JP2006258859A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】
安全性を確保しつつ画素境界における網目状の暗部によって生じる目障り感のないプロジェクタを提供する。
【解決手段】
レーザ光LLが各画素領域PPLに重畳して投影領域DD上X方向を正の向きに走査する際にY方向について画素境界BDを照射し、レーザ光LLが各画素領域PPLに重畳せず投影領域DD上X方向を負の向きに走査する際にX方向について画素境界BDを照射することにより、X及びY方向の双方について画素境界BDによる暗部が生じなくなり、網目状の暗部のない明るい画像を提供することができる。
【選択図】
図2
安全性を確保しつつ画素境界における網目状の暗部によって生じる目障り感のないプロジェクタを提供する。
【解決手段】
レーザ光LLが各画素領域PPLに重畳して投影領域DD上X方向を正の向きに走査する際にY方向について画素境界BDを照射し、レーザ光LLが各画素領域PPLに重畳せず投影領域DD上X方向を負の向きに走査する際にX方向について画素境界BDを照射することにより、X及びY方向の双方について画素境界BDによる暗部が生じなくなり、網目状の暗部のない明るい画像を提供することができる。
【選択図】
図2
Description
本発明は、レーザ光を利用し、離れた位置から像光をスクリーンに投射するプロジェクタに関する。
プロジェクタは、種々の画像供給装置(例えばコンピュータ等)からの画像信号に応じて画像をスクリーン等に投射して表示する画像表示装置である。プロジェクタにおける画像形成方法としては、主に透過型の液晶パネルや反射型の液晶パネル、あるいは、デジタルマイクロミラーデバイスを用いたもの等が一般的に知られている。いずれのタイプのプロジェクタにおいても、画像を形成する画素の画素境界が、画像信号用の配線領域等とそれを隠すための遮光部として存在する。特に、当該遮光部は、透過型の液晶パネルにおいて大きなものであり、これに伴い、当該画素境界も大きなものとなっている(例えば、特許文献1等)。
一方、上記とは異なる新たな方式として、光源光にレーザ光を用い、レーザ光を二次元方向に走査させることにより画像を表示するレーザプロジェクタが知られている(例えば、特許文献2等)。
特開2001−21875号公報
特開2004−341211号公報
しかしながら、上述した一般的なプロジェクタの画像形成方法では、いずれも当該遮光部のため画素境界が網目状の暗部となり、当該箇所が暗くなって見えるといったプロジェクタ投影時に目障り感を生じ、これが視覚上の問題となっている。
一方、新方式としてのレーザプロジェクタは、光源にレーザ光を用いているために安全上の理由から出力に制限があり、特に、フロントプロジェクタ等での使用においては制限が厳しく、大きな画像の形成等は困難であるという問題がある。
そこで、本発明は、安全性を確保しつつ画素境界における網目状の暗部によって生じる目障り感のないプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るプロジェクタは、照明光を形成する光源装置と、照明光によって照明される被照明対象である光変調装置と、光変調装置を経た像光を投射光としてスクリーンに投射する投射光学系と、画像信号に応じて光変調装置を駆動する第1駆動装置と、変調された状態のレーザ光を射出するレーザ光源と、レーザ光源からのレーザ光を走査させる光走査部と、レーザ光源と光走査部とを同期させて駆動する第2駆動装置と、第1及び第2駆動装置を制御することにより、投射光とレーザ光とをスクリーン上の投影領域で重畳させる制御装置とを備える。ここで、「投影領域」とは、スクリーン上に形成される一領域であり、特に投射光とレーザ光とによる画像が投影されるべき範囲を意味する。
上記プロジェクタにおいては、投影画像を形成する投射光とレーザ光とを、制御装置によりスクリーン上の投影領域で重畳させるので、投射光による投影画像とレーザ光による投影画像とを投影領域上で重ね合わせて1つの画像とすることができる。これにより、投射光のみによる投影画像の場合にスクリーン上に形成される画素境界の網目を目立たなくすることができる。また、この際、用いるレーザ光の出力を抑えることで使用上の安全性も確保される。
