JP2006254929A - 癒着防止材 - Google Patents
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Abstract
【課題】物理的な曲げに強い癒着防止材を提供すること。
【解決手段】分子量が200,000〜500,000でカルボキシメチル基含量が0.5mmol/g〜2.0mmol/gであるカルボキシメチルプルランが分子鎖中のカルボキシメチル基を介して分子間で水素結合架橋を生成することによって形成される水不溶性のカルボキシメチルプルラン組成物であって、カルボキシメチル基が酸型である。この組成物をフィルム状にした癒着防止材は生体適合性に優れ、生体内での分解、吸収も適度な時間内で起こり、従来の癒着防止材の欠点であった曲げの問題を解決し、かつ生体への影響もほとんどないものである。
【解決手段】分子量が200,000〜500,000でカルボキシメチル基含量が0.5mmol/g〜2.0mmol/gであるカルボキシメチルプルランが分子鎖中のカルボキシメチル基を介して分子間で水素結合架橋を生成することによって形成される水不溶性のカルボキシメチルプルラン組成物であって、カルボキシメチル基が酸型である。この組成物をフィルム状にした癒着防止材は生体適合性に優れ、生体内での分解、吸収も適度な時間内で起こり、従来の癒着防止材の欠点であった曲げの問題を解決し、かつ生体への影響もほとんどないものである。
Description
本発明は、癒着防止材に関する。より詳細には、柔軟でありハンドリング性が特に優れる癒着防止材に関する。
生体適合性であり、生体吸収性である多糖としてプルランがある。プルランは、その水溶液を乾燥することで透明で光沢のある強靱なフィルムを形成する。その性質を活かし、医薬品のカプセル材料、可食性シート等に利用されている(国崎直道 著、「食品多糖類」、第6章 微生物産生食品多糖類、p.175-178、幸書房、日本(2001年11月25日))。一方で、プルランの生体適合性、生体吸収性を活かし、薬物送達システムのキャリヤー材料としての検討もなされている(医薬品副作用被害救済研究振興基金編、 糖鎖工学と医薬品開発、 p.226-261、薬業時報社、日本(1993年12月1日))。
ところで、各種の外科手術においては、患部の切除、および損傷部位の修復等を行うことが多く、特に肺、心臓、肝臓、脳、消化器官、胆嚢などの各種臓器を対象とする場合には、その切断面や欠損部などに、該臓器の組織を覆っている膜状物を補填または補綴しなければ、その臓器の根本的な機能を損なう場合が多い。これらの処置を不完全に行うと、臓器の機能不全により死亡するか、もしくは生命の危機を逃れても、予後が大変悪くなる傾向が良く観うけられる。またこれらの補綴、補填部位での縫合固定が不良であると、該処置を行った臓器自身の機能はかろうじて維持できたとしても、これらの臓器から滲出または漏出した体液、消化液、内容物などにより感染したり、他臓器への攻撃、浸食を引き起こして生命の危機を招くこともある。
さらに、これら補綴または補填した膜状物と臓器との癒着が高頻度に発生するケースがあり、その結果として、経時的に臓器の機能不全を誘発する事もある。このような各種の問題点を解決する目的で、臓器または該臓器の組織を覆う膜状物または癒着防止膜が、様々な材料により開発されている。癒着を防止する機構として、最も単純かつ効果的である方法は、損傷または欠損等により傷ついた組織と、この組織に物理的に接触が可能である別の組織とを隔壁により接触させないことである。しかし、これを合成繊維等で行う場合、生体適合性の不足から、過度の石灰化、異物反応、炎症反応などの様々な不都合が生じてくる。また、隔壁として生体適合性材料を用いた場合であっても、材料自身が、損傷または欠損した組織と、それに対応する別組織との癒着を媒介してしまってはならない。
