JP2006249489A - マスク、マスクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 薄化したシリコンマスクの強度を向上させることにより、マスクの大型化が実現可能なマスク、マスクの製造方法を提供する。
【解決手段】 被成膜基板に対して所定パターンを有する薄膜を形成するためのマスクMにおいて、シリコンからなるマスク基材Sと、マスク基材Sの一方の主面MBに密着配置されてマスク基板Sを補強する補強基材Hと、所定パターンに対応してマスク基材S及び補強基材Hを貫通して形成された開口部24と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シリコン基板にエッチング処理を施して形成されるマスク、マスクの製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称する。)装置は薄膜を積層した構造を有する自発光型の高速応答性表示素子を備えるため、軽くて動画対応に優れた表示パネルを形成でき、近年ではFPD(Flat Panel Display)テレビ等の表示パネルとして非常に注目されている。
その代表的な製造方法としては、ITO(インジウム−スズ酸化物)等の透明陽極を所望の形状にパターニングし、更に透明陽極上に蒸着法を用いて有機材料を積層成膜し、その後に陰極を形成する方法が知られている。
特に、フルカラーの有機EL装置を製造する場合には、R,G,Bの各色の有機材料を、高精細なマスクを介して蒸着することによりパターン形成する必要がある。このため、テーパーが付けられた貫通穴(パターン開口)を有するマスクが用いられている。テーパーが付けられた貫通穴を用いて、開口の大きい側から小さい側の方向に蒸着を行うことにより、貫通穴への蒸着粒子の入射量を増やすことができ、小さい開口に対応して微細パターンの蒸着を可能としている。
このようなテーパーが付けられた貫通穴を有するマスクの製造方法としては、シリコン基板を結晶の面方位依存性を利用してエッチングする方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2003−308972号公報
ところで、年々、表示パネルの大型化が進展しおり、これに伴い大きなマスクを用いる必要が生じている。
しかしながら、上述したシリコンマスクは、その厚みを薄く形成しているために、マスクの大型に伴って、自重による撓みが発生したり、強度不足からクラックが発生したりするという問題がある。このため、大型で且つ高精細な有機ELパネルの実現が困難となっている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、薄化したシリコンマスクの強度を容易に向上させることにより、マスクの大型化が実現可能なマスク、マスクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るマスク、マスクの製造方法では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、被成膜基板に対して所定パターンを有する薄膜を形成するためのマスクにおいて、シリコンからなるマスク基材と、前記マスク基材の一方の主面に密着配置されて、前記マスク基板を補強する補強基材と、前記所定パターンに対応して、前記マスク基材及び前記補強基材を貫通して形成された開口部と、を備えるようにした。
この発明によれば、シリコン基材からなるマスクに補強基材が密着配置されると共に、所定パターンがシリコン基材と補強基材を貫通するように形成されているので、所定パターンが高精細なものであっても、強度の低下を防止できる。また、マスクを大型化したとしても、自重による所定パターン部の撓みの発生を防止することができる。
また、前記開口部が、前記主面に対して所定角度で傾斜するように前記マスク基材に形成された傾斜面と、前記主面に対して略垂直するように前記補強基材に形成された垂直面と、を有するものでは、開口部に材料供給部側から材料受容部側に向けて開口面積が小さくなるように傾斜する面が形成されているので、斜めから入射する成膜材料を好適に材料受容部側に誘導することができるようになる。これにより、高精細なパターンを被成膜基板上に成膜することができる。
また、前記補強基材が、5μmから100μmの厚みを有するものでは、開口部の垂直面がこのような厚みとなるので、高精細なパターンの成膜を阻害することなく、パターン部の補強を実現することができる。
また、前記マスク基板が、(100)面方位シリコンからなるものでは、主面に対して所定角度で傾斜する傾斜面を容易に得ることが可能となる。
