JP2003159677A - 脚式移動ロボット - Google Patents

脚式移動ロボット

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JP2003159677A
JP2003159677A JP2002325314A JP2002325314A JP2003159677A JP 2003159677 A JP2003159677 A JP 2003159677A JP 2002325314 A JP2002325314 A JP 2002325314A JP 2002325314 A JP2002325314 A JP 2002325314A JP 2003159677 A JP2003159677 A JP 2003159677A
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Japan
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zmp
robot
leg
center
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JP2002325314A
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English (en)
Inventor
Naoto Mori
直人 森
Yuichi Hattori
裕一 服部
Jinichi Yamaguchi
仁一 山口
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的遅いサンプリング周期でZMP安定度
判別規範を用いながら機体の姿勢安定制御を行なう。 【解決手段】 脚式移動ロボットは、可動脚の足底接地
点と路面とが形成する支持多角形からなるZMP安定領
域と、ZMPがZMP安定領域の略中央に向かうように
機体の変形量又は運動量が生成されるZMP挙動空間を
持つ。ZMP挙動空間において、ロボットの変形量(若
しくは運動量)の正負は、負がZMPを安定領域の縁に
移動させようとする空間歪みを生じさせる方向となり、
正がZMPを安定領域の中心に移動させようとする空間
歪みを生じさせる方向となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも複数本
の可動脚を備えた脚式移動ロボットに係り、特に、可動
脚によって歩行やその他の脚式作業を行う脚式移動ロボ
ットに関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、いわゆるZMP
(Zero Moment Point)を安定度判別規範として用いな
がら脚式作業時における機体の姿勢安定制御を行なう脚
式移動ロボットに係り、特に、比較的遅いサンプリング
周期でZMP安定度判別規範を用いながら機体の姿勢安
定制御を行なう脚式移動ロボットに関する。
【0003】
【従来の技術】電気的若しくは磁気的な作用を用いて人
間の動作に似せた運動を行う機械装置のことを「ロボッ
ト」という。ロボットの語源は、スラブ語の"ROBO
TA(奴隷機械)"に由来すると言われている。わが国
では、ロボットが普及し始めたのは1960年代末から
であるが、その多くは、工場における生産作業の自動化
・無人化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボッ
トなどの産業用ロボット(industrial robot)であっ
た。
【0004】最近では、ヒトやサルなどの2足直立歩行
を行う動物の身体メカニズムや動作を模した脚式移動ロ
ボットに関する研究開発が進展し、実用化への期待も高
まってきている。2足直立による脚式移動は、クローラ
式や、4足又は6足式などに比し不安定で姿勢制御や歩
行制御が難しくなるが、不整地や障害物など作業経路上
に凹凸のある歩行面や、階段や梯子の昇降など不連続な
歩行面に対応することができるなど、柔軟な移動作業を
実現できるという点で優れている。
【0005】ヒトの生体メカニズムや動作を再現した脚
式移動ロボットのことを、特に、「人間形」、若しくは
「人間型」のロボット(humanoid robot)と呼ぶ。人間
型ロボットは、例えば、生活支援、すなわち住環境その
他の日常生活上のさまざまな場面における人的活動の支
援などを行うことができる。
【0006】人間の作業空間や居住空間のほとんどは、
2足直立歩行という人間が持つ身体メカニズムや行動様
式に合わせて形成されている。言い換えれば、人間の住
空間は、車輪その他の駆動装置を移動手段とした現状の
機械システムが移動するのには多くの障壁が存在する。
したがって、機械システムすなわちロボットがさまざま
な人的作業を代行し、さらに人間の住空間に深く浸透し
ていくためには、ロボットの移動可能範囲が人間のそれ
とほぼ同じであることが好ましい。これが、脚式移動ロ
ボットの実用化が大いに期待されている所以でもある。
2足直立歩行を行うことは、ロボットが人間の住環境と
の親和性を高める上で必須であると言える。
【0007】2足の脚式移動ロボットに関する姿勢制御
や安定歩行に関する技術は既に数多提案されている。こ
こで言う安定な「歩行」とは、「転倒することなく、脚
を使って移動すること」と定義することができる。ロボ
ットの姿勢安定制御は、ロボットの転倒を回避する上で
非常に重要である。何故ならば、転倒は、ロボットが実
行中の作業を中断することを意味し、且つ、転倒状態か
ら起き上がって作業を再開するために相当の労力や時間
が払われるからである。また、何よりも、転倒によっ
て、ロボット本体自体、あるいは転倒するロボットと衝
突する相手側の物体にも、致命的な損傷を与えてしまう
危険があるからである。したがって、脚式移動ロボット
の設計・開発において、姿勢安定制御や歩行時の転倒防
止は最も重要な課題の1つである。
【0008】脚式移動ロボットの姿勢安定制御や歩行時
の転倒防止に関する提案の多くは、ZMP(Zero Momen
t Point)を歩行の安定度判別の規範として用いてい
る。ZMPによる安定度判別規範は、歩行系から路面に
は重力と慣性力、並びにこれらのモーメントが路面から
歩行系への反作用としての床反力並びに床反力モーメン
トとバランスするという「ダランベールの原理」に基づ
く。力学的推論の帰結として、足底接地点と路面の形成
する支持多角形(すなわちZMP安定領域)の辺上ある
いはその内側にピッチ軸及びロール軸モーメントがゼロ
となる点、すなわち「ZMP(Zero Moment Point)」
が存在する。
【0009】要約すれば、ZMP規範とは、「歩行のあ
らゆる瞬間において、ZMPが足部と路面とが形成する
支持多角形の内側に存在し、且つ、ロボットが路面に押
す方向の力が作用すれば、ロボットが転倒(機体が回転
運動)することなく安定に歩行できる」とするものであ
る。
【0010】ZMP規範に基づく2足歩行パターン生成
によれば、足底着地点をあらかじめ設定することがで
き、路面形状に応じた足先の運動学的拘束条件を考慮し
易いなどの利点がある。また、ZMPを安定度判別規範
とすることは、力ではなく軌道を運動制御上の目標値と
して扱うことを意味するので、技術的に実現可能性が高
まる。
【0011】なお、ZMPの概念並びにZMPを歩行ロ
ボットの安定度判別規範に適用する点については、Miom
ir Vukobratovic著"LEGGED LOCOMOTION ROBOTS"(加藤
一郎外著『歩行ロボットと人工の足』(日刊工業新聞
社))に記載されている。
【0012】従来、ZMPを安定度判別規範とするロボ
ットの姿勢安定制御や歩行制御は、ZMP位置がZMP
安定領域から逸脱したら安定領域に再び戻るように補正
制御をかけるというのが一般的である。言い換えれば、
通常の動作期間中、ZMPは自由に移動することができ
るが、その移動量がある領域を越えたときにはじめて脚
部などの各関節駆動を制御して、事後的にZMP位置を
制御する。
【0013】例えば、特開平5−305579号公報に
記載の脚式移動ロボットは、ZMPがゼロとなる床面上
の点を目標値に一致させるようにして安定歩行を行うよ
うになっている。
【0014】また、特開平5−305581号公報に記
載の脚式移動ロボットは、ZMPが支持多面体(多角
形)内部、又は、着地、離床時にZMPが支持多角形の
端部から少なくとも所定の余裕を有する位置にあるよう
に構成した。この場合、外乱などを受けても所定距離だ
けZMPの余裕があり、歩行時の機体の安定性が向上す
る。
【0015】また、特開平5−305583号公報に
は、脚式移動ロボットの歩き速度をZMP目標位置によ
って制御する点について開示している。すなわち、あら
かじめ設定された歩行パターン・データを用い、ZMP
を目標位置に一致させるように脚部関節を駆動するとと
もに、上体の傾斜を検出してその検出値に応じて設定さ
れた歩行パターン・データの吐き出し速度を変更する。
未知の凹凸を踏んでロボットが例えば前傾するときは、
吐き出し速度を速めることで姿勢を回復することができ
る。またZMPを目標位置に制御するので、両脚支持期
で吐き出し速度を変更しても支障がない。
【0016】また、特開平5−305585号公報に
は、脚式移動ロボットの着地位置をZMP目標位置によ
って制御する点について開示している。すなわち、同公
報に記載の脚式移動ロボットは、ZMP目標位置と実測
位置とのずれを検出し、それを解消するように脚部の一
方又は双方を駆動するか、又はZMP目標位置まわりに
モーメントを検出してそれが零になるように脚部を駆動
することで、安定歩行を実現する。
【0017】また、特開平5−305586号公報に
は、脚式移動ロボットの傾斜姿勢をZMP目標位置によ
って制御する点について開示している。すなわち、ZM
P目標位置まわりのモーメントを検出し、モーメントが
生じたときは、それが零になるように脚部を駆動するこ
とで安定歩行を行う。
【0018】上述したロボットの姿勢安定度制御は、足
底接地点と路面の形成する支持多角形すなわちZMP安
定領域の辺上あるいはその内側にピッチ及びロール軸モ
ーメントがゼロとなる点を探索することを基本動作とす
る。また、ZMP位置がZMP安定領域から逸脱したら
安定領域に再び戻るように補正制御をかけるというもの
である。
【0019】しかしながら、ZMP規範は、ロボットの
機体及び路面が剛体に限りなく近い(すなわち、どのよ
うな力やモーメントが作用しても変形したり動いたりす
ることはない)と仮定できることを前提として適用する
ことができる規範に過ぎない。言い換えれば、ロボット
や路面が剛体に限りなく近いと仮定できない場合、例え
ば、ロボットが高速に動くことでZMPに作用している
(並進)力や、立脚切替え時の衝撃力が大きくなり、ロ
ボット自身に変形や運動が発生してしまう場合には、印
加される力に対するロボットの変形量を適切に管理しな
いと、ZMPが存在している空間自体が不安定になって
しまい、仮にロボットの姿勢がZMP規範を満たしても
(ZMPが支持多角形の内側に存在し、且つ、ロボット
が路面に押す方向の力を作用させている)、不安定なZ
MPを安定させるために、ロボットの姿勢が不安定にな
ってしまう。特に、ロボットの重心が低くなるほど機体
に高速な回転運動が発生して、安定歩行の実現が困難に
なる。
【0020】図1及び図2には、ロボットや路面が限り
なく剛体に近い理想的なモデルの場合と、現実には剛体
ではない場合におけるZMP位置とロボットの変形量
(若しくは運動量)との関係(すなわちロボットが持つ
ZMP挙動空間)をそれぞれ示している。
【0021】ロボットや路面が限りなく剛体に近い理想
的な場合には、そのZMP挙動空間においては、図1に
示すように、算出されたZMP安定領域内のいずれのZ
MP位置においてもロボットに変形量(若しくは運動
量)は発生しない。言い換えれば、いずれのZMP位置
においても、ロボットは機体の姿勢安定性を失うことは
ない。
【0022】しかしながら、実システムにおけるZMP
挙動空間では、ロボットや路面は剛体ではなく、算出さ
れたZMP安定領域内であっても、ZMP位置によって
はロボットに変形量(若しくは運動量)が発生してしま
う。図2に示す例では、ZMP安定領域内の略中央付近
においては、ロボットに変形量(若しくは運動量)は発
生しないので、そのままの状態ではロボットは機体の姿
勢安定性を失うことはない。しかしながら、ZMP位置
がZMP安定領域の中央から離れるにつれて、ロボット
の変形量(若しくは運動量)は、負方向に増大してい
く。
【0023】図1並びに図2に示すようなZMP挙動空
間は、ZMP位置と機体が床面から受ける床反力で定義
される。このZMP挙動空間におけるロボットの変形量
(若しくは運動量)の正負は、負がZMPを安定領域の
縁に移動させようとする空間歪みを生じさせる方向とな
り、正がZMPを安定領域の中心に移動させようとする
空間歪みを生じさせる方向となる。したがって、図2に
示したように、ZMP位置がZMP安定領域の中央から
離れるにつれてロボットの変形量(若しくは運動量)が
負方向に増大していくことは、ZMP安定領域内であり
ながら、ロボットはZMP安定領域の縁に向かうように
変形していき、やがては機体が転倒してしまうことにな
る。
【0024】このため、計算上はロボットのZMP位置
はZMP安定領域内に居ながらも、ZMP安定領域の中
心に戻すように機体の姿勢制御を常に実行していなけれ
ばならない。このようにZMP位置を絶え間なく中心に
戻すような制御方式の代表例は「倒立振子」である。し
かしながら、この場合、高速(すなわち、サンプリング
周期が極めて短い)な制御を行なわなければならず、姿
勢制御のための計算機負荷が増大してしまう。
