JP2006249064A - 糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤、抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法及び評価用キット、並びに、抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法及びスクリーニング用キット - Google Patents

糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤、抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法及び評価用キット、並びに、抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法及びスクリーニング用キット Download PDF

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Abstract

【課題】 糖尿病や肥満の治療のみならず予防にも有効な、糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤を提供する。
【解決手段】 ジンゲロール類を有効成分として含有する糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤は、TNF−αの発現量上昇に起因するアディポネクチン発現量低下を特異的に阻害・防止し、TNF−αの発現量が低い正常時にはアディポネクチン発現量を上昇させない。本発明の糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤は、日常的に摂取することができ、糖尿病や肥満の予防に有効である。成熟脂肪細胞におけるアディポネクチンの発現量を指標とした抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法及び評価用キット、並びに、抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法及びスクリーニング用キットも提供される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤、抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法及び評価用キット、並びに、抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法及びスクリーニング用キットに関し、さらに詳細には、日常的に摂取することによって糖尿病及び/又は肥満を予防することを可能にする物質を有効成分として含有する糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤、そのような作用を有する物質の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法及び評価用キット、並びに、そのような作用を有する抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法及びスクリーニング用キットに関する。
近年、食生活の欧米化が進み、それに起因すると考えられる糖尿病、肥満、動脈硬化等の生活習慣病が増加している。これらの発症増加は遺伝的なものではなく、主に環境因子によるものである。例えば、高脂肪食や高カロリー食の摂取による脂質代謝異常が、血中脂質上昇、インスリン抵抗性の発症、脂肪細胞肥大化、インスリン分泌不全等の原因となっている。その結果、糖尿病、肥満、動脈硬化等が高確率で発症し、病態の進展へとつながっている。
肥満は、脂肪組織が異常に増加した状態と定義されている。肥満の主な原因は、摂取カロリーと消費カロリーのアンバランスにあり、摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、余剰カロリーが脂肪となって体内に蓄積され、やがて肥満となる。肥満は、糖尿病、心臓病、動脈硬化等の他の生活習慣病を引き起こす万病の元凶であり、現代人にとって深刻な問題である。
糖尿病は、インスリンの作用不足による高血糖が引き起こす複合疾患である。糖尿病は、知覚麻痺、失明、動脈硬化等との合併症を引き起こすことも多く、日常生活に多大な障害をもたらす病気である。特に、インスリン非依存型糖尿病(インスリン抵抗性糖尿病、2型糖尿病)は、環境因子が引き金になって発病するとされ、過食や肥満が大きな原因の一つである。例えば、肥満のために膵臓のインスリン分泌量が激増した結果、逆に膵臓が疲労してインスリン分泌量が減少し、結局インスリンの作用不足となり高血糖となる。あるいは、脂肪の増加によってインスリン受容体が減少し、その結果、インスリンの作用不足となり高血糖となる。逆に、インスリンの作用不足から生まれる余剰のグルコースが脂肪となって蓄えられ、さらに肥満が進むこととなる。このように、肥満と糖尿病はその発症メカニズムにおいて密接に関係している。
脂肪組織は主に脂肪細胞で構成されている。脂肪細胞はその内部に脂肪を含んでおり、体内エネルギーの貯蔵源の役割を果たしている。また、脂肪細胞に分化する前の細胞は前駆脂肪細胞と呼ばれ、内部には脂肪を含んでいない。前駆脂肪細胞は細胞増殖因子や分化誘導物質の作用を受けて脂肪細胞へと増殖・分化する。前駆脂肪細胞との関係において、脂肪細胞を成熟脂肪細胞と呼ぶこともある。
近年、脂肪組織は脂肪を蓄える機能を有するのみでなく、様々な生理活性物質を合成・分泌していることが明らかになってきた。これらの生理活性物質はアディポサイトカイン(adipocytkine)と呼ばれている。特に、肥満となった個体の脂肪組織において、アディポサイトカインの産生異常が生じており、全身の糖・脂質代謝に重大な影響が及ぶことが知られている。アディポネクチン(adiponectin)はアディポサイトカインの一種であり、ヒト脂肪細胞において最も多く発現している遺伝子産物として同定された。アディポサイトカインの多くが肥満によってその血中濃度が上昇するのに対し、アディポネクチンは糖尿病や肥満になるとその血中濃度が低下するという性質を有している。
また、アディポネクチンの遺伝子発現は、転写レベルにおいて、脂肪蓄積により脂肪組織で過分泌されるアディポサイトカインである腫瘍壊死因子−α(tumer necrosis factor、TNF−α)によって調節されている。すなわち、アディポネクチンとTNF−αは互いにその発現を抑制し合っており、アディポネクチンの発現量が低下している状態はTNF−αの発現量が上昇している状態であり、アディポネクチンの発現量が上昇している状態はTNF−αの発現量が低下している状態といえる。よって、糖尿病や肥満の状態は、アディポネクチンの発現量が低下し、TNF−αの発現量が上昇している状態と捉えることができる(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。
アディポネクチンノックアウトマウスを用いた研究によれば、血中アディポネクチン量が低下したマウスがインスリン抵抗性糖尿病を発症したが、血中アディポネクチンを補充することでこれが改善された(非特許文献1)。この知見によれば、アディポネクチンの血中濃度が低下することを阻害・防止することにより、糖尿病や肥満を治療・予防することができると考えられる。そのためには、外部からアディポネクチンを投与する方法と、体内のアディポネクチン合成量を上昇させる方法とが考えられる。
