JP2006257684A - コンクリート型枠用スペーサーおよびそれを用いた鉄筋コンクリート構造物の製造方法 - Google Patents

コンクリート型枠用スペーサーおよびそれを用いた鉄筋コンクリート構造物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 コンクリートの打設工程においても、その取付位置及び取り付け方向が安定して所期の状態に保たれ得るコンクリート型枠用スペーサーを、作業時間を大幅に削減することができる取り付け容易な態様で、安価且つ簡易な構成によって提供すること。
【解決手段】 所定幅を有する長手状の板材で構成した支持板金具12を湾曲状に折り返して掛止部16が形成されるようにする一方、支持板金具12の下端部を分岐状態として、その幾つかを固着部26として該固着部にコンクリート製のスペーサーブロック14を固着すると共に、他の幾つかを係止部42として鉄筋に係止させるようにした。
【選択図】 図14

Description

本発明は、鉄筋コンクリート構造物において補強用鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さを設定するためのコンクリート型枠用スペーサーおよびそれを用いた鉄筋コンクリート構造物の製造方法に係り、コンクリートの打設前に補強用鉄筋に対して容易に装着することが可能で、しかも型枠を強固に安定して位置決めすることの出来る、新規な構造のコンクリート型枠用スペーサーと、それを用いた鉄筋コンクリート構造物の新規な製造方法に関するものである。
従来から、鉄筋コンクリート構造物は、建築構造物や土木構造物などの分野で広く採用されているが、かかる鉄筋コンクリート構造物において目的とする強度と形状を実現するためには、複数本の鉄筋を組んで形成された配筋に対して、その周りを覆うようにコンクリートを打設するに際して、鉄筋の表面からコンクリート表面に至るまでの距離(コンクリートのかぶり厚さ)を精度良く設計値に合わせることが重要となる。
ところで、コンクリートのかぶり厚さを設定するには、予め組まれた鉄筋に対する型枠の相対位置を精度良く設定し、型枠内のコンクリート打設空間に打ち込まれるコンクリートの圧力にも耐え得る強度で型枠を位置決め保持せしめることが必要となる。
そこで、従来から、特許文献1(特開平8−151793号公報)や特許文献2(特開平9−72093号公報)に記載されているようにセパレータ等のねじロッドとコーン等のねじ止具を用いて型枠を鉄筋に対して固定する方法が提案されているが、構造が複雑で部品点数が多いために施工が面倒で時間がかかるという問題があった。
また、特許文献3(特開平8−226195号公報)や特許文献4(特開2000−54565号公報),特許文献5(特開2002−339511号公報)に記載されているように、鉄筋に円環状のスペーサーを外嵌装着して、スペーサーの外周面を型枠に当接させることで型枠と鉄筋の離隔距離を設定するものが提案されている。しかしながら、このような円環状のスペーサーは、鉄筋から全周囲に向かって広がる形状を有していることから、かぶり厚さが大きくなって大径化すると全体のサイズが著しく大形化して取り扱いが面倒であり、特に環境問題を考慮してコンクリート製にすると重量が大きくなり過ぎて作業に支障がおよぶという問題もあった。更に、コンクリートの打ち込みに際して打設空間内でのコンクリートの流動性がスペーサーで阻害されてしまって充填不良が発生し易いという問題もあった。
なお、特許文献6(特許第2872999号公報)や特許文献7(特開2000−145021号公報)には、コンクリートブロックに対してばね製金属線材からなる針金状の一対の係止脚部を突出形成し、かかる係止脚部で鉄筋を挟み込むことによって、コンクリートブロックを鉄筋の表面から直接に突出位置せしめて、その先端部分を型枠に当接させることで型枠と鉄筋の離隔距離を設定するようにしたスペーサーが提案されている。
しかしながら、このような係止脚部を備えたコンクリートブロックにおいては、特にかぶり厚さが大きくなった場合にコンクリートブロックが大形化することから、現実的には一対の係止脚部だけで鉄筋に固定することが難しく、結束線を用いて係止脚部を鉄筋に縛り付けるようにして手作業で一個ずつ固定する必要があり、それが工期の長期化を招く一因ともなっていたのである。
また、結束線によって鉄筋に固定しても、円形外周面を有する鉄筋の表面上でスペーサーを特定の位置で特定の方向に向けて強固に固定することが難しかった。すなわち、型枠を設置時にコンクリートブロックを型枠に当接せしめることによって生じる力やコンクリートを型枠に流し込んだときに生じる圧力、コンクリートを型枠内に満遍なく行き渡らせるために加えられる振動等の外力によってスペーサーの設置方向がずれてしまうおそれがあり、場合によっては鉄筋から脱落するおそれがあった。
しかも、針金状の係止脚部に対してコンクリートブロックを強固に固定するためには、針金状の係止脚部を環状等に屈曲させることが必要となり、特にばね鋼で係止脚部が形成されていることから、そのような加工を伴う製造が難しいという問題もあった。
なお、上述の特許文献6や特許文献7に記載されているようにコンクリートブロックから突設した一対の針金状の係止脚部を、鉄筋に対して縛りつけるのに代えて、例えば、それらの係止脚部をフック状に湾曲乃至は屈曲させてフック状係止部と為し、かかるフック状係止部において鉄筋に引っ掛けてコンクリートブロックを支持せしめることも考えられる。ところが、一対の針金状の係止脚部でコンクリートブロックを吊り下げると、コンクリートブロックが一層不安定となって、変位したり傾いたりして目的とするかぶり厚を確保することがより困難となって、何等の解決策にもなり得ない。
