JP2006248222A - 樹脂材の成形方法、樹脂材の成形装置及び成形品 - Google Patents

樹脂材の成形方法、樹脂材の成形装置及び成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素な工程でありながら、複数の樹脂材を高い強度で結合させ、また複数の樹脂材を異なる厚さ比率で結合させることができる樹脂材の成形方法、樹脂材の成形装置及び成形品を提供する。
【解決手段】非配向層NDLは、第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2の分子同士が相互に、相手の非配向層NDLに入り込んでいるため、固化した後に極めて高い結合強度を有するという特徴を有する。即ち、接着剤などに頼ることなく、簡素な工程で結合強度が高い成形品を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば高機能な樹脂製品を成形できる樹脂材の成形方法、樹脂材の成形装置、及びそれらにより成形される成形品に関する。
射出成形品は、近年様々な分野で使用されており、それに合わせて様々な射出成形技術が開発されている。ここで、個々の樹脂材の特性に着目し、複数の樹脂材を貼り合わせることで、より高付加価値の製品を得ることも行われている。かかる場合、射出成形品同士を貼り合わせて用いることもできるが、射出成形時に複数の樹脂材を結合できれば、より簡易に高付加価値の製品を得ることができる。ここで、複数の樹脂材を用いて射出成形品を形成する方法として、インサート成形や二色成形が知られている。
しかるに、インサート成形は、一つの樹脂材を形成した後、金型内に配置して、そこに溶融した別の樹脂材に注入することで一体化させるものであり、製造工程が複雑となるという問題がある。一方、二色成形は、異なる射出シリンダから複数の樹脂材を交互に射出するものであるが、一般的には樹脂材同士の接合強度が弱いという問題がある。
これに対し、非特許文献1には、異なる2つの射出シリンダから同時に、1つの金型キャビティ内に樹脂を射出し、成形品を得る同時複合射出成型法が開示されている。
浅井 真吾、他2名、"同時複合射出成形法を用いた二層成形品に関する基礎研究"、成形加工、第16巻、第12号、2004
しかるに、非特許文献1の技術によれば、異なる樹脂材を互いに混じり合わせることなく展開できる成形品を得ることができる。しかしながら、異なる樹脂材同士の結合強度をより高めたい場合には、さらなる工夫が必要である。又、異なる樹脂材同士の板厚比を変更したい場合にも、更なる工夫が必要となる。
本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、簡素な工程でありながら、複数の樹脂材を高い強度で結合させることができる樹脂材の成形方法及び成形品を提供することを目的とする。また、複数の樹脂材を異なる厚さ比率で結合させることができる樹脂材の成形装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の樹脂材の成形方法は、第1の型と第2の型とで形成される共通のキャビティ内に、第1の樹脂材と第2の樹脂材とを異なる注入口を介して注入する際に、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材の合流部の流入速度を一致させることを特徴とする。
本発明の原理について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の原理を説明するための図であり、樹脂材の流れを模式的に示したものである。図2は、本発明により成形された成形品を模式的に示す断面図である。図1において、筐体状の上型M1と下型M2との間に、キャビティCが形成されている。共通となるキャビティCには、開口OPが形成されており、その中に仕切り板PTが配置されている。仕切り板PTによって、開口OPは、第1の注入口G1と第2の注入口G2とに分けられている。ここでは、第1の注入口G1と第2の注入口G2の最小断面の面積は等しいものとし、これらを介して注入される第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2の温度、圧力は等しいものとする。