【0025】つまり、ZMP安定度判別規範は、ロボッ
トや路面が剛体であるという、現実には満たすことが困
難な前提条件を含む理想的な環境下での歩行の実現を目
標とした安定度判別規範に過ぎない。したがって、人間
の住環境で安定した動歩行を自律的に継続するために
は、ZMPの存在空間の安定性を考慮したロボット・シ
ステム構成方法を考案することが肝要である。
【0026】また、脚式移動ロボットにおける脚式作業
時の安定性・制御性は、歩容すなわち四肢の動作パター
ンだけでなく、歩行など脚式作業を行う地面、路面の状
況の影響を受けている。何故ならば、脚が路面に接地し
ている限り、路面から常に反力を受けているからであ
る。また、路面からの反力は、特に、歩行などの脚式作
業中に遊脚が着地したときに大きな衝撃力となり、場合
によっては、それが外乱となってロボットの姿勢を不安
定にする。
【0027】言い換えれば、2足歩行などの脚式移動ロ
ボットが姿勢を崩すことなく歩行などの脚式作業を行う
ためには、着地するときにも安定した姿勢のまま路面に
よく馴染み、接地時に路面から受ける反力を可能な限り
低減させることが好ましい。また、路面と接地する足平
の足底の構造は、ロボットとその接地面との良好な関係
を成立させる上で極めて重要である。
【0028】例えば、着地時に地面から受ける衝撃を緩
和するために、足部の足裏面に弾性体を装着することが
当業界において広く知られている。
【0029】着地時に地面から反力を受けたとき、ロボ
ットの機体には、例えばロール軸回り、ピッチ軸回りな
どさまざまな外乱が印加される。前進歩行を前提として
構成される脚式ロボットの場合、前後方向の移動自由度
が豊富であり、進行方向すなわちピッチ軸回りの外乱に
対しては比較的容易に対処することができる。他方、機
体を横方向に揺るがすように作用するロール軸回りの外
乱に対してはロバスト性が低い。しかしながら、路面か
らの衝撃力を、足裏の弾性体によって一様に緩和するだ
けでは、各軸回りの衝撃力を単に吸収するような作用し
か得られず、路面に接地時やその他の外乱などにより失
われた機体の姿勢安定性を回復することはできない。す
なわち、接地時の衝撃を緩和しつつも、結局は機体が転
倒してしまうという事態を招来しかねない。このような
場合、ZMP位置がZMP安定領域から逸脱してはじめ
てZMPの補正制御をかけるという事後的な制御では限
界がある。
【0030】また、ZMPの探索とは要するに、2足歩
行の機体において、ZMP軌道が左右の両足の間(すな
わちそれぞれの足の内側)を通過することを意味する。
さらに言えば、機体が前進運動を行った結果、ZMP軌
道が一方の足の外側に移動してしまうと、他方の足を一
方の足のさらに外側に向けて踏み込まなければ姿勢安定
性を維持することはできない。これは、他方の足を一方
の足と交差するような脚部の動作であり、左右の脚部ど
うしが互いに干渉し合うという物理的・機構学的に実現
が極めて困難な動作である。
【0031】また、2足の脚式移動ロボットは、一般
に、ヒトやサルなどの生体メカニズムに基づいて、前進
運動を基調としてデザインされていることから、前後方
向の外乱に対するロバスト性は優れているものの、横方
向の外乱に対するロバスト性は比較的低い。
【0032】しかしながら、脚式作業時における姿勢安
定性を、機体の動作制御のみを以って実現することは、
コントローラの演算速度や制御対象の応答速度、その他
の問題のため未だ困難である。すなわち、ZMP位置が
ZMP安定領域から逸脱してはじめてZMPの補正制御
をかけるという事後的な制御では限界がある。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、いわ
ゆるZMP(Zero Moment Point)を安定度判別規範と
して用いながら脚式作業時における機体の姿勢安定制御
を好適に行なうことができる、優れた脚式移動ロボット
を提供することにある。
【0034】本発明の更なる目的は、比較的遅いサンプ
リング周期でZMP安定度判別規範を用いながら機体の
姿勢安定制御を好適に行なうことができる、優れた脚式
移動ロボットを提供することにある。
【0035】本発明の更なる目的は、人間の住環境で安
定した動歩行を自律的に継続するようなZMP挙動空間
が形成された、優れた脚式移動ロボットを提供すること
にある。
【0036】本発明の更なる目的は、接地時に路面から
受ける衝撃力を緩和するとともに、失いかけた機体の姿
勢安定性を回復する、若しくは回復を容易にすることが
できる、脚式移動ロボットの可動脚ユニットにおける足
部の足平構造を提供することにある。
【0037】本発明の更なる目的は、ロボットの機体の
動作制御のみに頼ることなく姿勢安定性を容易に維持す
ることができるように構成された、優れた脚式移動ロボ
ットを提供することにある。
【0038】本発明の更なる目的は、横方向の外乱に対
するロバスト性を強化することで姿勢安定性を容易に維
持することができるように構成された、優れた脚式移動
ロボットを提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面
は、2以上の可動脚を備えた脚式移動ロボットであっ
て、機体のピッチ軸モーメント及びロール軸モーメント
がゼロとなるZMPの位置と機体が床面から受ける床反
力で定義されるZMP挙動空間を制御するZMP挙動空
間制御手段を備え、前記ZMP挙動空間制御手段はあら
かじめZMP挙動空間に所定の歪み又は所定の特性を与
えている、ことを特徴とする脚式移動ロボットである。
【0040】[従来の技術]の欄でも既に説明したよう
にZMP安定度判別規範は、ロボットの機体及び路面が
剛体に限りなく近いと仮定できる場合のみ適用すること
ができる規範に過ぎない。すなわち、ロボットや路面が
剛体に限りなく近いと仮定できないので、印加される力
に対するロボットの変形量を適切に且つ比較的短いサン
プリング周期で管理しないと、ZMPが存在している空
間自体が不安定になってしまい、仮にロボットの姿勢が
ZMP安定度判別規範を満たしても、不安定なZMPを
安定させるために、ロボットの姿勢が不安定になってし
まう。
【0041】そこで、本発明の第1の側面に係る脚式移
動ロボットは、ZMP(Zero Moment Point)を姿勢の
安定度判別の規範として採用するが、ロボットの機体の
変形量や運動量を考慮して安定したZMPの存在空間を
持つロボット・システム構成を採用する。
【0042】すなわち、前記ZMP挙動空間制御手段
は、ZMP位置が前記可動脚の足底接地点と路面とが形
成する支持多角形からなるZMP安定領域の中央からZ
MP位置が外れるにつれてZMP位置が前記ZMP安定
領域の中央に移動させようとする機体の変形量若しくは
運動量が生じるようにZMP挙動空間にあらかじめ歪み
を与えている。これによって、機体の姿勢安定性を維持
し易い構造となる。あるいは、前記ZMP挙動空間制御
手段は、前記床反力に応じて前記ロボットの変形量又は
運動量の大きさ若しくは方向が変化するような所定の特
性を与えるようにしてもよい。
【0043】本発明の第1の側面に係る脚式移動ロボッ
トは、ZMP位置の移動量が所定の領域を越えてはじめ
て事後的な補正制御を開始するのではなく、あらかじめ
ロボットの姿勢が安定するような空間歪みや所定の特性
が与えられているので、機体の制御機構が充分な応答速
度を持たなくても、外乱などに対して高いロバスト性を
得ることができる。
【0044】ここで、前記ZMP挙動空間制御手段は、
前記ZMP安定領域の略中心において機体の変形量又は
運動量の極小点を設定するようにしてもよい。このよう
な場合、常に姿勢が安定する方向に機体の変形量や運動
量が生ずるので、姿勢安定性を保つことが容易となる。
また、比較的低いサンプリング周期であっても、充分な
姿勢安定制御を行うことができる。
【0045】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、前
記ZMP安定領域の略中心において機体の変形量又は運
動量の極小点を設定するとともに、前記ZMP安定領域
の境界近くで機体の変形量又は運動量の極大点を設定す
るようにしてもよい。このような場合、極大点に挟まれ
た領域では、ZMP位置が常にZMP安定領域の中心に
向かうようにロボットの機体の変形量又は運動量が生じ
るので、姿勢安定性を保つことが容易となり、また、比
較的低いサンプリング周期であっても充分な姿勢安定制
御を行うことができる。これに対し、極大点を越えた時
点からは、ZMP位置がZMP安定領域の外側に向かう
ような変形量又は運動量が生じるので、ロボットは「姿
勢安定モード」から「転倒モード」に転じる。
【0046】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、Z
MP位置が機体の外側に向かう方向を正方向とする第1
の座標軸とZMP位置がZMP安定領域の中央に向かわ
せるようなロボットの変形量若しくは運動量を正方向と
する第2の座標軸からなるZMP挙動空間において、単
脚支持後期の立脚に対して、ロボットの変形量若しくは
運動量が負領域において極大値を持ち、且つ、床反力の
増大とともに該変形量若しくは運動量の極大値のZMP
位置を正方向に移動させるような空間歪みを与えるよう
にしてもよい。
【0047】このような場合、単脚支持後期の立脚にお
いては、ZMP位置のY方向への移動量にほぼ線形的に
曲がり量が減少する。床反力が小さいときには、ZMP
位置が機体の内側に移動したときには該立脚は内側に向
かって曲がるとともに、ZMP位置が機体の外側に移動
したときには該立脚は外側に向かって曲がるが、床反力
が大きくなるにつれて、ZMP位置が機体の外側に移動
しても該立脚は外側には曲がり難くなる。なお、ロボッ
トの総重量を100としたときに、床反力が100以上
となるときに床反力が「大きい」と言い、床反力が20
〜100程度のときには床反力が「中」と言い、また、
床反力が20以下となるときに床反力が「小さい」と言
う(以下同様)。但し、これらはだいたいの目安であっ
て、ロボットの機体構造、重量によって変更しても構わ
ない。特に、「床反力が小さい」ということを定性的に
表現すると、両足支持期に、一方の足でほぼ全身を支え
ている際の他方の足に加わっている程度の床反力を言
う。
【0048】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、Z
MP位置が機体の前方に向かう方向を正方向とする第1
の座標軸とZMP位置がZMP安定領域の中央に向かわ
せるようなロボットの変形量若しくは運動量を正方向と
する第2の座標軸からなるZMP挙動空間において、単
脚支持後期の立脚に対して、ロボットの変形量若しくは
運動量が負領域においてZMP安定領域の略中央付近に
おいて極大値を持ち、且つ、床反力の増大とともに該変
形量若しくは運動量の変化が小さくなるような空間歪み
を与えるようにしてもよい。
【0049】このような場合、単脚支持後期の立脚にお
いては、ZMP位置のX方向への移動量にほぼ線形的に
曲がり量が減少する。床反力が小さいときには、ZMP
位置が機体の前方に移動したときには該立脚は前方に向
かって曲がるとともに、ZMP位置が機体の後方に移動
したときには該立脚は後方に向かって曲がるが、床反力
が大きくなるにつれて、ZMP位置が前方又は後方のい
ずれに移動しても該立脚は曲がり難くなる。
【0050】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、単
脚支持後期の立脚に対して、進行方向と直交方向におい
て、床反力が小さいときにはZMP位置がZMP安定領
域の中心から外れるにつれてZMP位置がZMP安定領
域の中心から外れる方向に向かうようなロボットの変形
量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きくなるに
従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から外れるに
つれてZMP位置がZMP安定領域の中心に向かうよう
なロボットの変形量若しくは運動量が生じるような空間
歪みを与えるようにしてもよい。また、進行方向におい
て、床反力が小さいときには、ZMP位置がZMP安定
領域の中心から外れるにつれてZMP位置がZMP安定
領域の中心から外れる方向に向かうようなロボットの変
形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きくなる
に従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から外れる
につれてZMP位置がZMP安定領域の中心に向かうよ
うなロボットの変形量若しくは運動量が発生するような
空間歪みを与えるようにしてもよい。
【0051】このような場合、床反力が小さいときに
は、ZMP位置が機体の内側に移動したときには単脚支
持後期の立脚は内側に向かって曲がるとともにZMP位
置が機体の外側に移動したときには該立脚は外側に向か
って曲がるが、床反力が大きくなるに従い、逆に、ZM
P位置が機体の内側に移動したときには該立脚は外側に
向かって曲がるとともにZMP位置が機体の外側に移動
したときには該立脚は内側に向かって曲がるように構成
される。また、床反力が小さいときには、ZMP位置が
機体の前方に移動したときには該立脚は前方に向かって
曲がるとともにZMP位置が機体の後方に移動したとき
には該立脚は後方に向かって曲がるが、床反力が大きく
なるに従い、逆に、ZMP位置が機体の前方に移動した
ときには該立脚は後方に向かって曲がるとともにZMP
位置が機体の後方に移動したときには該立脚は前方に向
