JP2006262201A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鮮明な色彩をもつ映画やデジタル放送を視聴する際には、赤色の映像がブリンクするような映像が出たときには、外的環境だけではなく、テレビジョン受像機に表示されるコンテンツ自体にも光刺激を低減させるような工夫を施す必要がある。
【解決手段】 車載表示装置100ではデジタル放送デコーダ中に備えた動きベクトル検出装置107と、色彩検出装置、並びに照度センサからの情報を基に、該映像の色調を変化させる判定装置109により、激しくブリンクする赤系統の画面が連続する際に、デジタルバッファリングの間にコンテンツの色調を変化させ、或いは表示する一秒間のフレーム数を削減することにより、画面のブリンクを低減し、視聴環境と、コンテンツの内容によりコンテンツの色、一秒間のコマ数を補正することにより視聴中の光刺激を低減する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動体向けに好適な、デジタル放送などの表示装置に関する。
従来の表示装置における映像の表示制御技術には、例えば部屋の明るさによって映像の特性を自動的に制御して、暗い部屋の中で目に負担を与えない様にする技術や、光刺激による光突発脳波反応を防止するフィルタに関する技術がある。
その一方で近年、断続的な赤色のブリンク映像により、テレビ(テレビジョン)の視聴者に光突発脳波反応におけ光感受性発作が発生する事例が見られる。この光感受性発作の発生事例は、いずれも家庭において、比較的照度が暗い部屋で、かつテレビ受像機と視聴者との距離が極近い状況で発生することが報告されている。
特開平06−267664号公報 特開平10−174017号公報 特開平10−210386号公報 特開2001−125526号公報
移動体にてテレビ視聴を行う際には、例えば移動体がトンネルなどの暗部を走行中に、後部座席に座っている視聴者が、明るく小さな画面のテレビ受像機を、暗い車内で視聴する状況が発生する可能性がある。このような視聴状況は、特定の映像を視聴することにより光感受性発作を発生する環境に類似する可能性が考えられる。前記の従来技術では、外的環境に応じてテレビ受像機の輝度を制御する方式が主であり、近年の鮮明な色彩をもつ映画、並びにデジタル放送を視聴する際には、赤色の映像がブリンクする場面が往々にあるため、輝度はさほど変化せず色相が大きく変わるような映像が出ることがある。この様な映像が出たときには、映像を視聴する外的環境だけではなく、テレビ受像機に表示される映像コンテンツ自体にも光感受性発作の発生を抑え、より快適な映像コンテンツの視聴を図るような工夫を施す必要がある。
そこで、本発明は、視聴環境の明るさが変化する場合にも、光感受性発作の発生を抑え、より快適な映像コンテンツの視聴を図ることのできる表示装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明では、テレビなどの放送波を受信し、この放送波によって送信されてくる映像コンテンツを再生するテレビ受像機に、視聴環境の照度を測定する照度センサ装置と、受信した映像コンテンツの動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置と、映像の色彩を検出する色彩(彩度)検出装置と、測定した視聴環境の照度と映像から検出した動きベクトルの大きさ及び色彩の検出値に基づいて、映像の表示を変更して映像の変化を低減する映像制御装置を備える。そしてこの映像制御装置では、映像の色相変更、或いは輝度の低減、又は、表示するフレームを間引くなどの映像操作を行う。
本発明の表示装置では、動きベクトル検出装置と、色彩検出装置、並びに照度センサからの情報を基にして映像の色調を変化させる映像制御装置により、映像の変化が急激に起こり光刺激の変化が大きい映像コンテンツデータを受信した際に、デジタルバッファリングの間に映像コンテンツの色調を変化させる。或いは表示する一秒間のフレーム数を削減することにより、例えば激しくブリンクする赤系統の画面が連続する様なシーンにおける画面のブリンクを低減する。
更に、DVDなどの蓄積メディア系の映像コンテンツに関しては、輝度の情報を予め解析し、情報として持っておき、画面の激しいブリンクが発生することが予想される時点において、前記したように映像コンテンツを表示する際の色調を変化させ、或いは一秒間に表示するフレーム数を低減させる。これにより、強い光刺激となる可能性が高いシーンが連続する場合でも、予め表示コンテンツの変更を行うことにより、より快適に安心して車内でテレビなどの映像コンテンツの視聴を楽しむことが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(実施形態)を、図を用いて説明する。
