JP2006253220A - 発光素子用エピタキシャルウェハ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ダミー成長を実施することなくメモリー効果を低減することができ、その結果としてデバイス特性を向上させることのできる発光素子用化合物半導体結晶の構造を提供することにある。
【解決手段】 加熱した基板上にIII族およびV族原料ガス、ドーピング原料及びキャリアガスを供給し、基板上に化合物半導体結晶を気相成長することにより、n型基板1上に少なくともn型クラッド層3、活性層4、p型クラッド層5及びZnをドープしたp型キャップ層6を順次積層した半導体発光素子用化合物半導体結晶において、上記p型キャップ層6の上にさらに化合物半導体結晶から成るZnメモリー効果低減層を少なくとも1層積層した構造とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 加熱した基板上にIII族およびV族原料ガス、ドーピング原料及びキャリアガスを供給し、基板上に化合物半導体結晶を気相成長することにより、n型基板1上に少なくともn型クラッド層3、活性層4、p型クラッド層5及びZnをドープしたp型キャップ層6を順次積層した半導体発光素子用化合物半導体結晶において、上記p型キャップ層6の上にさらに化合物半導体結晶から成るZnメモリー効果低減層を少なくとも1層積層した構造とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発光素子(半導体レーザダイオード、発光ダイオード)用の化合物半導体結晶、特にp型キャップ層のp型不純物としてZn(亜鉛)を用いた発光素子用のエピタキシャルウェハに関するものである。
AlGaInP系の化合物半導体結晶を用いた半導体レーザダイオード(LD)は、デジタルバーサタイルディスク(DVD)やコンパクトディスク(CD)などの光ディスクシステムにおいて、読み取り用光源や書き込み用光源として広く用いられている。また発光ダイオード(LED)はディスプレイ、リモコン、センサー、車載用ランプ等、様々な用途に用いられている。
化合物半導体結晶を成長する方法の一つに有機金属気相成長法(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy、以下MOVPE法という)がある。MOVPE法は、III族有機金属原料ガスとV族原料ガスを、高純度水素キャリアガスとの混合ガスとして成長炉内に導入し、成長炉内で加熱された基板付近で原料が熱分解され、基板上に化合物半導体結晶がエピタキシャル成長する。
MOVPE法によって基板上に化合物半導体結晶をエピタキシャル成長させた従来のLD用エピタキシャルウェハの構造例を図3に示す。このLD用エピタキシャルウェハは、n型導電性基板上に、順次、バッファ層、n型クラッド層、活性層、p型クラッド層、高濃度p型キャップ層を積層した構成である。
ここでp型キャップ層は通常GaAsやGaP層で構成され、p型ドーパントとして亜鉛(Zn)が用いられ且つ高濃度にドーピングされる。その理由として、最表面のキャップ層はコンタクト層として機能させるには、5×1018cm-3程度の高キャリア濃度として良好な電気的接触を得る必要があり、この高濃度ドープにはZnが適しているためである。
しかし、このZnは成長終了後にも成長炉内に残留する傾向がある。最上層のp型化のため成長完了直前でZnを使用した場合、炉内に残留したまま次の成長を実施することになる。すると次に成長したエピタキシャルウェハに不必要なZnが取り込まれてしまう。これをメモリー効果と呼ぶ。
そこで、従来、メモリー効果を低減する為、成長完了直前にZnを使用した成長(例えば1回目のウェハの成長)の後、メモリー効果を及ぼしたくない成長(例えば2回目のウェハの成長)の前に、残留したZnを取り込む為のエピタキシャル成長を挟むことを行っている。これをダミー成長と呼ぶ。
なお、p型ドーパントではないが、n型ドーパントについてメモリー効果の影響を排除する技術としては、例えばHEMTの製造方法に関して特開2004−63709号公報(特許文献1)に開示されたものがある。この特許文献1は、n型の1×1018cm-3以上の高キャリア濃度を得るべくn型ドーパントとしてSeを用いた場合、メモリー効果により、成長層表面のSe濃度が非常に高くなり、キャリアプロファイルを変えてしまうことに鑑み、多層構造の最表面部に所定の厚さ以上の犠牲層を成長し、デバイス作成プロセス工程に入る前に、上記最表面部の犠牲層をエッチング除去するものである。
特開2004−63709号公報
