JP4810880B2 - ロボットとその制御方法 - Google Patents
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Description
上記のような脚式ロボットは、ZMP(Zero Moment Point)を利用して制御することによって、安定した歩行を実現できることが知られている。ZMPは、ロボットに作用する外力(慣性力を含む)によるモーメントの総和が0となる床上の点を意味する。
1つの脚リンクのみが接地している状態でも、ZMPが支持脚の足平の接地領域内に存在していれば、ロボットは倒れることがない。例えば2つの脚リンクを備えるロボットの場合、一方の脚リンクを支持脚とし、他方の脚リンクを遊脚として前方に振り出することによって移動する。この片足接地状態の間、ZMPが支持脚の足平の接地領域内に存在していれば、ロボットは倒れることがない。遊脚としていた脚リンクが接地し、2つの脚リンクが接地している間に、ZMPがそれまで支持脚であった脚リンクの足平の接地領域内から新たに接地した脚リンクの足平の接地領域内へ移行すれば、ロボットは倒れることがなく、それまで支持脚であった脚リンクを前方に振り出すことが可能となる。それまで支持脚であった脚リンクを前方に振り出す時に、ZMPが新たな支持脚の足平の接地領域内に存在していれば、ロボットは倒れることがない。
上記の動作を繰り返すことによって、ロボットは倒れることなく歩行を継続することができる。
例えばロボットの歩行を長期間に渡って安定な動作とするために、幾つかの関節群の関節角を可動範囲の中立位置の近傍に維持したい場合がある。通常、ロボットの関節の可動範囲は有限であり、可動範囲を超えて関節を回転することはできない。従って、脚リンクを接地させた状態で動作をする際には、ZMPに基づく動力学的な安定性を確保するとともに、関節の回転角が可動範囲を超えないように制御する必要がある。幾つかの関節群の関節角を可動範囲の中立位置の近傍に保つことで、関節の可動範囲に対して十分な余裕を確保しながら歩行を行うことが可能となる。このように動作を制御することで、不意に外乱が作用した場合であっても、関節の可動範囲に対して十分な余裕が確保されており、例えば腕を振り出してバランスを取るといった、歩行の安定性を確保するための動作を容易に行うことができる。長期的に安定してロボットの歩行を継続することが可能となる。
また上記した以外にも、ロボットを歩行させながら所望の作業を行わせたり、ダンスや演奏といった所定のパフォーマンスを実演させたりしたい場合がある。
従来の技術では、目標とする姿勢へ復帰させる際に、歩行の安定性を損なわないように、非常にゆっくりとした速度で目標姿勢へ復帰させたり、ロボットの動作を視認しているオペレータが姿勢を復帰しても安定であると判断した場合にのみ目標姿勢へ復帰させたりしていた。
本明細書で「足先歩容データ」とは、ロボットの脚リンクの足先部の基準点に関する、位置の経時的な変化を記述するデータのことをいう。
本明細書で「軌道」とは、位置の経時的な変化を記述するデータのことをいう。
本明細書で「姿勢パターン」とは、ロボットの関節群の関節角の経時的変化を記述するデータのことをいう。
上記のロボットでは、コントローラが足先歩容データ記憶部に記憶された足先歩容データに基づいて、足平の内部の安定領域と、第1のZMP軌道をそれぞれ計算する。足平の内部の安定領域は、ロボットが歩行する床面上の領域であって、接地している脚リンクの足平の接地領域の内部で定義される。この安定領域は、動作の安定性を評価する際の基準として用いられる。第1のZMP軌道は、ロボットが歩行する際に、歩行の動力学的安定性のみを考慮して設定されるZMP軌道である。
その後コントローラは、第1のZMP軌道とZMP方程式に基づいて、第1のZMP軌道を実現するロボットの運動を計算する。ロボットの運動は、重心の運動量と重心まわりの角運動量の経時的変化によって記述される。ロボットが実現すべきZMP軌道に対して、そのロボットのZMP方程式を用いて、そのZMP軌道を実現する重心の運動量と重心まわりの角運動量の経時的変化を計算する技術は、従来より種々の手法が開発されている。本明細書では、上記のようにして計算された、第1のZMP軌道を実現する重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化を、第1の重心の運動量と重心まわりの角運動量の経時的変化と呼ぶ。
