JP2006247769A - 脚式ロボットとその動作制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 踏切って、宙に浮き、着地する動作を実現する脚式ロボットにおいて、宙に浮いている間の実際の運動状態が、目標とする運動状態から大きく外れる場合であっても、着地後の動作を安定して実現することが可能な技術を提供する。
【解決手段】 関節角を変えることによって、踏切り、宙に浮き、着地する動作を実現する脚式ロボットであって、踏切り時の重心速度を検出する手段と、検出された踏切り時の重心速度に基づいて、踏切りから着地までの重心軌道を生成する手段と、生成された踏切りから着地までの重心軌道に基づいて、着地後の重心軌道を生成する手段と、生成された着地後の重心軌道に基づいて、着地までの脚リンクの足先の軌道を生成する手段と、生成された重心軌道と脚リンクの足先の軌道に基づいて、関節角の目標値の経時的データを生成する手段と、生成された関節角の目標値の経時的データに基づいて、関節を回転する手段とを備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、脚式ロボットとその動作を制御する方法に関する。
少なくとも1つの脚リンクを備え、移動しようとする方向へ脚リンクを振り出し、振り出して接地した脚リンクを支持脚とする動作を繰り返して移動するロボットが開発されている。
上記のような脚式ロボットは、ZMP(Zero Moment Point)を利用して制御することによって、安定した歩行を実現できることが知られている。ZMPは、ロボットに作用する外力(慣性力を含む)によるモーメントの総和が0となる床上の点を意味する。
1つの脚リンクのみが接地している状態でも、ZMPが支持脚の足平内に存在していれば、ロボットは倒れることがない。例えば2つの脚リンクを備えるロボットの場合、一方の脚リンクを支持脚とし、他方の脚リンクを遊脚として前方に振り出することによって移動する。この片足接地状態の間、ZMPが支持脚の足平内に存在していれば、ロボットは倒れることがない。遊脚としていた脚リンクが接地し、2つの脚リンクが接地している間に、ZMPがそれまで支持脚であった脚リンクの足平内から新たに接地した脚リンクの足平内へ移行すれば、ロボットは倒れることがなく、それまで支持脚であった脚リンクを前方に振り出すことが可能となる。それまで支持脚であった脚リンクを前方に振り出す時に、ZMPが新たな支持脚の足平内に存在していれば、ロボットは倒れることがない。
上記の動作を繰り返すことによって、ロボットは倒れることなく歩行を継続することができる。
ヒトが行う動作には、歩行のほかにも様々な態様が存在する。走ったり、跳躍したり、けんけんでバランスをとったりすることが可能なロボットが待望されている。
上記したような動作は、いずれも空中相(ロボットが空中に浮いている相)を備えている。空中相ではロボットに重力のみが作用しており、ZMPを定義することができない。空中相の前後に亘ってロボットを安定させる技術が必要とされている。
脚式ロボットに、空中相を含む動作を実現させるための技術が開発されている。例えば特許文献1に、空中相の前後の接地相(ロボットが床に接地している相)において、ZMP方程式(ロボットの姿勢とその時間的変化からZMPを算出する方程式)で算出されるZMPが目標ZMPに一致する重心軌道を算出する技術が開示されている。この技術では、脚リンクの足先の位置・姿勢の軌道を設定し、ロボットの動作を複数の動作区間に分割し、分割された動作区間のそれぞれについて重心軌道を計算する。分割された動作区間のうちで、いずれか1つの脚リンクが接地して支持脚としている相(接地相)においては、(1)ZMP軌道は加速度を有さない、(2)重心高さは一定である、(3)外モーメントは一定である、という仮定に基づいて導出される重心軌道の解析解を予め用意しておき、その解析解の係数を実時間で付与することによって重心軌道を計算する。重心軌道が計算されると、その重心軌道を実現する関節角目標値が計算され、計算された関節角目標値に基づいて関節を駆動し、脚式ロボットは動作を実現する。
また実際のロボットの運動状態をフィードバックするために、特許文献1に記載の技術では、制御サイクル毎にロボットの実際の運動状態を検出し、ロボットの実際の重心の位置・速度と目標とする重心の位置・速度の偏差を算出し、実際の重心の位置・速度に適合するようにその後の重心軌道を更新する。
なお本明細書で「軌道」とは、位置の経時的な変化を記述するデータのことを言う。
特許文献2にも、ZMP方程式で算出されるZMPが目標ZMPに一致する重心軌道を算出する技術が開示されている。この技術でも、脚リンクの足先の位置・姿勢の軌道を設定し、ロボットの動作を複数の動作区間に分割し、分割された動作区間のそれぞれについて重心軌道を計算する。重心軌道の計算において、接地相については、(1)ZMP軌道は加速度を有さない、(2)重心高さは一定である、(3)外モーメントは一定である、という仮定に基づいて導出される重心軌道の解析解を予め用意しておき、その解析解のパラメータを実時間で与える。また無接地状態と接地状態の境界近傍では、上記した解析解を修正し、重心軌道の連続性を確保する。
特開2004−142095号公報 特開2004−167676号公報
特許文献1および2に記載の技術によれば、空中相を含む動作を実現するロボットにおいて、ロボットの実際の運動状態をフィードバックしてロボットのその後の動作を再計画することによって、安定した動作を実現することができる。
しかしながら、上記した技術は更なる改善の余地を残している。
特許文献1および2に記載の技術では、実際の運動状態に基づいて更新されるのは重心軌道のみであり、脚リンクの足先の位置・姿勢の軌道は更新されない。足先の位置および姿勢の軌道は、実際のロボットの運動状態に関わらず、歩幅・歩行周期・旋回角などの歩容パラメータと、環境形状に基づいて設定されている。このような動作制御は、実際のロボットの運動状態が目標とする運動状態からわずかに外れている場合であっても、ロボットに所望の歩幅・歩行周期・旋回角を実現させることができるという点で有効である。
しかしながら、実際のロボットの運動状態が、目標とする運動状態から大きく外れた場合には、上記した技術ではロボットの動作を安定させることができない。上記した技術では、例えばロボットに予期せぬ外力が作用して、実際の重心軌道が目標とする重心軌道から大きく外れた場合であっても、目標とする足先の位置・姿勢の軌道については変更されない。従ってロボットは無理な体勢であっても目標とする足先の位置・姿勢を実現しようとするため、その後の動作が不安定なものとなりがちである。
上記のような状況は、ロボットが接地相から踏切って跳躍し、宙に浮いた後、着地して再び接地相へ移行する場合に特に顕著に見られる。宙に浮いた状態では、どれだけロボットの関節角を駆動したとしても、ロボットの重心の軌道は変更することができない。実際の軌道が目標とする軌道とずれている場合であっても、着地するまでの間は重心軌道を変更することができない。しかしながら、ロボットが足先を着地させる位置は予め決定されており、実際の重心軌道を反映して変更されることはない。その結果、ロボットは着地後のZMPを目標とする足先位置に維持しようとして無理な姿勢を取り、その後の挙動を不安定なものとしてしまうか、着地後のZMPを目標とする足先位置に維持することができずに、着地した直後に転倒してしまう。
宙に浮いた状態から着地するロボットにおいては、着地の直後における動作の安定性を確保することが極めて重要である。そのためには、宙に浮いた状態におけるロボットの実際の運動状態を計測し、計測された運動状態に基づいて、着地するまでのロボットの重心軌道と足先の位置・姿勢の軌道、および着地後のロボットの重心軌道と足先の位置・姿勢の軌道を更新することが可能な技術が待望されている。
本発明は上記課題を解決する。本発明は踏切って、宙に浮き、着地する動作を実現する脚式ロボットにおいて、宙に浮いている間の実際のロボットの運動状態が、目標とするロボットの運動状態から大きく外れる場合であっても、着地後の動作を安定させることが可能な技術を提供する。
本発明で具現化されるロボットは、関節角を変えることによって、踏切り、宙に浮き、着地する動作を実現する脚式ロボットである。そのロボットは、踏切り時の重心速度を検出する手段と、検出された踏切り時の重心速度に基づいて踏切りから着地までの重心軌道を生成する手段と、生成された踏切りから着地までの重心軌道に基づいて着地後の重心軌道を生成する手段と、生成された着地後の重心軌道に基づいて着地までの脚リンクの足先の軌道を生成する手段と、生成された着地までの重心軌道と脚リンクの足先の軌道に基づいて着地までの関節角の目標値の経時的データを生成する手段と、生成された着地後の重心軌道に基づいて着地後の関節角の目標値の経時的データを生成する手段と、生成された関節角の目標値の経時的データに基づいて関節を回転する手段とを備えている。
上記した脚式ロボットは、踏切った時点での重心速度を検出し、検出された重心速度に基づいて、踏切りから着地までの重心軌道を生成する。これによって、空中相におけるロボットの実際の動作が、目標としていた動作と大きく異なる場合であっても、実際の重心速度に適合した重心軌道を生成することができる。
そして、上記した脚式ロボットは、生成された踏切りから着地までの重心軌道に基づいて、着地後の重心軌道を生成する。計測された実際の重心速度に基づく重心軌道に基づいて、着地後の重心軌道を生成することから、着地衝撃を緩和するための重心の沈み込みを許容した安定な動作を実現することが可能となる。
そして、上記した脚式ロボットは、生成された着地後の重心軌道に基づいて、着地までの脚リンクの足先の軌道を生成する。これによって、空中相におけるロボットの実際の動作が目標としていた動作と大きく異なる場合であっても、実際の重心速度に適合した空中相における重心軌道と、その重心軌道に適合した着地後の重心軌道から、空中相における脚リンクの足先の軌道が生成される。脚リンクを着地する位置は、実際に計測された重心速度によるときの重心軌道に基づいて生成されるため、ロボットは無理な姿勢を取ることがなく、着地後も安定して動作を継続することができる。