かって曲がるように構成される。
【0052】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、単
脚支持後期の体幹部に対して、進行方向と直交する方向
において、床反力が小さいときにはZMP位置がZMP
安定領域の中心から外れるにつれてZMP位置がZMP
安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボット
の変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きく
なるに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から外
れるにつれてZMP位置がZMP安定領域の中心に向か
うようなロボットの変形量若しくは運動量が生じるよう
な空間歪みを与えるようにしてもよい。また、進行方向
において、床反力が小さいときには、ZMP位置がZM
P安定領域の中心から外れるにつれてZMP位置がZM
P安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボッ
トの変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大き
くなるに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から
外れるにつれてZMP位置がZMP安定領域の中心に向
かうようなロボットの変形量若しくは運動量が発生する
ような空間歪みを与えるようにしてもよい。
【0053】このような場合、床反力が小さいときに
は、ZMP位置が機体の内側に移動したときには体幹部
は内側に向かって曲がるとともにZMP位置が機体の外
側に移動したときには体幹部は外側に向かって曲がる
が、床反力が大きくなるに従い、逆に、ZMP位置が機
体の内側に移動したときには体幹部は外側に向かって曲
がるとともにZMP位置が機体の外側に移動したときに
は体幹部は内側に向かって曲がるように構成される。ま
た、床反力が小さいときには、ZMP位置が機体の前方
に移動したときには体幹部は前方に向かって曲がるとと
もにZMP位置が機体の後方に移動したときには体幹部
は後方に向かって曲がるが、床反力が大きくなるに従
い、逆に、ZMP位置が機体の前方に移動したときには
体幹部は後方に向かって曲がるとともにZMP位置が機
体の後方に移動したときには体幹部は前方に向かって曲
がるように構成される。
【0054】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、Z
MP位置が機体の外側に向かう方向を正方向とする第1
の座標軸とZMP位置がZMP安定領域の中央に向かわ
せるようなロボットの変形量若しくは運動量を正方向と
する第2の座標軸からなるZMP挙動空間において、両
脚支持期の立脚に対して、ロボットの変形量若しくは運
動量が負領域においてZMP安定領域の略中央付近にお
いて極大値を持ち、且つ、床反力の増大とともに該変形
量若しくは運動量の変化が小さくなるような空間歪みを
与えるようにしてもよい。
【0055】このような場合、ZMP位置の機体外側へ
の移動量にほぼ線形的に立脚の曲がり量が減少する。床
反力が小さいときには、ZMP位置が機体の内側に移動
したときには該立脚は内側に向かって曲がるとともに、
ZMP位置が機体の外側に移動したときには該立脚は外
側に向かって曲がるが、床反力が大きくなるにつれて、
ZMP位置が内側又は外側のいずれに移動しても該立脚
は曲がり難くなるように構成されている。両脚支持期で
は2本の脚で支持するため1本の脚で支持する単脚支持
期に対し脚の曲がり量は小さい。
【0056】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、Z
MP位置が機体の前方に向かう方向を正方向とする第1
の座標軸とZMP位置がZMP安定領域の中央に向かわ
せるようなロボットの変形量若しくは運動量を正方向と
する第2の座標軸からなるZMP挙動空間において、両
脚支持期の立脚に対して、ロボットの変形量若しくは運
動量が負領域においてZMP安定領域の略中央付近にお
いて極大値を持ち、且つ、床反力の増大とともに該変形
量若しくは運動量の変化が小さくなるような空間歪みを
与えるようにしてもよい。
【0057】このような場合、ZMP位置の機体前方へ
の移動量にほぼ線形的に立脚の曲がり量が減少する。床
反力が小さいときには、ZMP位置が機体の前方に移動
したときには該立脚は前方に向かって曲がるとともに、
ZMP位置が機体の後方に移動したときには該立脚は後
方に向かって曲がるが、床反力が大きくなるにつれて、
ZMP位置が前方又は後方のいずれに移動しても該立脚
は曲がり難くなるように構成されている。両脚支持期で
は2本の脚で支持するため1本の脚で支持する単脚支持
期に対し脚の曲がり量は小さい。
【0058】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、両
脚支持期の立脚に対して、進行方向と直交する方向にお
いて、床反力が小さいときには、ZMP位置がZMP安
定領域の中心から外れるにつれてZMP位置がZMP安
定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボットの
変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きくな
るに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から外れ
るにつれてZMP位置がZMP安定領域の中心に向かう
ようなロボットの変形量若しくは運動量が発生するよう
な空間歪みを与えるようにしてもよい。また、進行方向
において、床反力が小さいときには、ZMP位置がZM
P安定領域の中心から外れるにつれてZMP位置がZM
P安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボッ
トの変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大き
くなるに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から
外れるにつれてZMP位置がZMP安定領域の中心に向
かうようなロボットの変形量若しくは運動量が発生する
ような空間歪みを与えるようにしてもよい。
【0059】このような場合、床反力が小さいときに
は、ZMP位置が機体の内側に移動したときには両脚支
持期の立脚は内側に向かって曲がるとともにZMP位置
が機体の外側に移動したときには該立脚は外側に向かっ
て曲がるが、床反力が大きくなるに従い、逆に、ZMP
位置が機体の内側に移動したときには該立脚は外側に向
かって曲がるとともにZMP位置が機体の外側に移動し
たときには該立脚は内側に向かって曲がるように構成さ
れる。また、床反力が小さいときには、ZMP位置が機
体の前方に移動したときには該立脚は前方に向かって曲
がるとともにZMP位置が機体の後方に移動したときに
は該立脚は後方に向かって曲がるが、床反力が大きくな
るに従い、逆に、ZMP位置が機体の前方に移動したと
きには該立脚は後方に向かって曲がるとともにZMP位
置が機体の後方に移動したときには該立脚は前方に向か
って曲がるように構成される。
【0060】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、両
脚支持期の体幹部に対して、進行方向と直交する方向に
おいて、床反力が小さいときには、ZMP位置がZMP
安定領域の中心から外れるにつれてZMP位置がZMP
安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボット
の変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きく
なるに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から外
れるにつれてZMP位置がZMP安定領域の中心に向か
うようなロボットの変形量若しくは運動量が発生するよ
うな空間歪みを与えるようにしてもよい。また、進行方
向において、床反力が小さいときには、ZMP位置がZ
MP安定領域の中心から外れるにつれてZMP位置がZ
MP安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボ
ットの変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大
きくなるに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心か
ら外れるにつれてZMP位置がZMP安定領域の中心に
向かうようなロボットの変形量若しくは運動量が発生す
るような空間歪みを与えるようにしてもよい。
【0061】このような場合、床反力が小さいときに
は、ZMP位置が機体の内側に移動したときには体幹部
は内側に向かって曲がるとともにZMP位置が機体の外
側に移動したときには体幹部は外側に向かって曲がる
が、床反力が大きくなるに従い、逆に、ZMP位置が機
体の内側に移動したときには体幹部は外側に向かって曲
がるとともにZMP位置が機体の外側に移動したときに
は体幹部は内側に向かって曲がるように構成される。ま
た、床反力が小さいときには、ZMP位置が機体の前方
に移動したときには体幹部は前方に向かって曲がるとと
もにZMP位置が機体の後方に移動したときには体幹部
は後方に向かって曲がるが、床反力が大きくなるに従
い、逆に、ZMP位置が機体の前方に移動したときには
体幹部は後方に向かって曲がるとともにZMP位置が機
体の後方に移動したときには体幹部は前方に向かって曲
がるように構成される。
【0062】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、Z
MP位置が機体の外側に向かう方向を負方向とする第1
の座標軸とZMP位置がZMP安定領域の中央に向かわ
せるようなロボットの変形量若しくは運動量を正方向と
する第2の座標軸からなるZMP挙動空間において、単
脚支持前期の立脚に対して、ロボットの変形量若しくは
運動量が負領域において極大値を持ち、且つ、床反力の
増大とともに該変形量若しくは運動量の極大値のZMP
位置を正方向に移動させるような空間歪みを与えるよう
にしてもよい。
【0063】このような場合、単脚支持前期の立脚にお
いては、ZMP位置のY方向への移動量にほぼ線形的に
曲がり量が減少する。床反力が小さいときには、ZMP
位置が機体の内側に移動したときには該立脚は内側に向
かって曲がるとともに、ZMP位置が機体の外側に移動
したときには該立脚は外側に向かって曲がるが、床反力
が大きくなるにつれて、ZMP位置が機体の外側に移動
しても該立脚は外側には曲がり難くなる。
【0064】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、Z
MP位置が機体の前方に向かう方向を正方向とする第1
の座標軸とZMP位置がZMP安定領域の中央に向かわ
せるようなロボットの変形量若しくは運動量を正方向と
する第2の座標軸からなるZMP挙動空間において、単
脚支持前期の立脚に対して、ロボットの変形量若しくは
運動量が負領域においてZMP安定領域の略中央付近に
おいて極大値を持ち、且つ、床反力の増大とともに該変
形量若しくは運動量の変化が小さくなるような空間歪み
を与えるようにしてもよい。
【0065】このような場合、単脚支持前期の立脚にお
いては、ZMP位置のX方向への移動量にほぼ線形的に
曲がり量が減少する。床反力が小さいときには、ZMP
位置が機体の前方に移動したときには該立脚は前方に向
かって曲がるとともに、ZMP位置が機体の後方に移動
したときには該立脚は後方に向かって曲がるが、床反力
が大きくなるにつれて、ZMP位置が前方又は後方のい
ずれに移動しても該立脚は曲がり難くなる。
【0066】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、単
脚支持前期の立脚に対して、進行方向と直交する方向に
おいて、床反力が小さいときにはZMP位置がZMP安
定領域の中心から外れるにつれてZMP位置がZMP安
定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボットの
変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きくな
るに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から外れ
るにつれてZMP位置がZMP安定領域の中心に向かう
ようなロボットの変形量若しくは運動量が生じるような
空間歪みを与えるようにしてもよい。また、進行方向に
おいて、床反力が小さいときには、ZMP位置がZMP
安定領域の中心から外れるにつれてZMP位置がZMP
安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボット
の変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きく
なるに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から外
れるにつれてZMP位置がZMP安定領域の中心に向か
うようなロボットの変形量若しくは運動量が発生するよ
うな空間歪みを与えるようにしてもよい。
【0067】このような場合、床反力が小さいときに
