JP2006252486A - プログラマブル・コントローラ・システム - Google Patents

プログラマブル・コントローラ・システム Download PDF

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Abstract

【課題】この種の外部機器劣化診断機能を備えたPLCシステムの例えば導入時における閾値決定に際する労力を軽減すると共に、システム導入時とシステム運用時とで同様な運転を保証することで、信頼性の高いデータを収集すること。
【解決手段】プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間における通信経路上にあって、それらの間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置には、1の外部機器劣化診断に関連して、送信要求コマンドを発行する条件を規定するための書き替え可能なタグが、各劣化診断毎に設定されており、このタグを参照することにより、コマンド発行手段は送信要求コマンドをリモート入出力装置へと発行する。これにより、当該装置において、所望のデータロギング動作がPLCを関与することなく、適切に行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、リモート入出力装置側で行われた外部機器の劣化診断結果を通信を介してプログラマブル・コントローラ装置側へと通知することにより、劣化診断結果をラダー図で直接的に参照できるようにしたプログラマブル・コントローラ・システムに関する。
本出願人は、先に、リモート入出力装置側で行われた外部機器の劣化診断結果を通信を介してプログラマブル・コントローラ装置側へと通知することにより、劣化診断結果を参照できるようにしたプログラマブル・コントローラ・システム(以下、PLCシステムと称する)を提案している(例えば、特許文献1参照)。
このようなPLCシステムによれば、従前のように、リモート入出力装置側の劣化診断関連データを取り込むためのメッセージ通信処理をPLC側のユーザプログラムに組み込むことが不要となり、ユーザプログラム作成に伴う労力の軽減、並びに、そのような保守用のユーザプログラムを本来の制御用のユーザプログラムと同時に実行することによるサイクルタイムの遅れの解消、と言った様々な効果が得られた。
ところで、この種の外部機器の劣化診断は、リモート入出力装置の1又は2以上の入出力端子対(例えば、OUT1とNI1、IN1とIN2、・・・)のそれぞれを構成する一方の端子の所定信号エッジ(立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジ)と他方の端子の所定信号エッジ(立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジ)との時間差を求め、こうして得られた1又は2以上の時間差データに基づいて劣化特徴量(端子対が1個の場合等には、時間差そのものを劣化特徴量としてもよい)を生成すると共に、この劣化特徴量を所定の劣化判定用閾値(TH)と比較することにより、それらの端子対に関わる外部機器の劣化を診断乃至予測するものである。なお、閾値(TH)としては、上限閾値(TH・H)と下限閾値(TH・L)とで構成することもできる。
このような劣化診断機能がPLCシステムのスレーブに具備されていれば、例えば、OUT1で外部機器に起動をかけると共に、IN1で外部機器の動作完了位置からのセンサ入力を取り込むように、外部機器との結線をなすことにより、当該外部機器の動作時間を取得することができるから、この動作時間を所定の劣化診断用閾値と比較することで、当該外部機器(特定のアクチュエータであったり、特定のアクチュエータを含む一連の動作機構であったりする)の経時的な劣化診断が可能となるのである。
特開2003−295914
このような外部機器の劣化診断機能をPLCシステムに導入するためには、それに先立って、劣化判定用閾値(TH、又はTH・H,TH・L)の値を適切に設定しなければならない。そのためには、PLC装置並びにリモート入出力装置を実際に運転しながら、該当する端子対のそれぞれに関する時間差データの計測値(計測値取得はリモート入出力装置それ自体が行う)を蓄積する処理(所謂、ロギング処理)が必要となる。このロギング処理は、被制御対象機器乃至システムによっては、1〜2ヶ月に亘って継続せねばならない場合もある。
従来、このロギング処理は、当該PLCシステムを構成するPLC装置のユーザプログラムそれ自体に、リモート入出力装置内で生成される時間差データをPLC装置側へと転送して蓄積するロギング専用のプログラムを組み込むことにより行われている。
このようなロギング専用のユーザプログラムの一例を示すラダー図が図10に示されている。このプログラムは、第1の端子対(OUT1とIN1)の所定信号エッジ間の時間差(T1)と第2の端子対(IN1とIN2)の所定信号エッジ間の時間差(T2)とを、所定端子(IN2)の所定信号エッジ(立ち上がりエッジ)に応答して取得して、PLC装置内の入出力メモリ内に蓄積させるものである。
図において、オペコードであるMOV,SEND,INCは当業者には周知のものであるから、その意味内容の説明は省略する。また、それらのオペーコードを囲む矩形ブロック内には、実際には、それぞれ必要な機能を実現するための命令語列が多数存在する。
そのため、リモート入出力装置が複数存在し、かつそれぞれに劣化診断対象が複数存在すれば、各劣化診断対象毎に、図10に示されるプログラムをユーザプログラム中に記述せねばならないこととなり、多大なる労力を要する。加えて、そのようなロギング処理のためのプログラムが追加されることで、ユーザプログラム全体のボリュームも増加するため、PLC装置側のサイクルタイムもシステム運用時のそれと若干異なるものとなり、そのような状態で取得された時間差データの信頼性が必ずしも保証されない。
この発明は、上述の問題点に着目してなされてものであり、その目的とするところは、この種の外部機器劣化診断機能を備えたPLCシステムの例えば導入時における閾値決定に際する労力を軽減すると共に、システム導入時とシステム運用時とで同様な運転を保証することで、信頼性の高いデータを収集することにある。
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者で有れば容易に理解されるであろう。
本発明のプログラマブル・コントローラシステムは、プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置とをフィールドバスを介して通信で結むと共に、プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間を結ぶ通信経路上に、それらの間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置が設けて構成される。
プログラマブル・コントローラ装置には、入力部と、出力部と、入出力メモリと、プログラムメモリと、入出力更新手段と、劣化診断フラグ制御手段と、プログラム実行手段と、が少なくとも設けられている。
入力部は、外部機器からの信号を取り込むためのものであり、出力部は、外部機器へと信号を送出するためのものである。
入出力メモリには、プログラマブル・コントローラ装置の入力部から取り込まれた信号に相当する入力データを記憶する入力領域と、プログラマブル・コントローラ装置の出力部から送出されるべき信号に相当する出力データを記憶する出力領域と、リモート入出力装置から取り込まれた信号に相当する入力データを記憶するリモート入力領域と、リモート入出力装置から送出されるべき信号に相当するリモート出力データを記憶するリモート出力領域と、ユーザ命令にて参照可能な劣化診断フラグとが少なくとも設けられている。ここで、「少なくとも」とあるのは、その他データ領域、パラメータ領域等が通常は存在することを意識したためである。入出力メモリには、所望の制御仕様をユーザ命令を使用して記述してなるユーザプログラムが格納されている。