≪第1の実施形態≫
本発明の第1の実施形態として、本発明の表示装置を移動体としての車両に適用した車載表示装置(車載テレビ表示装置)を、図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態の車載表示装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車載表示装置100Aは、接続されたアンテナ101で受けた電波から放送を選択して受信するためのチューナ(テレビチューナ)102、受信した放送をデジタル信号に復調する復調器103、デジタル信号に含まれているさまざまなデータを分離するTS処理装置104、このTS処理装置104で分離したデジタルデータを、映像、音声、その他データに変換するデコーダ105、車載表示装置100Aが設置されている環境における外光の程度を測定する照度センサ106を備えている。そして、デコーダ105でデコードした後の映像に関するデジタルデータについて、予め決められた所定(一定)時間毎の映像に対する動きベクトルの総和を算出する動きベクトル検出装置107と、デコーダ105にてデコードした後の映像の色彩の度合いを算出する色彩検出装置108を備え、照度センサ106と動きベクトル検出装置107と色彩検出装置108とからの情報を基に、デコーダ105にてデコードされたデジタルデータの品質を変更するかどうかを判定装置109で判定し、この判定装置109の演算結果を基に、デコーダ105にてデコードされたデジタルデータの品質を映像制御装置110で変更する。映像制御装置110からの映像並びに音声その他のデータは再生装置111から出力する。
車載表示装置100Aは更に、さまざまな入カデータを受け付けるI/O装置112、車載表示装置100Aが起動するときに必要なプログラムとデータを格納しておくROM装置113、データを一時的に格納するRAM装置114、車載表示装置100Aのデータを格納する記録装置115、車載表示装置100Aを動作させるためのCPU116、そしてこれらの各装置を接続するためのバス161を備えている。なお、通信装置173を介してインターネットに接続し、インターネットを介して受信したストリーム配信のデータを、TS処理装置104に入力して、コンテンツ(映像コンテンツ)を再生するようにしてもよい。
また、図中に示した信号線151〜158については、信号線151にはRF信号、信号線152にはデジタルデータ(例えばトランスポートストリーム)信号、信号線153,154にはデジタルデータ(例えばエレメンタリーストリーム)信号、信号線155には照度センサ106からの強度信号、信号線156にはデコードされたデジタルデータに加え、動きベクトル検出装置107と色彩検出装置108からの映像に関する属性情報、並びに照度センサ106からの視聴環境の照度に関する情報が流れる。また信号線157にはデコードされたデジタルデータ及び判定装置109において演算されたデジタルデータの変更方針に関する信号が、信号線158にはVGA(Video Graphics Array)信号、或いはNTSC(National Television Standards Committee),PAL(Phase Alternating(by)Line)に代表される映像信号、AAC(Advanced Audio Coding),WAV(WAVEファイル)フォーマットに代表される音声信号、その他テキストデータに関する信号が流れる。
次に、動きベクトル検出装置107について説明する。映像中の観測者や物体が移動すると、画面上に変化が生じる。この変化を映像中の各点における速度ベクトルとして対応させたものが動きベクトルであり、映像の2つのフレーム間における対応位置からのずれの量、即ち単位時間あたりの変位量に相当する。この動きベクトルを、検出対象とする映像の各ドット、或いはマクロブロックと呼ばれる8×8若しくは16×16ドットの単位毎に定義をする。各ドット、或いはマクロブロック毎の動きベクトルの大きさの総和を映像のフレーム毎に求め、評価指標として動きベクトル検出装置107のメモリ中に格納する。
次に、色彩検出装置108に関して説明する。色彩検出装置108は、前記したようにデコード処理により作成された映像を基に、その映像中の色をフレーム毎に検出する装置である。色の検出方法として本実施形態では一般的に知られている国際照明委員会(CIE)によるL*a*b*均等色空間(以下「CIELAB」と呼ぶ)の計算式を用いる。もちろんその他のXYZ表示系、或いはRGB表色系を用いて評価することも可能である。CIELABの計算式では、L*の値は明度を表す。またa*とb*は色度座標になっていて、a*が赤/緑の軸を示し、a*の値が大きいほど赤く、値が小さいほど緑を表す。そしてb*が黄/青の軸を示しており、b*の値が大きいほど黄を、値が小さいほど青を表す。Xw,Yw,Zwを基準とする白色の三刺激値、即ち照明光の三刺激値とし、X,Y,Zを映像中の色の三刺激値とすると、CIELABの計算式は以下のようになる。