特開平8−151793号公報 特開平9−72093号公報 特開平8−226195号公報 特開2000−54565号公報 特開2002−339511号公報 特許第2872999号公報 特開2000−145021号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、鉄筋に対して容易に装着することが可能であり、コンクリートの打設工程においてもその取付位置や取付方向が安定して保たれ得て、目的とするかぶり厚の鉄筋コンクリート構造物を安定して構築することの出来る、新規な構造のコンクリート型枠用スペーサーを提供することにある。
また、本発明は、目的とするかぶり厚さの鉄筋コンクリート構造物を、簡易に且つ速やかに施工することの出来る、鉄筋コンクリート構造物の新規な製造方法を提供することも、目的とする。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の特徴とするところは、所定幅の長手板形状を有する支持板金具が長手方向中間部分において湾曲状に折り返されることによって掛止部が形成されるようにっなっている一方、該掛止部から延び出した一方の折り返し部分によってブロック支持アームが形成されており、該ブロック支持アームが延び出し方向の先端縁部から所定長さに亘って長手方向に切り込まれることにより、該支持アームにおいて単一平板状の支持アーム基端部と複数の分岐平板状の支持アーム先端部が形成されていると共に、該複数の支持アーム先端部の少なくとも一つが該支持アーム基端部に対して略直角に屈曲されたスペーサ固着部とされて該スペーサ固着部に対してコンクリート製のスペーサーブロックが固着されている一方、該複数の支持アーム先端部の別の少なくとも一つが該スペーサーブロックの外部に突出せしめられた係止部とされており、この係止部と前記掛止部において、それぞれ、鉄筋コンクリートを構成する鉄筋に対して係合せしめられて位置決めされ得るようにしたコンクリート型枠用スペーサーにある。
このようなコンクリート型枠用スペーサーにおいては、スペーサーブロックを鉄筋に対して十分な位置決め性能をもって装着することが出来るのであり、そのようなコンクリート型枠用スペーサーを一つの長手板形状の支持板金具を用いて効率的に実現することが出来るのである。即ち、支持板金具で形成された支持アームの先端部分を複数の分岐平板状に分割して、そのうちの幾つかに対してスペーサブロックを固着させる一方、他の部分によって鉄筋に係止させることが出来るようにしたのである。なお、掛止部は、スペーサーの装着時に形成されていれば良く、その製造時や出荷時、搬送時、ストック時等においては、掛止部が形成され得る状態、即ち掛止部が形成され得るだけの寸法が確保されていれば良い。
ここにおいて、本発明では、前記係止部が人手で変形可能とされていることが望ましい。現場において係止部を鉄筋に引っかけたり巻き付けたりして、適当な形状に変形させることで、係止部を、配筋された鉄筋の形状や位置,状態等に応じて容易に或いは強固に係止することが出来ると共に、スペーサー装着時に係止部が作業の邪魔にならないような位置に曲げて逃がしておくことも可能である。
また、本発明では、前記スペーサ固着部が前記スペーサブロックに差し入れられて埋入固着されている態様が好適に採用される。特に、スペーサーブロックが、支持アーム基端部から支持板金具の板面に略直角に延び出す形状(例えば長手ロッド形状等)をしている場合に、スペーサーブロックの内部を長手方向に延びるようにしてスペーサ固着部が埋入配置されて固着されている構成が好適に採用される。このような構成を採用した場合でも、スペーサ固着部は、支持アーム基端部に比して巾狭の分岐平板状とされていることから、スペーサーブロックを大型化しなくてもスペーサ固着部が十分に埋入されるだけの断面積をスペーサーブロックにおいて容易に確保することが出来る。そして、スペーサーブロックの断面がスペーサ固着部で二分されてしまうことにより、スペーサーブロックが割れてしまい易い等という問題も回避され得ることとなるのである。
また、本発明では、前記係止部が前記支持アーム基端部との境界部分で折り返されて該支持アームの一方の面に対して略重ね合わされている態様が、好適に採用される。このように、スペーサーブロックに埋入されない係止部は、スペーサーブロックの製造時や、製品としてのコンクリート型枠用スペーサーのストック時や搬送時、更にコンクリート型枠用スペーサーの配筋された鉄筋への装着作業時などにおいて、突出して邪魔になるようなことが、有利に回避され得る。そして、折り返された係止部は、コンクリート型枠用スペーサーの配筋鉄筋への装着に際して、必要に応じて(即ち、必ずしも使用することは必要でないが)、手作業で湾曲等変形させることにより、支持アームから突出する形状とされて鉄筋に引っかけられたり巻き付けられたりすることとなる。
また、本発明においては、前記スペーサーブロックの突出先端面が、略半球状面とされている態様が、好適に採用される。このようなスペーサーブロックでは、打設されたコンクリート構造物の表面へのスペーサーブロックの露出面積を可及的に小さくすることが出来る。それ故、意匠等を阻害することが防止される。なお、スペーサーブロックは、前述の如くコンクリート製とされているが、例えば合成樹脂材料で形成する場合に比して、打設されたコンクリートとの熱膨張係数が略同一で一体化し得ると共に、コンクリート構造物の廃棄や再利用に際しても、コンクリート構造物と同一に扱われ得て、有利となる。尤も、特殊な条件下では、或いは再利用や廃棄等に問題とならない特別な合成樹脂材料であれば、それを使用してスペーサーブロックを形成しても良い。
さらに、本発明は、複数本の鉄筋を組んで配筋した外側にコンクリート型枠を配設することによって形成したコンクリート打設空間に対してコンクリート材料を打ち込んで鉄筋コンクリート構造物を製造するに際して、上述の如き本発明に従う構造とされたコンクリート型枠用スペーサーを用い、前記配筋した鉄筋に対して前記掛止部と前記係止部をそれぞれ係合させることにより該コンクリート型枠用スペーサーをかかる配筋した鉄筋に対して位置決めすることによって装着し、該コンクリート型枠用スペーサーの前記スペーサーブロックの突出先端面を前記コンクリート型枠の内面に当接させることにより該コンクリート型枠を該鉄筋に対して所定距離を隔てて位置決めして前記コンクリート打設空間を形成してから、該コンクリート打設空間に対してコンクリート材料を打ち込む鉄筋コンクリート構造物の製造方法も、特徴とする。
