JP3585786B2 - 有機材料の材質判別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機材料の材質を光学的な手法により迅速に判別するための装置に関し、特に、廃プラスチックの材質を判別し、材質ごとに分別することによって、材質に適したリサイクル処理法および廃棄処理法を採用するための、小型軽量で故障し難い安価な材質判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、廃プラスチックの分別を目的とした材質識別法において、非接触で簡便に計測できる方法として、試料に波長0.8〜2.5μmの近赤外線を照射し、試料からの反射光または透過光のスペクトルから材質を識別する方法が注目され、この方法を用いる各種の判別・識別・分別装置が提案されている。これらの装置は、基本的には、従来の分析技術を、廃プラスチックの分別を目的とした材質識別装置に応用したものであるが、小型軽量の可搬型で、迅速な判別が可能な装置も開発されている。
【0003】
例えば、オプト技研株式会社は、光源からの白色光を音響光学素子を用いて高速分光してスキャンし、試料からの反射光を受光して得られた詳細なスペクトルを多変量解析して判別する装置を開発している。この装置は、可動部分がなくスペクトルを瞬時に得ることができ、各種の材質に対応できるという特徴を有するが、音響光学素子が非常に高価であるため装置全体が高価となる。
【0004】
また、東亜電波工業株式会社は、光源からの白色光を試料にあて、試料からの反射光を回折格子を用いて分光し、アレイセンサで受光して得られる近似スペクトルを用いて判別する装置を開発している。この装置は、瞬時に近似スペクトルが得られる特徴があるが、試料からの反射光を平行光にして回折格子に導く必要があるため、光路長が長く大幅な小型化は困難であり、長い光路のために光強度が減衰し、受光の感度が十分でなくなる。
【0005】
また、特開平9−304275号公報には、高価な部品を使用せず、簡便な装置として、光源からの白色光を試料にあて、試料からの反射光または透過光をプラスチックの分子構造に関連して定まる複数の波長域の光を透過させる複数のバンドパスフィルタに入射させ、これらのバンドパスフィルタを透過する光を受光する受光素子を有する識別装置が開示されている。この装置は、複数のバンドパスフィルタからなるホイールを回転させて、順次、各波長域の光強度を得るため、測定に時間がかかり、また、可動部分を有するため、故障を生じやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高価な部品を使用せず、材質判別のための元信号の測定に要する時間を極めて短くし、可動部分を使用せず、装置内の光路長を比較的短くする、という課題を解決することによって、安価で、迅速な判別が可能で、故障しにくい小型軽量の有機材料の材質判別装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、試料に光を照射する光源部と、前記試料からの反射光あるいは透過光をそれぞれ個別のフィルタを介して受光する複数の受光素子を有するよりなる受光部と、前記受光素子が出力する光強度信号を増幅変換する信号処理部とを具備することを特徴とする有機材料の材質判別装置を構成する。
【0008】
有機材料は、その分子構造に応じて、波長0.8〜2.5μmの近赤外線に対して、それぞれ固有の分光吸収特性を示すので、上記の装置において、たとえば、上記のフィルタ(上記の受光素子が複数個あるので、フィルタも複数枚ある)の透過光波長域を目的に応じて選択しておくことによって、それぞれのフィルタを透過した光の強度から、試料がどのような有機物からなるかを知ることができる。本発明に係わる有機材料の材質判別装置において、試料からの反射光を材質判別に用いる場合があるが、その反射光には、試料の内部に入ってから試料と空気との界面で反射されて、入射側に戻ってくる光も含まれているので、このような反射光を用いて、上記の材質判別を行うことができる。
【0009】
本発明に係わる有機材料の材質判別装置は、前記特開平9−304275号公報に開示されている有機材料の材質判別装置とは、受光部に複数の受光素子が設置されている点と、各受光素子の光入射側に各種波長域の光を透過させるフィルタが、それぞれ各受光素子に対応して設置されている点において異なる。