また、前記補強基材が、硼珪酸ガラスからなるものでは、シリコン基材と補強基材とを良好に接合させることが可能となる。
また、前記補強基材が、酸化珪素からなるものでは、シリコン基材に補強基材を良好に配置させることが可能となる。
第2の発明は、所定パターンの開口部を有するマスクの製造方法において、シリコンからなるマスク基材の一方の主面に対して、補強基材を密着配置する第一工程と、前記補強基材に対してエッチング処理を施して、前記所定パターンに対応した凹部を形成する第二工程と、前記凹部の底面に露出する前記マスク基材に対して前記所定パターンに対応した貫通口を形成する第三工程と、前記マスク基材に対してエッチング処理を施して、前記開口部を形成する第四工程と、を有するようにした。
この発明によれば、シリコン基材からなるマスクに補強基材を密着配置し、更に、シリコン基材と補強基材を貫通するように所定パターンを形成するので、所定パターンを高精細に形成したとしても、強度低下が防止される。また、マスクを大型化したとしても、自重による所定パターン部の撓みの発生を防止することができる。
また、前記第一工程が、硼珪酸ガラスからなる前記補強基材と前記マスク基材とを陽極接合する工程を含むものでは、シリコン基材と補強基材とを良好に密着させることが可能となる。
また、前記第一工程が、気相成長法により酸化珪素からなる前記補強基材を形成する工程を含むものでは、シリコン基材に良好に補強基材を密着配置させることが可能となる。更に、前工程において、シリコン基材に対して耐エッチング液膜として酸化珪素膜を形成する場合には、同一材料が用いられるので、製造工程を簡略化することも可能となる。
また、前記第三工程が、レーザ加工法により前記貫通口を形成する工程を含むものでは、シリコン基材及び補強基材に負荷をかけることなく、シリコン基材に微細な貫通口を良好に形成することができる。
また、前記第四工程が、(100)面方位シリコンからなる前記マスク基材に対してエッチング処理を施して、前記開口部の内面に所望の大きさの(111)面を形成する工程を含むものでは、開口部に材料供給部側から材料受容部側に向けて開口面積が小さくなるように傾斜する(111)面を容易に形成させることができる。これにより、開口部に対して斜めから入射する成膜材料を、好適に材料受容部側に誘導することができる。したがって、高精細なパターンを被成膜基板上に成膜することができる。
以下、本発明のマスク、マスクの製造方法の実施形態について図を参照して説明する。
なお、各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
〔マスク:第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施の形態に係るマスクの構造を説明するための図であって、図1(a)はマスクの断面斜視図、図1(b)はパターン部の断面図である。
マスクMは、図1(a)に示すように、(110)面方位を有するシリコン基材(シリコンウエハ)Sを後述の製造工程によって加工されたものであり、当該マスクMの外形をなす外枠部10と、当該外枠部10の内側に設けられた複数のマスク開口部24を有するパターン部20と、を備えた構成となっている。
また、マスクMは、図1(a),(b)に示すように、シリコン基材Sの一方の主面(裏側主面MB)に対して補強基材Hが密着配置されて構成される。補強基材Hは、シリコン基材Sと一体となって、外枠部10及びパターン部20を構成するものであって、特に薄板化されたシリコン基材Sのパターン部20の強度不足を補うものである。具体的には、補強基材Hとして、厚さが5μm〜100μmの硼珪酸ガラス板(例えば、コーニング社製7740やショット社製テンパックス)が用いられる。
なお、裏側主面MBは、蒸着やスパッタ等の各種成膜を行う際に成膜対象物(ガラス基板等)と対向させる面である。一方、各種成膜を行う際に材料気体や原子がマスク開口部24に向けて入射する面を表側主面MTと呼ぶ。
パターン部20は、外枠部10から連結されると共にX方向及びY方向に延在して設けられた複数の梁部22と、複数の梁部22により囲まれるように開口する複数のマスク開口部24を備える構成となっている。つまり、梁部22が網目状に構成されることで、複数のマスク開口部24がマトリクス状に配置されている。
また、パターン部20の梁部22は、図1(b)に示すように、断面が、マスクMの表側主面MT及び裏側主面MBに対して垂直方向(Z方向)に形成された垂直面22Aと、表側主面MT及び垂直面22Aに対して所定の角度に傾斜して形成された傾斜面22Bとを有するように形成される。このように、梁部22に垂直面22Aと傾斜面22Bとを形成することにより、マスク開口部24がテーパー状に形成される。