さらに、本発明の参考的態様としては、所定幅の長手板形状を有する支持板金具が長手方向中間部分において湾曲状に折り返されて掛止部が形成されている一方、該掛止部から延び出した一対の折り返し部分によってブロック支持アームとガイドアームが形成されていると共に、該ブロック支持アームの長手方向先端部が屈曲せしめられて固着部とされており、該固着部に対してコンクリート製のスペーサーブロックが固着されて該スペーサーブロックが該ブロック支持アームの長手方向先端部から略直角に突出せしめられている一方、該ガイドアームが長手方向先端側に向かって該ブロック支持アームから離隔する拡開形状とされており、該ガイドアームと該ブロック支持アームの拡開部分によって該掛止部に対して前記鉄筋を案内して該鉄筋に掛止支持させることが出来るようになっていると共に、かかる掛止支持状態下で該スペーサーブロックが該鉄筋の配筋面から設定かぶり厚さだけ突出せしめられて該スペーサーブロックの突出先端面によってコンクリート型枠を位置決めすることが出来るようになっている態様が、挙げられる。
このような本発明の参考的態様に従う構造とされたコンクリート型枠用スペーサーにおいては、鉄筋に掛止支持せしめることによって、容易に配筋に対して取り付けることが可能である。特に、ガイドアームとブロック支持アームが拡開形状とされて装着時に鉄筋を案内するようになっていることから、掛止作業を一層速やかに行うことが可能となる。
しかも、支持板金具が長手板形状とされていることによって、掛止状態下において鉄筋への当接面を鉄筋の長手方向に大きく確保することが可能となり、それによって、支持板金具における幅方向のぐらつきが防止されることから、取り付け方向を安定して保つことができる。従って、多くの場合、結束線などの補助的な固定手段を用いる必要がなくなり、そうした補助的な固定作業を省くことが出来て、労力負担が軽減されると共に、作業時間を短縮することができる。
また、かかるコンクリート型枠用スペーサーは、単一の支持板金具にコンクリート製のスペーサーブロックを固着しただけの簡単な構造とされており、容易に且つ安価に製造することが出来る。
しかも、本発明に従う構造とされたコンクリート型枠用スペーサーは、鉄筋コンクリートの構成材料と同様に金属材とコンクリート材で形成されており、従来のスペーサー等のように合成樹脂材料を採用するものでないことから、採用によって、鉄筋コンクリートの強度の低下が大きな問題となることもないし、将来的な解体に際しての処理も容易で資源の再利用も可能となる。
更に、スペーサーブロックの突出方向の長さを変更するだけで、様々な設計かぶり厚さに対応したコンクリート型枠用スペーサーを提供できるのであり、それ故、コンクリート構造物の設計かぶり厚さが大きい場合であっても、スペーサー全体を著しく大型化することなく対応することが可能である。
更にまた、スペーサーブロックはコンクリート製であり、特別に大形なものとしなくとも型枠を位置決めするための充分な強度を有しているため、突出方向に延び出す長細い形状とすることが出来る。しかも、スペーサーブロックは、その内部に金属製の固着部が埋設固着されていることから、この固着部の補強作用によって、小さく且つ細長状であっても、良好な強度を有利に確保することが出来るのである。
また、本発明においては、掛止部の開口部分を絞って、該掛止部の隙間寸法を鉄筋の外径寸法よりも小さくした構成が、好適に採用される。このような構成を採用することによって、コンクリート型枠用スペーサーの配筋への取付状態下で外力が作用した際に、特に、鉛直上向きの外力が加わった場合の配筋からの脱落や傾きを一層効果的に防ぐことが出来る。
更に、本発明において、好適には、前記掛止部を前記鉄筋に掛止支持せしめた状態下において、前記ガイドアームの突出先端部がコンクリート型枠に対して当接せしめられた構成が採用される。このような構成を採用すれば、ガイドアームの突出先端部の型枠への当接によって、設置位置や設置方向をより安定して保持できる。
また、本発明において、好適には、前記掛止部を前記鉄筋に掛止支持せしめた状態下において、前記ブロック支持アームの先端部付近が、例えば該鉄筋に隣接して配されるなどした別の鉄筋に重ね合わされて位置決めされるように該ブロック支持アームの長さが設計されている構成が採用され得る。このような構成においては、スペーサーブロックの基端部分を直接または間接に鉄筋で支持せしめて位置決めすることが出来るのであり、それによってコンクリート型枠用スペーサー全体の鉄筋中心軸回りの回転変位を防止することが可能となる。即ち、配設鉄筋を巧く利用してコンクリート型枠用スペーサーを固定的に位置決め支持させることが出来るのである。
また、本発明においては、前記スペーサーブロックの突出先端面が、型枠の表面と略平行となるように略軸直角方向に広がる平面とされている構成も、採用され得る。このような構成では、スペーサーブロックの突出先端面が型枠に当接せしめられた状態下で、型枠の当接力がスペーサーブロックの中心軸方向に安定して作用せしめられるのであり、それ故、当接力の分力に起因するスペーサーブロックの傾きなどの変位が一層有利に防止され得て、型枠を一層安定して位置決めすることが可能となる。
更にまた、本発明においては、前記ブロック支持アームの先端部において、前記鉄筋に対して係止可能な係止片(係止部と同じ)を該ブロック支持アームによって一体形成した構成が採用され得る。このような構成では、アーム両端を鉄筋に対して直接に支持せしめることが出来、コンクリート型枠用スペーサーの全体を配筋に対してより強固に固定することが出来る。しかも、そのような固定に際して、結束線などの特別な部材も特に必要なく、簡単な構造で作業も容易となる。