また、本発明の具体的な態様として、制御装置が、第2駆動装置を介してレーザ光源を動作させることにより、投射光によって投影領域に形成される投射画素間の境界を補填する位置にレーザ光を入射させる。ここで、「境界を補填する」とは、当該境界の全部又は一部について埋め合わせを行うことを意味する。この場合、当該補填によって境界における網目状の暗部によって生じる目障り感をなくすことができ、視覚上の問題が解消される。
また、本発明の具体的な態様として、レーザ光が、境界に集中して照射される。この場合、レーザ光の照射が特に境界に集中して行われるので、レーザ光の出力が小さくても効果的に網目状の暗部によって生じる目障り感を解消することができる。
また、本発明の具体的な態様として、プロジェクタが、投影領域の表示状態を検出する検出手段をさらに備える。この場合、検出手段の検出結果に基づいて投射光とレーザ光とをスクリーン上の投影領域において重畳させることができる。
また、本発明の具体的な態様として、制御装置が、検出手段の検出結果に基づき光走査部によるレーザ光の照射領域を調整する。ここで、「レーザ光の照射領域」とは、レーザ光が走査することによってスクリーン上を照射する領域を意味する。この場合、制御装置による制御のもと、検出手段の検出結果に基づいて光走査部によりレーザ光の照射領域を調整するので、投射光とレーザ光とをスクリーン上の投影領域において確実に重畳させることができる。
また、本発明の具体的な態様として、光変調装置を経た像光が、複数色の色光を含み、レーザ光が、複数色に対応する色レーザ光を含む。この場合、安全性を確保しつつ上記境界における網目状の暗部によって生じる視覚上の問題のないカラー画像を形成することができる。
また、本発明の具体的な態様として、第2駆動装置が、上記画像信号に応じるとともに、光変調装置に連動して変調され、走査されたレーザ光を射出させる。この場合、投射光とレーザ光とにより、投射光による投影画像とレーザ光による投影画像とを連関させ、両者を合わせた画像を統一的な画像として表示させることができる。
図1は、本実施形態に係るプロジェクタについて説明するための平面図である。本実施形態におけるプロジェクタ100は、第1プロジェクタ部分100Aと、第2プロジェクタ部分100Bと、検出手段である撮影カメラ60と、制御装置90とを備える。このうち、第1プロジェクタ部分100Aは、光源装置10と、色分離光学系20と、光変調装置30と、光合成光学系40と、投射光学系である投射レンズ50と、第1駆動装置91とを備える。また、第2プロジェクタ部分100Bは、レーザ光源70と、光走査部80と、第2駆動装置92とを備える。
第1プロジェクタ部分100Aにおいて、光源装置10は、光源光を発生し、光源光から均一な偏光光である照明光ELを形成する。
色分離光学系20は、ダイクロイックミラー21、22と、ミラー23、24、25と、リレーレンズ26a、26bと、フィールドレンズ27、28、29とを備える。ここで、ダイクロイックミラー21、22は、光源装置10によって形成された照明光ELを選択的に透過又は反射することによって所定波長帯域ごとに色分離し、各色の色光を形成する。特に、ダイクロイックミラー21は、赤色光RLを含む波長領域の成分を反射する一方、その他の領域を透過させる特性を有する。これにより、照明光ELから赤色光RLが分離される。また、ダイクロイックミラー22は、青色光BLを含む波長領域の成分を反射する一方、その他の領域を透過させる特性を有する。これにより、ダイクロイックミラー21を透過した照明光ELの残りの成分から青色光BLが分離され、ダイクロイックミラー22をも透過した残りが緑色光GLとなる。ミラー23、24、25は、反射により各色光の光路を所定方向に折り曲げる。リレーレンズ26a、26bは、各色光間の光路差、即ち光源装置10から各液晶ライトバルブ31r、31b、31gまでの光路の長さの相違のために必要となるビーム形状の補正を行う。フィールドレンズ27、28、29は、照明光の色分離によって得られる各色光に対応する各色用の液晶ライトバルブ31r、31b、31gにおける偏光子(後述する)への入射角度を調整する。