その後コントローラは、第1の重心の運動量と重心まわりの角運動量の経時的変化を実現する姿勢パターン(第1の姿勢パターン)を計算する。ロボットの姿勢パターンと、重心の運動量の経時的変化とは、重心の運動量に関するヤコビ行列を用いて関連付けることができる。またロボットの姿勢パターンと、重心まわりの角運動量の経時的変化とは、重心まわりの角運動量に関するヤコビ行列を用いて関連付けることができる。従って、第1の重心の運動量と重心まわりの角運動量の経時的変化と、重心の運動量に関するヤコビ行列と、重心まわりの角運動量に関するヤコビ行列に基づいて、第1の重心の運動量と重心まわりの角運動量の経時的変化を実現する第1の姿勢パターンを計算することができる。
第2の姿勢パターンの安定性は、第2の姿勢パターンを実現するときのZMP軌道(第2のZMP軌道)が、足平の内部の安定領域に収まっているか否かを判断することによって、評価することができる。第2のZMP軌道が足平の内部の安定領域に収まっている場合、第2の姿勢パターンを実現したときのロボットの動作は安定であるため、コントローラはロボットに第2の姿勢パターンを実現させる。一方、第2のZMP軌道が足平の内部の安定領域に収まっていない場合、第2の姿勢パターンを実現したときのロボットの動作は必ずしも安定ではないため、コントローラはロボットに第1の姿勢パターンを実現させる。
上述のように、本発明のロボットは目標とする姿勢パターン(第3の姿勢パターン)へ移行するための姿勢パターン(第2の姿勢パターン)の安定性を自律的に評価して、第2の姿勢パターンが安定であると評価される場合には第2の姿勢パターンを実現して目標とする第3の姿勢パターンへ移行し、第2の姿勢パターンが安定であると評価されない場合には安定な第1の姿勢パターンを実現する。このようにして、本発明のロボットは動作の安定性を確保しながら、目標とする姿勢を実現することができる。
(特徴1)
体幹と、
一方の端部が股関節を介して体幹に連結され、他方の端部が足首関節を介して足平を備える足先部に連結された脚リンクと、
関節群を回転駆動するアクチュエータ群と、
足先歩容データを記憶する手段と、
足先歩容データに基づいて、足平の内部の安定領域を計算する手段と、
足先歩容データに基づいて、第1のZMP軌道を計算する手段と、
第1のZMP軌道と、ZMP方程式に基づいて、第1のZMP軌道を実現する第1の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化を計算する手段と、
第1の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化と、重心の運動量に関するヤコビ行列と、重心まわりの角運動量に関するヤコビ行列に基づいて、第1の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化を実現する第1の姿勢パターンを計算する手段と、
第3の姿勢パターンを記憶する手段と、
第1の姿勢パターンと第3の姿勢パターンに基づいて、第1の姿勢パターンから第3の姿勢パターンへ移行する第2の姿勢パターンを計算する手段と、
第2の姿勢パターンと、重心の運動量に関するヤコビ行列と、重心まわりの角運動量に関するヤコビ行列に基づいて、第2の姿勢パターンによって実現される第2の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化を計算する手段と、
第2の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化と、ZMP方程式に基づいて、第2の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化によって実現される第2のZMP軌道を計算する手段と、
第1の姿勢パターンと、第2の姿勢パターンと、足平の内部の安定領域と、第2のZMP軌道に基づいて、姿勢パターンを選択する手段と、
選択された姿勢パターンをアクチュエータ群へ出力する手段と
を備え、前記姿勢パターンを選択する手段は、
第2のZMP軌道が足平の内部の安定領域の内部に収まる場合に、アクチュエータ群へ第2の姿勢パターンを出力し、
