JP2006253444A - 発光装置、発光装置の製造方法、電子機器 - Google Patents

発光装置、発光装置の製造方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 少なくとも発光層を含む有機機能層を有する発光装置において、有機機能層の長寿命化を図ることができる発光装置、発光装置の製造方法、及び電子機器を提案する。
【解決手段】 陽極14と陰極28との間に、少なくとも発光層20を有する有機機能層30が配置された発光装置10において、有機機能層30は、有機機能層形成材料よりもガラス遷移温度が高い有機材料を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、陽極と陰極との間に、発光層等が積層された有機機能層を有する発光装置、その製造方法、及び電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称する。)装置は、薄膜を積層した構造を有する自発光型の高速応答性表示素子を備えるため、軽くて動画対応に優れた表示パネルを形成でき、近年ではFPD(Flat Panel Display)テレビ等の表示パネルとして非常に注目されている。
その代表的な製造方法としては、ガラス基板上に、フォトリソグラフィ技術を用いて透明陽極を所望の形状にパターニングし、更に透明陽極上に蒸着法を用いて発光層を含む複数の有機機能層を成膜し、更に陰極を順次、積層する方法が知られている。
有機機能層には、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層などの正孔輸送能を持つ材料からなる層や、電子輸送層、電子注入層などの電子輸送能を持つ材料からなる層などが含まれたものがある。そして、透明陽極と陰極との間に電界を印加することにより、陽極からは正孔が、陰極からは電子が有機機能層に注入され、この電子と正孔が再結合し、励起子が形成され、それが基底状態に戻るときに発光する。
上述した発光層としては、蛍光材料が多く用いられていたが、燐光材料を利用することも提案されている(非特許文献1参照)。燐光材料を用いた方が、蛍光材料を用いた場合に比べて、約3倍の発光効率を達成可能であると考えられているからである。
非特許文献1においては、緑色の発光層として、Ir(ppy)3(4,4′-N,N′-dicarbazol-biphenyl)に、CBP(tris(2-phenylpyridine)iridium)を6.5質量%(wt%)ドープした混合物発光層を有する有機EL素子が開示されている。
Tetsuo Tsutsui,Jpn.J.Appl.Phys.Vol.38(1999)L1502-L1504
ところで、上述した技術において、発光層に含まれるCBPは、結晶化しやすいという性質を有する。また、発光層上に配置される正孔阻止層を形成するBCP(2,9-dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-phenanthroline)は、ガラス遷移温度(Tg)が62℃と比較的低いという性質を有する。
このため、有機機能層が加熱されると、発光層等の膜構造が変化して、これにより、有機機能層の機能が低下してしまうという問題がある。具体的には、有機機能層の駆動電圧の上昇、発光輝度の低下、寿命の低下を招く。
このように、有機機能層に耐熱性の低い層が含まれる場合には、有機機能層の寿命が短くなりやすく、したがって、有機EL装置の長寿命化が困難であるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、少なくとも発光層を含む有機機能層を有する発光装置において、有機機能層の長寿命化を図ることができる発光装置、発光装置の製造方法、及び電子機器を提案することを目的とする。
本発明に係る発光装置、発光装置、電子機器の製造方法では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、陽極と陰極との間に、少なくとも発光層を有する有機機能層が配置された発光装置において、有機機能層は、有機機能層形成材料よりもガラス遷移温度が高い有機材料を含むようにした。
この発明によれば、有機機能層を形成する有機機能層形成材料が、ガラス遷移温度(Tg)が比較的低い特性を有する材料の場合であっても、有機機能層が有機機能層形成材料よりもガラス遷移温度が高い有機材料を含む(混合される)ように構成されるので、有機機能層の耐熱性を向上させることが可能となる。これにより、高温時における膜構造の変化を防止することができ、発光装置の駆動電圧の上昇、発光輝度の低下、寿命の低下といった不具合の発生が防止できる。
また、発光層が、有機材料として正孔輸送性材料を含むものでは、発光層の耐熱性を向上させると共に、発光層を正孔輸送層に良好に接合させることが可能となる。
