JP2006250765A - 状態評価装置 - Google Patents

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智嗣 上山
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Abstract

【課題】 高感度、低コスト、高精度の状態評価装置を提供する。
【解決手段】 状態評価装置は、被検体に第1波長の光を照射する第1発光デバイスと、前記被検体に前記第1波長と異なる第2波長の光を照射する第2発光デバイスと、前記被検体からの反射光又は透過光を受光して電気信号を出力する受光デバイスと、前記第1発光デバイスから前記被検体に前記第1波長の光を照射し、前記受光デバイスで前記被検体からの反射光又は透過光を受光して出力される第1電気信号を観測し、前記第2発光デバイスから前記被検体に前記第2波長の光を照射し、前記受光デバイスで前記被検体からの反射光又は透過光を受光して出力される第2電気信号を観測し、前記第1電気信号と前記第2電気信号とに基づいて前記被検体の状態を評価する制御部とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物体の表面又は内部の状態を評価する状態評価装置に関する。
従来、固体表面の状態を調べる手段として、人間の目で見た色によって評価するものが多く、カラーセンサと呼ばれるものが使われている。カラーセンサでは、色名を知りたい物体(対象物)の表面に測定部を当てると、測定部から発せられる白色光が物体に照射され、物体からの反射光を、RGB用の3種類のカラーフィルターを介してフォトダイオードに入力することにより測定し、測定データを色判別手段に送り、色判別手段内のプログラムが測定データを演算すると共に、演算データと系統的に分類してある規格データ(テーブルデータ)を比較し、測定データの色名を選び出し、物体の色名(基本色名、明度、彩度、色相)を表示または出力する(例えば、特許文献1参照。)。
また、他のカラーセンサでは、赤、青、緑各色の発光ダイオード(LED)から発せられた3色の光を検出物体に照射し、フォトダイオードを用いて検出物体からの反射検出量を電気的信号に変換し、色の識別を行う三色発光LED反射型フォトカラーセンサがある(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−22537号公報(頁1および図1) 特開2003−172658号公報(頁1および図1)
このようなカラーセンサにあっては、受光デバイスとして高価な光倍増管、CCD、フォトダイオードを用いているため、表面状態評価装置自体も高価となる。また、人の視覚機能に合わせているため、赤、緑、青の3波長による3つの受光デバイスを用いているため構成が複雑になっていた。さらに、可視光領域での測定が主に行われているため、たとえば紫外線領域や赤外線領域、あるいは、たとえば赤と緑の中間領域などの評価が困難であった。そのため、微妙な色合いの判定や表面状態の重要な情報を得ることが困難であった。
本発明の目的は、簡易に物体の表面や内部の状態を評価する状態評価装置を提供することである。
本発明に係る状態評価装置は、
被検体に第1波長の光を照射する第1発光デバイスと、
前記被検体に前記第1波長と異なる第2波長の光を照射する第2発光デバイスと、
前記被検体からの反射光又は透過光を受光して電気信号を出力する受光デバイスと、
前記第1発光デバイスから前記被検体に前記第1波長の光を照射し、前記受光デバイスで前記被検体からの反射光又は透過光を受光して出力される第1電気信号を観測し、前記第2発光デバイスから前記被検体に前記第2波長の光を照射し、前記受光デバイスで前記被検体からの反射光又は透過光を受光して出力される第2電気信号を観測し、前記第1電気信号と前記第2電気信号とに基づいて前記被検体の状態を評価する制御部と
を備えることを特徴とする状態評価装置。
本発明の状態評価装置によれば、互いに異なる発光中心波長の2つの発光デバイスを順次発光させて被検体に照射し、被検体からの反射光又は透過光を1つの受光デバイスで順次受光して得られる第1電気信号と第2電気信号とに基づいて被検体の状態を評価できる。これにより、低コストの状態評価装置を提供できる。
