JP2006258897A - 反射防止膜付き透明基材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 強度、密着性、柔軟性、屈曲性などに優れ、反射光ムラを抑制するとともに、帯電防止性、導電性などの電気的特性や、光学的特性を付与することができる反射防止膜付き透明基材を提供する。
【解決手段】 本発明の反射防止膜付き透明基材10は、透明基材1の一主面1aに、透明基材1との屈折率差が0.5以下、厚みが30nm以上かつ180nm以下の第一層2、透明基材1との屈折率差が0.02以上かつ0.5以下、厚みが0.03μm以上かつ10μm以下の第二層3、および、透明基材1との屈折率差が0.1以上かつ0.4以下、厚みが50nm以上かつ150nm以下の第三層4を順次積層してなる反射防止膜5を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の反射防止膜付き透明基材10は、透明基材1の一主面1aに、透明基材1との屈折率差が0.5以下、厚みが30nm以上かつ180nm以下の第一層2、透明基材1との屈折率差が0.02以上かつ0.5以下、厚みが0.03μm以上かつ10μm以下の第二層3、および、透明基材1との屈折率差が0.1以上かつ0.4以下、厚みが50nm以上かつ150nm以下の第三層4を順次積層してなる反射防止膜5を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、反射防止膜付き透明基材に関し、さらに詳しくは、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、ブラウン管(CRT)、プロジェクション(PJTV)などの各種画像表示装置の表示面における反射防止機能を向上させる場合に好適に用いられ、特に、基材の一主面上に、易接着層、無機微粒子と有機系バインダーとを含有するハードコート層、および、屈折率の低い透明層を積層してなる反射防止膜を備え、強度、密着性、柔軟性、屈曲性などに優れ、反射光ムラを抑制するとともに、帯電防止性、導電性などの電気的特性や、光学的特性を付与することができる反射防止膜付き透明基材に関するものである。
従来、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、ブラウン管(CRT)、プロジェクション(PJTV)などの各種画像表示装置では、その画像表示部の表示面にて外部からの光や影像が反射することにより、画像表示部に表示される画像や、画像表示部の内部を不明瞭にするなどの問題点が指摘されている。
このような反射を防止する方法としては、例えば、スパッタリング法や蒸着法により、画像表示部を構成するポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチック基材やガラス基材の表面に直接、反射防止機能を有する光学薄膜を設ける方法が挙げられる。
しかしながら、近年、各種画像表示装置の大型化、フラット化、低価格化に伴って、画像表示部に設けられる光学薄膜に対しても大型化、製造コストの低減などが要望されている。
そこで、大型化への対応が容易である、製造が容易である、製造コストの低減が可能であるなどの理由から、画像表示装置の画像表示部の表示面に帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムを貼着する技術が提案されている。
そこで、大型化への対応が容易である、製造が容易である、製造コストの低減が可能であるなどの理由から、画像表示装置の画像表示部の表示面に帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムを貼着する技術が提案されている。
このような帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムの一例としては、図2に示すように、基材としての透明プラスチックフィルム11と、この透明プラスチックフィルム11の一主面11aに、易接着層12、透明ハードコート層13、透明低屈折率中間層14、透明高屈折率導電層15、および、透明低屈折率層16を順次積層してなる反射防止膜17とを少なくとも備えた帯電防止・反射防止膜付き透明フィルム20が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。帯電防止・反射防止膜17を構成する透明ハードコート層13、透明低屈折率中間層14、透明高屈折率導電層15、透明低屈折率層16などは、薄膜技術により形成される。
また、帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムの他の例としては、透明な基材フィルムと、この基材フィルムの一主面に順次積層された易接着層と、ハードコート層と、反射防止層とからなり、蒸着法と塗布法を併用した薄膜技術により形成されるものが挙げられる(例えば、特許文献2参照)。
さらに、帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムのもう一つの例としては、透明基体と、その片面もしくは両面に、直接あるいは他の層を介して設けられたハードコート層と、このハードコート層の上に設けられた、ハードコート層よりも屈折率の低い低屈折率層とからなり、塗布法の薄膜技術により形成されるものが挙げられる(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−21701号公報
特開2004−163752号公報
特開平11−305007号公報
また、帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムの他の例としては、透明な基材フィルムと、この基材フィルムの一主面に順次積層された易接着層と、ハードコート層と、反射防止層とからなり、蒸着法と塗布法を併用した薄膜技術により形成されるものが挙げられる(例えば、特許文献2参照)。