【0010】
本発明に係わる有機材料の材質判別装置は、上記のように構成されているので、有機物の材質判別に使用する各波長域の光強度を瞬時に計測することができ、迅速な判別が可能となる。また、各フィルタは、各受光素子の位置に対して一定の位置に固定されており、フィルタの回転機構等の可動部分がないため、故障し難いという利点がある。さらに、装置内の光路を短くすることが可能であり、これによって、受光高感度の向上が可能となり、材質判別の精度が向上する。しかも、特に高価な部品を必要としないので、装置全体を安価に構成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0012】
図1は、参考例1を説明する図である。
【0013】
図1において、1は光源部、2は判別対象の試料、3は特定の波長域の光を透過させるバンドパスフィルタ、4は受光素子、5はバンドパスフィルタ3と受光素子4との複数対を有する受光部、6は各受光素子が出力する光強度信号を増幅変換する信号処理部、7は信号処理部6の出力に基づいて材質識別のための演算を行い、その結果を表示する演算・表示部、8は透過光による測定を行う場合に用いる光源部である。
【0014】
光源部1からの光は判別対象の試料2に照射され、試料2からの反射光はバンドパスフィルタ3に入射し、それを透過した光が受光素子4に入り、受光素子4はその光強度に応じた光強度信号を出力する。その光強度信号は、受光素子4と電気的に接続された信号処理部6において増幅され、必要に応じてAD変換された後、演算・表示部7において材質判別のための演算処理が行われ、材質の判別結果が表示される。なお、試料2の裏面からの光を照射し、試料2を透過した光について測定を行う場合には光源8を用いる。
【0015】
次に、参考例1の構成要素について、詳細に説明する。
【0016】
(光源部)
光源部1の光源としては、一般には、ハロゲンランプ、タングステンランプ等が使用される。また、光源部には、光源の光を強度変調する光強度変調手段を具備することが望ましい。光強度変調手段としては、外部変調手段として機械的な光チョッパや可動部分のない液晶光チョッパ等がある。また、光源自体を電気的に内部変調することも可能である。参考例1の光源部の光の強度を変調することによって、後段の信号処理部6において、試料からの反射光あるいは透過光の信号を増幅する際に、変調周波数の信号のみを増幅することが可能となり、屋外等の非常に明るい場所で判別装置を使用する場合でも、外光の影響を受け難いという利点がある。
【0017】
(フィルタ)
バンドパスフィルタ3は、一般には、誘電体多層膜あるいは金属薄膜からなる干渉フィルタからなる。また、バンドパスフィルタは、通常、いくつかのフィルタを組み合せて構成される。ここで、バンドパスフィルタの構成を図2を用いて説明する。
【0018】
一般にバンドパスフィルタは、図2の(a)に示す様な光透過特性を示すバンドパス中心フィルタに、受光素子の感度波長領域に従って決定される、ロングパス(長波長透過)フィルタ(その特性を図2の(b)に示す)およびショートパス(短波長透過)フィルタ(その特性を図2の(c)に示す)を張り合わせた構造となっており、全体として、受光素子の感度波長領域においてバンドパスフィルタ(その特性を図2の(d)に示す)として作用する。
【0019】
参考例1のバンドパスフィルタは、必ずしも、上記のようにバンドパス中心フィルタとロングパスフィルタおよびショートパスフィルタを張り合わせた一体構造となっている必要はない。すなわち、複数の波長域に対して各1種類のロングパスフィルタおよびショートパスフィルタで対応可能であれば、これらのフィルタは、光源部と受光部の間の任意の位置に設置することができる。これによって、装置設計の自由度が増し、装置の小型化、要素フィルタの枚数の低減、低価格化が可能となる。このような実施の形態の構成例を図3に示す。この図の例では、各1枚のロングパスフィルタ9とショートパスフィルタ10が、光源部1と試料2の間に設置され、複数のバンドパス中心フィルタ11が複数の受光素子4の前面に設置されいる。光源部1からの光は、この3枚のフィルタを透過して受光素子4に入射するから、全体として、図1に示した場合と同等のフィルタ効果が得られる。
【0020】
(受光素子)
受光素子4としては、一般に、InGaAs、PbS、PbSe等の受光素子が使用される。また、参考例1の装置に使用される複数の受光素子は、必ずしも個別に分離された受光素子である必要はなく、1枚の基板上に複数の受光部が形成された形のものであっても良い。
