JP2006248699A - ゴミステーション及びゴミステーションによる臭気排除方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ゴミステーションに投入される家庭用ゴミ、特に生ゴミから発生する可燃性である臭気ガスを、例えばコジェネレーションシステム等の燃焼系の燃料の支燃剤として臭気含有空気を使用することにより、ゴミステーションで発生する臭気の拡散を防止することができるゴミステーション及びゴミステーションによる臭気排除方法を提供する。
【解決手段】 家庭から排出されるゴミを集積し、給気口と排気口とを有する閉領域に囲繞し、給気口より流入した外部の空気をゴミ集積部内で発生した臭気とともに排気口から排出し、排出した臭気を含む空気を燃焼させる。集積されたゴミ中の生ゴミを分別して嫌気性発酵させ、排出した臭気を含む空気、及び発生した可燃性ガスを燃焼させる。燃焼機器から発生した熱の一部を誘導し、集積したゴミを熱乾燥する。
【選択図】 図1
【解決手段】 家庭から排出されるゴミを集積し、給気口と排気口とを有する閉領域に囲繞し、給気口より流入した外部の空気をゴミ集積部内で発生した臭気とともに排気口から排出し、排出した臭気を含む空気を燃焼させる。集積されたゴミ中の生ゴミを分別して嫌気性発酵させ、排出した臭気を含む空気、及び発生した可燃性ガスを燃焼させる。燃焼機器から発生した熱の一部を誘導し、集積したゴミを熱乾燥する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ゴミ置き場に投入される家庭用ゴミ、特に生ゴミから発生するメタン等の可燃性ガスを主成分とする臭気ガスを燃焼系の燃料として利用することにより臭気の拡散を防止することができるゴミステーション及びゴミステーションによる臭気排除方法に関する。
近年、エネルギの需要量が増加すると共に、環境問題への関心も高まっている。環境問題及び需要量増加の両方に対処すべく、エネルギの利用効率の高い燃料電池及び該燃料電池による発電の際に生じる排熱を給湯又は暖房等に利用するコジェネレーションシステムが多々開発されている(例えば特許文献1参照)。
家庭用コジェネレーションシステムで用いる燃料電池は、高分子電解質(PEFC)形で最高出力が1KWの燃料電池が主流であり、PEFCスタック(発電モジュール)、都市ガス等の化石燃料から水素リッチガスを生成する改質器、PEFCスタック及び改質器からの排熱を回収する熱交換器等で構成されている。
一方、ガスエンジンを用いた熱電併給システムも、硫黄酸化物の排出が極めて少なく、環境負荷が小さいので、特に都市域のコジェネレーションシステムとしてマンション等に集中配備されている。最近では、発電効率と環境性の向上とを両立すべく、副室燃焼型のような窒素酸化物の排出が少なく、高発電効率型のガスエンジンが普及しつつある(例えば特許文献2参照)。
特開2002−289212号公報
特開2003−247420号公報
上述したようなガスエンジンを用いた熱電併給システムを集中配備する場合、システム全体の床面積を確保することが困難であり、既存の集合住宅に設置する場合、特に設置する場所を確保する設計上の余裕がなく、物理的に設置することができないおそれがあるという問題点があった。
同様に、燃料電池を用いたコジェネレーションシステムを一戸建て住居に分散配備する場合、一層設置する場所を確保することが困難であり、エネルギの生成効率を高めるべく数戸で共用する場合であっても、共用設備を設置する場所を確保することが困難であるという問題点があった。また、燃料電池に備えた改質器の排熱温度は約60℃から70℃であり、例えば排熱の一般的利用方法である給湯、霜取り等に用いるには、温度が低すぎるという問題点もあった。