また、正孔輸送性材料が、発光層中に5体積%(vol%)以上70体積%以下含まれるものでは、発光層の発光性能を維持しつつ耐熱性の向上を図ることが可能となる。
また、有機機能層が、有機材料として電子輸送性材料を含む正孔阻止層を有するものでは、正孔阻止層の耐熱性を向上させると共に、正孔阻止層を電子輸送層に良好に接合させることが可能となる。
また、電子輸送性材料が、正孔阻止層中に5体積%(vol%)以上70体積%以下含まれるものでは、正孔阻止層の正孔阻止性能を維持しつつ耐熱性の向上を図ることが可能となる。
第2の発明は、陽極を形成する工程と、陽極上に少なくとも発光層を含む有機機能層を形成する工程と、有機機能層上に陰極を形成する工程と、を含む発光装置の製造方法において、有機機能層形成工程は、有機機能層形成材料と有機機能層形成材料よりもガラス遷移温度が高い有機材料を混合して成膜する工程を有するようにした。
この発明によれば、有機機能層が、有機機能層形成材料と当該有機機能層形成材料よりもガラス遷移温度が高い有機材料とが混合されて形成されるので、有機機能層の耐熱性向上を図ることができる。これにより、高温時における膜構造の変化を防止することができ、発光装置の駆動電圧の上昇、発光輝度の低下、寿命の低下といった不具合の発生が防止できる。
また、有機機能層形成工程が、有機材料としての正孔輸送性材料と、発光材料とを共蒸着法により混合させて、発光層を形成する工程を有するものでは、発光層形成材料と正孔輸送性材料とを良好に混合させて、発光層を形成することができる。
また、有機機能層形成工程が、有機材料としての電子輸送性材料と、正孔阻止材料とを共蒸着法により混合させて、正孔阻止層を形成する工程を有するものでは、正孔阻止層形成材料と電子輸送性材料とを良好に混合させて、正孔阻止層を形成することができる。
第3の発明は、電子機器が、第1の発明の発光装置を備えるようにした。この発明によれは、表示部として、耐熱性及び発光効率が高い発光装置が用いられるので、高品質、高性能な電子機器を提供することが可能となる。
以下、本発明の発光装置、発光装置の製造方法の実施形態について図を参照して説明する。なお、以下で参照する各図面においては、図面を見易くするために、各構成要素の寸法等を適宜変更して表示している。
[有機EL装置]
図1は、本実施形態の有機EL装置の概略構成図である。
本実施形態の有機EL装置(発光装置)10は、陽極14と陰極28との間に、発光層20を含む有機機能層30を備えたものである。
有機機能層30は、例えば、正孔注入層16、正孔輸送層18、発光層20、正孔阻止層22、電子輸送層24、電子注入層26を備えたものである。
なお、以下では、発光層20等が低分子有機材料で構成された低分子有機EL装置の場合を例にして説明するが、発光層20等が高分子有機材料で構成された高分子有機EL装置に対して、本発明を適用することも可能である。
本実施形態の有機EL装置10は、ガラス等の光透過性を有する基板12の表面に形成され、発光層20からの光を基板側から取り出すボトムエミッション型の有機EL装置となっている。なお、発光層20からの光を基板12の反対側(陰極28側)から取り出すトップエミッション型の有機EL装置に対して、本発明を適用することも可能である。
また、基板12の表面にはスイッチング素子等を含む回路部(不図示)が形成され、その表面に次述する有機EL素子が形成されている。そのスイッチング素子により、有機EL素子が駆動されるようになっている。
陽極14は、ITO(indium-tin-oxide、インジウム錫酸化物)等の透明導電性材料を基板12の表面に配置して構成される。一方、有機機能層30を介して、陽極14と対向配置される陰極28は、AlやAl−Li合金、Mg−Ag合金等の金属材料で構成される。このように、陰極28を良好な光反射性を有する金属材料で形成することにより、発光層20からの光を陰極28で反射して基板12側から取り出すことが可能になり、光利用効率を向上させることができる。
発光層20は、陽極14および陰極28によって、電流を流すことにより発光する機能を有する。カラー表示を行う有機EL装置では、それぞれ異なる色光に発光する複数の発光層20が、基板12上に整列配置されている。
本実施形態の有機EL装置10においては、緑色に発光する発光層20は、燐光を発生させる材料(燐光材料)で構成されている。
具体的には、ホスト材料として、カルバゾール基を有したCBPに、Ir(ppy)3等(イリジウム錯体)の三重項励起子からの発光が可能な燐光材料を添加(ドープ)したものが好適に用いられる。なお、添加するイリジウム錯体を調整することにより、発光色を変えることができる。また、Ir(ppy)3等の他に、白金を用いてもよい。