L* = 116(Y/Yw)^(1/3)−16
a* = 500((X/Xw)^(1/3)−(Y/Yw)^(1/3))
b* = 200((Y/Yw)^(1/3)−(Z/Xw)^(1/3))
ここで、人間の色覚に強い影響を及ぼす色である赤色を検出するためには、デコード済みの映像からa*の値を計算し、その値の大きさを監視しておけばよい。前記計算により検出したa*の値は、色彩検出装置108中のバッファ或いはメモリに格納される。
次に、判定装置109では、動きベクトル検出装置107、色彩検出装置108からの映像情報と、照度センサ106で測定した照度による視聴時の外光状況とを基に、デコードされた映像を変更するかどうかを決定する。光感受性発作は特に赤色系統の点滅映像が10Hz〜30Hzでブリンクする状態を、比較的暗い室内で視聴する場合に発生する可能性が高いと言われている。そこで、本実施形態の車載表示装置100Aでは、色彩検出装置108で求めた映像が、a*の値が大きい赤色系統の映像であり、かつ動きベクトル検出装置107で求めた動きベクトルの変化量Σνが大きく、かつ照度センサ106で測定した照度λが低い場合に、光感受性発作の発生する可能性が高まるような強い光刺激になる可能性があると判定する。
このため、次の式1の評価関数fが予め設定した閾値より大きくなったときに、映像制御装置110において、映像、即ちコンテンツの色の変更、或いは1秒間における表示コマ数の変更に代表される映像操作を行うことによって、光刺激を抑える。
f=((a*×Σν)/λ) (式1)
なお、式1では、a*、Σν、λが人間の視覚刺激に対して均等に影響を与えると暗黙の仮定をしているが、a*、Σν、λの各々が人間の視覚刺激に対する影響力に応じた重み係数p1,p2,p3をa*、Σν、λにそれぞれ掛け合わせて、式2のような評価関数とすることも可能である。
f=((p1×a*)×(p2×Σν))/(p3×λ)) (式2)
ただし、p1,p2,p3は定数で、p3≠0であるものとする。このときの重み係数の決定方法としては、各a*、Σν、λと人間の視覚刺激に関するサンプルデータを多数収集して、それらの収集データを基に回帰分析、或いはヒューリスティックな手法(例えばニューラルネットワークの学習によるパラメータ決定、或いはファジィ推論を用いたパラメータ決定に代表される最適化手法)を用いて、視覚刺激に対するa*、Σν、λの影響力の関係を決定することにより、重み付けを配分することが可能である。本実施形態では照度センサ値、動きベクトルの変化量、色彩の3つのパラメータを用いているものの、重み係数p1,p2,p3の値をチューニングすることにより、評価関数fに対して、それぞれのパラメータの貢献量を変更することが可能となる。
映像制御装置110は、判定装置109における判定結果を用いて、映像データのデコード後に行うバッファリングの間に、表示する映像データを変更する装置である。ここでの変更とは、判定装置109の評価関数fに関する判定結果が、映像を変更する必要があるコンテンツであると判定された場合に、デコード済みの映像からフレームを間引いて再生するコマ数を削減する処理である。或いは映像データの変更としては、コマ数の削減の他に、デコード済みの映像がカラー映像であっても映像の彩度を落として白黒の映像に変更する、或いは映像のa*の値を下げて赤色系の色を低減する、乃至はコマ数の削減を更に進めて静止画の表示に止める、明度L*を下げて画面の明るさを変更する、再生装置111への映像信号の送出を停止して映像をブラックアウトさせて音声だけの出力にするか、或いは受信したコンテンツについては音声だけを出力して、再生装置111の画面には別途予め記憶させておいた静止画を表示する、映像中の動きベクトルの値が小さく両面が激しく動かない部分だけを再生装置111の画面に拡大して表示する、などの処理に代表される映像操作のいずれか1つ或いは映像の色相の変更や彩度の変更とフレームの間引きを組み合せた映像操作を意味する。