本発明の実施の形態に係る状態評価装置について、添付図面を用いて以下に説明する。なお、図面において実質的に同一の部材には同一の符号を付している。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る状態評価装置10の構成を示す概略図である。図2は、この状態評価装置10の発光デバイス1a、1b及び受光デバイス2と被検体3との位置関係を示す平面図である。この状態評価装置10は、2個の発光デバイス1a、1bと、1個の受光デバイス2と、上記発光デバイス1a、1b及び受光デバイス2を固定する固定用治具4と、発光デバイス1a、1b及び受光デバイス2と被検体3との相対位置を決める位置決め用治具5と、発光デバイス1a、1bを駆動すると共に、受光デバイス2からの出力を処理する制御部6とを備える。発光デバイス1a、1bは、発光中心波長が第1波長及び第2波長の発光ダイオードであり、受光デバイス2も所定の電圧を印加することによって発光中心波長が上記第1波長及び第2波長よりも長波長の第3波長である発光ダイオードとして機能する。なお、受光デバイス2は、発光ダイオードとして機能するものに限られず、フォトダイオードを用いてもよい。
この状態評価装置10では、発光デバイス1a、1bのみならず受光デバイス2にも発光ダイオードを用いている。これにより、発光デバイス1a、1b及び受光デバイス2の調達コストや基板への装着コスト等を下げることができると共に、消費電力を下げることができる。また、受光デバイス2が高感度なため発光デバイス1a、1bの発光量を小さくすることができ、被検体3の光劣化を小さくできる。
なお、発光デバイス1a、1bの少なくとも一方にエレクトロルミネッセンス素子を用いてもよい。また、発光デバイスとして、発光ダイオードを用いる場合、その発光中心波長は紫外線領域または赤外線領域であってもよい。さらに、発光中心波長が670〜690nmの範囲であってもよい。また、発光デバイスは、3個以上用いてもよい。
この状態評価装置10の基本的な操作法を以下に説明する。
(a)まず、図1に示すように、表面状態を評価しようとする被検体3の上にこの状態評価装置10を静置する。このとき、位置決め用治具5によって、被検体3と、発光デバイス1a、1b及び受光デバイス2との相対的位置が評価時毎に変動しないようにする。これによって、安定な評価を実現できる。これは、被検体3の表面におけるわずかな反射角の変化が、受光デバイス2に到達する光量に大きく影響を与えるためである。
(b)次に、2個の発光デバイス1a、1bを、例えば10ミリ秒間隔で順次点滅させて、それぞれの発光デバイス1a、1bからの発光を被検体3に順次照射する。制御部6によって、どの発光デバイス1a、1bを点灯させるか制御する。
(c)それぞれの発光デバイス1a、1bからの光について、被検体3から反射された反射光を受光デバイス2で受光すると、受光デバイス2からはそれぞれ受光した光強度に応じてそれぞれ第1電気信号及び第2電気信号を出力する。
(d)制御部6では、受光デバイス2から出力される信号を処理する。各発光デバイス1a、1bの発光時に受光デバイス2から出力される第1及び第2電気信号を、メモリ内のデータと比較し、演算することにより被検体3の表面状態を評価する。なお、発光デバイス1a、1bを発光させていないときの受光デバイス2から出力される電気信号をバックグラウンドとして演算することにより、外部光の影響を低減できる。
この状態評価装置10によれば、複数の発光デバイス1a、1bからの光について被検体3からの反射光を、1個の受光デバイス2で受光し、出力される第1及び第2電気信号によって被検体3の状態を評価できる。これにより、低コストの状態評価装置を提供できる。
上述のように、制御部6は、発光デバイス1a、1bをプログラムに従って点滅させる機能と、受光デバイス2から出力される電気信号をプログラムに従って処理する機能を有する。なお、制御部6は、上記機能に限定するものではなく、メモリ機能、演算機能、電源または外部電源から電力を受ける機能、電源のスイッチ機能等を有してもよい。また、外部装置として表示装置、通信機能として有線、電源として乾電池を用いてもよい。