また、本発明の参考的態様としては、前記スペーサーブロックが、前記ブロック支持アームの板厚方向両側に向かってそれぞれ突出形成されている構成が、好適に採用され得る。このような構成においては、配筋を挟んで両側に型枠が配されて壁体等を構築する場合において、鉄筋に対して板厚方向両側のかぶり厚さを同時に設定することが可能であり、作業の労力と時間を削減できると共に、必要とされるコンクリート型枠用スペーサーの個数を減らすこともできる。また、スペーサーブロックが長手方向の両先端部分でそれぞれ型枠に当接せしめられることから、スペーサーブロックの装着状態下での安定性の向上も図られ得る。
更に、鉄筋コンクリート構造物の製造方法に関する本発明の参考的態様としては、複数本の鉄筋を組んで配筋した外側にコンクリート型枠を配設することによって形成したコンクリート打設空間に対してコンクリート材料を打ち込んで鉄筋コンクリート構造物を製造するに際して、配筋した前記鉄筋に対して、上述の如き本発明に従う構造とされた或いは本発明の参考的態様に従う構造とされたコンクリート型枠用スペーサーを装着して、該コンクリート型枠用スペーサーの前記スペーサーブロックの突出先端面を前記コンクリート型枠の内面に当接させることにより該コンクリート型枠を該鉄筋に対して所定距離を隔てて位置決めして該コンクリート打設空間を形成し、該コンクリート打設空間に対してコンクリート材料を打ち込むようにしたことにある。
このような本態様方法に従えば、補強用鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さを精度良く設計値に合わせることができて、目的の強度及び耐久性を備えた鉄筋コンクリート構造物を安定して実現できる。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたコンクリート型枠用スペーサーにおいては、鉄筋に対して容易に装着することが可能であり、コンクリートの打設工程においてもその取付位置や取付方向が安定して保たれ得る。
また、鉄筋コンクリート構造物の製造に、かかる本発明に従う構造とされたコンクリート型枠用スペーサーを用いることによって、目的とするかぶり厚さの鉄筋コンクリート構造物を安定して構築することが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1から図7には、本発明の参考的態様としてコンクリート型枠用スペーサー10が示されている。コンクリート型枠用スペーサー10は、支持板金具12にスペーサーブロック14が固設されて構成されている。なお、以下の説明において上下方向とは図1における左右方向を、左右方向とは図1における上下方向を、更に前後方向とは図3における上下方向をそれぞれ言う。
より詳細には、支持板金具12は所定幅の長手形状を有する金属板材であって、上部が上段鉄筋32の外周面に沿うように湾曲状に折り返されて掛止部16が形成されている。かかる掛止部16は、全体としてヘアピン状に湾曲形成されており、掛止部16から略同じ側に延び出す部分によって、ブロック支持アーム18とガイドアーム20が対向位置して形成されている。なお、掛止部16の開口部分を絞ることでブロック支持アーム18とガイドアーム20の対向面間距離:Cが:上段鉄筋32の外径寸法:Dより小さくされており、絞り形状の係り止め部22が形成されている。
ここにおいて、掛止部16の上端からブロック支持アーム18の下端までの鉛直方向距離が上段鉄筋32と下段鉄筋34の鉄筋間隔に略等しくされている。そして、ブロック支持アーム18の下端付近が鉄筋当接部28とされている。また、ブロック支持アーム18の下端部が、ブロック支持アーム18に対してガイドアーム20の配設側と反対側へ略直角に屈曲せしめられて、屈曲部26が形成されている。
そして、かかる屈曲部26に対して、スペーサーブロック14が固着されている。このスペーサーブロック14は、略円柱形状のコンクリート塊であって、その軸方向一方の端面から屈曲部26が入り込み、スペーサーブロック14の軸方向中間部分から先端部近くに至るまで埋設固着されている。
なお、スペーサーブロック14は、屈曲部26と同様に、ブロック支持アーム18から略直角に板厚方向一方の側に突出して形成されている。特に本実施形態では、スペーサーブロック14は、ガイドアーム20の位置する側と反対側に向かって突出している。また、スペーサーブロック14の突出先端面は、所定面積で軸直角方向に広がる円形の平坦面形状を有する型枠当接面30とされている。
一方、ガイドアーム20は、ブロック支持アーム18に対して、その先端に向けて徐々に離隔する拡開形状とされており、その先端部が型枠当接部24とされている。特に本実施形態では、ガイドアーム20が、ブロック支持アーム18側に向かって凸となる緩い湾曲形状とされており、先端部分において、ブロック支持アーム18との間で大きく開口せしめられている。
上述の如き構造とされたコンクリート型枠用スペーサー10は、例えば、プレス加工等で素板を打抜加工することにより、長手平板形状の金属基材プレートを得て、この金属基材プレートを塑性加工して、上述の如き掛止部16とブロック支持アーム18,ガイドアーム20を形成する。また、かかる塑性加工する前、或いは塑性加工した後の工程で、所定の成形型枠を準備し、かかる成形型枠内に金属基材プレートの一端部における屈曲部26を差し入れ、かかる成形型枠にモルタルを充填して養生することで、スペーサーブロック14を形成すると同時に、屈曲部26に対して固着せしめる。これによって、目的とするコンクリート型枠用スペーサー10を得ることが出来る。
なお、かかる製造に際して、スペーサーブロック14の成形型枠としては、例えば塩化ビニル製のパイプなどを採用することが出来る。
そして、このような構造とされたコンクリート型枠用スペーサー10は、例えば、図7に示されているように、掛止部16を水平方向に延びる上段鉄筋32に掛止せしめられて、ブロック支持アーム18が略鉛直下方に垂れ下がる状態で、配筋に取り付られる。特に本実施形態では、図示されているように、そのような装着状態下、鉄筋当接部28が下段鉄筋34に当接せしめられている一方、型枠当接面30及び型枠当接部24が型枠36,38の内面にそれぞれ当接せしめられる。