【0021】
(信号処理部)
各受光素子4が出力する光強度信号は、信号処理部6において増幅された後、必要に応じAD変換される。その後、演算・表示部7において材質判別のための演算処理が行われ、演算処理による材質の判別結果が表示される。信号処理部6の電子回路には、従来の技術を適用できる。なお、材質判別のための演算処理方法については、判別対象の材質およびその種類等により、必要に応じて適切な方法を採用できる。
【0022】
【実施例】
参考例2の構成を図4に示す。
【0023】
参考例2においては、図4の(a)に示した様に、試料2からの反射光を測定する構成とした。光源部1の光源には、集光レンズ付きのタングステンランプ13を使用した。また、光源部の光強度変調手段として、図4の(b)に示す様に、機械的な光チョッパ14を設置し、光源からの光を周期的に断続させて、試料2に照射した。試料2としては、黒色ではない各種のプラスチック板を用いた。また、試料2の背面には、透明および半透明の試料からの反射光を測定するために、試料によらず常時、白色のセラミック板12を設置した。このセラミック板12は、試料の材質判別に有効な、試料からの透過光を反射して受光部5の方向に向かわせ、試料の材質判別に役立てる効果をもつ。試料からの反射光を透過させるバンドパスフィルタ3としては、透過波長域の異なる9個のバンドパスフィルタを図4の(c)に示したように設置して用いた。これらの、バンドパスフィルタは、いずれも、バンドパス中心フィルタにロングパスフィルタとショートパスフィルタが張り合わせて一体構造としたものである。9個のバンドパスフィルタの透過波長域は、主なプラスチックの近赤外線吸収スペクトル(図5に示す)を参考にして、波長1.5μm〜2.0μmの範囲で、判別に適した9波長域を選択した。使用した9個のバンドパスフィルタの透過波長域の半値幅は、いずれも約0.01μmであった。
【0024】
バンドパスフィルタ3を透過した光を受光する受光素子4としては、各バンドパスフィルタ3の背面に各1個のPbS受光素子を設置し、合計9個の受光素子を使用した。信号処理部6では、各受光素子4が出力する光強度信号が増幅され、アナログ信号からデジタル信号に変換(AD変換)される。信号処理部6の元信号増幅回路は、外光の影響を受け難いようにするため、主に、光源部の光強度変調周波数に対応する信号のみを増幅する回路とした。信号処理部6で処理された元信号は、RS232Cケーブルを介して、演算・表示部7に送られ、予め設定した判別アルゴリズムに従って判別のための演算処理が行われ、判別結果が表示される。参考例2では、演算・表示部7としてパーソナル計算機を使用した。
【0025】
次に、参考例2の判別装置を用いて、未知プラスチック試料の材質を判別することによって、判別性能を評価した手順について説明する。
【0026】
まず、参考例2の判別装置を用いた検討に先立ち、分光光度計を用いて各種プラスチックの近赤外吸収スペクトルを測定して詳細な検討を行い、各材質を特徴付けるデータの抽出方法と判別アルゴリズムを決定した。
【0027】
参考例2の判別装置を用いた検討では、判別対象のプラスチックは、下記の6種類の材質とした。
【0028】
PE:ポリエチレン
PP:ポリプロピレン
PVC:ポリ塩化ビニル
PS:ポリスチレン
ABS:アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂
PET:ポリエチレンテレフタレート
これら6種類の材質のプラスチックについて、各材質を特徴付けるデータを抽出するためのデータべース用試料として、PETについては10枚、その他の材質については各20枚、合計110枚を用意した。これらの試料は、各々、色、表面状態、厚さ、樹脂グレード等が異なるものである。なお、黒色の試料は、光の反射強度が弱いため、これらデータべース用試料には含まれていない。また、データべース用試料とは別に、各材質について判別性能の評価用として、各材質の未知試料(材質は、別途、赤外線吸収スペクトルで確認した。)を各5枚、合計30枚を用意した。用意したデータべース用試料110枚について、参考例2の判別装置を用いて、反射光データを測定し、先に分光光度計を用いた検討によって決定した方法に従って、各材質を特徴付けるデータを抽出し、パーソナルコンピュータに保存した。このデータを用い、先に決定したアルゴリズムに従って材質を判別し、結果を画面に表示する判別ソフトを作成して、パーソナルコンピュータにセットした。 以上の事前準備の後に、参考例2の判別装置に未知試料をセットし、計測・判別した。すなわち、計測したデータと、事前に計測し材質の特徴を抽出したデータと比較することによって、材質を判別し、結果を画面に表示した。未知試料30枚について、参考例2の装置で判別した結果は、30枚を全て正しく判別した
