JP2006261226A - 脱磁器及び脱磁装置 - Google Patents
脱磁器及び脱磁装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006261226A JP2006261226A JP2005073490A JP2005073490A JP2006261226A JP 2006261226 A JP2006261226 A JP 2006261226A JP 2005073490 A JP2005073490 A JP 2005073490A JP 2005073490 A JP2005073490 A JP 2005073490A JP 2006261226 A JP2006261226 A JP 2006261226A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- housing
- core
- demagnetizer
- work
- pole
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Jigs For Machine Tools (AREA)
Abstract
【課題】 大型ワークの消磁に適した脱磁器及び脱磁装置を提供する。
【解決手段】 ワーク22を消磁するための交番減衰磁界を生じる筒状励磁コイル18と、該コイルを収容する非磁性材料からなるハウジング16とを含む脱磁器10。脱磁器10のハウジング16には、ワーク22を載置するためのワーク面12aが設けられており、該ワーク面は、励磁コイル18からの磁束によって交互に変換されるN極及びS極のいずれか一方を選択的に示す単極の磁極エリアを有する。
【選択図】 図3
【解決手段】 ワーク22を消磁するための交番減衰磁界を生じる筒状励磁コイル18と、該コイルを収容する非磁性材料からなるハウジング16とを含む脱磁器10。脱磁器10のハウジング16には、ワーク22を載置するためのワーク面12aが設けられており、該ワーク面は、励磁コイル18からの磁束によって交互に変換されるN極及びS極のいずれか一方を選択的に示す単極の磁極エリアを有する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、減衰交流電流の供給を受ける励磁コイルから発生する減衰交番磁界を利用して磁性体の残留磁気を消去する脱磁器及び該脱磁器とこれに励磁電流を供給する電源回路とを備える脱磁装置に関する。
磁性体の残留磁気を消去する方法に、励磁コイルに商用電流を供給し、これにより発生する交番磁界から消磁対象物であるワークを遠ざけることにより、ワークの残留磁気を消去する方法がある(例えば、特許文献1)。
この方法によれば、ワークを商用電流が供給される励磁コイルで発生する磁束磁界空間又は該励磁コイルの鉄心から発生する磁束によって形成される磁界空間をワークを通過させることにより、このワークに残留する磁気を除去し、消磁することができる。
ところで、消磁対象物であるワークが金型のような大型の場合、ワークの大型化により、該ワークを通過させる磁界空間を大きくしかつこの磁界空間を生じる励磁コイルの起磁力を大きくする必要がある。
しかし、交流式脱磁器の場合、インピーダンスの大半がインダクタンスによる。このため、交流式脱磁器で大型のワークの脱磁を可能にするには、起磁力を大きくするように、励磁コイルの巻数を減らして電流値を大きくしなければならない。その結果、励磁コイルにおける励磁電流の損失を防止するように、励磁コイルの断面積を大きくしなければならず、励磁コイル用銅線の選択性や電源への負担が脱磁器の製作を困難にしている。
また、鉄心を備える励磁コイルでは、鉄心に渦電流対策を講じる必要があり、大型化への適用が困難となる。
そこで、本願出願人は、先に、商用周波数よりも低い周波数の交流電流を励磁コイルに供給することを提案した(特許文献2)。これによれば、励磁コイルのインダクタンスによるインピーダンスの低減を図ることができることから、励磁コイルの巻数を多くして、電流値を抑えながらも、励磁コイルの起磁力を高め、消磁効果を高めることができる。また、脱磁作業においては、脱磁気の発生磁界が所定時間内に正負の最大から0へ交番的に減衰するため、ワークを移動させることなく、消磁を完了させることができる。
しかし、特許文献2に記載の脱磁器では、該脱磁器のワークに対向した面にN極及びS極からなる2極が対をなして形成されていることから、脱磁器の両極間の磁気回路は、ワークを経る閉回路となり、しかも、この磁束が脱磁器の磁極面に近接した部分で閉回路を構成することがある。