射出成形または押し出し成形時には、不図示のホッパーから溶融した第1の樹脂材PL1を、第1の注入口G1を介してキャビティC内に注入し、別のホッパーから溶融した第2の樹脂材PL2を第2の注入口G2を介して注入する。このとき、図1に示すように、第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2は注入に従い、キャビティC内に層状に漸次広がってゆくが、その最初の合流部A(ここでは仕切り板PTのキャビティC側端部)における、第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2の速度を一致せしめると、図1(a)に示すように、第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2の対向する面同士に相対移動が生じないため、配向層が形成されず、非配向層NDLが形成されることとなる。更に、図1(b)、(c)に示すように、一旦形成された非配向層NDLは、第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2とがキャビティC内に更に充填されても破壊されることがない。展開した樹脂材PL1,PL2が固化した後、上型M1と下型M2とを離型させることで、図2に示す成形品が得られることとなる。ここで、「配向層」とは、溶融した樹脂材が、それ以外の部材と相対移動を持って接触した場合に生じる樹脂の流れの層をいい、「非配向層」とは、樹脂の流れがない層をいう。
例えば、第1の樹脂材PL1と上型M1の内面とは、相対移動が生じるため、所定(ここでは水平)方向の樹脂材の流れを示す配向層DLが形成され、また第2の樹脂材PL2と下型M2の内面とは、相対移動が生じるため、所定(ここでは水平)方向の樹脂材の流れを示す配向層DLが形成されることがわかる。
第1の樹脂材PL1における第2の樹脂材PL2に面した部位と、第2の樹脂材PL2における第1の樹脂材PL1に面した部位に形成される非配向層NDLにおいては、第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2の分子同士が相互に、相手側の非配向層NDLに入り込んでいるため、固化した後に極めて高い結合強度を有するという特徴を有する。又、インサート成形をする場合や、接着剤を用いる場合などと比較して、製造工程を簡素化できる。よって、本発明によれば、簡素な工程で結合強度が高い成形品を得ることができる。尚、「流入速度を一致させる」とは、厳密に流入速度を一致させる必要はなく、配向部が生じない程度に速度差が生じてもかまわない。
請求項2に記載の樹脂材の成形方法は、第1の型と第2の型とで形成される共通のキャビティ内に、第1の樹脂材と第2の樹脂材とを異なる注入口を介して注入する際に、注入される前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材の温度、圧力、速度の少なくとも一つを異ならせることにより、前記キャビティ内における前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材の、流れ方向に直交する厚さの比を制御することを特徴とする。
本発明の原理について、図面を参照して説明する。図3は、本発明の原理を説明するための図であり、樹脂材の流れを模式的に示したものである。図3において、図1に示す例と異なる点は、第1の樹脂材PL1の第1の注入口G1における圧力をP1とし、第2の樹脂材PL2の第2の注入口G2における圧力を、P1より低いP2としている(P1>P2)点である。
このように、第1の樹脂材PL1の圧力P1を、第2の樹脂材PL2の圧力P2より大きくした場合、図3に示すように、共通のキャビティC内に充填される第1の樹脂材PL1の体積は、第2の樹脂材PL2の体積より大きくなるが、合流部の速度を一致させると、樹脂材PL1,PL2は、等しい速度でキャビティC全体に充填展開されることとなる。その結果、図3(c)に示すように、第1の樹脂材PL1の板厚(流れ方向に直交する方向の厚さをいう)t1は、第2の樹脂材PL2の板厚t2より大きくなる。即ち、第1の樹脂材PL1の圧力P1と、第2の樹脂材PL2の圧力P2とを任意の値に設定することによって、板厚比(t1/t2)を任意の値に制御できることとなる。明らかであるが、第1の樹脂材PL1と、第2の樹脂材PL2の温度(即ち粘度)又は速度を変更することでも、板厚比を制御できる。
請求項3に記載の樹脂材の成形方法は、請求項1又は2に記載の発明において、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材とは同じ材料であることを特徴とするので、肉厚の成形品を形成することができる。部分的に肉厚の成形品を射出成形または押し出し成形すると、ヒケなどの不具合が生じ、また接合面において複屈折特性が変わるので光学素子等として用いるのに不適切な場合もあるが、本発明によれば、同じ材料からなる前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材とを、上述のようにして密着成形することで、ヒケなどの不具合を回避できる。特に、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材との密着部に非配向部を形成することで密着強度が高まり、また非配向部において複屈折特性が変わることが抑制され、一つの樹脂素材を用いて射出成形された肉薄(薄肉)の成形品または押し出し成形された肉薄(薄肉)の成形品と同様な強度特性(弾性係数)や複屈折特性を備え、ヒケのない肉厚(厚肉)の成形品を得ることができる。