これらの条件を満足するものとしては、ヒアルロン酸やゼラチンなどが挙げられる。両者は共に粘性のある水溶性の液体として取り扱うことが可能であり、様々な加工方法により、フィルムとして利用することが可能である。これらの材料は主に動物等の生体より抽出・精製されるものであるから、生体適合性が良好であり、既に医薬品をはじめ、様々な医療分野で実用化が成されている。例えば、ヒアルロン酸を利用する癒着防止材としては、
、
を基に開発されたヒアルロン酸とカルボキシメチルセルロースをカルボジイミドで修飾したものからなる組成物でフィルム状の癒着防止材「セプラフィルム」(Genzyme社製)が市販されている。本技術は、臨床上、優れた癒着防止効果を示すことが報告されているが、物理的な曲げに対して割れやすく、取り扱い易さの点で難点があった。
十分な癒着防止効果を発揮し生体適合性、生体内分解・吸収性といった特性を維持しつつ、物理的な曲げに追従し、取り扱いの容易さが改良された癒着防止材を提供することにある。
上記の目的を達成すべく本発明者らは、生体適合性、生体内分解・吸収性であり、その乾燥フィルムが強靱である多糖であるプルランについて種々検討を重ねてきた。その結果、分子鎖中にカルボキシメチル基が導入されたカルボキシメチルプルランからなるフィルムが、ハンドリング性が特に優れ、良好な癒着防止特性を有していることを見出した。
すなわち、本発明は、カルボキシメチルプルランからなる癒着防止材であって、カルボキシメチルプルランの分子量が200,000〜500,000であり、カルボキシメチル基含量が0.5mmol/g〜2.0mmol/gである癒着防止材である。
本発明によれば、生体適合性、生体内分解・吸収性ばかりでなく、物理的な曲げ弾性にも優れる癒着防止材を提供することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明でいう癒着防止材とは、生体内の粘膜、血管、骨、腱のような組織や胃あるいは腸のような消化器官、または子宮の表面に貼付したり体表付近に生じた創傷部位及びその周辺に留置することにより、外科的な手術により手術部位やその周辺等に生ずる癒着の程度を軽減あるいは癒着を防止するものを意味する。例えば、一般的な手術の際に引き起こされる外科的損傷、手術部位の縫合部、骨折やアキレス腱断裂等に見られる物理的損傷に対して適用することを指す。さらに体表あるいは体内に適用されるものであることから生体適合性のあるものであることを意味する。
本発明でいう癒着防止材とは、生体内の粘膜、血管、骨、腱のような組織や胃あるいは腸のような消化器官、または子宮の表面に貼付したり体表付近に生じた創傷部位及びその周辺に留置することにより、外科的な手術により手術部位やその周辺等に生ずる癒着の程度を軽減あるいは癒着を防止するものを意味する。例えば、一般的な手術の際に引き起こされる外科的損傷、手術部位の縫合部、骨折やアキレス腱断裂等に見られる物理的損傷に対して適用することを指す。さらに体表あるいは体内に適用されるものであることから生体適合性のあるものであることを意味する。
プルランの説明(製造法、分子量)
本発明に用いられるカルボキシメチルプルランの分子量は、200,000〜500,000の範囲内のものが好ましい。特に200,000〜400,000が好ましい。なぜなら分子量が200,000未満の場合、カルボキシメチル基を導入し、水溶液とし、乾燥フィルムを作成しても、水不溶性のフィルムが得られない。一方、分子量が500,000を超えると、水溶液を調製したとき低濃度でも高い粘性を示すため、取り扱いが困難である。
本発明に用いられるカルボキシメチルプルランの分子量は、200,000〜500,000の範囲内のものが好ましい。特に200,000〜400,000が好ましい。なぜなら分子量が200,000未満の場合、カルボキシメチル基を導入し、水溶液とし、乾燥フィルムを作成しても、水不溶性のフィルムが得られない。一方、分子量が500,000を超えると、水溶液を調製したとき低濃度でも高い粘性を示すため、取り扱いが困難である。
カルボキシメチル化(合成方法、カルボキシル基の定量方法、カルボキシル基の含量)