上記のことから、特許文献2に記載の脱磁器では、消磁対象であるワークが大型の場合、ワークの脱磁器から離れた例えば隅部のようなワーク内の磁気回路から外れた箇所にある部分は、消磁を受けにくい。そのため、脱磁器を通過するワークの姿勢を変えるなどして多数回の脱磁作業が必要となる。
また、部分的な脱磁漏れを防ぐため、又は消磁効果を高めるために、脱磁開始時の磁界を強くすると、金型のような精密なワークの場合、磁界が強くなりすぎて、強力な吸引力がワークに作用し、その結果ワークが変形するおそれがある。
本発明の目的は、ワークの大小にかかわらず、確実に消磁し得るようにすることにある。
本発明に係る脱磁器は、ワークを消磁するための交番減衰磁界を生じる筒状励磁コイルと、該コイルを収容する非磁性材料からなるハウジングとを含み、該ハウジングには前記ワークを載置するためのワーク面が設けられており、該ワーク面は、前記励磁コイルからの磁束によって交互に変換されるN極及びS極のいずれか一方を選択的に示す単極の磁極エリアを有する。
本発明に係る脱磁器は、ワークは静的にワーク面に載せられる。このワーク面には、単極の磁極エリアが形成されている。この磁極エリアは、前記励磁コイルの交番減衰磁界に応じて、S極及びN極に交互に切り替えられるが、磁極エリアが単極で構成されていることから、S極及びN極が同時にワーク面に形成されることはなく、ワーク面はいずれか一方の磁極を示す。
そのため、ワーク面上のワーク内では、ワーク面上の一方の磁極と、他方の磁極とが同時的にワークの同一面で該ワークに向き合うことはなく、この両磁極間の磁気回路がワーク内で閉鎖して形成されることはなく、ワーク面に形成された一方の磁極と、ワークと、該ワーク外の空間を経てワーク面外の他方の磁極との間で磁気回路が構成されることから、磁気回路がワークの隅部をも含む全領域を通過するように、ワークを覆う磁界領域が形成される。
また、前記励磁コイルは交番減衰磁界を生じることから、ワークを脱磁器のワーク面上を通過させることなく、該ワーク面上に静止させた状態で、極性を反転させながら減衰する前記磁界領域の磁界により、ワークの残留磁気を効果的に消すことができる。
したがって、本発明によれば、金型のような大型のワークであっても多数回の脱磁作業を経ることなく効率的かつ効果的に消磁することができる。
前記ワーク面に、単一の磁極エリアを形成することができる。この場合、前記ハウジング内に上下方向に沿ってコアを配置し、このコアで前記磁極エリアの一部を形成することができる。前記励磁コイルは、コアの外周に配置され、これによりワーク面は前記コアの一端側に形成されている。
前記コアの一端を前記ハウジングから突出させて配置することができ、この場合、前記コアの突出面は、N極及びS極のいずれか一方の極面として作用する。
また、前記ハウジングに、前記コアの前記一端を受け入れる上面開口を形成し、前記コアの一端を前記ハウジングの上面に一致するように配置することができる。前記ハウジングの上面に、前記コアの前記一端及び前記ハウジングの上面を覆い前記ワーク面を形成する非磁性体からなる上面板を配置することができる。
前記ワーク面に複数の磁極エリアを形成することができ、これにより時間的に同一極性を示す複数の磁極エリアをワーク面に分散させることができる。
複数の磁極エリアを形成するために、前記ハウジング内に全体にU字状のコアをその一対の脚部の各端面が前記ワーク面に向くように配置することができる。前記励磁コイルは、該励磁コイルへの給電により前記両端面を同極にすべく前記脚部を取り巻いて配置される。
この場合、前記ハウジングに、前記コアの前記各端面を受け入れる複数の上面開口を形成し、前記コアの各端面が前記ハウジングの上面に一致するように配置することができる。また、前記ハウジングの上面に、前記コアの前記各端面及び前記ハウジングの上面を覆い前記ワーク面を形成する非磁性体からなる上面板を配置することができる。
また、本発明に係る脱磁装置は、筒状励磁コイル及び該筒状励磁コイルを収容する非磁性材料からなるハウジングを備え、該ハウジングには消磁象物が載置されるワーク面が形成され、該ワーク面は前記励磁コイルへの電流の供給により単極の磁極エリアを有する脱磁器と、前記ワーク面の前記磁極エリアの極性をS極及びN極に交互に切り替えるべく前記励磁コイルに交番減衰電流を供給する電源回路とを含む。