一方、集合住宅においては、各住居から排出されるゴミの効率的な回収をすべくゴミステーションが設置してあり、先進的な設備では、バイオマス技術を用いて生ゴミを分解すべく、発酵槽を設置してある。このようなゴミステーションでは、発酵時等に外部に漏れ出る臭気、又は回収されるまでに漏れ出る臭気が、近隣の住民の生活環境維持の阻害要因となっていることが多い。特に一戸建て住居が密に隣接している場合、ゴミステーションにて同様の問題が生じ、ゴミステーションにおける臭気の拡散を防止することは緊急の課題となっている。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ゴミステーションに投入される家庭用ゴミ、特に生ゴミから発生する臭気成分を含有する可燃性ガスを、例えばコジェネレーションシステム等の燃焼系の燃料とともに燃焼させることにより、ゴミステーションで発生する臭気の拡散を防止することができるゴミステーション及びゴミステーションによる臭気排除方法を提供することを目的とする。なお、本明細書におけるゴミステーションとは、生ゴミを含む家庭から排出されるゴミを集積する場所、及び該集積場所を囲繞するゴミ集積部、集積されたゴミから発生するガスを誘導する手段、及び誘導されたガスを燃焼する燃焼機器一式の総称である。
また、燃料電池に備えた改質器からの排熱を有効に利用することができるゴミステーションを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1発明に係るゴミステーションは、家庭から排出されるゴミを集積し、給気口と排気口とを有する閉領域に囲繞するゴミ集積部と、前記給気口より流入した外部の空気を前記ゴミ集積部内で発生した臭気とともに前記排気口から排出する臭気排出手段と、該臭気排出手段で排出した臭気を含む空気を燃焼させる燃焼機器とを有することを特徴とする。
第1発明では、ゴミステーション内のゴミ集積部に、家庭から排出されたゴミを集積し、ゴミ集積部内で発生したガスを燃焼機器へ臭気排出手段で誘導して燃料と共に燃焼させるようにしてある。これにより、ゴミを集積しているゴミ集積部で発生したガスを排気口から確実に燃焼機器へと誘導することができ、発生したガスがゴミ集積部の外部へ拡散するおそれがない。また、燃焼機器へ誘導されたガス、例えばメタン等を主成分とした可燃性ガスは、燃焼機器の燃料と共に燃焼することにより無臭ガスに分解される。したがって、ゴミステーション内に集積されたゴミから発生する臭気ガスを無臭にすることができ、近隣の生活環境を維持することが可能となる。
また、第2発明に係るゴミステーションは、第1発明において、集積された前記ゴミ中の生ゴミを分別受入れして嫌気性発酵をさせる発酵装置と、前記ゴミ集積部内に、発酵装置の少なくとも生ゴミ投入口を有し、前記燃焼装置は、前記臭気排出手段で排出した臭気を含む空気、及び前記発酵装置で発生した可燃性ガスを燃焼させるようにしてあることを特徴とする。
第2発明では、ゴミステーション内のゴミ集積部に、家庭から排出されたゴミから生ゴミを分別して発酵させる発酵装置を備え、発酵装置で発生した可燃性ガスを燃焼機器へ臭気排出手段で誘導して燃料と共に燃焼させるようにしてある。これにより、ゴミを集積している発酵装置で発生した可燃性ガスを排気口から確実に燃焼機器へと誘導することができ、発生したガスがゴミ集積部の外部へ拡散するおそれがない。また、燃焼機器へ誘導されたメタン等を主成分とした可燃性ガスは、燃焼機器の燃料と共に燃焼することにより無臭ガスに分解される。したがって、ゴミステーション内に集積された生ゴミから発生する臭気ガスを無臭にすることができ、近隣の生活環境を維持することが可能となる。
また、第3発明に係るゴミステーションは、第1又は第2発明において、前記燃焼機器は、コジェネレーションシステムを構成するレシプローカルエンジン、ガスタービンエンジン、又は燃料電池もしくは水素ステーションに備えた改質器のいずれかであることを特徴とする。
第3発明では、ゴミステーション内の燃焼機器は、コジェネレーションシステムを構成するレシプローカルエンジン、ガスタービンエンジン、又は燃料電池もしくは水素ステーションに備えた改質器のいずれかである。これにより、コジェネレーションシステムより発生した電力を配電線経由で電力会社に売電あるいは近隣住戸へ配電することができ、及び/又はコジェネレーションシステムもしくは水素ステーションより発生した熱を、温水として配管により近隣住戸に供給することが可能となる。
