JP2006252223A - コミュニケーション分析装置、およびコミュニケーション分析方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

コミュニケーション分析装置、およびコミュニケーション分析方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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伸宏 山崎
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則之 倉林
Masamichi Takahashi
正道 高橋
Keiichi Nemoto
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Abstract

【課題】 電子メールサーバログのデータ解析により、電子メールがフォーマルかインフォーマルかを判定可能とした装置および方法を提供する。
【解決手段】 本文情報を含まない電子メールサーバログのデータ解析により、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する。分析ログとして、サブジェクトの文字列、メール送信時間帯、メール送受信組織、通常コミュニケーションの特徴との差異、同報メールのアドレス解析のいずれか、または組み合わせを適用する。本構成により、電子メールログと組織メンバーの属性情報のみから、組織間のコミュニケーションの状態を把握し、組織においてインフォーマルコミュニケーションが低調な状態や、組織をまたがったインフォーマルコミュニケーションの状態などを知ることが可能となる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電子メールなどの伝達情報のログ、すなわちコミュニケーションログに基づいて、メールのタイプをフォーマルコミュニケーションとインフォーマルコミュニケーションとに判別し、これらの各コミュニケーションの頻度や比率等を集計分析し、分析結果を提供するコミュニケーション分析装置、およびコミュニケーション分析方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
近年のネットワークの整備、PC、携帯端末などの普及により、業務に関する連絡文書や、プライベートメールなど、様々な情報がネットワークを介した電子メールを利用して送受信されており、電子メールは、重要なコミュニケーション手段となってきている。
例えば、会社のPC等の端末を利用する社員がメッセージとして伝達する電子メールには、業務に関連するフォーマルなメッセージのみならず、例えばサークル関係のメンバーに対するメッセージや、友人等に対するメッセージなどのインフォーマルなメッセージも含まれる。
組織におけるインフォーマルコミュニケーションの重要性はさまざまなところで指摘されている(非特許文献1参照)。なお、業務と関連したメールでもインフォーマルメールである場合もありうる。通常の業務プロセスからはずれた非公式なルートでの業務上の連絡などもインフォーマルコミュニケーションに含む。組織内のフォーマルなコミュニケーションとインフォーマルコミュニケーションがどのように行われているかを把握するには、従来はアンケートやヒアリングの実施といった人手に頼った高コストな手法、あるいはコミュニケーションに含まれる本文、例えば具体的には電子メールに含まれる本文の内容解析を必要としていた。しかし、前者の人手に頼る方法は、高コストであることに加え得られる結果の精度が低いという問題があり、後者の本文の内容を解析する方法は、プライバシー侵害という問題がある。
杉山他、"ナレッジサイエンス",紀伊國屋書店,2002,p107.
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、電子メールのサーバログに蓄積された本文を含まないログデータに基づいて、フォーマルコミュニケーションとインフォーマルコミュニケーションを判別し、これらの各コミュニケーションの頻度や比率等を集計、分析し、分析結果を提供することを可能としたコミュニケーション分析装置、およびコミュニケーション分析方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、電子メールのサーバに蓄積されたログデータと、組織の属性情報を蓄積した属性テーブルを用いることによって、組織におけるコミュニケーションの状態、特に、インフォーマルコミュニケーションの実行状況などを、低コストで効率的に、かつ、メール本文の参照を行なうことなく、プライバシーを配慮した形で解析することを可能とした構成を提供するものであり、具体的には、コミュニケーションにおけるサブジェクトの特徴、発信時間、組織構造、日常のコミュニケーションとの差異などを解析することにより、メールのタイプを判別し、例えばインフォーマルコミュニケーションが組織内でどのように行われているかを分析することを可能としたコミュニケーション分析装置、およびコミュニケーション分析方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は、メールサーバから電子メールのログ情報として、本文情報を含まないログ情報を取得し、取得ログ情報に基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する電子メールログ分析手段と、前記電子メールログ分析手段におけるメールタイプ判定結果情報を含む電子メールログ情報を格納する組織コミュニケーション情報格納手段と、前記組織コミュニケーション情報格納手段に格納された情報に基づいて組織コミュニケーションの分析処理を実行する組織コミュニケーション分析手段とを有することを特徴とするコミュニケーション分析装置にある。
本構成によれば、本文情報を含まない電子メールサーバログのデータ解析によるメールタイプ判別が可能となり、格納データ、処理データの削減が可能となり、低コストで効率的に、かつ、プライバシーに配慮した形でのメール解析により、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行することが可能となる。
さらに、本発明のコミュニケーション分析装置の一実施態様において、前記コミュニケーション分析装置は、さらに、組織属性を格納した組織属性情報格納手段を有し、前記電子メールログ分析手段は、前記電子メールのログ情報と、前記組織属性情報格納手段に格納された組織属性情報に基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする。
本構成によれば、組織属性情報格納手段に格納された組織属性情報に基づくメールタイプ判定が可能となり、組織を単位とした組織間コミュニケーションの状況解析を行なうことが可能となる。
さらに、本発明のコミュニケーション分析装置の一実施態様において、前記電子メールログ分析手段は、電子メールのログ情報に含まれるサブジェクトを構成する文字列に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする。
本構成によれば、電子メールのサブジェクトの構成文字情報のみに基づくメールタイプ判定を行なう構成であり、データ処理効率が向上し、またプライバシーの侵害等の問題も発生させないメールタイプ判定が可能となる。
さらに、本発明のコミュニケーション分析装置の一実施態様において、前記電子メールログ分析手段は、文字列がフォーマルメール対応文字列であるかインフォーマルメール対応文字列であるかの少なくともいずれかの対応情報を含む登録テーブルを適用し、電子メールのログ情報に含まれるサブジェクトを構成する文字列と前記登録テーブルとの照合処理に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする。
本構成によれば、登録テーブルの参照による処理が可能となり、高速で効率的な処理が可能となる。
さらに、本発明のコミュニケーション分析装置の一実施態様において、前記電子メールログ分析手段は、電子メールのログ情報に含まれるサブジェクトを構成する文字列に含まれる顔文字、または表現形式に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする。
本構成によれば、顔文字、表現形式に基づく処理が可能であり、より実体に即したメールタイプ判定処理が可能となる。
さらに、本発明のコミュニケーション分析装置の一実施態様において、前記電子メールログ分析手段は、電子メールのログ情報に含まれる送信時間情報に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする。
本構成によれば、電子メールのログ情報に含まれる送信時間情報のみによるメールタイプ判定が可能であり、データ処理効率が向上し、またプライバシーの侵害等の問題も発生させないメールタイプ判定が可能となる。
さらに、本発明のコミュニケーション分析装置の一実施態様において、前記電子メールログ分析手段は、電子メールのログ情報に含まれる送信元アドレスと、送信先アドレスに基づいてメール送信組織とメール受信組織を判別し、判別した2つの組織の離間度に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする。
本構成によれば、電子メールのログ情報に含まれる送信元アドレスと、送信先アドレスのみによるメールタイプ判定が可能であり、データ処理効率が向上し、またプライバシーの侵害等の問題も発生させないメールタイプ判定が可能となる。
さらに、本発明のコミュニケーション分析装置の一実施態様において、前記電子メールログ分析手段は、電子メールのログ情報に含まれる送信元アドレスと、送信先アドレスに基づいてメール送信組織とメール受信組織を判別し、判別した2つの組織間におけるメールの頻度数情報に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする。
本構成によれば、電子メールのログ情報に含まれる送信元アドレスと、送信先アドレスのみによるメールタイプ判定が可能であり、データ処理効率が向上し、またプライバシーの侵害等の問題も発生させないメールタイプ判定が可能となる。
さらに、本発明のコミュニケーション分析装置の一実施態様において、前記電子メールログ分析手段は、電子メールが同報通信メールである場合に、送信元および送信先のアドレス情報を取得し、該取得アドレスが、予め登録されたフォーマルグループ、またはインフォーマルグループの構成メンバーのアドレスに略一致するか否かを検証し、該検証結果に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする。
本構成によれば、電子メールが同報通信メールである場合、予め登録されたグループ情報に基づいて、送信元アドレスと、送信先アドレスによるメールタイプ判定が可能となる。
さらに、本発明のコミュニケーション分析装置の一実施態様において、前記電子メールログ分析手段は、メールサーバから電子メールのログ情報として、本文情報を含まないログ情報を取得し、取得ログ情報に基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を、複数の異なる手法を組み合わせた処理として実行する構成であることを特徴とする。
