JP2006248968A - イソプロピルベンゼン系化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 プロピレンとベンゼンまたはトルエンを、塩化アルミニウム触媒を用いて反応させるイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法において、精留工程で問題となる塩素イオンの塔内への流入を少なくすることで塩素イオンと中和剤との反応により塔内に析出する塩化物を抑制し、精留塔の長期連続運転を可能とするイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】 下記A工程〜D工程を含むことを特徴とするイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法。
A工程:プロピレンとベンゼンまたはトルエンを塩化アルミニウム触媒を用いて反応させた反応液を苛性洗浄する苛性洗浄工程
B工程:苛性洗浄した液を水洗する水洗浄工程
C工程:水洗浄を行った反応液を、冷却する冷却工程
D工程:冷却された反応液の油相に含まれる水分を分離除去する油水分離工程
【選択図】 図1
【解決手段】 下記A工程〜D工程を含むことを特徴とするイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法。
A工程:プロピレンとベンゼンまたはトルエンを塩化アルミニウム触媒を用いて反応させた反応液を苛性洗浄する苛性洗浄工程
B工程:苛性洗浄した液を水洗する水洗浄工程
C工程:水洗浄を行った反応液を、冷却する冷却工程
D工程:冷却された反応液の油相に含まれる水分を分離除去する油水分離工程
【選択図】 図1
Description
本発明は、プロピレンとベンゼンまたはトルエンを反応させてイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は塩化アルミニウム触媒を用いてイソプロピルベンゼン系化合物を製造する際の、精留工程において問題となる塩素イオンを低減する方法に関するものである。
いわゆるフリーデルクラフト型の反応に用いられる塩化アルミニウム触媒を用いたイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法は公知であり、塩化アルミニウム触媒を用いて反応させた反応液を苛性洗浄工程、水洗浄工程を通した後に、蒸留等により精製し目的成分を得る方法が知られている(特許文献1参照)。この製法では苛性洗浄工程後の液を精留系にフィードすることにより油中の水分に溶け込んだ塩素イオンが配管及び塔内の腐食を引き起こすため、苛性ソーダ等の中和剤を添加して洗浄し、塩素イオンを低減して腐食を軽減させるといった対応を行っている。しかし、この反応液をそのまま精留塔にフィードすると、腐食等の問題は軽減されているものの、微量に残存している塩素イオンが精留塔内で中和剤と反応し塩化物となって析出し、塔の能力を著しく低下させる等の問題が生じ、しばしば精留等の運転を停止して水洗浄を行う必要が生じ、改善が求められていた。
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、プロピレンとベンゼンまたはトルエンを、塩化アルミニウム触媒を用いて反応させるイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法において、精留工程で問題となる塩素イオンの塔内への流入を少なくすることで精留塔における塩化物の析出を抑制し、精留塔の長期連続運転を可能とするイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法の提供を目的とする。
すなわち本発明は、プロピレンとベンゼンまたはトルエンを塩化アルミニウム触媒を用いて反応させるイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法において、下記A工程〜D工程を含むことを特徴とするイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法に係るものである。
A工程:プロピレンとベンゼンまたはトルエンを塩化アルミニウム触媒を用いて反応させた反応液を苛性洗浄する苛性洗浄工程
B工程:苛性洗浄した液を水洗する水洗浄工程
C工程:水洗浄を行った反応液を、冷却する冷却工程
D工程:冷却された反応液の油相に含まれる水分を分離除去する油水分離工程
A工程:プロピレンとベンゼンまたはトルエンを塩化アルミニウム触媒を用いて反応させた反応液を苛性洗浄する苛性洗浄工程
B工程:苛性洗浄した液を水洗する水洗浄工程
C工程:水洗浄を行った反応液を、冷却する冷却工程
D工程:冷却された反応液の油相に含まれる水分を分離除去する油水分離工程
本発明により、プロピレンとベンゼンまたはトルエンを、塩化アルミニウム触媒を用いて反応させるイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法において、精留工程で問題となる塩素イオンの塔内への流入を少なくすることで塩素イオンと中和剤との反応により塔内に析出する塩化物を抑制し、精留塔の長期連続運転を可能とするイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法を提供することができる。
本発明の実施態様の一例を示すフローのブロック図(図1)に基づいて、説明する。図1は、本発明におけるプロピレンとベンゼンまたはトルエンを塩化アルミニウム触媒を用いて反応させるイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法の流れをブロック図で示したものであって、反応工程2、苛性洗浄工程(A工程)5、水洗浄工程(B工程)5、冷却工程(C工程)8、油水分離工程(D工程)9、精留工程11より構成されている。