第2のZMP軌道が足平の内部の安定領域の内部に収まらない場合に、アクチュエータ群へ第1の姿勢パターンを出力する
ことを特徴とするロボット。
図面を参照しながら、本発明の一実施例に係るロボットの動作生成技術について説明する。
図1に示すロボット6は、体幹12と、右脚リンク26と、左脚リンク20と、右腕リンク24と、左腕リンク22を備えている。
右脚リンク26は一方の端部を股関節を介して体幹12に揺動可能に連結されている。右脚リンク26はさらに膝関節と足首関節を備え、先端には足先部を備えている。その足先部は床と面で接することが可能な足平を備えている。左脚リンク20は一方の端部を股関節を介して体幹12に揺動可能に連結されている。左脚リンク20はさらに膝関節と足首関節を備え、先端には足先部を備えている。その足先部は床と面で接することが可能な足平を備えている。
右腕リンク24は一方の端部を体幹12の上部に右肩関節を介して揺動可能に連結されている。左腕リンク22は一方の端部を体幹12の上部に左肩関節を介して揺動可能に連結されている。
ロボット6の全身の関節群は、それぞれアクチュエータを備えている。アクチュエータ群はコンピュータ装置14からの指令によって駆動され、関節群は指令された関節角を実現する。コンピュータ装置14は、コントローラに相当する。
ロボット6の歩行の態様は、足先基準点L,Rの軌道7,8,9,10を記述する足先歩容データによって規定される。体幹12、右腕リンク24および左腕リンク22の動作は、ロボット6の力学モデルを用いて計算されるZMP軌道が、足先歩容データに基づく目標ZMP軌道に一致する関係に設定される。
なお本明細書で軌道とは、位置の経時的な変化を記述するデータのことをいう。
ロボット6の歩行を制御するために、ロボット6の体幹12にコンピュータ装置14が搭載されている。コンピュータ装置14は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等を有する。コンピュータ装置14のハードウェア構成は汎用のコンピュータと同じであり、説明は省略する。コンピュータ装置14は足先歩容データを記憶しており、それに基づいて動的な安定性を確保することが可能なロボット6の姿勢を逐次算出し、算出されたロボット6の姿勢を実現するように全身の関節群を制御する。
本実施例では、図1に示すように、ロボット6の歩行方向をx軸とし、体側方向をy軸とし、高さ方向をz軸とする。
ロボット6のZMPの位置は、ロボットの動作に伴って変化する。このZMPが接地している脚リンクの足平の接地領域の内部に存在していれば、片方の脚リンクのみで接地している場合であっても、ロボット6は倒れることなく、安定して動作を継続することができる。
本実施例のロボット6では、安定ZMP軌道として、次のような軌道を設定する。ロボット6が一方の脚リンクのみで接地している間は、ZMPは接地している脚リンクの足平の接地領域の中央に維持される。ロボット6が両方の脚リンクで接地している間は、ZMPはそれまで支持脚だった脚リンクの足平の接地領域内から、新たに接地して支持脚となる脚リンクの足平の接地領域内へ移動する。
接地している脚リンクの足平の接地領域の中央にZMPが存在している場合、ZMPの位置が不意に変化した場合でも、ZMPを足平の接地領域内に維持することが容易となる。従って、上記した安定ZMP軌道を実現する動作は、ロボット6に外乱等が作用してZMP位置が変化した場合であっても、歩行の安定性を確保することができ、歩行の安定性が高いといえる。
上記の安定ZMP軌道は、第1のZMP軌道に相当する。上記の安定ZMP軌道計算部204は、第1ZMP軌道計算部に相当する。
まず安定姿勢パターン計算部206は、安定ZMP軌道計算部204から入力される安定ZMP軌道と、ロボット6の力学モデルに基づくZMP方程式を用いて、安定ZMP軌道 px, py を実現するロボット6の重心の運動量 Pgx, Pgy, Pgz と、重心まわりの角運動量 Lgx, Lgy, Lgzの経時的変化を計算する。本実施例のロボット6では、先ず重心まわりの角運動量 Lgx, Lgy, Lgz の経時的変化と、重心の鉛直方向軌道 zg を、ユーザーからの指令等に基づいて決定する。そして、以下に示すZMP方程式を用いて重心の水平方向軌道 xg, yg を計算する。