かかるコンクリート型枠用スペーサー10は、ブロック支持アーム18とガイドアーム20の拡開部分によって掛止部16に対して上段鉄筋32を案内することで、掛止部16によって上段鉄筋32に掛止支持せしめて容易に取り付け可能とされている。更に、コンクリート打設工程において、外力がコンクリート型枠用スペーサー10に作用した際にも、支持板金具12が所定幅の板金具で形成されていることにより、コンクリート型枠用スペーサー10の鉄筋に対するぐらつきが効果的に防止されるようになっている。特に本実施形態では、掛止部16による掛止と、係り止め部22による係止と、鉄筋当接部28による当接によって、配筋に対して強固に固定されて取り付けられていることから、設置位置や設置方向を安定して保持することが可能である。
具体的には、型枠36,38に対して略平行な方向の掛止部16を回動軸とする回動が生じた際、支持板金具12が所定幅を有した板形状とされていることで、左右方向のぐらつきを防ぐことが出来る。更に、掛止部16による上段鉄筋32への掛止によって、鉛直下向きの外力が加わった場合に取付状態が保持され得る一方、係り止め部22による係止によって、鉛直上向きの外力が作用した場合においても、コンクリート型枠用スペーサー10が配筋から脱落することが防止されて、取付状態が保たれることとなる。更に、鉄筋当接部28による下段鉄筋34への当接によって、上段鉄筋32を回転軸とした回転力が作用した場合において、スペーサーブロック14の突出先端が下方向を向いてしまうことが防止される。
さらに、型枠当接部24が型枠38の内面に当接せしめられていることにより、その設置方向のずれをより効果的に防止できる。
また、型枠36の内面に当接せしめられている型枠当接面30が平坦面とされていることで、型枠36への当接時においてコンクリート型枠用スペーサー10の設置方向のずれを防ぐことが可能となっており、型枠36を精度良く、安定して位置決めすることができる。
更にまた、掛止部16とブロック支持アーム18およびガイドアーム20は、それらの相互の部位間において、また各部位の全長において、一定の幅寸法である必要はないが、本実施形態のように、それら掛止部16とブロック支持アーム18およびガイドアーム20を実質的に全長に亘って且つ相互間においても略一定の幅寸法で形成することにより製造が一層容易となる。
なお、特に掛止部16においては、鉄筋に対する安定した位置決め機能を有効に得るために、その幅寸法:Bを、10mm≦Bとすることが望ましく、より好適には15mm≦Bとされる。一方、余り幅寸法が大き過ぎると取扱いに支障をきたすおそれがあると共に、係止作業も難しくなることから、掛止部16とブロック支持アーム18およびガイドアーム20の全長に亘って、その幅寸法:Bを50mm≧Bとすることが望ましく、より好適には30mm≧Bとされる。
また、掛止部16は、掛止装置する鉄筋の外径寸法に応じて曲率半径を変更することが望ましく、例えば掛止部16の曲率半径を異ならせた複数種類のものを予め準備しておくことも有効である。尤も、掛止部16は板金具で形成されていることから、鉄筋外径との多少の不一致は、掛止部16を現場で変形させることで対応することも可能である。
更にまた、スペーサーブロック14の基端部分が鉄筋で支持せしめられるようにブロック支持アーム18の長手方向寸法は、鉄筋の配設ピッチに応じて設定することが望ましく、例えば長手方向寸法を異ならせたブロック支持アーム18を備えた複数種類のものを予め準備しておくことも有効である。尤も、ブロック支持アーム18の長手方向の中間部分を鉄筋で支持せしめた状態で装着することによっても、コンクリート型枠用スペーサー10の安定化は図られ得ることから、最小配筋ピッチの長さ以上、例えば2倍,或いは3倍以上の長さを有するブロック支持アーム18を、各種の鉄筋間隔の配筋に対して汎用的に用いるようにしても良い。
次に、図8から図15には本発明の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサー40が示されている。なお、本実施形態において、前記参考的態様としての実施形態と同様な構造とされた部材及び部位については、それぞれ、図中に前記実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施形態のコンクリート型枠用スペーサー40は、第一の実施形態のコンクリート型枠用スペーサー10と比して、ブロック支持アーム18の下端部において、係止部としての係止片42をブロック支持アーム18によって一体形成する。
ここにおいて、本実施形態では、図15に示す通り、コンクリート型枠用スペーサー40は、掛止部16を上段鉄筋32に掛止支持させて配筋に取付られる一方、鉄筋当接部28が下段鉄筋34に当接せしめられていると共に、係止片42を下段鉄筋34に係止させている。また、型枠当接面30及び型枠当接部24が型枠36,38の内面にそれぞれ当接せしめられている。なお、係止片42は、現場において下段鉄筋34に係止させた後に、手作業で外力を加えて下段鉄筋34の外周に巻き付けるように変形させても良く、それによって、一層大きな係止固定強度を得ることが可能である。
ここにおいて、ブロック支持アーム18の直線状に延びる部分によって請求項にいう支持アーム基端部が構成されているのであり、ブロック支持アーム18がその延び出し方向(図8,9,10,11中の右方向)の先端縁部から所定長さに亘って長手方向に(図中の左方向に向かって)切り込まれることにより、単一平板状の支持アーム基端部の先端部分から分岐して各平板状に延び出す複数(本実施形態では2つ)のアーム先端部が形成されている。これら2つのアーム先端部が、屈曲部26と係止片42とされている。