外部からアディポネクチンを投与する方法は、例えば、組換えDNA技術により生産された組換え型アディポネクチンを糖尿病患者に投与することが考えられる。しかし、アディポネクチンの血中濃度は健常人で5〜20μg/mLと高く、アディポネクチンの投与によって低下したアディポネクチン濃度を上げるためには、大量かつ連続的な投与が必要になり、現実的でない。特に、組換えタンパク質を人体に大量投与する場合は、極めて高純度な組換えタンパク質が必要となり、実現が困難である。したがって、アディポネクチンを外部から投与するのではなく、体内のアディポネクチンの合成量を上昇させる方法が好ましい。すなわち、アディポネクチンの合成量を上昇させることにより、糖尿病や肥満を治療・予防する方法を採用する方が、より現実的である。
アディポネクチンの発現を誘導する物質としては、チアゾリジン誘導体が知られている。チアゾリジン誘導体は、アディポネクチン遺伝子の転写因子に直接作用して、アディポネクチンの発現量を上昇させ、糖尿病や肥満を改善しようとするものである。チアゾリジン誘導体は、TNF−αの発現量とは無関係にアディポネクチンの発現量を上昇させる。
一方、脂肪細胞における被検物質とアディポネクチンの発現の関係を調べることを目的として、脂肪細胞におけるアディポネクチン分泌量の測定キットが販売されている。このキットは、脂肪細胞が分泌したアディポネクチンの量を酵素免疫測定法(ELISA)によって測定するものである。このキットによれば、アディポネクチンの発現量を上昇させる一部の物質をスクリーニングできると考えられる。
門脇孝ら編「別冊・医学のあゆみ 糖尿病・代謝症候群−State of arts 2004−2006」,医歯薬出版株式会社,2004年,第42−44頁 岩城正則ら「アディポサイトカインの転写調節」,細胞工学,秀潤社、2004年,第23巻,第2号,第169−173頁 フ イー(Hu E)ら,ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry),1996年,第271巻,第10697−10703頁
しかし、チアゾリジン誘導体は、TNF−αの発現量とは無関係にアディポネクチンの発現を上昇させるものであり、血中アディポネクチン量の正常・異常に関係なく、アディポネクチンの発現量を上昇させる。すなわち、糖尿病や肥満を発症していない健常人がチアゾリジン誘導体を摂取すると、血中アディポネクチン量が必要以上に上昇する恐れがある。よって、チアゾリジン誘導体は、糖尿病や肥満をすでに発症し、アディポネクチンの発現量が低下している人に対して治療目的で用いる場合にはよいが、健常人が日常的に摂取して糖尿病や肥満の予防を目的として用いるには不適である。以上より、健常時にはアディポネクチンの発現量を上昇させず、健常時にあらかじめ摂取することにより糖尿病や肥満を予防することができる物質が求められている。
さらに、上記したアディポネクチン測定キットの方法では、チアゾリジン誘導体のように、単にアディポネクチンの発現を誘導する物質しかスクリーニングができない。すなわち、健常時には作用せず、健常時にあらかじめ摂取することにより糖尿病や肥満を予防することができる物質を評価し、スクリーニングすることはできない。よって、そのような作用を有する物質を評価し、スクリーニングする方法が求められている。
本発明の目的は、日常的に摂取することによって糖尿病及び/又は肥満を予防することを可能にする物質を有効成分として含有する糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤、そのような作用を有する物質の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法及び評価用キット、並びに、そのような作用を有する抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法及びスクリーニング用キットを提供することにある。
本発明者らは、以下の(a)及び(b)の作用、
(a)TNF−αの発現量が上昇してアディポネクチンの発現量が低下している場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させて正常値に戻す、
(b)TNF−αの発現量が上昇しておらずアディポネクチンの発現量が正常値である場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させずにそのまま正常値を維持する、
を有する抗糖尿病及び/又は抗肥満物質を検索するために、成熟脂肪細胞とTNF−αを用いた評価系及びスクリーニング系を構築した。そして、これらの評価系及びスクリーニング系にて被検物質を調べた結果、生姜の辛味成分として知られているジンゲロール(gingerol)類が(a)及び(b)の作用を有することを見出し、本発明を完成した。本発明の要旨は以下の通りである。
請求項1に記載の発明は、ジンゲロール類を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤である。
本発明の糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤は、ジンゲロール類を有効成分として含有するものである。ジンゲロール類は、(a)TNF−αの発現量が上昇してアディポネクチンの発現量が低下している場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させて正常値に戻し、(b)TNF−αの発現量が上昇しておらずアディポネクチンの発現量が正常値である場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させずにそのまま正常値を維持する、作用を有する。(a)の作用は、換言すれば、糖尿病や肥満の状態ではアディポネクチンの発現量を上昇させるということであり、糖尿病や肥満の「治療」に有効ということである。また、(b)の作用は、換言すれば、糖尿病や肥満ではない正常時にはアディポネクチンの発現量を正常値のまま維持するということであり、糖尿病や肥満の「予防」に有効ということである。すなわち、本発明の糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤は、(b)の作用により糖尿病や肥満を発症していない正常時に摂取してもアディポネクチンの発現量が必要以上に上昇するおそれがなく、日常的に摂取することができる。よって、本発明の糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤は、糖尿病や肥満の治療のみならず、予防に有効である。ここで、「ジンゲロール類」とは、各種のジンゲロール及びその類縁体を指すものとする。
前記ジンゲロール類が6−ジンゲロールである構成が特に推奨される(請求項2)。
請求項3に記載の発明は、下記工程(1)〜(3)を包含することを特徴とする抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法である。
(1)成熟脂肪細胞を被検物質と腫瘍壊死因子−αで処理する工程、
(2)工程(1)で処理した成熟脂肪細胞のアディポネクチンの発現量を測定する工程、
(3)工程(2)で測定した発現量によって被検物質の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用を評価する工程。