映像制御装置110では、映像の変更が必要と判定された場合に、1秒間に再生するフレームを間引いてコマ数を低減させたり、或いは再生する映像の色調を変化させたりするときには、一気に変化させることも、徐々に変化させることも可能である。例えば、通常約30フレーム/秒で再生する映像を、光刺激を低減させるために再生するフレームを5つおきにして1秒間に再生するフレーム数を5フレーム/秒まで下げる場合を考える。この場合、一度に30フレーム/秒から5フレーム/秒に落とすのではなくて、30フレーム/秒で再生する状態から最初の何秒かは1フレームおきに再生して15フレーム/秒にコマ落としを行い、その後に2フレームおきに再生して10フレーム/秒にし、最終的に5フレーム/秒にするという形で、徐々に再生するフレームを間引くようにしてもよい。また、映像が本来の再生状態(例えば30フレーム/秒で再生する状態)と異なる制御状態(例えば再生するフレームを間引いて5フレーム/秒で再生する状態)にある場合に、元の制御されていない状態に戻る際にも、先の例と同様に、一度に例えば5フレーム/秒で再生する状態から30フレーム/秒で再生する状態に戻すのではなくて、5フレーム/秒、10フレーム/秒、15フレーム/秒、そして30フレーム/秒というように段階的に間引くフレームの数を減らすようにしてもよい。このような段階的なコンテンツの変更は、1秒間に再生するコマ数の変更のみならず、映像の色彩を変更する場合にも適用できる。
これらの映像操作が行われた映像は、再生装置111で表示される。本実施形態の再生装置111では、オリジナルのコンテンツが表示されているのか、或いは映像制御装置110で映像が変更された状態であるかを提示することにより、現在のコンテンツの再生状態をユーザに知らせる機能を備える。
再生装置111の表示の詳細例について、図2を用いて説明する。図2の符号201,202,203はいずれもディスプレイである。
ディスプレイ201の表示例は、画面中にウォータマーク211を入れる形式である。これは判定装置109が映像を変更する必要ありと判断し、映像制御装置110で変更された映像が再生される状態になった際に、所定のウォータマークのデータを画面上に重畳する。このウォータマークは文字列に限らず、アイコンなどの静止画像であってもよい。この際、ウォータマークが頻繁に出現、消滅を繰り返すと、逆に画面の快適な視聴を妨げることが考えられるので、ウォータマークが一旦出現或いは消滅した際には、一定時間継続して表示或いは消去された状態を維持するように重畳表示の状態を制御する。
ディスプレイ202の表示例は、画面に表示されている映像が当該コンテンツ本来の映像ではなく、映像制御装置110で変更され、視覚刺激を低減した映像が表示されている状態である旨を画面上にテロップ212として重畳表示する例である。このテロップは静止表示でもよいし、右から左へゆっくり流れる表示でもよい。
ディスプレイ203の表示例は、映像制御装置110で変更され視覚刺激を低減した映像が画面に表示されている状態である旨のメッセージを、L字表示の領域に描画する例であり、映像の表示領域221と区別されたL字表示の領域にテロップ212が描画される。映像の表示領域221は、映像を見易くするために、映像制御装置110が、画面の縦横比を維持したままメッセージの表示が映像に重ならない大きさのL字表示の領域を確保した固定のサイズとする。或いは、映像制御装置110(映像制御装置110の図示しない表示領域調整手段)が、判定装置109で算出された評価関数fの値と設定されている閾値との乖離度に反比例した大きさにすることにより、例えば、評価関数fの値が閾値を超える度合いが大きくなるほど表示領域221が小さくなるようにすることにより、表示される映像による視覚刺激を低減することも可能である。この場合は、判定装置109で算出する評価関数fの理論的な上限値と閾値の値を求め、これらの数値により判定装置109で算出した評価関数fの値を正規化した値に応じて画面のサイズを変更するのがよい。閾値と上限値との間で、リニアな特性で表示領域221を小さくしたり元に戻したりすることができるからである。また、映像制御装置110で変更され視覚刺激を低減した映像が画面に表示されている状態であり、映像がオリジナルのものと変わっていることを音声で視聴者に知らせることも可能である。
これまで説明してきた本発明の第1の実施形態では、ストリーム型のデジタル放送を受信する端末である車載表示装置100Aに関して、映像デコードの後に動きベクトル検出装置107、色彩検出装置108、判定装置109、映像制御装置110を設けたことにより、照度センサ106の照度検出値とともに、視聴環境が急激に変化する激しい映像などを視聴中でも、映像による光刺激を低減することができる。これによって、視聴環境の明るさが変化する場合にも、光感受性発作の発生を抑え、より快適な映像コンテンツの視聴を図ることができ、このため、視聴者はより安心して快適な映像の視聴を楽しむことが可能となる。
≪第2の実施形態≫
次に、本発明の表示装置を移動体としての車両に適用した第2の実施形態として、DVDに代表されるような蓄積メディアを車内で視聴するための車載表示装置について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の第2の実施形態の車載表示装置の構成を示すブロック図である。なお、図3中の車載表示装置100Bは図1の車載表示装置100Aとほぼ共通であるので、共通する部分には同じ符号を付して説明を省略し、図1との相違点を中心に説明する。