請求項4に記載の樹脂材の成形方法は、請求項1又は2に記載の発明において、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材とは異なる材料であることを特徴とするので、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材がそれぞれ有する特性を兼ね備えた成形品を得ることができる。或いは、装置の外板などを成形しようとする場合、ユーザーの目に触れない内側部分には、リサイクルした樹脂(例えば前記第2の樹脂材)を用い、外側部分には、新材(例えば前記第1の樹脂材)を用いることで、低コストでありながら環境にも配慮した成形品を形成することができる。
請求項5に記載の樹脂材の成形方法は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材は、PC、ABS、変性PPE、PBT、PCABS、PCPBT、HIPS、ポリアミド、POM、PP、PMMA、COP、COCの少なくともいずれかであることを特徴とするが、これらに限られることはない。
請求項6に記載の樹脂材の成形方法は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材には、グラスファイバー、グラスビーズ、カーボンファイバーの少なくとも1種が混入されていることを特徴とするので、強靱な成形品を成形できる。なお、これ以外にも相溶化剤や乳化剤、離型潤滑剤などを混入することは任意である。
請求項10に記載の樹脂材の成形方法は、請求項7〜9のいずれかに記載の発明において、前記キャビティに接続された一つの注入口を仕切り板で仕切ることによって前記異なる注入口が形成されており、前記仕切り板は筒状であり、その半径方向外方を前記第1の樹脂材が流れ、その半径方向内方を前記第2の樹脂材が流れることを特徴とする。
図4は、本発明にかかる仕切り板を示す斜視図である。図4において、大円管CY1の内方に、小円管CY2が配置されている。大円管CY1と小円管CY2との間の画成された円管状の空間(1つの注入口)OPは、図4で手前側の端部は、不図示のキャビティ(この場合は、中空円筒状であることが好ましい)に接続されており、奥側の端部は閉止されている。空間OP内には、円管状の仕切り板PTが配置され、空間OPを半径方向における外方空間と内方空間とに仕切っている。大円管CY1と仕切り板PTとの間の外方空間(第1の注入口G1という)は、第1の樹脂材PL1のホッパーに接続された第1通路PS1と連通し、仕切り板PTと小円管CY2との間の内方空間(第2の注入口G2という)は、第2の樹脂材PL2のホッパーに接続された第2通路PS2と連通している。
射出成形または押し出し成形時には、ホッパーから溶融した第1の樹脂材PL1を、第1通路PS1及び第1の注入口G1を介してキャビティ内に注入し、別のホッパーから溶融した第2の樹脂材PL2を、第2通路PS2及び第2の注入口G2を介して注入する。それにより第1の樹脂材PL1を外周に、第2の樹脂材PL2を内周に形成した円筒状の樹脂成形品を得ることができる。尚、大円管CY1,小円管CY2,仕切り板PTの形状は円筒に限らず、角筒状でもよい。
請求項8に記載の樹脂材の成形装置は、
内部にキャビティを画成する第1の型及び第2の型と、
前記キャビティに第1の樹脂材を供給するための第1供給源と、
前記第1供給源と前記キャビティとを連結する第1通路と、
前記キャビティに第2の樹脂材を供給するための第2供給源と、
前記第2供給源と前記キャビティとを連結する第2通路と、
前記キャビティに至る前に前記第1通路と前記第2通路とを仕切る仕切り板と、を有し、
前記仕切り板を超えた位置で、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材とは合流するようになっており、前記仕切り板は、少なくとも前記第1の樹脂材又は前記第2の樹脂材の流れに交差する方向に変位可能とされていることを特徴とする。