さらに、帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムのもう一つの例としては、透明基体と、その片面もしくは両面に、直接あるいは他の層を介して設けられたハードコート層と、このハードコート層の上に設けられた、ハードコート層よりも屈折率の低い低屈折率層とからなり、塗布法の薄膜技術により形成されるものが挙げられる(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、図2に示す帯電防止・反射防止膜付き透明フィルム20のように、蒸着法やスパッタリング法などの薄膜技術を用いて帯電防止・反射防止膜17を形成すると、製造コストが高い上に、量産性に劣るという問題点があった。
また、塗工法を用いて透明導電層や透明反射防止層などを形成した帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムは、量産性に優れるものの、可視光の反射率を低くするためには、複数の層を形成する必要があるので、製造コストが高くなるという問題点があった。一方、製造コストを低減するために、層数を減らすと光学特性が劣化したり、膜の強度が低下したりするなどの問題点があった。
また、塗工法を用いて透明導電層や透明反射防止層などを形成した帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムは、量産性に優れるものの、可視光の反射率を低くするためには、複数の層を形成する必要があるので、製造コストが高くなるという問題点があった。一方、製造コストを低減するために、層数を減らすと光学特性が劣化したり、膜の強度が低下したりするなどの問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、強度、密着性、柔軟性、屈曲性などに優れ、反射光ムラを抑制するとともに、帯電防止性、導電性などの電気的特性や、光学的特性を付与することができる反射防止膜付き透明基材を提供することを目的とする。
本発明者等は、反射光ムラを抑制するとともに、帯電防止性、導電性などの電気的特性や、光学的特性を付与することができる反射防止膜付き透明基材について鋭意検討した結果、透明基材の一主面に、前記透明基材との屈折率差が0.5以下、厚みが30nm以上かつ180nm以下の第一層、前記透明基材との屈折率差が0.02以上かつ0.5以下、厚みが0.03μm以上かつ10μm以下の第二層、および、前記透明基材との屈折率差が0.1以上かつ0.4以下、厚みが50nm以上かつ150nm以下の第三層を順次積層してなる反射防止膜を備えた構成とすることにより、強度、密着性、柔軟性、屈曲性などに優れ、反射光ムラを抑制するとともに、帯電防止性、導電性などの電気的特性や、光学的特性を付与することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の反射防止膜付き透明基材は、透明基材の一主面に、前記透明基材との屈折率差が0.5以下、厚みが30nm以上かつ180nm以下の第一層、前記透明基材との屈折率差が0.02以上かつ0.5以下、厚みが0.03μm以上かつ10μm以下の第二層、および、前記透明基材との屈折率差が0.1以上かつ0.4以下、厚みが50nm以上かつ150nm以下の第三層を順次積層してなる反射防止膜を備えたことを特徴とする。
前記透明基材は、平均屈折率が1.55以上の高分子フィルムであることが好ましい。
前記高分子フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
前記第一層は、ポリエステル誘導体を含有することが好ましい。
前記高分子フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
前記第一層は、ポリエステル誘導体を含有することが好ましい。
前記第二層は、屈折率が1.55以上の高分子化合物を含有することが好ましい。
前記第二層は、無機微粒子を含有することが好ましい。
前記第三層は、フルオロアルキルシラン誘導体、中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の少なくともいずれか1種を含有することが好ましい。
前記第二層は、無機微粒子を含有することが好ましい。
前記第三層は、フルオロアルキルシラン誘導体、中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の少なくともいずれか1種を含有することが好ましい。
前記高分子化合物は、その骨格内にベンゼン環を少なくとも1つ含むことが好ましい。
前記高分子化合物は、フルオレン誘導体を含有することが好ましい。
前記高分子化合物は、フルオレン誘導体を含有することが好ましい。
前記無機微粒子は、導電性微粒子であることが好ましい。
前記導電性微粒子は、アンチモンドープ酸化錫であることが好ましい。
前記アンチモンドープ酸化錫は、平均粒子径が5nm以上かつ100nm以下であることが好ましい。
前記導電性微粒子は、アンチモンドープ酸化錫であることが好ましい。
前記アンチモンドープ酸化錫は、平均粒子径が5nm以上かつ100nm以下であることが好ましい。
本発明の反射防止膜付き透明基材によれば、透明基材の一主面に、前記透明基材との屈折率差が0.5以下、厚みが30nm以上かつ180nm以下の第一層、前記透明基材との屈折率差が0.02以上かつ0.5以下、厚みが0.03μm以上かつ10μm以下の第二層、および、前記透明基材との屈折率差が0.1以上かつ0.4以下、厚みが50nm以上かつ150nm以下の第三層を順次積層してなる反射防止膜を備えたものとしたので、反射防止膜の層の数を従来よりも少なくし、厚みも薄くすることができるばかりでなく、強度、密着性、柔軟性、屈曲性などに優れ、反射光ムラを抑制することができるとともに、画像表示装置の画像表示部の表示面に帯電防止性、導電性などの電気的特性や、光学的特性を付与することができる。
本発明の反射防止膜付き透明基材の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本実施形態の反射防止膜付き透明基材を示す概略断面図である。