なお、パターン部20は、複数のマスク開口部24がマトリクス状に等ピッチに配置された構成に限らず、成膜対象物に形成するパターンに応じて適宜変更可能である。
上述したように、パターン部20は、シリコン基材Sと補強基材Hとが一体となった基材に対して形成されている。すなわち、梁部22はシリコン基材Sと補強基材Hとから形成されている。具体的には、梁部22の傾斜面22Bはシリコン基材Sから形成され、一方、垂直面22Aは補強基材Hから形成される。
なお、傾斜面22Bの結晶面は、シリコン基材Sの(111)面である。(111)面は、(110)面方位のシリコン基材Sに対して結晶異方性エッチング処理を施すことによって形成できる面なので、研削加工等の物理的な加工が不要であって、化学的処理によって容易に形成される。
また、垂直面22AのZ方向に長さは、補強基材Hの厚さであって、上述したように、5μm〜100μmである。好ましくは、約5μm〜30μm程度に形成される。なお、垂直面22Aは、表側主面MT側の一部にシリコン基材Sを含む場合であってもよい。
〔マスクの製造方法:第1実施形態〕
次に、マスクMの製造方法について、図2,図3を参照して説明する。
図2及び図3はマスクMの製造方法を説明する工程図である。
まず、図2(a)に示すように、(110)面方位のシリコン基材Sに熱酸化処理を施して、酸化シリコン(SiO)からなる耐エッチング膜30を形成する。
耐エッチング膜30は、後述するように結晶異方性エッチング液(例えば、テトラメチル水酸化アンモニウム等のアルカリ水溶液)に耐性を有する膜である。耐エッチング膜30は、シリコン基材Sに湿式熱酸化処理を施すことによって形成され、その膜厚は、およそ1μm程度が好ましい。なお、熱酸化により形成した酸化シリコン膜以外にも、例えばCVD法により形成した酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、AuやPtのスパッタ膜等からなるものであっても良い。
次に、図2(b)に示すように、シリコン基材Sの裏側主面MBに形成した耐エッチング膜30を剥離する。また、裏側主面MBに形成した耐エッチング膜30の中央領域に開口部31を形成する。この開口部31は、パターン部20に対応する領域である。言い換えれば、外枠部10に対応する領域に形成された耐エッチング膜30を残す。
なお、開口部31等の形成は、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により行われる。
次に、図2(c)に示すように、シリコン基材Sの裏側主面MBに、硼珪酸ガラスからなる補強基材Hを陽極接合する。
具体的には、シリコン基材Sの裏側主面MBに硼珪酸ガラスからなる補強基材Hを密着させた状態で、ホットプレート(不図示)の上に載置して、300℃〜400℃の温度域に加熱する。そして、シリコン基材Sと補強基材Hとの間に、約600V〜1000Vの直流電圧を印加する。このとき、シリコン基材Sを陽極に、補強基材Hを陰極にして印加する。これにより、数分間程で、接着剤を用いることなく、シリコン基材Sと補強基材Hとが良好に接合される。
次に、図2(d)に示すように、補強基材Hの外面(裏側主面MB)を研削・研磨して、その厚みを例えば30μm程度に形成する。
続いて、図2(e)に示すように、補強基材Hの裏側主面MBに対して、保護膜32を成膜する。保護膜32は、後工程で用いられるエッチング液に対して耐性を有する膜である。
保護膜32としては、フッ酸系エッチング液に耐える材料であることが必要であって、例えば、金/クロム膜を、1000Å/200Åの膜厚で成膜さしたものが用いられる。なお、その他の材料として、プラチナ/チタンや窒化シリコン等も用いることができる。
なお、保護膜32は、複数の開口部33を有するように形成される。この開口部33は、パターン部20のマスク開口部24に対応ものであり、ウェットエッチングを用いたフォトリソグラフィ法等により形成される。
次に、図3(a)に示すように、補強基材Hの裏側主面MBに対して、フッ酸系ウェットエッチング液でエッチング処理を施して、マスク開口部24に対応する位置に、凹部34を形成する。これにより、凹部34の底面に、シリコン基材Sを露出させる。