反応工程2では、反応原料1のプロピレンとベンゼンまたはトルエンに、塩化アルミニウム3を添加して、温度は20〜150℃、圧力は常圧・加圧と特に限定は無く反応させる。反応液4には塩化アルミニウム触媒に由来するアルミニウム、塩素イオン等の不純物が含有されるので苛性洗浄工程5において、苛性ソーダ水溶液6で洗浄し、水相を分離洗浄水7として分離する。次いで、水洗浄工程10において、純水8で洗浄して分離洗浄水9を分離する。苛性洗浄工程5では、中和効率を上げるための加熱及び中和反応による反応熱で90℃以上の温度となる。
従来は、この苛性洗浄工程5、水洗浄工程10後の反応液を、高い温度のまま精留工程14にフィードしていたが、本発明においては、冷却工程11において少なくとも40℃以下に冷却する。苛性洗浄工程5においては、反応液は90℃以上の高温になるので油相中には洗浄水の分離後も微量の水分が溶解している。そこで、高温の反応液を40℃以下に冷却し油相への水分の溶解度を減少させ、油水分離工程9で静置して油中の水分を分離水10として除去し、精留工程14にフィードする。
冷却工程11は、熱交換器を設置して冷水等の冷媒と熱交換して冷却するのが好ましいが、大型のタンクを用いて滞留時間を長くすることで自然冷却し、そのタンクを次工程の油水分離工程9と兼用することで余分なエネルギーを使わず水分離しても構わない。
油水分離工程13では、冷却工程11で冷却された反応液中の水分を分離する槽を精留工程14のフィードタンクと別に設けてもよいが、例えば、精留工程14のフィードタンクの滞留時間を十分取って、油中に含まれる微量の水分を分離除去できるように設計して、フィードタンクと兼用することもできる。その場合、フィードタンク中の滞留時間は1時間以上、好ましくは2時間以上取れるようにする。静置時間が短いと油中の水分が十分分離されず塩素イオンを含む水分が精留工程に入るからである。
本発明を実施例に基づいて、具体的に説明するが、もとより本発明はこの実施例に限られるものではない。
実施例1
塩化アルミニウム触媒を用いてプロピレンとベンゼンを反応させ、クメン、メタジイソプロピルベンゼン、パラジイソプロピルベンゼン及びトリイソプロピルベンゼン等イソプロピルベンゼン系化合物を含む約80℃の反応液を得た。この反応液中の塩化アルミニウム触媒を除去するために苛性洗浄工程、水洗浄工程の処理を行った後の、主として油相よりなる反応液の温度は約95℃であった。この反応液を冷却工程で約20℃に冷却した。次いで、油水分離工程としてタンクに移送し6時間滞留・静置させた後、油中の塩素イオン濃度を測定したところ3.1ppmであった。
塩化アルミニウム触媒を用いてプロピレンとベンゼンを反応させ、クメン、メタジイソプロピルベンゼン、パラジイソプロピルベンゼン及びトリイソプロピルベンゼン等イソプロピルベンゼン系化合物を含む約80℃の反応液を得た。この反応液中の塩化アルミニウム触媒を除去するために苛性洗浄工程、水洗浄工程の処理を行った後の、主として油相よりなる反応液の温度は約95℃であった。この反応液を冷却工程で約20℃に冷却した。次いで、油水分離工程としてタンクに移送し6時間滞留・静置させた後、油中の塩素イオン濃度を測定したところ3.1ppmであった。
比較例1
実施例1と同様にして得た苛性洗浄工程の出口液を、冷却も静置もせずにそのまま塩素イオン濃度を測定したところ7.9ppmであった。
上記の結果から次のことがわかる。本発明による冷却、油水分離を行った実施例1のイソプロピルベンゼン系化合物を含む反応液中の塩素イオン濃度は低く、一方、従来の方法である冷却、油水分離を行わない比較例1は該塩素イオン濃度が高い。
実施例1と同様にして得た苛性洗浄工程の出口液を、冷却も静置もせずにそのまま塩素イオン濃度を測定したところ7.9ppmであった。
上記の結果から次のことがわかる。本発明による冷却、油水分離を行った実施例1のイソプロピルベンゼン系化合物を含む反応液中の塩素イオン濃度は低く、一方、従来の方法である冷却、油水分離を行わない比較例1は該塩素イオン濃度が高い。
1…反応原料、2…反応工程、3…塩化アルミニウム触媒、4…反応液、5…苛性洗浄工程、6…苛性ソーダ、7…分離洗浄水、8…純水、9…分離洗浄水、10…水洗浄工程、11…冷却工程、12…分離水、13…油水分離工程、14…精留工程、15…次工程
Claims (1)
- プロピレンとベンゼンまたはトルエンを塩化アルミニウム触媒を用いて反応させるイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法において、下記A工程〜D工程を含むことを特徴とするイソプロピルベンゼン系化合物の製造方法。
A工程:プロピレンとベンゼンまたはトルエンを塩化アルミニウム触媒を用いて反応させた反応液を苛性洗浄する苛性洗浄工程
B工程:苛性洗浄後の液を水洗する水洗浄工程
C工程:水洗浄を行った反応液を、冷却する冷却工程
D工程:冷却された反応液の油相に含まれる水分を分離除去する油水分離工程
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005066753A JP2006248968A (ja) | 2005-03-10 | 2005-03-10 | イソプロピルベンゼン系化合物の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5574968B2 (ja) * | 2008-10-23 | 2014-08-20 | 三井化学株式会社 | アルキル化芳香族化合物の製造方法、クメンの製造方法およびフェノールの製造方法 |
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2005
- 2005-03-10 JP JP2005066753A patent/JP2006248968A/ja active Pending
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