本実施形態の反射防止膜付き透明基材10は、透明基材1と、この透明基材1の一主面1aに、第一層2、第二層3および第三層4を順次積層してなる反射防止膜5とから概略構成され、第一層2は透明基材1との屈折率差が0.5以下、厚みが30nm以上かつ180nm以下であり、第二層3は透明基材1との屈折率差が0.02以上かつ0.5以下、厚みが0.03μm以上かつ10μm以下であり、第三層4は透明基材1との屈折率差が0.1以上かつ0.4以下、厚みが50nm以上かつ150nm以下である。
本実施形態の反射防止膜付き透明基材10は、透明基材1と、この透明基材1の一主面1aに、第一層2、第二層3および第三層4を順次積層してなる反射防止膜5とから概略構成され、第一層2は透明基材1との屈折率差が0.5以下、厚みが30nm以上かつ180nm以下であり、第二層3は透明基材1との屈折率差が0.02以上かつ0.5以下、厚みが0.03μm以上かつ10μm以下であり、第三層4は透明基材1との屈折率差が0.1以上かつ0.4以下、厚みが50nm以上かつ150nm以下である。
また、第一層2は透明基材1との屈折率差が0.001以上かつ0.10以下、厚みが80nm以上かつ130nm以下であることがより好ましく、第二層3は透明基材1との屈折率差が0.02以上かつ0.15以下、厚みが500nm以上かつ6000nm以下であることがより好ましく、第三層4は透明基材1との屈折率差が0.2以上かつ0.3以下、厚みが70nm以上かつ130nm以下であることがより好ましい。
第一層2は透明基材1との屈折率差が0.5以下、厚みが30nm以上かつ180nm以下とした理由は、屈折率差が0.5を超えると反射防止効果が得られず、また、厚みが30nm未満では第二層3との密着性が低くなり、一方、厚みが180nmを超えると反射光ムラが多くなる。
また、第二層3は透明基材1との屈折率差が0.02以上かつ0.5以下、厚みが0.03μm以上かつ10μm以下とした理由は、屈折率差が0.02未満もしくは0.5を超えると反射防止効果が得られず、また、厚みが0.03μm未満ではスチールウール硬度および鉛筆硬度が低く、一方、厚みが10μmを超えると、均一な膜を成膜することが難しく、材料の使用量も増えるため、製造コストが割高となる。
また、第三層4は透明基材1との屈折率差が0.1以上かつ0.4以下、厚みが50nm以上かつ150nm以下とした理由は、屈折率差が0.1未満では充分な反射防止効果が得られず、一方、屈折率差が0.4を超え、十分な強度を満たす材料は存在しない。また、厚みが50nm未満もしくは150nmを超えると、可視光領域における反射防止効果が得られない。
透明基材1としては、十分な強度があり、透明な高分子フィルムであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアリレートフィルム、ノルボルネン系フィルム、非晶質ポリオレフィンフィルムなどの透明プラスチックフィルムなどが挙げられる。
また、透明基材1の厚みは特に限定されないが、通常40μm〜200μm程度の厚みから適宜選択される。
厚みが上記の範囲内の透明基材1を用いれば、反射防止膜付き透明基材10には、しわが発生し難い。また、反射防止膜付き透明基材10は画像表示装置の画像表示部に貼着される際に必要以上に伸びなくなるため、反射防止膜付き透明基材10は破断することもない。
厚みが上記の範囲内の透明基材1を用いれば、反射防止膜付き透明基材10には、しわが発生し難い。また、反射防止膜付き透明基材10は画像表示装置の画像表示部に貼着される際に必要以上に伸びなくなるため、反射防止膜付き透明基材10は破断することもない。
このような透明基材1の中でも、平均屈折率が1.55以上の高分子フィルムが好ましく、平均屈折率が1.60以上かつ1.70以下の高分子フィルムがより好ましい。特に、このような高分子フィルムの中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
第一層2は、第二層3を透明基材1の一主面1aに接着するための易接着層である。この易接着層をなす樹脂としては、透明なものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。このような樹脂の中でも、ポリエステル誘導体を含有するものが好ましい。このポリエステル誘導体を含有する樹脂からなる第一層2は、基材1および第二層3への密着性に優れている。
第二層3は、樹脂からなるハードコート層である。このハードコート層をなす樹脂としては、透明なものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂などの熱硬化型樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂などの紫外線硬化型樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の中でも、第二層3を高屈折率化するためなどの理由から、屈折率が1.55以上の高分子化合物を含有するものが好ましい。
この屈折率が1.55以上の高分子化合物としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの高分子化合物の中でも、第二層3を高屈折率化することができるとともに、第一層2との密着性に優れ、透明性、強度などにも優れるなどの理由から、アクリル系樹脂が好ましい。このアクリル系樹脂としては、多官能アクリレート化合物、単官能アクリレート化合物、およびこれらの混合物などが挙げられる。
この高分子化合物の中でも、屈折率をより高くする効果があり、強度や耐薬品性などが劣らないといった理由から、その骨格内にベンゼン環を少なくとも1つ含むものが好ましい。
また、この高分子化合物は、透明性、耐熱性、高屈折率性などに優れるなどの理由から、フルオレン誘導体を含有するものが好ましい。
また、第二層3は、無機微粒子を含有することが好ましい。この無機微粒子としては、例えば、導電性微粒子、高屈折微粒子、着色微粒子などが挙げられる。例えば、第二層3に導電性微粒子を含有させれば、第二層3に導電性、帯電防止性を付与することができる。