前記した第1の実施形態では、再生するコンテンツは放送により配信されたものであったが、図3に示すこの第2の実施形態では、コンテンツは蓄積メディアであるDVD170からDVD読み取り器171にて読み込まれる。もちろん蓄積メディアがDVD以外の場合には、その蓄積メディアに対応した読み取り装置で読み取られたコンテンツを再生することになる。図3に示す車載表示装置100Bでは、蓄積メディアからのコンテンツをリアルタイムで分析し再生する方式をとるため、デコーダ105以後の構成は第1の実施形態と同様である。
また蓄積メディアによっては、蓄積メディアに記録されたコンテンツに関する映像の動きに関する情報或いは色彩に関する情報と蓄積メディアにおけるコンテンツの配置情報といった蓄積メディアの属性情報が、予め時系列的に蓄積メディアのトラック中に付加的に入っているものとする。蓄積メディアのトラックに記録される蓄積メディアの属性情報のフォーマットの例を図4に示す。蓄積メディアの属性情報はトラックID401、コンテンツの先頭を原点とした各トラックの再生時刻402、トラック中の映像の動きベクトル情報403と色彩情報404、そしてトラック中の映像に対する評価関数による評価値405の各項目から構成される。動きベクトル情報403と色彩情報404は第1の実施形態で説明したものと同じ数式を用いて予め算出しておく。各トラックは、コンテンツの格納単位に相当し、例えば、映像においてシーンが変わるごとに異なるトラックが割り当てられる。従ってこの格納単位内では、例えば同じ様なシーンが続くなど、映像の変化は小さく映像特性はほぼ均質と見なすことができる。
この第2の実施形態の車載表示装置100Bでも、第1の実施形態の車載表示装置100Aと同様に、視聴環境の明るさが変化する場合にも、光感受性発作の発生を抑え、より快適な映像コンテンツの視聴を図ることができ、このため、視聴者はより安心して快適な映像の視聴を楽しむことが可能となる。
ここで、第2の実施形態の変形例を説明する。この変形例は、(1)映像コンテンツの格納単位毎の映像における動きベクトルに関する情報、及び格納単位毎の映像における色彩に関する情報を含む属性情報を、外部との通信により取得して記憶装置に記憶しておき、(2)再生時は、この記憶装置に記憶した属性情報から再生する映像に対応する動きベクトルの大きさ、及び色彩に関する情報を得、(3)このように得た前記動きベクトルの大きさ、及び前記色彩と、前記前記光センサにより測定した照度とから、表示する映像の変化を低減する変更を行うものである。
具体的には、第2の実施形態の変形例では、車載表示装置100C(図5参照)は、通信装置173を介してインターネットに接続して、蓄積メディアのID情報を基にインターネット上で図4に示すような蓄積メディアの属性情報を検索し、その検索結果を読み込んで記録装置115に記録しておく。そして蓄積メディアに記録されたコンテンツを再生する際には、記録装置115に記録した蓄積メディアの属性情報から再生するコンテンツに対応した動きベクトル情報、色彩情報或いは評価関数による評価値の情報を取り出し、その情報を判定装置109に渡すことも可能である。
このような場合の車載表示装置100Cの構成を図5に示す。この場合、判定装置109では照度センサ106からの情報と、バス161を介して記録装置115から取得した図4に示したコンテンツの特性情報を基に、映像制御装置110にて第1の実施形態で示した例と同様に、映像の制御を行う。車載表示装置100Cがインターネットを介してコンテンツ情報管理センタ300から、図4に示したコンテンツの映像情報を入手する場合、車載表示装置100Cからは蓄積メディアのID情報をコンテンツ情報管理センタ300に送信し、コンテンツの映像情報を管理するコンテンツ情報管理センタ300からは、その蓄積メディアに関するコンテンツ情報を車載表示装置100Cに送信する。これにより、記録装置115に格納された図4に示す評価関数の評価値405を、新しいDVD170に対応したものに更新することが可能となる。
