JP2006256665A - 切目形成装置 - Google Patents

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Masahide Ikeda
政秀 池田
Takayuki Terada
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Abstract

【課題】オーバーラップ包装体における包材や容器が損傷を受けることなく、包材に確実に開封用の連続切目または断続切目を形成することができる切目形成装置を提供する。
【解決手段】カップ入り商品にシュリンクフィルムからなる包材を用いてオーバーラップ包装を施したオーバーラップ包装体OPの包材に、開封用の切目を形成するためのものであり、切目形成ヘッド10と、切目形成ヘッド10をオーバーラップ包装体OPの底面に接近離反させる駆動シリンダ20とを備えている。切目形成ヘッド10は、磁性体や導電体によって形成された円柱状の発熱体と、発熱体の下面に突設された切目形成刃と、発熱体を取り囲む加熱コイル13とを備えており、高周波発生装置30によって生成された高周波電流を加熱コイル13に通電することによって高周波磁界を発生させ、高周波誘導加熱によって、切目形成刃を300〜600℃程度に昇温するようになっている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、オーバーラップ包装が施されたカップ入り即席ラーメン等の包材に開封用の切目を形成する切目形成装置に関する。
従来から、カップ入り即席ラーメン等のカップ入り商品やプラスチックシートによって形成された容器に収容された弁当等の商品については、シュリンクフィルムによって形成された包材を用いてオーバーラップ包装を施した状態で販売されているが、こういったオーバーラップ包装体は、シュリンクフィルム等の包材が被包装体に密着しているため、包材を簡単に破断して開封することが難しい。
従って、こういったオーバーラップ包装体では、例えば、図6に示すように、予め、包材Pに「V」字状の切目51を形成すると共に、この切目51部分を覆うように、粘着層の形成されていない摘み部61を有する開封用のタックラベル60を包材Pに貼着しておき、オーバーラップ包装体を開封する際は、タックラベル60の摘み部61を摘んで、タックラベル60を包材Pから剥離すると、「V」字状の切目51の内側部分だけがタックラベル60の接着力によって貼着されたまま、V字の幅で、包材Pが破断されるようになっている。
上述したようなオーバーラップ包装体の包材に「V」字状の切目を形成する切目形成装置は、V字状の打抜刃と、この打抜刃を加熱する電気ヒータとを備えており、V字状の打抜刃を電気ヒータによって加熱した状態で、オーバーラップ包装体の包材に押し当てることによって、オーバーラップ包装体の包材に「V」字状の連続切目またはミシン目等の断続切目を形成するようになっている。
実開昭59−186262号公報
しかしながら、開封用の連続切目または断続切目を確実に形成するためには、打抜刃の温度を高くする必要があるが、電気ヒータの出力を上げて打抜刃の温度を高くすると、それに伴って周囲の温度も上昇し、包材自体がダメージを受けるので、打抜刃の温度を200℃以上に高くすることができず、結局、開封用の連続切目または断続切目を確実に形成することができなかった。
また、包材と容器との間の隙間が3mm程度と小さい場合、開封用の連続切目または断続切目を確実に形成するために、打抜刃をシュリンクフィルムに押さえ付けると、フィルムが凹んで打抜刃が容器に接触し、容器が損傷を受けるという問題もある。
また、打抜刃を包材に接触させているので、溶融した包材が打抜刃に付着し、打抜刃を頻繁に交換等しなければならないという問題もある。
そこで、この発明の課題は、オーバーラップ包装体における包材や容器が損傷を受けることなく、包材に確実に開封用の連続切目または断続切目を形成することができる切目形成装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、オーバーラップ包装体の包材に連続切目または断続切目を形成する切目形成装置であって、高周波誘導加熱した切目形成刃を包材に近接させることによって、前記切目形成刃を包材に非接触の状態で、包材に連続切目または断続切目を形成するようにしたことを特徴とする切目形成装置を提供するものである。
以上のように、請求項1にかかる発明の切目形成装置は、切目形成刃を高周波誘導加熱しているので、切目形成刃の周辺温度を高くすることなく、切目形成刃だけを集中的に高温に加熱することができる。従って、切目形成刃を包材に非接触の状態で、包材に連続切目または断続切目を形成することができ、溶融した包材が切目形成刃に付着することがなく、包材自体にダメージを与えることもない。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の切目形成装置1を示している。この切目形成装置1は、カップ入り即席ラーメン等のカップ入り商品にシュリンクフィルムからなる包材を用いてオーバーラップ包装を施したオーバーラップ包装体OPの包材に、開封用の切目を形成するためのものであり、同図に示すように、切目形成ヘッド10と、この切目形成ヘッド10を、上下逆向きに載置されたオーバーラップ包装体OPの底面に接近離反させる駆動シリンダ20とを備えている。
前記切目形成ヘッド10は、図1及び図2(a)、(b)に示すように、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、真鍮等の磁性体や導電体によって形成された円柱状の発熱体11と、この発熱体11の下面に突設された高さhが2mm程度の切目形成刃12と、発熱体11を取り囲む加熱コイル13とを備えており、高周波発生装置30によって生成された高周波電流を加熱コイル13に通電することによって高周波磁界を発生させ、高周波誘導加熱によって、切目形成刃12を300〜600℃程度に昇温するようになっている。