この導電性微粒子としては、例えば、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、錫ドープ酸化インジウム、アンチモン酸亜鉛、五酸化アンチモン、アルミドープ酸化錫などが挙げられる。これらの導電性微粒子の中でも、導電性、透明性、帯電防止性に優れるなどの理由から、アンチモンドープ酸化錫が好ましい。
また、このアンチモンドープ酸化錫の平均粒子径は5nm以上かつ100nm以下であることが好ましく、5nm以上かつ50nm以下であることがより好ましい。
アンチモンドープ酸化錫の平均粒子径を5nm以上かつ100nm以下とした理由は、アンチモンドープ酸化錫の平均粒子径が5nm未満では、凝集が起こり、分散性が劣化する可能性が大きくなり、一方、アンチモンドープ酸化錫の平均粒子径が100nmを超えると、光散乱により第二層3が白化し、透明性が失われるからである。
アンチモンドープ酸化錫の平均粒子径を5nm以上かつ100nm以下とした理由は、アンチモンドープ酸化錫の平均粒子径が5nm未満では、凝集が起こり、分散性が劣化する可能性が大きくなり、一方、アンチモンドープ酸化錫の平均粒子径が100nmを超えると、光散乱により第二層3が白化し、透明性が失われるからである。
また、この無機微粒子の第二層3をなす樹脂に対する含有量は、目的とする導電性、帯電防止性に応じて適宜調整されるが、第二層3をなす樹脂100重量部に対して、無機微粒子が30重量部以上かつ50重量部以下の割合で含まれることが好ましい。第二層3をなす樹脂100重量部に対する無機微粒子の含有量を30重量部以上かつ50重量部以下とした理由は、無機微粒子の含有量が30重量部未満では、導電性、帯電防止性が不十分であり、反射防止膜付き透明基材10は帯電防止膜として十分に機能しないからである。一方、無機微粒子の含有量が50重量部を超えると、光散乱により第二層3が白化し、透明性が失われるとともに、第二層3の第一層2への密着性が劣化するからである。
第三層4は、低屈折率層である。この低屈折率層としては、透明なバインダーであれば、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコンレジン、オルガノシロキサン、ポリシロキサンなどが挙げられる。
また、第三層4は、フルオロアルキルシラン誘導体、中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の少なくともいずれか1種を含有することが好ましい。
第三層4は、フルオロアルキルシラン誘導体、中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の少なくともいずれか1種を含有していれば、第三層4をより低屈折率化することができる。
第三層4は、フルオロアルキルシラン誘導体、中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の少なくともいずれか1種を含有していれば、第三層4をより低屈折率化することができる。
また、この中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の平均粒子径は5nm以上かつ100nm以下であることが好ましい。
中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の平均粒子径を5nm以上かつ100nm以下とした理由は、中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の平均粒子径が5nm未満では、凝集が起こり、分散性が劣化する可能性が大きくなり、一方、中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の平均粒子径が100nmを超えると、光散乱により第二層3が白化し、透明性が失われるからである。
中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の平均粒子径を5nm以上かつ100nm以下とした理由は、中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の平均粒子径が5nm未満では、凝集が起こり、分散性が劣化する可能性が大きくなり、一方、中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の平均粒子径が100nmを超えると、光散乱により第二層3が白化し、透明性が失われるからである。
また、このフルオロアルキルシラン誘導体、中空シリカ粒子または多孔質状のシリカ粒子の第三層4をなすバインダーに対する含有量は、目的とする屈折率に応じて適宜調整されるが、第三層4をなすバインダー100重量部に対して、フルオロアルキルシラン誘導体、中空シリカ粒子または多孔質状のシリカ粒子が50重量部以上かつ400重量部以下の割合で含まれることが好ましい。第三層4をなすバインダー100重量部に対するルオロアルキルシラン誘導体、中空シリカ粒子または多孔質状のシリカ粒子の含有量を50重量部以上かつ400重量部以下とした理由は、ルオロアルキルシラン誘導体、中空シリカ粒子または多孔質状のシリカ粒子の含有量が50重量部未満では、第三層4を十分に低屈折率化することができないからである。一方、ルオロアルキルシラン誘導体、中空シリカ粒子または多孔質状のシリカ粒子の含有量が400重量部を超えると、光散乱により第三層4が白化し、透明性が失われるとともに、第三層4の第二層3への密着性および鉛筆硬度、スチールウール硬度が劣化するからである。
本実施形態の反射防止膜付き透明基材は、画像表示装置の画像表示部の表示面に貼着して、この表示面に反射防止機能を付与するためには、透過率が高いことが好ましく、例えば、全光線透過率が88%以上、ヘイズ(曇価)が2.0%以下であることが好ましい。
本実施形態の反射防止膜付き透明基材は、画像表示装置の画像表示部の表示面に貼着して、この表示面の反射光ムラを抑制するためには、反射率が低いことが好ましく、例えば、最低反射率が2.0%以下、視感度反射率が2.0%以下、第三層4の表面の水に対する接触角が100度以上であることが好ましい。
本実施形態の反射防止膜付き透明基材は、画像表示装置の画像表示部の表示面に貼着して、この表示面に帯電防止性を付与するためには、表面抵抗値が低いことが好ましく、表面抵抗値が1×1011Ω/□未満であることが好ましい。