そして、屈曲部26が、ブロック支持アーム18と屈曲部26との境界部分において、支持アーム基端部(ブロック支持アーム18の直線状に延びる部分)に対して略直角に屈曲されて、図10中で上方に向かって直線的に突出するスペーサ固着部として構成されている。そして、このスペーサ固着部である屈曲部26に対してコンクリート製のスペーサーブロック14が固着されている。即ち、屈曲部26は、略円形ブロック形状乃至は円柱形状のスペーサーブロック14に対して、その基端面(図10中の下端面)から略中央部分に差し込まれて、スペーサーブロック14の長手方向に向かって、先端面まで至らない所定長さで延びるように埋入されて固着されている。
一方、係止片42は、ブロック支持アーム18との境界部分においてスペーサーブロック14の基端面から後方(図10中の下方)に離れる方向に所定寸法(係止される鉄筋の直径よりも僅かに大きい寸法の程度)だけ折り曲げられて突出せしめられており、略クランク状に屈曲してからブロック支持アーム18の支持アーム基端部と同じ方向(図10中の左右方向)に向かって更に延び出している。
なお、本実施形態では、ブロック支持アーム18の全体が、手作業で(好適にはプライヤ等の道具も使用することなく手操作で)湾曲可能な材料、例えば鉄板等で形成されている。これにより、ブロック支持アーム18とガイドアーム20の開き角度等を適宜に容易に調節出来ると共に、ブロック支持アーム18の基端部よりも巾狭とされた係止片42にあっては、一層容易に、手作業で屈曲や湾曲させて変形させることが出来るようになっている。これにより、後述するように、この係止片42を配筋鉄筋等に巻き付けたり係止させて外れ難くしたりする現場での加工が容易にできるようになっているのである。
このような構成とされたコンクリート型枠用スペーサー40においても、第一の実施形態のコンクリート型枠用スペーサー(10)と同様の効果を得ることができる。しかも、係止片42を下段鉄筋34に係止せしめることで、上段鉄筋32を回転軸とした回転力が作用した場合において、スペーサーブロック14の突出先端が上方にずれることを防ぐことが出来、コンクリート型枠用スペーサー40の設置位置及び設置方向をより一層安定して保持することが可能とされている。
具体的には、係止片42を下段鉄筋34に係止せしめることで、ブロック支持アーム18とガイドアーム20の拡開部分によって掛止部16に対して上段鉄筋32を案内することで、掛止部16によって上段鉄筋32に掛止支持せしめて容易に取り付け可能とされている。更に、コンクリート打設工程において、外力がコンクリート型枠用スペーサー10に作用した際にも、掛止部16による掛止と、係り止め部22による係止と、鉄筋当接部28による当接によって、配筋に強固に取り付けられて、設置位置や設置方向を安定して保持することが可能である。
続いて、図16には、別の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサー50が示されている。なお、本実施形態において、前記実施形態と同様な構造とされた部材及び部位については、それぞれ、図中に前記実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
即ち、本実施形態のコンクリート型枠用スペーサー50は、第一乃至第二の実施形態のコンクリート型枠用スペーサー10,40と比して、スペーサーブロック52がブロック支持アーム18の板厚方向両側に突出せしめられている。また、ブロック支持アーム18の下端部においてブロック支持アーム18と一体的に固着部54,56が形成されており、かかる固着部54,56に対してスペーサーブロック52が固着せしめられることでスペーサーブロック52がブロック支持アーム18の下端に取り付けられている。
ここにおいて、本実施形態では、図16に示すように、型枠36,38を同時に位置決め支持することが可能である。これにより、配筋の両側のかぶり厚さを、略半分のスペーサー使用数で、それぞれ精度良く設定することが可能となり、作業量を減らすことが出来て、工期の短縮を実現できる。
以上、本発明の実施形態や参考的な実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明はかかる実施形態における具体的な記載によって、何等限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記実施形態(図8〜14)においては、スペーサーブロック14の形状を横向きの略円柱形状としたが、スペーサーブロック14の形状は本実施形態のものに限定されない。具体的には、例えば、直方体のスペーサーブロックや三角形や六角形等の適当な多角形の一定断面で軸方向の全長に亘って延びるスペーサーブロックを用いても良い。或いは、後述の図23,25にも示されているように先細の円錐形状(テーパコーン形状)を選択したり、先端部分だけをテーパ状に小径化したり、楔形のブロック状とすることで、突出方向の先端面積を出来るだけ小さく、具体的には先端面を小面積形状や点状,線状等とすることも、打設コンクリート表面への露出面積を小さくするために有効である。
更に、前記実施形態(図8〜14)では、スペーサーブロック14をガイドアーム20の配設方向と反対側に向かって突出形成したが、例えば、同じ側に突出形成してもよく、具体的には、図17に示されているような構造が採用され得る。
また、前記実施形態(図8〜14)では、ブロック支持アーム18の下端において係止片42を屈曲部26と別に設けたが、例えば、図18に示すように、屈曲部26を折り返して、その折り返し部分をスペーサーブロック14の外部に露出させ、かかる露出部分を係止片とする構成も好適に採用され得る。
更に、前記実施形態(図8〜14)においては、係止片42を下段鉄筋34の外周面に沿うように湾曲せしめて、下段鉄筋34に係止することで、設置位置及び設置方向を所期の状態に保持したが、係止片42は、必ずしも下段鉄筋34に係止せしめる必要はない。具体的には、例えば、図19に示されているような構造が好適に採用される。即ち、係止片42をスペーサーブロック14の突出方向と反対に屈曲させて、その先端を型枠38の内面に当接支持せしめることによって、設置位置及び設置方向の保持を実現することも出来る。