本発明に係る前記脱磁装置によれば、前記励磁コイルは前記電源回路から交番減衰電流の供給を受けることにより、ワーク面に形成された単極の磁極エリアの極性を交互に切替えかつ磁界強度を漸減させることにより、ワーク面に形成された一方の磁極と、ワークと、該ワーク外の空間を経てワーク面外の他方の磁極との間で形成されかつワークの隅部をも含む全領域を通過する磁気回路の磁束を適切に漸減させることができ、これにより、大型のワークを適正に消磁することができる。
前記電源回路は、商用周波数よりも低い周波数の交流電流を前記励磁コイルに供給することができ、これにより、励磁コイルのインダクタンスによるインピーダンスの増大を抑制して励磁電流の増大を図ることができるので一層効果的な消磁効果を得ることができる。
また、前記電源回路は、交流を整流し平滑化する整流平滑回路部と、該整流平滑回路部を経た電流をPWM制御下で交番減衰励磁電流に変換し前記励磁コイルに出力するスイッチング回路部と、該回路部の動作を制御するPWM制御回路部とで構成することができる。
本発明によれば、前記したように、ワーク面に単極の磁極エリアを形成することにより、筒状励磁で生じる交番減衰磁界による磁束がワーク面上に載置されたワークの隅部をも含む全領域を通過するように、磁気回路を形成することができることから、金型のような大型のワークに従来のような多数回の脱磁作業を行うことなく、例えば一回の脱磁作業で効率的かつ効果的に消磁することができる。
本発明の特徴を図示の実施例に沿って、詳細に説明する。
本発明に係る脱磁器10が図1ないし図3に示されている。脱磁器10は、図1及び図2に示すように、幅寸法W及び長さ寸法Lを有する矩形平面形状を有し、また高さ寸法Hを有する直方体のコア12と、該コアの貫通を許す矩形開口14が形成された全体に矩形環状のハウジング16と、図3に示すように、ハウジング16内でその内周壁16aをボビンとしてこれに巻き付けられた筒状の励磁コイル18とを備える。励磁コイル18からハウジング16の外部に電力線20が伸び、この電力線20を経て、後述する電気回路から交番減衰電流が励磁コイル18に供給される。
コア12は、例えば従来におけると同様な金属材料であるSS400で形成されている。また、ハウジング16は非磁性金属材料のような非磁性材料で形成されている。
図2及び図3に示すように、コア12は、ハウジング16の矩形開口14を貫通してその上面12a及び下面12bがそれぞれハウジング16の上面16b及び下面16cから突出して配置されており、コア12の上面12aが、消磁対象となるワーク22(図3参照)を載置するワーク面として用いられている。ハウジング16の下面16cから突出するコア12の下面12bには、ゴムのような弾性体からなる脚部24(図2参照)が設けられている。
励磁コイル18は、電力線20を経て交番減衰電流の供給を受けることにより、図3に示すように、コア12の上面12aを例えばN極にするとき、その下面12bをS極とするように、交互にコア12の上面12a及び下面12bの磁極面の極性が切り替わるように、励磁される。
したがって、ワーク22を載せるワーク面すなわちコア12の上面12aは、S極及びN極のいずれか一方の極性が与えられ、磁極エリアとして作用する。したがって、このワーク面12a上のワーク22には、常にN極またはS極の単一の極が対向する。
上記の結果、励磁コイル18に電力線20を経て交番減衰電流が供給されると、図3に模式的に示すように、上面12aと下面12bとの間でワーク面12a上のワーク22を取り巻く磁界領域26が形成される。
図3は、ワーク面12aがN極でありコア12の下面12bがS極の場合の磁束の方向を矢印28で示している。しかし、交番減衰電流の流れる方向の反転に応じて、磁束の方向は交互に反転する。
図4は、脱磁器10の励磁コイル18に励磁電流を供給する電気回路30のブロック図を示す。電気回路30は、脱磁器10と共に、脱磁装置を構成する。
電気回路30は、図4に示す例では、商用電源の交流電流を整流し、平滑化する整流平滑回路部30aと、該整流平滑回路部により平滑化された直流を交番減衰電流に変換するスイッチング回路部30bと、該スイッチング回路部の作動を制御するPWM制御回路部30cとを備える。
整流平滑回路部30aは、図示しないが、例えばよく知られた整流ブリッジ回路と、該整流ブリッジ回路の出力端間に挿入される平滑コンデンサとで構成することができる。スイッチング回路部30bは、例えば前記した特許文献2に示されているようなスイッチトランジスタ素子の組み合わせで構成される切替え回路を用いることができる。
各スイッチトランジスタ素子のオン・オフ動作をPWM制御回路部30cで制御することにより、オン・オフの比で示されるデューティ比を漸減させることができ、これによりスイッチング回路部30bから電力線20を経て励磁コイル18に交番減衰電流を供給することができる。