上記した脚式ロボットは、上記のようにして生成された空中相での重心軌道と脚リンクの足先の軌道に基づいて、空中相での各関節の関節角目標値の経時的データを生成し、上記のようにして生成された着地後の重心軌道に基づいて、着地後の各関節の関節角目標値の経時的データを生成し、生成された関節角目標値の経時的データに基づいて、関節を回転する。着地後の接地相においては、脚リンクの足先は接地しており、床に対して移動しないため、脚リンクの足先の軌道の生成は必ずしも必要ではない。
上記した脚式ロボットは、踏切り時に検出される重心速度に基づいて、踏切りから着地までの重心軌道と、着地後の重心軌道を更新し、更新された重心軌道に合わせて着地までの脚リンクの足先の軌道を更新することができる。これによって、空中相での実際の重心軌道が目標とする重心軌道から大きく外れた場合であっても、実際の重心軌道に合わせて脚リンクが着地する位置が更新され、着地後の動作を安定して実現することができる。
上記した脚式ロボットにおいて、前記着地後の重心軌道を生成する手段は、踏切りから着地までの重心の鉛直方向軌道に基づいて、着地後の重心の鉛直方向軌道を生成する手段と、生成された着地後の重心の鉛直方向軌道と、ZMP方程式を離散化した3項方程式と、着地後の目標とする相対ZMPと、着地の時点と着地後の所定の時点における重心の水平方向速度とに基づいて、着地後の重心の水平方向軌道を計算する手段とを備えることが好ましい。
上記の脚式ロボットは、着地後の重心の鉛直方向軌道を生成する手段を備えており、着地後に沈み込む動作を実現する鉛直方向の動きを規定することができる。本発明の脚式ロボットでは、その鉛直方向軌道を加味してZMPが目標ZMPに一致する水平方向軌道を計算する。鉛直方向軌道が規定され、水平方向軌道を仮定すれば、ロボットの姿勢の経時的変化が規定され、慣性力を計算することができ、ZMPを計算することができる。この関係を活用すると、数学的には、上記関係から計算されるZMPが目標ZMPに一致する水平方向軌道を計算することが可能となる。鉛直方向軌道と水平方向軌道からZMPを計算するには、鉛直方向の加速度と速度と、水平方向の加速度と速度が必要とされる。鉛直方向軌道と水平方向軌道を単位時間間隔で離散化すると、速度は単位時間の開始時と終了時の2つの位置座標から計算できる。加速度は連続する2個の単位時間の開始時と中間時と終了時の3つの位置座標から計算できる。例えば単位時間Δtで離散化した時刻をt1、t2、t3・・・とする。時刻t3における速度は、時刻t2と時刻t3における2つの位置座標から計算できる。時刻t3における加速度は、時刻t1と時刻t2と時刻t3における3つの位置座標から計算できる。もっとも、上記は一例であり、時刻t2における速度を、時刻t2と時刻t3における2つの位置座標から計算してもよいし、時刻t2における加速度を、時刻t1と時刻t2と時刻t3における3つの位置座標から計算してもよい。重要なことは、3つの位置座標からZMPを計算できることである。先の例で言えば、時刻t3におけるZMPは、時刻t1と時刻t2と時刻t3における3つの位置座標から計算できる。あるいは、基準の取り方によっては、時刻t2におけるZMPを時刻t1と時刻t2と時刻t3における3つの位置座標から計算することもできるし、時刻t1におけるZMPを時刻t1と時刻t2と時刻t3における3つの位置座標から計算することもできる。重要なことは、3つの時刻における位置座標からZMPを計算することができるということである。
本明細書では、単位時間で離散化した3つの時刻の位置座標からZMPを計算する式を「ZMP方程式を離散化した3項方程式」という。この3項方程式を利用すると、目標ZMPと一致するZMPを実現する水平方向軌道を計算することが可能となる。単位時間で離散化した時刻毎の重心の水平位置を計算することが可能となる。
本発明のロボットは、鉛直方向軌道を加味して水平方向軌道を計算する手段を備えており、着地後に沈み込む動作を実現する鉛直方向の動きを規定すれば、その上下動を前提とした重心軌道を計算する。着地後に沈み込む動作を実現する際に、ZMPが目標ZMPからずれてロボットが転倒することを防止することができる。
目標ZMPと一致するZMPを実現する水平方向軌道を計算するためには境界条件を必要とする。本発明では、着地後の接地相の開始時(着地の時点)と完了時(着地後の所定の時点)における重心の水平方向速度を境界条件とする。この境界条件を満たす水平方向軌道が計算され、着地の前後において重心速度が連続する水平方向軌道を計算することができる。
着地後の所定の時点は、着地した脚リンクが着地から継続して支持脚として接地している間であれば、どのような時点であってもよい。例えば、着地後に沈み込む動作を実現する場合、着地後の所定の時点としては沈み込み動作の完了の時点とすることができる。着地後に沈み込む動作を実現する際に、ZMPが目標ZMPからずれてロボットが転倒することを防止することができる。
上記した脚式ロボットによれば、着地衝撃を緩和するために着地後に実施する沈み込む動作を実現する鉛直方向の動きを規定することができる。
上記したように、「ZMP方程式を離散化した3項方程式」を利用すると、目標ZMPと一致するZMPを実現する水平方向軌道を計算することが可能となる。この場合、着地後の重心の鉛直方向軌道から計算される係数を持つ3重対角行列と、着地後の重心の水平方向軌道の列と、着地後の目標とする相対ZMPと着地の時点と着地後の所定の時点の動作完了時における重心の水平方向速度から計算される距離の列との間に成立する連立方程式を解いて、着地後の重心の水平方向軌道を計算する手段をさらに備えることが好ましい。
3重対角行列を用いて表現される連立方程式に対しては、少ない計算負荷で高速に求解する技術が従来から開発されている。従って、脚式ロボットの重心の水平方向軌道を計算するために、3重対角行列を用いて表現される連立方程式を生成し、その連立方程式を解いて重心の水平方向軌道を計算するようにすると、少ない計算負荷で高速に水平方向軌道を計算することができる。
本発明は脚式ロボットの動作制御方法としても具現化される。
本発明の方法は、関節角を変えることによって、踏切り、宙に浮き、着地する動作を実現する脚式ロボットの動作を制御する方法である。その方法は、踏切り時の重心速度を検出する工程と、検出された踏切り時の重心速度に基づいて踏切りから着地までの重心軌道を生成する工程と、生成された踏切りから着地までの重心軌道に基づいて着地後の重心軌道を生成する工程と、生成された着地後の重心軌道に基づいて着地までの脚リンクの足先の軌道を生成する工程と、生成された着地までの重心軌道と脚リンクの足先の軌道に基づいて着地までの関節角の目標値の経時的データを生成する工程と、生成された着地後の重心軌道に基づいて着地後の関節角の目標値の経時的データを生成する工程と、生成された関節角の目標値の経時的データに基づいて関節を回転する工程とを備えている。
本発明の技術を用いることによって、踏切って、宙に浮き、着地する動作を実現する脚式ロボットにおいて、宙に浮いている間の実際のロボットの運動状態が目標とするロボットの運動状態から大きく外れる場合であっても、着地後の動作を安定して実現することができる。
以下、以下に説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1)関節角を変えることによって、踏切り、宙に浮き、着地する動作を実現する脚式ロボットであって、
踏切り時の重心速度と重心まわりの角運動量を検出する手段と、
検出された踏切り時の重心速度に基づいて、踏切りから着地までの重心軌道を生成する手段と、
生成された踏切りから着地までの重心軌道に基づいて、着地後の重心軌道を生成する手段と、
生成された着地後の重心軌道に基づいて、着地までの脚リンクの足先の軌道を生成する手段と、
生成された着地までの重心軌道と脚リンクの足先の軌道と検出された重心まわりの角運動量に基づいて、着地までの関節角の目標値の経時的データを生成する手段と、
生成された着地後の重心軌道に基づいて、着地後の関節角の目標値の経時的データを生成する手段と、
生成された関節角の目標値の経時的データに基づいて、関節を回転する手段と、
を備えることを特徴とする脚式ロボット。
図面を参照しながら、本発明の一実施例に係るロボット2の動作制御技術について説明する。
図1は本実施例のロボット2の概要を示している。ロボット2は体幹4と左脚リンク6と右脚リンク8と制御部10とコントローラ12とセンサ14を備えている。
左脚リンク6は一方の端部を股関節を介して体幹4に揺動可能に接続されている。左脚リンク6はさらに膝関節と足首関節を備え、先端には足平を備えている。
右脚リンク8は股関節を介して体幹4に揺動可能に接続されている。右脚リンク8はさらに膝関節と足首関節を備え、先端には足平を備えている。
ロボット2の各関節はアクチュエータ(図示されない)を備えており、それらのアクチュエータは制御部10からの指示によって回転駆動する。左脚リンク6と右脚リンク8の足平の中心には、それぞれ基準点L0、R0が設けられている。基準点L0、R0は、ロボット2の動作パターンを生成する際の基準となる点である。図中Gは、ロボット2の重心の位置を示す。
またロボット2の各関節はエンコーダ(図示されない)を備えており、それらのエンコーダは制御部10に関節角の経時的変化を出力する。
制御部10はCPU、ROM、RAM、ハードディスク等を有するコンピュータ装置である。制御部10はコントローラ12と通信可能であり、ユーザーが操作するコントローラ12から指令値を入力する。制御部10はユーザーから入力される指令値に基づいて、ロボット2の動作パターンを生成ないし計算する。制御部10は生成した動作パターンを記憶し、記憶された動作パターンを実現するように各関節を駆動する。制御部10の詳細については、後に詳述する。