入出力更新手段は、プログラマブル・コントローラ装置の入出力部と入出力メモリの入出力領域との間で内部バスを介してデータのやり取りを行う入出力更新処理と、リモート入出力装置と入出力メモリのリモート入出力領域との間でフィールドバスを介してデータのやり取りを行うリモート入出力更新処理とを実行するものである。
劣化診断フラグ制御手段は、フィールドバスを介してリモート入出力装置から通知される劣化診断結果に基づいて劣化診断フラグをオンオフ制御するものである。
プログラム実行手段は、プログラムメモリに格納されたユーザプログラムを入出力メモリの内容を参照しつつ実行すると共に、その実行結果に応じて入出力メモリの出力領域並びにリモート出力領域の内容を書き替えるものである。
これら入出力更新手段とプログラム実行手段とが機能することにより、PLC装置並びにリモート入出力装置において、ユーザプログラムで規定された動作が保証され、さらに劣化診断フラグ制御手段が機能することにより、ユーザプログラム上で劣化診断フラグを参照して所望の劣化診断プロクラムを作成することが可能となる。
一方、リモート入出力装置には、入力部と、出力部と、入出力更新手段と、時間差計測手段と、時間差レジスタと、劣化診断手段と、診断結果通知手段とが設けられている。
入力部は、外部機器からの信号を取り込むためのものであり、出力部は、外部機器へと信号を送出するためのものである。
入出力更新手段は、入力部から取り込まれた信号に相当する入力データをフィールドバスを介してプログラマブル・コントローラ装置へと送信すると共に、プログラマブル・コントローラ装置からフィールドバスを介して受信された出力データに相当する信号を出力部から送出するものである。この入出力更新手段が機能することにより、入力部並びに出力部を介して外部機器と入出力信号のやり取りを行なうことにより、外部機器の制御が可能となる。
時間差計測手段は、入力部又は出力部を構成する所定の一対又は二対以上の端子対のそれぞれにおける一方の端子の所定信号エッジと他方の端子の所定信号エッジとの時間差を計測する。1又は2以上の時間差レジスタは、時間差計測手段により得られた各端子対毎の時間差をそれぞれ一次記憶する。劣化診断手段は、それらの時間差レジスタに記憶された1又は2以上の時間差に基づいて生成される劣化特徴量を所定閾値と比較することにより、それらの端子対に関わる外部機器の劣化を診断する。これらの時間差計測手段並びに劣化診断手段が機能することにより、リモート入出力装置の側で、外部機器に関する劣化診断結果が生成される。
診断結果通知手段は、劣化診断手段による劣化診断結果をフィールドバスを介してプログラマブル・コントローラ装置へと通知する。これにより、リモート入出力装置の側で生成された劣化診断結果は、ユーザプログラムの関与を受けることなく、プログラマブル・コントローラ装置側へと自動的に通知される。
プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置には、送信要求コマンド発行手段と、データ蓄積手段と、蓄積データ出力手段と、が設けられる。
送信要求コマンド発行手段は、プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間を流れる通信データを受動的にモニタすることにより、リモート入出力装置の入力部又は出力部の所定端子の信号状態を監視し、この信号状態の所定方向エッジが検出されるのに応答して、当該フィールドバスがサポートするメッセージ通信により、リモート入出力装置に対して時間差又は劣化特徴量の送信を要求する送信要求コマンドを発行するものである。
データ蓄積手段は、送信要求コマンドに対するリモート入出力装置からのレスポンスとして返送される時間差又は劣化特徴量を受信して所定のメモリに蓄積記憶させるものである。
蓄積データ出力手段は、データ蓄積手段により所定のメモリに蓄積記憶された一連のデータを所定の読出操作に応答して外部へと出力させるものである。
さらに、リモート入出力装置には、メッセージ通信により所定の送信要求コマンドが到来するのに応答して、時間差レジスタに一次記憶された時間差又は時間差に基づいて生成された劣化特徴量をレスポンスとしてコマンド発行元の装置に対して返送する送信要求コマンド処理手段が設けらる。
それらの送信要求コマンド発行手段、データ蓄積手段、及び蓄積データ出力手段、並びに、送信要求コマンド処理手段が機能することにより、プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置には、ユーザプログラムの関与を受けることなく、劣化診断のための閾値生成に必要なデータが収集蓄積され、必要によりこれらのデータを読み出すことが可能となる。
このような構成によれば、この種の外部機器劣化診断機能を備えたPLCシステムの例えば導入時における閾値決定に際する労力を軽減すると共に、システム導入時とシステム運用時とで同様な運転を保証することで、信頼性の高いデータを収集することが可能となる。
本発明にあっては、プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間における通信経路上にあって、それらの間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置が、プログラマブル・コントローラ装置及びリモート入出力装置とは別に設けられ、かつ通信データをモニタ可能なパッシブモニタ装置であってもよい。
また、本発明にあっては、プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間における通信経路上にあって、それらの間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置が、プログラマブル・コントローラ装置内にあって、リモート入出力装置との間におけるフィールドバスを介する通信を実行するマスタユニットであってもよい。例えば、マスタユニット内を通過する通信データを共有メモリ上から取得することでパッシブモニタと同様な機能を実現できる。
本発明の好ましい実施の形態にあっては、次の構成を採用してもよい。すなわち、この実施形態にあっては、リモート入出力装置に含まれる時間差計測手段が、出力部に含まれる第1の端子の所定信号エッジと入力部に含まれる第1の端子の所定信号エッジとの時間差(T1)と、入力部に含まれる第1の端子の所定信号エッジと入力部に含まれる第2の端子の所定信号エッジとの時間差(T2)とを計測するものとされる。
また、リモート入出力装置に含まれる2以上の時間差レジスタが、時間差(T1)を一次記憶する第1の時間差レジスタと、時間差(T2)を一次記憶する第2の時間差レジスタとからなるものとされる。
また、リモート入出力装置に含まれる劣化診断手段が、第1の時間差レジスタに記憶された時間差(T1)と第2の時間差レジスタに記憶された時間差(T2)とに基づいて生成される劣化特徴量(T1×T2)を所定閾値(TH)と比較することにより、それらの端子対に関わる外部機器の劣化を診断するものとされる。
また、プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置には、次の構成を有するコマンド発行手段と、データ蓄積手段と、コマンド処理手段とが具備される。
すなわち、コマンド発行手段は、プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間を流れる通信データを受動的にモニタすることにより、リモート入出力装置の入力部の第2の端子の信号状態を監視し、この信号状態の所定方向エッジが検出されるのに応答して、当該フィールドバスがサポートするメッセージ通信により、リモート入出力装置に対して時間差(T1,T2)又は劣化特徴量(T1×T2)の送信を要求する送信要求コマンドを発行する。
