JP2006250588A - 特定位相位置検出回路及び特定位相位置検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アナログ信号の各周期ごとに、アナログ信号の信号レベルが第1のしきい値と一致する2つの時間的位置を第1及び第2の基準位置としてそれぞれ検出すると共に、第1及び第2の基準位置間の時間的長さを基準期間としてそれぞれ計測する計測部と、アナログ信号の各周期ごとに、前の周期において計測された基準期間に基づいて、基準期間に対し一定の割合となる期間を付加期間として算出する算出部と、現周期において検出された第1の基準位置から、算出部により算出された付加期間だけずれた時間的位置を特定位相位置として検出し、特定位相位置を示す検出信号を出力する検出部と、を備える特定位相位置検出回路。
【選択図】 図1
Description
なお、このようなプロジェクタとして、下記特許文献1に記載されたプロジェクタが挙げられる。
このような要請に応えて、共振回路における電流値に基づいて、共振回路への印加電圧の周波数を変化させるプロジェクタが提案されている。以下、このようなプロジェクタにおける点灯制御の動作を簡単に説明する。
そこで、このプロジェクタでは、共振回路における電流値を電流センサで検出し、検出した電流値が所定値以上になった場合に、共振回路の電流の位相と印加電圧の位相とが、所定の位相差を維持するように印加電圧の周波数を増加若しくは減少させるようにする。
このようにすることで、共振周波数が変化した場合においても、共振回路に所定値以上の電流が流れた状態を維持するように印加電圧の周波数を制御することとなり、安定して点灯状態を維持することができる。
図8において、(A)は共振回路に印加される電圧の波形と位相検出点とを示し、(B)は共振回路電流の波形と位相検出点とを示す。なお、図8(A)及び(B)において、横軸は経過時間(周期N,N+1、及び周期N+2の一部)を、縦軸は振幅の中心を0レベルとした場合の電流値を、それぞれ示している。また、図8(A)及び(B)において、白抜きの三角の印はピーク位置を示し、黒い三角の印はピーク位置の代わりとして検出する、位相を比較するための基準となる位置(以下、「位相検出点」と呼ぶ。)を示す。なお、電圧と電流とは、正負の両極性にピークを持っているが、ここでは、正側のピークについてのみで話を進めることとする。
そして、それぞれのピーク位置の代わりに、このようにして検出した印加電圧の位相検出点と、共振回路電流の位相検出点と、を比較して位相差を検出するようにしていた。
一方、印加電圧については、各周期において、開始位置(0)から1/2周期の位置(π)までの期間を「1」とした場合に、ピーク位置から位相検出点までの期間は、例えば、図8(A)に示すように、「0.1」で一定となる。したがって、印加電圧については、各位相検出点のピーク位置に対する相対的な位置は一定となっている。
また、共振回路におけるアナログ信号に限らず、振幅が変化し得るアナログ信号について、ピーク位置を検出しようとする場合にも前述の問題は発生し得る。
前記アナログ信号の信号レベルが所定のしきい値と一致する時間的位置を基準位置として検出する第1の検出部と、前記基準位置に基づく時間的長さを基準期間として計測する計測部と、前記基準期間に対し一定の割合となる期間を付加期間として算出する算出部と、前記基準位置と前記付加期間とに基づいた時間的位置を前記特定位相位置として検出し、前記特定位相位置を示す検出信号を出力する第2の検出部と、を備えることを要旨とする。
特に、アナログ信号の振幅の変化が少なく、比較的近い周期において算出した付加期間を適用した場合には、第1の基準位置から付加期間だけずれた時間的位置は、各周期のピーク位置に対し一定の割合となる期間だけずれた時間的位置と、ほぼ一致することとなる。
従って、上記のような構成とすることで、各周期において、ピーク位置に対する相対的な位置がほぼ一定となる位置を特定位相位置として検出することが可能となる。その結果、アナログ信号の振幅が変化する場合でも、このアナログ信号のピーク位置を正確に検出することが可能となる。
従って、位相比較部は、電圧信号及びアナログ信号について、それぞれのピーク位置に対する相対的な位置がほぼ一定である位置で位相を比較することができるので、正確な位相差を検出することが可能となる。その結果、正確な位相差に基づいて電圧信号の周波数を調整することができるので、共振回路に印加する電圧の周波数を、アナログ信号が所定のレベルを維持するように調整することが可能となる。
A.実施例:
A1.装置構成:
A2.位相検出点の定め方の概要:
A3.位相比較の具体的な動作:
A4.実施例の効果:
B.変形例:
A1.装置構成:
図1は、本発明の一実施例としての液晶プロジェクタの概略構成を示す説明図である。