本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法は、成熟脂肪細胞とTNF−αを用いるものであり、成熟脂肪細胞を被検物質と腫瘍壊死因子−αで処理し、処理後の当該成熟脂肪細胞のアディポネクチンの発現量を測定し、被検物質の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用を評価する。本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法によれば、被検物質が以下の(a)及び(b)からなる抗糖尿病及び/又は抗肥満作用、すなわち、(a)TNF−αの発現量が上昇してアディポネクチンの発現量が低下している場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させて正常値に戻し、(b)TNF−αの発現量が上昇しておらずアディポネクチンの発現量が正常値である場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させずにそのまま正常値を維持する、を有するか否かを評価することができる。当該作用を有する物質は、糖尿病や肥満の治療と予防に有用である。なお、工程(1)における処理の例としては、被検物質やTNF−αを含有する培地で成熟脂肪細胞を培養することが挙げられる。また、工程(1)において、被検物質による処理とTNF−αによる処理を行う順番としては、両方の処理を同時に行ってもよく、一方の処理を行った後に他方の処理を行ってもよい。さらに、後者の場合においては、被検物質による処理とTNF−αによる処理の順番は、どちらが先でもよい。
請求項4に記載の発明は、前駆脂肪細胞を分化誘導させて成熟脂肪細胞を調製し、該成熟脂肪細胞を前記工程(1)に供することを特徴とする請求項3に記載の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法である。
本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法においては、前駆脂肪細胞を分化誘導することにより、成熟脂肪細胞を調製する。前駆脂肪細胞は凍結保存が可能であり、用時調製する必要がない。したがって、本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法においては、工程(1)に供するための成熟脂肪細胞を容易に調製することができる。
請求項5に記載の発明は、前記工程(2)において、アディポネクチン遺伝子のmRNA量を測定することによって、アディポネクチンの発現量を測定することを特徴とする請求項3又は4に記載の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法である。
一般に、遺伝子の発現量を評価する場合は、転写レベルと翻訳レベルの2ヶ所で行なうことができる。すなわち、転写レベルで行なう場合は、対応のmRNA量を測定することにより発現量を評価することができ、翻訳レベルで行なう場合は、対応のタンパク質量を測定することにより発現量を評価することができる。そして、本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法においては、アディポネクチン遺伝子のmRNA量を測定することにより、アディポネクチンの発現量を測定する。かかる構成により、被検物質の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用をより高感度かつ正確に評価することができる。なお、mRNA量の測定方法としては、リアルタイムPCR(RT−PCR)、ノーザンブロッティング等が挙げられる。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれかに記載の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法に用いるためのキットであって、アディポネクチン遺伝子のmRNAに対応するcDNAに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと、腫瘍壊死因子−αとを含むことを特徴とする抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価用キットである。
本発明は抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価用キットにかかり、アディポネクチン遺伝子のmRNAに対応するcDNAに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと、腫瘍壊死因子−αとを含むことを特徴とする。ここで、「アディポネクチン遺伝子のmRNAに対応するcDNA」とは、アディポネクチン遺伝子のmRNAの塩基配列と相補的な塩基配列からなる1本鎖又は2本鎖のDNAをいう。当該cDNAは、例えば、アディポネクチン遺伝子のmRNAを鋳型とした逆転写反応によって調製することができる。本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価用キットに含まれるオリゴヌクレオチドは、例えば、RT−PCR用のプライマーとして、アディポネクチンの発現量の測定に用いられる。本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価用キットによれば、より簡便に被検物質の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価を行なうことができる。
請求項7に記載の発明は、下記工程(4)〜(6)を包含することを特徴とする抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法である。
(4)成熟脂肪細胞を被検物質と腫瘍壊死因子−αで処理する工程、
(5)工程(4)で処理した成熟脂肪細胞のアディポネクチンの発現量を測定する工程、
(6)工程(5)で測定した発現量を基準値と比較し、被検物質を選抜する工程。
本発明は抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法にかかり、成熟脂肪細胞を被検物質と腫瘍壊死因子−αで処理し、処理後の当該成熟脂肪細胞のアディポネクチンの発現量を測定し、該発現量を基準値と比較し、被検物質を選抜する。本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法によれば、以下の(a)及び(b)からなる抗糖尿病及び/又は抗肥満作用、すなわち、(a)TNF−αの発現量が上昇してアディポネクチンの発現量が低下している場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させて正常値に戻し、(b)TNF−αの発現量が上昇しておらずアディポネクチンの発現量が正常値である場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させずにそのまま正常値を維持する、を有する抗糖尿病及び/又は抗肥満物質をスクリーニングすることができる。当該抗糖尿病及び/又は抗肥満物質は、糖尿病や肥満の治療と予防に有用である。なお、工程(4)における処理の例としては、被検物質やTNF−αを含有する培地で成熟脂肪細胞を培養することが挙げられる。また、工程(4)において、被検物質による処理とTNF−αによる処理を行う順番としては、両方の処理を同時に行ってもよく、一方の処理を行った後に他方の処理を行ってもよい。さらに、後者の場合においては、被検物質による処理とTNF−αによる処理の順番は、どちらが先でもよい。
請求項8に記載の発明は、前駆脂肪細胞を分化誘導させて成熟脂肪細胞を調製し、該成熟脂肪細胞を前記工程(4)に供することを特徴とする請求項7に記載の抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法である。
かかる構成により、工程(4)に供するための成熟脂肪細胞を容易に調製することができる。