光変調装置30は、液晶ライトバルブ31r、31b、31gを備え、さらに、各液晶ライトバルブ31r、31b、31gは、それぞれ偏光子32r、32b、32gと、液晶パネル33r、33b、33gと、検光子34r、34b、34gとを備える。偏光子32r、32b、32gは、それぞれ光路上液晶パネルの入射側に位置し、各液晶パネル33r、33b、33gへの入射光の偏光方向をより狭い範囲に限定して偏光度を高めるための偏光板である。液晶パネル33r、33b、33gは、入射した各色光を、第1駆動装置91から送信される駆動信号に応じて画素単位でそれぞれ偏光状態を調整することにより、変調光を形成する。検光子34r、34b、34gは、各液晶パネル33r、33b、33gから射出された変調光から特定方向の偏光成分を選択するための偏光板である。
光合成光学系40は、所謂クロスダイクロイックプリズムであり、各液晶ライトバルブ31r、31b、31gから射出された変調光に応じて得られる像光を結合し、合成光を形成するためのものである。
投射レンズ50は、形成された合成光を投射光PLとして、スクリーンSRへ投射するための投射光学系である。
第1駆動装置91は、制御装置90から送信される電気的信号を駆動信号に変換し、当該信号に応じて各液晶パネル33r、33b、33gに表示動作を行わせる。
第2プロジェクタ部分100Bにおいて、レーザ光源70は、開口部71と、色レーザ光源72r、72g、72bと、ダイクロイックミラー73g、73bとを備える。色レーザ光源72r、72g、72bは、それぞれ赤色、緑色、青色の各色レーザ光を射出する。各色レーザ光は、第2駆動装置92から送信される駆動信号に対応して変調された状態で射出される。ダイクロイックミラー73g、73bは、それぞれ、緑色レーザ光と青色レーザ光とを反射する特性を有し、各色レーザ光を合成する。開口部71は、当該合成によって得られたレーザ光をレーザ光LLとして射出する。
光走査部80は、ミラー81と、アクチュエータ82とを備える。ミラー81は、レーザ光源70からのレーザ光LLを反射することで光路方向を変える。アクチュエータ82は、第2駆動装置92からの駆動信号に従ってミラー81を回動させる。これにより、ミラー81は、レーザ光LLをスクリーンSR上で二次元方向に走査させる。光走査部80としては、例えば、2軸のガルバノミラーや半導体基板上に薄膜作製プロセスによりアクチュエータが一体的に形成されたMEMS(MicroElectroMechanicalSystems)素子等を用いることができる。
第2駆動装置92は、制御装置90から送信される電気的信号を駆動信号に変換し、当該信号及び後述する制御装置90からの制御信号に応じてレーザ光源70と光走査部80とを同期して動作させる。
撮影カメラ60は、スクリーンSR上における投射光PLが映し出す投射画像の投影領域DDの位置・形状を撮影し、撮影によって得られた画像情報から画像データを検出するとともに、さらに距離測定機能を有することで距離データも併せて検出する検出手段である。撮影カメラ60で検出された各データは、制御装置90に送信される。
制御装置90は、プロジェクタ100の動作を統括的に制御するための制御手段であり、外部からの入力画像信号等を適当に加工して、駆動信号或いは画像信号となる電気的信号に変換し、当該電気的信号を第1及び第2駆動装置91、92に振り分けて送信する。また、制御装置90は、撮影カメラ60によって検出された投射光PLが映し出す投射画像の投影領域DDに関する画像データ及び距離データを受信する。さらに、制御装置90は、これらの各データを基に、後述するレーザ光LLの照射領域を投射光PLの投影領域DDに一致させるとともに、レーザ光LLの照射を投射光PLの投影に同期させるための制御信号を割り出し、当該制御信号を電気的信号と併せて第2駆動装置92に送信する。第2駆動装置92は、当該電気的信号を変換した駆動信号とともに制御信号に基づいてレーザ光源70や光走査部80等の駆動制御を行う。これにより、投射光PLに応じてレーザ光LLの強度、投射位置、照射タイミング等の調整を行い、第1プロジェクタ部分100Aと第2プロジェクタ部分100Bとによる画像を互いに連関させて投影する。