この交番減衰電流の周波数は、商用周波数の値よりも低い値に設定することが望ましく、これにより励磁コイル18のインダクタンスによるインピーダンスの増大を抑制し、励磁コイル18に比較的大きな値の励磁電流を流すことができる。
電気回路30の前記したスイッチング回路部30bに代えて、PWM制御下で動作する機械的な極性切替え回路を用いることができる。
本発明に係る脱磁器10によれば、電力線20から励磁コイル18に交番減衰電流が供給されると、ワーク面12aには交互に単一の極性が形成されることから、図3に示すように、ワーク面12a上のワーク22を覆う磁界領域26が形成され、交番減衰電流の減少に伴って磁界領域26の磁気が漸減する。
したがって、ワーク22をワーク面12a上に沿って移動させることなく、該ワーク面上に静止させた状態で、ワーク22を効果的に消磁することができる。また、脱磁磁界の磁気回路に大きな空間が存在するので、N極及びS極が対をなして形成される脱磁器に比べて、ワークに作用する吸引力が小さく、その結果金型のような精密なワークであっても、そのワークの変形が防止される。
実施例1では、コア12の上面12a及び下面12bをハウジング16の上面16b及び下面16cから突出させて配置した例を示したが、これに代えて、図5に示すように、コア12をハウジング16から突出させることなく該ハウジング内に収容することができる。
図5に示す例では、ハウジング16内には、その内周壁16aを取り巻く非磁性材料からなるボビン32が配置されており、該ボビンに励磁コイル18が巻き付けられている。ハウジング16の矩形開口14に配置されるコア12は、その上面12aをハウジング16の上面16bに一致させて配置され、この上面16b上には、該上面及びコア12の上面12aを覆う非磁性板からなる上面板34が配置されている。また、ハウジング16の下端には、コア12の下面12bを覆う非磁性の底板36が配置されている。
したがって、図5に示す脱磁器10では、コア12の上面12aを覆う上面板34でワーク面が形成されており、該ワーク面のコア12の上面12aに対応する領域が実施例1におけると同様な単一磁極面として作用することから、励磁コイル18への交番減衰電流の供給により、上面板34からなるワーク面上のワーク22を覆うように磁界領域26が形成され、この磁界領域26の磁気の漸減に伴い、ワーク22が効果的に消磁される。
図6に示すように、中央部に超硬質部122aが設けられ、幅寸法W、長さ寸法L及び高さ寸法Hがそれぞれ180mm、125mm及び60mmの直方体形状のワーク122を用いて、ワーク面12aに単一の磁極エリアが設けられた図5に示した単極形の脱磁器10と、図示しないがワーク面に対をなすS極及びN極の両磁極エリアが形成された従来の2極形脱磁器との脱磁効果の比較が行われた。
ワーク122は、希土類金属磁石を用いて予め全体的に5.0〜6.0mTに着磁させたものを用い、それぞれ図5に示した脱磁器10と、前記した従来の2極形の脱磁器とで、脱磁前後におけるそれぞれの符号A〜Eで示す部分での残留磁気が測定された。
本発明の脱磁器10では、その脱磁有効面積であるワーク面12aの幅寸法W及び長さ寸法Lがそれぞれ120mm及び110mmであり、励磁コイル18への直流印加電圧は90V、減衰開始時の直流電流値は9Aであり、励磁コイル18の起磁力は10000ATであった。他方、比較を受けた従来の2極形脱磁器では、U字状のコアによりワーク面上に一対の異磁極面が形成されるが、その両磁極面積である脱磁有効面積の幅寸法W及び長さ寸法Lは、それぞれ120mm及び120mmであり、励磁コイルへの直流印加電圧は180V、減衰開始時の直流電流値は2.1Aであり、コアの両脚部の励磁コイルによる起磁力は、6200AT(3100AT×2)であった。
図6に示すワーク122の各測定部分A〜Eでの脱磁前後における磁束密度が次表に示されている。
表1(a)は、図5に示す本発明の脱磁器10の例であり、表1(b)はワーク面上に一対の異磁極面を有する従来の脱磁器の例である。従来例によれば、磁極エリアに対応する脱磁有効面積からはみ出すワーク122の隅部(A〜D)の磁束密度は脱磁作業前後で大きな差は見られない。これに対し、本発明によれば、ワーク122が脱磁有効面を大きくはみ出すにも拘わらず、その隅部(A〜D)を含む各部分で、磁束密度は1mT以下の小さな値に減少している。
このように、本発明によれば、脱磁器10のワーク面12aをはみ出すワーク122であっても、その隅部(A〜D)を含むワーク122の全体を効率的に消磁することができる。