データ蓄積手段は、送信要求コマンドに対するリモート入出力装置からのレスポンスとして返送される時間差(T1,T2)又は劣化特徴量(T1×T2)を受信して所定のメモリに蓄積記憶させる。
蓄積データ出力手段は、データ蓄積手段により所定のメモリに蓄積記憶された一連のデータを所定の読出操作に応答して外部へと出力させる。
さらに、リモート入出力装置には、メッセージ通信により所定の送信要求コマンドが到来するのに応答して、時間差レジスタに一次記憶された時間差(T1,T2)又は時間差に基づいて生成された劣化特徴量(T1×T2)をレスポンスとしてコマンド発行元の装置に対して返送するコマンド処理手段が設けられる。
このような構成によれば、診断対象となる外部機器に関して、出力部に含まれる第1の端子と、入力部に含まれる第1の端子と、入力部に含まれる第2の端子とに、順に時系列的に所定信号エッジが生ずるように、アプリケーションを組むことにより、時間差(T1)は当該装置に起動指令を与えてから実際に起動するまでの所要時間に対応する値となり、時間差(T2)は起動開始してから動作完了までの所要時間に対応することとなるため、劣化特徴量(T1×T2)の値はアクチュエータの劣化度合いと外部機器の劣化度合いとの双方を代表するものとなり、劣化度合いを正確に把握することが可能となる。
本発明の好ましい実施形態にあっては、リモート入出力装置には、1の外部機器劣化診断に関して、1又は2以上の時間差を求めるために必要な計時開始条件と計時終了条件とを規定する書き替え可能なタグが、求めたい各時間差毎に設定されており、このタグの内容を参照することにより、時間差計測手段は1の外部機器劣化診断に必要な各時間差を計測する、ように構成してもよい。
このような構成によれば、このタグの内容を適切に設定することにより、リモート入出力装置において、所望の劣化診断動作を適切に行わせることができる。
本発明の好ましい実施形態にあっては、プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間における通信経路上にあって、それらの間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置には、1の外部機器劣化診断に関連して、送信要求コマンドを発行する条件を規定するための書き替え可能なタグが、各劣化診断毎に設定されており、このタグを参照することにより、コマンド発行手段は1の外部機器劣化診断に必要な送信要求コマンドを発行する、ように構成してもよい。
このような構成によれば、このタグの内容を適切に設定することにより、プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間における通信経路上にあって、それらの間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置において、所望のデータロギング動作を適切に行わせることができる。
本発明によれば、この種の外部機器劣化診断機能を備えたPLCシステムの例えば導入時における閾値決定に際する労力を軽減すると共に、システム導入時とシステム運用時とで同様な運転を保証することで、信頼性の高いデータを収集することができる。
以下に、この発明の好適な実施の一形態を添付図面にしたがって詳細に説明する。本発明に係るPLCシステムの構成図が図1に示されている。
同図に示されるように、このPLCシステムは、PLC装置1と複数台のスレーブ(リモート入出力装置)2とをフィールドバス3を介して通信で結ぶと共に、PLC装置1とスレーブ2との間を結ぶ通信経路上には、それらの間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置であるパッシブモニタ4を設けて構成したものである。
この例にあっては、PLC装置1はPLC10とマスタユニット11とを含んで構成されている。PLC装置10は、図2に示されるように、PLC全体を統括制御するCPUユニット101と、外部機器からの信号を取り込むための入力部や外部機器へと信号を送出するための出力部として機能する複数台のI/Oユニット102,102・・・とを含んでいる。
CPUユニット101は、図2に示されるように、CPUユニット全体の動作を統括制御するCPU101aと、所望の制御仕様をユーザ命令を使用して記述してなるユーザプログラムを格納するためのプログラムメモリ101bと、演算等に必要な各種のパラメータを格納するパラメータメモリ101cと、プログラマブル・コントローラ装置の入力部から取り込まれた信号に相当する入力データを記憶する入力領域と、プログラマブル・コントローラ装置の出力部から送出されるべき信号に相当する出力データを記憶する出力領域と、リモート入出力装置から取り込まれた信号に相当する入力データを記憶するリモート入力領域と、リモート入出力装置から送出されるべき信号に相当するリモート出力データを記憶するリモート出力領域と、ユーザ命令にて参照可能な劣化診断フラグ(F)とを少なくとも有するI/Oメモリ101dと、後述する入出力更新処理や命令実行処理等に相当するシステムプログラムが格納されたシステムプログラムメモリ101eと、各種の演算に際するワークエリアとして使用されるワークメモリ101fとを含んでいる。
なお、図において、符号101gが付されているのは、システムバス101とCPUユニット101とを繋ぐI/Oインタフェースユニットである。
CPU101aは、システムプログラムメモリ101に格納された各種のシステムプログラムを実行することにより、入出力更新手段としての機能、プログラム実行手段としての機能、劣化診断フラグ制御手段としての機能を少なくとも実現するように構成されている。
当業者には良く知られているように、この種のPLCは、入出力更新処理とプログラム実行処理とシステムサービス処理とをサイクリックに実行するものである。さらに、この例では、それらの処理とは別に、劣化診断フラグ制御処理も実行する。
ここで、入出力更新処理とは、PLC装置1の入出力部を構成するI/Oユニット102とI/Oのメモリ101dの入出力領域との間でシステムバス100を介してデータのやり取りを行う本体側入出力更新処理と、スレーブ2とI/Oメモリ101dのリモート入出力領域との間でフィールドバス3を介してデータのやり取りを行うリモート入出力更新処理とから構成されている。
また、プログラム実行処理とは、ユーザプログラムメモリ101bに格納されたユーザプログラムをI/Oメモリ101dの内容を参照しつつ実行すると共に、その実行結果に応じてI/Oメモリ101dの出力領域並びにリモート出力領域の内容を書き替える処理である。
さらに、劣化診断フラグ制御処理は、フィールドバスを介してリモート入出力装置から通知される劣化診断結果に基づいてI/Oメモリ101d内の劣化診断フラグ(F)をオンオフ制御するのである。先に述べたように、この劣化診断フラグ(F)は、ユーザ命令にて参照可能とされており、この劣化診断フラグ(F)を起動条件として適当なラダー図を組むことにより、ユーザは、外部機器が劣化した時点における警報処理、保守のためのインターロック処理等を任意に実現することができる。
マスタユニット11は、内部詳細は図示しないが、CPUユニット101と同期して入出力更新をサイクリックに行いつつ、スレーブ2と非同期に通信を行うことで、スレーブ2との間で入出力更新処理を実行する機能を有するもので、そのような処理を実現するために、独自のマイクロプロセッサを保有するものである。したがって、このマイクロプロセッサに適当なファームウェアを実行させれば、通信処理以外にも独自の処理を実現することもできる。すなわち、独自の処理としては、送受信データの中で指定されたデータを取り込むことにより、パッシブモニタ4と同様な機能を実現することができる。