以下、光路の順を追って本実施形態におけるプロジェクタ100の機能を説明する。まず、第1プロジェクタ部分100Aにおいて、光源装置10で形成された照明光ELは、色分離光学系20で、ダイクロイックミラー21での反射により、赤色光RLが色分離され、ダイクロイックミラー22での反射により、青色光BLが色分離され、残りが緑色光GLとして色分離される。緑色光GLは、ダイクロイックミラー22を透過後、ミラー24及び25で反射され、また、リレーレンズ26a、26bによりビーム形状が補正される。各色光RL、BL、GLは、さらに、フィールドレンズ27、28、29によって入射角度が調整され、それぞれ光変調装置30の液晶ライトバルブ31r、31b、31gに導かれ、液晶ライトバルブ31r、31b、31gを照射する。
次に、光変調装置30で、各液晶ライトバルブ31r、31b、31gをそれぞれ照射した各色の色光RL、BL、GLは、偏光子32r、32b、32gにより、偏光度が高められた後、それぞれ液晶パネル33r、33b、33gに入射し、変調される。変調された各色光RL、BL、GLは、さらに検光子34r、34b、34gによって特定方向の偏光成分が選択され、各色光RL、BL、GLの像光が形成される。
さらに、光変調装置30で形成された像光は、光合成光学系40で互いに結合される。これにより形成された合成光は、投射レンズ50から投射光PLとしてスクリーンSRに投射され、スクリーンSR上の投影領域DDに所定の拡大率のカラー合成の投射画像を表示する。以上のようにして、第1プロジェクタ部分100Aによって画像が投影される。
ここで、撮影カメラ60は、投射光PLによって映し出される投射画像の投影領域DDの位置・形状を撮影し、これによる画像情報から画像データ及び距離データを検出する。検出された各データは、制御装置90に送信される。制御装置90は、送信された各データに基づいて、第2駆動装置92を介してレーザ光源70や光走査部80の駆動制御を行うことにより、後述するレーザ光LLの照射領域が投影領域DDに一致するように調整する。尚、本投影の前に、予備的な投射光PLの投射をし、これを用いて事前に撮影カメラ60による画像データ及び距離データの検出を行えば、本投影時にはレーザ光LLの照射領域と投影領域DDとが一致した状態となっている。
次に、第2プロジェクタ部分100Bにおいて、まず、レーザ光源70の色レーザ光源72r、72g、72bにより、第2駆動装置92から送信される駆動信号に対応して赤色、緑色、青色の各色レーザ光RR、GG、BBがそれぞれ変調した状態で射出される。射出された各色レーザ光RR、GG、BBについて、ダイクロイックミラー73gは、赤色レーザ光RRを透過する一方、緑色レーザ光GGを反射する性質を有することで、赤色レーザ光RRと緑色レーザ光GGとを合成する。さらに、ダイクロイックミラー73bは、赤色レーザ光RRと緑色レーザ光GGとの合成光を透過する一方、青色レーザ光BBを反射する性質を有することで当該合成光と青色レーザ光BBとが合成される。以上、各色レーザ光RR、GG、BBの合成により、カラーのレーザ光LLが形成され、このようなレーザ光LLが、開口部71より射出される。
次に、開口部71から射出されたレーザ光LLは、光走査部80のミラー81により反射される。この際、上述したように、アクチュエータ82が、第2駆動装置92からの駆動信号に従ってミラー81を回転運動等させる。これにより、ミラー81は、レーザ光LLを投影領域DD上で走査させる。以上のようにして、第2プロジェクタ部分100Bによって画像が投影される。
この際、制御装置90により、第1及び第2駆動装置91、92を介して投射光PLとレーザ光LLとが同期するように、レーザ光LLは、強度、投射位置、照射タイミング等の調整が行われている。以下、当該調整について各信号と投射光PL及びレーザ光LLとの関係から説明する。