実施例1及び実施例2では、いずれも単一の磁極面がワーク22に対向する例を示したが、図7ないし図9に示すように、同一の極性を示す複数の磁極面をワーク22に対向させることができる。
図7ないし図9に示す脱磁器10は、図5に示した例におけると同様に、コア112はハウジング16から突出することなく該ハウジング内に収容される。
図7及び図9に示すように、コア112は、一対の脚部112a、112aと、各脚部の一端を連結する連結部112bとを備え、全体にU字状を呈する。コア112は、その一対の脚部112a、112aの端面112cをハウジング16の上面16bに一致させて配置されている。
端面112c及びハウジング16の上面16bを覆う上面板34が配置されている。コア112の一対の脚部112a、112aには、筒状の励磁コイル18がそれぞれ巻き付けられている。
コア112の各脚部112a、112aの外周面には、各励磁コイル18を受ける非磁性材料からなる支持フランジ38が取り付けられている。また、ハウジング16の下端には、コア112の連結部112bの端面を覆う前記したと同様な底板36が配置されている。
各励磁コイル18は、その電力線20を経て前記したと同様な電気回路30から交番減衰電流の供給を受けることにより、各脚部112a、112aの端面112cが同極を示すように、交互に極性を切り替えられる。その結果、図9に示すように、上面板34上のワーク22を覆うように、前記したと同様な磁界領域26が形成され、この磁界領域26の極性の切替えに伴う磁界強度の減衰により、前記したと同様に、ワーク22が効果的に消磁される。
図10(a)ないし図10(c)は、外径が500mm、内径が400mm、厚さ寸法が50mmのリング状のダイス鋼からなるワーク222を用いて、図10(a)に示す従来のコア型脱磁器40、前記したと同様な従来の2極形脱磁器42及び図7ないし9図に示した本発明の脱磁器10の脱磁効果を比較するための脱磁例を示す。ワーク222は、予め全体的に1.5mTの磁束密度でそれぞれ着磁された。
図10(a)は、このワーク222を従来のコア型脱磁器40が生じる交番磁界内を通過させることにより、脱磁を行った例を示す。この脱磁によって、ワーク222の残留磁束は、全体的に1.0mTに減少した。図10(b)は、同様に着磁されたワーク222を従来の前記した2極形脱磁器42のワーク面42a上に載置して脱磁を行った例をワーク面42aと該ワーク面上のワーク222のとの関係を平面図で模式的に示す。この例によれば、脱磁器42のワーク面42aからはみ出すワーク222の×符号で示す4カ所のはみ出し縁部を除く部分では、0.3mTに減磁されたが、×符号で示したはみ出し縁部では、1.0mTの残留磁束密度が測定された。
これらに対し、図10(c)に示すように、本発明の脱磁器10によれば、コア112の端面112cに対応する磁極エリアからワーク222の縁部がはみ出すにも拘わらず、このはみ出し縁部を含む全領域でワーク222の残留磁束密度が0.2mTに減少した。
前記したところでは、励磁コイル18に取り巻かれるコア12、112を用いた例を示したが、これらコアを不要とすることができる。しかしながら、強い磁界領域26を得る上で、従来よく知られているように、励磁コイル18に関連してコア12、112を用いることが望ましい。
本発明は、上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
10 脱磁器
12 コア
12a、112c ワーク面
14 (上面開口)開口
16 ハウジング
16b ハウジングの上面
18 励磁コイル
22、122、222 ワーク
30 電気回路
30a 整流平滑回路部
30b スイッチング回路部
30c PWM制御回路部
34 上面板
12 コア
12a、112c ワーク面
14 (上面開口)開口
16 ハウジング
16b ハウジングの上面
18 励磁コイル
22、122、222 ワーク
30 電気回路
30a 整流平滑回路部
30b スイッチング回路部
30c PWM制御回路部
34 上面板
Claims (11)
- ワークを消磁するための交番減衰磁界を生じる筒状励磁コイルと、該コイルを収容する非磁性材料からなるハウジングとを含み、該ハウジングには前記ワークを載置するためのワーク面が設けられており、該ワーク面は、前記励磁コイルからの磁束によって交互に変換されるN極及びS極のいずれか一方を選択的に示す単極の磁極エリアを有する、脱磁器。
- 前記ワーク面には、単一の磁極エリアが形成されている、請求項1に記載の脱磁器。