【0029】
次に、参考例2の判別装置の判別性能に対する、外光の影響について説明する。参考例2の判別装置の試料部は装置筐体の外にあり、外部環境の光が直接当る構造となっている。前述のデータべース用試料の測定および未知試料の測定は、蛍光灯で照明された室内で実施した。蛍光灯で照明された室内でデータベース用試料の測定を行い、そのデータを用いた判別ソフトをセットした後、未知試料の測定・判別を、蛍光灯を消灯した室内および明るい屋外の環境で実施した。その結果、いずれの環境でも、未知試料30枚を全て正しく判別した。すなわち、光源部の光を変調し、信号処理部で変調周波数の元信号のみ増幅することにより、外光の影響を受け難い材質判別装置を実現できることが確認できた。
【0030】
なお、参考例2上記実施例においては、受光部のフィルタはすべてバンドパスフィルタであったが、これ以外の種類のフィルタ、たとえば、図3におけるバンドパスフィルタ11を使用しても、有機材料の材質判別装置を構成することができる。
【0031】
本発明においては、判別対象となるプラスチックのフィルムを受光部のフィルタとして使用して本発明に係わる有機材料の材質判別装置を構成するその場合には、判別対象となるプラスチックの全てをフィルム状に成形し、それぞれを別々の受光素子の前面にフィルタとして設置する。これらのプラスチックフィルムのうちの1枚の材質が試料の材質と一致したとすると、そのフィルムの光透過率スペクトルと、試料からの反射光あるいは透過光のスペクトルとが同じ形ないしは非常に似た形をもっているから、この光に対するこのフィルムの透過率が他のフィルムに較べて高くなるから、これによって、試料の材質を判別することができる。
【0032】
この、プラスチックフィルムをフィルタとして用いた場合について、さらに詳しく説明する。
【0033】
この場合に、図3に示したように、光源部1と試料2との間にロングパスフィルタ9とショートパスフィルタ10とを設置して、試料に入射する光の波長に下限(これをaとする)と上限(これをbとする)とがあるようにする。さらに、フィルタの分光透過率(透過率スペクトル)を
f(x)(ここに、x は光の波長とする)
としたときに、フィルタの厚さを調節して、下記の積分が、すべてのフィルタについて同じ値になるようにしておく。すなわち、下記の式が成立するようにしておく。
【0034】
【数1】
Figure 0003585786
【0035】
ここで、区間:a≦x≦bにおいて0≦g(x)となるような関数を任意にとると、下記のシュワルツの不等式が成立する。
【0036】
【数2】
Figure 0003585786
【0037】
式(2)の両辺の平方根をとれば、
【0038】
【数3】
Figure 0003585786
【0039】
となる。
【0040】
ここで、いままで任意としていた関数g(x)を、試料からの反射光あるいは透過光のスペクトルであるとすると、式(4)の左辺はフィルタを透過した光の強度となる。
【0041】
同じ試料については、式(4)の右辺は、式(1)によって、一定であることが分かる。そこで、上記のシュワルツの不等式(2)によれば、式(4)の左辺、すなわち、フィルタを透過した光の強度は、式(3)が成立するとき、すなわち、(フィルタの材質と試料の材質とが一致していて)フィルタの透過率スペクトルと、試料からの反射光あるいは透過光のスペクトルとが同じ形をもつときに最大となる。式(3)が厳密には成立していない場合でも、フィルタの材質と試料の材質とが一致していれば、f(x)の形とg(x)の形とは非常に似ているはずであるから、式(4)の左辺、すなわち、フィルタを透過した光の強度は、他のフィルタの場合に較べて大きな値となっているはずである。したがって、本有機材料の材質判別装置においては、試料の材質は、最大の光強度信号を出力している受光素子の前面にあるフィルタの材質と同じである、と判定してよい。
【0042】
