満足度を取得する満足度取得部と、
    前記満足度取得部で取得した満足度を指標化する満足度指標化部と、
    前記回答指標化部にて指標化された回答と、前記満足度指標化部にて指標化された満足度との類似相関関係を表示する類似相関関係表示ステップと、
    前記類似相関関係が所定の類似範囲内の関係にあるかに基づいて、前記自己点検の的確性を判断する自己点検的確性判断部と、
    を備える元気・健康点検装置。
  6. 前記質問に対する回答、又は/および前記満足度と、前記分類項目に関する回答者への生活行動改善情報とを関連付けて保持している生活行動改善情報保持部と、
    前記取得した質問に対する回答、又は/および前記満足度に基づいて、前記生活行動改善情報保持部から生活行動改善情報を取得する生活行動改善情報取得部と、
    をさらに備える請求項5記載の元気・健康点検装置。
  7. 自己の身体に異常感に関する質問に対する回答である安心度を取得する安心度取得部と、
    前記安全度取得部で取得した安全度を指標化する安心度指標化部と、
    をさらに備える請求項5または6に記載の元気・健康点検装置。
  8. 回答者が自己の健康状態について自己点検を行うための自己点検方法であって、
    健康状態を評価するための分類項目に関連した質問に対する回答を取得する回答取得ステップと
    前記回答取得ステップにて取得した回答を指標化する回答指標化ステップと、
    前記分類項目についての回答者の主観的な満足度を取得する満足度取得ステップと、
    前記満足度取得ステップにて取得した満足度を指標化する満足度指標化ステップと、
    前記回答指標化ステップにて指標化された回答と、前記満足度指標化ステップにて指標化された満足度との類似相関関係を表示する類似相関関係表示ステップと、
    前記類似相関関係が所定の類似範囲内の関係にあるかに基づいて、前記自己点検の的確性を判断する自己点検的確性判断ステップと、
    を備える元気・健康点検方法。
  9. 回答者が自己の健康状態について自己点検を行うための自己点検方法であって、
    健康状態を評価するための分類項目に関連した質問に対する回答を取得する回答取得ステップと
    前記回答取得ステップにて取得した回答を指標化する回答指標化ステップと、
    前記分類項目についての回答者の主観的な満足度を取得する満足度取得ステップと、
    前記満足度取得ステップにて取得した満足度を指標化する満足度指標化ステップと、
    前記回答指標化ステップにて指標化された回答と、前記満足度指標化ステップにて指標化された満足度との相関関係を表示する相関関係表示ステップと、
    前記類似相関関係が所定の類似範囲内の関係にあるかに基づいて、前記自己点検の的確性を判断する自己点検的確性判断ステップと、
    前記ステップにて取得した質問に対する回答、又は/および前記満足度に基づいて、予め前記質問に対する回答、又は/および前記満足度と関連付けて保持されている生活行動改善情報を取得する生活行動改善情報取得ステップと、
    を備える元気・健康点検方法。
  10. 自己の身体に異常感に関する質問に対する回答である安心度を取得する安心度取得ステップと、
    前記安全度取得ステップにて取得した安全度を指標化する安心度指標化ステップと、
    をさらに備える請求項8または9に記載の元気・健康点検装置。
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