また、第4発明に係るゴミステーションは、第3発明において、前記コジェネレーションシステム又は前記水素ステーションから発生した熱の一部を前記ゴミ集積部に誘導し、前記ゴミを熱乾燥するようにしてあることを特徴とする。
第4発明では、コジェネレーションシステム又は水素ステーションから発生した熱の一部をゴミ集積部内に放出し、集積してあるゴミ、特に生ゴミを熱乾燥する。これにより、特に生ゴミの状態で発生しやすい臭気を伴う可燃性ガスを、生ゴミを乾燥させることにより発生そのものを抑制することができ、コジェネレーションシステム又は水素ステーションから発生した余熱を捨てることなく有効活用することが可能となる。
また、第5発明に係るゴミステーションによる臭気排除方法は、家庭から排出されるゴミを集積し、給気口と排気口とを有する閉領域に囲繞し、前記給気口より流入した外部の空気を前記ゴミ集積部内で発生した臭気とともに前記排気口から排出し、前記排気口から排出した臭気を含む空気を燃焼させることを特徴とする。
第5発明では、ゴミステーション内に家庭から排出されたゴミを集積し、内部で発生したガスを燃焼機器へ誘導して燃料と共に燃焼させるようにしてある。これにより、ゴミを集積している場所で発生したガスを排気口から確実に燃焼機器へと誘導することができ、発生したガスが外部へ拡散するおそれがない。また、燃焼機器へ誘導されたガス、例えばメタン等を主成分とした可燃性ガスは、燃焼機器の燃料と共に燃焼することにより無臭ガスに分解される。したがって、ゴミステーション内に集積されたゴミから発生する臭気ガスを無臭にすることができ、近隣の生活環境を維持することが可能となる。
また、第6発明に係るゴミステーションは、家庭から排出されるゴミを集積し、給気口と排気口とを有する閉領域に囲繞するゴミ集積部と、前記給気口より流入した外部の空気を前記ゴミ集積部内で発生した臭気とともに前記排気口から排出する臭気排出手段とを有し、該臭気排出手段で排出した臭気を含む空気を燃料電池に備えた改質器で燃焼させ、廃熱により前記ゴミを乾燥させることを特徴とする。
第6発明では、ゴミステーション内に家庭から排出されたゴミを集積し、内部で発生したガスを燃料電池の改質器へ誘導して水素と共に燃焼させるようにしてある。これにより、ゴミを集積している場所で発生したガスを排気口から改質器へと誘導することができ、発生したガスが外部へ拡散するおそれがない。また、改質器へ誘導されたガス、例えばメタン等を主成分とした可燃性ガスは、水素と共に燃焼することにより無臭ガスに分解される。したがって、ゴミステーション内に集積されたゴミから発生する臭気ガスを無臭にすることができ、近隣の生活環境を維持することが可能となる。さらに、比較的低温であり、給湯、霜取り等に用いることができない排熱を用いてゴミを乾燥させることができ、特に生ゴミの状態で発生しやすい臭気を伴う可燃性ガスの発生そのものを抑制することが可能となる。
第1発明によれば、ゴミを集積しているゴミ集積部で発生したガスを排気口から確実に燃焼機器へと誘導することができ、発生したガスがゴミ集積部の外部へ拡散するおそれがない。また、燃焼機器へ誘導されたガス、例えばメタン等を主成分とした可燃性ガスは、燃焼機器の燃料と共に燃焼することにより無臭ガスに分解される。したがって、ゴミステーション内に集積されたゴミから発生する臭気ガスを無臭にすることができ、近隣の生活環境を維持することが可能となる。
第2発明によれば、ゴミを集積している発酵装置で発生した可燃性ガスを排気口から確実に燃焼機器へと誘導することができ、発生したガスがゴミ集積部の外部へ拡散するおそれがない。また、燃焼機器へ誘導されたメタン等を主成分とした可燃性ガスは、燃焼機器の燃料と共に燃焼することにより無臭ガスに分解される。したがって、ゴミステーション内に集積された生ゴミから発生する臭気ガスを無臭にすることができ、近隣の生活環境を維持することが可能となる。
第3発明によれば、コジェネレーションシステムより発生した電力を配電線経由で電力会社に売電あるいは近隣住戸へ配電することができ、及び/又はコジェネレーションシステムもしくは水素ステーションより発生した熱を、温水として配管により近隣住戸に供給することが可能となる。