請求項9に記載の発明は、前記工程(5)において、アディポネクチン遺伝子のmRNA量を測定することによって、アディポネクチンの発現量を測定することを特徴とする請求項7又は8に記載の抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法である。
かかる構成により、抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニングをより高感度かつ正確に行なうことができる。
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれかに記載の抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法に用いるためのキットであって、アディポネクチン遺伝子のmRNAに対応するcDNAに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと、腫瘍壊死因子−αとを含むことを特徴とする抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング用キットである。
本発明は抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング用キットにかかり、アディポネクチン遺伝子のmRNAに対応するcDNAに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと、腫瘍壊死因子−αとを含むことを特徴とする。当該オリゴヌクレオチドは、例えば、RT−PCR用のプライマーとして、アディポネクチンの発現量の測定に用いられる。本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング用キットによれば、より簡便に被検物質から抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニングを行なうことができる。
本発明の糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤は、日常的に摂取することが可能であり、糖尿病や肥満の予防に特に有効である。
本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法によれば、被検物質が日常的に摂取することが可能な抗糖尿病及び/又は抗肥満物質であるか否かを、簡単かつ迅速に評価することができる。
本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価用キットによれば、より簡便に被検物質の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価を行なうことができる。
本発明の抗糖尿病物質のスクリーニング方法によれば、日常的に摂取することが可能な抗糖尿病及び/又は抗肥満物質を簡単かつ迅速にスクリーニングすることができる。
本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング用キットによれば、より簡便に被検物質から抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニングを行なうことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明の糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤は、ジンゲロール類を有効成分として含有するものである。有効成分となるジンゲロール類の例としては、まず各種のジンゲロール、すなわち、3−ジンゲロール、4−ジンゲロール、5−ジンゲロール、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10−ジンゲロール、等が挙げられる。さらに、これらのジンゲロールと同様の基本骨格を有し、側鎖部分が修飾されたようなジンゲロール類縁体も使用可能である。本発明の糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤の特に好ましい実施形態は、6−ジンゲロールを有効成分として含有するものである。6−ジンゲロール(正式名:5−ヒドロキシ−1−(4’−ヒドロキシ−3’メトキシフェニル)−3−デカノン)の構造を下記式(I)に示す。
Figure 2006249064
ジンゲロール類は、天然物から単離精製してよく、化学合成により製造してもよい。天然物から単離精製する場合は、例えば、生姜を用いることができる。例えば、生姜を温水や有機溶媒で処理することにより、ジンゲロール類を抽出することができる。特に、6−ジンゲロールは生姜に多く含まれているので、生姜から単離精製することが好ましい。
本発明の糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤の具体的な形態としては、医薬と食品(機能性食品)が挙げられる。医薬として用いる場合の投与経路は、経口又は非経口のどちらでもよい。経口的に投与する場合の剤型としては、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、液剤、トローチ剤、ゼリー剤等を挙げることができる。また、非経口的に投与する場合の剤型としては、注射剤、硬膏剤、酒精剤、エキス剤、坐剤、懸濁剤、チンキ剤、軟膏剤、パップ剤、点鼻剤、吸入剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤等を挙げることができる。製剤化の方法は公知の方法を用いることができ、原薬であるジンゲロール類に適宜の添加物、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等を添加することにより行われる。
賦形剤の例としては、結晶セルロース、粉末セルロース、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、乳酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、合成ケイ酸アルミニウム、乳糖、白糖、ブドウ糖、果糖、D−マンニトール、トレハロース等を挙げることができる。また、崩壊剤の例としては、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、アルギン酸、部分アルファ化デンプン、ベントナイト等を挙げることができる。また、崩壊剤の例としては、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、アルギン酸、部分アルファ化デンプン、ベントナイト等を挙げることができる。また、結合剤の例としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、マクロゴール、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ゼラチン、デキストリン、ペクチン、ポリアクリル酸ナトリウム、プルラン等を挙げることができる。さらに、滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、硬化油等を挙げることができる。これらの添加物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤を食品として用いる場合は、固形状、半固形状、液状のいずれの形態の食品としてもよい。固形状の食品の例としては、麺類、パン、固形菓子等が挙げられる。半固形状の食品の例としては、ゼリー、ジャム等が挙げられる。液体状の食品としては、ジュース、スープ等が挙げられる。さらに、カプセル剤と同様の形態としたサプリメントのような形態としてもよい。機能性食品とすれば、日常的にジンゲロール類を摂取することが容易となるので、糖尿病や肥満を予防するためには特に好ましい。