本発明の原理について、図面を参照して説明する。図5は、本発明の樹脂材の成形装置の例を示す概略図である。図5において、互いに離隔可能に配置された筐体状の上型(第1の型ともいう)M1と下型M2(第2の型ともいう)との間に、キャビティCが形成されている。共通となるキャビティCには、開口OPが形成されており、開口OPは、第1通路PS1を通じて第1ホッパー(第1供給源ともいう)H1に接続されており、且つ第2通路PS2を通じて第2ホッパー(第2供給源ともいう)H2に接続されている。
開口OP内であって、第1の通路PS1と第2通路PS2との合流部に、仕切り板PTが配置されている。仕切り板PTによって、開口OPは、第1の注入口G1と第2の注入口G2とに分けられている。仕切り板PTの他端(図5で右端)は、第1の通路PS1又は第2通路PS2の外部へと延在しており、ここでねじ軸SWに螺合している。ねじ軸SWはモータMにより回転駆動されるようになっており、ねじ軸SWが回転すると、それに応じて仕切り板PTが図5で上下に移動するようになっている。図5(a)に示す状態では、仕切り板PTは中立位置に配置され、第1の注入口G1と第2の注入口G2の高さは等しくなっているが、図5(b)に示す状態では、仕切り板PTは下方へと移動され、第1の注入口G1の高さより、第2の注入口G2の高さが低くなっている。
図5(a)に示す状態で射出成形または押し出し成形を行う場合、ホッパーH1から溶融した第1の樹脂材PL1を、第1通路PS1及び第1の注入口G1を介してキャビティC内に注入し、ホッパーH2から溶融した第2の樹脂材PL2を、第2通路PS2及び第2の注入口G2を介して注入する。このとき、図5(a)に示すように、第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2は注入に従い、仕切り板PTを超えた位置(すなわち仕切り板PTのキャビティC側端部)Aで合流し、キャビティC内に層状に漸次広がってゆくが、その最初の合流部における、第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2の速度を一致せしめると、図1を参照して説明したように、第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2の密着部は非配向層NDLとなって、所望の特性の樹脂成形品を得ることができる。かかる場合、樹脂材PL1,PL2は、等しい割合でキャビティC全体に充填展開されるため、図5(a)に示すように、第1の樹脂材PL1の板厚(流れ方向に直交する方向の厚さをいう)t1は、第2の樹脂材PL2の板厚t2に等しくなる。
これに対し、仕切り板PTの位置を図5(b)に示すように変更して射出成形または押し出し成形を行う場合、同様に第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2は注入に従い、仕切り板PTを超えた位置Aで合流し、キャビティC内に層状に漸次広がってゆくが、キャビティC内に充填される第1の樹脂材PL1の体積は、第2の樹脂材PL2の体積より大きくなり、更に合流部の速度を一致させると、樹脂材PL1,PL2は、等しい速度でキャビティC全体に充填展開されることとなる。その結果、図5(b)に示すように、第1の樹脂材PL1の板厚t1は、第2の樹脂材PL2の板厚t2より大きくなる。即ち、仕切り板PTにおける樹脂材の流れに交差する方向の位置を変更することによって、板厚比(t1/t2)を任意の値に制御できることとなる。尚、成形中に仕切り板PTの位置を固定することなく可変としても良く、それにより場所に応じて板厚比を変更した成形品を得ることができる。
請求項9に記載の樹脂材の成形装置は、請求項8に記載の発明において、前記仕切り板が、前記第1の型及び前記第2の型とは別体であることを特徴とする。
請求項10に記載の樹脂材の成形装置は、請求項8に記載の発明において、前記仕切り板が、前記第1の型又は前記第2の型と一体化されていることを特徴とする。
請求項11に記載の成形品は、第1の樹脂材と第2の樹脂材とを密着した成形品であって、少なくとも、前記第1の樹脂材に面する前記第2の樹脂材、及び前記第2の樹脂材に面する前記第1の樹脂材に非配向層が形成されていることを特徴とする。
図2を参照して、第1の樹脂材PL1における第2の樹脂材PL2に面した部位と、第2の樹脂材PL2における第1の樹脂材PL1に面した部位に形成される非配向層NDLにおいては、第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2の分子同士が相互に、相手側の非配向層NDLに入り込んでいるため、固化した後に極めて高い結合強度を有するという特徴を有する。即ち、本発明によれば、接着剤などに頼ることなく、例えば成形工程を通じて第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2とを高い強度で結合させた成形品を得ることができる。