以上が、判別対象となるプラスチックのフィルムを受光部のフィルタとして使用して本発明に係わる有機材料の材質判別装置を構成することができることについての説明である。この場合の有機材料の材質判別装置における特徴は、フィルタの原価がきわめて安価であることと、材質判別のアルゴリズムがきわめて単純になることである。
【0043】
本発明に係わる有機材料の材質判別装置は、プラスチックの材質を判別することのみならず、広く、有機材料の材質を判別することにも利用できることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】
本発明にもとづく有機材料の材質判別装置は、音響光学素子等の高価な部品を使用しないために、安価に提供することが可能となる。また、複数のフィルタに対して、それぞれのフィルタを透過した光を複数の受光素子で同時に受光するため、判別に必要な複数の波長域の元信号を瞬時に計測することが可能となり、その結果、迅速な材質判別が可能となる。また、複数のフィルタは、各々、複数の受光素子と一定の相対位置関係にあるように固定されており、可動部分がないため、故障の少ない装置とすることができる。さらに、光源部に光変調手段を具備させることにより、屋外等の非常に明るい場所で使用する場合でも、外光の影響を受け難い判別装置とすることができる。さらに、参考例1及び2のバンドパスフィルタ部のバンドパスフィルタは、必ずしも、バンドパス中心フィルタとロングパスフィルタおよびショートパスフィルタを張り合わせた一体構造となっている必要はなく、このため、装置設計の自由度が増し、装置の小型化や低価格化が容易となる。
【0045】
以上説明したように、本発明にもとづく有機材料の材質判別器は、安価で、迅速な判別が可能で、小型軽量の故障しにくい材質判別装置であって、現場での迅速判別を必要とする産業分野において極めて利用価値の高いものである。特に、本発明にもとづく有機材料の材質判別装置を、廃プラスチックの材質を判別し、材質に適したリサイクル処理法を選択するための材質判別装置として使用すれば、社会的要請の強い、廃プラスチックのリサイクルを推進する上で、有効な技術的手段となり、その価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1の構成を説明する図である。
【図2】各種フィルタの分光透過率を示す図である。
【図3】光源部と試料との間にフィルタを挿入する参考例1の構成を説明する図である。
【図4】参考例2の構成を説明する図である。
【図5】各種プラスチックの近赤外線吸収スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1…光源部、2…試料、3…バンドパスフィルタ、4…受光素子、5…受光部、6…信号処理部、7…演算・表示部、8…光源部、9…ロングパスフィルタ、
10…ショートパスフィルタ、11…バンドパス中心フィルタ、12…セラミック板、13…タングステンランプ、14…光チョッパー。

Claims (4)

  1. 試料に光を照射する光源部と、前記試料からの反射光あるいは透過光をそれぞれ個別のフィルタを介して受光する複数の受光素子を有する受光部と、前記受光素子が出力する光強度信号を増幅変換する信号処理部とを具備する有機材料の材質判別装置において、前記フィルタが判別対象となるプラスチックのフィルムよりなるフィルタであり、前記フィルタの波長xの光に対する透過率をf ( x)としたとき、f ( ) の2乗を波長xについて前記試料に入射する光の波長の下限aから前記試料に入射する光の波長の上限bまで積分して得る値が、すべての前記フィルタについて同じ値になっていることを特徴とする有機材料の材質判別装置。
  2. 前記光源部に光強度変調手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の有機材料の材質判別装置。
  3. 前記光源部から前記試料に至る光の通路あるいは前記試料から前記受光部に至る光の通路にロングパスフィルタとショートパスフィルタとを具備していることを特徴とする請求項1またはに記載の有機材料の材質判別装置。
  4. 前記試料の背面に白色セラミック板を具備することを特徴とする請求項1、2または3に記載の有機材料の材質判別装置。
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