本発明の糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤におけるジンゲロール類の含量については、特に制限はないが、例えば0.1重量%以上とすることができる。また、本発明の糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤の摂取量については、ジンゲロール類の1日摂取量が10mg以上となるよう摂取することが好ましく、例えば、ジンゲロール類が10mg〜1000mg摂取できる量が好ましい。
本発明の糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤によれば、(a)TNF−αの発現量が上昇してアディポネクチンの発現量が低下している場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させて正常値に戻し、(b)TNF−αの発現量が上昇しておらずアディポネクチンの発現量が正常値である場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させずにそのまま正常値を維持する、ことができる。特に、(b)の作用により、健常人が日常的に摂取することが可能であり、糖尿病や肥満の予防に特に有効である。
本発明の抗糖尿病作用の評価方法は、(1)成熟脂肪細胞を被検物質と腫瘍壊死因子−αで処理する工程、(2)工程(1)で処理した成熟脂肪細胞のアディポネクチンの発現量を測定する工程、(3)工程(2)で測定した発現量によって被検物質の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用を評価する工程、を含むものである。
工程(1)は、例えば、成熟脂肪細胞を被検物質やTNF−αを含有する培地で培養することにより行うことができる。この際の培養方法は、一般的な動物細胞の培養方法をそのまま適用することができる。培地としては、例えば、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、RPMI1640等の基礎培地に仔ウシ血清(Fetal Calf Serum又はFetal Bovine Serum、FCS又はFBS)等の適宜の成分を添加したものを用いることができる。また、市販の脂肪細胞培養用にあらかじめ調製された培地を用いてもよい。
被検物質による処理とTNF−αによる処理を同時に行う場合は、例えば、被検物質とTNF−αの両方を含有する培地を用いて成熟脂肪細胞を培養すればよい。一方、被検物質による処理とTNF−αによる処理を同時に行わない場合は、種々の実施形態が可能である。被検物質による処理を先に、TNF−αによる処理を後に行う場合は、例えば、最初は被検物質のみを含有する培地で成熟脂肪細胞を培養して被検物質による処理を行い、その後、培養途中で培地にTNF−αを添加してTNF−αによる処理を行う方法が挙げられる。また、培養途中でTNF−αを添加するのではなく、TNF−αのみを含有する培地に交換することによりTNF−αによる処理を行うこともできる。TNF−αによる処理を先に、被検物質による処理を後に行う場合も、同様の方法を用いることができる。
工程(1)を培養以外の方法で行う場合は、例えば、被検物質の溶液やTNF−αの溶液に成熟脂肪細胞を懸濁して接触させることが挙げられる。
工程(1)で使用する成熟脂肪細胞はその由来動物に特に限定はなく、目的に応じて適宜選択すればよい。例えば、成熟脂肪細胞をヒトに対する抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価に使用する場合は、ヒト由来の成熟脂肪細胞を選択すればよい。また上記の目的であっても、他の動物、例えばラット、マウス等由来の成熟脂肪細胞で代替できる場合は、それらの動物由来の成熟脂肪細胞も選択することができ、例えば、より簡便に入手又は取り扱いができる方を選択すればよい。もちろん、その動物に対して物質の抗糖尿病作用の評価を行う場合は、その動物由来の成熟脂肪細胞を選択すればよい。
好ましい実施形態では、前駆脂肪細胞を分化誘導することにより成熟脂肪細胞を調製する。前駆脂肪細胞は凍結保存が可能であり、一部は研究用に市販されているので、入手が容易である。一方、生体試料から前駆脂肪細胞又は成熟脂肪細胞を採取する場合は、内臓脂肪(腸間膜脂肪)、皮下脂肪等から採取することができる。前駆脂肪細胞を分化誘導する方法としては、例えば、インスリン、デキサメタゾン、イソブチルメチルキサンチン等の分化誘導物質を添加した培地で、前駆脂肪細胞を培養することが挙げられる。分化誘導用にあらかじめ調製された市販の培地を使用してもよい。
本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法に用いる被検物質としては、医薬原体、食品素材等が挙げられる。すなわち、被検物質が医薬原体の場合は、糖尿病の治療薬や予防薬の開発に役立てることができる。また、被検物質が食品素材の場合は、糖尿病の治療や予防に効果のある機能性食品の開発に役立てることができる。特に、本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法によれば、(a)TNF−αの発現量が上昇してアディポネクチンの発現量が低下している場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させて正常値に戻し、(b)TNF−αの発現量が上昇しておらずアディポネクチンの発現量が正常値である場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させずにそのまま正常値を維持する、ことができる作用を有するか否かを評価することができる。換言すれば、糖尿病や肥満の状態ではアディポネクチンの発現量を上昇させ、正常時にはアディポネクチンの発現量を正常値に維持することができる作用を、被検物質が有しているか否かを評価することができる。
工程(1)において、被検物質を含有した培地で成熟脂肪細胞を培養する場合は、被検物質の最終濃度は、脂肪細胞の増殖を阻害しない範囲から選択することが好ましく、0.01〜500μM、好ましくは1〜50μM程度である。また、工程(1)において、TNF−αを含有した培地で成熟脂肪細胞を培養する場合は、TNF−αの最終濃度は、成熟脂肪細胞のアディポネクチンの発現量を低下させることができ、かつ、成熟脂肪細胞の増殖を阻害しない範囲であればよく、一般的には1〜100ng/mL程度である。
工程(2)において、アディポネクチンの発現量は、RNAへの転写レベルとタンパク質への翻訳レベルの2つの段階で測定することができる。RNAへの転写レベルでアディポネクチンの発現量を測定する場合は、アディポネクチン遺伝子のmRNA量を測定する。この際の測定試料は、成熟脂肪細胞から全RNAを抽出することにより、調製することができる。全RNAを成熟脂肪細胞から抽出する方法は、公知の方法が使用でき、例えば、グアニジンチオシアネート/塩化セシウム法により抽出することができる。その他、市販のRNA抽出キットを使用することにより、全RNAを簡便に抽出することができる。また、アディポネクチン遺伝子のmRNA量を測定する方法としては、アディポネクチン遺伝子のmRNAを特異的に定量できる方法であれば特に制限はなく、例えば、RT−PCR、定量PCR、DNAマイクロアレイ、ノーザンブロット等を用いることができる。特に、RT−PCRによれば、簡単かつ迅速にアディポネクチン遺伝子のmRNA量を測定できるので、きわめて好適である。RT−PCRを行なうためのプライマーは、公知のアディポネクチン遺伝子のmRNAに相補的なcDNA(以下、「アディポネクチンcDNA」と称する。)の塩基配列情報から設計することができる。