請求項12に記載の成形品は、第1の樹脂材と第2の樹脂材とを密着した成形品であって、成形品内部において、配向層に挟まれた非配向層を3層形成していることを特徴とする。
図2を参照すると、1つの非配向層NDL(1)は、第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2との境界部に形成されている。それに対し、樹脂材の流れに交差する方向の両側においては、樹脂材の相対移動が生じるため、配向層DL(1)が形成される。かかる配向層DL(1)の更に外側は、樹脂材の相対移動がないために、非配向層NDL(2)が形成される。この非配向層NDL(2)と、第1の型M1及び第2の型M2(図1)の内周面との間には、樹脂材の相対移動が生じるため、配向層DL(2)が形成される。これを言い換えると、例えば上述した成形方法により得られる、第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2とを密着した成形品においては、成形品内部において、配向層DLに挟まれた非配向層NDLを3層形成していることとなる。3層形成された非配向層NDLのうち中央の非配向層NDL(1)は、第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2の分子同士が相互に相手側に入り込んで形成されているため、固化した後に極めて高い結合強度を有するものである。また、インサート成形をする場合や、接着剤を用いる場合などと比較して、製造工程を簡素化することができる。
請求項13に記載の成形品は、請求項11又は12に記載の発明において、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材とは同じ材料であることを特徴とする。
請求項14に記載の成形品は、請求項11又は12に記載の発明において、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材とは異なる材料であることを特徴とする。
請求項15に記載の成形品は、請求項11〜14のいずれかに記載の発明において、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材は、PC、ABS、変性PPE、PBT、PCABS、PCPBT、HIPS、ポリアミド、POM、PP、PMMA、COP、COCの少なくともいずれかであることを特徴とする。
請求項16に記載の成形品は、請求項11〜15のいずれかに記載の発明において、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材には、グラスファイバー、グラスビーズ、カーボンファイバーの少なくとも1種が混入されていることを特徴とする。
請求項17に記載の成形品は、請求項11〜16のいずれかに記載の発明において、フィルム状であることを特徴とする。
請求項18に記載の成形品は、請求項11〜16のいずれかに記載の発明において、筒状であることを特徴とする。
請求項19に記載の成形品は、請求項11〜16のいずれかに記載の発明において、光学素子であることを特徴とする。本発明の成形品が、色収差補正レンズ、屈折率分布型レンズ等である場合、従来技術に比べて、製造工程が少なく低コストで製造でき、第1の樹脂材と第2の樹脂材の成形収縮が同時に起こるため、反りが少なく内部応力が小さくなり高精度且つ接合強度の高い光学素子となる。又、本発明の成形品が、厚肉レンズであると、第1の樹脂材と第2の樹脂材の成形収縮が同時に起こるため、反りが少なく内部応力が小さくなり高精度且つ接合強度の高いことに加え、ヒケが少なく複屈折特性に優れたレンズとなる。尚、これ以外にも、第1の樹脂材と第2の樹脂材の異なる特性を生かし、温度補正レンズや、吸湿補正レンズ、耐光性レンズなどにも応用できる。更に、本発明の成形品は、光学素子以外においても、例えばプリンタやコピー機のカバー部材、外板部材、中間転写ベルト、定着ベルト、液晶フィルムなど多方面の応用が考えられる。