更にまた、実施形態(図15)では、ブロック支持アーム18の下端部に固着部54,56をブロック支持アーム18と一体的に形成したが、ブロック支持アーム18下部の形状はかかる実施形態のものに限定されない。具体的には、例えば、ブロック支持アーム18の下端部に更に係止片58を形成した構成が採用され得る。すなわち、図21に示すように、固着部54,56に固着せしめられたスペーサーブロック52を、ブロック支持アーム18の板厚方向両側に突出せしめると共に、係止片58をスペーサーブロック52の下方で下段鉄筋34に係止せしめる。これにより、必要なスペーサー数の減少によって作業時間が短縮されるだけでなく、設置位置や設置方向がより安定して強固に固定されることによって、所期の設定かぶり厚さをより精度良く得ることが可能となるのである。
また、前記実施形態では、配筋の両側にそれぞれ型枠が配設される態様について説明したが、例えば法面保護のコンクリート壁の構築や、スラブの打設等のように一方の面だけが型枠で構成されるコンクリート構築物の製造に際しても、本発明に従う構造とされたコンクリート型枠用スペーサーおよび本発明方法が、適用可能である。
更にまた、本発明におけるブロック支持アームは必ずしも全長に渡って直線的に延びている必要はなく、例えば図3に示されたコンクリート型枠用スペーサ10のブロック支持アーム18の先端近くを湾曲させて、図21に示されているように、鉛直上下に配列されている鉄筋ではなくて水平方向に配列されている鉄筋32,32を利用してそれらの鉄筋32,32間に水平方向に跨がるようにして係止されるコンクリート型枠用スペーサ60を実現することも可能である。なお、図21では、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位に対して、それぞれ、第一の実施形態と同一の符号を付することにより、その詳細な説明を省略する。
また、本発明の別の実施形態を、図22に示す。このように、ブロック支持アーム18の先端を、3つ或いはそれ以上に分岐させることも可能である。そして、そのうちの適当な数の部分をスペーサーブロック14に埋入固着させて固着部としての屈曲部26とすると共に、他の適当な数の分岐部分を利用してスペーサーブロック14の外部に位置する係止部42とすることが出来る。これにより、コンクリートブロック14への固着強度と、配設鉄筋への係止強度を、適当に調節することも可能となる。
更にまた、本発明に従う構造とされたコンクリート型枠用スペーサーの他の装着状態を、モデル的に、図23〜28に示す。なお、これらの各図では、その理解を容易とするために、前述の実施形態と同様な構造とされた部材および部位に対して、それぞれ、図中に前述の実施形態と同一の符号を付しておく。
すなわち、図23に示されているように、係止片42は、鉄筋34に対して下方から、前記図14の実施形態と反対向きに巻き付けて係止させることも出来る。また、図24に示されているように、前記図14と反対に、掛止部16を下段鉄筋34に掛止すると共に、係止片42を上段鉄筋32に係止して装着しても良い。また、図25に示されているように、法面等のコンクリート構造物のように傾斜した鉄筋32,34に対しても装着することが可能である。また、図26に示されているように、例えば擁壁の天面のように水平方向に所定間隔で配筋された左右の鉄筋32,34に対して、その一方に掛止部16を掛止すると共に、他方に係止片42を係止して装着することも可能である。また、図27に示されているように、製造時や販売時には、支持板金具12における掛止部16の形成部分を全体として平板形状としたままで、出荷し、例えば現場において、或いは施工業者において、支持板金具12を適当な形状に、手作業等で湾曲変形させて、掛止部16や係り止め部22,ガイドアーム20を形成するようにしても良い。このように掛止部16等を後加工で形成する態様(即ち、掛止部16を含んで、支持板金具のブロック支持アームから直線的に延びる平板形状で形成されており、現場装着前に適当な位置で湾曲加工することで掛止部16が形成されるようにした構成)を採用すれば、現場において配筋間隔に柔軟に対応することも可能となる。更にまた、図示はされていないが、係止片42と屈曲部26の長さ寸法は、同じにする必要はなく、例えばコンクリートブロック14の長さが大きい場合には屈曲部26を係止片42より長尺としてコンクリートブロック14への固着面積と固着強度を確保しても良く、或いは鉄筋が大径だったり鉄筋の配筋間隔が複数異なっていたりすると、係止片42を長尺として係止自由度を大きく設定しても良い。さらに、図28に示されているように、係止片42を、その基端部から180度折り返すようにして、ブロック支持アーム18の裏面(スペーサーブロック14の突出方向と反対面)に対して略全体に亘って重ね合わせるようにしておいても良い。このように折り返した係止片42を採用することにより、スペーサーブロック14の成形時や、製品としてのコンクリート型枠用スペーサーのストックや搬送、更に現場での装着作業等に際して、スペーサーブロック14から突出した係止片42が邪魔になるようなことがない。特に、このような折り返した係止片42の構造は、図27に示されている(図28にも示されている)前述の平板形状に延ばしておく掛止部16や屈曲部24の構造と組み合わせて採用することにより、取扱いが一層容易となる。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーを示す正面図である。 図1に示されたコンクリート型枠用スペーサーを示す背面図である。 図1に示されたコンクリート型枠用スペーサーを示す右側面図である。 図1に示されたコンクリート型枠用スペーサーを示す平面図である。 図1に示されたコンクリート型枠用スペーサーを示す底面図である。 図1に示されたコンクリート型枠用スペーサーを示す斜視図である。 