は、ZMP位置が機体の外側に移動したときには単脚支
持前期の立脚は外側に向かって曲がるとともにZMP位
置が機体の内側に移動したときには該立脚は内側に向か
って曲がるが、床反力が大きくなるに従い、逆に、ZM
P位置が機体の外側に移動したときには該立脚は内側に
向かって曲がるとともにZMP位置が機体の内側に移動
したときには該立脚は外側に向かって曲がるように構成
される。また、床反力が小さいときには、ZMP位置が
機体の前方に移動したときには該立脚は前方に向かって
曲がるとともにZMP位置が機体の後方に移動したとき
には該立脚は後方に向かって曲がるが、床反力が大きく
なるに従い、逆に、ZMP位置が機体の前方に移動した
ときには該立脚は後方に向かって曲がるとともにZMP
位置が機体の後方に移動したときには該立脚は前方に向
かって曲がるように構成される。
【0068】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、単
脚支持前期の体幹部に対して、進行方向と直交する方向
において、床反力が小さいときにはZMP位置がZMP
安定領域の中心から外れるにつれてZMP位置がZMP
安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボット
の変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きく
なるに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から外
れるにつれてZMP位置がZMP安定領域の中心に向か
うようなロボットの変形量若しくは運動量が生じるよう
な空間歪みを与えるようにしてもよい。また、進行方向
において、床反力が小さいときには、ZMP位置がZM
P安定領域の中心から外れるにつれてZMP位置がZM
P安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボッ
トの変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大き
くなるに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から
外れるにつれてZMP位置がZMP安定領域の中心に向
かうようなロボットの変形量若しくは運動量が発生する
ような空間歪みを与えるようにしてもよい。
【0069】このような場合、床反力が小さいときに
は、ZMP位置が機体の外側に移動したときには体幹部
は外側に向かって曲がるとともにZMP位置が機体の内
側に移動したときには体幹部は内側に向かって曲がる
が、床反力が大きくなるに従い、逆に、ZMP位置が機
体の外側に移動したときには体幹部は内側に向かって曲
がるとともにZMP位置が機体の内側に移動したときに
は体幹部は外側に向かって曲がるように構成される。ま
た、床反力が小さいときには、ZMP位置が機体の前方
に移動したときには体幹部は前方に向かって曲がるとと
もにZMP位置が機体の後方に移動したときには体幹部
は後方に向かって曲がるが、床反力が大きくなるに従
い、逆に、ZMP位置が機体の前方に移動したときには
体幹部は後方に向かって曲がるとともにZMP位置が機
体の後方に移動したときには体幹部は前方に向かって曲
がるように構成される。
【0070】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、略
平板状の足平フレームと、前記足平フレームの底面に配
置された、初期の比較的変形量が大きな領域とそれ以後
の比較的変形量が小さな領域からなる非線型弾性特性を
持つ足底緩衝体と、前記足平フレームの上面の略中央に
配設された、前記脚式移動ロボットの稼働脚と連結する
ための足首連結部と、で構成される各可動脚の足部構造
であってもよい。
【0071】このように非線形変形特性を持つ足底緩衝
体を使用することにより、まず路面と接触を開始すると
足底緩衝体が変形を開始することから、充分な緩衝作用
を期待することができる。また、さらに変形が進行する
と、非線形特性により今度は印加荷重当りの変形量が減
少していくので、過度の変形により足底が不安定となる
ことはない。言い換えれば、前記ZMP挙動空間制御手
段が足部構造により構成されることにより、ZMP位置
がZMP安定領域の内側に向かうようなロボットの変形
量や運動量を生じさせるような空間歪みを持ったZMP
挙動空間を与えることができる。
【0072】また、前記ZMP挙動空間制御手段は、前
記可動脚における関節自由度を実現する1以上の関節ア
クチュエータと、前記関節アクチュエータを前記脚式移
動ロボットの機体の内側から支持するための、第1の剛
性を持つ内側支持体と、前記関節アクチュエータを前記
脚式移動ロボットの機体の外側から支持するための、第
1の剛性よりも比較的大きな第2の剛性を持つ外側支持
体と、で構成される各可動脚の脚部構造であってもよ
い。
【0073】このような脚部構造からなるZMP挙動空
間制御手段を備えることにより、予期しない外乱がロボ
ットの機体に発生した場合であっても、ZMPが機体の
外側すなわち土踏まずの反対側に移動しにくくなるよう
に作用することができる。この結果、脚式移動ロボット
全体としては、横方向の外乱に対するロバスト性が強化
されるので、機体の姿勢安定化制御が著しく容易とな
る。言い換えれば、外乱によりZMPが機体の内側すな
わち土踏まず側に移動するように誘導される。すなわ
ち、ZMP位置がZMP安定領域の内側に向かうような
ロボットの変形量又は運動量を生じさせるような空間歪
みをZMP挙動空間に与えることができる。例えば、脚
式移動ロボットは、予期しない外乱により土踏まず側す
なわち左右の両足に間に向かってZMPが移動した場合
には、遊脚を高速に着地させることで、安定領域を倍増
させることができ、転倒を容易に防ぐことができる。
【0074】また、本発明の第2の側面は、少なくとも
複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットのための足部
構造であって、略平板状の足平フレームと、前記足平フ
レームの底面に配置された、初期の比較的変形量が大き
な領域とそれ以後の比較的変形量が小さな領域からなる
非線型弾性特性を持つ足底緩衝体と、前記足平フレーム
の上面の略中央に配設された、前記脚式移動ロボットの
稼働脚と連結するための足首連結部と、を具備すること
を特徴とする脚式移動ロボットのための足部構造であ
る。
【0075】前記足底緩衝体は、例えば、高さが相違す
る2以上の緩衝部材を前記足平フレームの底面の所定部
位に配設することによって構成される。高さが相違する
緩衝部材を組み合わせることにより、足底緩衝体の非線
形な変形特性を比較的容易に実現することができる。
【0076】このように非線形変形特性を持つ足底緩衝
体を使用することにより、まず路面と接触を開始すると
足底緩衝体が変形を開始することから、充分な緩衝作用
を期待することができる。また、さらに変形が進行する
と、非線形特性により今度は印加荷重当りの変形量が減
少していくので、過度の変形により足底が不安定となる
ことはない。言い換えれば、本発明の第2の側面に係る
脚式移動ロボットのための足部構造によれば、ZMP位
置がZMP安定領域の内側に向かうようなロボットの変
形量や運動量を生じさせるような空間歪みを持ったZM
P挙動空間を与えることができる。
【0077】また、前記足底緩衝体は、前記足平フレー
ムの底面の内側並びに外側にそれぞれ配設してもよい。
このような場合、前記足平フレームの底面の内側並びに
外側にそれぞれ配設され、且つ、内側よりも外側の足底
緩衝体の弾性係数を高く設定するようにしてもよい。
【0078】内側と外側の足底緩衝体の変形特性の相違
により、高い衝撃力が印加されたときには、内側足底緩
衝体の方がより深く沈み込むことになる。この結果、こ
の足平フレーム上に搭載された脚部ユニットが、ロボッ
トの機体の内側すなわち中心側(土踏まず側)に向かっ
て傾くことになり、ロボットのZMPを機体の内側に向
かわせながら遊脚を着地させることで安定領域を倍増さ
せる方向へ移動させて、姿勢の安定性・制御性を向上さ
せるという効果を導出することができる。
【0079】また、前記足平フレームは、前記脚式移動
ロボットのピッチ軸回りよりもロール軸回りの剛性を強
化してもよい。例えば、足平フレームの上面及び/又は
底面の所定部位に凹部を形設することにより、前記脚式
移動ロボットのピッチ軸回りよりもロール軸回りの剛性
を強化することができる。
【0080】2足直立タイプの脚式移動ロボットは、一
般に、歩行方向すなわち前後方向(ピッチ軸回り方向)
に比し、横方向(ロール軸回り方向)のZMPの存在範
囲が狭い。言い換えれば、ロール軸回りの外乱に対する
ロバスト性が低いため、横方向すなわちロール軸回りに
対しては非常に高い制御精度が要求されている。本発明
に係る足部構造によれば、ロール軸回りの剛性を強化す
ることができ、横方向の外乱に対するロバスト性を著し
く向上させるという効果を導出することができる。この
結果、2足直立歩行ロボットの姿勢安定制御が容易にな
る。
【0081】また、本発明の第3の側面は、少なくとも
1組の左右の可動脚ユニットを備えて脚式作業を行うタ
イプの脚式移動ロボットであって、前記可動脚ユニット
は、前記可動脚における関節自由度を実現する1以上の
関節アクチュエータと、前記関節アクチュエータを前記
脚式移動ロボットの機体の内側から支持するための、第
1の剛性を持つ内側支持体と、前記関節アクチュエータ
を前記脚式移動ロボットの機体の外側から支持するため
の、第1の剛性よりも比較的大きな第2の剛性を持つ外
側支持体と、を具備することを特徴とする脚式移動ロボ
ットである。
【0082】本発明の第3の側面に係る脚式移動ロボッ
トによれば、左右それぞれの可動脚ユニットについて、
その外側支持体と内側支持体とで剛性を異ならせる構
造、すなわち内側支持体に比し外側支持体の剛性(特に
曲げ剛性)を強化した構造を採用する。このような構成
を採用することによって、予期しない外乱がロボットの
機体に発生した場合であっても、ZMPが機体の外側す
なわち土踏まずの反対側に移動しにくくなるように作用
することができる。この結果、脚式移動ロボット全体と
しては、横方向の外乱に対するロバスト性が強化される
ので、機体の姿勢安定化制御が著しく容易となる。
【0083】言い換えれば、本発明の第3の側面によれ
ば、外乱によりZMPが機体の内側すなわち土踏まず側
に移動するように誘導される。すなわち、ZMP位置が
ZMP安定領域の内側に向かうようなロボットの変形量
又は運動量を生じさせるような空間歪みをZMP挙動空
間に与えることができる。例えば、脚式移動ロボット
は、予期しない外乱により土踏まず側すなわち左右の両
足に間に向かってZMPが移動した場合には、遊脚を高
速に着地させることで、安定領域を倍増させることがで
き、転倒を容易に防ぐことができる。
【0084】ここで、第2の剛性は、第1の剛性の1.
2倍以上の曲げ剛性であることが好ましい。更に言え
ば、第2の剛性は、第1の剛性の1.5〜2.0倍程度
であることがより好ましい。
【0085】このような第1の剛性と第2の剛性の相違
は、前記内側支持体と前記外側支持体の肉厚の相違によ
り実現される。
【0086】あるいは、第1の剛性と第2の剛性の相違
は、前記内側支持体と前記外側支持体の形状の相違によ
り実現される。
【0087】あるいは、第1の剛性と第2の剛性の相違
は、前記内側支持体と前記外側支持体を強度の異なる素
材を用いて構成することによっても実現される。
【0088】また、前記可動脚の関節自由度は、少なく
とも大腿部ロール軸並びに膝関節ロール軸回りの各自由
度を含んでいてもよい。さらに、足平と連結するための
足首関節の自由度を備えていてもよい。
【0089】また、本発明の第4の側面は、脚式作業を
行う脚式移動ロボットに対して左右の組み合わせで用い
られる可動脚ユニットであって、前記可動脚における関
節自由度を実現する1以上の関節アクチュエータと、前
記関節アクチュエータを前記脚式移動ロボットの機体の
内側から支持するための、第1の剛性を持つ内側支持体
と、前記関節アクチュエータを前記脚式移動ロボットの
機体の外側から支持するための、第1の剛性よりも比較
的大きな第2の剛性を持つ外側支持体と、を具備するこ
とを特徴とする脚式移動ロボットのための可動脚ユニッ
トである。
【0090】本発明の第4の側面に係る可動脚ユニット
を左右1組にして搭載した脚式移動ロボットにおいて
は、左右それぞれの可動脚ユニットの外側支持体と内側
支持体とで剛性を異ならせる構造、すなわち内側支持体
に比し外側支持体の剛性(特に曲げ剛性)を強化した構
造となる。したがって、予期しない外乱がロボットの機
体に発生した場合であっても、ZMPが機体の外側すな
わち土踏まずの反対側に移動しにくくなるように作用す
ることができる。この結果、脚式移動ロボット全体とし
ては、横方向の外乱に対するロバスト性が強化されるの
で、機体の姿勢安定化制御が著しく容易となる。
【0091】言い換えれば、本発明の第4の側面によれ
ば、外乱によりZMPが機体の内側すなわち土踏まず側
に移動するように誘導される。すなわち、ZMP位置が
ZMP安定領域の内側に向かうようなロボットの変形量
又は運動量を生じさせるような空間歪みをZMP挙動空
間に与えることができる。例えば、当該可動脚ユニット
を搭載した脚式移動ロボットは、予期しない外乱により
土踏まず側すなわち左右の両足に間に向かってZMPが
移動した場合には、遊脚を高速に着地させることで、安
定領域を倍増させることができ、転倒を容易に防ぐこと
ができる。
【0092】ここで、第2の剛性は、第1の剛性の1.