本実施形態の反射防止膜付き透明基材は、画像表示装置の画像表示部の表示面に貼着して、この表示面を保護するためには、耐擦傷性に優れることが好ましく、例えば、第三層4の表面における鉛筆硬度が2H以上、スチールウール強度試験にて透明基材の表面に生じる傷が10本以下であることが好ましい。
本実施形態の反射防止膜付き透明基材は、画像表示装置の画像表示部の表示面に貼着して、反射防止機能、帯電防止機能などを発揮するためには、密着性が高いことが好ましく、例えば、碁盤目剥離法に準拠した密着性試験にて全ての碁盤目で完全に剥がれないことであることが好ましい。
本実施形態の反射防止膜付き透明基材によれば、透明基材1の一主面1aに、透明基材1との屈折率差が0.5以下、厚みが30nm以上かつ180nm以下の第一層2、透明基材1との屈折率差が0.02以上かつ0.5以下、厚みが0.03μm以上かつ10μm以下の第二層3、および、透明基材1との屈折率差が0.1以上かつ0.4以下、厚みが50nm以上かつ150nm以下の第三層4を順次積層してなる反射防止膜5を備えたものとしたので、反射防止膜5の層の数を従来よりも少なくし、強度、密着性、柔軟性、屈曲性などに優れ、反射光ムラを抑制することができるとともに、画像表示装置の画像表示部の表示面に帯電防止性、導電性などの電気的特性や、光学的特性を付与することができる。
次に、本実施形態の反射防止膜付き透明基材の製造方法を説明する。
第一層2、第二層3、第三層4のそれぞれをなす樹脂もしくはバインダーを溶媒に溶かして塗料化し、所定の粘度の第一層用塗料、第二層用塗料、第三層用塗料を調製する。第二層3を形成するための第二層用塗料には、所定量の無機微粒子を適宜添加する。また、第三層4を形成するための第三層用塗料には、所定量のフルオロアルキルシラン誘導体、中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の少なくともいずれか1種を適宜添加する。
第一層2、第二層3、第三層4のそれぞれをなす樹脂もしくはバインダーを溶媒に溶かして塗料化し、所定の粘度の第一層用塗料、第二層用塗料、第三層用塗料を調製する。第二層3を形成するための第二層用塗料には、所定量の無機微粒子を適宜添加する。また、第三層4を形成するための第三層用塗料には、所定量のフルオロアルキルシラン誘導体、中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の少なくともいずれか1種を適宜添加する。
第一層用塗料、第二層用塗料、第三層用塗料に用いられる溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、β−オキシエチルメチルエーテル(メチルセロソルブ)、β−オキシエチルエーテル(エチルセロソルブ)、ブチル−β−オキシエチルエーテル(ブチルセロソルブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエチレングリコールのモノエーテル類(セロソルブ類)、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのエステル類、などが好適に用いられる。
本実施形態の反射防止膜付き透明基材を製造するには、まず、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法、ディップ法、グラビアコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、ナイフコータ法、リバースロールコータ法、キスコータ法などの塗布方法により、透明基材1の一主面1aに第一層用塗料を塗布し、その後、例えば、紫外線照射、ドライヤーやエアブローによる乾燥などにより第一層2を形成する。
次いで、上記と同様の方法により、第一層2の上に第二層用塗料を塗布し、その後、上記と同様の方法により第二層3を形成する。
次いで、上記と同様の方法により、第二層3の上に第三層用塗料を塗布し、その後、上記と同様の方法により第三層4を形成し、反射防止膜付き透明基材10を得る。
次いで、上記と同様の方法により、第二層3の上に第三層用塗料を塗布し、その後、上記と同様の方法により第三層4を形成し、反射防止膜付き透明基材10を得る。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1」
多官能アクリレート化合物(DPHA:日本化薬社製)20.0g、多官能アクリレート化合物(BPEF、新中村化学社製)5.0g、アンチモンドープ酸化錫分散液(住友大阪セメント社製)10.0g、トルエン65.0gを配合し、攪拌混合して塗料Aとした。
テトラエトキシシラン7.0g、フルオロシラン8.0g、硝酸(1規定)0.3g、純水9.0g、メタノール72.78g、プロピレングリコールモノメチルエーテル10.0g、変性シリコーンオイル(SF8427:東レダウコーニング社製)0.15gを配合し、攪拌混合して塗料Bとした。
次いで、厚み100μmのPETフィルム上に厚み100nmの易接着層が設けられた高屈折率易接着層付きPETフィルムの一主面(易接着層上)に、バーコート法により、塗料Aを塗布し、この塗料Aを80℃にて1分間乾燥させた後、紫外線(500mJ)を照射して硬化させ、厚み1.0μmの透明なハードコート層を形成した。
塗料Aの乾燥には、乾燥機を用いた。また、塗料Aの硬化には、波長365nmの紫外線を主ピークとする高圧水銀灯を備えた紫外線照射装置を用いた。
次いで、このハードコート層上に、バーコート法により、塗料Bを塗布し、この塗料Bを150℃にて1分間乾燥させて、厚み0.1μmの透明な低屈折率層を形成し、反射防止膜付き透明基材を得た。
塗料Bの乾燥には、乾燥機を用いた。
多官能アクリレート化合物(DPHA:日本化薬社製)20.0g、多官能アクリレート化合物(BPEF、新中村化学社製)5.0g、アンチモンドープ酸化錫分散液(住友大阪セメント社製)10.0g、トルエン65.0gを配合し、攪拌混合して塗料Aとした。