本構成によれば、複数の異なる手法によるメールタイプ判定処理を適用するので、いずれかの判定手法が有効でない場合にも、他の方法による判定が可能であり、総合的な判定に基づくより正確なメールタイプ判定を行なうことが可能となる。
さらに、本発明のコミュニケーション分析装置の一実施態様において、前記電子メールログ分析手段は、前記組織コミュニケーション情報格納手段に格納された電子メールログ情報に対するSQL(Structured Query Language)を適用したデータ抽出処理に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする。
本構成によれば、SQLに基づくデータ抽出のみによって、メールタイプ判定処理が可能であり、効率的なメールタイプ判定処理が実現される。
さらに、本発明のコミュニケーション分析装置の一実施態様において、前記組織コミュニケーション分析手段は、前記組織コミュニケーション情報格納手段に格納された情報に基づいて、各組織間において実行されているコミュニケーションに含まれるフォーマルコミュニケーション、またはインフォーマルコミュニケーションの数または割合を算出し、該算出データに基づく出力データを生成する処理を実行する構成であることを特徴とする。
本構成によれば、各組織間において実行されているコミュニケーションに含まれるフォーマルコミュニケーション、またはインフォーマルコミュニケーションの数または割合を算出し、該算出データに基づく出力データを生成して各組織に提供することが可能となる。
さらに、本発明の第2の側面は、メールサーバから電子メールのログ情報として、本文情報を含まないログ情報を取得し、取得ログ情報に基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する電子メールログ分析ステップと、前記電子メールログ分析ステップにおけるメールタイプ判定結果情報を含む電子メールログ情報を組織コミュニケーション情報格納手段に格納する組織コミュニケーション情報格納ステップと、前記組織コミュニケーション情報格納手段に格納された情報に基づいて組織コミュニケーションの分析処理を実行する組織コミュニケーション分析ステップを有することを特徴とするコミュニケーション分析方法にある。
本構成によれば、本文情報を含まない電子メールサーバログのデータ解析によるメールタイプ判別が可能となり、格納データ、処理データの削減が可能となり、低コストで効率的に、かつ、プライバシーに配慮した形でのメール解析により、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行することが可能となる。
さらに、本発明のコミュニケーション分析方法の一実施態様において、前記電子メールログ分析ステップは、
(1)サブジェクトの文字列に基づく判定手法、
(2)時間帯に基づく判定手法、
(3)メールの送受信組織の離間度に基づく判定手法、
(4)通常コミュニケーションの特徴との差異に基づく判定手法、
(5)同報メールのアドレス解析に基づく判定手法、
これらのいずれかの手法、あるいはこれらの手法の組み合わせに基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行するステップであることを特徴とする。
本構成によれば、様々な手法のいずれか、または組み合わせによってメールタイプの判定を行なうことが可能となり、より正確なメールタイプ判定が可能となる。
さらに、本発明の第3の側面は、電子メールの解析処理をコンピュータ上で実行させるコンピュータ・プログラムであり、メールサーバから電子メールのログ情報として、本文情報を含まないログ情報を取得し、取得ログ情報に基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する電子メールログ分析ステップと、前記電子メールログ分析ステップにおけるメールタイプ判定結果情報を含む電子メールログ情報を組織コミュニケーション情報格納手段に格納する組織コミュニケーション情報格納ステップと、前記組織コミュニケーション情報格納手段に格納された情報に基づいて組織コミュニケーションの分析処理を実行する組織コミュニケーション分析ステップと、を有することを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
本構成によれば、本文情報を含まない電子メールサーバログのデータ解析によるメールタイプ判別をコンピュータ上で実行することが可能となり、格納データ、処理データの削減が可能となり、低コストで効率的に、かつ、プライバシーに配慮した形でのメール解析により、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行することが可能となる。
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能なコンピュータシステムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、CDやFD、MOなどの記録媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータシステム上でプログラムに応じた処理が実現される。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
本発明の構成によれば、本文情報を含まない電子メールサーバログのデータ解析によるメールタイプ判別が可能となり、格納データ、処理データの削減が可能となり、低コストで効率的に、かつ、プライバシーに配慮した形でのメール解析により、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行することが可能となる。
さらに、本発明の構成によれば、
(1)サブジェクトの文字列に基づく判定手法、
(2)時間帯に基づく判定手法、
(3)メールの送受信組織の離間度に基づく判定手法、
(4)通常コミュニケーションの特徴との差異に基づく判定手法、
(5)同報メールのアドレス解析に基づく判定手法、
これらのいずれかの手法、あるいはこれらの手法の組み合わせに基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行するので、正確なメールタイプ判定処理が可能となる。
さらに、本発明の構成によれば、電子メールサーバログと組織メンバーの属性情報のみから、組織間のコミュニケーションの状態を把握することができ、組織においてインフォーマルコミュニケーションが低調な状態や、組織をまたがったインフォーマルコミュニケーションの状態などを知ることができるようになる。
以下、図面を参照しながら本発明のコミュニケーション分析装置、およびコミュニケーション分析方法、並びにコンピュータ・プログラムの詳細について説明する。
図1は、本発明にかかるコミュニケーション分析が実行されるネットワークシステム1の構成例を示す図である。ネットワークシステム1は、例えば、ある企業内の複数の事業所にまたがって構築された広域ネットワーク(WAN)であって、図1に示すように複数の組織1〜nそれぞれの組織別システム2−1〜2−n(n≧2)と、コミュニケーション分析装置200とが、ネットワーク100を介して接続された構成をとる。
なお、以下、組織別システム2−1〜2−nなど、複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示す場合には、単に組織別システム2と略記する。組織別システム2のそれぞれは、例えば、各組織のm人の成員がそれぞれ用いるクライアントコンピュータ20−1〜20−m(m≧1)と、サーバ24とが、組織別LAN200を介して接続された構成をとる。
サーバ24は、メールサーバとして機能し、自ネットワーク内のユーザの電子メールの送信や受信処理、ログ取得処理を行なう。他ネットワークのユーザに電子メールを送信するSMTPサーバと、自ネットワーク内のユーザあてに送られてきた電子メールを保管し、ユーザからの受信要求に対応するPOP3サーバやIMAP4サーバなどの機能を有する。サーバ24は、処理対象の電子メールの送信元アドレス、送信先アドレス、処理日時情報などの各種ログを取得し、保持する。
図2は、図1に示したクライアントコンピュータ20、サーバ24およびコミュニケーション分析装置200のハードウェア構成を示す図である。クライアントコンピュータ20、サーバ24およびコミュニケーション分析装置200は、図2に示すように、CPU202およびメモリ204などを含むデータ処理部200、ディスプレイ、キーボードおよびマウス(図示せず)を含む表示・入力部206、HDD・CD装置などのデータ記録部208、および、ネットワーク100および組織別LAN200との間で通信を行う通信部212から構成される。つまり、クライアントコンピュータ20、サーバ24およびコミュニケーション分析装置200は、ネットワークを介した通信が可能な一般的なコンピュータとしての構成部分を含んでいる。
図3は、コミュニケーション分析装置200の処理機能を説明するブロック図である。コミュニケーション分析装置200は、図1に示すネットワークシステム1を介して送受信される電子メールに対応するログ情報を取得し、取得情報に基づく解析を実行する。
コミュニケーション分析装置200は、メールサーバとして機能する図1に示すサーバ24の格納情報である電子メールサーバログをネットワー上のサーバ24から取得する。すなわち、ネットワー上の各サーバ24の格納保持しているメールサーバログ24−1〜3を取得し、取得したログ情報に基づく解析を実行し、コミュニケーション分析を実行する。なお、取得、解析ログ情報には、電子メールの本文は含まれない。この処理の詳細については後述する。
コミュニケーション分析装置200は、図3に示すように、データ処理部250として、電子メールログ分析手段251、組織コミュニケーション分析手段252を有し、データ記憶部280は、組織コミュニケーション情報格納手段281、組織属性情報格納手段282を有する。なお、これらデータ記憶部280の各データ格納手段は、ネットワーク上に分散配置された構成でもよい。この場合、データ処理部250の各データ処理手段は、ネットワーク上に分散配置された各データベースから必要となる情報を取得してデータ処理を実行する。
図3に示す電子メールサーバログ格納手段281は、電子メールサーバ、すなわち図1に示す各組織に設定される電子メールサーバとしてのサーバ24において取得される電子メールのログ情報を集積して格納する。図3に示すメールサーバログ24−1〜3は、各組織などに分散配置されたメールサーバの格納データとしてのログデータを示している。前述したように、解析対象データには電子メールの本文情報は含まれない。これらのデータの詳細については後述する。
電子メールログ分析手段251は、電子メールサーバのログから、分析に活用する情報のみを切り出して加工し、組織コミュニケーション情報格納手段281に格納する。電子メールログ分析手段251は、各メールがフォーマルなメール、例えば業務に関連するフォーマルなメールであるか、インフォーマルなメール、例えば、サークルや友人間のプライベートな事項の伝達メール等のインフォーマルなものであるかを判断する処理を実行する。これらの具体的処理については後述する。