なお、受光デバイス2として発光ダイオードを用いた場合の出力評価回路としては、TALANTA、第63巻、Issue 1、第167頁−第173頁、2004年5月に示される方法を用いた。この方法について以下に説明する。まず、受光デバイス2としての発光ダイオードには発光時とは逆のバイアスを印加しておく。それにより、発光部の半導体を挟む2つの電極に電荷が蓄積され、発光ダイオードはコンデンサーとして働く。半導体に光が照射されると、受光した光強度に応じた抵抗値を持つため、半導体を通して蓄積された電荷が移動して減少する。その結果、2電極間の電圧は下がる。例えば、最初に逆バイアスとして5V印加し、その後、一定の電圧、例えば、1.7Vまで低下するまでの時間(減衰時間)を計測する。この減衰時間は半導体の抵抗、すなわち受光した光強度に依存する。そこで、減衰時間を計ることによって受光した光強度を定量的に得ることができる。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2に係る状態評価装置の構成を示す概略図である。この状態評価装置10aは、実施の形態1に係る状態評価装置と比較すると、発光デバイス1a、1bと受光デバイス2とを互いに対向するように配置し、発光デバイス1a、1bと受光デバイス2との間に被検体3を挟むように配置する点で相違する。この場合には、発光デバイス1a、1bからの光について、被検体3からの透過光を受光デバイス2で受光する。そのため、被検体3の表面状態だけでなく内部の状態の情報が得られる。これは、被検体3が透明な場合など、光吸収率が比較的少ない波長範囲について有効である。
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3に係る状態評価装置の構成を示す概略図である。この状態評価装置10bは、実施の形態1に係る状態評価装置と比較すると、発光デバイス1a、1b及び受光デバイス2と被検体3との相対位置はほぼ同様であるが、被検体3の下に鏡やアルミ箔や白板等の反射板8を設けている点で相違する。この場合には、発光デバイス1a、1bからの光は被検体3を透過し、下の反射板8で反射された後、再度、被検体3を透過して受光デバイス2で受光される。そのため、被検体3の表面状態だけでなく内部の状態の情報が得られる。これは、実施の形態2と同様に被検体3が透明な場合など、光吸収率が比較的少ない波長範囲について有効である。
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態4に係る状態評価装置10cの構成を示す概略図である。なお、図5では発光デバイス1a、1b及び受光デバイス2の構成についての特徴を示すため、図1と同様の他の構成部材については特に示していない。この状態評価装置10cは、実施の形態1に係る状態評価装置と比較すると、発光デバイス1a、1bとして、広い波長域の光、例えば、白色LED、白熱灯、蛍光灯等の白色光を発光するデバイス11a、11bと所定の波長域の光のみを通過させるバンドパスフィルタ12a、12bとを組み合わせたものを用いる点で相違する。このように発光デバイス1a、1bとして白色光を発光するデバイス11a、11bとバンドパスフィルタ12a、12bとを組み合わせることによって、所望の発光中心波長を有する発光デバイス1a、1bを簡易に構成することができる。なお、図6に示す状態評価装置10dのように、白色光を発光する1つの白色光発光デバイス11と、シャッタ13a、13bとバンドパスフィルタ12a、12bとを組み合わせてもよい。この場合、シャッタ12a、12bを順次開閉することで発光デバイス1a、1bを順次発光させることができる。これにより、所望の発光中心波長を有する発光デバイス1a、1bを簡易に構成することができる。
実施の形態5.
図8は、本発明の実施の形態5に係る状態評価装置10を組み込んだ携帯電話20の構成を示す概略図である。この状態評価装置10は、携帯電話20に組み込んでいるので、被検体3に押し付けてその表面状態を評価した後、評価結果を携帯電話に送って表示でき、さらに、携帯電話の通信機能を用いて評価結果を外部に送信できる。なお、この状態評価装置を組み込む対象としては上記携帯電話に限られず、コンピュータ、携帯端末等に組み込んでもよい。このように本発明に係る状態評価装置を携帯電話や携帯端末やノートパソコン等のコンピュータ等と一体化することにより、状態評価装置で得られた被検体の状態の評価結果を処理したり、あるいは外部へ送信等することによる情報処理機能を飛躍的に高めることができる。
実施例1.