一方、タンパク質の定量によってアディポネクチンの発現量を測定する場合は、成熟脂肪細胞の細胞内にあるアディポネクチンの量と、成熟脂肪細胞が分泌したアディポネクチンの量のいずれかを測定することができる。細胞内のアディポネクチンの量を測定する場合は、成熟脂肪細胞の抽出液を測定試料とすることができる。例えば、成熟脂肪細胞を遠心分離等の方法で回収した後、低張処理あるいは機械的処理等によって細胞を破砕し、細胞抽出液を得ることができる。得られた細胞抽出液は必要に応じて粗精製等の前処理を行ってもよい。成熟脂肪細胞が分泌したアディポネクチンの量を測定する場合は、例えば、培地を測定試料とすればよい。アディポネクチンの量を測定する方法としては、アディポネクチンを特異的に測定できる方法であればよく、例えば免疫測定法、ウエスタンブロッティング等を用いることができる。免疫測定法の例としては、酵素免疫測定法(EIA、ELISA)、放射性免疫測定法(RIA)、蛍光免疫測定法(FIA)等が挙げられる。市販のアディポネクチンELISA測定キットを用いれば、簡単にアディポネクチンの量を測定することができる。
本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価用キットは、アディポネクチン遺伝子のmRNAに相補的なcDNA(アディポネクチンcDNA)に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと、TNF−αとを含む。当該オリゴヌクレオチドは、例えば、RT−PCR用のプライマーとして、アディポネクチンの発現量の測定に用いられる。アディポネクチンcDNAに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドとしては、アディポネクチンcDNAの塩基配列の一部と同一又は相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドが挙げられる。さらに、それらのオリゴヌクレオチドの数個の塩基に対して、塩基の置換、欠失又は付加を行ったオリゴヌクレオチドであっても、アディポネクチンcDNAに特異的にハイブリダイズするものであれば、キットに含めることができる。一方、キットに含めるTNF−αは、溶液でもよいし、凍結乾燥品でもよい。なお、キットには他の試薬類、例えば、培地、RNA抽出用試薬、cDNA合成用試薬、ポリメラーゼ酵素、基質、酵素反応用バッファー、対照用のプライマー等を含めてもよい。
本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法は、(4)成熟脂肪細胞を被検物質と腫瘍壊死因子−αで処理する工程、(5)工程(4)で処理した成熟脂肪細胞のアディポネクチンの発現量を測定する工程、(6)工程(5)で測定した発現量が基準値以上である被検物質を選抜する工程、を含むものである。このうち、工程(4)と工程(5)は、それぞれ、上記した工程(1)と工程(2)と同一であるので、説明を省略する。
工程(6)における基準値の例としては、成熟脂肪細胞における平常時のアディポネクチン発現量が挙げられる。この場合は、基準値と同レベルのアディポネクチン発現量を示す被検物質を選抜すればよい。このように選抜された物質の中には、(a)TNF−αの発現量が上昇してアディポネクチンの発現量が低下している場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させて正常値に戻し、(b)TNF−αの発現量が上昇しておらずアディポネクチンの発現量が正常値である場合には、アディポネクチンの発現量を上昇させずにそのまま正常値を維持する、ことができる作用を有する物質が含まれている。また、チアゾリジン誘導体のようにTNF−αの発現量とは無関係にアディポネクチンの発現量を上昇させる物質を選抜対象からあらかじめ排除しておけば、より高感度に上記(a)及び(b)の作用を有する物質をスクリーニングすることができる。当該物質は、換言すれば、正常時であってもアディポネクチンの発現量を上昇させる物質であるので、そのような物質をあらかじめ排除すればよい。具体的には、TNF−αによる処理を行わずに被検物質による処理のみを行う対照実験(対照試験A)と、TNF−αによる処理も被検物質による処理も行わない対照実験(対照試験B)を同時に行って、それぞれのアディポネクチンの発現量を比較し、対照実験Aの方が対照実験Bに比べて高いアディポネクチン量を示す物質をあらかじめ除外すればよい。
なお、ジンゲロール類のような、上記(a)及び(b)の作用を有する物質は、TNF−αによる処理を行わない従来の方法ではスクリーニングできない。そのような物質で成熟脂肪細胞を処理しても、TNF−αによる処理を行わなければ、アディポネクチンの発現量に変化が起こらないからである。すなわち、従来の方法では抗糖尿病及び/又は抗肥満物質としてチアゾリジン誘導体をスクリーニングすることができるが、ジンゲロール類をスクリーニングすることはできない。
本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法に使用される被検物質としては、食品素材や医薬原体が挙げられるが、食品素材が好適である。すなわち本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法は、多数の食品素材からの中から糖尿病や肥満の治療と予防に効果がある新しい機能性食品素材を探索するのに効果的である。この方法は、抗糖尿病及び/又は抗肥満物質の1次スクリーニングに特に有効である。本発明のスクリーニング方法で選抜された被検物質は、次は動物実験等のインビボ試験へと供され、所望の効果を有する被検物質がさらに選抜される。
本発明の抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング用キットは、アディポネクチンcDNAに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと、TNF−αとを含む。本発明の実施形態としては、上記した抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価用キットと全く同様の構成を採用することができる。
以下に、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.成熟脂肪細胞の調製
マウス由来前駆脂肪細胞株3T3−L1(ヒューマンサイエンス研究資源バンク)を24ウェルプレートに撒き、10%FCS(バイオロジカル インダストリーズ社)含有DMEM(シグマ社)にて、5%CO2、37℃で培養した。細胞がハイパーコンフルエントになった時点で、分化誘導剤として最終濃度がそれぞれ2μM インスリン(insulin)(シグマ社)、1μM デキサメタソン(dexamethasone)(ICN社)、及び0.25mM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン(3−isobutyl−1−methylxanthine)(ICN社)を含む10%FCS含有DMEMに培地交換し(Day0とする)、3日間培養した。その後2μM インスリン含有10%FCS含有DMEMに培地交換して(Day3)2日間培養し、その後同様の培地に交換して(Day5)1日間培養した(Day6)。
2.TNF−α存在下での培養