テトラエトキシシラン7.0g、フルオロシラン8.0g、硝酸(1規定)0.3g、純水9.0g、メタノール72.78g、プロピレングリコールモノメチルエーテル10.0g、変性シリコーンオイル(SF8427:東レダウコーニング社製)0.15gを配合し、攪拌混合して塗料Bとした。
次いで、厚み100μmのPETフィルム上に厚み100nmの易接着層が設けられた高屈折率易接着層付きPETフィルムの一主面(易接着層上)に、バーコート法により、塗料Aを塗布し、この塗料Aを80℃にて1分間乾燥させた後、紫外線(500mJ)を照射して硬化させ、厚み1.0μmの透明なハードコート層を形成した。
塗料Aの乾燥には、乾燥機を用いた。また、塗料Aの硬化には、波長365nmの紫外線を主ピークとする高圧水銀灯を備えた紫外線照射装置を用いた。
次いで、このハードコート層上に、バーコート法により、塗料Bを塗布し、この塗料Bを150℃にて1分間乾燥させて、厚み0.1μmの透明な低屈折率層を形成し、反射防止膜付き透明基材を得た。
塗料Bの乾燥には、乾燥機を用いた。
「実施例2」
テトラエトキシシラン7.0g、フルオロシラン8.0g、中空シリカゾル(触媒化成社製)1.0g、硝酸(1規定)0.3g、純水9.0g、メタノール72.78g、プロピレングリコールモノメチルエーテル10.0g、変性シリコーンオイル(SF8427:東レダウコーニング社製)0.15gを配合し、攪拌混合して塗料Cとした。
次いで、実施例1と同様にして、塗料Aを用いて、厚み100μmのPETフィルム上に厚み100nmの易接着層が設けられた高屈折率易接着層付きPETフィルムの一主面(易接着層上)に、厚み1.0μmの透明なハードコート層を形成した。
次いで、このハードコート層上に、バーコート法により、塗料Cを塗布し、この塗料Cを150℃にて1分間乾燥させて、厚み0.1μmの透明な低屈折率層を形成し、反射防止膜付き透明基材を得た。
塗料Cの乾燥には、乾燥機を用いた。
テトラエトキシシラン7.0g、フルオロシラン8.0g、中空シリカゾル(触媒化成社製)1.0g、硝酸(1規定)0.3g、純水9.0g、メタノール72.78g、プロピレングリコールモノメチルエーテル10.0g、変性シリコーンオイル(SF8427:東レダウコーニング社製)0.15gを配合し、攪拌混合して塗料Cとした。
次いで、実施例1と同様にして、塗料Aを用いて、厚み100μmのPETフィルム上に厚み100nmの易接着層が設けられた高屈折率易接着層付きPETフィルムの一主面(易接着層上)に、厚み1.0μmの透明なハードコート層を形成した。
次いで、このハードコート層上に、バーコート法により、塗料Cを塗布し、この塗料Cを150℃にて1分間乾燥させて、厚み0.1μmの透明な低屈折率層を形成し、反射防止膜付き透明基材を得た。
塗料Cの乾燥には、乾燥機を用いた。
「比較例1」
多官能アクリレート化合物(DPHA:日本化薬社製)30.0gを、トルエン70.0gに溶解し、塗料Dとした。
アンチモンドープ酸化錫分散液(住友大阪セメント社製)17.0g、テトラメトキシシラン1.5g、アルミニウムアセチルアセトナート0.1g、イソブチルアルコール15.0g、ジアセトンアルコール10.0g、イソプロピルアルコール51.4gを配合し、攪拌混合して塗料Eとした。
テトラエトキシシラン4.16g、硝酸(1規定)0.14g、純水1.8g、エタノール4.05gを配合し、攪拌混合して溶液を調製した。
この溶液に、酸化チタン微粉末(P25、平均一次粒子径21nm、日本アエロジル社製)1.8g、プロピレングリコールモノメチルエーテル10.0g、エタノール78.0gを加え、超音波ホモジナイザーにより10分間分散処理を施し、塗料Fとした。
テトラエトキシシラン7.6g、硝酸(1規定)0.23g、純水9.0g、メタノール73.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル10.0g、変性シリコーンオイル(SF8427:東レダウコーニング社製)0.15gを配合し、攪拌混合して塗料Gとした。
多官能アクリレート化合物(DPHA:日本化薬社製)30.0gを、トルエン70.0gに溶解し、塗料Dとした。
アンチモンドープ酸化錫分散液(住友大阪セメント社製)17.0g、テトラメトキシシラン1.5g、アルミニウムアセチルアセトナート0.1g、イソブチルアルコール15.0g、ジアセトンアルコール10.0g、イソプロピルアルコール51.4gを配合し、攪拌混合して塗料Eとした。
テトラエトキシシラン4.16g、硝酸(1規定)0.14g、純水1.8g、エタノール4.05gを配合し、攪拌混合して溶液を調製した。
この溶液に、酸化チタン微粉末(P25、平均一次粒子径21nm、日本アエロジル社製)1.8g、プロピレングリコールモノメチルエーテル10.0g、エタノール78.0gを加え、超音波ホモジナイザーにより10分間分散処理を施し、塗料Fとした。
テトラエトキシシラン7.6g、硝酸(1規定)0.23g、純水9.0g、メタノール73.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル10.0g、変性シリコーンオイル(SF8427:東レダウコーニング社製)0.15gを配合し、攪拌混合して塗料Gとした。
次いで、厚み100μmのPETフィルム上に厚み80nmの易接着層が設けられた易接着層付きPETフィルムの一主面(易接着層上)にバーコート法により、塗料Dを塗布し、この塗料Dを80℃にて1分間乾燥させた後、紫外線(500mJ)を照射して硬化させ、厚み1.0μmの透明なハードコート層を形成した。
塗料Dの乾燥には、乾燥機を用いた。また、塗料Dの硬化には、波長365nmの紫外線を主ピークとする高圧水銀灯を備えた紫外線照射装置を用いた。
次いで、このハードコート層上に、バーコート法により、塗料Eを塗布し、この塗料Eを150℃にて1分間乾燥させて、厚み0.1μmの透明な導電層を形成した。
塗料Eの乾燥には、乾燥機を用いた。
次いで、この導電層上に、バーコート法により、塗料Fを塗布し、この塗料Fを150℃にて1分間乾燥させて、厚み0.1μmの透明な高屈折率層を形成した。
塗料Fの乾燥には、乾燥機を用いた。
次いで、この高屈折率層上に、バーコート法により、塗料Gを塗布し、この塗料Gを150℃にて1分間乾燥させて、厚み0.1μmの透明な低屈折率層を形成し、反射防止膜付き透明基材を得た。