本発明の実施例1では、本発明に係る状態評価装置を用いて、透明プラスチックを被検体として識別を行った例について説明する。ここで用いた状態評価装置は、実施の形態1に係る状態評価装置と実質的に同一の構成であるが、発光デバイス1a、1b、1cとして、発光中心波長が380nm、640nm、1400nmの3個の発光ダイオードを用い、受光デバイス2として発光中心波長が1400nmの発光ダイオードを用いている点で相違する。なお、発光デバイスは、さらに4個以上用いてもよい。
ここで、発光デバイスとして上記3つの発光中心波長の発光ダイオードを選択した理由について説明する。一般に透明プラスチックは、人の目が感じる波長の光を透過するが、紫外線や赤外線を吸収することが知られている。この実施例1では、参照用の透明プラスチックとして、アクリル樹脂(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリスチレンアクリルニトリル共重合体(AS)を用いた。これらの透明プラスチックのうち、アクリル樹脂は、波長380nmの光を吸収する。ポリスチレンとポリスチレンアクリルニトリル共重合体は、ともに波長約1400nmの赤外線を吸収するが、ポリスチレンアクリルニトリル共重合体の方がより吸光度が大きい(強く吸収する)。なお、塩化ビニルはいずれの波長の光も吸収しない。そこで、発光デバイス1a、1b、1cとして、発光中心波長が380nm、640nm、1400nmの3個の発光ダイオードを用い、受光デバイス2として発光中心波長が1400nmの発光ダイオードを用いた。
上記3種類の参照用の透明プラスチックを用いて、被検体の透明プラスチックの評価を以下のようにして行った。
(a)まず、アルミ箔を標準の被検体として評価を行った。
(b)次いで、アルミ箔による評価値に対する相対値として、上記3種のプラスチックを評価した。その結果、3波長(380、640、1400nm)に対する値は、アクリル樹脂(0.1、0.5、0.5)、ポリスチレン(0.5、0.5、0.45)、ポリスチレンアクリルニトリル共重合体(0.5、0.5、0.4)となった。
(c)そこで、未知の透明プラスチックを被検体として評価して得られた結果について、上記数値の組み合わせと比較することによって、被検体の透明プラスチックが上記3種類のいずれかである場合には同定することができる。これによって、被検体の透明プラスチックの名称を表示したり、分別装置と組み合わせて自動分別装置を作製することができる。さらに、廃プラスチックを被検体として、廃プラスチックの自動分別装置を作製できる。
なお、上記3種類の透明プラスチックの評価では、波長640nmの光に対する応答はいずれのプラスチックでも同じになった。このことから、アルミ箔を用いた相対比較ではなく、波長640nmの光についての測定値に対する相対比較も有効であることを示している。例えば、発光ダイオードなどがほこりによって汚れても、相対値比較によって、汚れの影響を軽減できる。このような波長を今後、基準波長とよぶ。
また、図1に示すように、被検体3のプラスチックと枠7を密着させて、発光デバイス1a、1b、1c及び受光デバイス2と被検体3との相対位置を固定することが、安定な評価に重要であることが分かった。なお、枠7は内径20mm、外径30mm、高さ10mmの円筒状プラスチックを用いた。密着させなかった場合には、測定毎に測定値が変動したため、正しくプラスチックの種類を判定できなかった。
さらに、ポリスチレンアクリルニトリル共重合体(AS)の他の波長(例えば、波長1900nm)の吸収ピークを利用することもできる。この場合、受光デバイス2には発光ダイオード以外の、例えばフォトダイオードを用いてもよい。状態評価装置の構成は図1の場合に限られず、図3又は図4の構成を用いてもよい。なお、1400nmの吸光度は非常に小さいので有効であった。
また、上記のように透明プラスチックに限らず、色素の混入した色プラスチックにも適用できる。この場合には、発光デバイスとして、含まれる色素が吸収しない波長の光を発光中心波長とする発光ダイオードを選択して使用する必要がある。色素が発光デバイスからの光を吸収しないので、図1のように、発光デバイスと受光デバイスとを被検体3に対して同一側に配置してもよい。また、発光デバイスの発光中心波長に対して被検体3の反射率が低く、透過光による吸収特性によってその内部状態を検出することが好ましい場合には、図3又は図4の構成を用いてもよい。さらに、この実施例では受光デバイスとして3つの発光ダイオードを用いたが、吸収ピーク波長を含む光を発する他の発光ダイオードを用いてもよい。また、2個の発光ダイオードまたは4個以上の発光ダイオードを用いてもよい。
実施例2.