更に、耐熱性向上を目的として、α―NPD(Bis[N-(1-naphthyl)-N-phenyl]benzidine)がドープされる。なお、α―NPDのガラス遷移温度(Tg)は、95℃である。
このように、CBP及びIr(ppy)3に対して、α―NPDをドープすることにより、発光層20を形成するのは、CBPのガラス遷移温度(Tg)が約60℃程度と、比較的低いという性質を有するためである。すなわち、発光層20がCBPのガラス遷移温度よりも加熱されると、発光層の膜構造が変化し、これにより、発光層20の機能が低下してしまうからである。具体的には、発光層20を発光させるための駆動電圧が上昇したり、発光輝度の低下、寿命の低下が発生したりする。そこで、CBPよりもガラス遷移温度が高いα―NPDをドープすることにより、発光層20の耐熱性を向上させるようにしている。
また、α―NPDを用いるのは、α―NPDが正孔輸送性を有する材料であるためである。発光層20は、正孔輸送層18と接触するので、発光層20に正孔輸送性を有する材料をドープして、発光層20の耐熱性の向上、正孔輸送層18との密着性の向上、正孔輸送層18の正孔輸送性の維持を図るためである。
正孔輸送性を有する材料として、スピロ−TAD(Tg=133℃)、HTM1(Tg=110℃)、TCTA(Tg=151℃),2−TNTA(Tg=110℃)、TPTE1(Tg=140℃)、TFLFL(Tg=186℃)等を用いても良い。
また、α―NPDは、ホスト材料(CBP及びIr(ppy)3)に対して、例えば、50体積%の割合でドープされる。好ましくは、α―NPDは、ホスト材料に対して、5体積%以上70体積%以下の割合でドープされる。これにより、発光層20の発光性能を維持しつつ、発光層20の膜構造の変化を防止(ピン止め効果)して、耐熱性の向上を図ることが可能となる。
CBPとIr(ppy)3とα―NPDとを混合して、発光層20を形成する方法としては、共蒸着法が用いられる。共蒸着法を用いることにより、CBPとIr(ppy)3とα―NPDとを良好に混合することができると共に、各材料の比率を容易に調整することが可能である。
なお、発光層20の厚さは、例えば、30nm程度に形成される。
陽極14と発光層20との間には、陽極14から供給される正孔を発光層20に注入する正孔注入層16が設けられる。正孔注入層16は、CuPC(Phalocyanine,copper complex)等から形成され、陽極14上に配置される。
さらに、陽極14から供給される正孔を発光層20に輸送する正孔輸送層18を設けられる。正孔輸送層18は、α―NPD等の正孔輸送性を有する材料からなり、正孔注入層16と発光層20との間に配置される。なお、α―NPDに対して、更に耐熱性の高い(NDA)PP(Tg=194℃)をドープしてもよい。これにより、正孔輸送層18の耐熱性を向上させることができる。
また、発光層20と陰極28との間には、陽極14から供給された正孔(ホール)が電子輸送層24に到達するのを阻止する正孔阻止層22が配置される。
正孔阻止層22は、正孔阻止性を有するBCP等により形成される。BCPは、バンドギャップ幅が非常に広く、かつ電子移動度が正孔移動度よりも高いため、正孔阻止材料として好適に用いられる。しかし、BCPのガラス遷移温度(Tg)は約62℃と、比較的低いという性質を有する。したがって、正孔阻止層22がBCPのガラス遷移温度よりも加熱されると、正孔阻止層22の膜構造が変化し、これにより、正孔阻止層22の機能が低下してしまう。
そこで、BCPよりもガラス遷移温度が高いAlq3(アルミキノリノール錯体)をドープすることにより、正孔阻止層22の耐熱性を向上させる。
なお、Alq3を用いるのは、Alq3が電子輸送性を有する材料であるためである。すなわち、正孔阻止層22は、電子輸送層24と接触するので、正孔阻止層22に電子輸送性を有する材料をドープして、正孔阻止層22の耐熱性の向上、電子輸送層24との密着性の向上、電子輸送層24の電子輸送性の維持を図るためである。
また、電子輸送性を有する材料として、BPVBi、トリアゾール誘導体、オキサンジアゾール誘導体、シロール誘導体、フェニルキノキサリン誘導体等を用いても良い。
また、Alq3は、ホスト材料(BCP)に対して、例えば、50体積%の割合でドープされる。好ましくは、Alq3は、ホスト材料に対して、5体積%以上70体積%以下の割合でドープされる。これにより、正孔阻止層22の正孔阻止性能を維持しつつ、正孔阻止層22の膜構造の変化を防止(ピン止め効果)して、耐熱性の向上を図ることが可能となる。
BCPとAlq3とを混合して、正孔阻止層22を形成する方法としては、共蒸着法が用いられる。共蒸着法を用いることにより、BCPとAlq3とを良好に混合することができると共に、各材料の比率を容易に調整することが可能である。
