JP2006248639A - 糸条パッケージの製造装置および製造方法 - Google Patents

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博司 梅谷
Tamotsu Suzuki
保 鈴木
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Abstract

【課題】テールバンチ巻において、後処理工程での手直し減少,屑処理に係るコストの削減、ボビンの再利用回数の向上が出来る、糸条パッケージ製造装置の提供。
【解決手段】糸切替に際し、トラバース装置の綾振り幅外に糸寄せガイドで走行糸条を移動させる際に糸寄せ位置に達するまでは、巻取位置の空巻ボビンと接触しないように、走行糸条を案内する。また、、糸寄せ位置に達する時には空巻ボビンの糸把持部に把持させるべく空巻ボビンに接触するように、走行糸条の糸道を短くしつつ案内することで糸切替えするとともに、糸把持部に走行糸条が把持され、空巻ボビンに走行糸条が巻付く際に走行糸条を糸寄せガイドの糸寄せ部から解放し、タッチローラーに設けた糸条案内溝で走行糸条を規制するとともに糸条案内溝の溝底方向に走行糸条を押さえつつトラバース装置の綾振り幅内に走行糸条を案内する。
【選択図】図31

Description

本発明は、糸条パッケージの製造装置および製造方法に関する。
従来、繊維糸条を高速度で巻取る場合において、糸を2つのボビンの間で切り替える様子を、図1〜15を用いて説明する。
図1は、巻取中の糸条パッケージが所定の巻量巻上がり、切替動作を開始する直前の状態における糸条パッケージ製造装置を正面方向から見た図であり、図2はその側面図である。図1および2において、1はトラバース装置、2はトラバース装置1に対向して糸道を規制する対向板、3は糸条パッケージ4の外周に圧接しつつトラバース装置1に綾振りされた走行糸条10を案内するタッチローラである。糸条パッケージ4は矢印N方向に回転する2本のスピンドル6にそれぞれ装着されたボビン7に走行糸条10が巻取られることで形成されるものである。これらの図においてボビン7は、走行糸条10が所定の巻量巻かれたものを満ボビン7bで表し、走行糸条10がまだ巻かれていない状態ものを空巻ボビン7aで表している。このボビン7を装着した2本のスピンドル6はタッチローラー3が接触し走行糸条10を巻取る巻取位置と空巻ボビン7aを装着し待機する待機位置とに交互に移動させるスピンドル切替装置5に設置されている。
また、ボビン7の端部には所定長の糸が巻上がった満ボビン7bから空巻ボビン7aへと走行糸条10を受け渡す際に満ボビン7bに巻取中の走行糸条10を空巻ボビン7a側で把持するための糸把持部17が設けられている。トラバース装置1よりも走行糸条10の走行方向上流側には、走行糸条10をトラバース装置1から外し空巻ボビン7a端部の糸把持部17に対応する位置へ移動させる糸寄せガイド12が配設され、図示していないエアーシリンダにより駆動される構成となっている。
さらに、タッチローラー3に接触する巻取位置へと空巻ボビン7aが移動した後、糸寄せガイド12により走行糸条10が空巻ボビン7a端部の糸把持部17に対応する位置へと移動させる際に、走行糸条10が空巻ボビン7aに接触しないよう走行糸条10の糸道を空巻ボビン7aから遠ざけるための糸逃がしバー9が、スピンドル切替装置5に2本設けられている。糸逃がしバー9には、糸寄せガイド12で満ボビン7bに巻かれる走行糸条10を移動させた際に走行糸条10が満ボビン7bの糸条巻き巾よりも端側に移動し満ボビン7b端面に脱落することを防止するための表層糸規制ガイド11が設けられている。
16はタッチローラー3に接触する巻取位置に移動した空巻ボビン7aに走行糸条10を受け渡す際、空巻ボビン7a端部の糸把持部17に満ボビン7bに巻かれる走行糸条10を押し付けることで糸掛けを行なう糸掛けガイドである。糸掛けガイド16は図示していないエアーシリンダで駆動する構成となっている。
15は空巻ボビン7a端部に対応する位置で糸寄せガイド12により移動してきた走行糸条10を一旦預けると共に同位置で空巻ボビン7aに走行糸条10が受け渡された直後も走行糸条10を一定時間位置規制するための糸係止ガイドである。糸係止ガイド15はアクチュウエータ13で進退する構成で糸寄せガイド12の下流側に配置されている。20aはこの糸係止ガイド15の糸規制によりボビン7端部に形成されたバンチ巻である。更にタッチローラー3の空巻ボビン7a端部に対応する位置には、テール巻19を形成するための糸条案内溝18が刻設されている。
このように構成された従来の糸条パッケージの製造装置において2つのボビン間での糸の切り替えは次の順で行われる。図1および図2(図1の側面図)で示すように、矢印H方向に走行する走行糸条10は対向板2でトラバース装置1の対向方向から糸道を規制し、トラバース装置1にて綾振りするとともに、タッチローラー3にて所定の圧力を糸条パッケージ4の外周面に加える機構と走行糸条10を巻取るためのボビン7(7aおよび7b)を保持し矢印N方向に回転する2本のスピンドル6を有する巻取機によって巻取られている。
そして予め設定された所定の巻量の糸条が巻取られると、切替動作に入るべくスピンドル6を支えるスピンドル切替装置5の回動(矢印J方向)により、巻取位置の満ボビン7bがタッチローラー3と離れ待機位置へと、待機位置の空巻ボビン7aがタッチローラー3と接触する巻取位置へとそれぞれ移動する。図3および4は図1および2に対応してこの様子を示す図である。その際、巻取位置の空巻ボビン7aに走行糸条10が接触しないように、走行糸条10は糸逃がしバー9を介して待機位置へと移動した満ボビン7bに巻かれる糸道を形成する。
次に、図5および図6(図5の側面図)に示すように、糸寄せガイド12が、走行糸条10を糸条パッケージ4となる満ボビン7bの表層に巻かれる走行糸条10が満ボビン7bの巻幅外に出ないよう、表層糸規制ガイド11で規制しつつ、満ボビン7bの巻幅方向(矢印L方向)にトラバース装置1から外すとともにボビン端部に移動させる。
そして、図7および図8(図7の側面図)に示すように、アクチュエータ13にて糸係止ガイド15が突出し、これに走行糸条10を預けた状態で、空ボビン7aに糸掛けがなされるのである(特許文献1)。
次いで、糸掛けは、たとえば、特許文献2に開示される通り、次のように行われる。すなわち、巻取位置に位置する空巻ボビン7aに接触しないように、糸逃がしバー9を返し満ボビン7bに巻かれている走行糸条10を図9および図10(図9の側面図)に示すごとく、アクチュエータ(図示せず)により進退可能な糸掛けガイド16にて、空巻ボビン7a端部の糸把持部17に向かって矢印K方向に圧接する事で空巻ボビン7aに渡し、糸掛けを行なう。
この際、図9のZ−Z矢視図である図15に示すように、走行糸条10は空巻ボビン7aの糸把持部17に対応する部位であるS位置に移動し糸把持部17に受け渡される。
空巻ボビン7aに糸が掛かると、図11および図12(図11の側面図)に示すごとく、糸係止ガイド15がアクチュエータ13にて後退し、走行糸条10が糸係止ガイド15から解放され、解放された走行糸条10は回転するタッチローラー3の外周部に螺旋状に刻設された糸条案内溝18に案内される。
そして、走行糸条10は、空巻ボビン7aの端部に2〜3周のテール巻19を形成しつつ再びトラバ−ス装置1の綾振り幅内に案内され、糸切替がなされて、図13および図14(図13の側面図)に示す様に、巻取位置にて空巻ボビン7aへの走行糸条10の巻取が開始されることで、新たに糸条パッケージの巻取が行われる。
しかしながら上述のような従来の糸条パッケージの製造装置では、走行糸条10は空巻ボビン7aに渡され、糸掛けしたのち、糸係止ガイド15を退避動作(図11および図12の状態)させる。そのため、走行糸条10は糸係止ガイド15から解放されるまでの間、ボビンの軸方向の同じ位置で規制される(図9および図10の状態)。したがって、空巻ボビン7a上の同じ位置に何重にも重なりあったバンチ巻20aを形成してしまう。