本発明の実施例2では、本発明に係る状態評価装置を用いて、競馬用馬券や競輪用車券等の有価券の識別を行った例について説明する。ここで用いた状態評価装置は、実施の形態1に係る状態評価装置と実質的に同一の構成であるが、発光デバイス1a、1b、1cとして、発光中心波長が360nm、380nm、640nmの3個の発光ダイオードを用い、受光デバイス2として発光中心波長880nmの発光ダイオードを用いる点で相違する。
ここで、発光デバイスとして上記3つの発光中心波長の発光ダイオードを選択した理由について説明する。一般に競馬用馬券や競輪用車券等の有価券は、偽物との区別を容易にするために、蛍光物質が表面に塗られたり、紙の内部に混入されている場合がある。この蛍光物質は、ステルスインクと呼ばれている。そのため、このような有価券に紫外線を当て、紫や青色の蛍光をみて、有価券の真贋を判別できる。そこで、紫外線の吸収を評価するために、発光デバイス1a、1b、1cとして、発光中心波長が360nm、380nm、640nmの3個の発光ダイオードを用い、受光デバイス2として発光中心波長880nmの発光ダイオードを用いた。ここで、波長640nmが基準波長である。参照用の被検体として、通常の白紙、白紙に蛍光物質を塗布した模擬券1及び模擬券2を用いた。
上記3種類の参照用の白紙、模擬券1及び模擬券3を用いて、被検体の有価券の評価を以下のようにして行った。
(a)まず、アルミ箔を被検体として、評価を行った。
(b)次いで、アルミ箔による評価値に対する相対値として、上記3種の白紙、模擬券1及び模擬券2を評価した。その結果、3波長(360nm、380nm、640nm)に対する値は、通常の白紙(0.4、0.5、0.7)、模擬券1(0.2、0.2、0.7)、模擬券2(0.1、0.2、0.7)となった。
(c)そこで、未知の有価券を被検体として評価して得られた結果について、上記数値の組み合わせと比較することにより、被検体の有価券が上記3種類のいずれかである場合には同定できる。あるいはそのいずれでもないこと、すなわち真正の有価券ではないことが判別できる。これによって、有価券の真贋の警報を出したり、あるいは有価券の発行場所を表示することができる。また、この状態評価装置を判別装置と組み合わせて有価券の自動真贋判別装置を作製できる。
なお、有価券はカラーインクで印字されているので、カラーインクやステルスインクが吸収しない波長を基準波長とするのが好ましい。また、この状態評価装置を携帯型の構成として、手やロボットによって有価券に押し当てるようにして一つ一つの有価券を識別しても良い。あるいは、状態評価装置をテーブル等に固定しておき、プラスチックを状態評価装置に押し当てて評価してもよい。
実施例3.
本発明の実施例3では、本発明に係る状態評価装置を用いて、植物の葉の評価を行った例について説明する。ここで用いた状態評価装置は、実施の形態1に係る状態評価装置と実質的に同一の構成であるが、発光デバイス1a、1b、1c、1dとして、発光中心波長が380nm、540nm、640nm、670nmの4個の発光ダイオードを用い、受光デバイス2として発光中心波長880nmの発光ダイオードを用いる点で相違する。
ここで、発光デバイスとして上記4つの発光中心波長の発光ダイオードを選択した理由について説明する。一般に植物の葉の多くはクロロフィル(葉緑素)のために緑色に見えるが、これは、670nm付近に吸収ピークを持つためである。クロロフィルは、植物にとって重要な光合成を行うとき最初に光エネルギーを吸収する重要な役割を果たしている。そこで、葉の中のクロロフィルの量を評価できれば、その植物の生育状態を判断できる。クロロフィルは、紫外領域の光も広く吸収する。そこで、紫外領域の光及び波長670nmの光の吸収を評価するために、発光デバイス1a、1b、1c、1dとして、発光中心波長が380nm、540nm、640nm、670nmの4個の発光ダイオードを用い、受光デバイス2として発光中心波長880nmの発光ダイオードを用いた。この実施例3では、穂が出る頃の元気よく生育している稲の葉(葉1)、いもち病にかかっている黄緑色の稲の葉(葉2)、株から脱落して枯れた稲の葉(葉3)を参照用の被検体とした。
上記3種類の参照用の稲の葉(葉1、葉2、葉3)を用いて、被検体の稲の葉の評価を以下のようにして行った。
(a)ここでは、アルミ箔ではなく、波長540nmの光に対する反射光を受光した際に受光デバイス2から出力される電気信号の値を測定し、これを基準値とした。
(b)上記の波長540nmの光に対する基準値についての相対値として、上記3種類の参照用の稲の葉を評価した。その結果、3波長(380nm、640nm、670nm)に対する値は、それぞれ葉1(0.3、0.8、0.3)、葉2(0.6、0.9、0.7)、葉3(0.8、0.8、0.7)となった。このことから、クロロフィルによる光吸収量の大きい順番は、大きい側から、葉1、葉2、葉3であることがわかった。