更に、正孔阻止層22と陰極28との間には、陰極28から供給される電子を発光層20に輸送する機能を有する電子輸送層24が配置される。この電子輸送層24は、Alq3で構成することが望ましい。Alq3は熱的に安定であり、また合成・精製が容易だからである。
また、陰極28から供給される電子を発光層20に注入する電子注入層26を設けられる。電子注入層26は、Li等のアルカリ金属の化合物からなり、陰極28と電子輸送層24との間に配置される。
有機EL装置10の製造方法としては、基板12上に、陽極14、正孔注入層16、正孔輸送層18、発光層20、正孔阻止層22、電子輸送層24、電子注入層26、陰極28を順に積層することにより行われる。
そして、上述したように、正孔輸送層18、発光層20、正孔阻止層22の形成工程においては、耐熱性の低い材料と耐熱性の高い材料とを共蒸着法を用いて、混合して積層させる方法が用いられる。
共蒸着法は、複数の蒸着材料(耐熱性の低い材料、耐熱性の高い材料)を個々に電子ビーム等で加熱蒸発させ、ヒーター等によって加熱された基板12上に薄膜として成長させる成膜法である。この方法では、材料毎に蒸着レートを決定することができるので、複数の材料を良好に混合させた薄膜を形成させることが可能である。
上述した本実施形態の有機EL装置10においては、陽極14と陰極28との間に配置される有機機能層30のうち、耐熱性が比較的低い材料により形成されている層に、耐熱性の高い材料、具体的には、ガラス遷移温度(Tg)が高い材料を混合(ドープ)することにより、耐熱性が比較的低い材料により形成されている層の耐熱性の向上が図られる。
例えば、発光層20がCBPとIr(ppy)3とから形成されている場合には、α―NPDをドープすることにより、発光層20の耐熱性が向上させることができる。
また、正孔阻止層22がBCPから形成されている場合には、Alq3をドープすることにより、正孔阻止層22の耐熱性を向上させることができる。
更に、正孔注入層16がCuPCから形成されている場合には、(NDA)PPをドープすることにより、正孔注入層16の耐熱性を向上させることができる。
なお、耐熱性の低い層に対して耐熱性の高い材料を混合すればよいので、必ずしも発光層20、正孔阻止層22、正孔注入層16の全てに、上述した材料を混合する必要はない。例えば、発光層20のみが耐熱性が低い場合には、発光層20にのみ耐熱性の高い材料を混合する。
なお、耐熱性の低い層に対して耐熱性の高い層を重ねることも考えられるが、耐熱性の低い材料と耐熱性の高い材料とを混合して層を形成した方が、膜構造自体の耐熱性を向上させることができるので有利である。
図2は、薄膜の耐熱性を示す実験結果を示す図であって、耐熱性が低い材料(CBP、BCP)からなる薄膜(層)と、耐熱性の低い材料と耐熱性の高い材料とを混合して形成した薄膜の耐熱性を示す実験結果を示す。
薄膜の耐熱性は、膜構造に変化(結晶化)により、検知することができる。すなわち、膜構造が変化した場合には、その膜の機能は損なわれたことになる。具体的には、膜の表面粗さが悪化した場合には、膜構造が変化したと判断できる。
図2に示すように、耐熱性が低い材料からなる薄膜(CBP、BCP)では、80℃以上の熱処理が施されることにより、膜の表面平均粗さが大きく変化している。
一方、耐熱性の低い材料と耐熱性の高い材料とを混合して形成した薄膜(CBP+α‐NPD、CBP+スピロ‐TAD、BCP+Alq3、BCP+BPVBi)では、100℃の熱処理を施した場合であっても、膜の表面平均粗さが殆ど変化していない。
これにより、有機EL装置10の有機機能層30の寿命としては、1200cd/mの発光輝度おいて、半減時間が、約100時間から約1200時間へと、約12倍程度向上する。
図3は、有機機能層30のエネルギーバンドを表す図である。
発光層20に対して、正孔輸送性を有する材料(α―NPD)をドープしたことにより、発光層20の耐熱性の向上が図られる上に、正孔輸送層18との密着性の向上と、正孔輸送層18の正孔輸送性の維持が図られる。
すなわち、図3に示すように、正孔輸送層18を構成するα−NPDのイオン化ポテンシャルは小さいので、正孔の移動度が大きい。そのため、CBPとα−NPDとを混合して発光層20を形成することにより、正孔輸送層18から発光層20に対して、正孔を効率よく輸送させることができる。
これにより、発光層20における正孔と電子との再結合確率を向上させることが可能になり、有機EL装置10の発光効率を向上させることができる。
また、正孔阻止層22に対して、電子輸送性を有する材料(Alq3)をドープしたことにより、正孔阻止層22の耐熱性の向上が図られる上に、電子輸送層24との密着性の向上と、電子輸送層24の電子輸送性の維持が図られる。
すなわち、図3に示すように、正孔阻止層22を構成するBCPのイオン化ポテンシャルは、発光層20を構成するCBPのイオン化ポテンシャルより、0.4eV程度大きくなっている。そのため、正孔阻止層22は十分なエネルギ障壁として機能する。これにより、正孔阻止層22において正孔の移動が制限され、発光層20中に正孔が効率よく蓄積される。