組織コミュニケーション情報格納手段281は、電子メールログ分析手段251の処理結果を格納する。例えば、いつ誰が誰にどのようなサブジェクトを持つメールを送信したかなどの情報を格納する。これらの具体的データについては後述する。
組織属性情報格納手段282は、組織メンバーのメールアドレス、部署名、職階等の情報などの組織属性情報を格納したデータベースである。図4に組織属性情報格納手段282の格納する組織属性情報のデータ構成例を示す。組織属性情報格納手段282は、組織に所属するメンバーの名前とメールアドレス、部門名、部署名、職階等をリレーショナルデータベースのテーブルの形式で、例えば分析を実施するコミュニケーション分析装置と同じコンピュータのハードディスク上など、アクセス可能な二次記憶領域に格納する。あるいはネットワーク上のアクセス可能なデータベースに格納してもよい。
図4に示すデータの例は、3名分のデータしか示していないが、実際に利用する場面では分析対象とする組織のメンバー全員をテーブルに列挙することが望ましい。なお、本テーブルはリレーショナルデータベースの入力機能等を利用して直接利用者が事前にデータを入力しておいてもよいし、専用の入力インタフェースを用意することも可能である。同一の個人が複数のメールアドレスを利用している場合はメールアドレスの部分だけ異なるエントリをテーブルに挿入してもよい(この場合はテーブルに同じ名前が複数回出現することになる)し、名前とメールアドレスの対応を示すテーブルを別に用意してもよい。また、図にはメールアドレスに加えて、名前、部門名、職階を組織属性情報として格納した例を示しているが、分析を実施したい視点によって、入社年度や年齢、性別、フロア、部署名、職種、専門領域など、さまざまな属性を格納データとして設定することが可能である。
組織コミュニケーション分析手段253は、組織コミュニケーション情報格納手段281に格納された組織コミュニケーション情報と、組織属性情報格納手段282に格納された組織属性情報を用いて、組織コミュニケーションを分析し、その結果を出力装置または記録装置へ出力する。さらに、必要に応じて解析結果、あるいは解析結果に基づく評価情報などを組織、あるいはユーザに通知する。
図5にコミュニケーション分析装置200の実行する電子メールログに基づくデータ処理の全体シーケンスを示す。まず、ステップS101において、電子メールログ分析手段251が、電子メールサーバログに基づいて、分析に活用する情報のみを切り出して加工し、組織コミュニケーション情報格納手段281に格納するとともに、ログ情報に基づいて各メールがフォーマルであるかインフォーマルなものであるかを判断する処理を実行する。
次に、ステップS102において、組織コミュニケーション分析手段253が、組織コミュニケーション情報格納手段281に格納された組織コミュニケーション情報と、組織属性情報格納手段282に格納された組織属性情報を用いて、組織コミュニケーションを分析し、ステップS103において、分析結果を出力装置または記録装置へ出力する。なお、必要に応じて解析結果、あるいは解析結果に基づく評価情報などを組織、あるいはユーザに通知する。
コミュニケーション分析装置200の実行する電子メールログに基づくデータ処理の概要は、このようなシーケンスである。次に、各処理の詳細について、図6以下を参照して説明する。
図6は、図5のステップS101の処理、すなわち、電子メールログ分析手段251の実行する処理の詳細シーケンスを示すフローチャートである。電子メールログ分析手段251は、電子メールサーバログから、分析に活用する情報を切り出し、組織コミュニケーション情報格納手段281に格納し、さらにログ情報に基づいて各メールがフォーマルであるかインフォーマルなものであるかを判断する。各ステップの処理について説明する。
ステップS201において、電子メールログ分析手段251は、電子メールサーバログの格納データに含まれるログファイルを一行読み込む。電子メールサーバログのデータ例について、図7を参照して説明する。
図7には、電子メールサーバログ格納手段に格納されたメールサーバログファイルの具体例(MS Exchange Server)を示す。実際のログファイルは、各項目がタブ等で区切られて一行毎に各メールに対応するログが格納される。図7には、1つのメールに対応して設定されるログ情報を示している。図に示す例ではデータは一行だけを示しているが、実際には同様のフォーマットの行が大量に記録される。また、一行が非常に長いので、図には複数行に分けて示している。
メールサーバログファイルは、電子メールサーバマシンのハードディスク内にテキストファイル形式で保存され、一行一行にメールサーバが提供したサービスの履歴を記録している。なお、MS Exchange Serverにおけるログ情報の構成については、例えば、「246965 - [XADM] Exchange 2000 Serverにおけるメッセージ追跡ログフィールドの説明」,http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;246965に記載されている。
電子メールログ分析手段251は、このような電子メールサーバログを一行ずつ読み込み、発信日時(#Date)、受信側メールアドレス(Recipients Address)、発信側メールアドレス(Sender Address)、イベントID(Event-ID)、メッセージサイズ(total-bytes)、メッセージサブジェクト(Message-Subject)等の情報を用いて、組織コミュニケーション情報を抽出し、組織コミュニケーション情報格納手段281に格納する。なお、イベントIDは、メールの処理、すなわち、送信処理、受信(配信)処理、削除、エラーなど、メールサーバにおいて実行された処理に応じて設定されるIDであり、例えばイベントID=1028および1031は、メール配信処理が完了したメールに対応するログであることを意味する。
図6に戻り、電子メールログ分析手段251の実行する処理の説明を続ける。ステップS201において、電子メールログ分析手段251は、例えば図7に示すログ情報を読み込む。ステップS202においてログデータの読み込みに成功すると、ステップS203において、読み込みログデータが分析対象のログであるか否かを判定する。本例では、メール配信完了済みのメールログのみを分析対象とした設定であり、ログに含まれるイベントIDに基づいて、メール配信処理が完了したメールに対応するログであるか否かを判定する。上述したように、イベントID=1028および1031が、メール配信処理が完了したメールに対応するログであることを意味しているので、これらのイベントIDが設定されたログを分析対照ログとして取得する。これらのイベントIDが設定されていないログは、メール配信が完了していないログであり、分析対象としてピックアップすることなく、ステップS201に戻り、次の行のログデータの処理に移行する。
なお、ログに含まれる送信元アドレス、送信先アドレスに基づいて、分析対象として選択された組織に属するユーザのメールであるか否かを判定し、分析対象として選択された組織に属するユーザのメールのみを分析対象メールのログとして選択する処理を行ってもよい。
ステップS203において、読み込みログデータが分析対象のログ、例えば分析対象組織に関連し、配信完了メールに対応するログであると判定すると、ステップS204に進み、取得ログから、ログ分析処理に必要なデータのみを抽出し加工する処理を実行する。ここでのログ分析には、メールがフォーマルかインフォーマルかの判定処理を含み、これらの判定処理に必要な情報についても抽出される。
具体的には、電子メールログに含まれるサブジェクト、発信日時、サイズ、発信者メールアドレス、受信者メールアドレスをログファイルの取得行から読み込んで必要に応じて各種のデータ変換などのデータ加工処理を実行する。
データ加工処理としては、例えば、サブジェクトがMIME(Multipurpose Internet mail Extensions)等によって日本語等のマルチバイトコードで記述されている場合、NKF.DLL等のコード変換ライブラリでデコードして読める形に変換する。また発信日時はMicrosoft.NETのDate Timeクラスライブラリ等を用いてタイムゾーンをJST(日本標準時刻)に変換するなどの処理である。なお、NKF.DLLは http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se020949.html 等で入手可能である。
次に、ステップS205において、メールのタイプをログ情報に基づいて判定する。メールのタイプとはメールが業務上の仕事内容等の連絡事項などからなる「フォーマルコミュニケーションに相当するメール」であるか、あるいは業務以外のサークルや、プライベートな連絡事項に相当する「インフォーマルコミュニケーションに相当するメール」であるか、あるいはこれらのいずれにも含まれない「その他のメール」の各メール種別である。
このように、電子メールログ分析手段251は、メールタイプがフォーマル・インフォーマル・その他のどれかを判定する。判定方法は、例えばサブジェクトで判定する場合は文字列に「送別会」や「歓迎会」等の文字が含まれればインフォーマル、「FAX送信完了のお知らせ」など自動的にサーバから送信される事前登録されたメッセージである場合はその他、それ以外はフォーマルと分類するというように実現する。詳細については後述する。
次に、ステップS206において、電子メールログ分析手段251は、取得したログ情報および、ステップS205において判定したメールタイプ情報、すなわち、
a:フォーマルコミュニケーションメール
b:インフォーマルコミュニケーションメール
c:その他のメール
上記a〜cいずれかのタイプ情報を組織コミュニケーション情報格納手段281(図3参照)に格納する。
電子メールログ分析手段251の実行するこれらの処理の結果、組織コミュニケーション情報格納手段281には、発信日時、発信者メールアドレス、受信者メールアドレス、サブジェクト、メールタイプが格納される。なお、組織コミュニケーション情報格納手段は、例えばリレーショナルデータベースのテーブルの形に記述されている。
データ格納処理には、例えば、データベース言語としてのSQL(Structured Query Language)が適用され、例えば以下に示すINSERT文を用いて、テーブルに挿入される。
INSERT INTO [Communication] VALUES (12345, #2004/06/03 10:00:00#, "Taro@fujixerox.co.jp", "Hanako@fujixerox.co.jp", "RE: 至急連絡ください",170, "formal");
上記INSERT文は、組織コミュニケーション情報格納手段281内のデータベース[Communication]に対して、以下の値、すなわち、
識別子:12345
発信日時:2004/06/03 10:00:00
発信者メールアドレス:Taro@fujixerox.co.jp
受信者メールアドレス:Hanako@fujixerox.co.jp
サブジェクト:RE: 至急連絡ください
メールタイプ:formal(フォーマル)
の各データを書き込む処理を意味している。