次に、スレーブ2の内部構成を示すブロック図が図3に示されている。すなわち、スレーブ2は、フィールドバス3に接続され、データの送受をする送受信回路21と、その送受信回路21に接続されたMPU22と、出力機器に接続される出力回路25と、入力機器に接続される入力回路24とを備えている。更に、外部不揮発性メモリ23やタイマ(内部時計)26等を備えている。
そして、送受信回路21は、マスタユニット11から発せられてフィールドバス3上を流れるフレームを受信し、ヘッダ部を解析して自己宛のフレームか否かを判断し、自己宛のフレームのみを最終的に受信してMPU22に渡す機能と、MPU22から与えられた送信フレーム(例えば、マスタユニット11に向けたINデータを送信するためのフレーム)を、フィールドバス3上に出力する機能を有している。
MPU22は、送受信回路21から与えられた受信したフレームのデータ部中に格納された情報に従って所定の処理を実行するもので、基本機能としては、データ部中のOUTデータに従って、出力回路25に対し所定のOUT端子をON/OFFするための制御信号を発する。また、入力回路24を介して、入力端子のON/OFF状態を取得し、その取得した情報をINデータとしてマスタユニット11に対して送信するフレームを生成し、送受信回路21に渡す機能を有する。
ところで、スレーブ2に接続された外部機器の駆動は、よく知られているように、次のように行われる。すなわち、PLC10のCPUユニット101に実装されたユーザプログラムをサイクリックに実行した結果、所定の条件に合致した場合には、スレーブ2のOUT端子をONにすべくマスタユニット11に対して通知が行われ、マスタユニット11は、通信サイクルに従って対応するスレーブ2に向けて所定のフレーム(OUTデータ)を送信する。スレーブ2は、受信したフレーム(OUTデータ)に従って、外部機器に接続されるOUT端子をONにする。これにより、外部機器を構成する出力機器(例えば、リレー、電磁弁、駆動シリンダ、ソレノイドプランジャ等)が駆動される。
また、スレーブ2に接続された外部機器からの信号の取込は、よく知られているように、次のように行われる。すなわち、外部機器を構成する入力機器(例えば、リミットスイッチ、光電スイッチ、近接スイッチ等)がONすると、該当するIN端子がONになったことは、入力回路24を介してMPU22が取得できるので、自己のフレームの送信タイミングが来たときに、INデータとしてマスタユニット11に向けて送信する。すると、マスタユニット11は、取得したINデータを、PLCユニット10におけるリフレッシュ処理の際に渡す。
このように、スレーブ2には、外部機器からの信号を取り込むための入力回路(入力部)24と、外部機器へと信号を送出するための出力回路(出力部)25と、入力回路24から取り込まれた信号に相当する入力データをフィールドバス3を介してPLC装置1へと送信すると共に、PLC装置1からフィールドバス3を介して受信された出力データに相当する信号を出力回路25から送出する入出力更新手段と、が具備されている。
次に、スレーブ2に具備された外部機器の劣化診断機能について説明する。この劣化診断可能は、基本的には、本出願人により特開2003−295914公報にて開示されたものと実質的に同一である。
すなわち、これを要約すれば、スレーブ2には、入力回路24又は出力回路25を構成する所定の一対又は二対以上の端子対のそれぞれにおける一方の端子の所定信号エッジと他方の端子の所定信号エッジとの時間差を計測する時間差計測手段と、時間差計測手段により得られた各端子対毎の時間差をそれぞれ一次記憶する1又は2以上の時間差レジスタ(R1,R2)と、それらの時間差レジスタ(R1,R2)に記憶された1又は2以上の時間差に基づいて生成される劣化特徴量を所定閾値(TH)と比較することにより、それらの端子対に関わる外部機器の劣化を診断する劣化診断手段と、劣化診断手段による劣化診断結果をフィールドバスを介してプログラマブル・コントローラ装置へと通知する診断結果通知手段と、が少なくとも具備されている。
外部機器の劣化診断具体例の説明図が図4に示されている。同図に示されるように、今仮に、スレーブ2における出力部の第1端子(OUT1)と入力部の第1の端子(IN1)とにより第1の端子対が、同様にして、入力部の第1の端子(IN1)と入力部の第2の端子(IN2)とにより第2の端子対が構成されているものと想定する。
このとき、図4に示されるように、第1の端子対を構成する一方の端子(OUT1)には駆動シリンダ7に至る加圧空気を開閉する電磁弁6が接続され、他方の端子(IN1)には駆動シリンダ7の動作開始直後センサ8が接続されている。また、第2の端子対を構成する一方の端子(IN1)には駆動シリンダ7の動作開始直後センサが接続され、他方の端子(IN2)には駆動シリンダ7の動作完了センサ9が接続されている。
一方、スレーブ2内には、図5に示されるように、所定の設定内容を有する書き替え可能な時間タグが設定されている。この時間タグは、スレーブ2の各号機毎に設定することができ、図ではNo.2,No.3号機についての時間タグが示されている。
今仮に、図4に示されるスレーブ2が2号機であると想定すると、時間タグの設定内容は、端子(OUT1)のオンエッジで計時開始すると共に、端子(IN1)のオフエッジで計時終了することにより時間差(T1)を取得するように規定され、かつ端子(IN1)のオフエッジで計時開始すると共に、端子(IN2)のオンエッジで計時終了することにより時間差(T2)を取得するように規定されている。
スレーブ2では、上記時間タグの設定内容にしたがって、前述した「時間差計測手段」の作用により、該当する時間差(T1,T2)の計測、時間差レジスタ(R1,R2)への一次記憶が行われ、さらに「劣化診断手段」の作用により、時間差レジスタ(R1,R2)からの読み出し、劣化特徴量(T1×T2)の生成、劣化特徴量(T1×T2)と所定閾値(TH)との大小比較が行われ、それにより、端子(OUT1,IN1,IN2)に関る外部機器の劣化診断が行われる。
特に、この例のように、端子(OUT1)のオンエッジで計時開始すると共に、端子(IN1)のオフエッジで計時終了することにより時間差(T1)を取得するように規定され、かつ端子(IN1)のオフエッジで計時開始すると共に、端子(IN2)のオンエッジで計時終了することにより時間差(T1)を取得するように規定されるように、時間タグが設定されていると、時間差(T1)はアクチュエータの劣化度合を象徴する一方、時間差(T2)は被制御対象機器やシステムそれ自体の劣化度合を象徴することとなるため、それらの積として求められる劣化特徴量(T1×T2)の値は、アクチュエータから被制御対象機器に至る外部機器全体の劣化度合を感度よく反映することとなるので、その値を所定閾値と比較することにより、外部機器の劣化を高精度に診断することができる。
こうして、得られた劣化診断結果は、前述した「診断結果通知手段」の作用により、PLC装置1側へとマスタユニット11を経由して送られ、その後、前述したPLC装置1側の「劣化診断フラグ制御手段」の作用により、I/Oメモリ101d内の劣化診断フラグ(F)の状態に適切に反映される。
次に、本発明の要部であるところの劣化診断用閾値の決定に係る幾つかの工夫について詳細に説明する。このような外部機器の劣化診断機能をPLCシステムに導入するためには、それに先立って、劣化判定用閾値(TH、又はTH・H,TH・L)の値を適切に設定しなければならない。
そのためには、PLC装置並びにリモート入出力装置を実際に運転しながら、該当する端子対のそれぞれに関する時間差データの計測値(計測値取得はリモート入出力装置それ自体が行う)を蓄積する処理(所謂、ロギング処理)が必要となる。このロギング処理は、被制御対象機器乃至システムによっては、1〜2ヶ月に亘って継続せねばならない場合もある。