また、正孔阻止層22において正孔の移動が制限されるので、陰極28への正孔の到達が防止される。これにより、陰極28の発熱による有機EL装置10の輝度劣化を抑制することができる。
したがって、発光層20における正孔と電子との再結合確率を向上させることが可能になり、有機EL装置10の発光効率を向上させることができる。
[電子機器]
図4は、上記各実施形態の有機EL装置を備えた電子機器の一例を示す斜視構成図である。同図に示す携帯電話機1300は、複数の操作ボタン1302と、受話口1303と、送話口1304と、先の実施形態の有機EL装置からなる表示部1301とを備えて構成されている。そして、この携帯電話機1300によれば、表示部に備えられた有機EL装置による高画質表示が可能になっている。
なお、本発明における有機EL装置を備えた電子機器としては、上記のものに限らず、他に例えば、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビ、携帯用テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、PDA、携帯用ゲーム機、ページャ、電子手帳、電卓、時計、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器などを挙げることができる。また、本発明における有機EL装置を備えた電子機器として、車載用オーディオ機器や自動車用計器、カーナビゲーション装置等の車載用ディスプレイを挙げることもできる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、各実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
本実施形態の有機EL装置10の概略構成図である。 薄膜の耐熱性実験の結果を示す図である。 有機機能層30のエネルギーバンドを示す図である。 携帯電話1300の斜視図である。
符号の説明
10…有機EL装置(発光装置)、 12…基板、 14…陽極、 16…正孔注入層、 18…正孔輸送層、 20…発光層、 22…正孔阻止層、 24…電子輸送層、 26…電子注入層、 28…陰極、 30…有機機能層、 1300…携帯電話機、 1301…表示部(有機EL装置)


Claims (9)

  1. 陽極と陰極との間に、少なくとも発光層を有する有機機能層が配置された発光装置において、
    前記有機機能層は、有機機能層形成材料よりもガラス遷移温度が高い有機材料を含むことを特徴とする発光装置。
  2. 前記発光層は、前記有機材料として正孔輸送性材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記正孔輸送性材料は、前記発光層中に5体積%以上70体積%以下含まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記有機機能層は、前記有機材料として電子輸送性材料を含む正孔阻止層を有することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の発光装置。
  5. 前記電子輸送性材料は、前記正孔阻止層中に5体積%以上70体積%以下含まれることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の発光装置。
  6. 陽極を形成する工程と、
    前記陽極上に、少なくとも発光層を有する有機機能層を形成する工程と、
    前記有機機能層上に陰極を形成する工程と、
    を含む発光装置の製造方法において、
    前記有機機能層形成工程は、
    有機機能層形成材料と前記有機機能層形成材料よりもガラス遷移温度が高い有機材料を混合して成膜する工程を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
  7. 前記有機機能層形成工程は、前記有機材料としての正孔輸送性材料と、発光材料とを共蒸着法により混合させて、前記発光層を形成する工程を有することを特徴とする請求項6に記載の発光装置の製造方法。
  8. 前記有機機能層形成工程は、前記有機材料としての電子輸送性材料と、正孔阻止材料とを共蒸着法により混合させて、正孔阻止層を形成する工程を有することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の発光装置の製造方法
  9. 請求項1から請求項6うちいずれか一項に記載の発光装置を備えたことを特徴とする電子機器。


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