まず、制御装置90は、外部からの入力画像信号を電気的信号に変換し、第1及び第2駆動装置91、92に振り分けて送信する。次に、制御装置90は、撮影カメラ60による画像データ及び距離データから投射光PLの投影領域DDの位置及び形状を把握する。これらに基づいて、制御装置90は、レーザ光LLの照射領域が投射光PLの投影領域DDに一致し、かつ、投射光PLによる投影とレーザ光LLによる投影とが同期するようにレーザ光LLを制御するための制御信号を割り出す。制御信号は、より具体的には、レーザ光LLの投射位置、照射タイミングを制御するための信号である。
投射光PLについては、制御装置90からの電気的信号を第1駆動装置91により変換した駆動信号を得、これに基づいて形成される。一方、レーザ光LLについては、まず、制御装置90からの電気的信号を第2駆動装置92により駆動信号に変換することで投影すべきレーザ光の強度分布等に関する情報を得る。次に、制御装置90からの制御信号により、第2プロジェクタ部分100Bが投影すべき画像が第1プロジェクタ部分100Aによる画像と互いに連関し、併せて統一した画像となるように投影すべきレーザ光の投射位置、照射タイミングを制御するための情報を得る。以上の駆動信号及び制御信号の情報に応じてレーザ光LLが形成される。
以上により、投射光PLとレーザ光LLとが投影領域DDにおいて重畳される際、両者によるそれぞれの画像は、合わせて統一的な画像として表示させるものとなっている。
図2は、本実施形態におけるプロジェクタ100による画像形成について説明するための図であり、投影領域DDにおける投影画像を模式的に示している。画素領域PPLは、投射光PLによって投影される各投射画素が占める領域であり、マトリックス状に配列されている。画素領域PPL全体が投射光PLによる投影画像の領域となっている。ここで、各画素領域PPL間には、図1の各液晶パネル33r、33b、33g内に存在する遮光部等が原因となって生じる画素境界BDが存在する。この画素境界BDは、X及びY方向について延びており、全体として網目状の領域を形成している。
一方、図中一筆書き状の実線は、レーザ光LLの走査の軌跡を示している。以下、レーザ光LLの動作について説明する。
レーザ光LLは、まず、投影領域DDの左端から最上段に位置する各画素領域PPLに重畳するように投影領域DD上X方向正の向きに走査される。次に、投影領域DDの右端に達したレーザ光LLは、Y方向負の向きにシフトし、最上段に位置する各画素領域PPLと2段目に位置する各画素領域PPLとの間の画素境界BDをX方向負の向きに走査される。再び、投影領域DDの右端に達したレーザ光LLは、Y方向負の向きにシフトし、2段目に位置する各画素領域PPLに重畳するように投影領域DD上X方向正の向きに走査される。以下この動作を繰り返すことによってレーザ光LLは投影領域DD全体を走査する。
図3(a)、(b)は、レーザ光LLを各画素領域PPLに重畳して投影領域DD上X方向を正の向きに走査する際のレーザ光LLの照射タイミング等について説明するための図である。図3(a)は、走査の軌跡を示しており、図3(b)は、図3(a)におけるレーザ光LLの軌跡に対応したレーザ光LLの照射エネルギーの分布を示すグラフである。つまり、図3(b)のグラフのうち、横軸は図3(a)におけるレーザ光LLの照射位置を表し、縦軸はレーザ光LLの照射エネルギーを表している。(但し、ここでの照射エネルギーは、必ずしもエネルギー量の大きさを示すものではなく、単に、照射が行われているタイミングを照射エネルギーの有無により代表して示しているに過ぎないものとする。)グラフから分かるように、レーザ光LLは、各画素領域PPLではほとんど照射されず、各画素領域PPL間の画素境界BDに集中して照射される。これにより、画素境界BDをY方向(つまり図中縦方向)に関して補填することができる。つまり、レーザ光LLを用いない場合には暗く見える画素境界BDに、レーザ光LLを集中的に照射することで画素境界BDの光量不足を補填し、このような光量不足によって生じていた目障り感といった視覚上の問題を解消することができる。尚、当該照射において、レーザ光LLは、例えば、当該画素境界BDに隣接する左右いずれかの画素領域PPLに投影されている投影色に合わせた配分で各色レーザ光を合成しておけばよい。また、例えば、該当する左右の画素領域PPLの中間色としてもよい。