第4発明によれば、特に生ゴミの状態で発生しやすい臭気を伴う可燃性ガスを、生ゴミを乾燥させることにより発生そのものを抑制することができ、コジェネレーションシステム又は水素ステーションから発生した余熱を捨てることなく有効活用することが可能となる。
第5発明によれば、ゴミを集積している場所で発生したガスを排気口から確実に燃焼機器へと誘導することができ、発生したガスが外部へ拡散するおそれがない。また、燃焼機器へ誘導されたガス、例えばメタン等を主成分とした可燃性ガスは、燃焼機器の燃料と共に燃焼することにより無臭ガスに分解される。したがって、ゴミステーション内に集積されたゴミから発生する臭気ガスを無臭にすることができ、近隣の生活環境を維持することが可能となる。
第6発明によれば、ゴミを集積している場所で発生したガスを排気口から改質器へと誘導することができ、発生したガスが外部へ拡散するおそれがない。また、改質器へ誘導されたガス、例えばメタン等を主成分とした可燃性ガスは、水素と共に燃焼することにより無臭ガスに分解される。したがって、ゴミステーション内に集積されたゴミから発生する臭気ガスを無臭にすることができ、近隣の生活環境を維持することが可能となる。さらに、比較的低温であり、給湯、霜取り等に用いることができない排熱を用いてゴミを乾燥させることができ、特に生ゴミの状態で発生しやすい臭気を伴う可燃性ガスの発生そのものを抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係るゴミステーションについて図面に基づいて具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るゴミステーションの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態に係るゴミステーションは、複数の一戸建て住宅にエネルギを供給可能なガスエンジンを用いた熱電併給システムであるエネルギ生成装置30を、複数の一戸建て住宅に共通のゴミステーションに集中配備する場合を想定している。
図1の例では、ゴミステーションに、囲いで囲繞された、家庭から排出されたゴミを集積するゴミ集積部1及びコジェネレーションシステムを収容する筐体2を配置してある。筐体2内に収容されているコジェネレーションシステムは、少なくとも発電主体となる発電機4、発電機4の動力源であるガスエンジン(燃焼機器)3、ガスエンジン3へゴミ集積部1内の空気を排気する排気口5、及びガスエンジン3で燃焼後の排気ガスを筐体2から外部へ排出する排気ガス排出口6で構成されている。またゴミ集積部1には、外気を取り入れる給気口8が設けてある。
本実施の形態に係るゴミステーションのガスエンジン3は、ゴミを集積するゴミ集積部1内の空気を排気口5から取り入れ、ガス配管網26から供給される都市ガスとともに燃焼させる。ゴミ集積部1内の空気には、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気成分(可燃性)が含まれる。
なお、給気口8の総面積は、排気口5の面積よりも小さくする。これにより、ゴミ集積部1の内部を負圧に保つことができる。したがって、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気含有空気が給気口8から漏れ出すことを防止することができ、ゴミステーション周辺に臭気が拡散することがない。
ガスエンジン3は、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気含有空気と都市ガスとの混合ガスを燃焼させることにより、発電機4を作動させ、配電網(電力線)22を介して接続してある各住居へ電力を供給する。また、温水配管網24を介して供給されている温水についても、ガスエンジン3の燃焼により温度を上昇させ、温水配管網24を介して各住居へ供給する。
ガスエンジン3の燃焼により発生した二酸化炭素及び水蒸気は、排気ガス排出口6から外部へ排気される。排気される段階で、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気含有空気は無色無臭の排気ガスに変換されていることから、臭気が外部へ漏れ出ることによる周辺環境の汚染を防止することが可能となる。