前記切目形成刃12は、図2(a)に示すように、全体がU字状に形成されており、直線部分には、6mm程度の間隔を開けて、刃が存在しない1mm程度の欠落部lpが4箇所形成されている。
以上のように構成された切目形成装置1を用いて、オーバーラップ包装体OPの包材に、開封用の切目を形成するには、図3に示すように、300〜600℃程度に昇温した切目形成刃12を、包材Pとの間に0.5〜1.0mmの隙間ΔS1が形成されるように、包材Pに接近させると、切目形成刃12の熱によって包材Pが溶融し、欠落部lpを除いて、切目形成刃12に対応する部分に断続切目が形成される。なお、オーバーラップ包装体OPを構成しているカップ状容器Cの底面と包材Pとの間には、3mm程度の隙間ΔS2が形成されている。
以上のように、この切目形成装置1では、切目形成刃12を高周波誘導加熱することにより、切目形成刃12の周辺温度を高くすることなく、切目形成刃12だけを集中的に高温に加熱することができるので、高温になった切目形成刃12を短時間包材Pに近接させるだけで、切目形成刃12を非接触の状態で、包材Pに断続切目を形成することが可能になる。
従って、溶融した包材Pが切目形成刃12に付着することがなく、切目形成刃12の連続使用が可能になると共に、包材P自体にダメージを与えることがなく、上述したように、包材Pとカップ状容器Cとの間の隙間ΔS1が小さい場合であっても、カップ状容器Cに損傷を与えることもない。
特に、包材Pが熱収縮性を有するシュリンクフィルムによって形成されている場合は、包材Pの加熱部分が熱収縮しながら溶融していくので、断続切目が形成されやすく、この切目形成装置1を用いて切目を形成する場合に有効である。具体的には、厚さ10〜20μmの二軸延伸されたポリプロピレン系のシュリンクフィルムを用いたときに短時間で溶融すると共に、二軸方向に収縮力が生じて切目形成刃12の形状に合致した切目が形成される。
なお、上述した実施形態では、欠落部lpを有する切目形成刃12によって断続切目を形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、欠落部のない切目形成刃によって連続切目を形成することも可能である。
また、上述した実施形態では、U字状の切目形成刃12によって、U字状の断続切目を形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図4(a)、(b)に示すように、複数本の針状の切目形成刃12a、12bをU字状やV字状に配置することも可能である。
また、図5に示すように、切目形成ヘッド10が断熱部材(耐熱ガラスまたはセラミックプレート)41を介して接続された中空フランジ部42に、内部空間が相互に連通するように、切目形成ヘッド10を取り囲む中空円筒部43を連設し、中空円筒部43に供給した冷却水を中空フランジ部42から外部に排出するような冷却手段40を設けておけば、切目形成ヘッド10の発熱体11が発する熱の周囲への影響を最小限に抑えることができる。ただし、切目形成ヘッド10を取り囲む中空フランジ部42や中空円筒部43は、磁界の影響を受けにくいように、非磁性体によって形成しておくことが望ましく、これらの部材を磁性体によって形成する場合は、切目形成ヘッド10との間の距離を50mm以上確保しておくことが望ましい。また、上述したような中空円筒部43に代えて、スパイラル状に形成された冷却水パイプによって切目形成ヘッド10を取り囲むようにしておくと、冷却水のショートサーキットを防止することができるので、切目形成ヘッド10の発熱体11が発する熱の周囲への影響を確実に抑えることができる。
また、上述した実施形態では、オーバーラップ包装が施されたカップ入り商品の底部に切目を形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、胴部周面や天面に切目を形成することも可能である。
また、本発明の切目形成装置によって包材に切目を形成するオーバーラップ包装体は、カップ入り商品にオーバーラップ包装を施したものに限定されるものではなく、他の食品容器や医薬品、ビデオテープ(カセットテープ)等にオーバーラップ包装を施したものであってもよい。
また、本発明の切目形成装置は、オーバーラップ包装体における包材と容器等との間の隙間が0.1〜5mm程度の小さい場合に適しており、しかも、容器等がプラスチック製の場合、特に、発泡ポリスチレン製のカップ状やトレー状の容器に適している。
この発明にかかる切目形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。 (a)は同上の切目形成装置に使用されている切目形成ヘッドを構成している発熱体を示す底面図、(b)は同上の発熱体を示す側面図である。 同上の切目形成装置の使用方法を説明するための説明図である。 (a)、(b)は他の実施形態である切目形成装置に使用されている切目形成ヘッドを構成している発熱体を示す底面図である。 同上の切目形成装置に冷却手段を取り付けた状態を示す部分断面図である。 (a)〜(c)はオーバーラップ包装体の一般的な開封手法を説明するための説明図である。
符号の説明
1 切目形成装置
10 切目形成ヘッド
11 発熱体
12 切目形成刃
13 加熱コイル
20 駆動シリンダ
30 高周波発生装置
40 冷却手段
41 断熱部材
42 中空フランジ部
43 中空円筒部
OP オーバーラップ包装体
C カップ状容器
P 包材

Claims (1)

  1. オーバーラップ包装体の包材に連続切目または断続切目を形成する切目形成装置であって、
    高周波誘導加熱した切目形成刃を包材に近接させることによって、前記切目形成刃を包材に非接触の状態で、包材に連続切目または断続切目を形成するようにしたことを特徴とする切目形成装置。
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