JP2006253232A - レーザダイオードチップ、レーザダイオード及びレーザダイオードチップの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 歩留まりの向上、製造コストの低減をすることができる赤外レーザ光を出力するレーザダイオードチップ、該レーザダイオードチップを備えたレーザダイオード及びレーザダイオードチップの製造方法を提供する。
【解決手段】 p−GaAsキャップ層6及びp−AlGaAsクラッド層5のレーザダイオードチップの中央部を挟んでへき開面に平行な横方向両側部分は、エッチングにより切り出され、AlGaAs活性層4の端面であるへき開面から見たp−GaAsキャップ層6及びp−AlGaAsクラッド層5の形状は、山状にしてある。切り出された部分には、液体酸化膜を焼成した酸化膜からなる電流狭窄層7、7を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 p−GaAsキャップ層6及びp−AlGaAsクラッド層5のレーザダイオードチップの中央部を挟んでへき開面に平行な横方向両側部分は、エッチングにより切り出され、AlGaAs活性層4の端面であるへき開面から見たp−GaAsキャップ層6及びp−AlGaAsクラッド層5の形状は、山状にしてある。切り出された部分には、液体酸化膜を焼成した酸化膜からなる電流狭窄層7、7を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、GaAs系半導体基板を用い、赤外のレーザ光を出力するレーザダイオードチップ、該レーザダイオードチップを備えたレーザダイオード、及びレーザダイオードチップの製造方法に関する。
近年、デジタル信号に変換された音声、画像などのデータの記録に光ディスクが使用されるようになった。例えば、CDでは、データの書き込み、読み出しには、波長が780nm(赤外)のレーザ光を出力するレーザダイオードチップを備えたレーザダイオードが使用されている。
赤外のレーザ光を出力するレーザダイオードチップは、n型GaAs系半導体基板に、AlGaAs系半導体の活性層をp型AlGaAs系半導体及びn型AlGaAs系半導体のクラッド層で挟んだ構造をなし、n型GaAs系半導体基板表面にn電極を、p型AlGaAs系半導体層に積層したp型GaAsキャップ層表面にp電極を設けている。電極間に電圧を印加して、活性層に電流を流すことにより、活性層中で結合する電子及びホール(キャリア)の働きで波長が780nmのレーザ光を活性層の端面であるへき開面より放出する。
レーザ光を効率よく発振させるためには、活性層の空間的に限定された領域である活性領域にのみ電流を集中させるとともに、電子とホールとが結合して発生した光を活性領域に閉じ込める必要があり、このためのレーザダイオードチップの構造には、大きくわけて利得導波型構造と屈折率導波型構造の二つの構造がある。
利得導波型構造は、例えば、イオンインプランテーションを行うことにより、p型AlGaAs系半導体のクラッド層に抵抗値変化を起こし高抵抗値を有する絶縁層を形成し、電流を流す領域を限定するようにしたものである。電極間に電圧を印加した場合、電流が流れる領域のみが光利得を生じるとともに、電流により等価的に屈折率が高くなり、活性化された領域は光導波路の効果を持ち、光を閉じ込めることができる。しかし、活性領域は電流の流れで決められるため、電流の拡散効果などで活性領域が広がり、活性領域の境界が不安定である。このため、レーザ発振を開始する閾値電流が大きく、また、非点隔差が大きいなどの欠点がある。
一方、屈折率導波型構造は、p型AlGaAs系半導体のクラッド層及びAlGaAs系半導体の活性層の積層方向に垂直な横方向の両側を縦にエッチングで切り出し、その両側にAlGaAs系半導体層又はGaAs半導体層をエピタキシャル成長法により再度結晶成長させて電流狭窄層を形成する。これにより、活性領域を限定するものである。活性領域が物理的に限定されるため、光は強く閉じ込められ、閾値電流が小さくなるとともに、非点隔差も利得導波型構造に比べて小さくなる。
図5は従来の結晶成長によるレーザダイオードチップの製造プロセスを示す説明図である。エピタキシャル結晶成長法により所定の層構造になるように異なる結晶を成長させたウエハ50を結晶成長炉から取り出し、CVD(Chemical Vapor Deposition、気相成長)により成長表面に絶縁膜51を形成する(図5(a))。絶縁膜51表面にフォトレジスト52を塗布し、マスクを重ねて露光し、感光した部分を薬液で除去する(図5(b))。