なお、ガスエンジン3の燃焼により生成された温水を用いて、ゴミ集積部1内のゴミを乾燥させても良い。図2は、乾燥機能を設けたゴミステーションの構成を示すブロック図である。図2も図1と同様、複数の一戸建て住宅にエネルギを供給可能なガスエンジンを用いた熱電併給システムであるエネルギ生成装置30を、複数の一戸建て住宅に共通のゴミステーションに集中配備する場合を想定している。
図2の例では、ゴミステーションに、複数の家庭から排出されたゴミ10、10、・・・を集積するゴミ集積部1及びコジェネレーションシステムを収容する筐体2を配置してある。筐体2内に収容されているコジェネレーションシステムは、少なくとも発電主体となる発電機4、発電機4の動力源であるガスエンジン3、ガスエンジン3へゴミ集積部1内の空気を吸気する排気口5、及びガスエンジン3で燃焼後の排気ガスを筐体2から外部へ排出する排気ガス排出口6で構成されている。またゴミ集積部1には、外気を取り入れる給気口8、及び内部に温水を循環させることができるファンコイルユニット9が設けてある。ファンコイルユニット9は、ゴミ集積部1の天井部分に設置されていても良いし、床下に設置されていても良い。
ガスエンジン3は、ゴミを集積するゴミ集積部1内の空気を排気口5から取り入れ、ガス配管網26から供給される都市ガスとともに燃焼させる。ゴミ集積部1内の空気には、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気成分(可燃性)が含まれる。
なお、給気口8の総面積は、排気口5の面積よりも小さくする。これにより、ゴミ集積部1の内部を負圧に保つことができる。したがって、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気含有空気が給気口8から漏れ出すことを防止することができ、ゴミステーション周辺に臭気が拡散することがない。
ガスエンジン3は、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気含有空気と都市ガスとの混合ガスを燃焼させることにより、発電機4を作動させ、配電網(電力線)22を介して接続してある各住居へ電力を供給する。また、温水配管網24を介して供給されている温水についても、ガスエンジン3の燃焼により温度を上昇させ、温水配管網24を介して各住居へ供給する。温水配管網24は、ファンコイルユニット9の内部にも温水を循環させる。
ファンコイルユニット9の内部を温水が循環することにより、ゴミ集積部1内の温度が上昇する。ゴミ集積部1内の温度が60℃程度にまで上昇した場合、ゴミ10、10、・・・に付着している細菌の大半を死滅させることができる。また、ゴミ集積部1内の生ゴミを乾燥させることもでき、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気含有空気の発生及び漏洩を未然に防止することも可能となる。
ガスエンジン3の燃焼により発生した排気ガスは、排気ガス排出口6から外部へ排気される。排気される段階で、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気含有空気は無色無臭のガスに変換されていることから、臭気が外部へ漏れ出ることによるゴミステーション周辺の環境汚染を防止することが可能となる。
また、生ゴミの発酵を促進して、発生したガスを積極的に燃料として利用しても良い。図3は、発酵槽を設けたゴミステーションの構成を示すブロック図である。図3も図1と同様、複数の一戸建て住宅にエネルギを供給可能なガスエンジンを用いた熱電併給システムであるエネルギ生成装置30を、複数の一戸建て住宅に共通のゴミステーションに集中配備する場合を想定している。