次に、図8以下を参照して、電子メールログ分析手段251の実行するメールタイプ判定処理、すなわち、取得ログ情報に基づいてメールが、
a:フォーマルコミュニケーションメール
b:インフォーマルコミュニケーションメール
c:その他のメール
上記a〜cいずれかに属するかを判定するメールタイプ判定処理の詳細について説明する。
このメールタイプ判定処理には、複数の異なる手法が適用可能である。具体的には、
(1)サブジェクトの文字列に基づく判定手法
(2)時間帯に基づく判定手法
(3)メールの送受信組織の離間度に基づく判定手法
(4)通常コミュニケーションの特徴との差異に基づく判定手法
(5)同報メールのアドレス解析に基づく判定手法
これらのいずれかの手法、あるいはこれらの手法の組み合わせに基づいてメールタイプを判定することが可能である。以下、これらの各手法について、順次説明する。
(1)サブジェクトの文字列に基づく判定手法
これは、メールに設定されたサブジェクトに基づいて、メールが、
a:フォーマルコミュニケーションメール
b:インフォーマルコミュニケーションメール
c:その他のメール
のいずれであるかを判定する手法である。
この方法では、サブジェクトに例えば「送別会」という文字列があれば「インフォーマル(informal)」、「報告」という文字列があれば「フォーマル(formal)」、それ以外のものは「その他(else)」として分類する。この方法において、フォーマルやインフォーマルを示す文字列には多様な文字列が存在するので、「インフォーマル」に対応する文字列を複数登録しておいて、そのうちどれかが出現したら「インフォーマル」と判定するといった方法を用いることでより判定の精度を高めることができる。その場合、インフォーマル、フォーマルに対応する文字列が両方ともサブジェクトに含まれる場合はインフォーマルと判定する等の工夫も可能である。
図8を参照して、サブジェクトの文字列のみを見てメールタイプを判定する方法について説明する。図8に示すテーブルは、サブジェクトの文字列を見てメールタイプを判定する際に適用する登録テーブルである。電子メールログ分析手段251は、事前に「インフォーマル」や「フォーマル」なメールに含まれると推測される表現をリストやテーブルの形式で登録しておく。リレーショナルデータベースのテーブルの形式で登録したテーブル例が図8に示すテーブルである。
電子メールログ分析手段251は、図8に示す登録テーブルを参照し、メールログとして記録されるサブジェクトに含まれる文字列が例えば「送別会」、「歓迎会」であれば、メールタイプはインフォーマルであると判定し、「報告」、「業績」などの語であれば、メールタイプはフォーマルであると判定し、「メッセージ格納のお知らせ」、「開封通知」などの語であれば、メールタイプはその他であると判定する。図8に示す登録テーブルは、事前に登録される。
なお、このような表現群の登録は事前に分析者が登録インタフェース等を利用して登録しておいてもよいし、分析時に入力してもよい。いずれかにマッチすれば、それぞれのタイプとして判定する。
なお、このメールタイプ判定処理は、ログ情報を組織コミュニケーション情報格納手段281に格納した後にSQLを適用したデータ選択処理として実行することも可能である。その場合は、SQLで利用可能なタイプ・表現のテーブルを用意することが必要となる。SQLを適用したデータ選択処理、すなわち[SELECT]を適用したメールタイプ判定処理は、例えば、以下のSQLによって実行可能である。まず、図8に示すテーブルから、インフォーマルに対応するワードを以下のSQL文によって選択する。
SELECT word FROM Expression WHERE (Expression.type LIKE "informal")
このSQL[SELECT]で得られたそれぞれの結果(ここではワードXXXX)について、組織コミュニケーション情報格納手段281に格納されたログ情報の検索をSQL[SELECT]で実行する。すなわち、
SELECT * FROM Communication WHERE (subject LIKE "*XXXX*")
といったSQL文を実行する。
ログ情報は、データベース[Communication]に格納され、上記SQL文は、データベース[Communication]から、ワードXXXXを含むログデータを取得する処理である。この処理において、結果が存在すれば、それらの結果の行はインフォーマルであると判定できる。
なお、インフォーマル、フォーマルに対応する文字列が両方ともサブジェクトに含まれる場合はインフォーマルと判定する等の判定処理における優先度を設定する構成としてもよい。さらに、インフォーマルとその他に対応するワード情報のみを事前に登録設定し、サブジェクトに含まれるワードがいずれにも当てはまらない場合には、フォーマルと判定すると行った構成としてもよい。
次に、図9を参照して、サブジェクトの文字列を見てメールタイプを判定する方法に適用するテーブル例として、図8と異なる情報を持つ登録テーブルついて説明する。図9に示す登録テーブルは、サブジェクトの文字列に含まれる顔文字やくだけた表現(口語的表現)、丁寧な表現等の利用によってインフォーマル/フォーマルの判定を行なうために適用するテーブルである。
電子メールログ分析手段251は、図9に示す登録テーブルを参照し、メールログとして記録されるサブジェクトに含まれる文字列に[(^^)]のような顔文字が含まれる場合や、表現として、[ちゃう]、[じゃん]などが含まれる場合には、インフォーマルであると判定し、[ございます]、[申し上げます]などが含まれる場合には、フォーマルであると判定する。
これらの顔文字データや表現は、リストとして登録し、ログ情報に含まれるサブジェクトの構成データとの一致判定を行なうことで、メールタイプを判定する。なお、事前にリストとして登録せず、サブジェクトを分析して口語的表現や顔文字の識別の処理を実施する構成としてもよい。なお、分析の手法として以下の文献に開示される既存技術を応用できる。
(a)竹元義美,福島俊一,"口語的表現を含む日本語文の形態素解析の実現と評価",情報処理学会研究報告,自然言語処理,No.103−14,1994.
本文献は、日本語文章の口語的表現に対応した形態素解析手法を開示している。口語的表現を正しく形態素解析するために2つの手法を示している。1つは、口語特有の言い回しを辞書登録すること、もう1つは、通常は平仮名表記する語を意図的に片仮名表記するなど、表記を変えた強調表現を通常の表記に直して辞書検索することである(口語置換検索処理)。これらの手法を実現することで、口語的表現を多く含むテキストの文節区切り精度が1.8%向上し、テキストのタイプによらず安定した高い精度を得ることができる。辞書登録では、話し言葉特有の語の登録によって、文節区切りに失敗していた話し言葉の88%を正しく解析できる。口語置換検索処理では、形態素解析に失敗していた意図的な片仮名表記の75%、強調表現で特殊文字を含む単語の79%を救済できる。
(b)中村純平,池田剛,乾伸雄,小谷善行, "対話システムにおける顔文字の学習",情報処理学会研究報告,自然言語処理,No.154−24,2003.
本文献は、インターネットでのチャットログなどから対話に適した顔文字を学習する手法を提案している。顔文字の学習モデルは,3階層のニューラルネットモデルによるバックプロパゲーションで行ない、各感情パラメータと行動カテゴリを入力とし、各顔文字のパーツ(口,目,手,オプション)を出力としている。その結果、学習誤差は0.3となり、クローズドデータに関しては約92%、オープンデータに関しては約50%の許容解を得ることができる。この手法で顔文字のパーツと感情・行動要素の間の関係を獲得できる。
上記文献に記載の手法を適用することで、サブジェクトに含まれる口語表現、顔文字などのデータ解析を精度よく実行することができる。
(2)時間帯に基づく判定手法
次に、メールの送信時間情報に基づいてメールタイプを判定する手法について説明する。これは、メールに設定された発信日時情報に基づいて、メールが、
a:フォーマルコミュニケーションメール
b:インフォーマルコミュニケーションメール
c:その他のメール
のいずれであるかを判定する手法である。
本判定処理例について、図10を参照して説明する。時間帯に基づくメールタイプ判定手法では、電子メールログ分析手段251は、事前に業務時間及び休憩時間を登録しておいた上で、業務時間に発信されるメールをフォーマル、休憩時間に発信されるメールをインフォーマルと判断することで、メールのフォーマル・インフォーマルの判定を行なう。
具体的には、図10に示すような登録テーブルに事前に09:00〜12:00、13:00〜17:00のように業務時間を登録しておく。電子メールログ分析手段251は、ログ情報に設定された送信日時を取得し、この登録テーブルに登録された時間との照合を行い、この登録時間帯に送信されたメールをフォーマルと判定し、それ以外の時間帯の送信日時を持つメールはインフォーマルと判定する。登録テーブルは、実際の勤務時間に即して設定され、例えば勤務時間が夜20時頃までとするならば、午後の勤務時間は13:00〜20:00等のように設定する。
電子メールログ分析手段251は、先に図6を参照して説明したフローのステップS205において、処理対象の行に含まれる時間の情報(日本標準時(JST)に変更後のもの)について、上記の業務時間に含まれるかどうかを調べることで、メールのフォーマル・インフォーマルの判定を実施する。なお、図10に示す登録テーブルを適用した場合、フォーマルかインフォーマルかいずれかの判定となり、「その他」の分類は含まれないが、3つのメールタイプのうち2つ以上のタイプの時間帯を登録テーブルに設定する構成とすることで、その他も含む3つのタイプに判定することが可能となる。
(3)メールの送受信組織の離間度に基づく判定手法
次に、メールの送受信組織の離間度に基づいてメールタイプを判定する手法について説明する。この手法は、メールに設定された送受信アドレスに基づいて、メールの送受信組織の離間度を解析し、この解析結果に基づいてメールが、
a:フォーマルコミュニケーションメール
b:インフォーマルコミュニケーションメール
c:その他のメール
のいずれであるかを判定する手法である。
このメールの送受信組織の離間度に基づく判定手法について、図11を参照して説明する。この手法では、メール発信元とメール受信先とがどの程度組織をまたがっているかに着目し、メールの送受信組織の離間度に基づいてメールタイプを判定する手法である。
組織図上で遠い組織とのメールのやりとりは、業務上の関連も薄く、インフォーマルなメールである場合が多いと考えられる。図11に示すように、組織図上の距離を、親戚を何親等と数えるように、上司の上司が同じである隣の部署(つまり親戚関係で言うと兄弟)との距離は2として、さらにその上の上司が同じである部署(同じくいとこ)との距離は4のように、組織間の距離を定義する。そこで、組織間の距離が3以上であればインフォーマル、3未満であればフォーマルという判断が可能になる。