カルボキシメチルプルランは、プルランを水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、モノクロロ酢酸でカルボキシメチル化、その後、カルボキシメチルプルランが不溶な有機溶媒中に固体として析出させ回収することで得られる。そして、カルボキシメチルプルランのカルボキシメチル基は酸型であることが好ましい。ここでいう酸型とは、カルボキシメチル基のカウンターカチオンが水素イオンであることを示す。酸型のカルボキシメチルプルランは、合成時、プルランの水溶液をモノクロロ酢酸でカルボキシメチル化した後に、塩酸を添加し酸性水溶液とした状態で回収することによって得ることが出来る。カウンターカチオンがナトリウムやカリウムとなった塩であると、カルボキシメチル基同士の水素結合が形成されず、水不溶性のフィルムが得られない。カルボキシメチル基含量は、0.5mmol/g〜2.0mmol/gであることが好ましい。カルボキシメチル基含量が0.5mmol/g未満であると、乾燥フィルムを作成しても水不溶性とならない。逆にカルボキシメチル基含量が2.0mmol/gを超えると、カルボキシメチルプルラン合成、回収後の粉体状態で水不溶性となってしまうため、再溶解、乾燥フィルムの作成が不可能となる。カルボキシメチルプルランのカルボキシメチル基の含量は、酸塩基滴定によって求めることが出来る。
カルボキシメチルプルランは、プルランを水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、モノクロロ酢酸でカルボキシメチル化、その後、カルボキシメチルプルランが不溶な有機溶媒中に固体として析出させ回収することで得られる。そして、カルボキシメチルプルランのカルボキシメチル基は酸型であることが好ましい。ここでいう酸型とは、カルボキシメチル基のカウンターカチオンが水素イオンであることを示す。酸型のカルボキシメチルプルランは、合成時、プルランの水溶液をモノクロロ酢酸でカルボキシメチル化した後に、塩酸を添加し酸性水溶液とした状態で回収することによって得ることが出来る。カウンターカチオンがナトリウムやカリウムとなった塩であると、カルボキシメチル基同士の水素結合が形成されず、水不溶性のフィルムが得られない。カルボキシメチル基含量は、0.5mmol/g〜2.0mmol/gであることが好ましい。カルボキシメチル基含量が0.5mmol/g未満であると、乾燥フィルムを作成しても水不溶性とならない。逆にカルボキシメチル基含量が2.0mmol/gを超えると、カルボキシメチルプルラン合成、回収後の粉体状態で水不溶性となってしまうため、再溶解、乾燥フィルムの作成が不可能となる。カルボキシメチルプルランのカルボキシメチル基の含量は、酸塩基滴定によって求めることが出来る。
カルボキシメチルプルランのフィルム作成方法
カルボキシメチルプルランは酸性の水溶液とした後、任意の容器に入れ、加熱乾燥することによって、水膨潤性の乾燥フィルムを得ることが出来る。カルボキシメチルプルラン水溶液のpHは3.5以下であることが好ましい。pHを調整するために使用する酸は、pH3.5以下に調整できる酸であれば、いずれの酸も使用することができる。酸の使用量を低減するために、好ましくは強酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等を使用することが望ましい。
カルボキシメチルプルランは酸性の水溶液とした後、任意の容器に入れ、加熱乾燥することによって、水膨潤性の乾燥フィルムを得ることが出来る。カルボキシメチルプルラン水溶液のpHは3.5以下であることが好ましい。pHを調整するために使用する酸は、pH3.5以下に調整できる酸であれば、いずれの酸も使用することができる。酸の使用量を低減するために、好ましくは強酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等を使用することが望ましい。