図3の例では、ゴミステーションに、複数の家庭から排出されたゴミ10、10、・・・を集積するゴミ集積部1及びコジェネレーションシステムを収容する筐体2を配置してある。筐体2内に収容されているコジェネレーションシステムは、少なくとも発電主体となる発電機4、発電機4の動力源であるガスエンジン3、ガスエンジン3へゴミ集積部1内の空気を吸気する排気口5、及びガスエンジン3で燃焼後の排気ガスを筐体2から外部へ排出する排気ガス排出口6で構成されている。またゴミ集積部1には、外気を取り入れる給気口8、内部に温水を循環させることができるファンコイルユニット9、及び生ゴミを発酵させてメタン及び二酸化炭素を主成分とするガスを発生させる発酵槽(発酵装置)11が設けてある。なお、ファンコイルユニット9は、ゴミ集積部1の天井部分に設置されていても良いし、床下に設置されていても良い。
ガスエンジン3は、ゴミを集積するゴミ集積部1内の空気を排気口5から取り入れ、ガス配管網26から供給される都市ガスとともに燃焼させる。ゴミ集積部1内の空気には、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気成分(可燃性)が含まれる。
なお、給気口8の総面積は、排気口5の面積よりも小さくする。これにより、ゴミ集積部1の内部を負圧に保つことができる。したがって、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気成分(可燃性)が給気口8から漏れ出すことを防止することができ、ゴミステーション周辺に臭気が拡散することがない。
生ゴミは、発酵槽11の投入口12から発酵槽11内へと投入される。発酵槽11内には、温水ヒータ13が配設してあり、温水配管網24を介してガスエンジン3の燃焼により生成した温水を供給する。したがって、生ゴミは、発酵槽11内で嫌気発酵し、メタン及び二酸化炭素を主成分とするガスを発生する。
発酵槽11内で発生したガスは、ガスエンジン3へ燃料の一部として供給される。ガスエンジン3は、臭気含有空気、発酵槽11から供給されたガス、及び都市ガスの混合ガスを燃焼させることにより、発電機4を作動させ、配電網(電力線)22を介して接続してある各住居へ電力を供給する。また、温水配管網24を介して供給されている温水についても、ガスエンジン3の燃焼により温度を上昇させ、温水配管網24を介して各住居へ供給する。温水配管網24は、ファンコイルユニット9の内部、発酵槽11内の温水ヒータ13にも温水を循環させる。
以上のように本実施の形態によれば、ゴミステーションで発生するメタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気含有空気を、エネルギ生成装置30のエネルギ源(燃料)の一部として燃焼させることにより、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気含有空気を無色無臭のガスへ変換することができる。したがって、ゴミステーションから漏れ出る臭気を減少させることにより、近隣の生活環境を維持することが可能となる。
また、自然乾燥により乾燥させることが困難であり、メタンを主成分とする可燃性ガスを生成しやすい生ゴミを、エネルギ生成装置30により発生する熱により乾燥することができ、可燃性ガスの発生そのものを抑制することにより、一般家庭用では余剰となる発生熱を捨てることなく有効活用することが可能となる。
上述した実施の形態では、ガスエンジンを用いた熱電併給システムを複数の一戸建て住宅に共通のゴミステーションに集中配備した場合について説明しているが、コジェネレーションシステムとして斯かる形態に限定されるものではなく、例えば燃料電池を用いたコジェネレーションシステムを、隣接するゴミステーションに集中配備する場合であっても同様の効果が期待できる。
すなわち、ゴミを集積するゴミ集積部1で発生するメタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気成分(可燃性)は、燃料電池で燃焼することにより酸化され、除去される。また、燃料電池では、硫黄含有の臭気成分は脱硫過程で除去されることもあり、ゴミステーションからの臭気の拡散を抑制することが可能となる。図4は、燃料電池としてPEFC(固体高分子電解質型燃料電池)を用いる場合のゴミステーションの構成を示すブロック図である。