図4(a)、(b)は、レーザ光LLを各画素領域PPLに重畳せず投影領域DD上X方向を負の向きに走査する際のレーザ光LLの照射タイミング等について説明するための図である。図3(a)、(b)と同様、図4(a)は、走査の軌跡を示しており、図4(b)は、図4(a)におけるレーザ光LLの軌跡に対応したレーザ光LLの照射エネルギーの分布を示すグラフである。(ここでも、グラフの縦軸は、照射のタイミングを示しているに過ぎないものとする。)この場合、レーザ光LLは、各画素領域PPLに重畳せず、画素境界BD上を走査される。従って、グラフから分かるように、レーザ光LLは、常に照射された状態となっている。これにより、画素境界BDをX方向(つまり図中横方向)に関して補填することができる。つまり、レーザ光LLを用いない場合には暗く見える画素境界BDに、レーザ光LLを集中的に照射することで画素境界BDの光量不足を補填し、このような光量不足によって生じていた目障り感といった視覚上の問題を解消することができる。尚、当該照射において、レーザ光LLは、例えば、当該画素境界BDに隣接する上下いずれかの画素領域PPLに投影されている投影色に合わせた配分で各色レーザ光を合成しておけばよい。また、例えば、該当する上下の画素領域PPLの中間色としてもよい。
以上のように、レーザ光LLが各画素領域PPLに重畳して投影領域DD上X方向を正の向きに走査する際にY方向について画素境界BDを照射し、レーザ光LLが各画素領域PPLに重畳せず投影領域DD上X方向を負の向きに走査する際にX方向について画素境界BDを照射することにより、X及びY方向の双方について画素境界BDによる暗部が生じないので網目状の暗部のない明るい画像を提供することができる。尚、この際、図1において、レーザ光LLが、第2駆動装置92を介した制御装置90からの電気的信号及び制御信号に基づき、当該投射画像を形成することにより、所望のタイミングで照射することができるので、投射画素の画素境界BDを補填することができるとともに、投射光PLとレーザ光LLとを合わせた全体としての画像が、外部からの入力画像信号に応じた統一性のあるのものとなっている。
ここで、本実施形態では、特に、図3(a)、(b)によって説明したように、レーザ光LLが、画素領域PPLをほとんど照射せず画素境界BDに集中して照射するものとしている。これは、安全上の理由からレーザ光の総出力量に制限があるためである。レーザ光LLの照射を画素境界BDに集中させることで、安全性を確保しつつ、レーザ光LLの出力が小さくても効果的に画素境界BDを補填し、暗部によって生じる目障り感を解消することができる。尚、例えば、本プロジェクタ100を比較的制限の緩いリアプロジェクタとして使用する場合等において、レーザ光の出力に余裕があれば、画素領域PPL上においてもレーザ光LLを照射し、より明るい画像の形成を行うことも可能である。
尚、図3(a)等において、画素領域PPLが配列されている方向とレーザ光LLの走査方向とは平行であり、一致したものとなっているが、これは説明の便宜上ための例示であり、必ずしも、完全に一致している必要はない。例えば、図3(a)等において、横方向に関する画素領域PPLの配列がX方向である一方、レーザ光LLの走査方向がX方向に対して多少ずれたものであってもレーザ光LLの照射タイミング等を適宜補正することで、全体として統一された画像を形成することは可能である。
尚、本実施形態では、所謂3板方式のプロジェクタシステムによる投影画像にレーザ直描方式のレーザプロジェクタシステムを付加する方式となっているが、本発明は、3板式タイプのプロジェクタシステム以外のものであっても適用可能である。例えば、同じく液晶タイプのものとしては、単板方式のプロジェクタシステムにおいても、液晶パネル内のブラックマトリックスといった遮光部等により、本実施形態の画素境界BDと同様、投影画像上に網目状の暗部が生じる。単板方式のプロジェクタシステムにも、本発明による方式でレーザ光を照射すれば、当該部分による視覚上の問題を解決することができる。また、これ以外にも、反射型の液晶パネル、あるいは、デジタルマイクロミラーデバイスを用いたもの等いずれのタイプにおいても、同様の遮光部が存在し、これにより投影画像上に網目状の暗部が生じるが、これらについても本発明による手法で同様に解決できる。