センサ14は体幹4に位置と姿勢を固定された加速度センサ(図示されない)とジャイロセンサ(図示されない)を備えている。加速度センサは3軸の加速度を計測可能であり、ジャイロセンサは3軸まわりの角速度を計測可能である。加速度センサおよびジャイロセンサの計測点は、ロボット2が直立して静止した状態での重心の位置Gとほぼ一致するように、その位置を調整されている。センサ14は制御部10に接続されており、制御部10からの指示に応じて加速度と角速度をそれぞれ計測し、制御部10へ送信する。
図2は本実施例のロボット2が実現する動作の概要を例示している。本実施例のロボット2は、姿勢A1から左脚リンク6を支持脚とする接地相で動作し、右脚リンク8を前方へ振り出して姿勢A2へ移行する。ロボット2は姿勢A2で踏切り、空中相へ移行する。ロボット2は姿勢A3を経て、姿勢A4で右脚リンク8から着地する。ロボット2は姿勢A4から右脚リンク8を支持脚とする接地相で動作し、左脚リンク6を前方へ振り出して姿勢A5へ移行する。ロボット2は姿勢A5で踏切り、空中相へ移行する。ロボット2は姿勢A6を経て、姿勢A7で左脚リンク6から着地する。ロボット2は姿勢A7から左脚リンク6を支持脚とする接地相で動作し、右脚リンク8を前方へ振り出して姿勢A8へ移行する。姿勢A8で支持脚を左脚リンク6から右脚リンク8へ入れ替えて、姿勢A8から右脚リンク8を支持脚とする接地相で動作し、左脚リンク6を前方へ振り出して姿勢A9へ移行する。
図2の破線は、上記した動作態様におけるロボット2の重心の概略の軌道を示している。ロボット2が跳躍する直前の接地相(すなわち、姿勢A1から姿勢A2までの接地相と、姿勢A4から姿勢A5までの接地相)では、その後の跳躍に備えて重心を沈み込ませている。またロボット2が着地した直後の接地相(すなわち、姿勢A4から姿勢A5までの接地相と、姿勢A7から姿勢A8までの接地相)では、跳躍による着地衝撃を和らげるために重心を沈み込ませている。姿勢A4から姿勢A5までの接地相での動作は、着地衝撃を緩和するための重心の沈み込みと、跳躍の準備のための重心の沈み込みとを兼ねている。
上記した動作態様はあくまでも例示のために示したものであり、本実施例のロボット2は接地相と空中相を組み合わせた様々な動作を実現することができる。ロボット2が実現する動作態様は、ユーザーが任意に設定することが可能である。例えば一本足でけんけんをする動作などが含まれていてもよい。
本実施例のロボット2では、生成しようとする動作の態様を、幾つかの動作区間に分割して、予め各動作区間における動作パターンを生成し、記憶している。本実施例のロボット2では、生成する動作の態様において、支持脚となる脚リンクが接地してその足平内にZMPが位置する時点から、次に支持脚となる脚リンクが接地してその足平内にZMPが位置する時点までを、1つの動作区間とする。このような場合、1つの動作区間は、接地相とそれに続く空中相、又は接地相のみによって構成される。
図2に示す動作態様を扱う場合には、最初の接地相の開始時点(すなわち姿勢A1の時点であり、沈み込み動作の開始する時点)から、その接地相に続く空中相の完了時点(すなわち姿勢A4の時点)までを区間1とし、区間1に続く接地相の開始時点(すなわち姿勢A4の時点)から、その接地相に続く空中相の完了時点(すなわち姿勢A7の時点)までを区間2とし、区間2に続く接地相の開始時点(すなわち姿勢A7の時点)からその接地相の完了時点(すなわち姿勢A8の時点)までを区間3とし、区間3に続く接地相の開始時点(すなわち姿勢A8の時点)からその接地相の完了時点(すなわち姿勢A9の時点)までを区間4とする。
以下では、ロボット2の軌道を表現する座標系として、ロボット2の外部で床に固定された座標系(x, y, z)を用いる。またロボット2上の基準点に固定された座標系を(x'、y'、z')で表現する。本実施例のロボット2では、図2に示すように、支持脚の足平の中心を座標系(x'、y'、z')の基準点とする。空中相ではどの脚リンクも接地しておらず、ロボット2を支持する脚リンクは存在していないが、便宜上、着地したときに支持脚となる脚リンクを空中相における支持脚と呼ぶ。本実施例のロボット2では、空中相においても接地相と同じように支持脚の足平の中心の点を基準点とする。空中相ではロボット2の重心だけでなく上記の基準点も床に対して移動する。以下ではロボット2上の基準点に固定された座標系(x', y', z')で記述された位置、速度、加速度および軌道を、それぞれ相対位置、相対速度、相対加速度および相対軌道と表現する。また、座標系(x', y', z')で記述されたZMPを相対ZMPと表現する。
本実施例のロボット2は、各動作区間の動作パターンを生成して記憶しており、記憶された動作パターンを逐次読み出して動作を実現していく。
ロボット2の動作中にユーザーから指令値が入力されると、ロボット2はそれ以降の動作パターンを再度生成して、新たに入力された指令値に応じた動作パターンを記憶する。記憶された新たな動作パターンは、それ以降の動作に反映される。
上記のようにして、本発明のロボット2は、ユーザーからの指令値が入力される度に、動作パターンを更新しながら動作を継続する。
また本実施例のロボット2は、接地相から空中相へ切替わるときに、実際の重心速度と重心まわりの角運動量を検出して、それ以降の動作パターンを再度生成し、実際の重心速度と重心まわりの角運動量に応じた動作パターンを記憶する。記憶された動作パターンは、それ以降の動作に反映される。
以下では制御部10の動作の詳細について、図3のブロック図と、図4および図7のフローチャートを用いて説明する。
図3は制御部10の機能の構成を示すブロック図である。制御部10はユーザー指令値記憶部302と、空中相重心鉛直軌道生成部304と、接地相重心鉛直軌道生成部306と、接地相重心水平軌道計算部308と、空中相重心水平軌道計算部310と、重心相対軌道計算部314と、遊脚相対軌道計算部316と、関節角目標値演算部318と、関節駆動部320と、センサ制御部354と、目標角運動量更新部362を備えている。ここでは重心の軌道を計算して生成することから、計算、生成、演算の語を区別なく用いる。重心の鉛直軌道は、ユーザー指令値から直接的に計算されることから生成の語を用い、重心の水平軌道は後述のZMP方程式を満足するよう計算されることから計算の語を用いることがあるが、技術的には生成も計算も特に区別するものではない。
ユーザー指令値記憶部302は、ユーザーから入力されるユーザー指令値352を記憶する。ユーザー指令値記憶部302は、(1)動作の態様321、(2)空中相における跳躍高さ322、(3)動作の切替りにおける重心の高さ324、(4)接地相の継続時間326、(5)接地相における相対ZMP軌道328、(6)目標角運動量の経時的データ330、(7)動作の切替りにおける重心の水平方向速度332、(8)踏切り時の遊脚足先の位置および速度334、等のデータを記憶している。これらのデータの詳細については後述する。
ロボット2の動作中に新たなユーザー指令値352が入力されると、制御部10はユーザー指令値記憶部302に記憶されたユーザー指令値を、新たに入力されたユーザー指令値に置き換える。制御部10は新たにユーザー指令値が入力されると、それ以降の動作パターンを生成する処理を実施する。ユーザーから入力される新たな指令値は、それ以降のロボット2の動作の生成に反映される。ユーザーは、ロボット2の運動を視認しながら、例えばジョイスティック等のコントローラ12を用いてユーザー指令値を入力することで、ロボット2の動作をリアルタイムに制御することができる。
空中相重心鉛直軌道生成部304と、接地相重心鉛直軌道生成部306と、接地相重心水平軌道計算部308と、空中相重心水平軌道計算部310は、ユーザー指令値記憶部302に記憶されているユーザー指令値と、センサ制御部354によって計測される踏切り時の重心鉛直速度356、踏切り時の重心水平速度358に基づいて、各動作区間におけるロボット2の重心の軌道を生成する。ここで生成される重心の軌道は、各動作区間において、ロボット2の外部に固定された座標系(x, y, z)で記述されたものであるが、接地相においてはロボット2の基準点(支持脚の足平に位置する)が床に対して移動しないため、ロボット2の基準点に固定された座標系(x’, y’, z’)で記述されたデータとして扱うことができる。各軌道生成部および計算部で行われる処理の詳細については、後に詳述する。
空中相重心鉛直軌道336は、各動作区間におけるロボット2の空中相での重心の鉛直方向軌道を記述するデータであり、動作区間の順序を示す符号と、その動作区間における空中相での重心の鉛直方向軌道が、関連付けられている。空中相重心鉛直軌道生成部304で、ある動作区間における重心の鉛直方向軌道が生成されるたびに、空中相重心鉛直軌道336は更新されていく。
空中相重心水平軌道342も、空中相重心鉛直軌道336と同様に、各動作区間におけるロボット2の空中相での重心の水平方向軌道を記述するデータであり、動作区間の順序を示す符号と、その動作区間における空中相での重心の水平方向軌道が、関連付けられている。空中相重心水平軌道計算部310で、ある動作区間における重心の水平方向軌道が計算されるたびに、空中相重心水平軌道342は更新されていく。
接地相重心鉛直軌道338、接地相重心水平軌道340も、上記した空中相重心鉛直軌道336、空中相重心水平軌道342と同様に、各動作区間におけるロボット2の接地相での重心の軌道を記述するデータである。これらのデータは、動作区間の順序を示す符号と、その動作区間における接地相での重心の軌道が、関連付けられている。これらのデータは、対応する軌道生成部ないし計算部で、ある動作区間における重心の軌道が生成されるたびに、更新されていく。
重心相対軌道計算部314は、空中相重心鉛直軌道生成部304と、接地相重心鉛直軌道生成部306と、接地相重心水平軌道計算部308と、空中相重心水平軌道計算部310で生成されるロボット2の重心の軌道と、遊脚相対軌道計算部316で計算される遊脚相対軌道348に基づいて、ロボット2の重心相対軌道346を計算する。
重心相対軌道346は、ロボット2の支持脚の足先に設けられた基準点を原点とする座標系(x', y', z')で重心の軌道を記述したものである。重心相対軌道346は、動作区間の順序を示す符号と、その動作区間における重心の相対軌道が、関連付けられている。重心相対軌道計算部314で、ある動作区間における重心の相対軌道が計算されるたびに、重心相対軌道346は更新されていく。