図4の例では、ゴミステーションに、複数の家庭から排出されたゴミ10、10、・・・を集積するゴミ集積部1及びコジェネレーションシステムを収容する筐体2を配置してある。筐体2内に収容されているコジェネレーションシステムは、少なくとも発電主体となる複数の燃料電池本体41、41、・・・、複数の燃料電池本体41、41、・・・へ浄化水素を供給する改質器42、改質器42へゴミ集積部1内の空気を吸気する排気口5、及び複数の燃料電池本体41、41、・・・と改質器42とで水素を燃焼した後の排気ガスを筐体2から外部へ排出する排気ガス排出口6で構成されている。またゴミ集積部1には、外気を取り入れる給気口8、及び内部に温風を循環させることができるファンコイルユニット9が設けてある。ファンコイルユニット9は、ゴミ集積部1の天井部分に設置されていても良いし、床下に設置されていても良い。
改質器42は、ゴミを集積するゴミ集積部1内の空気を排気口5から取り入れ、水素配管網44から供給される水素ガスとともに浄化水素を生成する。ゴミ集積部1内の空気に含まれる硫黄成分は、改質器42にて脱硫される。
なお、給気口8の総面積は、排気口5の面積よりも小さくする。これにより、ゴミ集積部1の内部を負圧に保つことができる。したがって、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気含有空気が給気口8から漏れ出すことを防止することができ、ゴミステーション周辺に臭気が拡散することがない。
複数の燃料電池本体41、41、・・・は、改質器42からの浄化水素と水素配管網44からの水素ガスとの混合ガスを用いて作動し、配電網(電力線)45を介して接続してある各住居へ電力を供給する。また、排気ガス配管網43を介して、排気ガスとして排出される排熱を、ファンコイルユニット9の内部へと誘導し、内部配管を循環させる。
ファンコイルユニット9の内部を、60℃から70℃の排気ガスが循環することにより、ゴミ集積部1内の温度が上昇する。ゴミ集積部1内の温度が60℃程度にまで上昇した場合、ゴミ10、10、・・・に付着している細菌の大半を死滅させることができる。また、ゴミ集積部1内の生ゴミを乾燥させることもでき、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気含有空気の発生及び漏洩を未然に防止することも可能となる。
複数の燃料電池本体41、41、・・・の作動により発生した排気ガスは、排気ガス排出口6からも外部へ排気される。排気される段階で、メタンを主成分とする可燃性ガス及び臭気含有空気は無色無臭のガスに変換されていることから、臭気が外部へ漏れ出ることによるゴミステーション周辺の環境汚染を防止することが可能となる。また、ゴミ集積部1に乾燥することができ、可燃性ガスの発生そのものを抑制することができ、給湯、霜取り等に用いるには低温である排熱を有効活用することが可能となる。
なお、燃料電池の改質器の有する機能のみを独立させ、複数の燃料電池の改質器を集約した、いわゆる水素ステーションを、隣接するゴミステーションに配備する場合であっても同様の効果が期待できる。水素ステーションは、水素ガスを精製するPSA、周辺地域に精製した水素ガスを圧送するブロア、燃料電池を搭載した自動車に精製した水素ガスを充填するコンプレッサ、水素ガスを貯蔵するガスホルダ等を備えていても良い。
また、燃料電池の燃料として用いる水素は、たとえば発酵槽11により発酵されたガスの主成分がメタン及び二酸化炭素であることから、水蒸気改質、部分酸化等を行うことにより生成することが可能である。また、バイオマス技術により、菌によっては生ゴミから発生させることも可能となる。よって、より臭気の拡散を確実に防止することができるゴミステーションを実現することができる等の優れた効果を奏する。
1 ゴミ集積部
2 筐体
3 ガスエンジン(燃焼機器)
4 発電機
5 排気口
6 排気ガス排出口
8 給気口
9 ファンコイルユニット
11 発酵槽(発酵装置)
22、45 配電網(電力線)
24 温水配管網(熱媒体用配管)
26 ガス配管網
30 エネルギ生成装置
41 燃料電池本体
42 改質器
43 排気ガス配管網
44 水素配管網
2 筐体
3 ガスエンジン(燃焼機器)
4 発電機
5 排気口
6 排気ガス排出口
8 給気口