重心の水平方向および垂直方向の軌道 xg, yg, zg が計算されると、重心の位置の時間に関する一階微分を算出し、ロボット6の全質量 m との積を算出することによって、重心の運動量 Pgx, Pgy, Pgz の経時的変化を計算することができる。
以下では関節群の関節角の経時的変化を計算する手法について説明する。重心の運動量 Pgx, Pgy, Pgz、重心の角運動量 Lgx, Lgy, Lgzは、関節角の角速度θ(1)と、それぞれヤコビ行列Jg(θ)、Kg(θ)を用いて、以下で表現される。
上式の Pg はロボット6の重心の運動量(Pgx, Pgy, Pgz)であり、上式の Lgはロボット6の重心まわりの角運動量(Lgx, Lgy, Lgz)である。上式の関節角の角速度θ(1)は関節角の角度θを時間に関して1階微分したものである。関節角の角度θは、以下に示すように、ロボットの関節角群(θ1、θ2、・・・、θn-1)である。
重心の運動量 Pg および重心まわりの角運動量 Lg が同一であっても、体幹12に対して腕リンク22,24を振り出してバランスを取る姿勢を実現する解もあれば、体幹12に対して腕リンク22,24を振り出すことなくバランスを取る姿勢を実現する解もある。
上述の計算では、目標とするロボットの運動 Pg、Lg を満たす1組の関節角の角速度θ(1)の解が取得される。ここで取得される関節角の角速度θ(1)に基づいてロボット6の関節群を駆動すると、実現されるZMPは安定ZMP軌道に一致し、接地している脚リンクの足平の接地領域の中央部に維持されることになる。
上記の安定姿勢パターンは、第1の姿勢パターンに相当する。安定姿勢パターン計算部206は、第1重心運動計算部および第1姿勢パターン計算部に相当する。
目標姿勢パターン記憶部214が記憶している目標姿勢パターンは、例えばロボット6が動作を実施する前に予め与えておいてもよいし、コントローラ等を用いてオペレータがロボット6の動作中にリアルタイムで与えてもよい。
上記の目標姿勢パターンは、第3の姿勢パターンに相当する。目標姿勢パターン記憶部214は、第3姿勢パターン記憶部に相当する。
計算された移行姿勢パターンは、姿勢パターン指令値計算部208へ出力される。
上記の移行姿勢パターンは、第2の姿勢パターンに相当する。姿勢パターン計算部212は、第2姿勢パターン計算部に相当する。
まず姿勢パターン指令値計算部208は、上述した重心の運動量に関するヤコビ行列と、重心まわりの角運動量に関するヤコビ行列を用いて、移行姿勢パターンを実現した場合の重心の運動量と重心まわりの角運動量の経時的変化を計算する。重心の運動量と重心まわりの角運動量は、一意に計算することができる。
そして姿勢パターン指令値計算部208は、計算された重心の運動量と重心まわりの角運動量の経時的変化に基づき、上述したロボット6の力学モデルに基づくZMP方程式を用いて、移行姿勢パターンを実現した場合のZMP軌道(移行ZMP軌道)を計算する。
上記の移行ZMP軌道は、第2のZMP軌道に相当する。
そして姿勢パターン指令値計算部208は、計算された移行ZMP軌道が足平の安定領域に入っているか否かを評価する。
安定領域406の内部にZMPが存在する場合、ロボット6に外乱が作用してZMP位置が予期せぬ変化をした場合でも、足平の接地領域402の内部にZMPを維持することが可能である。したがって、安定領域406の内部にZMPが存在する状態は、わずかな外乱が作用してもロボット6が倒れることがない、歩行の安定性が高い状態といえる。
一方、足平の接地領域402の内部で安定領域406の外部にZMPが存在する場合、ロボット6に外乱が作用してZMP位置が予期せぬ変化をすると、足平の接地領域402の内部にZMPを維持することが困難となる。したがって、安定領域406の外部にZMPが存在する状態は、わずかな外乱が作用することによってロボット6の安定性が失われてしまう、歩行の安定性が低い状態といえる。