しかしながら、特許文献1はHEMTの製造における問題点であるn型ドーパントのメモリー効果の影響を排除しようとする技術に関するものである。特許文献1には、LDなどの光デバイスにおいて最上層であるキャップ層をp型に高濃度にドーピングする場合の問題点、すなわちp型ドーパントのメモリー効果の影響については示唆するところがない。
光デバイスのさらなる高性能化と特性の安定化の為には、高純度な結晶が求められている。光デバイス用のエピタキシャルウェハは、最上層がp型にドーピングされたGaAs、GaP層となっている。このときp型ドーパントとしてZnを用いることが多い。このZnには成長終了後にも成長炉内に残留する傾向がある。特に最上層は成長完了直前でZnを使用するため、炉内に残留したまま次の成長を実施することになる。するとメモリー効果により、次に成長したエピタキシャルウェハに不必要なZnが取り込まれてしまう。光デバイス用のエピタキシャルウェハでは最上層のp型キャリア濃度が非常に高いため、Znを多く使用しなければならず、それだけメモリー効果も強い。
メモリー効果は、次成長のエピタキシャルウェハの成長において、エピタキシャル層と基板の界面から、バッファ層、n型クラッド層にまで及んでしまう。これらへのZnの取り込みはキャリア濃度の不安定、さらには不必要なp型層の発生などを引き起こす。結果的にはデバイス特性が悪化し、不安定になる。特に信頼性の低下に繋がる恐れがある。
メモリー効果を低減する為、従来では、成長完了直前にZnを使用した成長の後、メモリー効果を及ぼしたくない成長の前に、残留したZnを取り込む為のエピタキシャル成長(ダミー成長)を挟む。ダミー成長を実施する手順は次の通りである。(1)エピタキシャルウェハの取り出し、(2)ダミー成長用の基板セット、(3)炉内圧力の調整(減圧)、(4)炉内昇温、(5)ダミー成長の実施、(6)炉内降温、(7)炉内常圧復帰、(8)ダミー成長用基板の取り出し。この様に、ダミー成長を実施するのは、言うまでもなく一回の成長を実施することになり、非常に手間が掛かる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、ダミー成長を実施することなくメモリー効果を低減することができ、その結果としてデバイス特性を向上させることのできる発光素子用化合物半導体結晶の構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明に係る発光素子用エピタキシャルウェハは、加熱した基板上にIII族およびV族原料ガス、ドーピング原料及びキャリアガスを供給し、基板上に化合物半導体結晶を気相成長することにより、n型基板上に少なくともn型クラッド層、活性層、p型クラッド層及びZnをドープしたp型キャップ層を順次積層した半導体発光素子用化合物半導体結晶において、上記p型キャップ層の上にさらに化合物半導体結晶から成るZnメモリー効果低減層を少なくとも1層積層したことを特徴とする。
この特徴によれば、p型キャップ層の成長に際し、p型ドーパントとして用いられたZnが成長炉内に残留したとしても、続いてZnメモリー効果低減層がエピタキシャル成長されるため、このエピタキシャル層にZnが取り込まれる。よって、次の半導体発光素子用化合物半導体結晶のエピタキシャル成長に際し、これに与えるZnの影響つまりZnメモリー効果をなくすことができる。
上記したZnメモリー効果低減層は、これを成長した発光素子用化合物半導体結晶を光デバイスを作成する工程に廻した後、最初の工程においてエッチングにより除去する必要があるが、成長炉内に残留するZnが減少し、次成長のZnメモリー効果を低減することができることから、これを上回る利点がある。すなわち、従来のダミー成長を実施することなく、連続して光デバイス用エピタキシャルウェハの成長を行うことができるので、ダミー成長を実施する手間、ダミー成長用の基板原料を節約することができる。
請求項2の発明は、請求項1記載の発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、上記Znメモリー効果低減層がn型またはアンドープの化合物半導体結晶から成ることを特徴とする。
Znメモリー効果低減層がZnを取り込むという作用効果を得るためには、このZnメモリー効果低減層がp型であっては意味が無い。このp型ドーパントがZn(DEZ、DMZ)又はMg(Cp2Mg)である場合、このZn又はMgがまた次成長に影響を及ぼすというメモリー効果を起こすからである。従って、Znメモリー効果低減層が有効に機能するためには、Znメモリー効果低減層がn型またはアンドープの化合物半導体結晶から成ることが必要である。n型とアンドープの形態を比較した場合、手数がかからないという面でアンドープの形態の方が優れている。n型とする場合にはSiドープとするのが良い。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、上記Znメモリー効果低減層の厚さが5nm以上であることを特徴とする。
