JP2001108617A - 有機材料の材質判別装置 - Google Patents

有機材料の材質判別装置

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JP2001108617A JP29075999A JP29075999A JP2001108617A JP 2001108617 A JP2001108617 A JP 2001108617A JP 29075999 A JP29075999 A JP 29075999A JP 29075999 A JP29075999 A JP 29075999A JP 2001108617 A JP2001108617 A JP 2001108617A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高価な部品を使用せず、材質判別のための元信
号の測定に要する時間を極めて短くし、可動部分を使用
せず、装置内の光路長を比較的短くする、という課題を
解決することによって、安価で、迅速な判別が可能で、
故障しにくい小型軽量の有機材料の材質判別装置を提供
すること。 【解決手段】試料2に光を照射する光源部1と、試料2
からの反射光あるいは透過光をそれぞれ個別のバンドパ
スフィルタ3を介して受光する複数の受光素子4を有す
る受光部5と、受光素子4が出力する光強度信号を増幅
変換する信号処理部6とを具備する有機材料の材質判別
装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機材料の材質を
光学的な手法により迅速に判別するための装置に関し、
特に、廃プラスチックの材質を判別し、材質ごとに分別
することによって、材質に適したリサイクル処理法およ
び廃棄処理法を採用するための、小型軽量で故障し難い
安価な材質判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、廃プラスチックの分別を目的とし
た材質識別法において、非接触で簡便に計測できる方法
として、試料に波長0.8〜2.5μmの近赤外線を照
射し、試料からの反射光または透過光のスペクトルから
材質を識別する方法が注目され、この方法を用いる各種
の判別・識別・分別装置が提案されている。これらの装
置は、基本的には、従来の分析技術を、廃プラスチック
の分別を目的とした材質識別装置に応用したものである
が、小型軽量の可搬型で、迅速な判別が可能な装置も開
発されている。
【0003】例えば、オプト技研株式会社は、光源から
の白色光を音響光学素子を用いて高速分光してスキャン
し、試料からの反射光を受光して得られた詳細なスペク
トルを多変量解析して判別する装置を開発している。こ
の装置は、可動部分がなくスペクトルを瞬時に得ること
ができ、各種の材質に対応できるという特徴を有する
が、音響光学素子が非常に高価であるため装置全体が高
価となる。
【0004】また、東亜電波工業株式会社は、光源から
の白色光を試料にあて、試料からの反射光を回折格子を
用いて分光し、アレイセンサで受光して得られる近似ス
ペクトルを用いて判別する装置を開発している。この装
置は、瞬時に近似スペクトルが得られる特徴があるが、
試料からの反射光を平行光にして回折格子に導く必要が
あるため、光路長が長く大幅な小型化は困難であり、長
い光路のために光強度が減衰し、受光の感度が十分でな
くなる。
【0005】また、特開平9−304275号公報に
は、高価な部品を使用せず、簡便な装置として、光源か
らの白色光を試料にあて、試料からの反射光または透過
光をプラスチックの分子構造に関連して定まる複数の波
長域の光を透過させる複数のバンドパスフィルタに入射
させ、これらのバンドパスフィルタを透過する光を受光
する受光素子を有する識別装置が開示されている。この
装置は、複数のバンドパスフィルタからなるホイールを
回転させて、順次、各波長域の光強度を得るため、測定
に時間がかかり、また、可動部分を有するため、故障を
生じやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高価
な部品を使用せず、材質判別のための元信号の測定に要
する時間を極めて短くし、可動部分を使用せず、装置内
の光路長を比較的短くする、という課題を解決すること
によって、安価で、迅速な判別が可能で、故障しにくい
小型軽量の有機材料の材質判別装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、試料に光を照射する光源部と、
前記試料からの反射光あるいは透過光をそれぞれ個別の
フィルタを介して受光する複数の受光素子を有するより
なる受光部と、前記受光素子が出力する光強度信号を増
幅変換する信号処理部とを具備することを特徴とする有
機材料の材質判別装置を構成する。
【0008】有機材料は、その分子構造に応じて、波長
0.8〜2.5μmの近赤外線に対して、それぞれ固有
の分光吸収特性を示すので、上記の装置において、たと