次に、保護膜32を剥離し、更にシリコン基材Sの表側主面MTに対して、異方性エッチング処理を施す。具体的には、約80℃に加熱した25重量%のテトラメチル水酸化アンモニウム水溶液に、シリコン基材S及び補強基材Hを浸漬する。これにより、図3(b)に示すように、シリコン基材Sの表側主面MT側、すなわち、開口部31の内側領域がエッチングされて、シリコン基材Sが、例えば、約120μm程度の厚さに薄化される。
次に、図3(c)に示すように、補強基材Hの凹部34の底面に露出するシリコン基材Sに対して、レーザ加工法を用いて、貫通口35を形成する。レーザ加工法としては、YAGレーザ等を用いることにより、シリコン基材Sに容易に高い精度の貫通口35を形成することができる。この貫通口35は、パターン部20のマスク開口部24に対応するものである。なお、レーザ加工法に代えて、ブラスト加工、ドリル加工、放電加工等を用いても良い。
次に、シリコン基材S及び補強基材Hに対して、異方性エッチング処理を施して、パターン部20を形成する。
具体的には、再び、約80℃に加熱した25重量%のテトラメチル水酸化アンモニウム水溶液に、シリコン基材S及び補強基材Hを浸漬し、シリコン基材Sの貫通口35周辺をエッチングする。これにより、図3(d)に示すように、パターン部20の梁部22(マスク開口部24)が形成される。この際、梁部22には、エッチング速度の遅い(111)面、すなわち傾斜面22Bが出現し、テーパー状のマスク開口部24が形成される。
そして、最後に、シリコン基材S上に配置した耐エッチング膜30を剥離することにより、マスクMの製造が完成する。
このようにして製造されたマスクMは、シリコン基材Sと補強基材Hとが一体となった基材から形成される。特に、パターン部20がシリコン基材Sと補強基材Hから形成されているので、パターン部20を高精細に形成した際に、強度が不足したシリコン基材Sを補強基材Hにより補うことができる。これにより、マスクMの使用時に、パターン部20が自重により撓んでしまったり、強度不足のためにクラックが発生したりすることが防止される。
また、補強基材Hとして、硼珪酸ガラス板を用いているので、シリコン基材Sを陽極接合法により、良好に密着配置させることができる。
更に、マスクMの表側主面MT側にシリコン基材Sを配置したので、パターン部20の梁部22に、容易に傾斜面22Bを形成することができる。これにより、マスク開口部24が、表側主面MT側から裏側主面MB側に向けて開口面積が小さくなるように傾斜する形状を有することとなる。したがって、このマスクMを用いて蒸着法やスパッタ法等の各種成膜を施した際には、表側主面MTに対して斜め方向から入射する材料気体や原子を、マスク開口部24のテーパー形状に沿って、裏側主面MB側に配置した被成膜基板に誘導することができる。そして、被成膜基板にパターン部20に応じた薄膜を正確に形成することができる。
〔マスク:第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施の形態に係るマスクについて説明する。
なお、第1実施形態に係るマスクMと同一の構成要素、部材等については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
マスクNは、補強基材Kの形成材料として酸化シリコン(SiO)を用いたものである。また、マスクMと同一構成、略同一形状を有するマスクである。すなわち、マスクNは、図1(a),(b)に示す構成、形状を備える。
補強基材Kの形成材料として酸化シリコンを用いた場合には、硼珪酸ガラスを用いた場合と同様の効果を有する。すなわち、パターン部20をシリコン基材Sと補強基材Kから形成されているので、パターン部20を高精細に形成した際に、強度が不足したシリコン基材Sを補強基材Kにより補うことができる。
〔マスクの製造方法:第2実施形態〕
次に、マスクNの製造方法について、図4,図5を参照して説明する。
図4及び図5はマスクMの製造方法を説明する工程図である。
まず、図4(a)に示すように、(110)面方位のシリコン基材Sに熱酸化処理を施して、酸化シリコン(SiO)からなる耐エッチング膜30を形成する。
次に、図4(b)に示すように、裏側主面MBに形成した耐エッチング膜30の中央領域に開口部31を形成する。この開口部31は、パターン部20に対応する領域であって、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術により形成される。
次に、図4(c)に示すように、シリコン基材Sの裏側主面MBに、酸化シリコンからなる補強基材Kを配置する。具体的には、シリコン基材Sの裏側主面MBにCVD法や蒸着法により、酸化シリコン膜を、その厚みが、例えば30μm程度となるように成膜する。