従来、このロギング処理は、当該PLCシステムを構成するPLC装置のユーザプログラムそれ自体に、リモート入出力装置内で生成される時間差データをPLC装置側へと転送して蓄積するロギング専用のプログラムを組み込むことにより行われていたため、リモート入出力装置が複数存在し、かつそれぞれに劣化診断対象が複数存在すれば、各劣化診断対象毎に、図10に示されるプログラムをユーザプログラム中に記述せねばならないこととなり、多大なる労力を要する。
また、そのようなロギング処理のためのプログラムが追加されることで、ユーザプログラム全体のボリュームも増加するため、PLC装置側のサイクルタイムもシステム運用時のそれと若干異なるものとなり、そのような状態で取得された時間差データの信頼性が必ずしも保証されない。
加えて、従来の閾値決定処理は、取得されたデータを全て実際に確認した上で、それらのデータの最大値がほぼ越えないことを条件に判定用閾値を決定するものであるため、判定用閾値の信頼性を確保するためには、長期間のロギング処理によりできるだけ大量のデータを収集せねばならず、必然的に閾値決定に至る所要時間が長大化する欠点がある。
そこで、この実施形態にあっては、先ず第1に、ロギング処理のための機能をユーザプログラムに負担させることにより生ずる問題点(第1の問題点)に対する解決策を提案すると共に、第2には、取得されたデータを全て実際に確認した上で、それらのデータの最大値が越えないことを条件に判定用閾値を決定することにより生ずる問題点(第2の問題点)に対する解決策を提案する。
[第1の問題点に対する解決策について]
PLC装置1とスレーブ2との間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置としては、図1に示されるように、パッシブモニタ装置4やマスタユニット11が存在する。そこで、この例にあっては、これらの装置4,11に対して、後述する「送信要求コマンド発行手段」と、「データ蓄積手段」と、「蓄積データ出力手段」と、を設ける一方、スレーブ2に対しては、後述する「送信要求コマンド処理手段」設ける。
すなわち、「送信要求コマンド発行手段」は、PLC装置1とスレーブ2との間を流れる通信データを受動的にモニタすることにより、スレーブ2の入力部又は出力部の所定端子の信号状態を監視し、この信号状態の所定方向エッジが検出されるのに応答して、当該フィールドバス3がサポートするメッセージ通信により、スレーブ2に対して時間差(T1,T2)又は劣化特徴量(T1×T2)の送信を要求する送信要求コマンドを発行する機能を有する。
「データ蓄積手段」は、送信要求コマンドに対するスレーブ2からのレスポンスとして返送される時間差(T1,T2)又は劣化特徴量(T1×T2)を受信して所定のメモリに蓄積記憶させる機能を有する。
「蓄積データ出力手段」は、データ蓄積手段により所定のメモリに蓄積記憶された一連のデータを所定の読出操作に応答して外部へと出力させる機能を有する。
一方、「送信要求コマンド処理手段」は、メッセージ通信により所定の送信要求コマンドが到来するのに応答して、時間差レジスタ(R1,R2)に一次記憶された時間差(T1,T2)又は時間差に基づいて生成された劣化特徴量(T1×T2)をレスポンスとしてコマンド発行元の装置4,10に対して返送する機能を有する。
これらの機能を有する各手段(「送信要求コマンド発行手段」、「データ蓄積手段」、「蓄積データ出力手段」)は、パッシブモニタ4内に或いはマスタユニット11内にファームウェアとして組み込むことができる。
パッシブモニタ4は基本的にはパソコンに対して所定のツールソフトを組み込んで構成されたものであり、その内容は本出願人より提案された特開2000−216798公報に詳しく述べられている。
すなわち、パッシブモニタ4にあっては、フィールドバス3を介してPLCシステム内に送信されるフレームを受動的に受信することができ、受信した場合にはフレーム情報に基づいて、フレーム中のフレーム・ヘッダ及びデータフィールドの詳細情報を解読することができる。そしてフレーム情報に基づいて、フレームの内容を解読した結果、モニタリング又はロギングに必要なフレームである場合には、このフレームを取得する。
パッシブモニタに必要な動作を実行させるためのパッシブモニタ4へのロギング設定内容(第1実施形態)が図6に示されている。同図(a)は取込タイミングの設定、同図(b)は演算タグの設定を示している。この例にあっては、時間差データ(T1,T2)だけをスレーブ2から取得し、劣化特徴量(T1×T2)の演算はパッシブモニタ4の側で行うこととしている。
図7に示されるように、スレーブ2は、先に図5に示した設定内容を参照することにより、端子(OUT1)のオンエッジと端子(IN1)のオフエッジとの時間差(T1)、端子(IN1)のオフエッジと端子(IN2)のオンエッジとの時間差(T2)を計測して、時間差レジスタ(R1,R2)に格納する処理を繰り返している。
パッシブモニタ4は、図6に示される設定内容を参照することにより、端子(IN2)の信号状態を監視し、オンエッジが検出される毎に、該当する号機番号(ノード)のスレーブ2に対して、時間差(T1)又は時間差(T2)に相当するデータの送信要求コマンドを発行する。
パッシブモニタ4から発行された送信要求コマンドが該当する号機番号のスレーブ2において受信されると、当該スレーブ2は内部の時間差レジスタ(R1,R2)から該当する時間差データ(T1又はT2)を読み出し、これにタイムスタンプを付したのち、送信要求コマンドに対するレスポンスとしてパッシブモニタ4へと送信する。
スレーブ2から送信されたレスポンスがパッシブモニタ4で受信されると、パッシブモニタ4では、レスポンスに付された時間差データ(T1又はT2)を取得すると共に、これを所定の不揮発性メモリに蓄積記憶する。さらに、パッシブモニタ4は、図6(b)に示される演算タグの設定内容を参照することにより、一対の時間差データ(T1,T2)が取得される毎に、所定の演算式にしたがって演算処理を実行して劣化特徴量(T1×T2=Y1)を算出し、これを時間差データ(T1,T2)と関連づけて、所定の不揮発性メモリに格納する。
以上の動作を繰り返すことにより、パッシブモニタ4として機能するパソコンのハードディスク等の不揮発性メモリ内には、各時点の時間差データ(T1,T2)と劣化特徴量(T1×T2=Y1)とが対の関係として蓄積記憶(データロギング)される。
以後、適当なデータロギング期間が経過した時点で、パソコンのキーボードやマウス等を使用して所定の読み出し操作とを行うと、パソコンのハードディスク等の不揮発性メモリに格納された一連のデータは、パソコンの表示器に表示され、あるいはプリンタを介してプリントされる。この画面表示された、或いはプリントアウトされたデータ列に基づいて、劣化診断用の閾値を決定することができる。
スレーブ2に必要な動作を実行させるためのスレーブ2への設定内容(第2実施形態)が図8に、またパッシブモニタ4に必要な動作を実行させるためのパッシブモニタ4へのロギング設定内容(第2実施形態)が図9にそれぞれ示されている。これらの例にあっては、時間差データ(T1,T2)の計測・取得のみならず、それらに基づく劣化特徴量(T1×T2)の演算までもを、スレーブ2側で実行されるようにしている。
スレーブ2は、図8に示される設定内容(時間タグ)を参照することにより、端子(OUT1)のオンエッジと端子(IN1)のオフエッジとの時間差(T1)、端子(IN1)のオフエッジと端子(IN2)のオンエッジとの時間差(T2)を計測して、時間差レジスタ(R1,R2)に格納する処理を繰り返している。
加えて、スレーブ2は、図8に示される設定内容(演算タグ)を参照することにより、時間差(T1,T2)が取得される毎に、それらに基づく劣化特徴量(T1×T2)の演算までもを実行し、その演算結果に演算タグ(X1)を付加して、所定の不揮発性メモリ(レジスタR3)に格納している。
パッシブモニタ4は、図9に示される設定内容を参照することにより、端子(IN2)の信号状態を監視し、オンエッジが検出される毎に、該当する号機番号(ノード)のスレーブ2に対して、劣化特徴量(T1×T2=X1)に相当するデータの送信要求コマンドを発行する。