図11は、組織の階層構成を示し、階層4にあるソフトウェア開発課からの距離(0〜4)を示している。図3に示す組織属性情報格納手段282に、メールを送受信する各メンバーの属する職場を特定する情報を格納しておく。さらに、各職場間の距離を設定したテーブル(組織間距離テーブル)を別途用意し、そのテーブルに、任意の2つの組織間の距離データを格納しておく。メールタイプ判定のステップにおいて、発信者のメールアドレスと受信者のメールアドレスから、組織属性情報格納手段282に格納された組織属性情報に基づいて、メール送受信者それぞれの組織名を取得する。さらにその2つの組織名に基づいて、組織間距離テーブルを参照して、組織間の距離を取得する。得られた距離が、あらかじめ指定された距離を越えているか否かによって、フォーマルかインフォーマルかのタイプを判定する。
図11には、組織名の右上に、「ソフトウェア開発課」からの各組織の距離を示している。この例では「ソフトウェア開発課」と「モバイルサービス開発課」との距離は4となり、組織間の距離が3以上をインフォーマルと指定している場合は、両組織間でのメールはインフォーマルと判定される。
なお、組織間距離テーブルを用いる場合は親戚関係の親等の数え方を採用せずに、分析者が各組織間の距離を指定することも可能である。このような指定情報を適用することによって、組織図上は遠い組織であっても、実際には現場で協業するような場合等に、より実体に即したメールタイプの判定処理が実現される。
さらに、組織間距離テーブルを用いない方法も可能である。組織属性情報格納手段282に、予め階層的な所属組織を記述しておき、これらの情報に基づいてメール送受信者双方の2つの職場がどの階層で一致するかをチェックし、各職場の距離を算出する。また、たとえば、事前に、送信者と受信者のそれぞれの所属組織の先頭から3つ目の所属組織レベルが同一であれば、そのコミュニケーションはフォーマルとすると判定するなどの処理構成としてもよい。すなわち、図11に示す組織構成を持つ場合において、送信者と受信者の所属が、組織属性情報格納手段182に格納された組織属性情報から、それぞれ「研究開発本部、技術開発部、第三開発部、ソフトウェア開発課」と「研究開発本部、技術開発本部、第一開発部、モバイルサービス開発課」であったと判定された場合、先頭から数えて二つ目の「技術開発本部」のレベルまでが同じとなるので、先頭から数えて3つ目のレベル(階層3)が異なるこのコミュニケーションはインフォーマルと判定される。
(4)通常コミュニケーションの特徴との差異に基づく判定手法
次に、通常コミュニケーションの特徴との差異に基づいて、メールが、
a:フォーマルコミュニケーションメール
b:インフォーマルコミュニケーションメール
c:その他のメール
のいずれであるかを判定する手法について、図12、図13を参照して説明する。
この手法は、通常のコミュニケーションの特徴との差異から判定する方法であり、あるメールが発信元の部署の通常のコミュニケーションの特徴に一致するかどうかによって、そのメールについてフォーマルかインフォーマルかを判定する手法である。すなわち、発信元メンバーの所属組織からのメールの宛先が、通常のコミュニケーションにおいて頻繁にメール送信先として設定されている宛先と一致する場合はフォーマルであると判定し、一致しない場合は、インフォーマルと判定する。
図12に示すように、メール発信元の部署における通常のコミュニケーションの態様としてのメール送信側組織と、メール受信側組織と、両組織間のメール数と、両組織間のメールがフォーマルであるかインフォーマルであるかを判定するフラグ情報としての判定情報を設定した登録テーブルが予め生成される。判定情報[1]は、そのエントリに設定された組織間のメールはフォーマルであることを意味し、判定情報[0]は、そのエントリに設定された組織間のメールはインフォーマルであることを意味する。すなわち、各エントリに設定された組織間の通常のメール数が多い場合は、その組織間のメールはフォーマルであり、通常のメール数が少ない場合は、その組織間のメールはインフォーマルであると判定するものである。
電子メールログ分析手段251は、ログ情報に設定されたメールの送信元アドレスと送信先アドレスに基づいて、組織属性情報格納手段282に格納された組織属性情報を参照してメール送受信者それぞれの組織名を取得する。さらにその2つの組織名に基づいて、図12に示す登録テーブルから、対応する送受信組織エントリを選択し、選択エントリに設定された判定情報に基づいて、メールがフォーマルであるかインフォーマルであるかを判定する。
図12に示す登録テーブルの生成は、通常の送受信メールに基づいて行なわれる。登録テーブルの生成シーケンスについて、図13のフローチャートを参照して説明する。ステップS301において、判定情報を設定する組織ペアを選択する。すなわち、メールの送信元と送信先のペアである。なお、予めすべての組織のペアに関する情報は登録済みであるとする。
ステップS302において、組織ペア選択に成功すると、ステップS303において、組織間のメール数情報を問い合わせ、ステップS304において、取得した組織間メール数情報を登録テーブルのメール数格納領域に格納する。なお、組織間メール数情報は、メールサーバから取得してもよいし、あるいは組織コミュニケーション格納手段281(図3参照)に格納された情報を取得してもよい。これらの処理が終了すると、ステップS301に戻り、次の組織ペアに対する処理に移行する。
予め設定された組織ペアに対するすべてのメール数取得処理が終了すると、ステップS302の判定がNoとなり、ステップS311に移行する。ステップS311の実行時点では、図12に示す登録テーブルの判定結果のみが空欄であり、その他のデータは格納済みである。
ステップS311では、各組織ごとのメール発信数の合計をテーブルに基づいて算出する。例えば、図12に示すテーブルにおいて、[ソフトウェア開発課]の送信メールの合計は、253+128+16である。ステップS312では、組織ペアの選択を初期化し、ステップS313で、新たに組織ペアの選択処理を行なう。組織ペアの選択に成功(ステップS314:Yes)すると、ステップS315において、組織発信数の合計と、選択した組織間のメール数との比率を算出する。たとえば図12のテーブルにおいて、最初のエントリである組織ペア、すなわち、[ソフトウェア開発課]と[ソフトウェア開発課]の同一の組織間の組織ペアのメール数は[253]であり、
[ソフトウェア開発課]の送信メールの合計は、253+128+16=397である。
比率は、253/397≒0.64
である。
ステップS316において、ステップS315で算出した比率と、予め定めた閾値t、例えば[0.05]を比較し、
算出比率≧閾値t
が成立すれば、判定結果として、フォーマルを示す[1]を登録テーブルに設定し、
算出比率≧閾値t
が成立しない場合は、判定結果として、インフォーマルを示す[0]を登録テーブルに設定する。
これらの処理を全ての組織間ペアについて実行し、ステップS314の判定がNoとなった時点で登録テーブルの生成を終了する。
このように、任意の2つの部署単位でのメール送信数の頻度を抽出して、それぞれの部署からのメール送信の総数に対する割合を抽出し、その情報を元に、ある部門から別のある部門へのメール送信が一般的なものかどうかを判定する判定情報を格納した登録テーブル(図12)を作成する。特定の送信元の送信メールの総数に対する2つの部署間のメール数の割合が、あらかじめ設定した閾値以上の場合は、その組織間のメールはフォーマルなものであるとして、フォーマルを示す判定情報[1]を登録テーブルに格納し、閾値未満の場合は、その組織間のメールはインフォーマルなものであるとして、インフォーマルを示す判定情報[0]を登録テーブルに格納し、図12に示す登録テーブルを完成させる。
なお、この図12に示す登録テーブルは一定期間毎、あるいは一定メール数毎に更新することによって、状況の変化を反映した判定結果を得る構成とすることが望ましい。
電子メールログ分析手段251によるメールタイプ判定処理は、ログ情報に設定されたメールの送信元アドレスと送信先アドレスに基づいて、組織属性情報格納手段282に格納された組織属性情報を参照してメール送受信者それぞれの組織名を取得し、その2つの組織名に基づいて、図12に示す登録テーブルから、対応する送受信組織エントリを選択し、選択エントリに設定された判定情報に基づいて、メールがフォーマルであるかインフォーマルであるかを判定する処理として実行される。
(5)同報メールのアドレス解析に基づく判定手法
次に、同報メールのアドレス解析に基づく判定手法について説明する。この手法は、メールが同報メール、すなわち複数のアドレスを一度送信先に指定したメールである場合に、その同報メールのアドレス解析に基づいて、メールが、
a:フォーマルコミュニケーションメール
b:インフォーマルコミュニケーションメール
c:その他のメール
のいずれであるかを判定する手法である。この判定手法について、図14、図15を参照して説明する。
図14は、インフォーマルであると判断されるグループと、そのグループに属するメンバーのアドレスを対応づけて登録したテーブルを示している。この登録テーブルが予め生成され、電子メールログ分析手段251は、この登録テーブルに基づいて、メールログに含まれる同報通信アドレスを構成するメンバーアドレスを導き、導いたメンバーアドレスが図14に示す登録テーブルインフォーマルグループのメンバーのアドレス集合とほぼ一致する場合に、この同報アドレスを含むメールをインフォーマルとして判定する処理を実行する。
このように、本手法では、あるグループをインフォーマルなグループとして登録しておき、メール発信時の同報状態が事前に登録しておいたインフォーマルなグループと一定の割合以上一致した場合に、そのメールをインフォーマルと判定し、それ以外のメールをフォーマルと判定する。図14に示すように、登録テーブルには、インフォーマルなグループについて、グループ名とメンバーのアドレスとを対応付けて登録される。このテーブルをインフォーマルグループテーブルとする。
電子メールログ分析手段251は、同報メールのメールタイプ判定処理として、以下の処理を実行する。すなわち、まず、メールログからの取得情報としての組織コミュニケーション情報が組織コミュニケーション情報格納手段に格納された状態で、各組織コミュニケーションについて、同報となる組織コミュニケーション、すなわち同報通信メールを判別する。次に、ログ情報に含まれる発信者アドレスに基づいて、発信者が所属するインフォーマルなグループのリストを図14に示す登録テーブル、すなわちインフォーマルグループテーブルから取得し、それぞれのリストについて、判定対象のメールの発信元・送信先のどの程度の割合が、グループのメンバーのどの程度の割合と一致するかを判定する。どれかのグループについて前者の割合と後者の割合の片方もしくは両方が一定の値を越えたらそのメールはインフォーマルと判定し、それ以外の場合はフォーマルと判定する。これらの判定情報を、組織コミュニケーション情報記憶手段に格納するログ情報に対応するメールタイプ情報として記録する。すなわち記録データの[type]の領域に[informal]あるいは[formal]の設定を行う。
なお、データベース言語としてのSQLを適用した処理として、上記のタイプ判定処理を実行することが可能である。この処理について、説明する。
まず、以下のSQL[SELECT]文で同報メールの受信者・発信者のリストを得る(ここでは発信者と発信日時とサブジェクトが同じものを同報と判定する)