Znメモリー効果低減層がZnを取り込むという作用効果は、Znメモリー効果低減層が厚ければ厚いほど大きくなり、次成長へのメモリー効果を低減できる。具体的には、この請求項2のように、Znメモリー効果低減層の厚さを5nm以上とすることで、顕著なメモリー効果低減効果を得ることができる。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、上記Znメモリー効果低減層が、p型キャップ層まで選択エッチングが可能な化合物半導体結晶から成ることを特徴とする。
この特徴によれば、Znメモリー効果低減層が選択エッチングが可能であることから、後にこのZnメモリー効果低減層を除去することが容易となる。
請求項5の発明は、請求項4記載の発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、上記p型キャップ層がGaAs層から成り、この上に積層したZnメモリー効果低減層がGaInP層又はAlGaInP層から成ることを特徴とする。
この特徴によれば、GaInPや又はAlGaInPは、塩酸系のエッチング液を用いてp型キャップ層まで選択エッチングすることが可能であり、またGaAsと格子整合することから、GaAs層から成るp型キャップ層に対し、GaInP層やAlGaInP層はZnメモリー効果低減層として非常に有効に機能する。
<発明の要点>
本発明の要点は、光デバイス用エピタキシャルウェハの如き発光素子用化合物半導体結晶のp型キャップ層の上に、さらに少なくとも1層のエピタキシャル層をZnメモリー効果低減層として成長したことにある。
本発明の要点は、光デバイス用エピタキシャルウェハの如き発光素子用化合物半導体結晶のp型キャップ層の上に、さらに少なくとも1層のエピタキシャル層をZnメモリー効果低減層として成長したことにある。
本発明では、p型キャップ層で使用したZnを、そのすぐ上に成長するZnメモリー効果低減層に取り込んでしまう。これにより、成長炉内に残留するZnが減少し、ダミー成長を実施することなく、連続して光デバイス用のエピタキシャルウェハを成長することができる。よって、本発明によれば、ダミー成長を実施する手間、ダミー成長用の基板を節約することができる。
本発明によれば、p型キャップ層で使用したZnを、そのすぐ上に形成したZnメモリー効果低減層に取り込んでしまうので、従来の様にダミー成長を間に挟むことなく、連続して光デバイス用エピタキシャルウェハを成長してもメモリー効果を抑えることができる。この結果として光デバイスの特性を安定させ、信頼性を向上させることができる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1に示す発光素子用化合物半導体結晶としてのLD用エピタキシャルウェハは、n型導電性GaAs基板1上に、順次、n型GaAsバッファ層2、n型AlGaInPクラッド層3、多重量子井戸活性層4、p型AlGaInPクラッド層5、およびZnを高濃度にドープしたp型GaAsキャップ層6を有する。ここまでの構造は従来の図3と同じである。
しかし図1のLD用エピタキシャルウェハの場合、Znを高濃度にドープしたp型GaAsキャップ層6の上に、つまり最上層として、さらにn型またはアンドープの化合物半導体結晶から成るZnメモリー効果低減層7を少なくとも1層積層した構造を有する。この実施形態では、Znメモリー効果低減層7としてアンドープGaInP層を厚さが5nm以上に積層している。
従って、p型GaAsキャップ層6の成長に際し、p型ドーパントとして用いられたZnが成長炉内に残留したとしても、続いてZnメモリー効果低減層7のGaInP層がエピタキシャル成長されるため、このGaInP層にZnが取り込まれる。よって、次の半導体発光素子用化合物半導体結晶のエピタキシャル成長に際し、これに与えるZnの影響つまりZnメモリー効果をなくすことができる。
最上層のZnメモリー効果低減層7の厚さは、厚ければ厚いほど次成長へのメモリー効果を低減できると考えられる。5nm未満ではそのメモリー効果低減効果があまり現れないので、ここではZnメモリー効果低減層のGaInP層の厚さを5nm以上と厚くしている。
以下に本発明による実施例を図1により説明する。
上記のLD用エピタキシャルウェハの製造例として、III族有機金属原料ガスとV族原料ガスを、高純度水素キャリアガスとの混合ガスとして成長炉内に導入し、成長炉内で加熱された基板付近で原料が熱分解され、基板上にエピタキシャル成長する有機金属気相成長法(MOVPE法)を用い、表1に示すLD構造(本実施例の構造A)を成長した。