図1に示す液晶プロジェクタ1000は、主として、放電ランプ10,放電ランプ10の点灯制御を行う放電ランプ制御部20,CPU30,液晶パネル40,投写レンズ等から成る投写光学系50,外部より出力されるアナログ信号を入力する入力部60,画像処理部70,液晶パネル40を駆動する液晶パネル駆動部80を備えている。
なお、前述の放電ランプ制御部20は請求項に記載の放電ランプ制御装置に相当する。
図2に示す放電ランプ制御部20は、主として、波形発生部100,共振駆動部130,共振部150を備えている。
共振駆動部130は、波形発生部100から出力される正弦波信号A1に基づき、この正弦波信号A1に相当する電圧を共振部150に印加する。そして、電流センサ140は、共振部150における電流信号A10を検出する。
なお、この波形発生部100は、請求項に記載の波形発生回路に相当する。
なお、以下において、前述の所定の位相差は0とし、共振部150への印加電圧の位相と共振部150における電流の位相とが一致するように制御を行うものとする。
図3に示す波形発生部100は、本発明の特徴部分であるピーク信号生成部200,しきい値記憶部212及びしきい値記憶部222,電流比較部214,電圧比較部224,位相比較部230,正弦波生成部240を備えている。
図4は、図3に示すピーク信号生成部200の詳細構成を示す説明図である。
図4に示すピーク信号生成部200は、クロック回路310,カウンタ部320,カウンタ値記憶部330,演算値記憶部340,乗算回路350,演算結果記憶部360,比較部370を備えている。
図5は、本発明における電流信号A10の位相検出点の定め方の概要を示す説明図である。
図5において、上部は電流信号A10の波形を示し、下部は比較信号S110と位相検出点及びピーク位置とを示す。なお、図5において、横軸,縦軸,白抜きの三角の印,黒い三角の印は、それぞれ、図8における横軸,縦軸,白抜きの三角の印,黒い三角の印と同じであるので説明を省略する。
ここで、期間b1において、中心位置から0.1だけずれた位置は、期間b1の開始位置から中心位置までの期間を100%とした場合の、中心位置から20%手前に相当し、比較的中心位置に近い位置となる。そして、この位置は、期間a1においても、ピーク位置に比較的近い位置となるために、前述の期間d1は、0.1に近い値となる。
そこで、本発明では、比較信号S110のハイレベルの期間の中心位置から0.1だけずれた位置を位相検出点とするものとする。
(100%―20%)/2=40% ・・・(1)
そこで、本発明では、1つ前の周期Nにおいてハイレベルの期間である期間b1を用いて、期間b2の立ち上がりの位置から期間b1の40%に相当する位置を、周期N+1の位相検出点と定めるものとする。
まず、図3に示す位相比較部230に入力される電流信号A10側のピーク信号S111の生成動作を図4,図6を用いて具体的に説明する。
図6において、上部は電流信号A10の波形を示し、下部は比較信号S110,図4に示すクロック回路310の出力するクロック信号,カウンタ値記憶部330に記憶されるカウンタ値,ピーク信号S111,位相検出点及びピーク位置を示す。
なお、図6において、横軸,縦軸,白抜きの三角の印,黒い三角の印,周期N〜N+2,期間b1〜b3は、それぞれ、図5における横軸,縦軸,白抜きの三角の印,黒い三角の印,周期N〜N+2,期間b1〜b3と同じであるので説明を省略する。また、図6の最下部に示すように、周期N〜N+2について、1/2周期(0〜π)を1とした場合の、ピーク位置から位相検出点までの期間をd1〜d3とする。
そして、乗算回路350は、このカウンタ値「C2」と、演算値記憶部340に記憶されている演算値「0.4」と、を掛け合わせ、得られた「C2*0.4」を、既に記憶されている「C1*0.4」に上書きして演算結果記憶部360に記憶させる。
ここで、位相比較部230は、電流信号A10については、ピーク信号S111の立ち上がりの位置を検出して位相検出点とする。その結果、周期N+1については、期間b2の立ち上がりの位置から「C1*0.4」の位置が位相検出点となり、周期N+2については、期間b3の立ち上がりの位置から「C2*0.4」の位置が位相検出点となる。
以上説明したように、波形発生部100では、電流信号A10の位相検出点を、比較信号S110の立ち上がりの位置ではなく、比較信号S110のハイレベルの期間を「1」とした場合のピーク位置から「0.1」だけずれた位置としている。その結果、この位相検出点は、各周期の1/2周期(0〜π)を「1」とした場合に、ピーク位置からほぼ「0.1」だけずれた位置となり、各周期において、位相検出点のピーク位置に対する相対的な位置はほぼ一定となる。
一方、正弦波信号A1については、振幅が変化しないことから、位相検出点のピーク位置に対する相対的な位置は一定である。したがって、電流信号A10と正弦波信号A1とで、それぞれの位相検出点で位相を比較することにより、ピーク位置に対する相対的な位置がほぼ一定である位相検出点同士で位相を比較することができる。