ドライエッチイングにより、感光しなかった部分を除いて絶縁膜51を除去する(図5(c))。さらにエッチングにより、クラッド層の両側部分を切り出す(図5(d))。クラッド層の両側部分が切り出されたウエハ50を再度結晶成長炉に入れて、AlGaAs系半導体、又はGaAs系半導体などの結晶53を層状に成長させる(図5(e))。絶縁膜51が露出するまでn型AlGaAs系半導体、又はn型GaAs系半導体などの結晶53をエッチングして取り除き(図5(f))、露出した絶縁膜51をエッチングして除去する(図5(g))。これにより、クラッド層、活性層と異なる半導体結晶による電流狭窄層53を結晶成長させる。
しかしながら、従来の方法にあっては、電流狭窄層を形成するために、2度に亘って結晶成長プロセスを繰り返す必要があり、その分製造コストが高くなる。また、結晶成長プロセスでは、精密な層厚制御が必要となり、製品の歩留まりに影響を与えるため、結晶成長プロセスを繰り返すことにより、製造されたレーザダイオードチップの歩留まりが低下するという問題があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、積層方向に略垂直な方向のp型AlGaAs系半導体のクラッド層の中央部(ストライプ)を間にして液体酸化膜を焼成してなる電流狭窄層を対設することにより、レーザ発振を開始する閾値電流を小さくし、非点隔差を小さくしつつ、2度の結晶成長プロセスを不要にして、従来よりも歩留まりを向上させ、製造コストを低減することができる赤外レーザ光を出力するレーザダイオードチップ、該レーザダイオードチップを備えたレーザダイオード及びレーザダイオードチップの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、前記電流狭窄層の厚みは、前記p型AlGaAs系半導体のクラッド層の中央部(ストライプ)から離れるに応じて大きくしてあることにより、光とキャリアを閉じ込めることができる赤外レーザ光を出力するレーザダイオードチップ、該レーザダイオードチップを備えたレーザダイオードを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記電流狭窄層を、n型AlGaAs系半導体のクラッド層の中央部(ストライプ)を間にして対設することにより、レーザダイオードチップの縦方向及び横方向にダブルヘテロ構造を構成し、効率の良い赤外レーザ光を出力するレーザダイオードチップ、該レーザダイオードチップを備えたレーザダイオードを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記AlGaAs系半導体層は、量子井戸層と量子障壁層とを交互に積層した多重量子井戸層であることにより、高出力の赤外レーザ光を出力するレーザダイオードチップ、該レーザダイオードチップを備えたレーザダイオードを提供することを目的とする。
第1発明に係るレーザダイオードチップは、基板上に少なくともn型AlGaAs系半導体の第1クラッド層、AlGaAs系半導体の活性層、及びp型AlGaAs系半導体の第2クラッド層をこの順で積層したレーザダイオードチップにおいて、積層方向に略垂直な方向の前記第2クラッド層の中央部を間にして液体酸化膜を焼成してなる電流狭窄層を対設してあることを特徴とする。
第2発明に係るレーザダイオードチップは、第1発明において、前記電流狭窄層の厚みは、前記中央部から離れるに応じて大きくしてあることを特徴とする。
第3発明に係るレーザダイオードチップは、第1発明又は第2発明において、前記電流狭窄層は、積層方向に略垂直な方向の前記第1クラッド層の中央部を間にして対設してあることを特徴とする。
第4発明に係るレーザダイオードチップは、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記活性層は、量子井戸層と量子障壁層とを交互に積層した多重量子井戸層であることを特徴とする。
第5発明に係るレーザダイオードは、第1発明乃至第4発明のいずれかに記載のレーザダイオードチップを備えることを特徴とする。