SELECT Communication.from FROM Communication WHERE Subject = "依頼事項" AND date = #2004/6/23 10:00# AND Communication.from = "Taro@fujixerox.co.jp" UNION SELECT Communication.to FROM Communication WHERE Subject = "依頼事項" AND date = #2004/6/23 10:00# AND Communication.from = Taro@fujixerox.co.jp
このSQL文は、メールログ情報を格納したデータベース[Communication]から、サブジェクトが[依頼事項]で、発信日時が[2004/6/23 10:00]のデータを抽出し、抽出データから送信元アドレス[Communication.from]が[Taro@fujixerox.co.jp]であるデータ中の送信元アドレス[Communication.from]を選択し、さらに、データベース[Communication]から、サブジェクトが[依頼事項]で、発信日時が[2004/6/23 10:00]のデータを抽出し、抽出データから送信元アドレス[Communication.from]が[Taro@fujixerox.co.jp]であるデータの送信先アドレス[Communication.to]を選択する処理である。要約すれば、特定の送信元アドレス[Taro@fujixerox.co.jp]を持つログ情報の送信元アドレスおよび送信先アドレスをすべて抽出する処理である。
この結果、取得されたアドレス情報を、図14に示す登録テーブル、すなわちインフォーマルグループテーブルの登録アドレス情報と比較し、各サークルの構成メンバーのアドレスとの一致度を判定する。
なお、ログ情報から取得した特定の送信元アドレスを持つログ情報の送信元アドレスおよび送信先アドレスをすべて[Douhou]という名前のテーブルデータとして一時的に格納したとすると、このテーブル[Douhou]と、図14に示す登録テーブル、すなわちインフォーマルグループ(Informal Group)テーブルを用いて、取得アドレスと各グループの構成メンバーアドレスとの一致度をSQLに基づいて判定できる。例えば、
SELECT * FROM Douhou WHERE address = (SELECT address FROM InformalGroup WHERE group = "英語サークル");
というSQL文で英語サークルのメンバーと重複するメールアドレスを取得し、重複アドレスの数をカウントして、図14に示す登録テーブル、すなわちインフォーマルグループ(Informal Group)テーブルの特定グループの含まれるメンバー数との比較を実行して、両数値が近ければ、そのインフォーマルグループのメンバーに対する連絡メール等のインフォーマルメールであると判定することができる。
このように、同報のアドレスとサークルのアドレスの重複率を示す指標(重複アドレス数/同報アドレス数、または、重複アドレス数/サークルのアドレス数など)を算出し、事前に指定した指標の値を超えていれば同報メール全体をインフォーマル(informal)と判定する。
図14に示す登録テーブルは、インフォーマルグループのみを登録情報として登録したテーブルであるが、インフォーマルグループ、フォーマルグループの双方を登録データとして設定し、さらに、図15に示すように、各グループがインフォーマルグループであるか、フォーマルグループであるかのグループタイプ情報を記録したテーブルを設定し、まず、インフォーマルグループ、フォーマルグループの双方を登録データとして設定したテーブルを用いて、メールログ情報のアドレス情報に一致度の高いグループを選択し、選択グループがフォーマルグループであるかインフォーマルグループであるかを図15に示すテーブルに基づいて判定することで、同報通信メールのメールタイプがフォーマルであるかインフォーマルであるかを判別する構成としてもよい。
以上、説明したように、メールタイプ判定処理、すなわちメールがフォーマルであるか、インフォーマルであるかあるいはその他であるかを判定する手法は、様々あり、これらの手法は、それぞれ単独で用いてもよいし、複数の手法を併用することも可能である。その場合、どれかの手段でインフォーマルと判定されたものはインフォーマルとする方法や、それぞれの手段でインフォーマルと判定された場合に、判定対象のメールにインフォーマル度合いを示すポイントを判定手段毎に定めて付与し、一定のインフォーマル度合いを超えた場合にインフォーマルに設定するなどの併用方法が考えられる。
複数の判定手法を併用する場合の処理シーケンスについて、図16に示すフローチャートを参照して説明する。
図16には、複数の判定手法を併用する場合の処理シーケンスとして2つの処理例を示している。まず、(A)に示す処理例について説明する。ステップS511において、判定手段を選択する。適用する判定手法としては、例えば、上述した各手法、すなわち、
(1)サブジェクトの文字列に基づく判定手法
(2)時間帯に基づく判定手法
(3)メールの送受信組織の離間度に基づく判定手法
(4)通常コミュニケーションの特徴との差異に基づく判定手法
(5)同報メールのアドレス解析に基づく判定手法
から選択された複数手法が設定済みとする。
ステップS511では、これらの選択済み手法のうち、処理の済んでいない処理手法を選択する。処理手法の選択の後、ステップS512において、選択手法に基づくメールタイプ判定処理を実行する。選択手法に基づいて、メールタイプの判定に成功した場合(ステップS513:Yes)は、その時点で処理を終了する。
選択手法に基づいて、メールタイプの判定に失敗した場合(ステップS513:No)は、ステップS511に戻り、次の判定手法を選択して、処理を実行する。すべての選択手法において、判定に失敗した場合は、ステップS511において、Noの判断がなされ、ステップS514に進み、予め設定されたデフォルト設定値、例えばフォーマルと判定する処理を実行する。なお、デフォルト設定値は、インフォーマルとしても、その他としてもよい。メールタイプの判定が成功したかどうかは、例えば各判定手法においてデフォルト値を用いないタイプの判定が行われたかどうかで決定する。例えば、サブジェクトの文字列に基づく判定方法の場合は、判定用に登録されている文字列が存在したかどうかで決定し、時間帯を用いる判定では、事前にリストに登録された業務時間と休憩時間のどちらにも当てはまらない場合を失敗とし、メールの送受信組織の離間度に基づく判定手法では、インフォーマルと判定されない距離が3未満のものは失敗とし、通常コミュニケーションの特徴との差異に基づく判定方法では、フォーマルと判定された場合のみを判定成功とし、同報メールのアドレス解析に基づく判定手法では、対応するグループが存在したかどうかで決定する等の方法が考えられる。
図16(B)の処理は、複数の判定手法に基づいて総合的にメールタイプを判定する処理シーケンスを示すフローチャートである。まず、ステップS521において、メールタイプの判定対象となるメールログのタイプ判定値を初期化する。本処理例において、メールタイプ判定値(F)は、例えば、フォーマル(+n)〜インフォーマル(−n)のように数値化されて評価される。初期値としては、判定値、すなわちメールタイプ判定値:F=0として設定される。
次に、ステップS522において、実行する判定手法を選択し、ステップS523において選択した判定手法を適用したメールタイプ判定処理を実行し、判定値(F)を算出する。判定結果によって、判定値(F)を変動させる。明確にフォーマルであればF=+1、明確にインフォーマルであればF=−1、フォーマルの傾向が若干強い場合はF=+0.5などの判定値を算出する。
ステップS524では、これまでに異なる手法で算出された判定値の積算処理による判定値更新処理を実行する。すなわち、判定手法Aで算出済みの判定値が例えばFa=0.5であり、今回実施した判定手法Bによって算出した判定値がFb=1.0である場合、F=0.5+1.0=1.5として更新が実行される。
ステップS525では、積算判定値Fが、予め設定した閾値を超えたか否かが判定される。たとえばF>=1であればフォーマル、F<=−1であればインフォーマルと判定して処理を終了する。
積算判定値が、閾値を超えていない場合(ステップS525:No)は、ステップS522に戻り、次の判定手法を実行する。全ての判定手法が実行されると、ステップS526に進み、これまでの判定手法に基づいて積算された判定値Fの値に基づいて、フォーマルかインフォーマルかを判定する。具体的には、F>0であればフォーマル、F<0であればインフォーマルとして判定する。F=0の場合は、その他、あるいは予め定めたデフォルト設定に従ってフォーマルまたはインフォーマルのいずれかに設定する。
このように、複数の処理手法を併用して総合的なメールタイプ判定処理を行なうことができる。
このように、図3に示す電子メールログ分析手段251は、メールログの分析およびメールタイプの判定処理を実行する。この処理結果は、組織コミュニケーション情報格納手段281に格納される。組織コミュニケーション情報格納手段281に格納されるデータのデータ構成例について、図17を参照して説明する。
電子メールログ分析手段251は、処理結果をリレーショナルデータベースのテーブルの形式で組織コミュニケーション情報格納手段281に格納する。具体的なテーブルは、例えば図17に示す構成を持つ。組織コミュニケーションの情報は、ここでは、通し番号(num)、発信日時(date)、発信者メールアドレス(from)、受信者メールアドレス(to)、メールのタイトル(subject)、メールのサイズ(size)、メールタイプ(type)により構成される。
なお、組織コミュニケーション情報格納手段281は、分析を実施するコミュニケーション分析手段と同じコンピュータのハードディスク上など、アクセス可能な二次記憶領域に設定する構成が望ましい。あるいはネットワーク上のデータベースに格納する構成としてもよい。
このようにして、メールログの本文を含まない情報から、メールタイプ、すなわち、
a:フォーマルコミュニケーションメール
b:インフォーマルコミュニケーションメール
c:その他のメール
上記a〜cいずれかのタイプを判定し、このタイプ情報を持つデータが、組織コミュニケーション情報格納手段281に格納されることになる。
図3に示す組織コミュニケーション分析手段252は、組織コミュニケーション情報格納手段281に格納されたメールタイプを含むログデータに基づいて組織コミュニケーションの分析処理を実行する。以下、組織コミュニケーション分析手段252の実行する組織コミュニケーション分析処理について説明する。
本実施例において、コミュニケーション分析手段252は、例えば、リレーショナルデータベースのテーブルの形で格納された組織コミュニケーション情報及び組織属性情報に対するSQLによるクエリーによって、コミュニケーション分析を実現する。
個々の部門が発信する電子メールにおけるフォーマル・インフォーマル・その他のメールの頻度情報を取得するには、コミュニケーション分析手段252は、リレーショナルデータベースに対して下記のようなSQLを発行する。なお、組織コミュニケーション情報を格納するテーブル名を[Communication]、組織属性情報を格納するテーブル名を[Attribute]として説明する。