溶液の乾燥条件
乾燥はカルボキシメチルプルランの酸性水溶液を、任意の容器に入れた後、40℃〜100℃に設定したオーブン内に静置することで乾燥させる。乾燥時間を短くできることから好ましくは70℃以上の設定温度が選ばれる。また、時間は、その温度で乾燥が終了する時間以上であれば特に制限されない。
乾燥はカルボキシメチルプルランの酸性水溶液を、任意の容器に入れた後、40℃〜100℃に設定したオーブン内に静置することで乾燥させる。乾燥時間を短くできることから好ましくは70℃以上の設定温度が選ばれる。また、時間は、その温度で乾燥が終了する時間以上であれば特に制限されない。
本発明で得られた癒着防止材の投与時期は、術後の癒着を防止できるどの時期でも良く、手術中又は手術終了時に投与できるが、特に手術終了の直前に投与するのが好ましい。
以下に本発明の具体例である実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
カルボキシメチルプルランの合成方法
カルボキシメチルプルランの合成方法
分子量20万 CM基 1.0mmol/g
分子量が200,000のプルラン(PI-20,林原生物化学研究所)10gに18wt%水酸化ナトリウム水溶液125gを添加して、25℃で2時間攪拌した。続いて、20wt%モノクロル酢酸水溶液75gを添加して、25℃で18時間攪拌した。その後、20%塩酸を使用して反応溶液をpH1.0に調整し、25℃で2時間攪拌した。反応溶液を90vol%エタノール水溶液5Lに滴下し、吸引ロートを用いて析出物を回収した。90vol%エタノール水溶液3Lを使用して得られた析出物を洗浄して、最後にエタノールで置換した後、減圧乾燥した。これによりカルボキシメチル化プルランを合成した。カルボキシメチル基含量の定量は滴定法で行った。カルボキシメチルプルラン0.2g(A g)を秤取り、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液20mLと80vol%メタノール水溶液10mLとの混合溶液に添加し、25℃で3時間攪拌した。得られた溶液に、指示薬として1.0w/v%フェノールフタレイン/90vol%エタノール水溶液を3滴添加し、0.05mol/L硫酸を使用して酸塩基逆滴定を行い、0.05mol/L硫酸の使用量(V1 mL)を測定した。同様にして行ったブランクでの0.05mol/L硫酸の使用量(V0 mL)を測定した。次式より、カルボキシメチル基の含量(B mmol/g)を算出した。
B(mmol/g)=(V0-V1)×0.1÷A
カルボキシメチル基含量は、1.0mmol/gであった。得られたカルボキシメチルプルラン2wt%水溶液20mlを調製し、プラスチック製皿(8cm×8cm)に展開し、70℃に設定したオーブンで乾燥し、加熱乾燥フィルムを作成した。フィルムの厚みは、150μmであった。
B(mmol/g)=(V0-V1)×0.1÷A
カルボキシメチル基含量は、1.0mmol/gであった。得られたカルボキシメチルプルラン2wt%水溶液20mlを調製し、プラスチック製皿(8cm×8cm)に展開し、70℃に設定したオーブンで乾燥し、加熱乾燥フィルムを作成した。フィルムの厚みは、150μmであった。
分子量20万、CM基 0.6mmol/g
実施例1.において、モノクロル酢酸水溶液の濃度を10wt%に変更した以外は、実施例1と同じに行い、カルボキシメチルプルランを得た。カルボキシメチル基含量は、0.6mmol/gであった。実施例1と同様に加熱乾燥フィルムを作成した。フィルムの厚みは、170μmであった。
分子量40万、CM基 0.9mmol/g
実施例1.において、プルランの分子量を40,000のものに変更した以外は、実施例1と同じに行い、カルボキシメチルプルランを得た。カルボキシメチル基含量は、0.9mmol/gであった。実施例1と同様に加熱乾燥フィルムを作成した。フィルムの厚みは、175μmであった。
分子量40万、CM基 1.6mmol/g