第6発明に係るレーザダイオードチップの製造方法は、基板上に少なくともn型AlGaAs系半導体の第1クラッド層、AlGaAs系半導体の活性層、及びp型AlGaAs系半導体の第2クラッド層をこの順で積層したレーザダイオードチップの製造方法において、積層方向に略垂直な方向の前記第2クラッド層の中央部を覆うための絶縁膜を形成し、該絶縁膜で覆われていない前記第2クラッド層の一部をエッチングにより除去し、該エッチングにより露出した半導体層及び前記絶縁膜に液体酸化膜を塗布し、塗布した液体酸化膜を焼成し、焼成された酸化膜を前記絶縁膜が露出するまでエッチングして平坦化し、露出した絶縁膜をエッチングして除去することを特徴とする。
第1発明にあっては、AlGaAs系半導体の活性層の活性領域は、液体酸化膜を焼成した電流狭窄層により物理的に限定され、光、キャリアを前記活性領域に閉じ込める。
第2発明にあっては、前記電流狭窄層の厚みは、積層方向に略垂直な方向の前記p型AlGaAs系半導体の第2クラッド層の中央部(ストライプ)から離れるに応じて大きくしてある。これにより、前記クラッド層と同等以下の屈折率を有する電流狭窄層を設けて、レーザダイオードチップにダブルヘテロ構造を形成する。
第3発明にあっては、前記電流狭窄層を前記n型AlGaAs系半導体の第1クラッド層の中央部(ストライプ)を間にして対設する。これにより、レーザダイオードチップの縦方向及び横方向にダブルヘテロ構造を構成し、キャリアと光とを活性領域にさらに効率良く閉じ込める。
第4発明にあっては、前記AlGaAs系半導体の活性層は、100Å以下の極薄膜からなる量子井戸層と量子障壁層とを交互に積層した多重量子井戸層である。これにより、活性層に閉じ込められたキャリアは、エネルギー帯(バンド)から、該エネルギー帯より大きい離散的なエネルギー準位(サブレベル)を持つようになり、キャリアの遷移は、これらのサブレベル間で生じるため、発光のエネルギーは大きくなり、光の増幅が強くなり、より効率の良いレーザ発振をする。
第5発明にあっては、レーザダイオードは、第1発明乃至第4発明のいずれかのレーザダイオードチップを備える。
第6発明にあっては、p型AlGaAs系半導体の第2クラッド層の中央部(ストライプ)を覆うための絶縁膜を形成する。該絶縁膜で覆われていない前記第2クラッド層の一部をエッチングにより除去する。これにより、電流狭窄層を設けるための空間的構造を形成する。前記エッチングにより露出した半導体層及び絶縁膜に液体酸化膜を塗布し、塗布した液体酸化膜を焼成する。これにより、結晶成長に代えて、前記第2クラッド層の中央部を間にして液体酸化膜を焼成してなる電流狭窄層を埋め込む。焼成された酸化膜を前記絶縁膜が露出するまでエッチングして平坦化し、露出した絶縁膜をエッチングして除去する。これにより、前記第2クラッド層の中央部を間にして酸化膜による電流狭窄層を形成する。
第1発明及び第6発明にあっては、クラッド層であるp型AlGaAs系半導体層の中央部を間にして液体酸化膜を焼成してなる電流狭窄層を対設することにより、活性層の活性領域を物理的に限定する電流狭窄層を結晶成長に代えて設けることができ、レーザ発振を開始する閾値電流を小さくし、非点隔差を小さくしつつ、2度の結晶成長プロセスを不要にして、従来よりも歩留まりを向上させ、製造コストを低減することができる。
また、クラッド層の切り出し部分の深さが深い場合には、例えば、気相成長などにより酸化膜を形成することにより電流狭窄層を設けることは不可能であったのに比較して、電流狭窄層を設けるために液体酸化膜を用いるため、エッチングで切り出したクラッド層の切り出し面の形状、切り出し部分の深さ又は寸法によらず、容易に電流狭窄層を設けることができ、電流狭窄層を所望の構造に形成することができ、レーザダイオードの所望の特性に合わせた構造を容易に実現することができる。
第2発明にあっては、前記電流狭窄層の厚みは、前記p型AlGaAs系半導体の第2クラッド層の中央部から離れるに応じて大きくしてあることにより、レーザダイオードチップにダブルヘテロ構造を形成して、レーザ光とキャリアを閉じ込めることができる。
第3発明にあっては、前記電流狭窄層を、前記n型AlGaAs系半導体の第1クラッド層の中央部を間にして対設することにより、光出力の効率を向上することができる。
第4発明にあっては、前記AlGaAs系半導体の活性層は、量子井戸層と量子障壁層とを交互に積層した多重量子井戸層であることにより、高出力の赤外レーザ光を出力することができる。
第5発明にあっては、第1発明乃至第4発明のいずれかのレーザダイオードチップを備えることにより、レーザ発振を開始する閾値電流を小さくし、非点隔差を小さくしつつ、2度の結晶成長プロセスを不要にして、従来よりも歩留まりを向上させ、製造コストを低減する。また、レーザ光とキャリアを閉じ込めることができ、さらに、高出力の赤外レーザ光を出力することができる。