さらに、本実施形態では、図1の投影領域DDの決定において、まず投射光PLを映し出し、これによるスクリーンSR上の領域を基準としてレーザ光LLの照射領域を合わせているが、投影領域DDの設定方法はこれに限らない。例えば、投射光PLの代わりに投射光PLが映し出すべき領域を予め表示するマーカを用いてもよい。当該マーカを基準としてレーザ光LLの照射領域を合わせることで同等の機能が果たされる。
マーカとしては、例えば、当該領域の四隅を示すものであってもよいし、格子状のものであってもよい。あるいは、点と線とによるものであってもよい。この場合、併せて台形補正等を行うことも可能である。また、可視光外領域波長の光を用いる、あるいは、スクリーン上の投影領域外の部分を用いることも可能である。この場合、必要に応じて、本投影中であっても随時第1及び第2プロジェクタ部分100A、100B相互の画像領域を合わせるための調整が可能となる。
また、投影領域DDの設定順序も変更可能である。つまり、本実施形態とは逆に、まず、レーザ光LLを照射し、これによる照射領域を基準とし、投射光PLの投影領域をこれに合わせるものであってもよい。この場合、例えば、図1の投射レンズ50にあおりをつけること等により投射光PLの光路や投影状態を調整すればよい。
尚、図1において、光走査部80は、一枚構成のミラーとなっているが、光走査部80は複数枚のミラーを備える構成であっても構わない。例えば、互いに直交する2つの軸を2枚のミラーがそれぞれ有し、一方の軸が図2におけるX方向の走査を制御し、他方がY方向の走査を制御する構成であってもよい。
100…プロジェクタ、 10…光源装置、 20…色分離光学系、 30…光変調装置、 40…光合成光学系、 50…投射レンズ、 60…撮影カメラ、 70…レーザ光源、 80…光走査部、 90…制御装置、 91…第1駆動装置、 92…第2駆動装置、 DD…投影領域、 PPL…画素領域、 BD…投射画素境界、 PL…投射光、 LL…レーザ光
Claims (7)
- 照明光を形成する光源装置と、
前記照明光によって照明される被照明対象である光変調装置と、
前記光変調装置を経た像光を投射光としてスクリーンに投射する投射光学系と、
画像信号に応じて前記光変調装置を駆動する第1駆動装置と、
変調された状態のレーザ光を射出するレーザ光源と、
前記レーザ光源からの前記レーザ光を走査させる光走査部と、
前記レーザ光源と前記光走査部とを同期させて駆動する第2駆動装置と、
前記第1及び第2駆動装置を制御することにより、前記投射光と前記レーザ光とを前記スクリーン上の投影領域で重畳させる制御装置と
を備えるプロジェクタ。 - 前記制御装置は、前記第2駆動装置を介して前記レーザ光源を動作させることにより、前記投射光によって前記投影領域に形成される投射画素間の境界を補填する位置に前記レーザ光を入射させることを特徴とする請求項1記載のプロジェクタ。
- 前記レーザ光は、前記境界に集中して照射されることを特徴とする請求項2記載のプロジェクタ。
- 前記投影領域の表示状態を検出する検出手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記制御装置は、前記検出手段の検出結果に基づき前記光走査部による前記レーザ光の照射領域を調整することを特徴とする請求項4記載のプロジェクタ。
- 前記光変調装置を経た前記像光は、複数色の色光を含み、前記レーザ光は、前記複数色に対応する色レーザ光を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記第2駆動装置は、前記画像信号に応じるとともに、前記光変調装置に連動して変調され走査された前記レーザ光を射出させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項記載のプロジェクタ。
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-
2005
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