2倍以上の曲げ剛性であることが好ましい。更に言え
ば、第2の剛性は、第1の剛性の1.5〜2.0倍程度
であることがより好ましい。
【0093】このような第1の剛性と第2の剛性の相違
は、前記内側支持体と前記外側支持体の肉厚の相違によ
り実現される。
【0094】あるいは、第1の剛性と第2の剛性の相違
は、前記内側支持体と前記外側支持体の形状の相違によ
り実現される。
【0095】あるいは、第1の剛性と第2の剛性の相違
は、前記内側支持体と前記外側支持体を強度の異なる素
材を用いて構成することによっても実現される。
【0096】また、前記可動脚の関節自由度は、少なく
とも大腿部ロール軸並びに膝関節ロール軸回りの自由度
を含んでいてもよい。さらに、足平と連結するための足
首関節の自由度を備えていてもよい。
【0097】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、
後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより
詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0098】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態について詳解する。
【0099】A.ロボットの構成 図3及び図4には本発明の実施に供される「人間形」又
は「人間型」の脚式移動ロボット100が直立している
様子を前方及び後方の各々から眺望した様子を示してい
る。図示の通り、脚式移動ロボット100は、体幹部1
01と、頭部102と、左右の上肢部103と、脚式移
動を行う左右2足の下肢部104と、機体の動作を統括
的にコントロールする制御部105とで構成される。
【0100】左右各々の下肢104は、大腿部と、膝関
節と、脛部と、足首と、足平とで構成され、股関節によ
って体幹部の略最下端にて連結されている。また、左右
各々の上肢は、上腕と、肘関節と、前腕とで構成され、
肩関節によって体幹部の上方の左右各側縁にて連結され
ている。また、頭部は、首関節によって体幹部の略最上
端中央に連結されている。
【0101】制御部105は、この脚式移動ロボット1
00を構成する各関節アクチュエータの駆動制御や各セ
ンサ(後述)などからの外部入力を処理するコントロー
ラ(主制御部)や、電源回路その他の周辺機器類を搭載
した筐体である。制御部は、その他、遠隔操作用の通信
インターフェースや通信装置を含んでいてもよい。ま
た、図3及び図4に示す例では、脚式移動ロボット10
0が制御部を背中に背負うような格好となっているが、
制御部の設置場所は特に限定されない。
【0102】このように構成された脚式移動ロボット1
00は、制御部105による全身協調的な動作制御によ
り、2足歩行を実現することができる。かかる2足歩行
は、一般に、以下に示す各動作期間に分割される歩行周
期を繰り返すことによって行われる。すなわち、
【0103】(1)右脚を持ち上げた、左脚による単脚
支持期 (2)右脚が接地した両脚支持期 (3)左脚を持ち上げた、右脚による単脚支持期 (4)左脚が接地した両脚支持期
【0104】脚式移動ロボット100における歩行制御
は、あらかじめ下肢の目標軌道を計画し、上記の各期間
において計画軌道の修正を行うことによって実現され
る。すなわち、両脚支持期では、下肢軌道の修正を停止
して、計画軌道に対する総修正量を用いて腰の高さを一
定値で修正する。また、単脚支持期では、修正を受けた
脚の足首と腰との相対位置関係を計画軌道に復帰させる
ように修正軌道を生成する。具体的な修正は、ZMPに
対する偏差を小さくするための位置、速度、及び加速度
が連続となるように、5次多項式を用いた補間計算によ
り行う。
【0105】図5には、この脚式移動ロボット100が
具備する関節自由度構成を模式的に示している。同図に
示すように、脚式移動ロボット100は、2本の腕部と
頭部1を含む上肢と、移動動作を実現する2本の脚部か
らなる下肢と、上肢と下肢とを連結する体幹部とで構成
された、複数の肢を備えた構造体である。
【0106】頭部1を支持する首関節は、首関節ヨー軸
2と、首関節ピッチ軸3と、首関節ロール軸4という3
自由度を有している。
【0107】また、各腕部は、肩関節ピッチ軸8と、肩
関節ロール軸9と、上腕ヨー軸10と、肘関節ピッチ軸
11と、前腕ヨー軸12と、手首関節ピッチ軸13と、
手首関節ロール軸14と、手部15とで構成される。手
部15は、実際には、複数本の指を含む多関節・多自由
度構造体である。但し、手部15の動作はロボット10
0の姿勢制御や歩行制御に対する寄与や影響が少ないの
で、本明細書ではゼロ自由度と仮定する。したがって、
各腕部は7自由度を有するとする。
【0108】また、体幹部は、体幹ピッチ軸5と、体幹
ロール軸6と、体幹ヨー軸7という3自由度を有する。
【0109】また、下肢を構成する各々の脚部は、股関
節ヨー軸16と、股関節ピッチ軸17と、股関節ロール
軸18と、膝関節ピッチ軸19と、足首関節ピッチ軸2
0と、足首関節ロール軸21と、足部22とで構成され
る。人体の足部22は実際には多関節・多自由度の足底
を含んだ構造体であるが、本実施形態に係る脚式移動ロ
ボット100の足底はゼロ自由度とする。したがって、
各脚部は6自由度で構成される。
【0110】以上を総括すれば、本実施例に係る脚式移
動ロボット100全体としては、合計で3+7×2+3
+6×2=32自由度を有することになる。但し、エン
ターティンメント向けの脚式移動ロボット100が必ず
しも32自由度に限定される訳ではない。設計・製作上
の制約条件や要求仕様などに応じて、自由度すなわち関
節数を適宜増減することができることは言うまでもな
い。
【0111】上述したような脚式移動ロボット100が
持つ各自由度は、実際にはアクチュエータを用いて実装
される。外観上で余分な膨らみを排してヒトの自然体形
状に近似させること、2足歩行という不安定構造体に対
して姿勢制御を行うことなどの要請から、アクチュエー
タは小型且つ軽量であることが好ましい。本実施例で
は、ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化して
モータ・ユニットに内蔵したタイプの小型ACサーボ・
アクチュエータを搭載することとした。なお、この種の
ACサーボ・アクチュエータに関しては、例えば本出願
人に既に譲渡されている特開2000−299970号
公報(特願平11−33386号)に開示されている。
【0112】図6には、本実施形態に係る脚式移動ロボ
ット100の制御システム構成を模式的に示している。
同図に示すように、該制御システムは、ユーザ入力など
に動的に反応して情緒判断や感情表現を司る思考制御モ
ジュール200と、関節アクチュエータの駆動などロボ
ットの全身協調運動を制御する運動制御モジュール30
0とで構成される。
【0113】思考制御モジュール200は、情緒判断や
感情表現に関する演算処理を実行するCPU(Central
Processing Unit)211や、RAM(Random Access M
emory)212、ROM(Read Only Memory)213、
及び、外部記憶装置(ハード・ディスク・ドライブなど)
214で構成される、モジュール内で自己完結した処理
を行うことができる、独立駆動型の情報処理装置であ
る。
【0114】思考制御モジュール200は、情緒判断や
感情表現に関する演算処理を実行するCPU(Central
Processing Unit)211や、RAM(Random Access M
emory)212、ROM(Read Only Memory)213、
及び、外部記憶装置(ハード・ディスク・ドライブなど)
214で構成される、モジュール内で自己完結した処理
を行うことができる独立した情報処理装置である。
【0115】思考制御モジュール200では、画像入力
装置251から入力される視覚データや音声入力装置2
52から入力される聴覚データなど、外界からの刺激な
どに従って、脚式移動ロボット100の現在の感情や意
思を決定する。さらに、意思決定に基づいた動作(アク
ション)又は行動シーケンス(ビヘイビア)、すなわち
四肢の運動を実行するように、運動制御モジュール30
0に対して指令を発行する。
【0116】一方の運動制御モジュール300は、ロボ
ット100の全身協調運動を制御するCPU(Central
Processing Unit)311や、RAM(Random Access M
emory)312、ROM(Read Only Memory)313、
及び、外部記憶装置(ハード・ディスク・ドライブなど)
314で構成される、モジュール内で自己完結した処理
を行うことができる、独立駆動型の情報処理装置であ
る。外部記憶装置314には、例えば、オフラインで算
出された歩行パターンやZMP目標軌道、その他の行動
計画を蓄積することができる。
【0117】運動制御モジュール300には、ロボット
100の全身に分散するそれぞれの関節自由度を実現す
る各関節アクチュエータ(図5を参照のこと)、体幹部
の姿勢や傾斜を計測する姿勢センサ351、左右の足底
の離床又は着床を検出する接地確認センサ352及び3
53、バッテリなどの電源を管理する電源制御装置など
の各種の装置が、バス・インターフェース301経由で
接続されている。
【0118】思考制御モジュール200と運動制御モジ
ュール300は、共通のプラットフォーム上で構築さ
れ、両者間はバス・インターフェース201及び301
を介して相互接続されている。
【0119】運動制御モジュール300では、思考制御
モジュール200から指示された行動を体現すべく、各
関節アクチュエータによる全身協調運動を制御する。す
なわち、CPU311は、思考制御モジュール200か
ら指示された行動に応じた動作パターンを外部記憶装置
314から取り出し、又は、内部的に動作パターンを生
成する。そして、CPU311は、指定された動作パタ
ーンに従って、足部運動、ZMP軌道、体幹運動、上肢
運動、腰部水平位置及び高さなどを設定するとともに、
これらの設定内容に従った動作を指示する指令値を各関
節アクチュエータに転送する。
【0120】また、CPU311は、姿勢センサ351
の出力信号によりロボット100の体幹部分の姿勢や傾
きを検出するとともに、各接地確認センサ352及び3
53の出力信号により各可動脚が遊脚又は立脚のいずれ
の状態であるかを検出することによって、脚式移動ロボ
ット100の全身協調運動を適応的に制御することがで
きる。
【0121】また、CPU311は、ZMP位置が常に
ZMP安定領域の中心に向かうように、機体の姿勢や動
作を制御する。
【0122】さらに、運動制御モジュール300は、思
考制御モジュール200において決定された意思通りの
行動がどの程度発現されたか、すなわち処理の状況を、
思考制御モジュール200に返すようになっている。
【0123】B.ロボットの姿勢制御 脚式移動ロボットの多くは、ZMP(Zero Moment Poin
t)を歩行の安定度判別の規範として採用する。
【0124】ZMPによる安定度判別規範は、歩行系か
ら路面には重力と慣性力、並びにこれらのモーメントが
路面から歩行系への反作用としての床反力、並びに床反
力モーメントとバランスするという「ダランベールの原
理」に基づくものであり、「歩行のあらゆる瞬間におい
て、ZMPが足部と路面とが形成する支持多角形の内側
に存在し、且つ、ロボットが路面に押す方向の力が作用
すれば、ロボットが転倒(機体が回転運動)することな
く安定に歩行できる」とするものである。
【0125】ZMPを安定度判別規範に用いたロボット
の姿勢安定度制御は、足底接地点と路面の形成する支持
多角形の内側にピッチ及びロール軸モーメントがゼロと
なる点を探索することをベースとする。ZMP安定度判
別規範に基づく2足歩行パターン生成によれば、足底着
地点をあらかじめ設定することができ、路面形状に応じ
た足先の運動学的拘束条件を考慮し易いなどの利点があ
る。また、ZMPを安定度判別規範とすることは、力で
はなく軌道を運動制御上の目標値として扱うことを意味
するので、技術的に実現可能性が高まる。
【0126】しかしながら、[従来の技術の欄]でも既
に説明したように、ZMP規範は、ロボットの機体及び
路面が剛体に限りなく近いと仮定できる場合のみ適用す
ることができる規範に過ぎない。すなわち、ロボットや
路面が剛体に限りなく近いと仮定できない場合、例え
ば、ロボットが高速に動くことでZMPに作用している
(並進)力や、立脚切替え時の衝撃力が大きくなり、ロ
ボット自身に変形や運動が発生してしまう場合には、印
加される力に対するロボットの変形量を適切に管理しな
いと、ZMPが存在している空間自体が不安定になって
しまい、仮にロボットの姿勢がZMP安定度判別規範を
満たしても、不安定なZMP位置をとるために、ロボッ
トの姿勢が不安定になってしまう。
【0127】また、ZMP位置がZMP安定領域から逸
脱してはじめて補正制御をかけるという事後的制御で
は、充分な速度で応答できず、外乱などに対するロバス
ト性が高くない。
【0128】そこで、本実施形態では、ロボットの機体
の変形量や運動量を考慮して安定したZMP挙動空間を
持つロボット・システム構成を採用する。ZMP挙動空
間はZMP位置と機体が床面から受ける床反力で定義さ
れるが、本実施形態では機体が安定するような変形量や
運動量が発生するように、ZMP挙動空間に所定の歪み
又は所定の特性があらかじめ与えられている。
【0129】したがって、ZMP位置の移動量が所定の
領域を越えてはじめて事後的な補正制御を開始するので
はなく、あらかじめロボットの姿勢が安定するような空
間歪みが与えられているので、機体の制御機構が充分な
応答速度を持たなくても、外乱などに対して高いロバス