(c)そこで、未知の稲の葉を被検体として評価した得られた結果について、上記数値の組み合わせと比較することによって、被検体の稲の葉が上記3種類のいずれに近いか判定できる。これによって、簡易な方法で、被検体の稲の葉の生育状態を評価することができた。
なお、発光中心波長が670nmの発光ダイオードに代えて、発光中心波長680nmの発光ダイオードを用いてもよい。また、他の波長の発光ダイオードについても、上記波長近辺(概ね±20nm)の発光ダイオードを用いることができる。
また、この状態評価装置と情報機器(携帯端末、携帯電話、パソコン、インターネット経由で接続されたコンピュータ)とを接続または融合してもよい。また、状態評価装置自体にマイコンやメモリを配置して、日々の生育状態を記録したり、植物の病気の診断を行ったり、施肥指示を行ったり、またこれらの診断や指示を、他の温度や湿度などの環境情報と合わせてより綿密に行う農林業支援システムや庭園管理システムなどを構築できる。なお、この状態評価装置に加えて、気温、土温、湿度、風速、水位、土壌中の肥料成分濃度、土壌中の水分、土壌中の有害物質の濃度などのセンサからの情報などを含め総合的な判断から農業支援システムを構築できる。
なお、本発明に係る状態評価装置は、上記各実施例に挙げた例に限られず、他にも多くの用途に利用できる。例えば、本発明に係る状態評価装置で牛肉、豚肉、及びマグロ肉等の表面色を評価することによってその鮮度を低コストで評価できる。すなわち、牛肉や豚肉やマグロ肉などの赤色は肉中のヘムタンパク質の色である。これらの鮮度が落ちると、黒くなる。そこで、ヘムタンパク質の吸収ピークである波長420nmや波長550nmの吸収ピークをそれらの波長の光を発する発光ダイオードを用いて評価することによって、肉類の鮮度を簡易に調べることができる。なお、ヘムタンパク質の代わりに評価対象をクロロフィルとすることにより野菜の鮮度評価もできる。
また、本発明に係る状態評価装置で車の塗料や衣服の染料の色を低コストで評価できる。車などの塗料や衣服の染料は人の視覚では同じ色でも微妙に異なる様々な色がある。定格どおり塗装ができているかどうかなどの判断を簡易に行うことのできる評価装置を構成できる。この場合には、事前に反射スペクトル計などで紫外線領域から赤外線領域までの波長の光吸収を調べておき、この波長に合わせた発光ダイオードを選択して用いて、色の判定を行う。
さらに、本発明に係る状態評価装置をブランド品などの真贋評価にも用いることができる。この場合、ブランド品の本物の表面情報は、予め本装置内のメモリに蓄えておいてもよく、あるいは、インターネット等を介して外部の情報源にアクセスすることによって得てもよい。上記の本物の表面情報と、この状態評価装置で得た情報とを比較することにより、ブランド品の真贋評価を行うことができる。
あるいは、本発明に係る状態評価装置で果物や野菜の表面色を評価することによってその出荷時期を低コストで判断できる。果物や野菜は熟すと赤や紫などに色づくものがある。これはアントシアニン系の色素が多い。また、花のつぼみも開花が近づくと緑色から変化していく。農業者にとって、果物や花をいつ出荷するかの判断は非常に重要であるが、これまでは経験に頼っていた。そこで、出荷時期に近づいてきたときに増えてくる色素の反射スペクトルを調べておき、この波長に合わせた発光ダイオードを選択して表面情報評価装置に導入して、果物やつぼみの色の判定を行う。これにより、適した出荷時期の判定を容易に行うことができる。
さらに、本発明に係る状態評価装置で人の皮膚色を評価して健康状態を低コストで判断できる。人は、健康でないときや、アルコールの影響などで、顔色が変わるように、皮膚色は健康状態の指標となる。そこで、各個人の健康状態と皮膚反射スペクトルをこの装置でメモリに入れておき、気になるときに皮膚評価をこの装置で行えば、健康管理を容易に行うことができる。皮膚を通した血液評価にも応用できる。
またさらに、本発明に係る状態評価装置によってpH試験紙や尿糖試験紙等の色を低コストで評価できる。pH試験紙や尿糖試験紙は、測定する物質の濃度によって色が変化するので、その色を基準色の印刷された紙(カラーチャート紙)の色と比較することにより、測定する物質の濃度を知ることができる。これまでは、目視で評価するか、高価な機械を用いて評価していたが、カラーチャート紙は印刷のために正しい色を表現していない場合があった。そこで、基準色の情報を予めメモリに入れておき、試験紙の表面色を本発明に係る状態評価装置で評価して、基準色の情報と比較することにより、より正確な物質の濃度を評価できる。