被検物質として6−ジンゲロールを検討した。6−ジンゲロール(和光純薬工業社)をDMSOに溶解して50mM濃度の溶液を調製した。この溶液を必要に応じて希釈し、10%FCS含有DMEMに、最終濃度が0、0.1、1、10、25、50、100μMとなるようにそれぞれ添加した(6−ジンゲロール含有培地)。Day6の時点で、当該6−ジンゲロール含有培地に交換し、5%CO2、37℃で1時間培養した。その後、マウスTNF−α(R&D SYSTEMS社)を最終濃度が10ng/mLとなるように培地に添加し、さらに、15時間、5%CO2、37℃で培養した。対照として、6−ジンゲロールを含まない培地でTNFαも添加しないものについても同時に実験を行なった。
3.核酸の回収
培地を取り除き、細胞をPBSで洗浄した後に、1ウェルあたり1mLのQIAZOL(キアゲン社)を加え、セルスクレイパーで細胞を回収し、全量を滅菌済みの1.5mL容チューブに加えてヴォルテックスミキサーでよく混合した。さらに、200μLのクロロホルムを加えてヴォルテックスミキサーでよく混合した後、そのまま室温で5分間静置した。次に、13000rpm、4℃で15分間遠心分離し、水層を新しい1.5mL容チューブに回収した。回収した液に同量のイソプロパノールを加えてよく混合し、室温で5分間静置した。次に、13000rpm、4℃で15分間遠心分離し、上清を取り除いた。さらに1mLの70%エタノールを加えてよく混合した後、13000rpm、4℃で5分間遠心分離し、上清を取り除いた。そのまま沈殿を室温で5分間風乾させた。次に、沈殿にジエチルピロカーボネート(DEPC)で処理した水(DEPC処理水)30μLを加えてピペッティングでよく混合した。吸光度計(SmartSpec、バイオラッド社)を用いて、260nmにおける吸光度を測定し、RNA濃度を定量した。
3.cDNA合成
得られたRNA1μgに対して、9.5μLのDEPC処理水、4μLの25mM MgCl2(タカラバイオ社)、2μLの10×PCRバッファー(タカラバイオ社)、2μLの10mM dNTP mixture(MBI Fermentas社)、0.5μLの40U/μL Ribonuclease Inhibitor(タカラバイオ社)、1μLの50U/μL MuLV Reverse Transcriptase(アプライドバイオシステムズ社)、1μLの50pmol/μL ランダムプライマー(9mer)(タカラバイオ社)、を加え(計20μL)、30℃で10分間、42℃で30分間、99℃で5分間、及び5℃で5分間反応させ、cDNAを合成した。
4.RT−PCRによるmRNAの定量
得られたcDNA1μgに対し、11.25μLのDEPC処理水、12.5μLの2×Taqman PCR Reaction Mix(アプライドバイオシステムズ社)、及び1.25μLのTaqMan(R)Gene Expression Assays(品番:Mm00456425_m1(マウスアディポネクチン用)とMm00607939_s1(マウスβーアクチン用))、アプライドバイオシステムズ社)を加え(計25μL)、7300 real time PCRシステム(アプライドバイオシステムズ社)のプロトコールに従ってRT−PCRを行なった。アディポネクチン遺伝子のmRNA量とβ−アクチン遺伝子のmRNA量を測定し、アディポネクチン遺伝子のmRNA量をβ−アクチン遺伝子のmRNA量で割った値をアディポネクチンの発現量とした。アディポネクチン結果を図1に示す。グラフのバーは、上から順に、6−ジンゲロールを100μM含有+TNF−α処理、同50μM含有+TNF−α処理、同25μM含有+TNF−α処理、同10μM含有+TNF−α処理、同1μM含有+TNF−α処理、同0.1μM含有+TNF−α処理、同0μM含有+TNF−α処理(6−ジンゲロール処理がなく、TNF−α処理のみ)、及び、6−ジンゲロール処理もTNF−α処理もなし、の場合である。グラフの横軸はアディポネクチンの発現量である。すなわち、6−ジンゲロールが10μM以下の場合は、TNF−αに起因するアディポネクチンの発現量の抑制を阻害・防止できなかったが、25μMと50μMの濃度ではTNF−αに起因するアディポネクチンの発現量の抑制を有意に阻害・防止でき(p<0.05)、特に50μMの濃度で効果が最大であった。
以上より、6−ジンゲロールがTNF−αに起因するアディポネクチン発現量の抑制を阻害・防止できる抗糖尿病及び/又は抗肥満作用を有する物質であると判定した。
5.TNF−α非処理の場合におけるアディポネクチン発現量
比較例として、6−ジンゲロールを50μM含有する培地を用い、TNF−αを添加しなかった場合のアディポネクチンmRNA量を、同様にして測定した。結果を図2に示す。グラフの縦軸はアディポネクチンの発現量、横軸は6−ジンゲロール処理時間である。すなわち、TNF−αを添加しなかった場合は、6−ジンゲロールで処理してもアディポネクチンの発現量は上昇しなかった。これにより、6−ジンゲロールは、正常時においてはアディポネクチンの発現量を上昇させず、TNF−αに起因してアディポネクチンの発現量が低下した時にのみアディポネクチンの発現量を上昇させる作用を有していた。この点において、6−ジンゲロールが有する作用は、TNF−αの発現量とは無関係にアディポネクチンの発現量を上昇させるチアゾリジン誘導体と明らかに異なっていた。
本実施例では、本発明者らが構築した肥満者由来の成熟脂肪細胞を用いた抗肥満及び/又は抗糖尿病作用の評価系(特願2005−122021号明細書に記載)によって、6−ジンゲロールの抗肥満及び/又は抗糖尿病作用を評価した。本評価系では、肥満者由来の成熟脂肪細胞における第1表又は第2表に示される遺伝子の少なくとも1つの発現量を指標として、被検物質の抗肥満及び/又は抗糖尿病作用を評価する。すなわち、第1表に示される遺伝子は、肥満者由来の成熟脂肪細胞において特異的に発現量が上昇しているものである。したがって、被検物質で処理した成熟脂肪細胞において第1表に表される遺伝子群の発現量が低下して正常値に近づけば、その被検物質が抗肥満・抗糖尿病作用を有すると評価できる。一方、第2表に表される遺伝子群は、肥満者由来の成熟脂肪細胞において発現量が低下しているものである。したがって、被検物質で処理した成熟脂肪細胞において第2表に表される遺伝子群の発現量が上昇して正常値に近づけば、その被検物質が抗肥満及び/又は抗糖尿病作用を有すると評価できる。
Figure 2006249064
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1.成熟脂肪細胞の調製
肥満者(BMI=47.02)の皮下脂肪組織よりそれぞれ分離されたヒト白色前駆脂肪細胞(ZEN−BIO社)をディッシュに撒き、ZEN−BIO社のプロトコールに従って前駆脂肪細胞用培地PM−1(ZEN−BIO社)にて維持した。ハイパーコンフルエント(ディッシュの底面積の90%以上を細胞が占める状態)になったところで、分化用培地DM−2(ZEN−BIO社)に交換し、3日間維持して成熟脂肪細胞へ分化誘導した。分化用培地DM−2に切り替えて3日目に成熟脂肪細胞培養用培地AM−1(ZEN−BIO社)に交換し、以後3日おきに成熟脂肪細胞用培地を半量ずつ交換して成熟脂肪細胞として維持し、分化誘導開始から13日間培養した。一方、6−ジンゲロール(和光純薬工業社)をDMSOに溶解して25mM濃度の溶液を調製した。この溶液を成熟脂肪細胞培養用培地AM−1(ZEN−BIO社)に最終濃度として25μMになるように添加し、6−ジンゲロール含有培地を調製した。そして、分化誘導開始から13日目に培地を6−ジンゲロール含有培地に交換し、さらに24時間培養した。対照として、肥満者(BMI=47.02)由来のヒト白色前駆脂肪細胞を用いて分化誘導から13日間培養したもの(6−ジンゲロール含有培地に培地交換しない)について、同時に培養を行なった。なお、上記の細胞の維持・培養は全て5%CO2、37℃の条件下で行なった。