9 ファンコイルユニット
11 発酵槽(発酵装置)
22、45 配電網(電力線)
24 温水配管網(熱媒体用配管)
26 ガス配管網
30 エネルギ生成装置
41 燃料電池本体
42 改質器
43 排気ガス配管網
44 水素配管網
Claims (6)
- 家庭から排出されるゴミを集積し、給気口と排気口とを有する閉領域に囲繞するゴミ集積部と、
前記給気口より流入した外部の空気を前記ゴミ集積部内で発生した臭気とともに前記排気口から排出する臭気排出手段と、
該臭気排出手段で排出した臭気を含む空気を燃焼させる燃焼機器と
を有することを特徴とするゴミステーション。 - 集積された前記ゴミ中の生ゴミを分別受入れして嫌気性発酵をさせる発酵装置と、
前記ゴミ集積部内に、発酵装置の少なくとも生ゴミ投入口を有し、
前記燃焼装置は、前記臭気排出手段で排出した臭気を含む空気、及び前記発酵装置で発生した可燃性ガスを燃焼させるようにしてあることを特徴とする請求項1記載のゴミステーション。 - 前記燃焼機器は、コジェネレーションシステムを構成するレシプローカルエンジン、ガスタービンエンジン、又は燃料電池もしくは水素ステーションに備えた改質器のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2記載のゴミステーション。
- 前記コジェネレーションシステム又は前記水素ステーションから発生した熱の一部を前記ゴミ集積部に誘導し、前記ゴミを熱乾燥するようにしてあることを特徴とする請求項3記載のゴミステーション。
- 家庭から排出されるゴミを集積し、給気口と排気口とを有する閉領域に囲繞し、
前記給気口より流入した外部の空気を前記ゴミ集積部内で発生した臭気とともに前記排気口から排出し、
前記排気口から排出した臭気を含む空気を燃焼させることを特徴とするゴミステーションによる臭気排除方法。 - 家庭から排出されるゴミを集積し、給気口と排気口とを有する閉領域に囲繞するゴミ集積部と、
前記給気口より流入した外部の空気を前記ゴミ集積部内で発生した臭気とともに前記排気口から排出する臭気排出手段とを有し、
該臭気排出手段で排出した臭気を含む空気を燃料電池に備えた改質器で燃焼させ、廃熱により前記ゴミを乾燥させることを特徴とするゴミステーション。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005068142A JP2006248699A (ja) | 2005-03-10 | 2005-03-10 | ゴミステーション及びゴミステーションによる臭気排除方法 |
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JP2005068142A JP2006248699A (ja) | 2005-03-10 | 2005-03-10 | ゴミステーション及びゴミステーションによる臭気排除方法 |
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2006248699A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101736428B1 (ko) * | 2016-02-01 | 2017-05-16 | 한국동서발전(주) | 연료 저장 및 이송시설의 분진 및 악취 제거장치 |
CN108249073A (zh) * | 2016-12-28 | 2018-07-06 | 南宁市浩发科技有限公司 | 一种环保垃圾箱 |
CN110589304A (zh) * | 2019-09-27 | 2019-12-20 | 南通理工学院 | 一种垃圾收集处理系统 |
CN112340330A (zh) * | 2020-11-13 | 2021-02-09 | 彭泽方 | 单向进出式垃圾中转站 |
-
2005
- 2005-03-10 JP JP2005068142A patent/JP2006248699A/ja active Pending
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