なお、前工程において、シリコン基材S上に、耐エッチング膜30として酸化シリコンが配置されているので、更に酸化シリコンを容易に積層させることができる。このようにして、シリコン基材Sに補強基材Kが良好に密着配置される。
次に、図4(d)に示すように、補強基材Kの裏側主面MBに対して、保護膜36を成膜する。
なお、保護膜36は、複数の開口部37を有するように形成される。この開口部37は、パターン部20のマスク開口部24に対応ものであり、ウェットエッチングを用いたフォトリソグラフィ法等により形成される。
次に、図5(a)に示すように、補強基材Kの裏側主面MBに対して、ドライエッチング処理を施して、マスク開口部24に対応する位置に、凹部38を形成する。これにより、凹部38の底面に、シリコン基材Sを露出させる。
次に、保護膜36を剥離し、更にシリコン基材Sの表側主面MTに対して、異方性エッチング処理を施す。具体的には、約80℃に加熱した25重量%のテトラメチル水酸化アンモニウム水溶液に、シリコン基材S及び補強基材Kを浸漬する。これにより、図5(b)に示すように、シリコン基材Sの開口部31の内側領域がエッチングされて、シリコン基材Sが、例えば、約120μm程度の厚さに薄化される。
次に、図5(c)に示すように、補強基材Kの凹部38の底面に露出するシリコン基材Sに対して、レーザ加工法を用いて、貫通口35を形成する。
次に、シリコン基材S及び補強基材Kに対して、異方性エッチング処理を施して、パターン部20を形成する。これにより、図5(d)に示すように、パターン部20の梁部22(マスク開口部24)が形成される。この際、梁部22には、エッチング速度の遅い(111)面、すなわち傾斜面22Bが出現し、テーパー状のマスク開口部24が形成される。
そして、最後に、シリコン基材S上に配置した耐エッチング膜30を剥離することにより、マスクNの製造が完成する。
このようにして製造されたマスクNは、シリコン基材Sと補強基材Kとが一体となった基材から形成される。特に、補強基材Kとして、酸化シリコンを用いているので、容易に補強基材Kをシリコン基材Sに密着配置させることができる。すなわち、前工程において、既に酸化シリコン膜がシリコン基材S上に形成されているからである。また、同一材料を用いることにより、製造コストを抑えることもできる。
更に、マスクNの表側主面MT側にシリコン基材Sを配置したので、パターン部20の梁部22に、容易に傾斜面22Bを形成することができる。これにより、マスク開口部24が、表側主面MT側から裏側主面MB側に向けて開口面積が小さくなるように傾斜する形状を有することとなる。したがって、このマスクNを用いて蒸着法やスパッタ法等の各種成膜を施した際には、表側主面MTに対して斜め方向から入射する材料気体や原子を、マスク開口部24のテーパー形状に沿って、裏側主面MB側に配置した被成膜基板に誘導することができる。そして、被成膜基板にパターン部20に応じた薄膜を正確に形成することができる。
〔マスクの使用方法〕
次に、マスクの使用方法について、図6を参照して説明する。
図6は、マスクM,Nを使用するマスク蒸着装置を示す模式図である。
蒸着装置50は、真空チャンバ52の底部に蒸着源54を配置し、その上方にマスクM,Nを配置し、更にその上に成膜対象物であるガラス基板(被成膜基板)LをマスクM,Nと密着させながら支持する。そして、蒸着時は膜厚分布をよくするために、ガラス基板LとマスクM,Nを固定したまま回転させる。
また、蒸着源54が発している蒸着物の速度(蒸着速度)は水晶振動子の膜厚センサ56より管理され、厳密な膜厚管理を行っている。膜厚センサ56によって蒸着した膜の膜厚が所定の値に達した際には、蒸着源54の直上にあるシャッター58を閉じて、蒸着を終了し、マスクMとガラス基板Lの固定を解除し、ガラス基板Lのみを搬出する。
なお、本実施形態においては、マスクM,Nを蒸着用マスクとして用いる場合について説明したが、例えばスパッタリング用マスクや、CVD用マスクとして用いることもできる。
〔有機EL装置の製造方法〕
次に、マスクM,Nを用いた有機EL装置の製造方法について、図7を参照して説明する。ここでは、蒸着対象物であるガラス基板Lに、有機EL装置形成用材料を蒸着する場合について説明する。
まず、図7(a)に示すように、ガラス基板L上には、薄膜トランジスタ等のスイッチング素子を形成し、そのスイッチング素子に接続するように陽極40を設ける。更に、その陽極40に接続するように、正孔注入層41及び正孔輸送層42を形成する。
次に、マスクM,Nとガラス基板L(正孔輸送層42)とを密着した状態で、赤色発光層形成用材料Rをガラス基板L上に蒸着する。ガラス基板L上には、マスクM,Nのマスク開口部24に応じて赤色発光層形成用材料Rが蒸着される。