パッシブモニタ4から発行された送信要求コマンドが該当する号機番号のスレーブ2において受信されると、当該スレーブ2は内部の時間差レジスタ(R3)から該当する劣化特徴量(T1×T2=X1)を読み出し、これにタイムスタンプを付したのち、送信要求コマンドに対するレスポンスとしてパッシブモニタ4へと送信する。
スレーブ2から送信されたレスポンスがパッシブモニタ4で受信されると、パッシブモニタ4では、レスポンスに付された特徴量(T1×T2=X1)を取得すると共に、これに所定のタグ(Y1)を付加して、所定の不発性メモリに蓄積記憶する。
以上の動作を繰り返すことにより、パッシブモニタ4として機能するパソコンのハードディスク等の不揮発性メモリ内には、各時点の劣化特徴量(T1×T2=Y1)が蓄積記憶(データロギング)される。
以後、適当なデータロギング期間が経過した時点で、パソコンのキーボードやマウス等を使用して所定の読み出し操作とを行うと、パソコンのハードディスク等の不揮発性メモリに格納された一連のデータは、パソコンの表示器に表示され、あるいはプリンタを介してプリントされる。この画面表示された、或いはプリントアウトされたデータ列に基づいて、劣化診断用の閾値を決定することができる。
[第2の問題点に対する解決策について]
PLC装置1とスレーブ2との間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置としては、図1に示されるように、パッシブモニタ装置4やマスタユニット11が存在する。そこで、この例にあっては、これらの装置4,11を閾値設定支援装置としても機能させる。そして、この閾値設定支援装置には、後述する「データ収集手段」と、「閾値決定手段」と、「閾値設定手段」と、を設ける一方、スレーブ2に対しては、後述する「送信要求コマンド処理手段」を設ける。
すなわち、「データ収集手段」は、プログラマブル・コントローラ装置のユーザプログラムにデータ収集機能を組み込むことなく、リモート入出力装置内で発生する時間差又は劣化特徴量に相当するデータを収集する機能を有する。
「閾値決定手段」は、データ収集手段にて収集された時間差又は劣化特徴量に相当するデータに基づいて、劣化診断用閾値を統計的手法を用いて決定させる機能を有する。
「閾値設定手段」は、閾値決定手段により決定された劣化診断用閾値をリモート入出力装置に設定する機能を有する。
これらの機能を有する各手段(「データ収集手段」、「閾値決定手段」、「閾値設定手段」)は、パッシブモニタ4内に、マスタユニット11内に、或いはスレーブ2内に、ファームウェアとして組み込むことができる。
寿命による劣化に伴う動作時間の遅れを説明するヒストグラムが図11に示されている。同図に示されるように、外部機器に寿命による経年劣化が生ずると、動作時間に相当する端子間信号エッジの時間差は増大する。もっとも、このとき動作時間のばらつきの分布は殆ど変わらないことが認められる。このことを利用すれば、劣化診断用閾値を統計的手法を用いて決定しても、適切な判定用閾値を得ることができ、しかも比較的に少数のロギングデータで判定用閾値を決定することができるから、閾値決定に至る所要時間を大幅に短縮することができる。より具体的には、統計的に測定した平均値と標準偏差とを使用して、寿命による経年劣化を検知するための閾値を自動的に求めることができる。
以上の着想に基づく実施の形態を説明する。 スレーブ2においては、図13に示されるように、端子(OUT1)のオフエッジと端子(IN1)のオンエッジとの時間差(T1)を動作時間として計測し、これを内部の時間差レジスタ(R1)に格納する処理を繰り返し実行している。
パッシブモニタ4への設定内容を示す説明図が図12に示されている。同図に示されるように、このタグ(Y1)には、演算データとデータログタイミングが規定されている。演算データとしては、号機番号(スレーブNo.)、時間タグ、ばらつき係数(A)、回数/時間の別を規定する種別、回数/時間の値、サンプリング回数が含まれている。
パッシブモニタ4は、図12に示される演算データ及びデータログタイミングを参照することにより、入出力更新処理の際に、該当号機のスレーブ2からPLC装置1へと送られる端子(IN1)のオンエッジの到来を監視すると共に、オンエッジが到来したならば、当該号機のスレーブ2に対して送信要求コマンドを発行する。
この送信要求コマンドを受信したスレーブ2は、内部の時間差レジスタ(R1)に格納された時間差データ(T1)を読み出すと共に、タイムスタンプを付加したのち、これを送信要求コマンドに対するレスポンスとして、パッシブモニタ4へと送信する。
パッシブモニタ4は、スレーブ2からのレスポンスを受信すると共に、それに付された時間差データ(T1)を取得して、ハードディスク等の不揮発性メモリに格納する。
以上の動作(送信要求コマンド発行、レスポンス受信)を設定されたサンプリング回数又はサンプリング時間だけ繰り返すことにより、パッシブモニタ4のメモリ内には、時間差データ(T1)が所定個数だ蓄積記憶される。
しかるのち、パッシブモニタ4は、式1,式2,式3にしたがって統計計算をおこなうことにより、劣化診断用の閾値(T)を決定する。
Figure 2006252486
次いで、パッシブモニタ4は、得られた閾値(T)を付した設定要求コマンドを該当する号機のスレーブ2に対して発行する。こうしてパッシブモニタ4から発行された設定要求コマンドのフレーム内容の一例が図14に表にして示されている。
設定要求コマンドを受信したスレーブ2の側では、設定要求コマンドに付された閾値(T)をスレーブ2内に設定する。以後、スレーブ2内においては、この設定された閾値(T)に基づいて、該当する外部機器に関する劣化診断処理が実行される。この例では、時間差(T1)をそのまま劣化特徴量としているため、劣化診断処理は時間差(T1)と閾値(T)とを大小比較することにより行われる。
なお、以上の説明では、パッシブモニタ4の側で閾値(T)が決定された場合、直ちに無条件で、その決定された閾値(T)を付した設定要求コマンドを該当するスレーブ2へと送信した。しかし、閾値(T)の設定に先立って、スレーブ内の設定をリセットする必要がある場合、スレーブ側の制御に何等かの悪影響を及ぼす虞がある。そのような場合には、図15に示されるように、パッシブモニタ4を構成するパソコンの画面上に、「送信」ボタンと「キャンセル」ボタンを配置することにより、スレーブ2への設定を行う前に、操作者に確認の機会を与えることが好ましい。
スレーブ自体に閾値決定機能を付与した例が図16〜図18に示されている。この例にあっては、図16(a),(b)に示されるように、スレーブ2に対して、スタート,ストップの条件、及び演算パラメータを設定する。
ここで、時間タグ(T1)については、端子(OUT1)のオンエッジが検出されるのを待って、計時動作をスタートさせると共に、端子(IN1)のオフエッジが検出されるのを待って、計時動作をストップさせるように設定されている。また、ばらつき計数Aの値は「4」、サンプリング回数は「100」とされている。
閾値算出手順を示すフローチャートが図17及び図18に示されている。この閾値算出手順の特徴は、大容量メモリを有しないスレーブ2でも実現できるように、コンピュータにて実行する際に、できる限りメモリ容量を節減できるようにした点にある。
同図において、処理が開始されると、スレーブ2の側では、外部から演算スタートコマンドが到来することを待機する(ステップ1701)。この状態において、いずれかのノード(例えば、パッシブモニタ4、PLC装置1、等)から発行された演算スタートコマンドが到来すると、スレーブ2の側では演算スタートコマンド受信の判定が行われ(ステップ1701YES)、直ちに初期化処理が実行される(ステップ1702)。
初期化処理(ステップ1702)においては、積算値レジスタ(X)の値のゼロリセット並びにサンプル回数ポインタ(N)のゼロリセットが行われ、同時に、スレーブ2の表示ランプを構成するLEDの点滅処理が実行される。