えば、上記のフィルタ(上記の受光素子が複数個あるの
で、フィルタも複数枚ある)の透過光波長域を目的に応
じて選択しておくことによって、それぞれのフィルタを
透過した光の強度から、試料がどのような有機物からな
るかを知ることができる。本発明に係わる有機材料の材
質判別装置において、試料からの反射光を材質判別に用
いる場合があるが、その反射光には、試料の内部に入っ
てから試料と空気との界面で反射されて、入射側に戻っ
てくる光も含まれているので、このような反射光を用い
て、上記の材質判別を行うことができる。
【0009】本発明に係わる有機材料の材質判別装置
は、前記特開平9−304275号公報に開示されてい
る有機材料の材質判別装置とは、受光部に複数の受光素
子が設置されている点と、各受光素子の光入射側に各種
波長域の光を透過させるフィルタが、それぞれ各受光素
子に対応して設置されている点において異なる。
【0010】本発明に係わる有機材料の材質判別装置
は、上記のように構成されているので、有機物の材質判
別に使用する各波長域の光強度を瞬時に計測することが
でき、迅速な判別が可能となる。また、各フィルタは、
各受光素子の位置に対して一定の位置に固定されてお
り、フィルタの回転機構等の可動部分がないため、故障
し難いという利点がある。さらに、装置内の光路を短く
することが可能であり、これによって、受光高感度の向
上が可能となり、材質判別の精度が向上する。しかも、
特に高価な部品を必要としないので、装置全体を安価に
構成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を参照して説明する。
【0012】図1は、本発明の実施の形態を説明する図
である。
【0013】図1において、1は光源部、2は判別対象
の試料、3は特定の波長域の光を透過させるバンドパス
フィルタ、4は受光素子、5はバンドパスフィルタ3と
受光素子4との複数対を有する受光部、6は各受光素子
が出力する光強度信号を増幅変換する信号処理部、7は
信号処理部6の出力に基づいて材質識別のための演算を
行い、その結果を表示する演算・表示部、8は透過光に
よる測定を行う場合に用いる光源部である。
【0014】光源部1からの光は判別対象の試料2に照
射され、試料2からの反射光はバンドパスフィルタ3に
入射し、それを透過した光が受光素子4に入り、受光素
子4はその光強度に応じた光強度信号を出力する。その
光強度信号は、受光素子4と電気的に接続された信号処
理部6において増幅され、必要に応じてAD変換された
後、演算・表示部7において材質判別のための演算処理
が行われ、材質の判別結果が表示される。なお、試料2
の裏面からの光を照射し、試料2を透過した光について
測定を行う場合には光源8を用いる。
【0015】次に、本発明の構成要素について、詳細に
説明する。
【0016】(光源部)光源部1の光源としては、一般
には、ハロゲンランプ、タングステンランプ等が使用さ
れる。また、光源部には、光源の光を強度変調する光強
度変調手段を具備することが望ましい。光強度変調手段
としては、外部変調手段として機械的な光チョッパや可
動部分のない液晶光チョッパ等がある。また、光源自体
を電気的に内部変調することも可能である。本発明の光
源部の光の強度を変調することによって、後段の信号処
理部6において、試料からの反射光あるいは透過光の信
号を増幅する際に、変調周波数の信号のみを増幅するこ
とが可能となり、屋外等の非常に明るい場所で判別装置
を使用する場合でも、外光の影響を受け難いという利点
がある。
【0017】(フィルタ)バンドパスフィルタ3は、一
般には、誘電体多層膜あるいは金属薄膜からなる干渉フ
ィルタからなる。また、バンドパスフィルタは、通常、
いくつかのフィルタを組み合せて構成される。ここで、
バンドパスフィルタの構成を図2を用いて説明する。
【0018】一般にバンドパスフィルタは、図2の
(a)に示す様な光透過特性を示すバンドパス中心フィ
ルタに、受光素子の感度波長領域に従って決定される、
ロングパス(長波長透過)フィルタ(その特性を図2の
(b)に示す)およびショートパス(短波長透過)フィ
ルタ(その特性を図2の(c)に示す)を張り合わせた
構造となっており、全体として、受光素子の感度波長領
域においてバンドパスフィルタ(その特性を図2の
(d)に示す)として作用する。
【0019】本発明のバンドパスフィルタは、必ずし
も、上記のようにバンドパス中心フィルタとロングパス
フィルタおよびショートパスフィルタを張り合わせた一
体構造となっている必要はない。すなわち、複数の波長
域に対して各1種類のロングパスフィルタおよびショー
トパスフィルタで対応可能であれば、これらのフィルタ
は、光源部と受光部の間の任意の位置に設置することが
できる。これによって、装置設計の自由度が増し、装置
の小型化、要素フィルタの枚数の低減、低価格化が可能
となる。このような実施の形態の構成例を図3に示す。
この図の例では、各1枚のロングパスフィルタ9とショ