塗料Gの乾燥には、乾燥機を用いた。
塗料Dの乾燥には、乾燥機を用いた。また、塗料Dの硬化には、波長365nmの紫外線を主ピークとする高圧水銀灯を備えた紫外線照射装置を用いた。
次いで、このハードコート層上に、バーコート法により、塗料Eを塗布し、この塗料Eを150℃にて1分間乾燥させて、厚み0.1μmの透明な導電層を形成した。
塗料Eの乾燥には、乾燥機を用いた。
次いで、この導電層上に、バーコート法により、塗料Fを塗布し、この塗料Fを150℃にて1分間乾燥させて、厚み0.1μmの透明な高屈折率層を形成した。
塗料Fの乾燥には、乾燥機を用いた。
次いで、この高屈折率層上に、バーコート法により、塗料Gを塗布し、この塗料Gを150℃にて1分間乾燥させて、厚み0.1μmの透明な低屈折率層を形成し、反射防止膜付き透明基材を得た。
塗料Gの乾燥には、乾燥機を用いた。
「評価」
以上により得られた実施例1、2および比較例1それぞれの反射防止膜付き透明基材の全光線透過率、ヘイズ(曇価)、最低反射率、ボトム波長、視感度反射率、表面抵抗値、鉛筆硬度、スチールウール硬度、密着性、水に対する接触角の各評価項目について、次の方法を用いて評価した。
(1)全光線透過率
日本工業規格JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して、反射防止膜付き透明基材の全光線透過率を測定した。
(2)ヘイズ(曇価)
日本工業規格JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して、反射防止膜付き透明基材のヘイズ値を測定した。
以上により得られた実施例1、2および比較例1それぞれの反射防止膜付き透明基材の全光線透過率、ヘイズ(曇価)、最低反射率、ボトム波長、視感度反射率、表面抵抗値、鉛筆硬度、スチールウール硬度、密着性、水に対する接触角の各評価項目について、次の方法を用いて評価した。
(1)全光線透過率
日本工業規格JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して、反射防止膜付き透明基材の全光線透過率を測定した。
(2)ヘイズ(曇価)
日本工業規格JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して、反射防止膜付き透明基材のヘイズ値を測定した。
(3)最低反射率
紫外・可視光分光光度計(V−570:日本分光社製)を用いて、反射防止膜付き透明基材の5°正反射率を測定することにより、反射防止膜付き透明基材の最低反射率を測定した。
(4)ボトム波長
上記の最低反射率を示す波長を読み取り、ボトム波長を測定した。
紫外・可視光分光光度計(V−570:日本分光社製)を用いて、反射防止膜付き透明基材の5°正反射率を測定することにより、反射防止膜付き透明基材の最低反射率を測定した。
(4)ボトム波長
上記の最低反射率を示す波長を読み取り、ボトム波長を測定した。
(5)視感度反射率
紫外・可視光分光光度計(V−570:日本分光社製)を用いて、反射防止膜付き透明基材の5°正反射率を測定し、この測定値に比視感度値を掛けて、反射防止膜付き透明基材の視感度反射率を算出した。
(6)表面抵抗値
日本工業規格JIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して、反射防止膜付き透明基材の表面抵抗値を測定した。
紫外・可視光分光光度計(V−570:日本分光社製)を用いて、反射防止膜付き透明基材の5°正反射率を測定し、この測定値に比視感度値を掛けて、反射防止膜付き透明基材の視感度反射率を算出した。
(6)表面抵抗値
日本工業規格JIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して、反射防止膜付き透明基材の表面抵抗値を測定した。
(7)鉛筆硬度
日本工業規格JIS K 5600−5−4「塗料一般試験法」に準拠して、反射防止膜付き透明基材の鉛筆硬度を測定した。
(8)スチールウール硬度
#0000のスチールウールに、250g/cm2の荷重を負荷しながら、反射防止膜付き透明基材の低屈折率層の表面上を10回往復させた後、低屈折率層の表面に発生した傷の本数を測定した。評価の基準を、目視にて確認できる傷の本数とした。
日本工業規格JIS K 5600−5−4「塗料一般試験法」に準拠して、反射防止膜付き透明基材の鉛筆硬度を測定した。
(8)スチールウール硬度
#0000のスチールウールに、250g/cm2の荷重を負荷しながら、反射防止膜付き透明基材の低屈折率層の表面上を10回往復させた後、低屈折率層の表面に発生した傷の本数を測定した。評価の基準を、目視にて確認できる傷の本数とした。
(9)密着性
日本工業規格JIS K 5600−5−6「塗料一般試験法」の碁盤目剥離法の操作に準拠して、低屈折率層の表面にて、10mm角の各辺にカッターナイフで1mm間隔の切り込みを、縦11本、横11本入れ、合計100個の升目を形成し、その上に24mm幅のセロハンテープを密着させ、素早くこのセロハンテープを60度方向に強制剥離した。セロハンテープの密着、剥離を3回繰り返し、残存する升目の数を測定した。
(10)水に対する接触角
日本工業規格JIS R 3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準拠して、動的接触角測定装置(協和界面化学社製)を用いて、反射防止膜付き透明基材の低屈折率層の表面の純水に対する接触角を測定した。
実施例1、2および比較例1の反射防止膜付き透明基材の評価結果を表1に示す。また、実施例1、2の反射防止膜付き透明基材を構成する各層の屈折率を表2に示す。
日本工業規格JIS K 5600−5−6「塗料一般試験法」の碁盤目剥離法の操作に準拠して、低屈折率層の表面にて、10mm角の各辺にカッターナイフで1mm間隔の切り込みを、縦11本、横11本入れ、合計100個の升目を形成し、その上に24mm幅のセロハンテープを密着させ、素早くこのセロハンテープを60度方向に強制剥離した。セロハンテープの密着、剥離を3回繰り返し、残存する升目の数を測定した。