ト性を得ることができる。
【0130】ここで、ロボットの変形量(若しくは運動
量)の正負は、負がZMPを安定領域の縁に移動させよ
うとする空間歪みを生じさせる方向となり、正がZMP
を安定領域の中心に移動させようとする空間歪みを生じ
させる方向となる、という点に留意されたい。
【0131】図7には、ロボットの変形量又は運動量と
ZMP位置との関係を表したZMP挙動空間の構成例を
示している。
【0132】同図に示す例では、ZMP挙動空間は、放
物線又は円弧で表される非線型曲線で構成される。ま
た、図示しないが、不連続点や変曲点を含んでいてもよ
い。
【0133】ZMP位置がZMP安定領域内の略中央付
近においては、ロボットに大きな変形量(若しくは運動
量)は発生しないので、そのままの状態ではロボットは
機体の姿勢安定性を失うことはない。
【0134】また、ZMP位置がZMP安定領域の中央
から離れるにつれて、ロボットの変形量(若しくは運動
量)は正方向に増大していく。これに伴って、ZMPを
安定領域の中心に移動させようとする空間歪みを生じさ
せる作用が働くので、やはり機体の姿勢安定性を維持し
易くなる。
【0135】また、図8には、ロボットの変形量又は運
動量とZMP位置との関係を表したZMP挙動空間の他
の構成例を示している。
【0136】同図に示す例では、ZMP挙動空間は、Z
MP安定領域の略中央付近の線形直線と、その左右両端
で接続される非線型曲線とで構成され、直線と曲線の間
で不連続点を含んでいる。また、図示しないが変曲点を
含んでいてもよい。
【0137】ZMP位置がZMP安定領域の略中央付近
では、平坦すなわちロボットに大きな変形量(若しくは
運動量)は発生しないので、そのままの状態ではロボッ
トは機体の姿勢安定性を失うことはない。
【0138】また、ZMP位置が平坦な領域を逸脱する
と、ロボットの変形量(若しくは運動量)は正方向に急
激に増大していく。これに伴って、ZMPを安定領域の
中心に移動させようとする空間歪みを生じさせる作用が
働くので、積極的な運動制御がなくても、機体の姿勢安
定性を維持し易くなる。
【0139】また、図9には、ロボットの変形量又は運
動量とZMP位置との関係を表したZMP挙動空間のさ
らに他の構成例を示している。
【0140】同図に示す例では、ZMP挙動空間は、複
数の線形直線を連結して構成され、複数の不連続点を含
んでいる。
【0141】ZMP位置がZMP安定領域の略中央付近
では、ZMP中央位置からの距離に応じてロボットの変
形量(若しくは運動量)が徐々に正方向に増大する比較
的傾斜が緩やかな直線でZMP挙動空間が形成される。
また、ZMP中央位置からの距離が所定値に到達した時
点で、ZMP中央位置からの距離に応じてロボットの変
形量(若しくは運動量)が急激に正方向に増大していく
比較的傾斜が急な直線でZMP挙動空間が形成されてい
る。
【0142】図示の例では、ZMP位置がZMP安定領
域の略中央付近では、ZMPを安定領域の中心に移動さ
せようとする空間歪みを生じさせる比較的弱い作用が働
くとともに、ZMP位置がZMP中央位置からある距離
から離れた時点では、ZMPを安定領域の中心に移動さ
せようとする空間歪みを生じさせる比較的強い作用が働
くことになる。したがって、積極的な運動制御がなくて
も、同様に機体の姿勢安定性を維持し易くなる。
【0143】また、図10には、ロボットの変形量又は
運動量とZMP位置との関係を表したZMP挙動空間の
さらに他の構成例を示している。
【0144】同図に示す例では、ZMP挙動空間は、非
線型曲線で構成され、ZMP安定領域の略中央位置に極
小点を持つとともに、ZMP安定領域の境界の近くで極
大点を有している。
【0145】このようなZMP挙動空間においては、Z
MP位置が左右の極大点の内側では、ZMP中央位置か
らの距離に応じてロボットの変形量(若しくは運動量)
は正方向に増大するので、機体の姿勢安定性の維持が容
易な姿勢安定モードを形成する。
【0146】他方、ZMP位置が左右の極大点の外側で
は、ロボットの変形量(若しくは運動量)は徐々に減少
していき、ZMPを安定領域の中心に移動させようとす
る空間歪みは低下していく。この結果、機体は姿勢の安
定性を失い易くなり、転倒モードを形成する。
【0147】また、図11には、ロボットの変形量又は
運動量とZMP位置との関係を表したZMP挙動空間の
さらに他の構成例を示している。
【0148】同図に示す例では、複数の線形直線を連結
して構成され、複数の不連続点を含んでいる。ZMP安
定領域の略中央付近では、ZMP中央位置からの距離に
応じてロボットの変形量(若しくは運動量)が徐々に負
方向に増大する比較的傾斜が緩やかな直線でZMP挙動
空間が形成される。また、ZMP中央位置からの距離が
所定値に到達した時点で、平坦となる。
【0149】この場合のZMP挙動空間は、ZMP安定
領域内のいずれの位置においてもロボットの変形量(若
しくは運動量)が負方向にのみ作用し、ZMP位置がそ
の中央位置からある程度以上離れると、ZMPを安定領
域外に移動させようとする空間ひずみは一定量になる。
したがって、不安定ではあるが制御が比較的容易なZM
P挙動空間であると言える。
【0150】次いで、図3〜図5に示すような2足の脚
式移動ロボット100が歩行動作を行う場合を例にとっ
て、ZMP挙動空間について考察してみる。本実施形態
では、ZMP挙動空間はZMP安定領域の略中央にZM
P位置が向かうような空間歪みが与えられており、機体
が安定する方向にZMP位置が自ずと移動するように、
床反力に応じた機体の変形量若しくは運動量が発生する
ようになっている。
【0151】図12及び図13には、単脚支持期後期の
左立脚におけるY方向(進行方向と直交方向)並びにX
方向(進行方向)のZMP挙動空間の構成例をそれぞれ
示している。
【0152】図12に示すように、単脚支持期後期の左
立脚におけるY方向のZMP挙動空間は、床反力が小さ
いときにはZMP位置がZMP安定領域の中心から外れ
るにつれて負方向すなわちZMP位置がZMP安定領域
の中心から外れる方向に向かうようなロボットの変形量
若しくは運動量が発生するが、床反力が大きくなるにつ
れてZMP位置が機体の外側に向かって移動したときに
はロボットの変形量若しくは運動量が生じなくなるよう
な空間歪みが与えられている。この結果、支持脚として
左立脚においては、ZMP位置のY方向への移動量にほ
ぼ線形的に曲がり量が減少する。床反力が小さいときに
は、ZMP位置が機体の内側に移動したときには左立脚
は内側に向かって曲がるとともに、ZMP位置が機体の
外側に移動したときには左立脚は外側に向かって曲がる
が、床反力が大きくなるにつれて、ZMP位置が機体の
外側に移動しても左立脚は外側には曲がり難くなるよう
に構成されている。
【0153】なお、ロボットの総重量を100としたと
きに、床反力が100以上となるときに床反力が「大き
い」と言い、床反力が20〜100程度のときには床反
力が「中」と言い、また、床反力が20以下となるとき
に床反力が「小さい」と言う(以下同様)。但し、これ
らはだいたいの目安であって、ロボットの機体構造、重
量によって変更しても構わない。特に、「床反力が小さ
い」ということを定性的に表現すると、両足支持期に、
一方の足でほぼ全身を支えている際の他方の足に加わっ
ている程度の床反力を言う。
【0154】また、図13に示すように、単脚支持期後
期の左立脚におけるX方向のZMP挙動空間は、ZMP
位置がZMP安定領域の中心から外れるにつれて負方向
すなわちZMP位置がZMP安定領域の中心から外れる
方向に向かうようなロボットの変形量若しくは運動量が
発生するが、床反力が大きくなるに従い、機体に発生す
る変形量若しくは運動量が次第に小さくなっていくよう
な空間歪みが与えられている。この結果、支持脚として
左立脚においては、ZMP位置のX方向への移動量にほ
ぼ線形的に曲がり量が減少する。床反力が小さいときに
は、ZMP位置が機体の前方に移動したときには左立脚
は前方に向かって曲がるとともに、ZMP位置が機体の
後方に移動したときには左立脚は後方に向かって曲がる
が、床反力が大きくなるにつれて、ZMP位置が前方又
は後方のいずれに移動しても左立脚は曲がり難くなるよ
うに構成されている。
【0155】図14及び図15には、単脚支持期後期の
左立脚におけるY方向(進行方向と直交方向)並びにX
方向(進行方向)の理想的なZMP挙動空間の構成例を
それぞれ示している。
【0156】図14に示すように、単脚支持期後期の左
立脚におけるY方向の理想的なZMP挙動空間は、床反
力が小さいときにはZMP位置がZMP安定領域の中心
から外れるにつれて負方向すなわちZMP位置がZMP
安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボット
の変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きく
なるに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から外
れるにつれて正方向すなわちZMP位置がZMP安定領
域の中心に向かうようなロボットの変形量若しくは運動
量が生じるような空間歪みが与えられている。この結
果、床反力が小さいときには、ZMP位置が機体の内側
に移動したときには左立脚は内側に向かって曲がるとと
もにZMP位置が機体の外側に移動したときには左立脚
は外側に向かって曲がるが、床反力が大きくなるに従
い、逆に、ZMP位置が機体の内側に移動したときには
左立脚は外側に向かって曲がるとともにZMP位置が機
体の外側に移動したときには左立脚は内側に向かって曲
がるように構成されている。
【0157】また、図15に示すように、単脚支持期後
期の左立脚におけるX方向の理想的なZMP挙動空間
は、床反力が小さいときには、ZMP位置がZMP安定
領域の中心から外れるにつれて負方向すなわちZMP位
置がZMP安定領域の中心から外れる方向に向かうよう
なロボットの変形量若しくは運動量が発生するが、床反
力が大きくなるに従い、逆に、ZMP位置がZMP安定
領域の中心から外れるにつれて正方向すなわちZMP位
置がZMP安定領域の中心に向かうようなロボットの変
形量若しくは運動量が発生するような空間歪みが与えら
れている。この結果、床反力が小さいときには、ZMP
位置が機体の前方に移動したときには左立脚は前方に向
かって曲がるとともにZMP位置が機体の後方に移動し
たときには左立脚は後方に向かって曲がるが、床反力が
大きくなるに従い、逆に、ZMP位置が機体の前方に移
動したときには左立脚は後方に向かって曲がるとともに
ZMP位置が機体の後方に移動したときには左立脚は前
方に向かって曲がるように構成されている。
【0158】図16及び図17には、単脚支持期後期の
体幹部におけるY方向(進行方向と直交方向)並びにX
方向(進行方向)の理想的なZMP挙動空間の構成例を
それぞれ示している。
【0159】図16に示すように、単脚支持期後期の体
幹部におけるY方向の理想的なZMP挙動空間は、床反
力が小さいときにはZMP位置がZMP安定領域の中心
から外れるにつれて負方向すなわちZMP位置がZMP
安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボット
の変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きく
なるに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から外
れるにつれて正方向すなわちZMP位置がZMP安定領
域の中心に向かうようなロボットの変形量若しくは運動
量が生じるような空間歪みが与えられている。この結
果、床反力が小さいときには、ZMP位置が機体の内側
に移動したときには体幹部は内側に向かって曲がるとと
もにZMP位置が機体の外側に移動したときには体幹部
は外側に向かって曲がるが、床反力が大きくなるに従
い、逆に、ZMP位置が機体の内側に移動したときには
体幹部は外側に向かって曲がるとともにZMP位置が機
体の外側に移動したときには体幹部は内側に向かって曲
がるように構成されている。
【0160】また、図17に示すように、単脚支持期後
期の体幹部におけるX方向の理想的なZMP挙動空間
は、床反力が小さいときには、ZMP位置がZMP安定
領域の中心から外れるにつれて負方向すなわちZMP位
置がZMP安定領域の中心から外れる方向に向かうよう
なロボットの変形量若しくは運動量が発生するが、床反
力が大きくなるに従い、逆に、ZMP位置がZMP安定
領域の中心から外れるにつれて正方向すなわちZMP位
置がZMP安定領域の中心に向かうようなロボットの変
形量若しくは運動量が発生するような空間歪みが与えら
れている。この結果、床反力が小さいときには、ZMP
位置が機体の前方に移動したときには体幹部は前方に向
かって曲がるとともにZMP位置が機体の後方に移動し
たときには体幹部は後方に向かって曲がるが、床反力が
大きくなるに従い、逆に、ZMP位置が機体の前方に移
動したときには体幹部は後方に向かって曲がるとともに
ZMP位置が機体の後方に移動したときには体幹部は前
方に向かって曲がるように構成されている。
【0161】図18及び図19には、両脚支持期の左立
脚におけるY方向(進行方向と直交方向)並びにX方向
(進行方向)のZMP挙動空間の構成例をそれぞれ示し
ている。
【0162】図18に示すように、両脚支持期の左立脚
におけるY方向のZMP挙動空間は、ZMP位置がZM
P安定領域の中心から外れるにつれて負方向すなわちZ
MP位置がZMP安定領域の中心から外れる方向に向か
うようなロボットの変形量若しくは運動量が発生する
が、床反力が大きくなるに従い、機体に発生する変形量