なお、本発明は、前述の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下のような変形も可能である。
上述した実施例では、共振部150への印加電圧の元となる正弦波信号A1は、正弦波であるものとしたが、正弦波に限らず、他の波形であっても構わない。この場合、各波形に応じた演算値を定めて、図3に示す演算値記憶部340に記憶させるようにしてもよい。
図7は、変形例1における印加信号及びその元となる信号の波形と、それぞれの波形に設定される演算値の一例を示す説明図である。
図7に示すように、ノコギリ波1は、周期の開始位置から1周期の位置までを1とした場合に開始位置から0.8だけずれた位置がピーク位置となっている。従って、演算値として0.7を設定することで、ピーク位置に比較的近い位置を位相検出点とすることができる。
同様にして、ノコギリ波2では0.2,三角波及び正弦波では0.5だけ開始位置からずれた位置がピーク位置であるので、それぞれピーク位置に近い位置である0.1及び0.4だけ開始位置からずれた位置を位相検出点とするように、演算値を定めるようにしてもよい。このようにすることで、波形が変わっても、ピーク位置に近い位置を位相検出点として位相比較を行うことが可能となる。
上述した実施例では、各周期において、比較信号S110のハイレベルの期間を「1」として、このハイレベルの期間の中心位置から「0.1」だけずれた位置を位相検出点としたが、本発明は、「0.1」に限定するものではない。よりピーク位置に近い位置を位相検出点とするために、例えば、中心位置から「0.05」だけずれた位置を位相検出点としてもよい。
この場合、位相検出点は、比較信号S110のハイレベルな期間において、中心位置までの期間の10%手前となる位置に相当し、上記式(1)と同様に算出すると「45%」を得ることとなる。従って、比較信号S110のハイレベルの期間を100%として、比較信号S110の立ち上がり位置から45%に相当する位置を位相検出点として定めるようにすればよく、そのために、「0.45」を演算値として設定すると共に、正弦波信号A1に対するしきい値Th4も、各位相検出点が各ピーク位置から0.05だけずれた位置となるように変更すればよい。
この場合、電流信号A10についての位相検出点は、1/2周期(0〜π)を「1」として、ピーク位置からほぼ「0.05」だけずれた位置で一定となるのに対し、正弦波信号A1についての位相検出点は、上述した実施例のように、ピーク位置から「0.1」だけずれた位置で一定となる。従って電流信号A10と正弦波信号A1とは、各周期において、ほぼ0.05に相当する位相差を維持することとなる。
上述した実施例では、液晶プロジェクタ1000に適用した場合について説明したが、本発明は、液晶プロジェクタ1000に限らず、DLPプロジェクタ(DLPは登録商標)に適用することも可能である。また、プロジェクタに限らず、車載照明機器(ヘッドランプ)などの、共振回路により放電ランプの点灯制御を行う照明装置に適用することも可能である。また、ランプ以外の放電制御に適用したり、放電ランプに限らず、ピエゾモータ等のアクチュエータの動作を共振回路により制御する制御回路に適用することもできる。更には、共鳴制御にも応用して、原子時計,レーザ発振制御回路,無線同調制御回路等に適用することもできる。
上述した実施例では、共振回路の電流の位相と正弦波信号A1の位相と比較していたが、本発明は、位相比較する場合にのみ適用されるものではない。上述の放電ランプやアクチュエータ等の動作を制御する制御回路において、共振回路における電流のピーク位置を検出する必要がある場合には、本発明を適用して、上述した実施例における位相検出点をピーク位置として検出することができる。
このようにすることで、実際のピーク位置に対する相対的な位置が一定である位置をピーク位置として検出することができるので、共振回路における電流の振幅が変化した場合においても、所定の誤差の範囲内でピーク位置を検出することが可能となる。
上述した実施例では、共振回路の電流値を電流センサで検出し、電流信号A10として正弦波信号A1と位相比較するようにしていたが、電流値に代えて、実際に共振部150に印加される電圧値を電圧センサで検出してアナログ信号として出力し、このアナログ信号を正弦波信号A1と位相比較するようにしてもよい。
20...放電ランプ制御部
30...CPU
40...液晶パネル
50...投写光学系
60...入力部
70...画像処理部
80...液晶パネル駆動部
100...波形発生部
130...共振駆動部
140...電流センサ
150...共振部
200...ピーク信号生成部
212,222...しきい値記憶部