図1に示されたコンクリート型枠用スペーサーの取付状態を示す側面図である。 本発明の第二の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーを示す正面図である。 図7に示されたコンクリート型枠用スペーサーを示す背面図である。 図7に示されたコンクリート型枠用スペーサーを示す右側面図である。 図7に示されたコンクリート型枠用スペーサーを示す左側面図である。 図7に示されたコンクリート型枠用スペーサーを示す平面図である。 図7に示されたコンクリート型枠用スペーサーを示す正面図である。 図7に示されたコンクリート型枠用スペーサーを示す斜視図である。 図8に示されたコンクリート型枠用スペーサーの取付状態を示す側面図である。 本発明の第三の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーの取付状態を示す側面図である。 本発明の第一及び第二の実施形態におけるコンクリート型枠用スペーサーにおける一具体例の取付状態を示す側面図である。 本発明の第二の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーの一具体例の取付状態を示す側面図である。 本発明の第二の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーの別の一具体例の取付状態を示す側面図である。 本発明の第三の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーの別の一具体例の取付状態を示す側面図である。 本発明の更に別の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーの取付状態例を示す側面図である。 本発明の更に別の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーを示す説明図である。 本発明の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーの別の装着状態を示す概略図である。 本発明の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーの別の装着状態を示す概略図である。 本発明の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーの別の装着状態を示す概略図である。 本発明の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーの別の装着状態を示す概略図である。 本発明の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーの別例を示す概略図である。 本発明の実施形態としてのコンクリート型枠用スペーサーの別例を示す概略図である。
符号の説明
10 コンクリート型枠用スペーサー
12 支持板金具
14 スペーサーブロック
16 掛止部
18 ブロック支持アーム
20 ガイドアーム
26 固着部
32 上段鉄筋
34 下段鉄筋
36 型枠
38 型枠
42 係止部

Claims (6)

  1. 所定幅の長手板形状を有する支持板金具が長手方向中間部分において湾曲状に折り返されることによって掛止部が形成されるようにっなっている一方、該掛止部から延び出した一方の折り返し部分によってブロック支持アームが形成されており、該ブロック支持アームが延び出し方向の先端縁部から所定長さに亘って長手方向に切り込まれることにより、該支持アームにおいて単一平板状の支持アーム基端部と複数の分岐平板状の支持アーム先端部が形成されていると共に、該複数の支持アーム先端部の少なくとも一つが該支持アーム基端部に対して略直角に屈曲されたスペーサ固着部とされて該スペーサ固着部に対してコンクリート製のスペーサーブロックが固着されている一方、該複数の支持アーム先端部の別の少なくとも一つが該スペーサーブロックの外部に突出せしめられた係止部とされており、この係止部と前記掛止部において、それぞれ、鉄筋コンクリートを構成する鉄筋に対して係合せしめられて位置決めされ得るようにしたことを特徴とするコンクリート型枠用スペーサー。
  2. 前記係止部が人手で変形可能とされている請求項1に記載のコンクリート型枠用スペーサー。
  3. 前記スペーサ固着部が前記スペーサブロックに差し入れられて埋入固着されている請求項1又は2に記載のコンクリート型枠用スペーサー。
  4. 前記係止部が前記支持アーム基端部との境界部分で折り返されて該支持アームの一方の面に対して略重ね合わされている請求項1又は2に記載のコンクリート型枠用スペーサー。
  5. 前記スペーサーブロックの突出先端面が、略半球状面とされている請求項1乃至4の何れかに記載のコンクリート型枠用スペーサー。
  6. 複数本の鉄筋を組んで配筋した外側にコンクリート型枠を配設することによって形成したコンクリート打設空間に対してコンクリート材料を打ち込んで鉄筋コンクリート構造物を製造するに際して、
    請求項1乃至5の何れかに記載のコンクリート型枠用スペーサーを用い、前記配筋した鉄筋に対して前記掛止部と前記係止部をそれぞれ係合させることにより該コンクリート型枠用スペーサーをかかる配筋した鉄筋に対して位置決めすることによって装着し、該コンクリート型枠用スペーサーの前記スペーサーブロックの突出先端面を前記コンクリート型枠の内面に当接させることにより該コンクリート型枠を該鉄筋に対して所定距離を隔てて位置決めして前記コンクリート打設空間を形成してから、該コンクリート打設空間に対してコンクリート材料を打ち込むことを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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