たとえこの時間が0.1秒程度のわずかな時間であっても、例えば糸条を5000m/分の高速で外径100mmのボビンに巻取る場合では、約26周のバンチ巻を形成する事になる。この様にボビン上に巻かれるバンチ巻20aをテールバンチ巻と言い、このテールバンチ巻部分の糸条は、糸切替に係わる諸条件および同一の位置に重ねて何重にも巻かれ大径化することにより通常よりも高張力で巻かれる。しかも、ガイド類の擦過もあり、糸品質が劣っているためユーザーに出荷するに際し、除去する必要があった。このため第1の問題点として後処理工程でのテールバンチ巻除去作業がさけられないこととこれによる除去糸屑が発生することが問題であった。
また、満ボビン7b側においては、図6に示すように、満ボビン7bの表層に巻かれる走行糸条10が巻幅外に出ないように、表層糸規制ガイド11で規制しつつ、走行糸条10を糸寄せガイド12によってトラバース装置1から外すとともに空巻ボビン7aの端部に移動させた後、糸係止ガイド15に預け、アクチュエータ(図示せず)により進退可能な糸掛けガイド16にて、空ボビン7a端部の糸把持部17に圧接する。このとき、糸寄せガイド12で空巻ボビン7a端部に移動させた走行糸条10を糸掛けガイド16に確実に受け渡すには、少なくとも糸寄せガイド12が空巻ボビン7a端部の位置まで移動した事が確定した時点でないと、糸掛けガイド16を矢印K方向に進出させることが出来ない。
更に上記の従来の技術のごとく糸係止ガイド15に一旦走行糸条10を預ける場合は、更にもう1ステップ遅れて糸掛けガイド16を進出することになる。これらの受渡しに際しては、図8に示すように、満ボビン7bの表層には、表層糸規制ガイド11に対応する位置に何重にも重なるバンチ巻20bが形成される。たとえこの時間が0.1秒であっても、例えば糸条を5000m/分の高速で満ボビン外径300mmの糸条パッケージに巻取る場合では、約9周のバンチ巻20bを形成する事になる。一般にこの様に糸条パッケージ4(満ボビン7b)の表層部に形成されるバンチ巻20bを表層バンチ巻と言う。
通常は、この受渡し時間を短くすると糸切替失敗が多発し、操業性が著しく低下するため、糸寄せガイド12での走行糸条10の移動完了から糸掛けガイド16による糸掛け完了までの時間は、安全を見て1秒程度の受渡し時間をとっている。このため表層バンチ巻は、100周近い巻量を有している。この満ボビン7b表層部分のバンチ巻20bの糸条は、上述した空巻ボビン7a上のバンチ巻20a(テールバンチ巻)と同様に、糸切替に係わる諸条件および同一位置に重ねて何重にも巻かれ大径化することにより通常よりも高張力で巻かれる上、ガイド類の擦過もあり、糸品質が劣っているためユーザーに出荷するに際し、除去する必要がある。このため第2の問題点として後処理工程での表層バンチ巻除去作業が避けられないこととこれによる除去糸屑が発生することが問題であった。
これに対し、上述した従来の糸条パッケージの巻取装置における第1の問題点および第2の問題点を改善した上述とは異なるタイプの糸条パッケージの巻取装置(特許文献3)が考案されている。この装置の上述の方式との第1の相違点は、図20および図21(図20の側面図)に示すように、糸係止ガイドと糸掛けガイドが無く、糸逃がしバーに代わり、糸折り返しバー25を有する点である。
この糸折り返しバー25は、空巻ボビン7aが巻取位置に移動した際に、空巻ボビン7aに待機位置の満ボビン7bに巻かれる走行糸条10が接触する糸道を形成する位置に配設されている。そして、糸寄せガイド12で空ボビン7a端部に向かって走行糸条10を移動させた際、下流側では、満ボビン7bの巻幅内に、上流側では、空巻ボビン7aの糸把持部17に対応する位置に走行糸条10を規制する糸規制溝24を有している。
第2の相違点は、走行糸条10がタッチローラー3に最初に接触する位置であるp点よりも下流側で、かつ糸切替され空巻ボビン7aに巻付いた糸道(図22参照)では糸寄せガイド12から走行糸条10が外れる位置に糸寄せガイド12を配設した点である。このタイプの糸条パッケージの製造装置において糸を2つのボビンの間で切り替える様子を、図16〜26を用いて説明する。
図16は、巻取中の糸条パッケージが所定の巻量巻上がり、切替動作を開始する直前の状態における糸条パッケージ製造装置を正面方向から見た図であり、図17はその側面図である。図16および17において、1はトラバース装置、2はトラバース装置1に対向して糸道を規制する対向板、3は糸条パッケージ4の外周に圧接しつつトラバース装置1に綾振りされた走行糸条10を案内するタッチローラであり、糸条パッケージ4は矢印N方向に回転する2本のスピンドル6にそれぞれ装着されたボビン7に走行糸条10が巻取られることで形成されるものである。これらの図においてボビン7は、走行糸条10が所定の巻量巻かれたものを満ボビン7bで表し、走行糸条10がまだ巻かれていない状態ものを空巻ボビン7aで表している。このボビン7を装着した2本のスピンドル6はタッチローラー3が接触し走行糸条10を巻取る巻取位置と空巻ボビン7aを装着し待機する待機位置とに交互に移動させるスピンドル移動装置5に設置されている。また、ボビン7の端部には所定長の糸が巻上がった満ボビン7bから空巻ボビン7aへと走行糸条10を受け渡す際に満ボビン7bに巻取中の走行糸条10を空巻ボビン7a側に把持するための糸把持部17が設けられている。
タッチローラ3よりも走行糸条10の走行方向下流側には、走行糸条10を捕捉しトラバース装置1から外し空巻ボビン7a端部の糸把持部17に対応する位置へ移動させ、空巻ボビン7aに走行糸条10が受け渡されることで走行糸条10を解放する糸寄せガイド12が配設され、図示していないエアーシリンダにより駆動される構成となっている。
さらにタッチローラー3に接触する巻取位置へと空巻ボビン7aが移動した後、糸寄せガイド12により走行糸条10を空巻ボビン7a端部の糸把持部17に対応する位置へと移動させた際に、走行糸条10を空巻ボビン7aに接触させつつ糸寄せガイド12の移動方向に対し位置を規制する糸規制溝24が刻設された糸折り返しバー25がスピンドル切替装置5に2本設置された構成となっている。
糸規制溝24はその下流側では待機位置に移動した満ボビン7bに巻かれる走行糸条10を満ボビン7bの巻巾外に出ない位置で、また上流側では巻取位置の空巻ボビン7a端部の糸把持部17に対応する位置で走行糸条10の位置を規制するものである。
また、タッチローラー3の空巻ボビン7a端部に対応する位置には、空巻ボビン7a側に走行糸条10が受け渡された後に空巻ボビン7a端部にテール巻19を形成するための糸条案内溝18が刻設されている。
このように構成された従来の糸条パッケージの製造装置において2つのボビン間での糸の切り替えは次の順で行われる。
まず、図16および図17(図16の側面図)に示すように、巻取位置において、スピンドル6の駆動により矢印N方向に回転することで、走行糸条10の巻取が所定の巻量巻き取られた満ボビン7bは、スピンドル切替装置5が矢印J方向に回動することで、図18および図19(図18の側面図)に示すように、空巻ボビン7aと満ボビン7bとの位置が入れ替わる。
続いて、待機位置に移動した満ボビン7bに巻かれる走行糸条10は、糸折り返しバー25に規制されるとともに巻取位置に移動した空巻ボビン7aと接触し擦りあった状態となる。
次いで、図20および図21(図20の側面図)に示すように、糸寄せガイド12が走行糸条10をトラバース装置1から外すとともに空巻ボビン7a端部の糸把持部17に対応する位置へ移動させる。これにより、走行糸条10は、糸折り返しバー25に設けられ、走行糸条10の走行方向の下流側が満ボビン7bの巻幅内に対応する位置で、上流側が空巻ボビン7aの糸把持部17に対応する位置に刻設された糸規制溝24に入り込む。