若しくは運動量が次第に小さくなっていくような空間歪
みが与えられている。両脚支持期では2本の脚で支持す
るため、1本の脚で支持する単脚支持期よりZMP挙動
空間の剛性が高くなり、空間歪みは小さい。この結果、
ZMP位置のY方向への移動量にほぼ線形的に左立脚の
曲がり量が減少する。床反力が小さいときには、ZMP
位置が機体の内側に移動したときには左立脚は内側に向
かって曲がるとともに、ZMP位置が機体の外側に移動
したときには左立脚は外側に向かって曲がるが、床反力
が大きくなるにつれて、ZMP位置が内側又は外側のい
ずれに移動しても左立脚は曲がり難くなるように構成さ
れている。両脚支持期では2本の脚で支持するため1本
の脚で支持する単脚支持期に対し脚の曲がり量は小さ
い。
【0163】また、図19に示すように、両脚支持期の
左立脚におけるX方向のZMP挙動空間は、ZMP位置
がZMP安定領域の中心から外れるにつれて負方向すな
わちZMP位置がZMP安定領域の中心から外れる方向
に向かうようなロボットの変形量若しくは運動量が発生
するが、床反力が大きくなるに従い、機体に発生する変
形量若しくは運動量が次第に小さくなっていくような空
間歪みが与えられている。両脚支持期では2本の脚で支
持するため1本の脚で支持する単脚支持期に対し、ZM
P挙動空間の剛性が高くなり、空間歪みは小さい。この
結果、ZMP位置のX方向への移動量にほぼ線形的に左
立脚の曲がり量が減少する。床反力が小さいときには、
ZMP位置が機体の前方に移動したときには左立脚は前
方に向かって曲がるとともに、ZMP位置が機体の後方
に移動したときには左立脚は後方に向かって曲がるが、
床反力が大きくなるにつれて、ZMP位置が前方又は後
方のいずれに移動しても左立脚は曲がり難くなるように
構成されている。両脚支持期では2本の脚で支持するた
め1本の脚で支持する単脚支持期に対し脚の曲がり量は
小さい。
【0164】図20及び図21には、両脚支持期の左立
脚におけるY方向(進行方向と直交方向)並びにX方向
(進行方向)の理想的なZMP挙動空間の構成例をそれ
ぞれ示している。
【0165】図20に示すように、両脚支持期の左立脚
におけるY方向の理想的なZMP挙動空間は、床反力が
小さいときには、ZMP位置がZMP安定領域の中心か
ら外れるにつれて負方向すなわちZMP位置がZMP安
定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボットの
変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きくな
るに従い、逆に、ZMP位置がZMP安定領域の中心か
ら外れるにつれて正方向すなわちZMP位置がZMP安
定領域の中心に向かうようなロボットの変形量若しくは
運動量が発生するような空間歪みが与えられている。両
脚支持期では2本の脚で支持するため、1本の脚で支持
する単脚支持期よりZMP挙動空間の剛性が高くなり、
空間歪みは小さい。この結果、床反力が小さいときに
は、ZMP位置が機体の内側に移動したときには左立脚
は内側に向かって曲がるとともにZMP位置が機体の外
側に移動したときには左立脚は外側に向かって曲がる
が、床反力が大きくなるに従い、逆に、ZMP位置が機
体の内側に移動したときには左立脚は外側に向かって曲
がるとともにZMP位置が機体の外側に移動したときに
は左立脚は内側に向かって曲がるように構成されてい
る。両脚支持期では2本の脚で支持するため、1本の脚
で支持する単脚支持期に対して脚の曲がり量は小さい。
【0166】また、図21に示すように、両脚支持期の
左立脚におけるX方向の理想的なZMP挙動空間は、床
反力が小さいときには、ZMP位置がZMP安定領域の
中心から外れるにつれて負方向すなわちZMP位置がZ
MP安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボ
ットの変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大
きくなるに従い、逆に、ZMP位置がZMP安定領域の
中心から外れるにつれて正方向すなわちZMP位置がZ
MP安定領域の中心に向かうようなロボットの変形量若
しくは運動量が発生するような空間歪みが与えられてい
る。両脚支持期では2本の脚で支持するため、1本の脚
で支持する単脚支持期よりZMP挙動空間の剛性が高く
なり、空間歪みは小さい。この結果、床反力が小さいと
きには、ZMP位置が機体の前方に移動したときには左
立脚は前方に向かって曲がるとともにZMP位置が機体
の後方に移動したときには左立脚は後方に向かって曲が
るが、床反力が大きくなるに従い、逆に、ZMP位置が
機体の前方に移動したときには左立脚は後方に向かって
曲がるとともにZMP位置が機体の後方に移動したとき
には左立脚は前方に向かって曲がるように構成されてい
る。両脚支持期では2本の脚で支持するため、1本の脚
で支持する単脚支持期の対し、脚の曲がり量は小さい。
【0167】図22及び図23には、両脚支持期の体幹
部におけるY方向(進行方向と直交方向)並びにX方向
(進行方向)の理想的なZMP挙動空間の構成例をそれ
ぞれ示している。
【0168】図22に示すように、両脚支持期の体幹部
におけるY方向の理想的なZMP挙動空間は、床反力が
小さいときには、ZMP位置がZMP安定領域の中心か
ら外れるにつれて負方向すなわちZMP位置がZMP安
定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボットの
変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きくな
るに従い、逆に、ZMP位置がZMP安定領域の中心か
ら外れるにつれて正方向すなわちZMP位置がZMP安
定領域の中心に向かうようなロボットの変形量若しくは
運動量が発生するような空間歪みが与えられている。両
脚支持期では2本の脚で支持するため、1本の脚で支持
する単脚支持期よりZMP挙動空間の剛性が高くなり、
空間歪みは小さい。この結果、床反力が小さいときに
は、ZMP位置が機体の内側に移動したときには体幹部
は内側に向かって曲がるとともにZMP位置が機体の外
側に移動したときには体幹部は外側に向かって曲がる
が、床反力が大きくなるに従い、逆に、ZMP位置が機
体の内側に移動したときには体幹部は外側に向かって曲
がるとともにZMP位置が機体の外側に移動したときに
は体幹部は内側に向かって曲がるように構成されてい
る。
【0169】また、図23に示すように、両脚支持期の
体幹部におけるX方向の理想的なZMP挙動空間は、床
反力が小さいときには、ZMP位置がZMP安定領域の
中心から外れるにつれて負方向すなわちZMP位置がZ
MP安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボ
ットの変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大
きくなるに従い、逆に、ZMP位置がZMP安定領域の
中心から外れるにつれて正方向すなわちZMP位置がZ
MP安定領域の中心に向かうようなロボットの変形量若
しくは運動量が発生するような空間歪みが与えられてい
る。両脚支持期では2本の脚で支持するため、1本の脚
で支持する単脚支持期よりもZMP挙動空間の剛性が高
くなり、空間歪みは小さい。この結果、床反力が小さい
ときには、ZMP位置が機体の前方に移動したときには
体幹部は前方に向かって曲がるとともにZMP位置が機
体の後方に移動したときには体幹部は後方に向かって曲
がるが、床反力が大きくなるに従い、逆に、ZMP位置
が機体の前方に移動したときには体幹部は後方に向かっ
て曲がるとともにZMP位置が機体の後方に移動したと
きには体幹部は前方に向かって曲がるように構成されて
いる。
【0170】図24及び図25には、単脚支持期前期の
左立脚におけるY方向(進行方向と直交方向)並びにX
方向(進行方向)のZMP挙動空間の構成例をそれぞれ
示している。
【0171】図24に示すように、単脚支持期前期の右
立脚におけるY方向のZMP挙動空間は、床反力が小さ
いときにはZMP位置がZMP安定領域の中心から外れ
るにつれて負方向すなわちZMP位置がZMP安定領域
の中心から外れる方向に向かうようなロボットの変形量
若しくは運動量が発生するが、床反力が大きくなるにつ
れてZMP位置が機体の外側に向かって移動したときに
はロボットの変形量若しくは運動量が生じなくなるよう
な空間歪みが与えられている。この結果、支持脚として
右立脚においては、ZMP位置のY方向への移動量にほ
ぼ線形的に曲がり量が減少する。床反力が小さいときに
は、ZMP位置が機体の内側に移動したときには右立脚
は内側に向かって曲がるとともに、ZMP位置が機体の
外側に移動したときには右立脚は外側に向かって曲がる
が、床反力が大きくなるにつれて、ZMP位置が機体の
外側に移動しても右立脚は外側には曲がり難くなるよう
に構成されている。
【0172】また、図25に示すように、単脚支持期前
期の右立脚におけるX方向のZMP挙動空間は、ZMP
位置がZMP安定領域の中心から外れるにつれて負方向
すなわちZMP位置がZMP安定領域の中心から外れる
方向に向かうようなロボットの変形量若しくは運動量が
発生するが、床反力が大きくなるに従い、機体に発生す
る変形量若しくは運動量が次第に小さくなっていくよう
な空間歪みが与えられている。この結果、支持脚として
右立脚においては、ZMP位置のX方向への移動量にほ
ぼ線形的に曲がり量が減少する。床反力が小さいときに
は、ZMP位置が機体の前方に移動したときには右立脚
は前方に向かって曲がるとともに、ZMP位置が機体の
後方に移動したときには右立脚は後方に向かって曲がる
が、床反力が大きくなるにつれて、ZMP位置が前方又
は後方のいずれに移動しても右立脚は曲がり難くなるよ
うに構成されている。
【0173】図26及び図27には、単脚支持期前期の
右立脚におけるY方向(進行方向と直交方向)並びにX
方向(進行方向)の理想的なZMP挙動空間の構成例を
それぞれ示している。
【0174】図26に示すように、単脚支持期前期の右
立脚におけるY方向の理想的なZMP挙動空間は、床反
力が小さいときにはZMP位置がZMP安定領域の中心
から外れるにつれて負方向すなわちZMP位置がZMP
安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボット
の変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きく
なるに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から外
れるにつれて正方向すなわちZMP位置がZMP安定領
域の中心に向かうようなロボットの変形量若しくは運動
量が生じるような空間歪みが与えられている。この結
果、床反力が小さいときには、ZMP位置が機体の外側
に移動したときには右立脚は外側に向かって曲がるとと
もにZMP位置が機体の内側に移動したときには右立脚
は内側に向かって曲がるが、床反力が大きくなるに従
い、逆に、ZMP位置が機体の外側に移動したときには
右立脚は内側に向かって曲がるとともにZMP位置が機
体の内側に移動したときには右立脚は外側に向かって曲
がるように構成されている。
【0175】また、図27に示すように、単脚支持期前
期の右立脚におけるX方向の理想的なZMP挙動空間
は、床反力が小さいときには、ZMP位置がZMP安定
領域の中心から外れるにつれて負方向すなわちZMP位
置がZMP安定領域の中心から外れる方向に向かうよう
なロボットの変形量若しくは運動量が発生するが、床反
力が大きくなるに従い、逆に、ZMP位置がZMP安定
領域の中心から外れるにつれて正方向すなわちZMP位
置がZMP安定領域の中心に向かうようなロボットの変
形量若しくは運動量が発生するような空間歪みが与えら
れている。この結果、床反力が小さいときには、ZMP
位置が機体の前方に移動したときには右立脚は前方に向
かって曲がるとともにZMP位置が機体の後方に移動し
たときには右立脚は後方に向かって曲がるが、床反力が
大きくなるに従い、逆に、ZMP位置が機体の前方に移
動したときには右立脚は後方に向かって曲がるとともに
ZMP位置が機体の後方に移動したときには右立脚は前
方に向かって曲がるように構成されている。
【0176】図28及び図29には、単脚支持期前期の
体幹部におけるY方向(進行方向と直交方向)並びにX
方向(進行方向)の理想的なZMP挙動空間の構成例を
それぞれ示している。
【0177】図28に示すように、単脚支持期前期の体
幹部におけるY方向の理想的なZMP挙動空間は、床反
力が小さいときにはZMP位置がZMP安定領域の中心
から外れるにつれて負方向すなわちZMP位置がZMP
安定領域の中心から外れる方向に向かうようなロボット
の変形量若しくは運動量が発生するが、床反力が大きく
なるに従い、ZMP位置がZMP安定領域の中心から外
れるにつれて正方向すなわちZMP位置がZMP安定領
域の中心に向かうようなロボットの変形量若しくは運動
量が生じるような空間歪みが与えられている。この結
果、床反力が小さいときには、ZMP位置が機体の外側
に移動したときには体幹部は外側に向かって曲がるとと
もにZMP位置が機体の内側に移動したときには体幹部
は内側に向かって曲がるが、床反力が大きくなるに従
い、逆に、ZMP位置が機体の外側に移動したときには
体幹部は内側に向かって曲がるとともにZMP位置が機
体の内側に移動したときには体幹部は外側に向かって曲
がるように構成されている。
【0178】また、図29に示すように、単脚支持期前
期の体幹部におけるX方向の理想的なZMP挙動空間
は、床反力が小さいときには、ZMP位置がZMP安定