その後、端子(IN1)のオフエッジが検出される毎に(ステップ1703YES)、動作時間に相当する端子間エッジ時間差(T1)の読み込み(Xi=T1)、並びに、積算値(X)の更新処理(X=X+Xi)が実行され(ステップ1704)、併せて、サンプル回数カウンタ(N)のインクリメント処理(N=N+1)が実行される。
以上の処理(ステップ1704)が、サンプリング回数カウンタ(N)の値が規定回数に達するまで、繰り返される(ステップ1705NO)。その間に、サンプリング回数カウンタ(N)の値が規定回数にまで達すると(ステップ1705YES)、積算値(X)をサンプリング回数(N)にて除することにより、動作時間に相当する時間差(T1)の平均値が求められる(ステップ1706)。
図18に移って、標準偏差(σ)並びに閾値(T)の算出のための処理が開始される。すなわち、先ず、初期化処理(ステップ1801)が実行されて、平均値と毎回の計測値との偏差の二乗の積算値(X)のゼロリセット、並びに、サンプリング回数カウンタ(N)のゼロリセットが行われる。
その後、端子(IN1)のオフエッジが検出される毎に(ステップ1703YES)、動作時間に相当する端子間エッジ時間差(T1)の読み込み(Xi=T1)、並びに、先程求められた平均値と毎回の計測値との偏差の二乗の積算値(X)の更新処理(ステップ1803)が、サンプリング回数カウンタ(N)の値が規定回数に達するまで、繰り返される(ステップ1804NO)。
その間に、サンプリング回数カウンタ(N)の値が規定回数にまで達すると(ステップ1804YES)、積算値(X)をサンプリング回数(N−1)にて除したものの平方根をとることにより、標準偏差(σ)が求められ、同時に、時間差(T1)の平均値に対して、標準偏差(σ)とばらつき係数(A)との積を加算することで、閾値(T)が求められる(ステップ1806)。こうして求められた閾値(T)はスレーブ2内に設定されて、外部機器の劣化診断処理に供されることとなる。
以上の処理では、積算処理(ステップ1704,1804)を中心として構成されているため、メモリ容量の少ないコンピュータであるスレーブ2においても、閾値(T)を確実に算出することができる。
標準偏差の算出手順の別の例を示す説明図が図19に示されている。この例にあっては、図19(a)に示される標準偏差の変形式を使用することにより、演算に必要なメモリ容量の節減がなされている。
図19(b)において、処理が開始されると、先ず、初期化処理(ステップ1901)が実行されて、毎回のサンプル値の積算値(X)、サンプル値の二乗の積算値(Y)、及びサンプリング回数カウンタ(N)のゼロリセットが行われる。
その後、端子(IN1)のオフエッジが検出される毎に(ステップ1902YES)、動作時間に相当する端子間エッジ時間差(T1)の読み込み(Xi=T1)、その積算(X=X+Xi)、並びに、その二乗の積算(Y=Y+Xi2)が求められる(ステップ1903)。
以上の処理(ステップ1903)が、サンプリング回数カウンタ(N)の値が規定回数に達するまで、繰り返される(ステップ1904NO)。その間に、サンプリング回数カウンタ(N)の値が規定回数にまで達すると(ステップ1904YES)、積算値(X)をサンプリング回数(N)にて除することにより、動作時間に相当する時間差(T1)の平均値が求められる(ステップ1706)。同時に、二乗の積算値(Y)をサンプリング回数(N−1)で除した値と、積算値(X)の二乗をN(N−1)で除した値との差の平方根をとることにより、標準偏差(σ)が求められる。
こうして、求められたXの平均値と、標準偏差(σ)と、ばらつき係数(A)とに基づいて、先程と同様にして劣化診断用の閾値(T)が求められ、当該スレーブ2に設定される。
このように、上述の幾つかの例によれば、標準偏差(σ)と、ばらつき係数(A)とに基づいて、劣化診断用の閾値(T)が求められるので、比較的に小数のサンプリングデータを基礎とするものであっても、信頼性の高い判定用閾値を取得することができ、閾値取得に至る所要時間を短縮することができる。
本発明によれば、この種の外部機器劣化診断機能を備えたPLCシステムの例えば導入時における閾値決定に際する労力を軽減すると共に、システム導入時とシステム運用時とで同様な運転を保証することで、信頼性の高いデータを収集することができる。
本発明に係るPLCシステムの構成図である。 CPUユニットの詳細とともにPLCシステムの構成を示すブロック図である。 スレーブの内部構成を示すブロック図である。 外部機器の劣化診断具体例の説明図である。 スレーブの時間タグ設定内容(第1実施形態)の説明図である。 パッシブモニタへのロギング設定内容(第1実施形態)の説明図である。 対をなす端子間の信号変化の時間差計測例の説明図である。 スレーブへの設定内容(第2実施形態)の説明図である。 パッシブモニタへのロギング設定内容(第2実施形態)の説明図である。 時間差データ(T1,T2)を読み出すためのユーザプログラムの一例を示すラダー図である。 寿命劣化に伴う動作時間おの遅れを説明するヒストグラムである。 パッシブモニタへの設定内容を示す説明図である。 接点対と所定エッジとT1取込タイミングとの関係を示す波形図である。 設定フレームの内容を示す説明図である。 メッセージの画面イメージを示す説明図である。 スレーブへの設定内容を示す説明図である。 閾値算出手順を示すフローチャート(その1)である。 閾値算出手順を示すフローチャート(その2)である。 標準偏差の算出手順の別の例を示す説明図である。
符号の説明
1 プログラマブル・コントローラ装置
2 スレーブ(リモート入出力装置)
3 フィールドバス
4 パッシブモニタ
5 センサ
6 電磁弁
7 駆動用シリンダ
8 動作開始直後センサ
9 動作完了センサ
10 PLC(プログラマブル・コントローラ)
11 マスタユニット
21 送受信回路
22 MPU
22a 処理部
22b 内部揮発性メモリ
23 外部不揮発性メモリ
24 入力回路
25 出力回路
26 タイマ
101 CPUユニット
101a CPU
101b ユーザプログラムメモリ
101c パラメータメモリ
101d I/Oメモリ
101e システムプログラムメモリ
101f ワークメモリ
102 I/Oユニット

Claims (6)

  1. プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置とがフィールドバスを介して通信で結ばれ、プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間を結ぶ通信経路上には、それらの間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置が設けられており、
    プログラマブル・コントローラ装置には、
    外部機器からの信号を取り込むための入力部と、
    外部機器へと信号を送出するための出力部と、
    プログラマブル・コントローラ装置の入力部から取り込まれた信号に相当する入力データを記憶する入力領域と、プログラマブル・コントローラ装置の出力部から送出されるべき信号に相当する出力データを記憶する出力領域と、リモート入出力装置から取り込まれた信号に相当する入力データを記憶するリモート入力領域と、リモート入出力装置から送出されるべき信号に相当するリモート出力データを記憶するリモート出力領域と、ユーザ命令にて参照可能な劣化診断フラグとを少なくとも有する入出力メモリと、
    所望の制御仕様をユーザ命令を使用して記述してなるユーザプログラムを格納するためのプログラムメモリと、
    プログラマブル・コントローラ装置の入出力部と入出力メモリの入出力領域との間で内部バスを介してデータのやり取りを行う入出力更新処理と、リモート入出力装置と入出力メモリのリモート入出力領域との間でフィールドバスを介してデータのやり取りを行うリモート入出力更新処理とを実行する入出力更新手段と、