(10)水に対する接触角
日本工業規格JIS R 3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準拠して、動的接触角測定装置(協和界面化学社製)を用いて、反射防止膜付き透明基材の低屈折率層の表面の純水に対する接触角を測定した。
実施例1、2および比較例1の反射防止膜付き透明基材の評価結果を表1に示す。また、実施例1、2の反射防止膜付き透明基材を構成する各層の屈折率を表2に示す。
実施例1および2は、PETフィルムの一主面に、PETフィルムとの屈折率差が0.5以下、厚みが30nm以上かつ180nm以下の易接着層、PETフィルムとの屈折率差が0.02以上かつ0.5以下、厚みが0.03μm以上かつ10μm以下のハードコート層、および、PETフィルムとの屈折率差が0.1以上かつ0.4以下、厚みが50nm以上かつ150nm以下の低屈折率層を順次積層してなる反射防止膜を備えた反射防止膜付き透明基材を用い、一方、比較例1は、PETフィルムの一主面に、易接着層、ハードコート層、導電層、高屈折率層、低屈折率層を順次積層してなる反射防止膜を備えた反射防止膜付き透明基材を用いたが、実施例1および2の反射防止膜付き透明基材の特性は、比較例1の反射防止膜付き透明基材と同等かまたはそれ以上であった。すなわち、実施例1および2の反射防止膜付き透明基材は、層の数を少なくしたにもかかわらず、反射光ムラが生じることなく、外観が良好であるとともに、密着性にも優れていた。また、耐擦傷性、耐汚染性に優れたものであった。
本発明の反射防止膜付き透明基材は、透明基材の一主面に、前記透明基材との屈折率差が0.5以下、厚みが30nm以上かつ180nm以下の第一層、前記透明基材との屈折率差が0.02以上かつ0.5以下、厚みが0.03μm以上かつ10μm以下の第二層、および、前記透明基材との屈折率差が0.1以上かつ0.4以下、厚みが50nm以上かつ150nm以下の第三層を順次積層してなる反射防止膜を備えたものとしたので、反射防止膜の層の数を従来よりも少なくしたにもかかわらず、反射光ムラが生じることなく、外観が良好であるとともに、密着性にも優れ、かつ、耐擦傷性、耐汚染性に優れたものであるから、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置に適用可能であることはもちろんのこと、屋外表示板などの建材にも適用可能であり、その効果は大である。
1 透明基材
2 第一層
3 第二層
4 第三層
5 反射防止膜
10 反射防止膜付き透明基材
2 第一層
3 第二層
4 第三層
5 反射防止膜
10 反射防止膜付き透明基材
Claims (12)
- 透明基材の一主面に、前記透明基材との屈折率差が0.5以下、厚みが30nm以上かつ180nm以下の第一層、前記透明基材との屈折率差が0.02以上かつ0.5以下、厚みが0.03μm以上かつ10μm以下の第二層、および、前記透明基材との屈折率差が0.1以上かつ0.4以下、厚みが50nm以上かつ150nm以下の第三層を順次積層してなる反射防止膜を備えたことを特徴とする反射防止膜付き透明基材。
- 前記透明基材は、平均屈折率が1.55以上の高分子フィルムであることを特徴とする請求項1記載の反射防止膜付き透明基材。
- 前記高分子フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項2記載の反射防止膜付き透明基材。
- 前記第一層は、ポリエステル誘導体を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の反射防止膜付き透明基材。
- 前記第二層は、屈折率が1.55以上の高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の反射防止膜付き透明基材。
- 前記第二層は、無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の反射防止膜付き透明基材。
- 前記第三層は、フルオロアルキルシラン誘導体、中空シリカ粒子、多孔質状のシリカ粒子の少なくともいずれか1種を含有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の反射防止膜付き透明基材。
- 前記高分子化合物は、その骨格内にベンゼン環を少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項5記載の反射防止膜付き透明基材。
- 前記高分子化合物は、フルオレン誘導体を含有することを特徴とする請求項5記載の反射防止膜付き透明基材。
- 前記無機微粒子は、導電性微粒子であることを特徴とする請求項6記載の反射防止膜付き透明基材。
- 前記導電性微粒子は、アンチモンドープ酸化錫であることを特徴とする請求項10記載の反射防止膜付き透明基材。
- 前記アンチモンドープ酸化錫は、平均粒子径が5nm以上かつ100nm以下であることを特徴とする請求項11記載の反射防止膜付き透明基材。
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WO2009145075A1 (ja) * | 2008-05-28 | 2009-12-03 | 東レ株式会社 | 積層ポリエステルフィルムおよび反射防止フィルム |
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-
2005
- 2005-03-15 JP JP2005072831A patent/JP2006258897A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014028522A (ja) * | 2008-05-28 | 2014-02-13 | Toray Ind Inc | 積層ポリエステルフィルムおよび反射防止フィルム |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091006 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100223 |