- さらに、前記ハウジング内に上下方向に沿って配置されたコアであって前記磁極エリアの一部を形成するコアを含み、前記励磁コイルは、前記コアの外周に配置されており、前記ワーク面は前記コアの一端側に形成されている、請求項2に記載の脱磁器。
- 前記コアの一端は前記ハウジングから突出しており、前記コアの突出面は前記交互に変換されるN極及びS極のいずれか一方の極面として作用する、請求項3に記載の脱磁器。
- 前記ハウジングは、前記コアの前記一端を受け入れる上面開口を有し、前記コアはその一端が前記ハウジングの上面に一致するように配置され、前記ハウジングの上面には、前記コアの前記一端及び前記ハウジングの上面を覆い前記ワーク面を形成する非磁性体からなる上面板が配置されている、請求項3に記載の脱磁器。
- 前記ワーク面には、複数の磁極エリアが形成されている、請求項1に記載の脱磁器。
- 前記ハウジング内には、それぞれが前記交互に変換されるN極及びS極のいずれか一方の極面として作用する端面を有する一対の脚部を備える全体にU字状のコアが前記脚部の端面を前記ワーク面に向けて配置され、前記励磁コイルは、該励磁コイルへの給電により前記両端面を同極にすべく前記脚部を取り巻いて配置されている、請求項6に記載の脱磁器。
- 前記ハウジングは、前記コアの前記各端面を受け入れる複数の上面開口を有し、前記コアは、その各端面が前記ハウジングの上面に一致するように配置されており、前記ハウジングの上面には、前記コアの前記各端面及び前記ハウジングの上面を覆い前記ワーク面を形成する非磁性体からなる上面板が配置されている、請求項7に記載の脱磁器。
- 筒状励磁コイル及び該筒状励磁コイルを収容する非磁性材料からなるハウジングを備え、該ハウジングには消磁対象物が載置されるワーク面が形成され、該ワーク面は前記励磁コイルへの電流の供給により単極の磁極エリアを有する脱磁器と、前記ワーク面の前記磁極エリアの極性をS極及びN極に交互に切り替えるべく前記励磁コイルに交番減衰電流を供給する電源回路とを含む、脱磁装置。
- 前記電源回路は、商用周波数よりも低い周波数の交流電流を前記励磁コイルに供給する、請求項9に記載の脱磁装置。
- 前記電源回路は、交流を整流し平滑化する整流平滑回路部と、該整流平滑回路部を経た電流をPWM制御下で交番減衰励磁電流に変換し前記励磁コイルに出力するスイッチング回路部と、該回路部の動作を制御するPWM制御回路部とを有する、請求項10に記載の脱磁装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005073490A JP2006261226A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 脱磁器及び脱磁装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005073490A JP2006261226A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 脱磁器及び脱磁装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006261226A true JP2006261226A (ja) | 2006-09-28 |
Family
ID=37100166
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005073490A Pending JP2006261226A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 脱磁器及び脱磁装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006261226A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101865129B1 (ko) * | 2017-05-31 | 2018-06-07 | 셰플러코리아(유) | 구름 베어링용 궤도륜 탈자 장치 |
JP2022162228A (ja) * | 2021-04-12 | 2022-10-24 | 株式会社 菱小 | 消磁方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5726415A (en) * | 1980-07-23 | 1982-02-12 | Hideo Suzuki | Demagnetizing method |
JPS62184706U (ja) * | 1986-05-16 | 1987-11-24 | ||