走行糸条10が糸規制溝24に入り込むと瞬時に、糸規制溝24よりも上流側で走行糸条10は空巻ボビン7a端部の糸把持部17に把持され、図22および図23(図22の側面図)に示すように、満ボビン7bとの間で切れ、空巻ボビン7a側に巻付くことで、走行糸条10は糸寄せガイド12から外れ、糸寄せガイド12から外れた走行糸条10は即座にタッチローラー3の糸条案内溝18に案内されトラバース装置1の綾振り幅内に案内されるので空巻ボビン7a上にテールバンチ巻を形成せず糸切替がなされる。
こうして、図24および図25(図24の側面図)に示すように、空巻ボビン7a側への定常巻取が開始される。また、満ボビン7b側の表層部においては満ボビン7bに巻かれている走行糸条10が糸規制溝24に入ると瞬時に糸切替がなされる(図20〜図23)ため、表層バンチ巻の無い糸条パッケージがえられる。
ところで、後者の糸条パッケージの製造装置においては、走行糸条10がタッチローラー3に最初に接触する位置であるp点よりも下流側で走行糸条10が糸寄せガイド12から解放される。そのため、図26(図21のA部拡大図)に示すように、空巻ボビン7aの回転軸に対し直交するライン(S−S)に近い糸条案内溝18の角度αと糸寄せガイド12の上流直近で糸条案内溝18に対応する位置での糸道の角度βとの差が大きく、糸寄せガイド12から外れた走行糸条10が、糸条案内溝18に入りにくい。
それゆえ、最も悪いケースでは、走行糸条10が糸条案内溝18に入らず一気にトラバース装置1の綾振り幅内に案内され、空巻ボビン7a端部に1周足らずしかテール巻19を形成せず糸切替する場合がある。このテール巻19は、ユーザー側で、糸条パッケージ間の糸を連続して使う際に、次に連なる別の糸条パッケージの最外層の糸端と繋ぎあわせるための繋ぎしろであり、通常ボビンの2〜3周分(長さ500〜900mm程度)が必要とされている。この繋ぎしろであるテール巻が無い糸条パッケージは、大半のユーザーにはそのまま出荷することは出来ない。
このため、第3の問題点としてテール巻が形成出来なかった糸条パッケージについては、後処理工程で、リワインド装置にて解舒し新たなボビンに巻き返し、テール巻のある状態の糸条パッケージとして再生するための、手直し作業がさけられないことが問題であった。
更に糸寄せガイド12で走行糸条10を移動させる際に、空巻ボビン7aと走行糸条10とが擦り合い、著しく糸質を劣化させるため、満ボビン7bに巻かれるこの部分の最外層の糸は、ユーザーに出荷出来ない。
このため第4の問題点として、後処理工程での最外層糸条の剥脱除去作業がさけられないことと、これによる除去糸屑が発生することが問題であった。
また、従来の糸条巻取用ボビンは、大半が紙製の紙管タイプのものを使用し、糸条パッケージ出荷後ユーザーから回収し何度も再利用する事で生産コストを抑えており、特に産業用途向けの高強度を要する糸条の巻取においては、高強度の糸とボビンが擦れ合う事でボビンを損傷し、ボビンを再利用出きる回数が激減していた。
このため第5の問題点として、ボビンの再利用回数に係わる部分でのコストダウンが出来ないことが問題であった。
以上の走行糸条10とボビン7の擦過による問題を極力小さくするべく、従来では、走行糸条10とボビン7の接触度合いを小さくすると言った手段をとっているが、この場合ボビン7端部の糸把持部17での糸把持性が低下する。
このため第6の問題点として、糸切替成功率の信頼性が低いことも問題であった。
特開平1−187182号公報 特開平5−78012号公報 特許1393985号
本発明の目的は、上述した従来の糸条パッケージ巻取装置における問題点を解決できる糸条パッケージの製造装置および製造方法を提供することにある。すなわち、テールバンチ巻除去作業およびテールバンチ巻除去屑を減少したり、表層バンチ巻除去作業および表層バンチ巻除去屑を減少させたり、テール巻のある糸条パッケージに再生するための手直し作業を減少させるたり、更に、糸条パッケージ最外層糸条の剥脱作業および剥脱屑を減少したりすることで、ボビンの再利用回数を向上させるとともに、より高い切替信頼性を実現することで、生産コストを最小限に抑えることができる糸条パッケージの製造装置および製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、軸方向端部に糸把持部を備えたボビンを装着した複数のスピンドルと、該複数のスピンドルのうち巻取位置にあるスピンドルと待機位置にあるスピンドルとの位置を切り替えるスピンドル切替装置と、前記巻取位置にあるスピンドルに装着されたボビンに向かって走行してくる走行糸条を前記巻取位置にある前記スピンドルの回転軸方向の所定の綾振り幅にわたって綾振りするトラバース装置と、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビンに所定の圧接部位において圧接され、外周面に前記トラバース装置により綾振りされた前記走行糸条を接触させながら前記所定の圧接部位へ、案内し前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビンに巻取らせるタッチローラーとを備え、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に糸条パッケージを形成する糸条パッケージの製造装置であって、
(1)前記タッチローラーよりも前記走行糸条の走行方向の上流に配設され、前記スピンドル切替装置により、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に所定の糸条を巻き取って満巻となったときに前記巻取位置にある前記スピンドルと前記待機位置にある空巻のボビンが装着されたスピンドルとの位置の切替を行った後に、前記トラバース装置の綾振り幅外の前記空巻のボビンの前記糸把持部に対応する糸寄せ位置に前記走行糸条を移動させる糸寄せ部を有し、前記走行糸条を前記空巻のボビンの前記糸把持部へ把持させ前記空巻のボビンに前記走行糸条が巻き付く際に前記走行糸条が前記糸寄せ部から外れるよう構成された糸寄せガイドを備え、
(2)前記タッチローラは、前記糸寄せ位置に対応する部位と前記トラバース装置の綾振り幅端部に対応する部位との間に糸条案内溝が形成されており、
(3)前記タッチローラの糸条走行方向上流側に配設され、前記走行糸条の前記把持により前記空巻のボビンに前記走行糸条が巻き付いて前記糸寄せガイドの前記糸寄せ部から外れた前記走行糸条を前記タッチローラに形成された前記糸条案内溝の溝底方向に押さえ付ける糸押さえ部を有する糸押さえガイドを有する。
更には前記糸押さえガイドと前記糸寄せガイドが一体に形成された複合ガイドであることを特徴とする糸条パッケージの製造装置が提供される。
また、軸方向端部に糸把持部を備えたボビンを装着した複数のスピンドルと、該複数のスピンドルのうち巻取位置にあるスピンドルと待機位置にあるスピンドルとの位置を切り替えるスピンドル切替装置と、前記巻取位置にあるスピンドルに装着されたボビンに向かって走行してくる走行糸条を前記巻取位置にある前記スピンドルの回転軸方向の所定の綾振り幅にわたって綾振りするトラバース装置とを備え、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に糸条パッケージを形成する糸条パッケージの製造装置であって、
(1)前記巻取位置に位置するスピンドルよりも前記走行糸条の走行方向の上流に配設され、前記スピンドル切替装置により、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に所定の糸条を巻き取って満巻となったときに前記巻取位置にある前記スピンドルと前記待機位置にある空巻のボビンを装着したスピンドルとの位置の切替を行った後に、前記トラバース装置の綾振り幅外の前記ボビンの端部に形成された糸把持部に対応する糸寄せ位置に前記走行糸条を移動させる糸寄せ部を有する糸寄せガイドを備え、