遊脚相対軌道計算部316は、重心相対軌道計算部314で計算されるロボット2の重心相対軌道346と、ユーザー指令値記憶部302に記憶されているユーザー指令値に基づいて、ロボット2の遊脚の足先の相対軌道348を計算する。ここで計算される遊脚の足先の相対軌道348は、ロボット2の支持脚の足先に設けられた基準点を原点とする座標系(x', y', z')で記述されたものである。
遊脚相対軌道348は、各動作区間におけるロボット2の遊脚の足先の基準点の相対軌道を記述するデータであって、動作区間の順序を示す符号と、その動作区間における遊脚の足先の基準点の相対軌道が、関連付けられている。遊脚相対軌道計算部316で、ある動作区間における遊脚の相対軌道が計算されるたびに、遊脚相対軌道348は更新されていく。
関節角目標値演算部318は、重心相対軌道計算部314で計算されるロボット2の重心相対軌道346と、遊脚相対軌道計算部316で計算されるロボット2の遊脚の足先の基準点の相対軌道348に基づいて、ロボット2の各関節の関節角目標値の経時的データ350を演算する。
関節角目標値経時的データ350は、ロボット2の各関節の目標関節角の経時的データであって、対応する動作区間の順序を示す符号が関連付けられている。関節角目標値演算部318で演算が実施されるたびに、関節角目標値経時的データ350は更新されていく。
関節駆動部320は、関節角目標値の経時的データ350に基づいて、ロボット2の各関節を駆動する。
センサ制御部354は、ロボット2が接地相から踏切って空中相へ移行するときに、センサ14に指示を送信して、踏切りの時点における加速度と角速度の計測を実施させる。センサ14から加速度および角速度の計測値が入力されると、センサ制御部354は踏切り時のロボット2の重心鉛直速度356、重心水平速度358および重心まわりの角運動量360を算出する。
目標角運動量更新部362は、センサ制御部354から出力される踏切り時の角運動量360に基づいて、ユーザー指令値記憶部302に記憶された目標角運動量経時的データ330を更新する。
図4を参照しながら、本発明のロボット2の制御部10が行う、動作の生成の処理を説明する。図4の処理は、任意の態様の動作を扱うことができるが、以下では例として図2に示す動作の態様を扱う場合について説明する。
まずステップS402では、動作を生成する動作区間の番号を示す変数kを1に設定する。
次にステップS404では、最初の動作区間である区間1の重心の軌道を生成する。
ステップS404で実施する区間1の重心の軌道の生成は、ステップS408からステップS420で後述する一般的な区間kにおける重心の軌道の生成と同様であり、ステップS404はステップS408からステップS420の処理をまとめて表現したものである。重心軌道の生成処理の詳細については後述する。
ステップS404の処理を実行することによって、区間1における重心の鉛直方向軌道および水平方向軌道が生成される。図2に示すように、区間1は接地相と空中相を備えている。生成された区間1の重心の軌道は、空中相重心鉛直軌道336、接地相重心鉛直軌道338、接地相重心水平軌道340、空中相重心水平軌道342に反映される。
ステップS406では、動作を生成する区間を示す番号kに1を加える。
ステップS408では、制御部10はこれから動作を生成する区間kの動作に関するユーザー指令値をユーザー指令値記憶部302から読み出す。ユーザー指令値としては、以下のパラメータを与えることができる。
(1)ロボット2の動作の態様321
(2)空中相における重心の跳躍高さ322
(3)動作の切替りにおける重心の高さ(鉛直方向位置)324
(4)接地相の継続時間326
(5)接地相における相対ZMP軌道328
(6)接地相および空中相における目標角運動量経時的データ330
(7)動作の切替りにおける重心の水平方向速度332
(8)踏切りの時点における遊脚足先の位置および速度334
上記(1)のロボット2の動作の態様321は、各動作区間におけるロボット2の動作の特徴を示している。上記のロボット2の動作の態様321は、動作区間の順序を示す符号と、各動作区間における空中相の有無を示す符号と、各動作区間の接地相で支持脚となる脚リンクを識別する符号とを備えており、ユーザーが任意に与えることができる。
上記(2)の空中相における重心の跳躍高さは、ロボット2の動作が空中相を備える場合に、ロボット2の重心が到達する最大の高さであって、ロボット2のアクチュエータの性能が許す範囲内で、ユーザーが任意に与えることができる。
上記(3)の動作の切替りにおける重心の高さ(鉛直方向位置)324は、ロボット2の動作が接地相と空中相の間で、あるいは接地相と接地相の間で切り替わるときに、ロボット2の重心が実現する高さであって、ロボット2の機構が幾何学的に許す範囲内で、ユーザーが任意に与えることができる。
上記(4)の接地相の継続時間326は、各動作区間において接地相が継続する時間であって、ユーザーが任意に与えることができる。
上記(5)の接地相における相対ZMP軌道は、接地相における目標ZMPの支持脚の足平の基準点に対する位置の経時的データであって、支持脚となる脚リンクの足平内に存在するという制約のもとで、ユーザーが任意に与えることができる。接地相においては、支持脚となる脚リンクの足平内にZMPが存在していれば、ロボット2は転倒することなく動作を継続することができる。
本実施例のロボット2では、接地相における相対ZMP軌道を、支持脚の足平の中心に固定するように設定する。このような相対ZMP軌道が実現される場合、ロボット2は転倒することなく、安定して動作を実現することができる。なお接地相における相対ZMP軌道は、その接地相の間で足平の内部に維持されていれば、どのような軌道を与えてもよい。例えば接地相の間に支持脚の足平の内部の後方から前方へ移動するような軌道を用いてもよい。このような相対ZMP軌道が実現される場合も、ロボット2は転倒することなく、安定して動作を実現することができる。
上記(6)の接地相および空中相における目標角運動量経時的データ330は、ロボット2が実現する重心まわりの回転運動の角運動量の経時的データであって、アクチュエータの性能が許す範囲内で、ユーザーが任意に与えることができる。ロボット2のロール軸(x'軸)およびピッチ軸(y'軸)まわりの角運動量は、ロボット2が所望の姿勢を実現するように設定することが可能である。ヨー軸(z'軸)まわりの角運動量は、ロボット2が所望の旋回動作を実現するように設定することが可能である。
本実施例のロボット2では、すべての動作区間において、ロール軸、ピッチ軸およびヨー軸まわりの角運動量は0となるように設定する。
上記(7)の動作の切替りにおける重心の水平方向速度332は、ロボット2の動作が接地相と空中相の間で切り替わるとき、あるいは接地相と接地相の間で切り替わるときに、ロボット2の重心が実現する水平方向速度であって、ロボット2のアクチュエータの性能が許す範囲内で、ユーザーが任意に与えることができる。
上記(8)の踏切りの時点における遊脚足先の位置および速度334は、ロボット2が接地相から空中相に移行する時点における遊脚足先の支持脚足先から見た位置と速度であって、ロボット2の機構が幾何学的に許す範囲で、ユーザーが任意に与えることができる。
図4のステップS410では、区間kの動作が空中相を備えるか否かを判断する。区間kが空中相を備える場合(ステップS410でYESの場合)、区間kの空中相の動作を生成するために、処理はステップS412へ進む。区間kが空中相を備えない場合(ステップS410でNOの場合)、区間kの接地相の動作を生成するために、処理はステップS414へ進む。
例えばkが2の場合、区間2の動作は空中相を備えているため、処理はステップS412へ進む。
ステップS412では、区間kの空中相における重心の鉛直方向軌道を生成する。
空中相ではロボット2が空中に浮いており、重力のみが外力としてロボット2に作用する。従って、空中相ではロボット2の関節をどのように駆動したとしても、その重心の軌道は以下に示す軌道となる。
Figure 2006247769
上式のgは重力加速度であり、上式のvz0は区間kで踏切りの時点での重心の鉛直方向の速度であり、z0は踏切りの時点における重心の鉛直方向の位置である。上記のvz0,z0を与えることによって、空中相における重心の鉛直方向軌道を生成することができる。
上記のz0は、踏切りの時点における重心の高さであり、ステップS408においてユーザー指令値として与えられている。
また上記のvz0は、踏切りの時点における重心の鉛直方向速度である。このvz0は、ステップS408で与えられるユーザー指令値の跳躍高さから算出することができる。踏切りの時点における重心の鉛直方向の速度vz0は、跳躍高さhと重力加速度gを用いて以下によって算出される。
Figure 2006247769
なお、跳躍高さhをユーザー指令値として入力する代わりに、vz0を直接ユーザー指令値として与えてもよい。
ステップS412を実施することによって、区間kの空中相におけるロボット2の重心の鉛直方向の軌道を生成することができる。
図5の(a)はロボット2の重心の鉛直方向軌道を模式的に示している。例えばkが2である場合、ステップS412では区間2の空中相の鉛直方向軌道102が生成される。
またステップS412で生成された空中相におけるロボット2の重心の鉛直方向軌道102から、空中相が継続する時間を算出することができる。算出される空中相の継続時間は、後のステップS420からステップS422での処理に用いられる。
ステップS414では、区間kの接地相における重心の鉛直方向軌道を生成する。区間kの接地相における重心の鉛直方向軌道は、その接地相の前後の動作における重心の鉛直方向軌道と滑らかに接続するように生成する。
区間kの接地相の開始時における重心の鉛直方向位置と速度は、すでに生成されている区間k-1の重心の鉛直方向軌道に基づいて、区間k-1の完了時における重心の鉛直方向位置と位置と速度に一致させる。例えばkが2である場合、すでに生成されている区間1の空中相での重心の鉛直方向軌道112に基づいて、区間1の完了時108での重心の鉛直方向位置と速度を特定し、特定された位置と速度を区間kの接地相の開始時の条件とする。