すなわち、MOVPE法により、Seドープn型導電性GaAs基板1(キャリア濃度1×1018cm-3、厚さ350μm)上に、Seドープn型GaAsバッファ層2(キャリア濃度1×1018cm-3、厚さ0.3μm)、Seドープn型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層3(キャリア濃度6.5×1017cm-3、厚さ1.2μm)を順次成長した。その上に、アンドープGaInPウエル層及びアンドープ(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pバリア層を例えば3周期設けて成るアンドープ多重量子井戸(MQW)活性層4を成長した。続いてZnドープp型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層5(キャリア濃度8×1017cm-3、厚さ1.2μm)、Znドープp+型GaAsキャップ層6(キャリア濃度5×1018cm-3、厚さ0.3μm)を順次積層した。そして、このZnドープp+型GaAsキャップ層6の上に、本発明のZnメモリー効果低減層7としてアンドープGa0.51In0.49P層(厚さ0.3μm)を積層した。
実施例の成長では、Ga原料としてTMG(トリメチルガリウム)、Al原料としてTMA(トリメチルアルミニウム)、Inの原料としてTMI(トリメチルインジウム)、As原料としてAsH3(アルシン)、Pの原料としてPH3(ホスフィン)、n型のドーパントであるSeの原料としてH2Se(セレン化水素)、p型のドーパントであるZnの原料としてDEZ(ジエチルジンク)を用いた。
次に、本実施例のLD用エピタキシャルウェハ(本実施例の構造A)の効果を確認するため、比較例として表2の構造のLD用エピタキシャルウェハ(比較例の構造B)を試作し、連続的にLD用エピタキシャルウェハを成長した際におけるメモリー効果の違いを調べた。なお、表1に示す本実施例の構造Aと比較例の構造Bが相違している点は、本実施例の構造AではZnメモリー効果低減層7が追加的に増えている点だけであり、他は本実施例の構造Aも比較例の構造Bも同じ構造である。
この試作例では、上記構造A(本実施例)と構造B(比較例)のLD用エピタキシャルウェハを、次の通りの順で連続的に成長した。
構造B(1回目)→構造B(2回目)→構造A(1回目)→構造B(3回目)。
ここで、本実施例の構造AのLD用エピタキシャルウェハを成長する前と成長した後について、つまり構造Bの2回目と構造Bの3回目の成長で得られたLD用エピタキシャルウェハについて、SIMS分析(二次イオン質量分析)にかけてZn濃度を比べてみた。このSIMS分析結果を図2に示す。図2のグラフから、構造Bの2回目よりも構造Bの3回目の成長で得られたウェハ方が明らかにZn濃度が低いことがわかる。よって、本実施例の構造Aが、メモリー効果低減に効果があることを示している。
なおSIMS分析(Secondary Ion Mass Spectrometry)は、二次イオン質量分析O2 +やCs+3のようなイオンを資料表面に照射し、スパッタされた原子の中でイオン化された二次イオンを質量分析することにより、物質の成分、不純物の分析を行う方法であり、イオンによって資料表面がスパッタされるので、資料の表面からの深さの方向の元素分布も得られる。図2のSIMS分析において、深さ方向は若干の誤差が発生する。
次に、本実施例の構造AのLD用エピタキシャルウェハをLDにしたとき、特性に問題がないか調べた。この目的のため、本実施例の構造A(1回目)のLD用エピタキシャルウェハについては、Znメモリー効果低減層7としてのアンドープGa0.51In0.49P層(厚さ0.3μm)を、塩酸系のエッチング液を用いてキャップ層6の表面まで選択エッチングにより除去した。そして、本実施例の構造A(1回目)のLD用エピタキシャルウェハからLDを作製すると共に、比較例の構造B(1回目)の成長で得られたLD用エピタキシャルウェハからもLDを作製し、そのLD特性を比較した。この結果、本実施例の構造A(1回目)のLD用エピタキシャルウェハから作製したLDは、比較例の構造B(1回目)のLD用エピタキシャルウェハから作製したLDと較べた場合、そのLD特性が同じであり、Znメモリー効果低減層7を追加したことによる問題は存在しないことが確認できた。