実施例1.において、モノクロル酢酸水溶液の濃度を30wt%に変更した以外は、実施例1と同じに行い、カルボキシメチルプルランを得た。カルボキシメチル基含量は、1.6mmol/gであった。実施例1と同様に加熱乾燥フィルムを作成した。フィルムの厚みは、160μmであった。
(比較例1) 分子量10万、CM基 1.2mmol/g
(比較例1) 分子量10万、CM基 1.2mmol/g
実施例1.において、プルランの分子量を100,000のものに変更した以外は、実施例1と同じに行い、カルボキシメチルプルランを得た。カルボキシメチル基含量は、1.2mmol/gであった。実施例1と同様に加熱乾燥フィルムを作成した。フィルムの厚みは、140μmであった。
(比較例2) 分子量20万、CM基 0.2mmol/g
(比較例2) 分子量20万、CM基 0.2mmol/g
実施例1.において、モノクロル酢酸水溶液の濃度を5wt%に変更した以外は、実施例1と同じに行い、カルボキシメチルプルランを得た。カルボキシメチル基含量は、0.2mmol/gであった。実施例1と同様に加熱乾燥フィルムを作成した。フィルムの厚みは、190μmであった。
(比較例3) 分子量20万、CM基 2.5mmol/g
(比較例3) 分子量20万、CM基 2.5mmol/g
実施例1.において、モノクロル酢酸水溶液の濃度を40wt%に変更した以外は、実施例1と同じに行い、カルボキシメチルプルランを得た。カルボキシメチル基含量は、2.5mmol/gであった。実施例1と同様に加熱乾燥フィルムを作成することを試みたが、カルボキシメチルプルランが水に不溶であったため、フィルムを作成することが出来なかった。
(1)耐溶解性試験
カルボキシメチルプルラン加熱乾燥フィルム、およびセプラフィルムを約1cm×1cmとしたものを、生理食塩水中、周囲温度を37℃とした状態で1時間放置し、フィルムの残存の有無を評価した。目視で観察したとき、残存していた場合(不溶)を○、消失した場合(溶解)を×とした。
カルボキシメチルプルラン加熱乾燥フィルム、およびセプラフィルムを約1cm×1cmとしたものを、生理食塩水中、周囲温度を37℃とした状態で1時間放置し、フィルムの残存の有無を評価した。目視で観察したとき、残存していた場合(不溶)を○、消失した場合(溶解)を×とした。
(2)柔軟性試験
カルボキシメチルプルラン加熱乾燥フィルム、およびセプラフィルムを約5cm×5cmとし、直径3cm、長さ10cmの円柱に巻きつけた時、割れが生じない場合を○、割れが発生した場合を×とした。
カルボキシメチルプルラン加熱乾燥フィルム、およびセプラフィルムを約5cm×5cmとし、直径3cm、長さ10cmの円柱に巻きつけた時、割れが生じない場合を○、割れが発生した場合を×とした。
(3)生体適合性試験
SD系ラット(Jcl:SD、日本クレア社製)をネンブタール(日本ダイナボット社製)筋注により全身麻酔した後、背部を剃毛し正中線に沿って切開と皮下左右に切開して皮下ポケットを作製し、続いてカルボキシメチルプルラン加熱乾燥フィルム(約1cm×1cm)を挿入して、最後に切開部の縫合を行った。埋植7日後に剖検を行い、カルボキシメチルプルラン加熱乾燥フィルムの埋植部位周辺の組織観察所見により、生体適合評価を行った。なお、評価結果は、炎症なしは○、炎症ありは×とした。
SD系ラット(Jcl:SD、日本クレア社製)をネンブタール(日本ダイナボット社製)筋注により全身麻酔した後、背部を剃毛し正中線に沿って切開と皮下左右に切開して皮下ポケットを作製し、続いてカルボキシメチルプルラン加熱乾燥フィルム(約1cm×1cm)を挿入して、最後に切開部の縫合を行った。埋植7日後に剖検を行い、カルボキシメチルプルラン加熱乾燥フィルムの埋植部位周辺の組織観察所見により、生体適合評価を行った。なお、評価結果は、炎症なしは○、炎症ありは×とした。
(4)生体吸収性試験