(2)前記糸寄せガイドよりも前記走行糸条の走行方向の下流側に配設され、前記糸寄せガイドによる前記走行糸条の移動開始前から、前記走行糸条が前記糸寄せ位置に達するまでは、巻取位置に位置する前記スピンドルに装着された前記空巻の前記ボビンに前記走行糸条が接触しないよう前記走行糸条を案内し、前記走行糸条が前記糸寄せ位置に達する時には前記走行糸条が前記空巻のボビンの前記糸把持部に把持されるべく前記走行糸条の糸道を短くしつつ案内する糸案内ガイドを、有するものである。
更には、前記糸案内ガイドの前記走行糸条の走行方向の下流に配設され、前記走行糸条が、前記巻取位置に位置するスピンドルよりも前記走行糸条の走行方向の上流において前記糸寄せガイドにより前記トラバース装置の前記綾振り幅外に移動させられた際であっても、前記待機位置にあるスピンドルに装着されたボビン近傍では前記走行糸条が前記トラバース装置の綾振り幅内にとどまるよう前記走行糸条の位置を規制する表層糸規制ガイド備え、前記走行糸条を前記空巻のボビンの前記糸把持部へ把持させ前記空巻のボビンに前記走行糸条が巻き付く際に前記走行糸条が前記糸寄せ部から外れるよう前記糸寄せガイドを構成し、前記ボビンの前記糸把持部が、前記ボビンの回転軸に対して実質的に直交する方向に形成されたスリット溝であるとともに、前記糸寄せ位置に位置する際の前記糸寄せガイドの前記糸寄せ部と前記糸案内ガイドの糸案内端とを結ぶ直線が、前記ボビンの回転軸に対して直交する方向にある糸条パッケージの製造装置を提供することにある。
また、前述した糸条パッケージの製造装置における糸条パッケージの製造方法は、軸方向端部に糸把持部を備えたボビンを装着した複数のスピンドルのうち巻取位置にあるスピンドルと待機位置にあるスピンドルとの位置を切り替える構成の糸条パッケージの製造装置を用いて、回転する前記巻取位置にあるスピンドルに装着されたボビンに向かって走行してくる走行糸条を前記巻取位置にある前記スピンドルの回転軸方向の所定の綾振り幅に渡って綾振りし、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビンに所定の圧接部位においてタッチローラーを圧接し、前記タッチローラーの外周面に前記綾振りされた前記走行糸条を接触させながら前記所定の圧接部位へ案内し、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビンに巻き取らせることで前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に糸条パッケージを形成する糸条パッケージの製造方法であって、
(1)前記タッチローラーよりも前記走行糸条の走行方向の上流で、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に所定の糸条を巻き取って満巻となったときに前記巻取位置にある前記スピンドルと前記待機位置にある空巻のボビンが装着されたスピンドルとの位置を切り替えた後に、前記綾振り幅外の前記空巻のボビンの前記糸把持部に対応する糸寄せ位置に糸寄せガイドの糸寄せ部によって前記走行糸条を移動させ、前記走行糸条を前記空巻のボビンの前記糸把持部に把持させ、前記空巻のボビンに前記走行糸条が巻き付く際に前記走行糸条を前記糸寄せ部から解放し、
(2)前記タッチローラの糸条走行方向上流側で、前記走行糸条の前記把持により前記空巻のボビンに前記走行糸条が巻き付いて前記糸寄せガイドの前記糸寄せ部から外れた前記走行糸条を前記タッチローラの、前記糸寄せ位置に対応する部位と前記綾振り幅端部に対応する部位との間に形成された糸条案内溝に案内し、
(3)前記糸条案内溝に案内された前記走行糸条を前記タッチローラに形成された前記糸条案内溝の溝底方向に押さえ付け、前記空巻ボビンによる前記糸条の巻取を開始させることを特徴とする糸条パッケージの製造方法を提供する。
また、軸方向に糸把持部を備えたボビンを装着した複数のスピンドルのうち巻取位置にあるスピンドルと待機位置にあるスピンドルとの位置を切り替える構成の糸条パッケージの製造装置を用いて、回転する前記巻取位置にあるスピンドルに装着されたボビンに向かって走行してくる走行糸条を前記巻取位置にある前記スピンドルの回転軸方向の所定の綾振り幅に渡って綾振りし、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビンに巻き取らせることで前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に糸条パッケージを形成する糸条パッケージの製造方法であって、
(1)前記巻取位置に位置するスピンドルよりも前記走行糸条の走行方向の上流で、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に所定の糸条を巻き取って満巻となったときに前記巻取位置にある前記スピンドルと前記待機位置にある空巻のボビンを装着したスピンドルとの位置を切り替えた後に、糸寄せガイドの糸寄せ部で前記綾振り幅外の前記ボビンの端部に形成された糸把持部に対応する糸寄せ位置に前記走行糸条を移動させ、
(2)前記糸寄せガイドよりも前記走行糸条の走行方向の下流側で、前記糸寄せガイドによる前記走行糸条の移動開始前から、前記走行糸条が前記糸寄せ位置に達するまでは、巻取位置に位置する前記スピンドルに装着された前記空巻の前記ボビンに前記走行糸条が接触しないよう前記走行糸条を案内し、前記走行糸条が前記糸寄せ位置に達する時には前記走行糸条が前記空巻のボビンの前記糸把持部に把持されるべく前記走行糸条の糸道を短くしつつ案内するものである。
更には、前記走行糸条が、前記巻取位置に位置するスピンドルよりも前記走行糸条の走行方向の上流において前記糸寄せガイドにより前記綾振り幅外に移動させられた際であっても、前記待機位置にあるスピンドルに装着されたボビン近傍では前記走行糸条が前記綾振り幅内にとどまるよう前記走行糸条の位置を規制し、前記走行糸条を前記空巻のボビンの前記糸把持部へ把持させ前記空巻のボビンに前記走行糸条が巻き付く際に前記走行糸条を前記糸寄せガイドの前記糸寄せ部から解放するとともに前記ボビンとして、前記糸把持部が、前記ボビンの回転軸に対して実質的に直交する方向に形成されたスリット溝として形成され、該スリット溝に前記走行糸条を挟むことで前記走行糸条を把持するものを用い、前記スリット溝に前記走行糸条を把持する際、前記走行糸条の糸道を前記スリット溝部ライン上に合致させることを特徴とする糸条パッケージの製造方法を提供することにある。
本発明の好ましい形態によれば、以下に説明するとおり、糸切替に際し、空巻ボビンに巻付いた糸道では糸寄せガイドの糸寄せ部から走行糸条が外れ、一定の位置で規制されること無くタッチローラーに螺旋状に刻設された糸条案内溝に沿って、トラバース装置の綾振り幅内に案内されるため、テールバンチ巻が無い糸切替ができる。
さらに、走行糸条が糸寄せガイドから解放される際、タッチローラーの糸条案内溝と近い角度で糸道を形成しているためスムーズに糸条案内溝に導入され、糸条案内溝に入った走行糸条を糸押さえガイドの糸押さえ部で糸条案内溝の溝底方向に押さえつけることにより、糸が糸条案内溝を跳び越えること無く、安定したテール巻を形成することができる。
また、本発明の別の好ましい形態によれば、糸寄せガイドの糸寄せ部でトラバース装置の綾振り幅外へ走行糸条を移動させる際、ボビン端部の糸把持部に対応する位置まで移動させるだけで糸自体の張力により走行糸条が糸把持部に圧接し、すばやく空巻側のボビンに糸が掛かり糸切替がされる。このため、糸条パッケージである満巻側のボビンに表層バンチ巻が無い糸切替ができるとともに、巻取位置に待機した空巻側ボビンと走行糸条が、接触しない位置で走行糸条を移動するため、糸およびボビンにダメージを与えない糸切替ができる。