実施の形態1
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るレーザダイオードチップの構造を示す模式図である。図において、1はn型GaAs系半導体の結晶からなるn−GaAs基板である。n−GaAs基板1は、例えば、幅(横)が約250μm、厚さ(縦)が約100μm、長さが約300μmの直方体状をしている。
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るレーザダイオードチップの構造を示す模式図である。図において、1はn型GaAs系半導体の結晶からなるn−GaAs基板である。n−GaAs基板1は、例えば、幅(横)が約250μm、厚さ(縦)が約100μm、長さが約300μmの直方体状をしている。
n−GaAs基板1上には、例えば、厚さが約0.5μmのn型GaAs系半導体結晶からなるn−GaAsバッファ層2、厚さが約0.5μmのn型AlGaAs系半導体結晶からなるn−AlGaAsクラッド層3、厚さが約0.06μmのAlGaAs系半導体結晶からなるAlGaAs活性層4、厚さが約0.5μmのp型AlGaAs系半導体結晶からなるp−AlGaAsクラッド層5、厚さが約0.5μmのp型GaAs系半導体結晶からなるp−GaAsキャップ層6を、この順にエピタキシャル結晶成長法により積層してある。なお、図1において、レーザダイオードチップの構造を分かり易くするために、各層の厚さを強調しているが、n−GaAs基板1を除く層は、数μm以下の厚みである。
p−GaAsキャップ層6及びp−AlGaAsクラッド層5のレーザダイオードチップの中央部(ストライプ)を挟んでへき開面に平行な横方向両側部分は、エッチングにより切り出され、AlGaAs活性層4の端面であるへき開面から見たp−GaAsキャップ層6及びp−AlGaAsクラッド層5の形状は、山状にしてある。切り出された部分には、液体酸化膜を焼成した酸化膜からなる電流狭窄層7、7を設けてある。これにより、電流狭窄層7、7を、p−GaAsキャップ層6及びp−AlGaAsクラッド層5の積層方向に垂直な方向の中央部を間にして対設する。n−AlGaAsクラッド層3、及びp−AlGaAsクラッド層5と同等以下の屈折率を持つ電流狭窄層7、7を設けて、レーザダイオードチップにダブルヘテロ構造を形成してある。電流狭窄層7、7、及びp−GaAsキャップ層6の表面には、p電極8を形成し、n−GaAs基板1の表面には、n電極9を形成してある。
レーザダイオードチップは、p電極8、及びn電極9間に順方向電流を流すことにより動作させる。p電極8を介してAlGaAs活性層4に流れる電流は、電流狭窄層7、7により限定され、AlGaAs活性層4の限定された領域(活性領域)に閉じ込められる。電流で注入されたキャリア(電子、及びホール)は活性領域中に集中し、キャリアの結合により生じる光を、屈折率が小さいn−AlGaAsクラッド層3及びp−AlGaAsクラッド層5で屈折率のより大きいAlGaAs活性層4を挟み込むダブルヘテロ構造により活性領域の中に閉じ込める。順方向電流を増加し、閾値電流を超えると、レーザ発振になり、780nmの波長を有するレーザ光をへき界面より取り出すことができる。
図2は本発明に係るレーザダイオードチップの製造プロセスを示す説明図である。n−GaAs基板上にn−GaAsバッファ層、n−AlGaAsクラッド層、AlGaAs活性層、p−AlGaAsクラッド層、p−GaAsキャップ層を、この順にエピタキシャル結晶成長法により積層したウエハ50を結晶成長炉から取り出し、CVD(Chemical Vapor Deposition、気相成長)により成長表面に絶縁膜51(例えば、幅寸法は3〜4μm程度)を形成する(図2(a))。絶縁膜51表面にフォトレジスト52を塗布し、マスクを重ねて露光し、感光した部分を薬液で除去する(図2(b))。
ドライエッチイングにより、感光しなかった部分を除いて絶縁膜51を除去する(図2(c))。さらにエッチングにより、p−GaAsキャップ層及びp−AlGaAsクラッド層の中央部を残して、両側部分を切り出す(図2(d))。なお、切り出し部分は、中央部から外側に向かって徐々に深く切り出すことができる。p−GaAsキャップ層及びp−AlGaAsクラッド層の両側部分が切り出されたウエハ50に液体酸化膜54(例えば、酸化ケイ素を主成分とする塗布液)を所望の厚みで、かつ絶縁膜51を覆って塗布し、その後焼成する(例えば、80℃、150℃、200℃で約1分間、その後400℃で約30分間焼成する)(図2(e))。