ートパスフィルタ10が、光源部1と試料2の間に設置
され、複数のバンドパス中心フィルタ11が複数の受光
素子4の前面に設置されいる。光源部1からの光は、こ
の3枚のフィルタを透過して受光素子4に入射するか
ら、全体として、図1に示した場合と同等のフィルタ効
果が得られる。
【0020】(受光素子)受光素子4としては、一般
に、InGaAs、PbS、PbSe等の受光素子が使
用される。また、本発明の装置に使用される複数の受光
素子は、必ずしも個別に分離された受光素子である必要
はなく、1枚の基板上に複数の受光部が形成された形の
ものであっても良い。
【0021】(信号処理部)各受光素子4が出力する光
強度信号は、信号処理部6において増幅された後、必要
に応じAD変換される。その後、演算・表示部7におい
て材質判別のための演算処理が行われ、演算処理による
材質の判別結果が表示される。信号処理部6の電子回路
には、従来の技術を適用できる。なお、材質判別のため
の演算処理方法については、判別対象の材質およびその
種類等により、必要に応じて適切な方法を採用できる。
【0022】
【実施例】本発明の一実施例の構成を図4に示す。
【0023】本実施例においては、図4の(a)に示し
た様に、試料2からの反射光を測定する構成とした。光
源部1の光源には、集光レンズ付きのタングステンラン
プ13を使用した。また、光源部の光強度変調手段とし
て、図4の(b)に示す様に、機械的な光チョッパ14
を設置し、光源からの光を周期的に断続させて、試料2
に照射した。試料2としては、黒色ではない各種のプラ
スチック板を用いた。また、試料2の背面には、透明お
よび半透明の試料からの反射光を測定するために、試料
によらず常時、白色のセラミック板12を設置した。こ
のセラミック板12は、試料の材質判別に有効な、試料
からの透過光を反射して受光部5の方向に向かわせ、試
料の材質判別に役立てる効果をもつ。試料からの反射光
を透過させるバンドパスフィルタ3としては、透過波長
域の異なる9個のバンドパスフィルタを図4の(c)に
示したように設置して用いた。これらの、バンドパスフ
ィルタは、いずれも、バンドパス中心フィルタにロング
パスフィルタとショートパスフィルタが張り合わせて一
体構造としたものである。9個のバンドパスフィルタの
透過波長域は、主なプラスチックの近赤外線吸収スペク
トル(図5に示す)を参考にして、波長1.5μm〜
2.0μmの範囲で、判別に適した9波長域を選択し
た。使用した9個のバンドパスフィルタの透過波長域の
半値幅は、いずれも約0.01μmであった。
【0024】バンドパスフィルタ3を透過した光を受光
する受光素子4としては、各バンドパスフィルタ3の背
面に各1個のPbS受光素子を設置し、合計9個の受光
素子を使用した。信号処理部6では、各受光素子4が出
力する光強度信号が増幅され、アナログ信号からデジタ
ル信号に変換(AD変換)される。信号処理部6の元信
号増幅回路は、外光の影響を受け難いようにするため、
主に、光源部の光強度変調周波数に対応する信号のみを
増幅する回路とした。信号処理部6で処理された元信号
は、RS232Cケーブルを介して、演算・表示部7に
送られ、予め設定した判別アルゴリズムに従って判別の
ための演算処理が行われ、判別結果が表示される。本実
施例では、演算・表示部7としてパーソナル計算機を使
用した。
【0025】次に、本実施例の判別装置を用いて、未知
プラスチック試料の材質を判別することによって、判別
性能を評価した手順について説明する。
【0026】まず、本実施例の判別装置を用いた検討に
先立ち、分光光度計を用いて各種プラスチックの近赤外
吸収スペクトルを測定して詳細な検討を行い、各材質を
特徴付けるデータの抽出方法と判別アルゴリズムを決定
した。
【0027】本実施例の判別装置を用いた検討では、判
別対象のプラスチックは、下記の6種類の材質とした。
【0028】 PE:ポリエチレン PP:ポリプロピレン PVC:ポリ塩化ビニル PS:ポリスチレン ABS:アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂 PET:ポリエチレンテレフタレート これら6種類の材質のプラスチックについて、各材質を
特徴付けるデータを抽出するためのデータべース用試料
として、PETについては10枚、その他の材質につい
ては各20枚、合計110枚を用意した。これらの試料
は、各々、色、表面状態、厚さ、樹脂グレード等が異な
るものである。なお、黒色の試料は、光の反射強度が弱
いため、これらデータべース用試料には含まれていな
い。また、データべース用試料とは別に、各材質につい
て判別性能の評価用として、各材質の未知試料(材質
は、別途、赤外線吸収スペクトルで確認した。)を各5
枚、合計30枚を用意した。用意したデータべース用試
料110枚について、本実施例の判別装置を用いて、反
射光データを測定し、先に分光光度計を用いた検討によ
って決定した方法に従って、各材質を特徴付けるデータ
を抽出し、パーソナルコンピュータに保存した。このデ