SELECT [Communication].[type] as type, count([Communication].[type]) as frequency
FROM Communication
WHERE from = (SELECT address FROM attribute WHERE division = "SALES")
GROUP BY [Communication].[type];
上記SQLに基づいて、営業部門(SALES)から送信されたメールのメールタイプ、すなわち、
a:フォーマルコミュニケーションメール
b:インフォーマルコミュニケーションメール
c:その他のメール
a〜cのメール数の集計値を取得できる。この集計値結果の例を図18(a)に示す。また、同様に各部門におけるメールタイプ毎の集計も可能である。
また、営業部門(SALES)が開発部門(R&D)に対してどのようなタイプのメールを送信しているかについての集計をするには、コミュニケーション分析手段252は、リレーショナルデータベースに対して以下のようなSQLを実施すればよい。
SELECT [Communication].[type] as type, count(Communication.type) as frequency
FROM Communication
WHERE from = (SELECT address FROM attribute WHERE division = "SALES")
AND to = (SELECT address FROM attribute WHERE division = "R&D")
GROUP BY [Communication].[type];
このSQLの結果として取得される情報に基づいて、図18(a)と同様の形式の集計結果を得ることができる。
次に、コミュニケーション分析手段252における処理において、同報メールに関する処理例について説明する。本実施例において示したコミュニケーション分析手段200において適用するSQLでは、同報メールがそれぞれカウントされ、例えば営業部門からの10人に対する同報メールが10通としてカウントされることになる。同報メールを一通として捉える場合は、時間(date)、発信元メールアドレス(from)、メールのサイズ(size)、メールのサブジェクト(subject)が等しい(当然typeも等しくなる)メールを同報メールとみなした上で、タイプ別のクエリーを実施する。
例えば、営業部門からの電子メールで、同報メールを一通とカウントしてタイプ毎に頻度を集計するSQL文の例を以下に示す。この例では、結果の列「frequency1」として同報メールを一通とした場合のタイプ別の合計値を、「frequency2」として同報メールの受信先メールアドレスをそれぞれ一通としてカウントした場合のタイプ別の合計値をそれぞれ集計する。
SELECT type, COUNT(type) AS frequency1, SUM(acc) AS frequency2
FROM (SELECT [Communication].[type] COUNT([Communication].[type])FROM Communication
WHERE from = (SELECT address FROM attribute WHERE division = "SALES")
GROUP BY [Communication].[date], [Communication].[from], [Communication].[size], [Communication].[subject], [Communication].[type])
GROUP BY type;
上記SQLの結果データを図18(b)に示す。図18(b)に示すように、フォーマル、インフォーマル、その他の各分類の集計値として、同報メールを一通とした場合のタイプ別の合計値「frequency1」と、同報メールの受信先メールアドレスをそれぞれ一通としてカウントした場合のタイプ別の合計値「frequency2」とが算出される。
なお、同報メールが多い場合などにメール配信の時間が若干ずれる場合があるため、そのずれを考慮することで同報メールの判断がより正確になると考えられる。その場合は、同報メールと判断する条件を時間の完全一致ではなく時間に一定の幅を持たせるようなBETWEEN節を用いたSQL文を記述してマッチングさせるなどの方法によって実現することが可能である。
上述したコミュニケーション分析手段252における分析処理の結果として生成可能な出力情報の例を図19、図20を参照して説明する。コミュニケーション分析手段252における分析処理の結果は、例えば、グラフの形式で分析結果をディスプレイに表示する。具体的には、前記のSQLの結果として取得されたタイプ別メール数情報を図19に示すグラフとして描画して出力する。
図19に示す例では、営業部門(SALES)から発信された電子メールのタイプについて、
a:フォーマルコミュニケーションメール
b:インフォーマルコミュニケーションメール
c:その他のメール
各タイプのパーセンテージを表示した例を示しているが、各タイプの発信数を表示する構成や、合計の発信数を表示する構成など、様々なデータ表示が可能である。
さらに、表示手段において、単独の組織の分析結果を表示するだけでなく、他の組織とのやりとりの分析結果を合わせて表示することも可能である。図20に、複数組織間での電子メールのやりとりの分析結果の表示例を示す。図20に示す例では、複数の組織間の電子メールのやりとりをタイプ分けした結果の円グラフを、二次元のマトリックス状に並置して示している。図20(a)は、営業部門内の送受信メールの分析結果、(b)は、営業部門から開発部門へのメールの分析結果、(c)は開発部門から営業部門へのメールの分析結果、(d)は開発部門内のメールの分析結果をそれぞれ示している。
なお、メールの発信数に応じて、円グラフのサイズを変更したり、円グラフの色や影を変更したりする構成としてもよい。このグラフから、営業部門と開発部門の間のコミュニケーションは、営業部門内でのインフォーマルなメールが開発部門内よりも多いということ、さらに、営業部門と開発部門の間ではインフォーマルなメールはほとんどやりとりされていないということが読み取れる。
なお、図20に示す例では複数の部門間での電子メールの発信を扱っているが、同一の部門内でのマネージャ(MANAGER)とスタッフ(STAFF)のメンバー間でのやりとりの分析などに応用することも可能である。このような特定メンバー間のメール分析に適用するSQL文は、例えば下記のようなものとなる。
SELECT [Communication].[type] as type, count(Communication.type) as frequency
FROM Communication
WHERE from = (SELECT address FROM attribute WHERE division = "SALES" AND title = "MANAGER")
AND to = (SELECT address FROM attribute WHERE division = "SALES" AND (title = "STAFF" ))
GROUP BY [Communication].[type];
上記のSQL文によって、営業部門(SALES)のマネージャからスタッフへの電子メールのタイプの分類を集計することができる。組織コミュニケーション情報格納手段及び組織属性情報格納手段で用いているテーブルは、説明を簡単にするためテーブル数を少なくしており、処理の効率が悪かったり冗長な情報を含んだりすることが考えられるが、実施においてはテーブルの正規化やインデックスの作成など、スペース効率や処理速度などを考えた構成とすることが望ましい。
なお、上述した実施例においては、取得した電子メールログの全ての期間を対象とした分析方法について記述したが、ある期間に限定したメール分析も可能である。電子メールログ分析処理手段251において、予め設定した対象期間のみのログ情報の行を処理対象として組織コミュニケーション情報格納手段281に格納することによって、所定期間の限定範囲のデータ解析が可能である。
あるいは、組織コミュニケーション分析手段252において、SQLを用いてデータ検索、抽出を行う際に、SQL文の[WHERE条件]として、対象期間を限定する条件を追加設定することによって、所定期間のログデータのみを解析対象データとして選択して分析処理を実現することも可能である。なお、SQL文において日時限定処理を行なう場合は、対象期間を変化させて期間毎の組織コミュニケーションの時系列での変化についての分析を実施することも可能となる。
なお、上述した実施例においては、メールタイプを電子メールログ分析手段251における処理段階で判定し、結果を組織コミュニケーション情報格納手段281に格納する例を中心として説明したが、メールタイプの判定は組織コミュニケーション分析手段252で、メールログに含まれるサブジェクト[subject]情報等を用いて行い、組織コミュニケーション情報格納手段281にはメールタイプの情報は含めないという構成も可能である。なお、この設定の場合には、組織コミュニケーション分析手段252でのメールタイプの判定は、SQLを適用し[WHERE]節中に、[subject LIKE "*送別会*"]といった条件を用いることでメールタイプの判定を行なうことが可能である。
さらに、上述した実施例においては、電子メールログ分析手段251が、電子メールサーバログのファイルを一度に処理する方法を採用しているが、電子メールサーバがログを一行ずつ蓄積するタイミングで、その行に対する前処理を実施し、組織コミュニケーション情報格納手段281に格納することも可能である。また、ログを取得する電子メールサーバは、一台である必要はなく、複数の電子メールサーバから、ネットワークを経由して複数のログファイルを取得して分析可能である。
また、上述の実施例においては、分析結果をグラフ表示することで視覚的に組織のコミュニケーションの特性を示しているが、組織のコミュニケーションの分析結果がある一定条件を満たせば分析者にメールなどで通知する構成としてもよい。例えば任意の組織について、過去一ヶ月間においてフォーマルなメールの比率が90%を超えたら通知するという設定や、任意の組織におけるスタッフのマネージャに対するインフォーマルメール数がマネージャのスタッフに対するインフォーマルメール数の50%を下回ったら通知するという設定をすることによって、組織におけるコミュニケーションが異常な状態に陥った時に早期に発見することが可能となる。
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
なお、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
以上、説明したように、本発明の構成によれば、電子メールサーバログと組織メンバーの属性情報のみから、組織間のコミュニケーションの状態を把握することができ、組織においてインフォーマルコミュニケーションが低調な状態や、組織をまたがったインフォーマルコミュニケーションの状態などを知ることができるようになる。