絶縁膜51が露出するまで焼成後の酸化膜7をエッチングして取り除くとともに、表面を平坦化し(図2(f))、露出した絶縁膜51をエッチングして除去する(図2(g))。これにより、半導体結晶による結晶成長に代えて、液体酸化膜54を焼成してなる電流狭窄層7を形成する。
電流狭窄層7を形成したウエハ50の表面にp電極となる金属の膜を形成するとともに、基板の裏面にもn電極となる金属の膜を形成する。金属膜が形成されたウエハを個々のレーザダイオードチップに切断し、光の共振器を形成する2つの端面は、相互に平行で平坦な平面(へき開面)にする。レーザダイオードチップをパッケージにマウントし、電流を流すためのワイヤをボンディングすることによりレーザダイオードを製造する。
以上説明したように、キャリア、光の閉じ込めを行うための電流狭窄層を、従来のエピタキシャル結晶成長に代えて、液体酸化膜を用いてp−GaAsキャップ層及びp−AlGaAsクラッド層の中央部(ストライプ)を挟んで設けることにより、従来、2度のエピタキシャル結晶成長プロセスを要していたレーザダイオードチップの製造を、1度だけのエピタキシャル結晶成長プロセスですることができ、エピタキシャル結晶成長プロセスに起因する歩留まりを向上することができるとともに、製造プロセスの手間を省き、製造コストを低減することができる。また、電流狭窄層をp−GaAsキャップ層及びp−AlGaAsクラッド層に物理的に設けることにより、レーザ発振を開始する閾値電流が大きくなるという欠点、また、非点隔差が大きいという欠点もない。
上述の実施の形態で、レーザダイオードチップの基板の大きさ、各半導体層の厚みは一例であって、これに限定されるものではない。また、AlGaAs系半導体、GaAs系半導体の各元素の組成は、所望の組成にすることができることはいうまでもない。
実施の形態2
実施の形態1においては、p−GaAsキャップ層6の両横の部分をエッチングで取り除き、p−AlGaAsクラッド層5の両横の上側の一部分をエッチングで取り除き、取り除いた部分に電流狭窄層を設けるものであったが、電流狭窄層の構造は、これに限定されるものではない。
実施の形態1においては、p−GaAsキャップ層6の両横の部分をエッチングで取り除き、p−AlGaAsクラッド層5の両横の上側の一部分をエッチングで取り除き、取り除いた部分に電流狭窄層を設けるものであったが、電流狭窄層の構造は、これに限定されるものではない。
図3は電流狭窄層7の構造を示す模式図である。図3(a)に示すように、p−GaAsキャップ層6及びp−AlGaAsクラッド層5の両横の部分をエッチングで取り除くとともに、AlGaAs活性層4の両横の上側の一部分をエッチングで取り除く。レーザダイオードチップの横方向外側に向かって、取り除く部分の縦方向の寸法は大きくしてある。取り除いた部分に液体酸化膜を焼成してなる電流狭窄層7、7を設けてある。
また、図3(b)に示すように、p−GaAsキャップ層6、p−AlGaAsクラッド層5、及びAlGaAs活性層4の両横の部分をエッチングで取り除くとともに、n−AlGaAsクラッド層3の両横の上側の一部分をエッチングで取り除く。レーザダイオードチップの横方向外側に向かって、取り除く部分の縦方向の寸法は大きくしてある。液体酸化膜を焼成してなる電流狭窄層7、7を取り除いた部分に設けてある。これにより、レーザダイオードチップの縦方向及び横方向にダブルヘテロ構造とすることもできる。これにより、さらに効率の良いレーザダイオードチップを製造することが可能となる。
実施の形態3
上述の実施の形態1、2においては、AlGaAs系半導体結晶からなる活性層を用いる構成であり、レーザ光出力が数mWから数十mW程度の赤外のレーザ光を出力するレーザダイオードチップであったが、さらに百mWから数百mW程度の高出力の赤外のレーザ光を出力するレーザダイオードチップに適用することも可能である。
上述の実施の形態1、2においては、AlGaAs系半導体結晶からなる活性層を用いる構成であり、レーザ光出力が数mWから数十mW程度の赤外のレーザ光を出力するレーザダイオードチップであったが、さらに百mWから数百mW程度の高出力の赤外のレーザ光を出力するレーザダイオードチップに適用することも可能である。