また、ステップS404における区間1の重心の鉛直方向軌道の生成の場合、区間kの接地相の開始時の条件は任意に与えることができる。本実施例のロボット2では、区間1の接地相の開始時の条件として、重心の鉛直方向位置をユーザー指令値である重心高さ324として、重心の鉛直方向速度を0とする。
区間kの接地相の完了時における重心の鉛直方向位置と速度は、その後の空中相または接地相の開始時における重心の鉛直方向位置と速度に一致させる。
区間kが空中相を備える場合には、接地相の完了時における重心の鉛直方向の位置と速度は、ステップS412ですでに生成されている空中相での重心の鉛直方向軌道から設定することができる。例えばkが2である場合、接地相の完了時110における重心の鉛直方向位置と速度は、ステップS412ですでに生成されている空中相での重心の鉛直方向軌道102から、空中相の開始時110での重心の鉛直方向位置と速度を特定し、特定された位置と速度を接地相の完了時の条件とする。
また区間kが空中相を備えておらず、接地相の完了時が区間k+1の接地相の開始時と接続する場合には、区間kの完了時における重心の鉛直方向位置は、ステップS408で与えられるユーザー指令値から設定することができる。この場合、重心の鉛直方向速度は任意に与えることができる。例えばkが3である場合、区間3は空中相を備えておらず、接地相の重心の鉛直方向軌道114の完了時116は次の動作区間である区間4の接地相の重心の鉛直方向軌道115(この時点ではまだ生成されていない)と接続する。このような場合、重心の鉛直方向位置は、ユーザー指令値として与えられる重心の高さ324をそのまま用いる。重心の鉛直方向速度は、任意に与えることができる。
上記のようにして設定された開始時と完了時の条件をもとに、多項式補間を用いて接地相における重心の鉛直方向軌道を生成する。例えば開始時と完了時の位置と速度を拘束条件として、2次または3次の多項式を用いた補間によって、区間kの接地相における重心の鉛直方向軌道を生成する。この結果、例えば接地相の開始時の鉛直方向速度が0であり、接地相の終了時での鉛直方向速度がvz0である場合、接地相の間に沈み込んでから上昇し、終了時に鉛直方向速度がvz0となる鉛直方向速度を生成することができる。
ステップS414の処理を実施することによって、区間kの接地相における重心の鉛直方向軌道を生成することができる。上記の処理によって生成される重心の鉛直方向軌道は、ロボット2の外部に固定された座標系(x, y, z)で記述されたものである。しかしながら、接地相においてはロボット2上の基準点が存在する支持脚の足平は床に対して移動しないため、上記の軌道はそのまま座標系(x', y', z')で記述されたものに容易に置き換えることができる。図5の(a)では、座標系(x, y, z)で記述された軌道を破線で示し、座標系(x', y', z')で記述された軌道を実線で示している。
ステップS416では、区間kの接地相における重心の水平方向軌道を計算する。重心の水平方向軌道は、その接地相での重心の鉛直方向軌道と、目標とする相対ZMP軌道と、目標とする角運動量の経時的データと、その接地相の開始時と完了時における重心の水平方向速度の条件に基づいて決定される。ステップS416では、重心の鉛直方向軌道と水平方向軌道を実現したときの実際の相対ZMP軌道が、目標とする相対ZMP軌道に一致するように、重心の水平方向軌道を計算する。
区間kの接地相での重心の鉛直方向軌道は、ステップS414ですでに生成されている。目標とする相対ZMP軌道と角運動量の経時的データは、ステップS408でユーザー指令値として与えられている。接地相の開始時における重心の水平方向速度は、すでに生成されている区間k-1の重心軌道から、区間k-1の完了時における重心の水平方向速度を特定することで与えられる。接地相の完了時における重心の水平方向速度は、ステップS408でユーザー指令値として与えられている。ステップS420では、これらの条件を満足するように、接地相での重心の水平方向軌道を計算する。
以下では接地相における重心の水平方向軌道の計算について説明する。
ロボット2が実現する相対ZMP位置(px',py')は、ロボット2の相対重心位置(x',y',z')と支持脚の足先を原点とする座標系から見たロボット2の重心まわりの角速度(ωx',ωy')から計算することができる。ロボット2の相対重心位置とロボット2の重心まわりの角速度から、実際のZMPを計算する下記の式をZMP方程式と呼ぶ。
Figure 2006247769
ここで、(1)は時間tに関する1階微分を示し、(2)は時間tに関する2階微分を示している。また、mはロボット2の質量である。
上式のz'およびz'(2)は、ロボット2の支持脚の足先を原点とする重心の鉛直方向位置と鉛直方向加速度である。接地相ではロボット2の支持脚の足先は床に対して移動しないため、z'およびz'(2)はステップS414で生成された重心の鉛直方向軌道から特定することができる。
上式のIx'ωx' (1)とIy'ωy' (1)は、ロボット2の回転慣性の影響を示す。本実施例では、すべての動作区間においてロール軸(x'軸)およびピッチ軸(y'軸)まわりの角運動量を0としており、Ix'ωx' (1)とIy'ωy' (1)は0である。
上記のZMP方程式を離散化することによって、重心の水平方向位置(x'、y')の経時的データを算出する式を導出することができる。ここで言う離散化は、前述のように、時間tに関して単位時間Δtを用いて行う。例えば重心のx'方向の軌道に関しては、下記の関係式を得る。
Figure 2006247769
ここでx'iとpx'iは、それぞれ重心のx'方向軌道x'(t)と、x'方向の相対ZMP軌道px'(t)を離散化した変数である。iは単位時間で区分した時刻の順序を示す。数式4は、時刻iにおけるZMPのx'方向座標px'iが、直前のx'方向座標x'i-1と、そのときのx'方向座標x'iと、直後のx'方向座標x'i+1から計算できることを示している。係数ai,bi,ciは、下記によって算出される係数である。
Figure 2006247769
上記のΔtはZMP方程式の離散化に用いる時間幅であり、z'iとz'(2) iはそれぞれ重心の鉛直方向の位置と加速度を離散化した変数である。本実施例では、Δtは接地相の継続時間をn等分する時間幅である。
また係数diは、下記によって算出される係数である。
Figure 2006247769
ここでIy'ωy' (1) iは、目標とするピッチ軸(y'軸)まわりの角運動量を離散化した変数である。なお本実施例のロボット2では、目標とする角運動量は0としているから、図4に示す処理においてdiは全て0である。
本実施例のロボット2では、接地相の開始時と完了時において、重心の軌道が滑らかに変化するように、ロボット2の動作を計算する。このように動作を計算することで、例えばロボット2が踏切りや着地を行う場合や、支持脚を入れ替える場合であっても、ロボット2の重心位置は滑らかに推移し、ロボット2は安定した動作を実現する。
区間kの開始時の重心のx'方向速度vx'0は、分割時間幅Δtと、重心の位置x'0、x'1とを用いて、以下によって表現される。
Figure 2006247769
上記した区間kの開始時における重心のx'方向速度vx'0は、すでに計算されている区間k-1の重心の軌道から設定される。例えばkが2である場合、区間2の開始時108での重心の水平方向速度vx'0は、区間1の水平方向軌道120から、区間1の完了時108での重心の水平方向速度として特定する。
同じように、区間kの接地相の完了時における重心のx'方向速度vx'n-1は、分割時間幅Δtと、重心の位置x'n-2、x'n-1と、以下の関係がある。
Figure 2006247769
上記した区間kの完了時における重心のx'方向速度vx'n-1は、ステップS408でユーザー指令値として設定されている。
上記した関係を整理すると、結局のところ、実現される相対ZMP軌道が目標とする相対ZMP軌道と等しくなる、区間kの接地相における重心のx'方向軌道(x'0,x'1,・・・,x'n-1)は、以下の三重対角行列で示される方程式(3項方程式)を解くことによって算出することができる。
Figure 2006247769
上式において、左辺は行列と列ベクトルの積で表現されており、その行列は鉛直方向軌道から計算される係数を持つ3重対角行列である。3重対角行列とは、対角成分とそれに隣接する副対角成分のみが有意な値を備え、それ以外の成分が0である行列のことを言う。左辺の列ベクトルは、重心のx'方向軌道(x'0,x'1,・・・,x'n-1)を示す列ベクトルである。右辺の列ベクトルは、目標とする相対ZMP軌道に目標とする角運動量に基づく補正を加えたものと、接地相の開始時における重心のx'方向速度vx'0に単位時間Δtを乗じて距離に変換した値vx'0Δtと、接地相の終了時における重心のx'方向速度vx'n-1に単位時間Δtを乗じて距離に変換した値vx'n-1Δtとを備える列ベクトルである。
数式8において、左辺の3重対角行列の逆行列を算出し、その逆行列と右辺との積を計算することによって、未知数(x'0,x'1,・・・,x'n-1)を計算することができる。従って、重心のx'方向軌道を計算することができる。
上記した計算では、試行錯誤的に重心の水平方向軌道を計算することなく、直接的に目標とする相対ZMP軌道を満足する重心の水平方向軌道を計算することができる。上記した計算は少ない計算量で実施することが可能であり、接地相重心水平軌道計算部308は高速で計算を実施することができる。
図5の(b)はロボット2の重心の水平方向軌道を示す。例えばkが2である場合、ステップS416では区間2の接地相の水平方向軌道118が計算される。
図6にkが2である場合にステップS416で計算されるx'方向軌道(x'0,x'1,・・・,x'n-1)の詳細を示す。