ータを用い、先に決定したアルゴリズムに従って材質を
判別し、結果を画面に表示する判別ソフトを作成して、
パーソナルコンピュータにセットした。 以上の事前準
備の後に、本実施例の判別装置に未知試料をセットし、
計測・判別した。すなわち、計測したデータと、事前に
計測し材質の特徴を抽出したデータと比較することによ
って、材質を判別し、結果を画面に表示した。未知試料
30枚について、実施例の装置で判別した結果は、30
枚を全て正しく判別した。すなわち、本実施例の装置に
よる判別結果から、本発明によって高い判別性能を示す
材質判別装置を実現できることが確認できた。
【0029】次に、本実施例の判別装置の判別性能に対
する、外光の影響について説明する。本実施例の判別装
置の試料部は装置筐体の外にあり、外部環境の光が直接
当る構造となっている。前述のデータべース用試料の測
定および未知試料の測定は、蛍光灯で照明された室内で
実施した。蛍光灯で照明された室内でデータベース用試
料の測定を行い、そのデータを用いた判別ソフトをセッ
トした後、未知試料の測定・判別を、蛍光灯を消灯した
室内および明るい屋外の環境で実施した。その結果、い
ずれの環境でも、未知試料30枚を全て正しく判別し
た。すなわち、光源部の光を変調し、信号処理部で変調
周波数の元信号のみ増幅することにより、外光の影響を
受け難い材質判別装置を実現できることが確認できた。
【0030】なお、上記実施例においては、受光部のフ
ィルタはすべてバンドパスフィルタであったが、これ以
外の種類のフィルタ、たとえば、図3におけるバンドパ
スフィルタ11を使用して本発明に係わる有機材料の材
質判別装置を構成することができる。
【0031】さらに、例えば、判別対象となるプラスチ
ックのフィルムを受光部のフィルタとして使用して本発
明に係わる有機材料の材質判別装置を構成することもで
きる。その場合には、判別対象となるプラスチックの全
てをフィルム状に成形し、それぞれを別々の受光素子の
前面にフィルタとして設置する。これらのプラスチック
フィルムのうちの1枚の材質が試料の材質と一致したと
すると、そのフィルムの光透過率スペクトルと、試料か
らの反射光あるいは透過光のスペクトルとが同じ形ない
しは非常に似た形をもっているから、この光に対するこ
のフィルムの透過率が他のフィルムに較べて高くなるか
ら、これによって、試料の材質を判別することができ
る。
【0032】この、プラスチックフィルムをフィルタと
して用いた場合について、さらに詳しく説明する。
【0033】この場合に、図3に示したように、光源部
1と試料2との間にロングパスフィルタ9とショートパ
スフィルタ10とを設置して、試料に入射する光の波長
に下限(これをaとする)と上限(これをbとする)と
があるようにする。さらに、フィルタの分光透過率(透
過率スペクトル)を f(x)(ここに、x は光の波長とする) としたときに、フィルタの厚さを調節して、下記の積分
が、すべてのフィルタについて同じ値になるようにして
おく。すなわち、下記の式が成立するようにしておく。
【0034】
【数1】
【0035】ここで、区間:a≦x≦bにおいて0≦g
(x)となるような関数を任意にとると、下記のシュワ
ルツの不等式が成立する。
【0036】
【数2】
【0037】式(2)の両辺の平方根をとれば、
【0038】
【数3】
【0039】となる。
【0040】ここで、いままで任意としていた関数g
(x)を、試料からの反射光あるいは透過光のスペクト
ルであるとすると、式(4)の左辺はフィルタを透過し
た光の強度となる。
【0041】同じ試料については、式(4)の右辺は、
式(1)によって、一定であることが分かる。そこで、
上記のシュワルツの不等式(2)によれば、式(4)の
左辺、すなわち、フィルタを透過した光の強度は、式
(3)が成立するとき、すなわち、(フィルタの材質と
試料の材質とが一致していて)フィルタの透過率スペク
トルと、試料からの反射光あるいは透過光のスペクトル
とが同じ形をもつときに最大となる。式(3)が厳密に
は成立していない場合でも、フィルタの材質と試料の材
質とが一致していれば、f(x)の形とg(x)の形とは
非常に似ているはずであるから、式(4)の左辺、すな
わち、フィルタを透過した光の強度は、他のフィルタの
場合に較べて大きな値となっているはずである。したが
って、本有機材料の材質判別装置においては、試料の材
質は、最大の光強度信号を出力している受光素子の前面
にあるフィルタの材質と同じである、と判定してよい。
【0042】以上が、判別対象となるプラスチックのフ
ィルムを受光部のフィルタとして使用して本発明に係わ
る有機材料の材質判別装置を構成することができること
についての説明である。この場合の有機材料の材質判別
装置における特徴は、フィルタの原価がきわめて安価で
あることと、材質判別のアルゴリズムがきわめて単純に
なることである。
【0043】本発明に係わる有機材料の材質判別装置
は、プラスチックの材質を判別することのみならず、広
く、有機材料の材質を判別することにも利用できること