また、本発明のより好ましい形態によれば、ボビンの糸把持部をボビン回転軸方向に対して直交する方向のスリット溝とし、このスリット溝に走行糸条を案内する際、スリット溝部ライン上に合致する糸道にする事で、満ボビンから空ボビンへ確実に糸を受け渡すことができ、より信頼性の高い糸切替ができる。
以上の効果により、本発明の好ましい形態においては、テールバンチ巻が実質的に無くなることでテールバンチ巻除去作業およびテールバンチ巻除去屑を減少する。また、安定したテール巻を形成することで、テール巻のある糸条パッケージに再生するための手直し作業を減少させることができる。また、表層バンチ巻が無くなることで、表層バンチ巻除去作業および表層バンチ巻除去屑を減少させることができる。更に、糸およびボビンにダメージを与えない糸切替をすることで、糸条パッケージ最外層糸条の剥脱作業および剥脱屑を減少するとともに、ボビンの再利用回数を向上させることができる。そして糸切替の信頼性向上により、生産効率を向上させることができる。以上により人員コストおよびランニングコストを大幅に削減することができるものである。
また、本発明の糸条パッケージの製造装置の好ましい形態によれば、トラバース装置の綾振り幅外に走行糸条を移動した際に、一旦糸条を預ける糸係止ガイドと走行糸条を受け渡すべく空ボビン向かって押さえつける糸掛けガイドが、ともに無く、両者に付随するアクチュエータも無い構成となるため非常にシンプルな装置構成となり装置自体のコストも下げることができる。
以上により、本発明の糸条パッケージの製造装置および方法によれば、より低コストでの糸条パッケージの生産を実現することができるものである。
以下、本発明の最良の実施形態の一例を産業用ポリエステルフィラメントパッケージの製造装置に適用した場合を例にとって、図面を参照しながら説明する。
図27〜図36は、本実施形態例に係る糸条パッケージの製造装置の具体的な動作を正面または側面から示す図である。また、図37〜図39は、本実施形態例の動作に係る詳細図を示している。
図27および図28(図27の側面図)において、糸条パッケージ4は、5000m/分の速度で回転しながら糸条を巻取中であり、所定の巻取量の巻取をほぼ完了しつつ、待機位置で待機する空巻ボビン7aに糸切替をする直前の状態を示している。装置構成としては、紡出され矢印H方向に送られてくる走行糸条10を綾振りするためのトラバース装置1とトラバース装置1により確実に走行糸条10が綾振りされるよう、走行糸条10を挟んでトラバース装置1に対向する位置にトラバース装置1側から走行糸条10が外れない様に対向板2を設けている。
綾振りされた走行糸条10は、糸条パッケージ4の外周に所定の圧力を加えるためのタッチローラー3を返してボビン7に巻取られることで糸条パッケージ4を形成するようになっている。糸条パッケージ4は、図27および28では巻取位置でほぼ満巻となった状態である。タッチローラー3は、空巻ボビン7aまたは、ボビン7上に巻かれた糸条パッケージ最外層の糸条との接触により従動回転する構成であり、端部には、糸切替直後、空巻ボビン7aの端部にテール巻19を形成するべく走行糸条10を規制するとともにトラバース装置1の綾振り幅内へと案内する螺旋状の糸案内溝18が刻設されている。
ボビン7は端部に糸把持部17を有し、図示していない駆動モーターにより独立して回転可能な2本のスピンドル6にそれぞれ装着されている。またスピンドル6は、スピンドル切替装置5に固定されており、スピンドル切替装置5は、図示していないモーターにより矢印J方向に回転することで、空巻ボビン7aまたは、ボビン7上に巻かれた糸条パッケージ4の最外層の糸条が、タッチローラー3と接触する巻取位置と、糸切替のために空巻ボビン7aをスピンドル6に装着し待機する待機位置とに糸切替毎に交互に移動する構成となっている。
また、タッチローラー3に走行糸条10が最初に接触する位置であるp点とトラバース装置1との間には、糸切替時に走行糸条10をボビン7の回転軸方向に移動させトラバース装置1から外し、空巻ボビン7aの端部に対応する位置へと移動させるための糸寄せ部37を有する複合ガイド35が配設されている。糸切替が完了し、巻取位置の空巻ボビン7a側に巻き付いた糸道になると走行糸条10が複合ガイド35の糸寄せ部37の規制から外れるように複合ガイド35の位置および形状が設定されている。
また、複合ガイド35のタッチローラー3に対向する辺は糸押さえ部38であり、糸切替後、タッチローラー3の糸条案内溝18に規制されつつトラバース装置1の綾振り幅内に案内される走行糸条10を糸条案内溝18から飛び出さない様に、走行糸条10を糸条案内溝18の溝底方向に押さえるためのものである。本実施形態例では、設備をシンプルにするため、糸寄せ部37と糸押さえ部38を一体物構成とした複合ガイド35としているが、糸寄せ部を有する糸寄せガイドと糸押さえ部を有する糸押えガイドとにそれぞれ独立した構成でもよい。
また、糸切替時に巻取位置に位置する糸条パッケージ4である満ボビン7bが、スピンドル切替装置5の回動により待機位置へと移動した際、待機位置から巻取位置に移動した空巻ボビン7aに接触しないように、図29に示すごとく、空巻ボビン7aから走行糸条10を遠ざける方向(矢印U方向)に走行糸条10を押し寄せる糸案内ガイド31が、フレーム33によりスピンドル切替装置5上に設置されている。
糸案内ガイド31は図31および図32(図31の側面図)に示す様に、複合ガイド35の糸寄せ部37で空巻ボビン7a端部の糸把持部17に対応する位置に移動させた際には、走行糸条10を空巻ボビン7aと接触しない位置から空巻ボビン7a端部の糸把持部17に圧接する位置であるg点へと糸道を短くする形状(図32のY−Y矢視を示す図37を参照)としている。これにより走行糸条10を走行糸条10自体のもつ張力により、g点に案内させるものである。
図37に示すように、本実施形態例では、よりスムーズに走行糸条10をg点に案内するため、糸案内ガイド31は、徐々に走行糸条10の糸道が短くなる形状にしスムーズに走行糸条10をg点に案内するべくスムージング部36を有している。また、糸案内ガイド31は、2本のスピンドル6に対しそれぞれ1ユニット配設されており、スピンドル切替装置5の回動によりスピンドル6とともに移動する構成となっている。更にフレーム33上には、満ボビン7bの表層への糸道を規制するための表層糸規制ガイド11を設置している。この表層糸規制ガイド11は複合ガイド35の糸寄せ部37で、走行糸条10を空巻ボビン7b端部方向へ移動させた際、待機位置に移動した糸条パッケージ4である満ボビン7bに巻かれる走行糸条10が満ボビン7bの巻幅外に移動し、満ボビン7bの表層上からの脱落を防止する目的のものである。
本実施形態例において、トラバース装置1は、複数枚の羽根トラバースガイドを有するものを使用しているが、カム方式等糸条を綾振りできる構造のものであれば、どのような構造のものでもよい。また、スピンドル6は、回転停止中にボビン7のチャックおよびリリースが図示していない操作スイッチにより必要に応じ自由に操作できる構造になっており、巻取能力としては、ボビン7に走行糸条10を最大6000m/分の速度まで巻き取れるものを使用している。スピンドル6は、6000m/分を越える超高速タイプのものでも10m/分以下の極低速タイプのものでもよく、巻取る糸条または線状体の特性や、上流側の条件に合った仕様でよい。
ボビン7については、紙管タイプのものを使用している。樹脂または金属製等でもよいが、軽くて比較的コストが低いものが好ましい。ボビン7端部の糸把持部17は、外径90mmのボビン7上にボビン7の回転軸と直交する方向で、ボビン7の端から10mmの位置に開口部の隙間が0.8mmで、長さが200mmの断面がV型のスリット溝を刻んだものを使用している。図40に示すごとく、ボビン7に隣接し、リング状の把持部材40をスピンドル6に装着することで、ボビン7と把持部材40の間にできるスリット状の隙間(見かけ上スリット溝と同じ)を糸把持部としその隙間に走行糸条10を挟むことで糸把持する方式でもよい。比較的強度の強い糸条を紙管に巻取る場合は、紙管上のスリット溝では、把持強度も弱く破損する可能性も高いので、この様な方式を採用することが好ましい。