214...電流比較部
224...電圧比較部
230...位相比較部
240...正弦波比較部
310...クロック回路
320...カウンタ部
330...カウンタ値記憶部
340...演算値記憶部
350...乗算回路
360...演算結果記憶部
370...比較部
1000...液晶プロジェクタ
Claims (9)
- 周期的なアナログ信号のピーク位置を基準として、所望の位相となる時間的位置を検出し、検出した前記時間的位置を示す検出信号を出力する特定位相位置検出回路。
- アナログ信号の各周期において、特定の位相となる時間的位置を特定位相位置として検出する特定位相位置検出回路であって、
前記アナログ信号の信号レベルが所定のしきい値と一致する時間的位置を基準位置として検出する第1の検出部と、
前記基準位置に基づく時間的長さを基準期間として計測する計測部と、
前記基準期間に対し一定の割合となる期間を付加期間として算出する算出部と、
前記基準位置と前記付加期間とに基づいた時間的位置を前記特定位相位置として検出し、前記特定位相位置を示す検出信号を出力する第2の検出部と、
を備える特定位相位置検出回路。 - アナログ信号の各周期において、特定の位相となる時間的位置を特定位相位置として検出する特定位相位置検出回路であって、
前記アナログ信号の各周期ごとに、前記アナログ信号の信号レベルが第1のしきい値と一致する2つの時間的位置を第1及び第2の基準位置としてそれぞれ検出すると共に、前記第1及び第2の基準位置間の時間的長さを基準期間として計測する計測部と、
前記アナログ信号の各周期ごとに、前の周期において計測された前記基準期間に基づいて、前記基準期間に対し一定の割合となる期間を付加期間として算出する算出部と、
現周期において検出された前記第1の基準位置から、前記算出部により算出された前記付加期間だけずれた時間的位置を前記特定位相位置として検出し、前記特定位相位置を示す検出信号を出力する検出部と、
を備える特定位相位置検出回路。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の特定位相位置検出回路であって、
前記アナログ信号は、共振回路から出力されるアナログ信号であることを特徴とする特定位相位置検出回路。 - 請求項4に記載の特定位相位置検出回路を備え、前記共振回路に電圧を印加する共振駆動部に対して、前記電圧の波形を示す電圧信号を出力する波形発生回路であって、
前記電圧信号を生成する波形生成部と、
前記波形生成部により生成された前記電圧信号を入力し、前記電圧信号の各周期ごとに、前記電圧信号の信号レベルが第2のしきい値と一致する2つの時間的位置を第3及び第4の基準位置としてそれぞれ検出すると共に、少なくとも前記第3または第4の基準位置のいずれか一方の時間的位置を示す位置信号を出力する位置信号出力部と、
前記特定位相位置検出回路が出力する前記検出信号と、前記位置信号出力部が出力する前記位置信号と、を入力して、前記検出信号の示す前記特定位相位置と、前記位置信号の示す前記第3または第4の基準位置の時間的位置と、を比較することにより、前記アナログ信号と前記電圧信号との位相差を検出し、前記位相差を示す位相差信号を出力する位相比較部と、
を備え、
前記波形生成部は、前記位相比較部が出力する前記位相差信号を入力すると共に、入力した前記位相差信号の示す前記位相差に基づき、前記電圧信号の周波数を調整することを特徴とする波形発生回路。 - 請求項5に記載の波形発生回路を備えたことを特徴とする電子機器。
- 請求項5に記載の波形発生回路を備え、放電ランプの点灯を制御するための放電ランプ制御装置であって、
前記放電ランプは、前記共振回路に接続されると共に、前記共振駆動部により前記共振回路に印加される電圧によって放電して点灯することを特徴とする放電ランプ制御装置。 - 請求項7に記載の放電ランプ制御装置と、前記放電ランプと、を備えることを特徴とするプロジェクタ。
- アナログ信号の各周期において、特定の位相となる時間的位置を特定位相位置として検出するための特定位相位置検出方法であって、
前記アナログ信号の各周期ごとに、前記アナログ信号の信号レベルが第1のしきい値と一致する2つの時間的位置を第1及び第2の基準位置としてそれぞれ検出する第1の工程と、
検出した前記第1及び第2の基準位置間の時間的長さを基準期間としてそれぞれ計測する第2の工程と、
前記アナログ信号の各周期ごとに、前の周期において計測された前記基準期間に基づいて、前記基準期間に対し一定の割合となる期間を付加期間として算出する第3の工程と、
現周期において検出された前記第1の基準位置から前記付加期間だけずれた時間的位置を、前記特定位相位置として検出する第4の工程と、
を備える特定位相位置検出方法。
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