本発明の実施の形態1に係る状態評価装置の構成を示す概略図である。 図1の発光デバイス及び受光デバイスと被検体との位置関係を示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係る状態評価装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態3に係る状態評価装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態4に係る状態評価装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態4に係る状態評価装置の別例の構成を示す概略図である。 本発明の実施例2に係る状態評価装置による参照用の白紙、模擬券1及び模擬券2の反射率の波長に対する関係を示すグラフである。 状態評価装置を携帯電話に組み込んだ構成を示す概略図である。
符号の説明
1a、1b 発光デバイス、2 受光デバイス、3 被検体、4 固定用治具、5 位置決め用治具、6 制御部、7、枠、8 反射板、10、10a、10b、10c、10d 状態評価装置、11、11a、11b、11c 白色光発光デバイス、12a、12b バンドパスフィルタ、13a、13b、13c シャッタ、20 携帯電話

Claims (10)

  1. 被検体に第1波長の光を照射する第1発光デバイスと、
    前記被検体に前記第1波長と異なる第2波長の光を照射する第2発光デバイスと、
    前記被検体からの反射光又は透過光を受光して電気信号を出力する受光デバイスと、
    前記第1発光デバイスから前記被検体に前記第1波長の光を照射し、前記受光デバイスで前記被検体からの反射光又は透過光を受光して出力される第1電気信号を観測し、前記第2発光デバイスから前記被検体に前記第2波長の光を照射し、前記受光デバイスで前記被検体からの反射光又は透過光を受光して出力される第2電気信号を観測し、前記第1電気信号と前記第2電気信号とに基づいて前記被検体の状態を評価する制御部と
    を備えることを特徴とする状態評価装置。
  2. 前記受光デバイスは、電圧を印加することによって前記第1波長及び前記第2波長より長波長の光を発光する発光ダイオードとして機能することを特徴とする請求項1に記載の状態評価装置。
  3. 前記第1発光デバイス及び前記第2発光デバイスの少なくとも一方は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1又は2に記載の状態評価装置。
  4. 前記第1発光デバイス及び前記第2発光デバイスの少なくとも一方は、エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の状態評価装置。
  5. 前記第1発光デバイス、前記第2発光デバイス、及び前記受光デバイスは、前記第1及び第2発光デバイスからの光を前記被検体で反射し、前記被検体からの反射光を前記受光デバイスで受光するように配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の状態評価装置。
  6. 前記第1発光デバイス、前記第2発光デバイス、及び前記受光デバイスは、前記第1及び第2発光デバイスからの光が前記被検体を透過し、前記被検体からの透過光を前記受光デバイスで受光するように配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の状態評価装置。
  7. 前記第1発光デバイス、前記第2発光デバイス、及び前記受光デバイスの前記被検体に対する相対位置を変化させる位置決め治具をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の状態評価装置。
  8. 前記第1発光デバイス及び前記第2発光デバイスの少なくとも一方の発光中心波長が紫外線領域または赤外線領域であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の状態評価装置。
  9. 前記第1発光デバイス及び前記第2発光デバイスの少なくとも一方の発光中心波長が670〜690nmの範囲であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の状態評価装置。
  10. ネットワークと接続可能であって、前記ネットワークを介して外部と情報交換を行う情報処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の状態評価装置。
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