タッチローラー3は、ボビン7または、ボビン7上に巻かれた糸条との接触により、従動する方式のものを使用しているが、モーター等により駆動する方式でもよい。本実施形態において、タッチローラー3に螺旋状に刻設した糸条案内溝18は、タッチローラー3の外径45mmに対して深さ1.8mmの溝をピッチ2mmで、溝角度αは1.5°の角度で刻設されている。これら糸条案内溝に関してのスペックは、対象となる糸条または線状体の特に太さにより、決められるが、溝角度αについては、糸条または線状体の違いに係わらず、極力小さい方がよく、好ましくは、10°以下でより好ましくは、3°以下であることがよい。
本実施形態例においては、スピンドル6上にボビン7を1個装着し巻取を行う構成としているが、スピンドル6の同軸上に複数個のボビン7を装着し、巻取および糸切替をする構成としてもよい。この様な場合、ボビン7の数に応じ、対応する位置にそれぞれ複合ガイド35や糸案内ガイド31,表層糸規制ガイド11,糸条案内溝18等を設ける必要がある。
上記の様に構成された装置において、本発明に係る糸条パッケージの製造方法は、次の様な順序で実施される。
まず図27および図28(図27の側面図)に示すように、矢印H方向に走行する走行糸条10は、トラバース装置1に綾振りされながらタッチローラー3にて所定の圧力を与えられながら矢印N方向に回転するボビン7(図では満ボビン7bで表している)に巻かれている。ボビン7は、図示していない駆動モーターにより、駆動されるスピンドル6により、5000m/分の速度で、走行糸条10を巻取っており、図27および図28(図27の側面図)において巻取位置で巻取中のボビン7は、ほぼ所定の巻量が巻上がった状態の満ボビン7b(糸条パッケージ4)となっており、図示していない巻量検知器からの満巻信号により、糸切替をする直前の状態を示している。この時、もう一方側のスピンドル6に装着された空巻ボビン7aは、糸切替の準備をするべく満ボビン7bと同じ矢印N方向に回転し定常巻取速度相当に昇速されている。
次いで、糸切替に入ると図29および図30(図29の側面図)に示すごとく、スピンドル切替装置5が矢印J方向に180度回転したことで、満ボビン7bは、タッチローラー3に接触しながら走行糸条10をボビン7上に巻取る巻取位置から、待機位置へと、また、空巻ボビン7aは、待機位置からタッチローラー3に接触する巻取位置へとそれぞれ移動する。このとき、走行糸条10は、スピンドル切替装置5の回動によりスピンドル切替装置5上にフレーム33を返して設置された糸案内ガイド31にすくい上げられるごとくに空ボビン7aに接触しないよう、空巻ボビン7aから遠ざける方向(矢印U方向)に移動させられながらも、走行糸条10は、待機位置にて満ボビン7bに巻取られている。
この際、トラバース装置10から外れないように、走行糸条10は、対向板2に規制されているため、待機位置での満ボビン7bへの巻取においても走行糸条10は、綾振りされた状態で巻取られる。
その後、図31および図32(図31の側面図)に示すごとく、図示してないアクチュエータにより複合ガイド35が、矢印L方向に向かって、空巻ボビン7a端部の糸把持部17に対応する位置へと移動すると複合ガイド35の糸寄せ部37に押され移動する走行糸条10は、図32のY−Y矢視図である図37に示すように、糸案内ガイド31に沿ってd,e,f位置へと順に移動しg位置へと案内される。この時g位置へ案内されるまで走行糸条10は空巻ボビン7aと接触しないため走行糸条10および空巻ボビン7aがダメージを受けることはない。
また、走行糸条10はg位置に移動するにつれて、糸道が短くなるが、この時、走行糸条10は待機位置の満ボビン7bに巻取られているため、ある程度の張力を保有している。そのため、その張力により、走行糸条10は弛むこと無く、スムーズかつ瞬時にg位置に案内される。本実施形態例では、走行糸条10をよりスムーズに案内するべく、糸案内ガイド31にスムージング部36を設けている。このスムージング部36は、走行糸条10をg位置に案内する際、徐々に糸道が短くなる形状としている。走行糸条10はg位置に案内されると、複合ガイド35の糸寄せ部37の移動端と糸案内ガイド31の案内端であるg点とを結ぶ直線R−Rが空巻ボビン7aの回転軸と直交する方向でかつ糸把持部17として設けたスリット溝に対応する位置に糸道形成される。このため、走行糸条10は、に空巻ボビン7aの端部の糸把持部17として設けたスリット溝上にスリット溝のラインに合致する形で即座に接触し、走行糸条10の持つ張力により圧接され、スリット溝の隙間に走行糸条10が挟まれるとともに把持される。
そして、図33および図34(図33の側面図)に示すように、満ボビン7bと空巻ボビン7aとの間で走行糸条10は引き合いにより切断さることで、走行糸条10は、空巻ボビン7a側に受け渡されるため、安定した糸切替えがなされる。
この際、空巻ボビン7a側に巻付く糸道となった走行糸条10は、複合ガイド35の糸寄せ部37の規制から解放され一定の位置で規制されることが無くなる。
さらに、図38(図32のD部拡大図)に示すように、タッチローラー3の糸条案内溝18の溝角度α=1.5度と複合ガイド35の糸寄せ部37から解放される直前の走行糸条10の角度β′=0度が、ほぼ近い角度であるため、図39(図34のX矢視図)に示す様に走行糸条10は、複合ガイド35の糸寄せ部37に規制されていた位置hから矢印w方向にタッチローラー3の糸条案内溝18に入り、スムーズにi,j,kの位置へと順にタッチローラー3の回転により螺旋状の糸条案内溝18に沿って送られる。走行糸条10は、複合ガイド35の糸押さえ部38により糸条案内溝18の溝底方向に押されているため、糸条案内溝18を飛び越えること無く、トラバース装置1の綾振り幅内に向かって案内されるため、ボビン7端部にテールバンチ巻を形成すること無くかつ、2〜3巻のテール巻19を安定して形成し定常巻取に入ることができる。
本実施形態例において、図39(図34のX矢視図)に示すごとくに、複合ガイド35の糸押さえ部38とタッチローラー3の位置関係は、糸条案内溝18の溝深さmが1.8mmに対し溝底から糸押さえ部38の距離をnを2.5mmとしているが、距離nが、溝深さmよりも小さくなってもよいし、マイナス側の寸法(溝底よりも深い位置)になってもよい。
ただしこの様な場合は糸切替後、複合ガイド35を糸寄せ前の退避位置へ移動させる際に、定常巻取に入りトラバース装置1に綾振りされている糸条を引っ掛ける恐れがあるため、一旦タッチローラー3から遠ざける方向に複合ガイド35を移動させた後、糸寄せ前の退避位置へ移動させることが好ましい。
また、待機位置の満ボビン7bに巻かれていた走行糸条10は、g位置に案内される際、満ボビン7bの巻幅外に出ないように、表層糸規制ガイド11に規制されるが、g位置に案内されるとすばやく空巻ボビン7a側に走行糸条10が受け渡されるため満ボビン7bの外周には、表層バンチ巻が形成するに至らないため表層バンチ巻の実質的に無い糸切替がなされる。
以上のように、本実施形態例においては、実質的に、ボビン上にテールバンチ巻を形成することなくテール巻を形成し、また表層バンチ巻をも形成せず、糸およびボビンにダメージを与えることなく確実かつ安定した糸切替ができる。
以上説明した本発明に係る糸条パッケージの製造装置を用いて、560デジテックス96フィラメントの産業用ポリエステルフィラメント10Kg巻パッケージ10000個を製造した結果、糸切替失敗も無く、ほぼ全ての糸条パッケージにおいて、テールバンチ巻,表層バンチ巻ともに形成されることなくまた、2〜3巻の安定したテール巻が形成できた。糸、ボビンともに糸切替によるダメージを受けることも無かったため、巻上がった後の手直しまたは、不良糸の除去が一切必要無く、ボビンについても5回程度しか再利用できなかったものが10回以上再利用しても、問題無い事を確認した。