次いで、図7(b)に示すように、ガラス基板Lに対するマスクM,Nの位置をずらし(あるいはマスクM,Nを別のマスクM,Nと交換し)、マスクM,Nとガラス基板L(正孔輸送層42)とを密着した状態で、緑色発光層形成用材料Gをガラス基板L上に蒸着する。ガラス基板L上には、マスクM,Nのマスク開口部24に応じて緑色発光層形成用材料Gが蒸着される。
次いで、図7(c)に示すように、ガラス基板Lに対するマスクM,Nの位置をずらし(あるいはマスクM,Nを別のマスクM,Nと交換し)、マスクM,Nとガラス基板L(正孔輸送層42)とを密着した状態で、青色発光層形成用材料Bをガラス基板L上に蒸着する。ガラス基板L上には、マスクM,Nのマスク開口部24に応じて青色発光層形成用材料Bが蒸着される。
以上のようにして、ガラス基板L上にRGB3色の有機材料からなる発光層43が形成される。
次に、図7(d)に示すように、発光層43の上に、電子輸送層44、及び陰極45が形成されることにより、有機EL装置DPが形成される。
なお、本実施形態に係る有機EL装置DPは、発光層を含む発光素子からの発光をガラス基板L側から装置外部に取り出す形態であり、ガラス基板Lの形成材料としては、透明なガラスの他に、光を透過可能な透明あるいは半透明材料、例えば、石英、サファイア、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルケトンなどの透明な合成樹脂などが挙げられる。特に、ガラス基板Lの形成材料としては安価なソーダガラスが好適に用いられる。一方、ガラス基板Lと反対側から発光を取り出す形態の場合には、ガラス基板Lは不透明であってもよく、その場合、アルミナ等のセラミック、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
なお、本実施の形態の有機EL装置DPはアクティブマトリクス型であり、実際には複数のデータ線と複数の走査線とが格子状に配置され、これらデータ線や走査線に区画されたマトリクス状に配置された各画素にスイッチングトランジスタやドライビングトランジスタ等の駆動用TFTを介して上記の発光素子が接続されている。そして、データ線や走査線を介して駆動信号が供給されると電極間に電流が流れ、発光素子が発光して透明な基板の外面側に光が出射され、その画素が点灯する。なお、本発明は、アクティブマトリクス型に限られず、パッシブ駆動型の表示素子にも適用できることはいうまでもない。
〔電子機器〕
次に、上記有機EL装置DPを備えた電子機器の例について説明する。
図8(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図8(a)において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の有機EL装置DPを用いた表示部を示している。
図8(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図8(b)において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記の有機EL装置DPを用いた表示部を示している。
図8(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図8(c)において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の有機EL装置DPを用いた表示部を示している。
図8(a)〜(c)に示す電子機器は、上記実施の形態の有機EL装置DPを備えているので、発光光の輝度の均一化を達成し、表示ムラがない、鮮やかな画像表示が可能な表示部を備えた電子機器となる。
なお、電子機器としては、前記の携帯電話などに限られることなく、種々の電子機器に適用することができる。例えば、ノート型コンピュータ、液晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)及びエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の電子機器に適用することができる。
本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係るマスクの構造を示す断面斜視図、及び詳細断面図である。 本発明の第1実施形態に係るマスクの製造方法を説明するための工程図である。 図2に続くマスクの製造工程を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るマスクの製造方法を説明するための工程図である。 図4に続くマスクの製造工程を示す図である。 マスク蒸着装置の構成を示す説明図である。 有機EL装置の製造方法を説明するための工程図である。 有機EL装置を備える電子機器を示す図である。