このように本実施例のLD用エピタキシャルウェハは、次のウェハの成長に際してZnメモリー効果を低減する効果を発揮すると共に、そのLD用エピタキシャルウェハ自身についても、通常のZnメモリー効果低減層7のないLD用エピタキシャルウェハがメモリー効果のない環境で成長されたものと同一のLD特性を得ることができる。また本実施例のLD用エピタキシャルウェハは、これをLDにする場合、最初にアンドープGa0.51In0.49P層をエッチング除去する必要があるが、アンドープGa0.51In0.49P層はGaAsキャップ層表面まで容易に選択エッチングが可能なため、そのエッチングによる除去も容易である。
<他の実施例、変形例>
上記実施例では、LD用エピタキシャルウェハの構造例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、MOVPE法により製造する発光素子用化合物半導体結晶、たとえばLEDや電子デバイス向けの化合物半導体エピタキシャルウェハにも適用することができる。
上記実施例では、LD用エピタキシャルウェハの構造例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、MOVPE法により製造する発光素子用化合物半導体結晶、たとえばLEDや電子デバイス向けの化合物半導体エピタキシャルウェハにも適用することができる。
また上記実施例では、Znメモリー効果低減層としてアンドープGaInP層を用いたが、AlGaInP層ならば塩酸で簡単に選択エッチングできるので、同様にZnメモリー効果低減層として用いることができる。また、もしLDがAIGaAs系でPを使用しない構造の場合には、Al組成が高いAIGaAsをZnメモリー効果低減層として用いることができる。
1 n型導電性GaAs基板
2 n型GaAsバッファ層
3 n型AlGaInPクラッド層
4 多重量子井戸活性層
5 p型AlGaInPクラッド層
6 Znを高濃度にドープしたp型GaAsキャップ層
7 p型GaAsコンタクト層
2 n型GaAsバッファ層
3 n型AlGaInPクラッド層
4 多重量子井戸活性層
5 p型AlGaInPクラッド層
6 Znを高濃度にドープしたp型GaAsキャップ層
7 p型GaAsコンタクト層
Claims (5)
- 加熱した基板上にIII族およびV族原料ガス、ドーピング原料及びキャリアガスを供給し、基板上に化合物半導体結晶を気相成長することにより、n型基板上に少なくともn型クラッド層、活性層、p型クラッド層及びZnをドープしたp型キャップ層を順次積層した半導体発光素子用化合物半導体結晶において、
上記p型キャップ層の上にさらに化合物半導体結晶から成るZnメモリー効果低減層を少なくとも1層積層したことを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハ。 - 請求項1記載の発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
上記Znメモリー効果低減層がn型またはアンドープの化合物半導体結晶から成ることを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハ。 - 請求項1又は2記載の発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
上記Znメモリー効果低減層の厚さが5nm以上であることを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハ。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
上記Znメモリー効果低減層が、p型キャップ層まで選択エッチングが可能な化合物半導体結晶から成ることを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハ。 - 請求項4記載の発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
上記p型キャップ層がGaAs層から成り、この上に積層したZnメモリー効果低減層がGaInP層又はAlGaInP層から成ることを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハ。
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JP2021082745A (ja) * | 2019-11-21 | 2021-05-27 | 株式会社沖データ | 発光サイリスタ、発光素子チップ、光プリントヘッド、及び画像形成装置 |
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