本実施例のロボット6は、上述した安定領域406を基準として、移行姿勢パターンを実現するときの動作の安定性を評価する。すなわち、移行ZMP軌道が常に安定領域に入っていれば、ロボット6は移行姿勢パターンを実現しても、高い安定性を維持することができると評価される。従って、このような場合には、アクチュエータ群210へ移行姿勢パターンが出力される。一方、移行ZMP軌道が安定領域から外れる場合には、ロボット6は移行姿勢パターンを実現した場合に、高い安定性を維持することができないと評価される。従って、このような場合には、アクチュエータ群210へ安定姿勢パターンが出力される。
姿勢パターン指令値計算部208は、第2重心運動計算部、第2ZMP軌道計算部および姿勢パターン選択部に相当する。
ステップS310では、足先歩容データ記憶部202に記憶されている足先歩容データを読込む。
ステップS312では、読込まれた足先歩容データに基づいて支持脚の足平の接地領域を特定し、安定領域を計算する。
ステップS314では、特定された足平の接地領域に基づいて、安定ZMP軌道を計算する。安定ZMP軌道は、足平の接地領域の中央部に維持されるように計算される。
ステップS316では、計算された安定ZMP軌道に基づいて、安定重心運動(安定ZMP軌道を実現する重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化)を計算する。
ステップS318では、計算された安定重心運動に基づいて、安定姿勢パターンを計算する。
ステップS320では、計算された安定姿勢パターンと、読み込まれた目標姿勢パターンに基づいて、移行姿勢パターンを計算する。
ステップS322では、計算された移行姿勢パターンに基づいて、移行重心運動(移行姿勢パターンによって実現される重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化)を計算する。
ステップS324では、移行重心運動に基づいて、移行ZMP軌道を計算する。
ステップS326では、計算された移行ZMP軌道が、安定領域に収まっているか否かを判断する。移行ZMP軌道が常に安定領域に収まっている場合(ステップS326でYESの場合)、処理はステップS328へ移行し、移行姿勢パターンをアクチュエータ群210への指令値として出力する。移行ZMP軌道の一部でも安定領域に収まっていない部分がある場合(ステップS326でNOの場合)、処理はステップS330へ移行し、安定姿勢パターンをアクチュエータ群210への指令値として出力する。
その後、処理はステップS310へ以降し、上述した処理を繰返し実行する。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12・・・体幹
14・・・コンピュータ装置
20・・・左脚リンク
22・・・左腕リンク
24・・・右腕リンク
26・・・右脚リンク
7,8,9,10・・・足先基準点の軌道
202・・・足先歩容データ記憶部
204・・・安定ZMP軌道計算部
206・・・安定姿勢パターン計算部
208・・・姿勢パターン指令値計算部
210・・・アクチュエータ群
212・・・移行姿勢パターン計算部
214・・・目標姿勢パターン記憶部
402・・・足平の接地領域
404・・・足平の中央部
406・・・足平の安定領域
408,410・・・ZMPの位置
Claims (2)
- 体幹と、一方の端部が股関節を介して体幹に連結され、他方の端部が足首関節を介して足平を備える足先部に連結された脚リンクと、関節群を回転駆動するアクチュエータ群と、アクチュエータ群を制御するコントローラを備えるロボットであって、
前記コントローラは、
足先歩容データを記憶する足先歩容データ記憶部と、
足先歩容データに基づいて、足平の内部の安定領域を計算する安定領域計算部と、
足先歩容データに基づいて、第1のZMP軌道を計算する第1ZMP軌道計算部と、
第1のZMP軌道と、ZMP方程式に基づいて、第1のZMP軌道を実現する第1の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化を計算する第1重心運動計算部と、
第1の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化と、重心の運動量に関するヤコビ行列と、重心まわりの角運動量に関するヤコビ行列に基づいて、第1の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化を実現する第1の姿勢パターンを計算する第1姿勢パターン計算部と、