本発明の構成によれば、本文情報を含まない電子メールサーバログのデータ解析によるメールタイプ判別が可能となり、格納データ、処理データの削減が可能となり、低コストで効率的に、かつ、プライバシーに配慮した形でのメール解析により、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行することが可能となる。
さらに、本発明の構成によれば、
(1)サブジェクトの文字列に基づく判定手法、
(2)時間帯に基づく判定手法、
(3)メールの送受信組織の離間度に基づく判定手法、
(4)通常コミュニケーションの特徴との差異に基づく判定手法、
(5)同報メールのアドレス解析に基づく判定手法、
これらのいずれかの手法、あるいはこれらの手法の組み合わせに基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行するので、正確なメールタイプ判定処理が可能となる。
本発明にかかるコミュニケーション分析が適用されるネットワークシステムの構成を例示する図である。 図1に示したクライアントコンピュータ、サーバおよびコミュニケーション分析装置のハードウェア構成を示す図である。 コミュニケーション分析装置の構成を示すブロック図である。 組織属性情報格納手段に格納される組織属性情報のデータ構成例について示す図である。 本発明にかかるコミュニケーション分析処理の全体処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。 本発明にかかるコミュニケーション分析処理において、電子メールログ分析手段の実行する処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。 電子メールログのデータ構成例を示す図である。 電子メールログのサブジェクトに基づくメールタイプ判定処理に適用する登録テーブルのデータ構成例を示す図である。 電子メールログのサブジェクトに基づくメールタイプ判定処理に適用する登録テーブルのデータ構成例を示す図である。 電子メールログの日時情報に基づくメールタイプ判定処理に適用する登録テーブルのデータ構成例を示す図である。 電子メールログのアドレスに基づいて組織離間度を判定してメールタイプを判定する処理において必要とする組織離間度について説明する図である。 通常のメールとの差異に基づいてメールタイプを判定する処理に適用する登録テーブルのデータ構成例を示す図である。 通常のメールとの差異に基づいてメールタイプを判定する処理に適用する登録テーブルの生成処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。 同報通信メールに基づくメールタイプ判定処理に適用する登録テーブルの例を示す図である。 同報通信メールに基づくメールタイプ判定処理に適用するテーブルであり、各グループがインフォーマルグループであるか、フォーマルグループであるかのグループタイプ情報を記録したテーブル例を示す図である。 複数の判定手法を適用したメールタイプ判定処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。 コミュニケーション解析情報格納手段に格納されるデータのデータ構成例を示す図である。 コミュニケーション分析手段における分析結果の例を示す図である。 コミュニケーション分析手段における分析結果の出力表示例を示す図である。 コミュニケーション分析手段における分析結果の出力表示例を示す図である。
符号の説明
1 ネットワークシステム
100 ネットワーク
2 部門別システム
102 部門別LAN
20 クライアントコンピュータ
24 サーバ(メールサーバ)
24−1〜3 電子メールサーバログ
200 コミュニケーション分析装置
202 CPU
204 メモリ
206 表示・入力部
210 記録媒体
212 通信部
250 データ処理部
251 電子メールログ分析手段
252 組織コミュニケーション分析手段
280 データ記憶部
281 組織コミュニケーション情報格納手段
282 組織属性情報格納手段

Claims (15)

  1. メールサーバから電子メールのログ情報として、本文情報を含まないログ情報を取得し、取得ログ情報に基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する電子メールログ分析手段と、
    前記電子メールログ分析手段におけるメールタイプ判定結果情報を含む電子メールログ情報を格納する組織コミュニケーション情報格納手段と、
    前記組織コミュニケーション情報格納手段に格納された情報に基づいて組織コミュニケーションの分析処理を実行する組織コミュニケーション分析手段と、
    を有することを特徴とするコミュニケーション分析装置。
  2. 前記コミュニケーション分析装置は、さらに、
    組織属性を格納した組織属性情報格納手段を有し、
    前記電子メールログ分析手段は、
    前記電子メールのログ情報と、前記組織属性情報格納手段に格納された組織属性情報に基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション分析装置。
  3. 前記電子メールログ分析手段は、
    電子メールのログ情報に含まれるサブジェクトを構成する文字列に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション分析装置。
  4. 前記電子メールログ分析手段は、
    文字列がフォーマルメール対応文字列であるかインフォーマルメール対応文字列であるかの少なくともいずれかの対応情報を含む登録テーブルを適用し、電子メールのログ情報に含まれるサブジェクトを構成する文字列と前記登録テーブルとの照合処理に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション分析装置。
  5. 前記電子メールログ分析手段は、
    電子メールのログ情報に含まれるサブジェクトを構成する文字列に含まれる顔文字、または表現形式に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション分析装置。
  6. 前記電子メールログ分析手段は、
    電子メールのログ情報に含まれる送信時間情報に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション分析装置。
  7. 前記電子メールログ分析手段は、
    電子メールのログ情報に含まれる送信元アドレスと、送信先アドレスに基づいてメール送信組織とメール受信組織を判別し、判別した2つの組織の離間度に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション分析装置。
  8. 前記電子メールログ分析手段は、
    電子メールのログ情報に含まれる送信元アドレスと、送信先アドレスに基づいてメール送信組織とメール受信組織を判別し、判別した2つの組織間におけるメールの頻度数情報に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション分析装置。
  9. 前記電子メールログ分析手段は、
    電子メールが同報通信メールである場合に、送信元および送信先のアドレス情報を取得し、該取得アドレスが、予め登録されたフォーマルグループ、またはインフォーマルグループの構成メンバーのアドレスに略一致するか否かを検証し、該検証結果に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション分析装置。
  10. 前記電子メールログ分析手段は、
    メールサーバから電子メールのログ情報として、本文情報を含まないログ情報を取得し、取得ログ情報に基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を、複数の異なる手法を組み合わせた処理として実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション分析装置。
  11. 前記電子メールログ分析手段は、
    前記組織コミュニケーション情報格納手段に格納された電子メールログ情報に対するSQL(Structured Query Language)を適用したデータ抽出処理に基づいて、電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション分析装置。
  12. 前記組織コミュニケーション分析手段は、
    前記組織コミュニケーション情報格納手段に格納された情報に基づいて、各組織間において実行されているコミュニケーションに含まれるフォーマルコミュニケーション、またはインフォーマルコミュニケーションの数または割合を算出し、該算出データに基づく出力データを生成する処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載のコミュニケーション分析装置。
  13. メールサーバから電子メールのログ情報として、本文情報を含まないログ情報を取得し、取得ログ情報に基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する電子メールログ分析ステップと、
    前記電子メールログ分析ステップにおけるメールタイプ判定結果情報を含む電子メールログ情報を組織コミュニケーション情報格納手段に格納する組織コミュニケーション情報格納ステップと、
    前記組織コミュニケーション情報格納手段に格納された情報に基づいて組織コミュニケーションの分析処理を実行する組織コミュニケーション分析ステップと、
    を有することを特徴とするコミュニケーション分析方法。
  14. 前記電子メールログ分析ステップは、
    (1)サブジェクトの文字列に基づく判定手法、
    (2)時間帯に基づく判定手法、
    (3)メールの送受信組織の離間度に基づく判定手法、
    (4)通常コミュニケーションの特徴との差異に基づく判定手法、
    (5)同報メールのアドレス解析に基づく判定手法、
    これらのいずれかの手法、あるいはこれらの手法の組み合わせに基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行するステップであることを特徴とする請求項13に記載のコミュニケーション分析方法。
  15. 電子メールの解析処理をコンピュータ上で実行させるコンピュータ・プログラムであり、
    メールサーバから電子メールのログ情報として、本文情報を含まないログ情報を取得し、取得ログ情報に基づいて電子メールがフォーマルメールであるかインフォーマルメールであるかのメールタイプ判定処理を実行する電子メールログ分析ステップと、
    前記電子メールログ分析ステップにおけるメールタイプ判定結果情報を含む電子メールログ情報を組織コミュニケーション情報格納手段に格納する組織コミュニケーション情報格納ステップと、
    前記組織コミュニケーション情報格納手段に格納された情報に基づいて組織コミュニケーションの分析処理を実行する組織コミュニケーション分析ステップと、
    を有することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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