さらに、本発明に係る糸条パッケージの製造装置では、従来装置の様に、空巻ボビン側に糸掛け後、走行糸条を一定の位置で規制する糸係止ガイドおよび、糸掛け時に満ボビンに巻取られている走行糸条を空ボビン側に押付ける糸掛けガイドが無いため、これらに係わるアクチュエータ等も無く、設備がシンプルな構成となっている。以上により、本実施例においては、後処理工程での手直しに係る人員コストが削減でき、糸屑の発生も無く、安定した糸切替性から連続生産に優れ、ボビンの再利用回数も倍増し、設備費も安価であったことから、糸条パッケージの製造コストを大幅に下げることができた。
本発明は、糸条パッケージの製造装置に限らず、その他の線状体の巻取装置などにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
従来の糸条パッケージ製造装置の一例を示し、糸条パッケージが巻上がり切替動作に入る直前の状態を示す概略正面図である。 図1装置の概略側面図である。 図1装置において切替動作に入り、満ボビンと空巻ボビンが移動し位置が入れ替わった状態を示す概略正面図である。 図3の概略側面図である。 図1装置において糸寄せガイドにて走行糸条を空巻ボビン端部に移動させた状態を示す概略正面図である。 図5の概略側面図である。 図1装置において走行糸条を糸係止ガイドに預けた状態を示す概略正面図である。 図7の概略側面図である。 図1装置において満ボビンに巻かれる走行糸条を空巻ボビンに受け渡した直後の状態を示す概略正面図である。 図9の概略側面図である。 図1装置において空巻ボビンに受け渡された後の走行糸条を糸係止ガイドから解放した直後の状態を示す概略正面図である。 図11の概略側面図である。 図1装置において糸切替が完了し空巻ボビン側に定常巻取が開始された状態を示す概略正面図である。 図13の概略側面図である。 図9のZ−Z矢視図である。 図1とは異なる従来の糸条パッケージ製造装置の一例を示し、糸条パッケージが巻上がり切替動作に入る直前の状態を示す概略正面図である。 図16の概略側面図である。 図16装置において切替動作に入り、満ボビンと空巻ボビンが移動し位置が入れ替わった状態を示す概略正面図である。 図18の概略側面図である。 図16装置において糸寄せガイドにて走行糸条を空巻ボビン端部に移動させた状態を示す概略正面図である。 図20の概略側面図である。 図16装置において満ボビンに巻かれていた走行糸条が空巻ボビンの糸把持部に把持され空巻ボビンに受け渡された直後の状態を示す概略正面図である。 図22の概略側面図である。 図16装置において糸切替が完了し空巻ボビン側に定常巻取が開始された状態を示す概略正面図である。 図24の概略側面図である。 図23のA部拡大図である。 本発明の糸条パッケージ製造装置の一実施形態例を示し、糸条パッケージが巻上がり切替動作に入る直前の状態を示す概略正面図である。 図27の概略側面図である。 図27に示す本発明装置において切替動作に入り、満ボビンと空巻ボビンが移動し位置が入れ替わった状態を示す概略正面図である。 図29の概略側面図である。 図27に示す本発明装置において糸寄せガイドにて走行糸条を空巻ボビン端部に移動させた直後の状態を示す概略正面図である。 図31の概略側面図である。 図27に示す本発明装置において、糸切替し空ボビン側に走行糸条が巻付いた直後の状態を示す概略正面図である。 図33の概略側面図である。 図27に示す本発明装置において、糸切替が完了し空巻ボビン側に定常巻取が開始された状態を示す概略正面図である。 図35の概略側面図である。 図32のY−Y矢視図である。 図32のD部拡大図である。 図34のX矢視図である。 本発明における糸把持部の別の構成を示した図である。
符号の説明
1:トラバース装置
2:対向板
3:タッチローラー
4:糸条パッケージ
5:スピンドル切替装置
6:スピンドル
7:ボビン(7a:空巻ボビン,7b:満ボビン)
9:糸逃がしバー
10:走行糸条
11:表層糸規制ガイド
12:糸寄せガイド
13:アクチュエータ
15:糸係止ガイド
16:糸掛けガイド
17:糸把持部
18:糸条案内溝
19:テール巻
20a:バンチ巻(ボビン上に形成)
20b:バンチ巻(糸条パッケージ表層上に形成)
24:糸規制溝
25:糸折り返しバー
31:糸案内ガイド
33:フレーム
35:複合ガイド
36:スムージング部
37:糸寄せ部
38:糸押さえ部
40:把持部材

Claims (13)

  1. 軸方向端部に糸把持部を備えたボビンを装着した複数のスピンドルと、該複数のスピンドルのうち巻取位置にあるスピンドルと待機位置にあるスピンドルとの位置を切り替えるスピンドル切替装置と、前記巻取位置にあるスピンドルに装着されたボビンに向かって走行してくる走行糸条を前記巻取位置にある前記スピンドルの回転軸方向の所定の綾振り幅にわたって綾振りするトラバース装置と、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビンに所定の圧接部位において圧接され、外周面に前記トラバース装置により綾振りされた前記走行糸条を接触させながら前記所定の圧接部位へ案内し前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビンに巻取らせるタッチローラーとを備え、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に糸条パッケージを形成する糸条パッケージの製造装置であって、
    (1)前記タッチローラーよりも前記走行糸条の走行方向の上流に配設され、前記スピンドル切替装置により、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に所定の糸条を巻き取って満巻となったときに前記巻取位置にある前記スピンドルと前記待機位置にある空巻のボビンが装着されたスピンドルとの位置の切替を行った後に、前記トラバース装置の綾振り幅外の前記空巻のボビンの前記糸把持部に対応する糸寄せ位置に前記走行糸条を移動させる糸寄せ部を有し、前記走行糸条を前記空巻のボビンの前記糸把持部へ把持させ前記空巻のボビンに前記走行糸条が巻き付く際に前記走行糸条が前記糸寄せ部から外れるよう構成された糸寄せガイドを備え、
    (2)前記タッチローラは、前記糸寄せ位置に対応する部位と前記トラバース装置の綾振り幅端部に対応する部位との間に糸条案内溝が形成されており、
    (3)前記タッチローラの糸条走行方向上流側に配設され、前記走行糸条の前記把持により前記空巻のボビンに前記走行糸条が巻き付いて前記糸寄せガイドの前記糸寄せ部から外れた前記走行糸条を前記タッチローラに形成された前記糸条案内溝の溝底方向に押さえ付ける糸押さえ部を有する糸押さえガイドを有することを特徴とする糸条パッケージの製造装置。
  2. 前記糸押さえガイドと前記糸寄せガイドが一体に形成された複合ガイドであることを特徴とする請求項1に記載の糸条パッケージの製造装置。
  3. 軸方向端部に糸把持部を備えたボビンを装着した複数のスピンドルと、該複数のスピンドルのうち巻取位置にあるスピンドルと待機位置にあるスピンドルとの位置を切り替えるスピンドル切替装置と、前記巻取位置にあるスピンドルに装着されたボビンに向かって走行してくる走行糸条を前記巻取位置にある前記スピンドルの回転軸方向の所定の綾振り幅にわたって綾振りするトラバース装置とを備え、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に糸条パッケージを形成する糸条パッケージの製造装置であって、