    フィールドバスを介してリモート入出力装置から通知される劣化診断結果に基づいて劣化診断フラグをオンオフ制御する劣化診断フラグ制御手段と、
    プログラムメモリに格納されたユーザプログラムを入出力メモリの内容を参照しつつ実行すると共に、その実行結果に応じて入出力メモリの出力領域並びにリモート出力領域の内容を書き替えるプログラム実行手段と、が少なくとも設けられ、
    リモート入出力装置には、
    外部機器からの信号を取り込むための入力部と、
    外部機器へと信号を送出するための出力部と、
    入力部から取り込まれた信号に相当する入力データをフィールドバスを介してプログラマブル・コントローラ装置へと送信すると共に、プログラマブル・コントローラ装置からフィールドバスを介して受信された出力データに相当する信号を出力部から送出する入出力更新手段と、
    入力部又は出力部を構成する所定の一対又は二対以上の端子対のそれぞれにおける一方の端子の所定信号エッジと他方の端子の所定信号エッジとの時間差を計測する時間差計測手段と、
    時間差計測手段により得られた各端子対毎の時間差をそれぞれ一次記憶する1又は2以上の時間差レジスタと、
    それらの時間差レジスタに記憶された1又は2以上の時間差に基づいて生成される劣化特徴量を所定閾値と比較することにより、それらの端子対に関わる外部機器の劣化を診断する劣化診断手段と、
    劣化診断手段による劣化診断結果をフィールドバスを介してプログラマブル・コントローラ装置へと通知する診断結果通知手段と、が少なくとも設けられており、さらに
    プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置が、
    プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間を流れる通信データを受動的にモニタすることにより、リモート入出力装置の入力部又は出力部の所定端子の信号状態を監視し、この信号状態の所定方向エッジが検出されるのに応答して、当該フィールドバスがサポートするメッセージ通信により、リモート入出力装置に対して時間差又は劣化特徴量の送信を要求する送信要求コマンドを発行する送信要求コマンド発行手段と、
    送信要求コマンドに対するリモート入出力装置からのレスポンスとして返送される時間差又は劣化特徴量を受信して所定のメモリに蓄積記憶させるデータ蓄積手段と、
    データ蓄積手段により所定のメモリに蓄積記憶された一連のデータを所定の読出操作に応答して外部へと出力させるための蓄積データ出力手段と、が設けられており、かつ
    リモート入出力装置には、メッセージ通信により所定の送信要求コマンドが到来するのに応答して、時間差レジスタに一次記憶された時間差又は時間差に基づいて生成された劣化特徴量をレスポンスとしてコマンド発行元の装置に対して返送する送信要求コマンド処理手段が設けられている、
    ことを特徴とするプログラマブル・コントローラ・システム。
  2. プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間における通信経路上にあって、それらの間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置が、プログラマブル・コントローラ装置及びリモート入出力装置とは別に設けられ、かつ通信データをモニタ可能なパッシブモニタ装置である、ことを特徴とする請求項1に記載のプログラマブル・コントローラ・システム。
  3. プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間における通信経路上にあって、それらの間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置が、プログラマブル・コントローラ装置内にあって、リモート入出力装置との間におけるフィールドバスを介する通信を実行するマスタユニットである、ことを特徴とする請求項1に記載のプログラマブル・コントローラ・システム。
  4. リモート入出力装置に含まれる時間差計測手段が、出力部に含まれる第1の端子の所定信号エッジと入力部に含まれる第1の端子の所定信号エッジとの時間差(T1)と、入力部に含まれる第1の端子の所定信号エッジと入力部に含まれる第2の端子の所定信号エッジとの時間差(T2)とを計測するものであり、
    リモート入出力装置に含まれる2以上の時間差レジスタが、時間差(T1)を一次記憶する第1の時間差レジスタと、時間差(T2)を一次記憶する第2の時間差レジスタとからなるものであり、
    リモート入出力装置に含まれる劣化診断手段が、第1の時間差レジスタに記憶された時間差(T1)と第2の時間差レジスタに記憶された時間差(T2)とに基づいて生成される劣化特徴量(T1×T2)を所定閾値(TH)と比較することにより、それらの端子対に関わる外部機器の劣化を診断するものであり、
    プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置が、
    プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間を流れる通信データを受動的にモニタすることにより、リモート入出力装置の入力部の第1の端子の信号状態を監視し、この信号状態の所定方向エッジが検出されるのに応答して、当該フィールドバスがサポートするメッセージ通信により、リモート入出力装置に対して時間差(T1,T2)又は劣化特徴量(T1×T2)の送信を要求する送信要求コマンドを発行するコマンド発行手段と、
    送信要求コマンドに対するリモート入出力装置からのレスポンスとして返送される時間差(T1,T2)又は劣化特徴量(T1×T2)を受信して所定のメモリに蓄積記憶させるデータ蓄積手段と、
    データ蓄積手段により所定のメモリに蓄積記憶された一連のデータを所定の読出操作に応答して外部へと出力させるための蓄積データ出力手段と、が設けられており、かつ
    リモート入出力装置には、メッセージ通信により所定の送信要求コマンドが到来するのに応答して、時間差レジスタに一次記憶された時間差(T1,T2)又は時間差に基づいて生成された劣化特徴量(T1×T2)をレスポンスとしてコマンド発行元の装置に対して返送するコマンド処理手段が設けられている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプログラマブル・コントローラ・システム。
  5. リモート入出力装置には、1の外部機器劣化診断に関して、1又は2以上の時間差を求めるために必要な計時開始条件と計時終了条件とを規定する書き替え可能なタグが、求めたい各時間差毎に設定されており、このタグの内容を参照することにより、時間差計測手段は1の外部機器劣化診断に必要な各時間差を計測する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプログラマブル・コントローラ・システム。
  6. プログラマブル・コントローラ装置とリモート入出力装置との間における通信経路上にあって、それらの間を流れる通信データを受動的にモニタ可能な装置には、1の外部機器劣化診断に関連して、送信要求コマンドを発行する条件を規定するための書き替え可能なタグが、各劣化診断毎に設定されており、このタグを参照することにより、コマンド発行手段は1の外部機器劣化診断に必要な送信要求コマンドを発行する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプログラマブル・コントローラ・システム。
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