区間kの接地相におけるy'方向の重心軌道(y'1,・・・,y'n-1)についても、y'方向の相対ZMP位置(py'1,・・・,py'n-2)と、目標とするロール軸(x'軸)まわりの角運動量と、区間kの接地相の開始時速度vy'0と完了時速度vy'n-1から、x'方向の重心軌道(x'0,x'1,・・・,x'n-1)と同様にして算出することができる。
なお上記した水平方向速度vx'0,vy'0の代わりに、重心が移動する方向を示す水平方向の単位ベクトルnx',ny'と速度絶対値|v|を指令値としてユーザーが与えてもよい。このような場合、水平方向速度vx'0,vy'0は、以下によって算出される。
Figure 2006247769
ステップS414とステップS416の処理を実施することによって、接地相における重心の軌道を生成することができる。例えばkが2である場合、区間2の接地相における重心の軌道を生成することができる。区間2の接地相では、その後に続く区間2の空中相での跳躍に備えて、ロボット2の重心を沈み込ませる動作を実現することができる。また区間2の接地相では、重心を沈み込ませることによって、その直前の区間1の空中相に起因する着地衝撃を緩和する動作も実現している。
上記の処理によって生成される重心の軌道を実現することで、ロボット2はZMPを支持脚の足平の内部に維持しながら、重心を上下動させる動作を実現することができる。
上述した方法によって生成される重心軌道の場合、接地相の開始時と完了時において、ZMP方程式で計算されるZMPが、目標ZMPに一致することは必ずしも保証されていない。しかしながら、接地相の開始時と完了時において重心速度を滑らかに接続していることと、ZMP方程式を満足しない期間が非常に短い(ZMP方程式の離散化に用いる時間幅Δtの2倍程度である)ことから、上記で生成される動作を実現するロボット2は転倒することなく安定した動作をすることができる。
ステップS418では、区間kの動作が空中相を備えるか否かを判断する。区間kが空中相を備える場合(ステップS418でYESの場合)、区間kの空中相の動作を計算するために、処理はステップS420へ進む。区間kが空中相を備えない場合(ステップS418でNOの場合)、処理はステップS424へ進む。
例えばkが2の場合、区間2の動作は空中相を備えているため、処理はステップS420へ進む。
ステップS420では、区間kの空中相における重心の水平方向軌道を計算する。空中相ではロボット2が空中に浮いており、重力のみが外力としてロボット2に作用する。従って、空中相においてはロボット2の関節をどのように駆動したとしても、ロボット2の重心は以下に示すように水平方向に等速直線運動をする。
Figure 2006247769
上式のvx0,vy0はロボット2の踏切りの時点での重心の水平方向の速度であり、x0,y0は踏切の時点での重心の水平方向の位置である。
上記のvx0,vy0は、ロボット2の踏切りの時点での重心の水平方向速度でもあり、ロボット2が着地する時点での重心の水平方向速度でもある。vx0,vy0動作の切替りにおける重心の水平方向速度と等しく、ステップS408においてユーザー指令値として与えられている。
上記のx0,y0は、ロボット2の踏切りの時点での重心の水平方向の位置であり、ステップS416ですでに計算されている区間kの接地相の完了時の重心の水平方向位置と等しい。
上述したvx0,vy0,x0,y0を与えることによって、重心の水平方向軌道を計算することができる。
ステップS422では、区間k-1における重心の相対軌道を計算する。接地相については、支持脚の足先は床に対して移動しないため、ステップS410からステップS420で生成された重心軌道を、重心の相対軌道に容易に置き換えることができる。空中相の重心の相対軌道は、重心と支持脚の足先との位置関係から計算される。空中相では支持脚も床に対して移動しているため、重心の相対軌道を計算することは、重心に対する支持脚の足先の軌道を計算することに等しい。空中相における支持脚の足先の軌道は、踏切りの時点および着地の時点において、その空中相の前後の接地相における支持脚の足先の軌道と、滑らかに接続するように計算する必要がある。空中相における重心と支持脚の足先との相対位置は、その後の接地相における重心と支持脚の足先との相対位置と滑らかに接続する必要があるため、区間kの接地相での重心の相対軌道を計算したのちに、区間k-1の空中相の重心の相対軌道を計算する。
例えばkが2である場合、図5の(a)および(b)の区間2の接地相での重心の相対軌道106、118を生成したのちに、区間1の空中相の重心の相対軌道128、120を計算する。
区間k-1が空中相を備えていない場合、重心の相対軌道はすなわち、重心から見た支持脚の足先の相対軌道であるから、ステップS422では特に処理を行うことなく、ステップS424へ進む。
なお、図5の(a)および(b)では、接地相から空中相へ切替る時に支持脚が入れ替わっているために、重心の相対軌道(実線で示す曲線)は不連続に変化している。一方で、空中相から接地相へ切替る時には支持脚が入れ替らないため、重心の相対軌道は連続に変化している。しかしながら、ロボット2の外部から見た重心の軌道(図5の破線で示す曲線。接地相では、重心の相対軌道と一致している)および支持脚の足先の軌道は、それぞれ連続した軌道であることに注意されたい。
踏切りの時点において、支持脚は入れ替わる場合もあるし、入れ替わらない場合もある。例えばロボット2が1つの脚リンクを支持脚として踏切り、空中相を経た後に、他の脚リンクを支持脚として着地する場合には、踏切りの時点において支持脚は入れ替わる。上記とは異なり、ロボット2が1つの脚リンクを支持脚として踏切り、空中相を経た後に、同一の脚リンクを支持脚として着地する場合には、踏切りの時点において支持脚は入れ替わらない。
踏切りの時点で支持脚が入れ替わる場合、区間k-1の空中相の開始時における重心から見た支持脚の相対軌道(すなわち重心の相対軌道)は、区間k-1の接地相の完了時における遊脚の重心から見た相対軌道と滑らかに接続するように設定する。区間k-1の接地相の完了時における遊脚の足先の重心から見た位置と速度は、ユーザー指令値の踏切りの時点における遊脚の足先の位置と速度334と、区間k-1の接地相の完了時における重心の相対軌道から、算出することができる。
踏切りの時点で支持脚が入れ替わらない場合、区間k-1の空中相の開始時における支持脚の相対軌道(すなわち重心の相対軌道)は、区間k-1の接地相における支持脚の相対軌道(すなわち重心の相対軌道)と滑らかに接続するように設定する。すなわち、区間k-1の接地相における重心の相対軌道から、区間k-1の接地相の完了時における重心の相対位置と速度を特定し、区間k-1の空中相の開始時における重心の相対位置と速度として設定する。
例えばkが2である場合、区間1の空中相の踏切りの時点で支持脚は左脚リンク6から右脚リンク8へ入れ替わる。従って、図5の(a)および(b)の区間1の空中相の重心の相対軌道128、120を計算するにあたっては、その空中相の開始時126における重心の相対位置と速度は、ユーザー指令値の踏切りの時点における遊脚の足先の位置と速度334と、区間1の接地相の完了時における重心の相対軌道122、124から算出する。
着地の時点においては、区間kの接地相の開始時における重心の相対軌道と滑らかに接続するように、空中相の重心の相対軌道を計算する。区間kの接地相における重心の相対軌道は、ステップS414およびステップS416ですでに与えられている。すなわち、区間kの接地相における重心の相対軌道から、区間kの接地相の開始時における重心の相対位置と速度を特定し、区間k-1の空中相の完了時における重心の相対位置と速度として設定する。
例えばkが2である場合、図5の(a)および(b)の区間1の空中相における重心の相対軌道128、120を計算するにあたっては、その空中相の完了時108における重心の相対位置と速度を、区間2の接地相における重心の相対軌道106、118に基づいて、その接地相の開始時108における重心の相対位置と速度に一致させる。
区間k-1の空中相における重心の相対軌道は、上記した開始時と完了時での条件に基づいて、例えば多項式補間を用いることによって、計算することができる。
図4のステップS424では、区間k-1における遊脚の足先の相対軌道を計算する。
区間k-1における遊脚の足先の相対軌道は、区間k-1の前後における脚リンクの動作と滑らかに接続するように計算する。
区間k-1の接地相の開始時における遊脚の足先の相対位置および速度は、区間k-2における重心の相対軌道(すなわち重心からみた支持脚の相対軌道)と、区間k-2における重心と遊脚のそれぞれの相対軌道に基づいて、区間k-1の開始時で遊脚となっている脚リンクの足先が滑らかに移動するように設定する。kが2である場合には、区間1の接地相の開始時における遊脚の足先の相対位置および速度として、区間1で遊脚となる脚リンクの動作開始時の足先の相対位置および速度を用いる。
区間k-1の接地相の完了時における遊脚の足先の相対軌道は、区間k-1が空中相を備える場合と備えない場合とで扱いが異なる。
区間k-1が空中相を備える場合、踏切りの時点における遊脚の足先の位置と速度は、ステップS408でユーザー指令値として与えられている。従って、区間k-1の接地相の完了時における遊脚の足先は、ユーザー指令値と一致するように設定される。
区間k-1が空中相を備えない場合、区間k-1の接地相の完了時は、区間kの接地相の開始時と接続する。接地相から接地相へ移行する場合、支持脚となる脚リンクは入れ替わる。従って、本実施例のロボット2ではこのような場合、区間k-1の接地相の完了時における遊脚の位置と速度は、区間k-1の接地相の完了時における重心の位置と速度と、区間kの開始時における重心の相対位置と速度に基づいて、脚リンクの足先の移動が滑らかなものとなるように設定する。
区間k-1が空中相を備える場合には、空中相における遊脚の足先の相対軌道は下記によって計算される。空中相における遊脚の足先の相対軌道は、踏切りの時点で支持脚が入れ替わる場合と入れ替わらない場合とで扱いが異なる。