第3の姿勢パターンを記憶する第3姿勢パターン記憶部と、
第1の姿勢パターンと第3の姿勢パターンに基づいて、第1の姿勢パターンから第3の姿勢パターンへ移行する第2の姿勢パターンを計算する第2姿勢パターン計算部と、
第2の姿勢パターンと、重心の運動量に関するヤコビ行列と、重心まわりの角運動量に関するヤコビ行列に基づいて、第2の姿勢パターンによって実現される第2の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化を計算する第2重心運動計算部と、
第2の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化と、ZMP方程式に基づいて、第2の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化によって実現される第2のZMP軌道を計算する第2ZMP軌道計算部と、
第1の姿勢パターンと、第2の姿勢パターンと、足平の内部の安定領域と、第2のZMP軌道に基づいて、姿勢パターンを選択してアクチュエータ群へ出力する姿勢パターン選択部と
を備え、前記姿勢パターン選択部は、
第2のZMP軌道が足平の内部の安定領域の内部に収まる場合に、アクチュエータ群へ第2の姿勢パターンを出力し、
第2のZMP軌道が足平の内部の安定領域の内部に収まらない場合に、アクチュエータ群へ第1の姿勢パターンを出力し、
前記第2姿勢パターン計算部は、前記姿勢パターン選択部において第2のZMP軌道が足平の内部の安定領域の内部に収まると判断されるまで、異なる第2の姿勢パターンを繰り返し計算することを特徴とするロボット。 - 体幹と、一方の端部が股関節を介して体幹に連結され、他方の端部が足首関節を介して足平を備える足先部に連結された脚リンクと、関節群を回転駆動するアクチュエータ群と、アクチュエータ群を制御するコントローラを備えるロボットの動作を制御する方法であって、
足先歩容データを読込む工程と、
足先歩容データに基づいて、足平の内部の安定領域を計算する工程と、
足先歩容データに基づいて、第1のZMP軌道を計算する工程と、
第1のZMP軌道と、ZMP方程式に基づいて、第1のZMP軌道を実現する第1の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化を計算する工程と、
第1の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化と、重心の運動量に関するヤコビ行列と、重心まわりの角運動量に関するヤコビ行列に基づいて、第1の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化を実現する第1の姿勢パターンを計算する工程と、
第3の姿勢パターンを読込む工程と、
(A)第1の姿勢パターンと、第3の姿勢パターンに基づいて、第1の姿勢パターンから第3の姿勢パターンへ移行する第2の姿勢パターンを計算する工程と、
(B)第2の姿勢パターンと、重心の運動量に関するヤコビ行列と、重心まわりの角運動量に関するヤコビ行列に基づいて、第2の姿勢パターンによって実現される第2の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化を計算する工程と、
(C)第2の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化と、ZMP方程式に基づいて、第2の重心の運動量および重心まわりの角運動量の経時的変化によって実現される第2のZMP軌道を計算する工程と、
(D)第1の姿勢パターンと、第2の姿勢パターンと、足平の内部の安定領域と、第2のZMP軌道に基づいて、第2のZMP軌道が足平の内部の安定領域の内部に収まる場合に、アクチュエータ群へ第2の姿勢パターンを出力し、第2のZMP軌道が足平の内部の安定領域の内部に収まらない場合に、アクチュエータ群へ第1の姿勢パターンを出力する工程と、
前記第2のZMP軌道が足平の内部の安定領域の内部に収まると判断されるまで、異なる第2の姿勢パターンについて、少なくとも上記(A)から(D)までの工程を繰り返し実行する工程を備えることを特徴とする方法。
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