2.全RNAの調製
分化誘導開始から13日間培養した成熟脂肪細胞を回収し、RNeasy Lipid Tissue Mini Kit(QIAGEN社)を用いて、全RNAを調製した。
3.cRNAの調製
得られた全RNAを鋳型として、SuperScript Choice System(Invitrogen社)及びT7−d(T)24プライマー(Amersham Pharmacia社)を用いて1本鎖のcDNAを合成した。続いて、デオキシリボヌクレオチドミクスチャー(dNTP),DNAリガーゼ,DNAポリメラーゼI及びRNaseH(以上、Invitrogen社)を添加して反応させ、更にT4DNAポリメラーゼI(Invitrogen社)を添加して2本鎖cDNAを合成した。次に、得られたcDNAを精製後、RNA Transcript Labeling Kit(Enzo Life Sciences社)を用い、ATP、GTP、CTP、UTP、ビオチン化UTP、及びビオチン化CTPを加えてラベル化反応を行った。反応生成物を精製後、40mM トリス−酢酸(pH8.1),30mM 酢酸マグネシウム,100mM 酢酸カリウム中で94℃にて35分間加熱して、断片化したビオチン化cRNAを調製した。
4.DNAチップとのハイブリダイズと蛍光測定
断片化したビオチン化cRNAを、100mM MES,1M ナトリウム塩,20mM EDTA,0.01% Tween20(以下、ハイブリダイゼーションバッファーと称する)中、45℃にて16時間、GeneChip(Affymetrix社、登録商標)Human Genome Focus Arrayにハイブリダイズさせた。ハイブリダイズ後、Affymetrix fluidics stationに添付のプロトコールに従い、GeneChipを洗浄し、染色した。染色にはstreptavidin phycoerythin(Molecular Probes社)とbiotinylated anti−Streptavidin(フナコシ社)を用いた。染色後のGeneChipをGene Scanner(HEWLETT PACKARD社)を用いてスキャンし、488nmの励起光を用い、570nmの蛍光をシグナルとしてとらえ、その蛍光強度を測定した。
5.データ解析
データ解析は、Gene Spring(Silicon Genetics社)を用いて行った。発現量の比較を行うために、シグナルが検知不能であった遺伝子、シグナルの再現性が悪い遺伝子、及びシグナルが弱い遺伝子を除き、解析対象として3988個の遺伝子を抽出した。これらの遺伝子について、正常者由来の脂肪細胞に対して、肥満者由来の脂肪細胞(6−ジンゲロール含有培地に培地交換しない)が1.5倍以上の蛍光強度の差を示したが、6−ジンゲロール含有培地に培地交換することにより正常者由来の脂肪細胞と同レベルに蛍光強度が回復した遺伝子を検索した。その結果、第1表に示す遺伝子のうち15個の発現量が正常者由来の成熟脂肪細胞と同レベルにまで回復(低下)していた。これら15個の遺伝子を第3表に示す。また、第2表に示す遺伝子のうち7個の発現量が正常者由来の成熟脂肪細胞と同レベルにまで回復(上昇)していた。これら7個の遺伝子を第4表に示す。以上より、6−ジンゲロールが抗肥満及び/又は抗糖尿病作用を有することが示された。
Figure 2006249064
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アディポネクチンcDNA増幅用フォワードプライマー(1nmol、凍結乾燥品)、同リバースプライマー(1nmol、凍結乾燥品)、及びTNF−α(500μg、凍結乾燥品)、を1セットとして、抗肥満及び/又は抗糖尿病作用の評価用キットを構築した。本キットは−20℃以下で輸送及び保存することとした。なお、前駆脂肪細胞又は成熟脂肪細胞は本キットには含めず、ユーザーにて別途準備するものとした。
実施例3と同様の構成からなる抗肥満及び/又は抗糖尿病物質のスクリーニング用キットを構築した。本キットも−20℃以下で輸送及び保存することとした。なお、前駆脂肪細胞又は成熟脂肪細胞は本キットには含めず、ユーザーにて別途準備するものとした。
6−ジンゲロールが、TNF−α処理後の成熟脂肪細胞におけるアディポネクチンの発現量に与える影響を表すグラフである。 6−ジンゲロールが、TNF−α処理を行わなかった成熟脂肪細胞におけるアディポネクチンの発現量に与える影響を表すグラフである。

Claims (10)

  1. ジンゲロール類を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤。
  2. 前記ジンゲロール類は、6−ジンゲロールであることを特徴とする請求項1に記載の糖尿病及び/又は肥満の治療・予防剤。
  3. 下記工程(1)〜(3)を包含することを特徴とする抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法。
    (1)成熟脂肪細胞を被検物質と腫瘍壊死因子−αで処理する工程、
    (2)工程(1)で処理した成熟脂肪細胞のアディポネクチンの発現量を測定する工程、
    (3)工程(2)で測定した発現量によって被検物質の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用を評価する工程。
  4. 前駆脂肪細胞を分化誘導させて成熟脂肪細胞を調製し、該成熟脂肪細胞を前記工程(1)に供することを特徴とする請求項3に記載の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法。
  5. 前記工程(2)において、アディポネクチン遺伝子のmRNA量を測定することによって、アディポネクチンの発現量を測定することを特徴とする請求項3又は4に記載の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価方法に用いるためのキットであって、アディポネクチン遺伝子のmRNAに対応するcDNAに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと、腫瘍壊死因子−αとを含むことを特徴とする抗糖尿病及び/又は抗肥満作用の評価用キット。
  7. 下記工程(4)〜(6)を包含することを特徴とする抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法。
    (4)成熟脂肪細胞を被検物質と腫瘍壊死因子−αで処理する工程、
    (5)工程(4)で処理した成熟脂肪細胞のアディポネクチンの発現量を測定する工程、
    (6)工程(5)で測定した発現量を基準値と比較し、被検物質を選抜する工程。
  8. 前駆脂肪細胞を分化誘導させて成熟脂肪細胞を調製し、該成熟脂肪細胞を前記工程(4)に供することを特徴とする請求項7に記載の抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法。
  9. 前記工程(5)において、アディポネクチン遺伝子のmRNA量を測定することによって、アディポネクチンの発現量を測定することを特徴とする請求項7又は8に記載の抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング方法に用いるためのキットであって、アディポネクチン遺伝子のmRNAに対応するcDNAに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと、腫瘍壊死因子−αとを含むことを特徴とする抗糖尿病及び/又は抗肥満物質のスクリーニング用キット。
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