本発明によれば、簡素な工程でありながら、複数の樹脂材を高い強度で結合させることができる樹脂材の成形方法及び成形品を提供することができる。また、複数の樹脂材を異なる厚さ比率で結合させることができる樹脂材の成形装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図6は、本実施の形態にかかる樹脂材の成形装置の概略構成図である。第1の型M1と第2の型M2との間に形成されるキャビティ(不図示)に連通するようにして、中央を仕切り板PTで仕切られた管状部材CMが連結されている。仕切り板PT仕切られた管状部材CMの上方空間(第1の注入口)は、第1通路であるランナーRN1に接続されており、仕切り板PT仕切られた管状部材CMの下方空間(第2の注入口)は、第2通路であるランナーRN2に接続されている。第1供給源である第1のホッパーH1より第1スクリューSCR1により押し出される第1の樹脂材PL1は、ランナーRN1の端部から内部へと充填され、第2供給源である第2のホッパーH2より第2スクリューSCR2により押し出される第2の樹脂材PL2は、ランナーRN2の端部から内部へと充填されるようになっている。キャビティと仕切り板PTとの関係は、図1等に示す状態と同様であるものとする。
押し出し成形時には、第1のホッパーH1から溶融した第1の樹脂材PL1を供給し、第1スクリューSCR1により押し出して、ランナーRN1及び第1の注入口を介してキャビティ内に注入し、同時に第2のホッパーH2から溶融した第2の樹脂材PL2を供給し、第2スクリューSCR2により押し出して、ランナーRN2及び第2の注入口を介してキャビティ内に注入する。このとき重要な点は、キャビティから第1のスクリューSCR1までの距離と、キャビティから第2のスクリューSCR2までの距離が異なっていても良いが、仕切り板PTのキャビティ側端部の樹脂材合流部において、注入される第1の樹脂材PL1と第2の樹脂材PL2のタイミングと速度とを一致させることである。それにより、図2に示すごとき樹脂成形品を得ることができる。
尚、樹脂材の注入温度としては、ABSの場合は200℃以下、PCとABSの混合材の場合は270℃以下、PCの場合は300℃以下、PMMAの場合は270℃以下とするのがよく、粘度はいずれも5×102Pa・S以下とするのがよい。更に第1の樹脂材と第2の樹脂材の温度差は30℃以下が好ましい。また樹脂材の注入速度としては、成形機のスクリュー移動速度で50mm/sec以下が好ましい。
図7,8は、本発明者らが図6の成形装置を用いて実際に成形を行うことで得られた成形品の、樹脂材の流れ方向における断面を拡大して示す図である。図7は第1の樹脂材及び第2の樹脂材として、共通にPCとABSの混合材を用い、図8は、第1の樹脂材としてPCを用い、第2の樹脂材としてPCとABSの混合材を用いており、350倍から500倍で拡大している。図7,8のいずれにおいても、第1の樹脂材及び第2の樹脂材との密着部に非配向部が形成されていることを確認できる。
本発明の原理を説明するための図であり、樹脂材の流れを模式的に示したものである。 本発明により成形された成形品を模式的に示す断面図である。 本発明の原理を説明するための図であり、樹脂材の流れを模式的に示したものである。 本発明にかかる仕切り板を示す斜視図である。 本発明の樹脂材の成形装置の例を示す概略図である。 本実施の形態にかかる樹脂材の成形装置の概略構成図である。 図6の成形装置を用いて実際に成形行うことで得られた成形品の、樹脂材の流れ方向における断面を拡大して示す図である。 図6の成形装置を用いて実際に成形行うことで得られた成形品の、樹脂材の流れ方向における断面を拡大して示す図である。
符号の説明
C キャビティ
CM 管状部材
CY1 大円管
CY2 小円管
DL 配向層
G1 第1の注入口
G2 第2の注入口
H1 第1のホッパー
H2 第2のホッパー
M モータ
M1 上型
M2 下型
NDL 非配向層
OP 開口
PL1 第1の樹脂材
PL2 第2の樹脂材
PS1 第1の通路
PS2 第2の通路
PT 仕切り板
RN1 第1のランナー
RN2 第2のランナー
SCR1 第1スクリュー
SCR2 第2スクリュー
SW ねじ軸

Claims (19)

  1. 第1の型と第2の型とで形成される共通のキャビティ内に、第1の樹脂材と第2の樹脂材とを異なる注入口を介して注入する際に、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材の合流部の流入速度を一致させることを特徴とする樹脂材の成形方法。
  2. 第1の型と第2の型とで形成される共通のキャビティ内に、第1の樹脂材と第2の樹脂材とを異なる注入口を介して注入する際に、注入される前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材の温度、圧力、速度の少なくとも一つを異ならせることにより、前記キャビティ内における前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材の、流れ方向に直交する厚さの比を制御することを特徴とする樹脂材の成形方法。