踏切りの時点で支持脚が入れ替わる場合、区間k-1の空中相の開始時における遊脚の足先の重心から見た位置と速度は、区間k-1の接地相の完了時における支持脚の重心から見た位置と速度に一致させる。区間k-1の空中相の完了時における遊脚の足先の位置と速度は、任意に与えることができる。
踏切りの時点で支持脚が入れ替わらない場合、区間k-1の空中相の開始時における遊脚の足先の重心から見た位置と速度は、区間k-1の接地相の完了時における遊脚の重心から見た位置と速度に一致させる。区間k-1の空中相の完了時における遊脚の足先の位置と速度は、任意に与えることができる。
上記した遊脚の足先の相対軌道の計算は、接地相および必要であれば空中相の開始時と完了時における位置と速度の条件に基づいて、例えば多項式補間を用いることによって、計算することができる。
ステップS426では、上述した処理によって計算された重心および遊脚の相対軌道を実現する、関節角の目標値を算出する。関節角の目標値はいわゆる逆キネマティクス演算によって算出することができる。
重心の相対並進運動量Pg、重心の相対角運動量Lg、遊脚足先の相対速度vfおよび遊脚足先の角速度ωfは、関節角の角速度θ(1)と、それぞれヤコビ行列Jg(θ)、Kg(θ)、Jf(θ)、Kf(θ)を用いて、以下で表現される。
Figure 2006247769
上式のうち関節角の角速度θ(1)は関節角の角度θを時間に関して1階微分したものである。関節角の角度θは、以下に示すように、ロボット2の関節角群(θ1、θ2、・・・、θn-1)である。
Figure 2006247769
重心の相対並進運動量Pg、重心の相対角運動量Lg、遊脚足先の相対速度vfおよび遊脚足先の角速度ωfは、それぞれ以下である。
Figure 2006247769
ただし、上記において(θgx'、θgy'、θgz')は支持脚の足先に固定された座標系から見た重心の相対回転角であり、(x'f、y'f、z'f)は遊脚の足先の相対位置であり、(θx'f、θy'f、θz'f)は遊脚足先の相対回転角である。
遊脚足先のヤコビ行列は、遊脚の数だけ存在する。本実施例のロボット2は、2つの脚リンクを備えており、遊脚を1の脚リンクとして関節角の目標値を演算する。
目標とするロボット2の運動Pg、Lg、vf、ωfを満たす関節角速度θ(1)は、無数の解を持つ冗長系となっている。本実施例のロボット2では、第1サブタスクとして目標とする重心の相対速度を実現すること、第2サブタスクとして目標とする角運動量を実現すること、第3サブタスクとして目標とする遊脚足先の相対軌道を実現することを条件として、目標関節角の経時的データを演算する。上記したような複数のヤコビ行列で表される拘束条件を、それぞれの条件に優先度をつけながら、冗長度の許す限り最適な解を求める手法は、従来から提案されており、説明を省略する。
上記のうち、目標とする重心の相対速度は、ステップS422で与えられている。目標とする角運動量は、ユーザー指令値で与えられている。本実施例のロボット2では、目標とする角運動量は0である。目標とする遊脚足先の相対軌道はステップS424で与えられている。
上記した処理を実施することによって、重心の相対軌道、目標とする角運動量、および遊脚足先の相対軌道を拘束条件として、関節角の目標値を演算することができる。これによって、ロボット2の安定な動作パターンを生成することができる。このような手法をとることによって、脚だけでなく腕や胴体などのすべてのロボット2の自由度を用いて動作パターンを生成することが可能となり、より自然で柔軟な動作パターンを作り出すことができる。
ステップS426で演算される関節角目標値の経時的データ350は、制御部10に記憶される。
ステップS428では、全ての動作区間について、重心軌道の生成が終了しているか否かを判断する。この判断は、処理の対象としている動作区間の番号kを、最後の動作区間の番号kmaxと比較することによって行う。本実施例のロボット2では、図2に示す動作態様を想定しており、最後の動作区間の番号kmaxは4である。kがkmax以上の場合(ステップS428でYESの場合)、全ての動作区間について、重心軌道の生成が終了したと判断して、処理はステップS430へ進む。kがkmax未満の場合(ステップS428でNOの場合)、未だ重心軌道を生成していない動作区間について重心軌道を生成するために、処理はステップS406へ移行し、ステップS406からステップS428までの処理を繰返し実施する。
ステップS430では、最後の動作区間kについて、重心の相対軌道、遊脚の相対軌道および関節角目標値の経時的データを生成する。ステップS430で実施する処理は、ステップS422、S424およびS426で詳述した処理と同様であるので、説明を省略する。
上記した図4の処理によって、図2に示す動作の態様を実現する関節角目標値の経時的データ350が生成される。生成された関節角目標値の経時的データ350は、制御部10に記憶される。
ロボット2に実際に動作を開始させると、制御部10は記憶された関節角目標値の経時的データ350に基づいて、関節駆動部320でロボット2の各関節を逐次駆動していく。これによって、ロボット2はユーザー指令値に基づいた安定した動作を実現していく。
本実施例のロボット2において、制御部10は記憶された関節角目標値の経時的データ350を読み出しながら、動作区間の切替わりを看視する。動作区間の切替わりを検出すると、制御部10は図7に示す動作の更新処理を実施する。
以下では図7を参照しながら、制御部10が行う動作の更新処理について説明する。
ステップS702では、その時点でロボット2が実現している動作の動作区間kを特定する。
ステップS704では、区間kが空中相を含むか否かを判断する。区間kが空中相を含む場合(ステップS704でYESの場合)、処理はステップS706へ進み、動作パターンの更新処理を実施する。区間kが空中相を含まない場合(ステップS704でNOの場合)、制御部10は動作パターンを更新することなく、処理を終了する。
ステップS706では、区間kの踏切りの時点における重心の速度と、重心まわりの角運動量を計測する。制御部10は区間kについての接地相重心鉛直軌道338に基いてロボット2が踏切るタイミングを特定し、ロボット2が踏切るタイミングにおいてセンサ制御部354に重心速度と角運動量の計測を指示する。
センサ制御部354は、ロボット2が実際に動作を開始してから、所定の時間間隔毎に、センサ14に指示して加速度を計測し、加速度の経時的変化を記憶している。
センサ14で計測される加速度は、センサ14の計測点における加速度であって、ロボット2の重心における加速度ではない。センサ制御部354はセンサ14の計測点における加速度から、重心の加速度を算出する。重心の加速度は、例えばエンコーダの出力からロボット2の各関節の関節角の実際の経時的変化を記憶しておき、各関節の関節角の経時的変化から重心とセンサ14の計測点との相対加速度を算出して、その相対加速度を計測されたセンサ14の計測点における加速度に加えることによって、算出することができる。
センサ制御部354は、上記で算出される重心の加速度の経時的変化を記憶している。またロボット2が実際に動作を開始した時点から現在までの重心の加速度を積分することで、重心速度を算出しその経時的変化を記憶している。
センサ制御部354は重心速度の計測を指示されると、その時点での重心速度を踏切り時の重心鉛直速度356、踏切り時の重心水平速度358として出力する。
センサ制御部354は、角運動量の計測を指示されると、センサ14に指示して計測点における角速度を計測する。
センサ14で計測された角速度は、センサ14の計測点まわりの角速度であって、ロボット2の重心まわりの角速度ではない。センサ制御部354はセンサ14の計測点まわりの角速度から、重心まわりの角速度を算出する。重心まわりの角速度は、例えばエンコーダの出力から各関節の関節角の実際の経時的変化を記憶しておき、重心に対するセンサ14の計測点の角速度を算出して、その結果に計測されたセンサ14の計測点まわりの角速度を加えることによって、算出することができる。
センサ制御部354は、上記の算出された重心まわりの角速度と、踏切り時の姿勢におけるロボット2の慣性モーメントから、踏切り時の角運動量360を決定する。
またステップS706では、目標角運動量経時的データ330の更新も行う。
ステップS706では、区間kの空中相に関して、センサ制御部354から出力される踏切り時の角運動量360を、新たな目標角運動量として設定する。区間k+1以降に関しての目標角運動量は、変更することなく、ユーザー指令値として入力される値をそのまま使用する。
ステップS708では、区間kの空中相における重心の鉛直方向軌道を生成する。ステップS708で行う処理は、図4のステップS412での処理と同様である。ただし図4のステップS412では重心の初速度としてユーザー指令値である跳躍高さ322から算出される値を用いたが、図7のステップS708では重心の初速度としてセンサ制御部354から出力された実際のロボット2の重心の鉛直方向速度356を用いる。
ステップS708で新たに生成された区間kの空中相における重心の鉛直方向軌道は、記憶されているデータと置き換えられて、その後の動作の生成に利用される。
図8の(a)は更新処理を行う前の重心の鉛直方向軌道を示しており、(b)は更新処理を実施した後の重心の鉛直方向軌道を示している。
ステップS708の処理では、(a)に示す空中相における重心の鉛直方向軌道112は、図8では矢印830で示される実際の重心の鉛直方向速度356に基づいて、(b)に示す空中相における重心の鉛直方向軌道812に更新される。
ステップS710では、区間kの空中相における重心の水平方向軌道を生成する。ステップS710で行う処理は、図4のステップS420での処理と同様である。ただし図4のステップS420では重心の初速度としてユーザー指令値を用いたが、図7のステップS710では重心の初速度として計測された実際のロボット2の重心の水平方向速度358を用いる。
ステップS708、ステップS710の処理によって、区間kの空中相において、その後着地するまでの間の重心の軌道が更新される。ステップS712以降の処理では、着地した後の動作について更新処理を行う。
ステップS712では、処理の対象とする区間kを1進める。