図4は本発明に係る高出力型のレーザダイオードチップの構造を示す模式図である。図において、11は100Å以下の極薄膜であってAlGaAs系半導体結晶からなる量子井戸層と、100Å以下の極薄膜であってGaAs系半導体結晶からなる量子障壁層とを、交互に複数積層し、厚さが約500ÅのMQW(Multi-quantum Well、多重量子井戸層)活性層である。MQW活性層11を挟んで上側には、光を閉じ込めるためのp型AlGaAs系半導体結晶からなるp−AlGaAsウェーブガイド層12、下側には、n型AlGaAs系半導体結晶からなるn−AlGaAsウェーブガイド層10を設けてある。なお、実施の形態1と同様の箇所は、同一符号を付し、説明を省略する。
p−GaAsキャップ層6の両横の部分をエッチングで取り除き、p−AlGaAsクラッド層5の両横の上側の一部分をエッチングで取り除き、取り除いた部分に電流狭窄層7、7を設けてある。レーザダイオードチップの横方向外側に向かって、電流狭窄層7、7の縦方向の寸法は大きくしてある。
これにより、MQW活性層11に閉じ込められたキャリアは、該エネルギー帯より大きい離散的なエネルギー準位(サブレベル)を持つようになり、キャリアの遷移は、これらのサブレベル間で生じるため、発光のエネルギーは大きくなり、光の増幅が強くなり、低電流でレーザ発振が可能となり、高出力のレーザ光を出力することができる。
上述の実施の形態1、2、3においては、p−AlGaAsクラッド層5、n−AlGaAsクラッド層3は、1層構造であったが、これに限定されるものではなく、半導体結晶の組成を変更した複数のp−AlGaAsクラッド層及びn−AlGaAsクラッド層を設ける構成であってもよい。
1 n−GaAs基板
2 n−GaAsバッファ層
3 n−AlGaAsクラッド層
4 AlGaAs活性層
5 p−AlGaAsクラッド層
6 p−GaAsキャップ層
7 電流狭窄層
8 p電極
9 n電極
10 n−AlGaAsウェーブガイド層
11 MQW活性層
12 p−AlGaAsウェーブガイド層
2 n−GaAsバッファ層
3 n−AlGaAsクラッド層
4 AlGaAs活性層
5 p−AlGaAsクラッド層
6 p−GaAsキャップ層
7 電流狭窄層
8 p電極
9 n電極
10 n−AlGaAsウェーブガイド層
11 MQW活性層
12 p−AlGaAsウェーブガイド層
Claims (6)
- 基板上に少なくともn型AlGaAs系半導体の第1クラッド層、AlGaAs系半導体の活性層、及びp型AlGaAs系半導体の第2クラッド層をこの順で積層したレーザダイオードチップにおいて、
積層方向に略垂直な方向の前記第2クラッド層の中央部を間にして液体酸化膜を焼成してなる電流狭窄層を対設してあることを特徴とするレーザダイオードチップ。 - 前記電流狭窄層の厚みは、
前記中央部から離れるに応じて大きくしてあることを特徴とする請求項1に記載のレーザダイオードチップ。 - 前記電流狭窄層は、
積層方向に略垂直な方向の前記第1クラッド層の中央部を間にして対設してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザダイオードチップ。 - 前記活性層は、
量子井戸層と量子障壁層とを交互に積層した多重量子井戸層であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のレーザダイオードチップ。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のレーザダイオードチップを備えることを特徴とするレーザダイオード。
- 基板上に少なくともn型AlGaAs系半導体の第1クラッド層、AlGaAs系半導体の活性層、及びp型AlGaAs系半導体の第2クラッド層をこの順で積層したレーザダイオードチップの製造方法において、
積層方向に略垂直な方向の前記第2クラッド層の中央部を覆うための絶縁膜を形成し、
該絶縁膜で覆われていない前記第2クラッド層の一部をエッチングにより除去し、
該エッチングにより露出した半導体層及び前記絶縁膜に液体酸化膜を塗布し、
塗布した液体酸化膜を焼成し、
焼成された酸化膜を前記絶縁膜が露出するまでエッチングして平坦化し、
露出した絶縁膜をエッチングして除去することを特徴とするレーザダイオードチップの製造方法。
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