  3. 前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材とは同じ材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂材の成形方法。
  4. 前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材とは異なる材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂材の成形方法。
  5. 前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材は、PC、ABS、変性PPE、PBT、PCABS、PCPBT、HIPS、ポリアミド、POM、PP、PMMA、COP、COCの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂材の成形方法。
  6. 前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材には、グラスファイバー、グラスビーズ、カーボンファイバーの少なくとも1種が混入されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂材の成形方法。
  7. 前記キャビティに接続された一つの注入口を仕切り板で仕切ることによって前記異なる注入口が形成されており、前記仕切り板は筒状であり、その半径方向外方を前記第1の樹脂材が流れ、その半径方向内方を前記第2の樹脂材が流れることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂材の成形方法。
  8. 内部にキャビティを画成する第1の型及び第2の型と、
    前記キャビティに第1の樹脂材を供給するための第1供給源と、
    前記第1供給源と前記キャビティとを連結する第1通路と、
    前記キャビティに第2の樹脂材を供給するための第2供給源と、
    前記第2供給源と前記キャビティとを連結する第2通路と、
    前記キャビティに至る前に前記第1通路と前記第2通路とを仕切る仕切り板と、を有し、
    前記仕切り板を超えた位置で、前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材とは合流するようになっており、前記仕切り板は、少なくとも前記第1の樹脂材又は前記第2の樹脂材の流れに交差する方向に変位可能とされていることを特徴とする樹脂材の成形装置。
  9. 前記仕切り板が、前記第1の型及び前記第2の型とは別体であることを特徴とする請求項8に記載の樹脂材の成形装置。
  10. 前記仕切り板が、前記第1の型又は前記第2の型と一体化されていることを特徴とする請求項8に記載の樹脂材の成形装置。
  11. 第1の樹脂材と第2の樹脂材とを密着した成形品であって、少なくとも、前記第1の樹脂材に面する前記第2の樹脂材、及び前記第2の樹脂材に面する前記第1の樹脂材に非配向層が形成されていることを特徴とする成形品。
  12. 第1の樹脂材と第2の樹脂材とを密着した成形品であって、成形品内部において、配向層に挟まれた非配向層を3層形成していることを特徴とする成形品。
  13. 前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材とは同じ材料であることを特徴とする請求項11又は12に記載の成形品。
  14. 前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材とは異なる材料であることを特徴とする請求項11又は12に記載の成形品。
  15. 前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材は、PC、ABS、変性PPE、PBT、PCABS、PCPBT、HIPS、ポリアミド、POM、PP、PMMA、COP、COCの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の成形品。
  16. 前記第1の樹脂材と前記第2の樹脂材には、グラスファイバー、グラスビーズ、カーボンファイバーの少なくとも1種が混入されていることを特徴とする請求項11〜15のいずれかに記載の成形品。
  17. フィルム状であることを特徴とする請求項11〜16のいずれかに記載の成形品。
  18. 筒状であることを特徴とする請求項11〜16のいずれかに記載の成形品。
  19. 光学素子であることを特徴とする請求項11〜16のいずれかに記載の成形品。

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