ステップS714からステップS726までの処理では、区間kにおける重心軌道を再度生成する。区間kにおける重心軌道の生成は、図4のステップS408からステップS420までの処理と同様であるから、説明を省略する。
ステップS714からステップS726までの処理によって、着地後の区間kにおける重心の軌道が更新される。ステップS728以降の処理では、区間k-1における脚リンクの足先の軌道の更新を行う。図7の更新処理においてステップS728以降の処理を最初に実施する場合には、現在ロボット2が実現している動作区間における、着地するまでの間の脚リンクの足先の軌道を更新する処理に相当する。
ステップS728では、区間k-1における重心の相対軌道を生成する。またステップS730では、区間k-1における遊脚の相対軌道を生成する。これらの処理は、図4のステップS422、ステップS424の処理と同様であるから、説明を省略する。
ステップS732では、区間k-1における関節角目標値を生成する。ステップS732の処理は、図4のステップS426と同様であるから、説明を省略する。
ステップS734では、全ての動作区間について、重心軌道の更新が終了しているか否かを判断する。この判断では、kをkmaxと比較する。図2に示す動作態様の場合、kmaxは4である。kがkmax以上の場合(ステップS734でYESの場合)、全ての動作区間について、重心軌道の更新が終了したと判断して、処理はステップS736へ進む。kがkmax未満の場合(ステップS734でNOの場合)、さらに重心軌道を更新するために、処理はステップSS712へ移行し、ステップS712からステップS734までの処理を繰返し実施する。
ステップS736では、最後の動作区間kについて、重心の相対軌道、遊脚の相対軌道および関節角目標値の経時的データを生成する。ステップS734で実施する処理は、ステップS728、S730およびS732で詳述した処理と同様であるので、説明を省略する。
上記した図7の処理によって、ロボット2の動作パターンは更新される。図8の(a)は図7の更新処理を実施する前の重心の鉛直方向軌道を示しており、(b)は図7の更新処理を実施した後の重心の鉛直方向軌道を示している。
区間1の踏切り時において、図中矢印830で示される計測された実際の重心の鉛直方向速度356が、目標とする重心の鉛直方向軌道112に適合しない場合であっても、(b)に示すように、矢印830で示される計測された重心の鉛直方向速度356に適合する重心の鉛直方向軌道812に更新される。そして、区間1の空中相における重心の鉛直方向軌道812の更新に合わせて、区間2以降の重心の鉛直方向軌道802、806が更新される。そして、更新された区間2の接地相における重心の鉛直方向軌道806に適合するように、区間1の空中相における重心の相対軌道828が更新される。空中相における重心の相対軌道は、すなわち空中相における重心に対する支持脚の足先の軌道を示している。
図8には遊脚の足先の相対軌道を図示していないが、遊脚足先の相対軌道についても、重心の相対軌道828と同様に、実際のロボット2の運動状態に適合するように更新される。
図8では鉛直方向の軌道について図示しているが、水平方向の軌道についても、同様に更新される。
上記の処理においては、ロボット2が踏切ってから着地するまでの間に、着地するまでの重心軌道が更新され、着地後の重心軌道が更新されて、着地するまでの脚リンクの足先の軌道が更新される。これによって、脚リンクが着地する位置は、重心の軌道と同様に、実際のロボット2の運動状態に応じて更新される。
従って、ロボット2の実際の運動状態が、目標とする運動状態から大きく外れてしまった場合であっても、ロボット2は無理な姿勢をとることがなく、安定して着地後の動作を実現することができる。
本実施例では動作区間が切替わるごとに空中相の有無を評価し、予め生成された関節角目標値の経時的データに基づいてロボット2が踏切った時点を検出している。踏切り時点の検出はこれに限らず、例えば、ロボット2の足平に力センサまたは測距センサを配置し、支持脚の足平が床から離れたか否かを検出することによって、ロボット2の踏切り時点を検出してもよい。
上記の実施例では、体幹4に設けられた加速度センサの計測値と、各関節の関節角の経時的変化から重心の加速度を算出し、重心の加速度を積分することによって重心速度を検出する例を説明した。重心加速度の検出はこれに限らず、例えば複数の加速度センサをロボット2に搭載して、それらの加速度センサの計測点の位置と計測値から、重心の加速度を算出してもよい。また加速度センサの計測値とジャイロセンサの計測値から、重心の加速度を算出してもよい。
上記ではセンサ14から計測される加速度に基づいて重心速度を計測する例を説明したが、重心速度の計測はこれに限らない。
例えば位置が既知である対象までの距離を知ることが可能な測距センサを用いてロボット2の代表点の位置を計測し、代表点と重心との相対的な位置関係を各関節の関節角から算出し、重心と代表点の相対位置と計測される代表点の位置とから重心の位置を算出し、その時間変化率を算出することによっても、重心の速度を知ることができる。また、センサ14としてGPS受信機を体幹4に搭載し、取得される位置と各関節の関節角から重心の位置を算出し、重心位置の経時的変化から重心速度を算出してもよい。
また、各関節の関節角の経時的変化のみを用いて直接的に重心速度を算出してもよい。
上記の実施例では、体幹4に設けられた角速度センサを用いて重心まわりの角運動量を検出する例を説明した。重心まわりの角運動量の検出はこれに限らず、例えばエンコーダ等によって各関節の関節角の経時的変化を計測し、直接的に重心まわりの角運動量を算出してもよい。
上記の実施例では2の脚リンクを備える脚式ロボット2について説明したが、本発明は3以上の脚リンクを備える脚式ロボットとして具現化することもできるし、1の脚リンクのみを備える脚式ロボットとして具現化することもできる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
図1は本発明のロボット2の概観を示す図である。 図2は本発明のロボット2の動作の概要を示す図である。 図3は本発明のロボット2の制御部10の構成を示すブロック図である。 図4は本発明のロボット2の制御部10が実施する動作生成の処理を示すフローチャートである。 図5は制御部10で生成されるロボット2の重心の相対軌道を示す図である。 図6は制御部10で生成されるロボット2の重心の相対軌道の一部を示す図である。 図7は制御部10が実施する動作更新の処理を示すフレーチャートである。 図8は制御部10で更新されるロボット2の重心の相対軌道を示す図である。
符号の説明
2・・・脚式ロボット
4・・・体幹
6・・・左脚リンク
8・・・右脚リンク
10・・・制御部
12・・・コントローラ
14・・・センサ
102、106、114、115、122、128・・・重心の鉛直軌道
104、118、120、124・・・重心の水平軌道
108、110、116、126・・・動作区間の境界
802、806、812、828・・・重心の鉛直方向軌道
830・・・矢印

Claims (4)

  1. 関節角を変えることによって、踏切り、宙に浮き、着地する動作を実現する脚式ロボットであって、
    踏切り時の重心速度を検出する手段と、
    検出された踏切り時の重心速度に基づいて、踏切りから着地までの重心軌道を生成する手段と、
    生成された踏切りから着地までの重心軌道に基づいて、着地後の重心軌道を生成する手段と、
    生成された着地後の重心軌道に基づいて、着地までの脚リンクの足先の軌道を生成する手段と、
    生成された着地までの重心軌道と脚リンクの足先の軌道に基づいて、着地までの関節角の目標値の経時的データを生成する手段と、
    生成された着地後の重心軌道に基づいて、着地後の関節角の目標値の経時的データを生成する手段と、
    生成された関節角の目標値の経時的データに基づいて、関節を回転する手段と、
    を備えることを特徴とする脚式ロボット。
  2. 前記着地後の重心軌道を生成する手段は、
    踏切りから着地までの重心の鉛直方向軌道に基づいて、着地後の重心の鉛直方向軌道を生成する手段と、
    生成された着地後の重心の鉛直方向軌道と、ZMP方程式を離散化した3項方程式と、着地後の目標とする相対ZMPと、着地の時点と着地後の所定の時点における重心の水平方向速度とに基づいて、着地後の重心の水平方向軌道を計算する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1の脚式ロボット。
  3. 前記着地後の重心の水平方向軌道を計算する手段は、着地後の重心の鉛直方向軌道から計算される係数を持つ3重対角行列と、着地後の重心の水平方向軌道の列、着地後の目標とする相対ZMPと着地の時点と着地後の所定の時点における重心の水平方向速度から計算される距離の列との間に成立する連立方程式を解いて、着地後の重心の水平方向軌道を計算する手段をさらに備えることを特徴とする請求項2の脚式ロボット。
  4. 関節角を変えることによって、踏切り、宙に浮き、着地する動作を実現する脚式ロボットの動作を制御する方法であって、
    踏切り時の重心速度を検出する工程と、
    検出された踏切り時の重心速度に基づいて、踏切りから着地までの重心軌道を生成する工程と、
    生成された踏切りから着地までの重心軌道に基づいて、着地後の重心軌道を生成する工程と、
    生成された着地後の重心軌道に基づいて、着地までの脚リンクの足先の軌道を生成する工程と、
    生成された着地までの重心軌道と脚リンクの足先の軌道に基づいて、着地までの関節角の目標値の経時的データを生成する工程と、
    生成された着地後の重心軌道に基づいて、着地後の関節角の目標値の経時的データを生成する工程と、
    生成された関節角の目標値の経時的データに基づいて、関節を回転する工程と、
    を備えることを特徴とする脚式ロボットの動作制御方法。
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