(3)の生体適合性評価と同様に行い、30日に剖検を行い、埋植部位のカルボキシメチルプルラン加熱乾燥フィルムの残存の肉眼観察により、生体吸収性評価を行った。なお、評価結果は、残存性を残存なし(生体吸収された)の場合を○、残存(生体吸収されず)の場合を×とした。
(3)の生体適合性評価と同様に行い、30日に剖検を行い、埋植部位のカルボキシメチルプルラン加熱乾燥フィルムの残存の肉眼観察により、生体吸収性評価を行った。なお、評価結果は、残存性を残存なし(生体吸収された)の場合を○、残存(生体吸収されず)の場合を×とした。
(5)癒着防止機能試験
I)癒着誘導法によるコントロールモデルの作成
SD系ラット(Jcl:SD、日本クレア社製)をネンブタール(日本ダイナボット社製)筋注により全身麻酔した後、仰向けに固定してイソジンにて腹部皮膚を消毒後、剪毛を行った。ラット腹筋を正中線に沿って開腹し、盲腸を腹腔内から取りだした。盲腸部分にガーゼで約120回擦過した。その後、盲腸を元に戻して縫合を行った。術後1週間に開腹したとき、癒着が確認され、コントロールモデルが作成出来た。
I)癒着誘導法によるコントロールモデルの作成
SD系ラット(Jcl:SD、日本クレア社製)をネンブタール(日本ダイナボット社製)筋注により全身麻酔した後、仰向けに固定してイソジンにて腹部皮膚を消毒後、剪毛を行った。ラット腹筋を正中線に沿って開腹し、盲腸を腹腔内から取りだした。盲腸部分にガーゼで約120回擦過した。その後、盲腸を元に戻して縫合を行った。術後1週間に開腹したとき、癒着が確認され、コントロールモデルが作成出来た。
II)カルボキシメチルプルラン加熱乾燥フィルムの癒着防止機能評価
擦過部に実施例1、実施例2、実施例3で得られたカルボキシメチルプルランの加熱乾燥フィルム約4cm×4cm片をあて、盲腸を元に戻して縫合を行った。術後1週間に開腹したとき、いずれのフィルムを入れた場合も、癒着は見られなかった。
擦過部に実施例1、実施例2、実施例3で得られたカルボキシメチルプルランの加熱乾燥フィルム約4cm×4cm片をあて、盲腸を元に戻して縫合を行った。術後1週間に開腹したとき、いずれのフィルムを入れた場合も、癒着は見られなかった。
比較例1及び2は溶解性試験で溶解してしまったため、動物実験には供されなかった。比較例3はフィルムを作成できなかったので全ての実験が行えなかった。
Claims (4)
- 分子量が、200,000〜500,000であり、カルボキシメチル基含量が、0.5mmol/g〜2.0mmol/gであるカルボキシメチルプルラン(CMP)が分子鎖中のカルボキシメチル基を介して分子内、分子間で水素結合架橋を生成することによって形成される水不溶性のカルボキシメチルプルラン(CMP)組成物。
- 請求項1に記載のCMPのカルボキシメチル基が酸型であるCMP組成物。
- 請求項1に記載の組成物の形態が乾燥フィルムであるCMP組成物。
- 請求項1に記載のCMP組成物からなる癒着防止材。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008109979A (ja) * | 2006-10-30 | 2008-05-15 | Kawasumi Lab Inc | 癒着防止材 |
KR101370865B1 (ko) * | 2011-05-24 | 2014-03-10 | 주식회사 원바이오젠 | 풀루란 하이드로젤 유착방지제 및 그 제조 방법 |
KR20160063154A (ko) * | 2014-11-26 | 2016-06-03 | 금오공과대학교 산학협력단 | 하이드로젤 유착방지제 및 그 제조방법 |
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KR101649360B1 (ko) | 2014-11-26 | 2016-08-18 | 금오공과대학교 산학협력단 | 하이드로젤 유착방지제 및 그 제조방법 |
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