は勿論である。
【0044】
【発明の効果】本発明にもとづく有機材料の材質判別装
置は、音響光学素子等の高価な部品を使用しないため
に、安価に提供することが可能となる。また、複数のバ
ンドパスフィルタに対して、それぞれのフィルタを透過
した光を複数の受光素子で同時に受光するため、判別に
必要な複数の波長域の元信号を瞬時に計測することが可
能となり、その結果、迅速な材質判別が可能となる。ま
た、複数のバンドパスフィルタは、各々、複数の受光素
子と一定の相対位置関係にあるように固定されており、
可動部分がないため、故障の少ない装置とすることがで
きる。さらに、光源部に光変調手段を具備させることに
より、屋外等の非常に明るい場所で使用する場合でも、
外光の影響を受け難い判別装置とすることができる。さ
らに、本発明のバンドパスフィルタ部のバンドパスフィ
ルタは、必ずしも、バンドパス中心フィルタとロングパ
スフィルタおよびショートパスフィルタを張り合わせた
一体構造となっている必要はなく、このため、装置設計
の自由度が増し、装置の小型化や低価格化が容易とな
る。
【0045】以上説明したように、本発明にもとづく有
機材料の材質判別器は、安価で、迅速な判別が可能で、
小型軽量の故障しにくい材質判別装置であって、現場で
の迅速判別を必要とする産業分野において極めて利用価
値の高いものである。特に、本発明にもとづく有機材料
の材質判別装置を、廃プラスチックの材質を判別し、材
質に適したリサイクル処理法を選択するための材質判別
装置として使用すれば、社会的要請の強い、廃プラスチ
ックのリサイクルを推進する上で、有効な技術的手段と
なり、その価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる有機材料の材質判別装置の構成
を説明する図である。
【図2】各種フィルタの分光透過率を示す図である。
【図3】光源部と試料との間にフィルタを挿入する本発
明の構成を説明する図である。
【図4】本発明の実施例の構成を説明する図である。
【図5】各種プラスチックの近赤外線吸収スペクトルを
示す図である。
【符号の説明】
1…光源部、2…試料、3…バンドパスフィルタ、4…
受光素子、5…受光部、6…信号処理部、7…演算・表
示部、8…光源部、9…ロングパスフィルタ、10…シ
ョートパスフィルタ、11…バンドパス中心フィルタ、
12…セラミック板、13…タングステンランプ、14
…光チョッパー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津留 信二 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 (72)発明者 上原 桂二 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 (72)発明者 佐々木 重邦 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 Fターム(参考) 2G059 AA05 BB08 BB15 EE01 EE02 EE11 GG03 GG06 HH01 JJ02 JJ24 KK03 PP04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料に光を照射する光源部と、前記試料か
    らの反射光あるいは透過光をそれぞれ個別のフィルタを
    介して受光する複数の受光素子を有する受光部と、前記
    受光素子が出力する光強度信号を増幅変換する信号処理
    部とを具備することを特徴とする有機材料の材質判別装
    置。
  2. 【請求項2】前記フィルタがバンドパスフィルタである
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機材料の材質判別
    装置。
  3. 【請求項3】前記光源部に光強度変調手段を具備するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の有機材料の材
    質判別装置。
  4. 【請求項4】前記光源部から前記試料に至る光の通路あ
    るいは前記試料から前記受光部に至る光の通路にロング
    パスフィルタとショートパスフィルタとを具備している
    ことを特徴とする請求項1または3に記載の有機材料の
    材質判別装置。
  5. 【請求項5】前記試料の背面に白色セラミック板を具備
    することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載
    の有機材料の材質判別装置。
  6. 【請求項6】前記受光部内の前記フィルタがプラスチッ
    クフィルムよりなるフィルタであることを特徴とする請
    求項1、3、4または5に記載の有機材料の材質判別装
    置。
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