第2の実施形態(及び変形例)では、蓄積メディアとしてDVD170を使用する例を説明したものの、車載表示装置100B中に備えられる記録装置115に、ハードディスクに代表される大容量蓄積メディアを用い、この記録装置115にコンテンツを蓄積したサーバ型放送の受信コンテンツにおいても同様な仕組みで本発明の機能を実現することが可能である。サーバ型放送では記録装置115、通信装置173を具備する構成において、デジタル放送を受信した後に、コンテンツ自体と、そのコンテンツに関する映像に関する情報が記述された補助的データを選別し、記録装置115に記録する。記録装置115中にコンテンツに対応した補助的なデータがない場合は、第1の実施形態で示したようにリアルタイムで映像を分析する。一方、補助的なデータが記録装置115中に存在する場合には、その補助的なデータと照度センサ106からのデータを基に、判定装置109にて映像の変更が必要か否かを判定する。これらの補助的なデータの入手可否については通信回線を通じてサーバ型放送の契約業者に問い合わせが行われ、契約を結んでいる場合は、補助データを利用することが可能となるように暗号鍵を車載端末に送付し、契約を結んでいない場合には補助データを用いることができないようにする。このように、契約パターンと結びつけることにより、より高いサービスを視聴者に提供することが可能となる。なお、この補助的なデータは、デジタル放送のデータ放送として放送することも可能である。この場合も、端末中の記録装置115内に格納され、前記した例と同様に映像の変更処理を行うことが可能となる。
本発明の第2の実施形態の変形例では、予め映像に関する情報を蓄積メディアに同時に蓄積することにより、高速に光刺激を低減するための演算を行うことが可能となる。また映像に関する情報を外部より取得することにより、新しく更新された評価関数によって映像の制御を行うので、車内でのコンテンツをより安心して快適に視聴することができる。
視聴環境が急激に変化する移動車両中において、コンテンツを表示・再生する際に視聴状態に応じて表示装置の光による視覚刺激を低減するような場合に有効である。
本発明の第1の実施形態の車載表示装置の構成を示すブロック図 表示画面の例を示す図 本発明の第2の実施形態の車載表示装置の構成を示すブロック図 属性情報のフォーマット例を示す図 本発明の第2の実施形態の変形例の車載表示装置の構成を示すブロック図
符号の説明
100A・100B・100C…車載表示装置、101…アンテナ、102…チューナ、103…復調器、104…TS処理装置、105…デコーダ、106…照度センサ、107…動きベクトル検出装置、108…色彩検出装置、109…判定装置、110…映像制御装置、111…再生装置、112…I/O装置、113…ROM装置、114…RAM装置、115…記録装置、116…CPU、161…バス、173…通信装置

Claims (4)

  1. 映像コンテンツを再生する表示装置において、
    視聴環境の照度を測定する光センサと、
    前記映像コンテンツの映像の動きベクトルを検出する動きベクトル検出装置と、
    前記映像コンテンツの映像の色彩を検出する色彩検出装置と、
    前記光センサにより測定した照度、前記動きベクトル検出装置により検出した動きベクトルの大きさ、及び前記色彩検出装置により検出した色彩の検出値から、表示する映像の変化を低減する変更を行う映像制御装置と
    を備えることを特徴とする表示装置。
  2. 前記請求項1における表示装置において、前記映像コンテンツは、放送波の受信、又はメディアに蓄積されているデータを読み出すことにより取得されることを特徴とする表示装置。
  3. メディアに蓄積されている映像コンテンツを読み出す読み取り手段と該読み出した映像コンテンツを映像情報に変換するデコーダとを備え、該デコーダにより変換された映像情報を再生する表示装置において、
    前記読み出しにかかる映像コンテンツの格納単位毎の映像における動きベクトルに関する情報、及び格納単位毎の映像における色彩に関する情報を含む属性情報を記憶する記憶装置と、
    視聴環境の照度を測定する光センサと、
    前記記憶装置に記憶された属性情報から再生する映像に対応する動きベクトルの大きさ、及び色彩に関する情報を得、このように得た前記動きベクトルの大きさ、及び前記色彩と、前記光センサにより測定した照度とから、再生して表示する映像の変化を低減する変更を行う映像制御装置と
    を備えることを特徴とする表示装置。
  4. 前記請求項1乃至請求項3のいずれか一つの表示装置において、
    映像の表示を変更する映像制御装置における表示する映像の変化を低減する変更は、映像の単位時間あたりの再生コマ数を削減する処理、再生する映像の彩度を低下する処理、再生する映像の色相を赤色系の色が低減するようにする処理、同一映像の再生を続けて静止画表示にする処理、映像をブラックアウトする処理、所定の静止画を表示する処理、画面の明るさを変更する処理、映像中の前記動きベクトル値が所定値よりも小さい領域を拡大して表示する処理、の少なくともいずれか一つの処理であることを特徴とする表示装置。
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