符号の説明
M,N…マスク、 MT…表側主面、 20…パターン部、 22A…垂直面、 22B…傾斜面、 24…マスク開口部(開口部)、 34…凹部、 35…貫通口、 38…凹部、 43…発光層(薄膜)、 S…シリコン基材(マスク基材)、 H,K…補強基材、 L…ガラス基板(被成膜基板)、 DP…有機EL装置



Claims (11)

  1. 被成膜基板に対して所定パターンを有する薄膜を形成するためのマスクであって、
    シリコンからなるマスク基材と、
    前記マスク基材の一方の主面に密着配置されて、前記マスク基板を補強する補強基材と、
    前記所定パターンに対応して、前記マスク基材及び前記補強基材を貫通して形成された開口部と、
    を備えることを特徴とするマスク。
  2. 前記開口部は、
    前記主面に対して所定角度で傾斜するように前記マスク基材に形成された傾斜面と、
    前記主面に対して略垂直するように前記補強基材に形成された垂直面と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のマスク。
  3. 前記補強基材は、5μmから100μmの厚みを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマスク。
  4. 前記マスク基板は、(100)面方位シリコンからなることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のマスク。
  5. 前記補強基材は、硼珪酸ガラスからなることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のマスク。
  6. 前記補強基材は、酸化珪素からなることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のマスク。
  7. 所定パターンの開口部を有するマスクの製造方法であって、
    シリコンからなるマスク基材の一方の主面に対して、補強基材を密着配置する第一工程と、
    前記補強基材に対してエッチング処理を施して、前記所定パターンに対応した凹部を形成する第二工程と、
    前記凹部の底面に露出する前記マスク基材に対して前記所定パターンに対応した貫通口を形成する第三工程と、
    前記マスク基材に対してエッチング処理を施して、前記開口部を形成する第四工程と、
    を有することを特徴とするマスクの製造方法。
  8. 前記第一工程は、硼珪酸ガラスからなる前記補強基材と前記マスク基材とを陽極接合する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載のマスクの製造方法。
  9. 前記第一工程は、気相成長法により酸化珪素からなる前記補強基材を形成する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載のマスクの製造方法。
  10. 前記第三工程は、レーザ加工法により前記貫通口を形成する工程を含むことを特徴とする請求項7から請求項9のうちいずれか一項に記載のマスクの製造方法。
  11. 前記第四工程は、(100)面方位シリコンからなる前記マスク基材に対してエッチング処理を施して、前記開口部の内面に所望の大きさの(111)面を形成する工程を含むことを特徴とする請求項7から請求項10のうちいずれか一項に記載のマスクの製造方法。
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JP2011216728A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Fujifilm Corp 固体撮像素子の製造方法
KR101328821B1 (ko) * 2006-12-13 2013-11-13 엘지디스플레이 주식회사 새도우마스크, 그 제조 방법 및 이를 이용한유기전계발광표시장치의 제조 방법
CN110592526A (zh) * 2018-06-12 2019-12-20 张东晖 金属蒸镀遮罩结构

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