    (1)前記巻取位置に位置するスピンドルよりも前記走行糸条の走行方向の上流に配設され、前記スピンドル切替装置により、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に所定の糸条を巻き取って満巻となったときに前記巻取位置にある前記スピンドルと前記待機位置にある空巻のボビンを装着したスピンドルとの位置の切替を行った後に、前記トラバース装置の綾振り幅外の前記ボビンの端部に形成された糸把持部に対応する糸寄せ位置に前記走行糸条を移動させる糸寄せ部を有する糸寄せガイドを備え、
    (2)前記糸寄せガイドよりも前記走行糸条の走行方向の下流側に配設され、前記糸寄せガイドによる前記走行糸条の移動開始前から前記走行糸条が前記糸寄せ位置に達するまでは、巻取位置に位置する前記スピンドルに装着された前記空巻の前記ボビンに前記走行糸条が接触しないよう前記走行糸条を案内し、前記走行糸条が前記糸寄せ位置に達する時には前記走行糸条が前記空巻のボビンの前記糸把持部に把持されるべく前記走行糸条の糸道を短くしつつ案内する糸案内ガイドを、有することを特徴とする糸条パッケージの製造装置。
  4. 前記糸案内ガイドの前記走行糸条の走行方向の下流に配設され、前記走行糸条が、前記巻取位置に位置するスピンドルよりも前記走行糸条の走行方向の上流において前記糸寄せガイドにより前記トラバース装置の前記綾振り幅外に移動させられた際であっても、前記待機位置にあるスピンドルに装着されたボビン近傍では前記走行糸条が前記トラバース装置の綾振り幅内にとどまるよう前記走行糸条の位置を規制する表層糸規制ガイド備えていることを特徴とする請求項3に記載の糸条パッケージの製造装置。
  5. 前記走行糸条を前記空巻のボビンの前記糸把持部へ把持させ前記空巻のボビンに前記走行糸条が巻き付く際に前記走行糸条が前記糸寄せ部から外れるよう前記糸寄せガイドを構成することを特徴とする請求項3または4に記載の糸条パッケージの製造装置。
  6. 前記ボビンの前記糸把持部が、前記ボビンの回転軸に対して実質的に直交する方向に形成されたスリット溝である請求項3〜5のいずれかに記載の糸条パッケージの製造装置。
  7. 前記糸寄せ位置に位置する際の前記糸寄せガイドの前記糸寄せ部と前記糸案内ガイドの糸案内端とを結ぶ直線が、前記ボビンの回転軸に対して直交する方向にあることを特徴とする請求項6に記載の糸条パッケージの製造装置。
  8. 軸方向端部に糸把持部を備えたボビンを装着した複数のスピンドルのうち巻取位置にあるスピンドルと待機位置にあるスピンドルとの位置を切り替える構成の糸条パッケージの製造装置を用いて、回転する前記巻取位置にあるスピンドルに装着されたボビンに向かって走行してくる走行糸条を前記巻取位置にある前記スピンドルの回転軸方向の所定の綾振り幅に渡って綾振りし、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビンに所定の圧接部位においてタッチローラーを圧接し、前記タッチローラーの外周面に前記綾振りされた前記走行糸条を接触させながら前記所定の圧接部位へ案内し、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビンに巻き取らせることで前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に糸条パッケージを形成する糸条パッケージの製造方法であって、
    (1)前記タッチローラーよりも前記走行糸条の走行方向の上流で、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に所定の糸条を巻き取って満巻となったときに前記巻取位置にある前記スピンドルと前記待機位置にある空巻のボビンが装着されたスピンドルとの位置を切り替えた後に、前記綾振り幅外の前記空巻のボビンの前記糸把持部に対応する糸寄せ位置に糸寄せガイドの糸寄せ部によって前記走行糸条を移動させ、前記走行糸条を前記空巻のボビンの前記糸把持部に把持させ、前記空巻のボビンに前記走行糸条が巻き付く際に前記走行糸条を前記糸寄せ部から解放し、
    (2)前記タッチローラの糸条走行方向上流側で、前記走行糸条の前記把持により前記空巻のボビンに前記走行糸条が巻き付いて前記糸寄せガイドの前記糸寄せ部から外れた前記走行糸条を前記タッチローラの、前記糸寄せ位置に対応する部位と前記綾振り幅端部に対応する部位との間に形成された糸条案内溝に案内し、
    (3)前記糸条案内溝に案内された前記走行糸条を前記タッチローラに形成された前記糸条案内溝の溝底方向に押さえ付け、前記空巻のボビンによる前記糸条の巻取を開始させることを特徴とする糸条パッケージの製造方法。
  9. 軸方向に糸把持部を備えたボビンを装着した複数のスピンドルのうち巻取位置にあるスピンドルと待機位置にあるスピンドルとの位置を切り替える構成の糸条パッケージの製造装置を用いて、回転する前記巻取位置にあるスピンドルに装着されたボビンに向かって走行してくる走行糸条を前記巻取位置にある前記スピンドルの回転軸方向の所定の綾振り幅に渡って綾振りし、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビンに巻き取らせることで前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に糸条パッケージを形成する糸条パッケージの製造方法であって、
    (1)前記巻取位置に位置するスピンドルよりも前記走行糸条の走行方向の上流で、前記巻取位置にある前記スピンドルに装着された前記ボビン上に所定の糸条を巻き取って満巻となったときに前記巻取位置にある前記スピンドルと前記待機位置にある空巻のボビンを装着したスピンドルとの位置を切り替えた後に、糸寄せガイドの糸寄せ部で前記綾振り幅外の前記ボビンの端部に形成された糸把持部に対応する糸寄せ位置に前記走行糸条を移動させ、
    (2)前記糸寄せガイドよりも前記走行糸条の走行方向の下流側で、前記糸寄せガイドによる前記走行糸条の移動開始前から前記走行糸条が前記糸寄せ位置に達するまでは、巻取位置に位置する前記スピンドルに装着された前記空巻の前記ボビンに前記走行糸条が接触しないよう前記走行糸条を案内し、前記走行糸条が前記糸寄せ位置に達する時には前記走行糸条が前記空巻のボビンの前記糸把持部に把持されるべく前記走行糸条の糸道を短くしつつ案内することを特徴とする糸条パッケージの製造方法。
  10. 前記走行糸条が、前記巻取位置に位置するスピンドルよりも前記走行糸条の走行方向の上流において前記糸寄せガイドにより前記綾振り幅外に移動させられた際であっても、前記待機位置にあるスピンドルに装着されたボビン近傍では前記走行糸条が前記綾振り幅内にとどまるよう前記走行糸条の位置を規制することを特徴とする請求項9に記載の糸条パッケージの製造方法。
  11. 前記走行糸条を前記空巻のボビンの前記糸把持部へ把持させ前記空巻のボビンに前記走行糸条が巻き付く際に前記走行糸条を前記糸寄せガイドの前記糸寄せ部から解放することを特徴とする請求項9または10に記載の糸条パッケージの製造方法。
  12. 前記ボビンとして、前記糸把持部が、前記ボビンの回転軸に対して実質的に直交する方向に形成されたスリット溝として形成され、該スリット溝に前記走行糸条を挟むことで前記走行糸条を把持するものを用いることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の糸条パッケージの製造方法。
  13. 前記スリット溝に前記走行糸条を把持する際、前記走行糸条の糸道を前記
    スリット溝部ライン上に合致させることを特徴とする請求項12に記載の糸条パッケージの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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