JP2000208326A (ja) * | 1999-01-18 | 2000-07-28 | Shimizu Corp | 建築消磁用台車 |
JP2000208325A (ja) * | 1999-01-18 | 2000-07-28 | Shimizu Corp | 鉄筋・鉄骨の消磁装置 |
-
2005
- 2005-03-15 JP JP2005073490A patent/JP2006261226A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5726415A (en) * | 1980-07-23 | 1982-02-12 | Hideo Suzuki | Demagnetizing method |
JPS62184706U (ja) * | 1986-05-16 | 1987-11-24 | ||
JP2000208326A (ja) * | 1999-01-18 | 2000-07-28 | Shimizu Corp | 建築消磁用台車 |
JP2000208325A (ja) * | 1999-01-18 | 2000-07-28 | Shimizu Corp | 鉄筋・鉄骨の消磁装置 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101865129B1 (ko) * | 2017-05-31 | 2018-06-07 | 셰플러코리아(유) | 구름 베어링용 궤도륜 탈자 장치 |
JP2022162228A (ja) * | 2021-04-12 | 2022-10-24 | 株式会社 菱小 | 消磁方法 |
JP7217898B2 (ja) | 2021-04-12 | 2023-02-06 | 株式会社 菱小 | 消磁方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101427066B1 (ko) | 잔류 자기를 최소화한 자성체 홀딩 장치 | |
EP1376832A4 (en) | DYNAMOELECTRIC MACHINE WITH A FIELD CONTROL COIL | |
JPH0233905A (ja) | 残留磁束を除去するための回路を備えた磁気保持装置 | |
JP2001520860A (ja) | 改良リニアアクチュエータ | |
CN101980825A (zh) | 一种带双工作面的电镀永久磁铁仪器 | |
JP2007123596A (ja) | 直流リアクトルおよびインバータ装置 | |
JP4924798B2 (ja) | 位置検出装置 | |
JP2006261226A (ja) | 脱磁器及び脱磁装置 | |
KR20020019878A (ko) | 자기 갭 부근에 영구자석을 가지는 인덕턴스 구성요소 | |
JP4343448B2 (ja) | 変圧器の製造方法 | |
JP4112474B2 (ja) | 無接点充電式機器 | |
JP2004055734A (ja) | 直流リアクトル | |
JPS5894948A (ja) | 不整面用電磁チヤツク | |
JP2010233393A (ja) | 永久磁石式回転電機 | |
JPS6116035Y2 (ja) | ||
JP2709678B2 (ja) | 永電磁式チャックの制御装置 | |
JPH0230191Y2 (ja) | ||
RU1780985C (ru) | Магнитна плита | |
JP2008265997A (ja) | リフティングマグネット駆動回路及びリフティングマグネット装置 | |
JP3326882B2 (ja) | Fddスピンドルモータ用着磁装置 | |
JP2006129657A (ja) | 磁気吸着装置の異常検出装置 | |
JPH0536529A (ja) | 脱磁方法および脱磁装置 | |
JP2003022919A (ja) | 磁気素子 | |
JPS5814578Y2 (ja) | 鋼板等の交流消磁器 | |
JP2006191003A (ja) | 消磁装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080107 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100601 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20101019 |