領域の中心から外れるにつれて負方向すなわちZMP位
置がZMP安定領域の中心から外れる方向に向かうよう
なロボットの変形量若しくは運動量が発生するが、床反
力が大きくなるに従い、逆に、ZMP位置がZMP安定
領域の中心から外れるにつれて正方向すなわちZMP位
置がZMP安定領域の中心に向かうようなロボットの変
形量若しくは運動量が発生するような空間歪みが与えら
れている。この結果、床反力が小さいときには、ZMP
位置が機体の前方に移動したときには体幹部は前方に向
かって曲がるとともにZMP位置が機体の後方に移動し
たときには体幹部は後方に向かって曲がるが、床反力が
大きくなるに従い、逆に、ZMP位置が機体の前方に移
動したときには体幹部は後方に向かって曲がるとともに
ZMP位置が機体の後方に移動したときには体幹部は前
方に向かって曲がるように構成されている。
【0179】C.ZMP挙動空間の実現例 B項では、単にZMP安定度判別規範に頼るだけでな
く、ロボットや路面が剛体に限りなく近いと仮定できな
いことを考慮して、ZMP位置と床反力で定義されるZ
MP挙動空間という観点から、姿勢安定性に優れたロボ
ット・システムの構成方法について説明してきた。
【0180】本項では、機体を安定に導くような空間歪
みが与えられたZMP挙動空間をハードウェア的に備え
た脚式移動ロボットの構成例について説明する。
【0181】C−1.足平構造による安定したZMP挙
動空間の形成 この項では、脚式移動ロボット100の足部の足平構造
を用いて、機体を容易に安定方向に向かわせるための空
間歪みが与えられたZMP挙動空間に関する実施形態に
ついて説明する。
【0182】図30には、本発明の一実施形態に係る脚
式移動ロボット100に対して適用可能な左足平部の表
側の外観を示している。また、図31には、同左足平部
の裏側の外観を示している。また、図32〜図35に
は、同左足平部の側面図(但し外側の側面)、底面図、
正面図、上面図がそれぞれ示されている。また、図36
には、図35に示された線分A−Aにおける断面図が示
されている。
【0183】但し、以下の説明では、足平の「裏側」は
底面すなわち路面に接地する面を指し、足平の「表側」
はその反対側の上面を指すものとする。また、足平の
「内側」は機体の内側となる部位(例えば、左足平であ
れば右側すなわち土踏まず側)を指し、足平の「外側」
は機体の内側となる部位(例えば、左足平であれば左側
すなわち土踏まずの反対側)を指すものとする。
【0184】図30及び図31に示すように、足平は、
足平フレーム403と、その上面を被覆するカバー40
2で構成される。図36からも判るように、カバー40
2は、軽量化などのため、中空の構造体で形成される。
【0185】足平フレーム403の上面略中央には、該
当する可動脚ユニットと足首関節により連結される足首
連結部401が配設されている。
【0186】足平フレーム403や、カバー402、足
首部連結部401などの構造体は、例えば、超ジュラル
ミンのような軽量で且つ高剛性の素材を利用して製作さ
れている。
【0187】図33からも判るように、足平フレーム4
03の底面の前後及び左右の各側縁に沿って、足底緩衝
材(外)404と、足底緩衝材(内)405と、足底緩
衝材(前)406と、足底緩衝材(後)407がそれぞ
れ配設されている。これら緩衝材404〜407は、例
えばウレタン・ゴムのような、所定の弾性係数を持つ弾
性体を用いて構成することができる。
【0188】図32からも判るように、足底緩衝材
(外)404は、両端の盛り上がった部位404−a
と、その間の凹んだ部位404−bとで構成される略凹
状の構造体である。また、図31からも判るように、足
底緩衝材(内)405も、同様に、両端が盛り上がった
略凹状の構造体で構成されており、足平の底面には4隅
に凸部が形設されている。各足底緩衝材(外/内)40
4,405の凹形状の深さは例えば0.5mm程度でよ
い。
【0189】足底が路面に接地されて路面から反力など
が印加されると、初期は盛り上がった部位404−aの
みで支持するため、弾性係数が小さくなる(すなわち、
外力に対する変形量が大きい)。これに対し、部位40
4−aの収縮が進行して凹んだ部位404−bと同じ高
さに到達した以後は、緩衝材404の底面全面で支持す
るようになるため、弾性係数が大きくなる(すなわち、
外力に対する変形量が小さくなる)。
【0190】緩衝材404,405がこのような略凹状
の構造体で構成される場合、床反力などの荷重に対する
緩衝材の変形特性を非線形にすることができる。通常の
歩行時のように、床反力が小さい状態では、足平フレー
ムの足底の4隅に形設された凸部のみで支持する。これ
に対し、着地時などの衝撃により床反力が所定値を越え
ると、足底に配設された緩衝材404〜407全面で支
持することになるので、接地面を受容する特性が変化し
て、衝撃力に好適に対処することができる。
【0191】このように非線形変形特性を持つ足底緩衝
体を使用することにより、まず路面と接触を開始すると
足底緩衝体が変形を開始することから、充分な緩衝作用
を期待することができる。また、さらに変形が進行する
と、非線形特性により今度は印加荷重当りの変形量が減
少していくので、過度の変形により足底が不安定となる
ことはない。
【0192】本実施形態では、さらに、足底緩衝材
(外)404と足底緩衝材(内)405とで弾性特性を
相違させている。より具体的には、図37に示すよう
に、足底緩衝材(内)405に比し、足底緩衝材(外)
404の弾性係数を大きく設定している。この結果、足
底緩衝材(外)404と足底緩衝材(内)405は、い
ずれも通常歩行時と衝撃力印加時とで変形量は非線形と
なるが、図38に示すように、非線形領域における変形
量は、足底緩衝材(内)405の方が足底緩衝材(外)
404よりも大きくなる。
【0193】このような、足底緩衝材(内)405と足
底緩衝材(外)404の変形特性の相違により、高い衝
撃力が印加されたときには、足底緩衝材(内)405の
方がより深く沈み込むことになる。この結果、この足平
フレーム403上に搭載された脚部ユニット(図示しな
い)が、機体の内側すなわち中心側(土踏まず側)に向
かって傾くことになり、ロボットのZMP位置を機体の
内側すなわち遊脚を着地させることでZMP安定領域が
倍増する方向へ移動させる作用が働く。
【0194】すなわち、図30〜図35に示すような足
底構造を採用することにより、ロボットの脚部のZMP
挙動空間において、床反力が小さいときにはZMP位置
がZMP安定領域の中心から外れるにつれて負方向すな
わちZMP位置がZMP安定領域の中心から外れる方向
に向かうようなロボットの変形量若しくは運動量が発生
するが、床反力が大きくなるに従い、ZMP位置がZM
P安定領域の中心から外れるにつれて正方向すなわちZ
MP位置がZMP安定領域の中心に向かうようなロボッ
トの変形量若しくは運動量が生じるような空間歪みが形
成される。したがって、図14、図20、並びに図26
を参照しながら既に説明したように、単脚支持後期、両
脚支持期、並びに単脚支持前期の各局面において、床反
力が小さいときには、ZMP位置が機体の内側に移動し
たときには立脚は内側に向かって曲がるとともにZMP
位置が機体の外側に移動したときには立脚は外側に向か
って曲がるが、床反力が大きくなるに従い、逆に、ZM
P位置が機体の内側に移動したときには立脚は外側に向
かって曲がるとともにZMP位置が機体の外側に移動し
たときには立脚は内側に向かって曲がるように構成され
る。この結果、脚式移動ロボットの姿勢の安定性・制御
性を向上させる(又は、姿勢安定制御を容易にする)と
いう効果を導出することができる。
【0195】なお、緩衝材の非線形的な変形特性は、緩
衝材の断面に対して上述したような凹凸形状を設ける以
外にも、弾性係数の異なる弾性体を積層することによっ
ても得ることができる。また、使用する緩衝材の底面の
形状や面積、弾性係数など材質を相違させることによっ
て、内側(土踏まず側)と外側(土踏まずの反対側)と
でその変形特性を容易に相違させることができる。
【0196】図39には、足平フレーム403の上面を
斜視した様子を示している。同様に、図40には、足平
フレーム403の底面を斜視した様子を示している。
【0197】各図に示すように、足平フレーム403
は、例えば超ジュラルミンなどの軽量且つ高剛性素材か
らなる平板構造体である。
【0198】図39に示すように、足平フレーム403
の上面には、前後に各1箇所ずつ凹部(a)403−a
並びに凹部(b)403−bが凹設されている。これら
凹部403−a及び403−bの間の凸部(d)403
−dには、足首連結用部品の配置位置403−fが設定
されている。
【0199】また、図40に示すように、足平フレーム
403の底面には、略中央に凹部(c)403−cが凹
設されており、その周縁には凸部(e)403−eが形
成されている。
【0200】図41には、この足平フレーム403をロ
ール軸方向(すなわち機体の前後方向)に沿って分割し
た断面図を示している。同図からも判るように、各凹部
403−a,403−b,403−cは平板構造の足平
フレーム403の厚みを薄くすることによって、足平全
体の剛性のバランスを調整する効果がある。
【0201】本実施形態では、足平フレーム403の上
面の略中央には、前後両側の凹部403−a,403−
bに挟設された凸部403−dの存在などにより、ピッ
チ軸回りに比し、ロール軸回りの剛性が強化されている
(図42を参照のこと)。
【0202】図3並びに図4に示した機体の全体構成か
らも推測されるように、2足直立タイプの脚式移動ロボ
ット100は、歩行方向すなわち前後方向(ピッチ軸回
り方向)に比し、横方向(ロール軸回り方向)のZMP
の存在範囲が狭い。言い換えれば、ロール軸回りの外乱
に対するロバスト性が低いため、横方向すなわちロール
軸回りに対しては厳しい制御精度が要求されている。本
実施形態では、図39〜図41に示すような足平フレー
ム403の構造を採用することにより、ロール軸回りの
剛性を強化することができ、横方向の外乱に対するロバ
スト性を著しく向上させるという効果を導出することが
できる。
【0203】すなわち、図39〜図41に示すような足
底構造を採用することにより、ロボットの脚部のZMP
挙動空間において、ZMP位置がZMP安定領域の中心
に向かうようなロボットの変形量若しくは運動量が生じ
るような空間歪みが形成される。したがって、図14、
図20、並びに図26を参照しながら既に説明したよう
に、単脚支持後期、両脚支持期、並びに単脚支持前期の
各局面において、ZMP位置が機体の外側に移動したと
きには立脚は内側に向かって曲がるように構成される。
【0204】このような機械的構成によりZMP位置が
ZMP安定領域の中央に向かうようなZMP挙動空間の
空間歪みを形成することによって、姿勢の安定性・制御
性を向上させるという効果を導出することができる。あ
るいは、比較的遅いサンプリング周期を以って機体の姿
勢安定性を維持できるなど、姿勢安定制御を容易にする
という効果を導出することができる。
【0205】図43には、本発明の他の実施形態に係る
左足部の表側の外観を示している。また、図44には、
同じ左足平部の裏側の外観を示している。また、図45
並びに図46には、同じ左足平部の側面図(但し、外側
の側面)、底面図をそれぞれ示している。
【0206】図43及び図44に示すように、足平は、
足平フレーム503と、その上面を被覆するカバー50
2で構成される。カバー502は、軽量化などのため、
中空の構造体で形成される。足平フレーム503の上面
略中央には、該当する可動脚ユニットと足首関節により
連結される足首連結部501が配設されている。
【0207】足平フレーム503は、図39〜図41に
示した前述の実施形態と同様に、上面及び底面の略中央
部に1以上の凹部が形設された平板構造体で構成され、
ピッチ軸回り並びにロール軸回りの剛性のバランスが調
整されている。すなわち、ピッチ軸回りに比し、ロール
軸回りの剛性が強化されており(図43を参照のこ
と)、横方向の外乱に対するロバスト性を著しく向上さ
せるという効果が導出されている。
【0208】足平フレーム503や、カバー502、足
首部連結部501などの構造体は、例えば、超ジュラル
ミンのような軽量で且つ高剛性の素材を利用して製作さ
れている(同上)。
【0209】図44並びに図46からも判るように、足
平フレーム503の底面の前後及び左右の四隅には、そ
れぞれ足底緩衝材(内−前)504と、足底緩衝材(外
−前)505と、足底緩衝材(内−後)506と、足底
緩衝材(外−後)507が配設されている。また、内側
(土踏まず側)の側縁に沿って1個の足底緩衝材(内−
中)508が配設され、足底の外側の側縁に沿って2個
の足底緩衝材(外−中)509−a並びに509−bが
配設されている。これら緩衝材504〜509は、例え
ばウレタン・ゴムのような、弾性係数が所定値に設定さ
れた弾性体を用いて構成することができる。
【0210】図45からも判るように、足底の内側略中
央に配設された足底緩衝材(内−中)508、並びに、
足底の外側略中央に配設された足底緩衝材(外−中)5
09−a及び509−bは、足底の四隅に配設されたそ
の他の足底緩衝材504〜507よりも背丈が低く構成
されている。この高さの差tは例えば0.5mm程度で
よい。この緩衝材間の高低差により、足底全体として持
つ弾性特性に非線形成を与えることができる(図37〜
図38を参照のこと)。
【0211】足底が路面に接地されて路面から反力など
が印加されると、初期は背丈の高い四隅の足底緩衝材5
04〜507のみで支持するため、弾性係数が小さくな
る(すなわち、外力に対する変形量が大きい)。これに
対し、四隅の足底緩衝材504〜507の収縮が進行し
て、足底緩衝材(内−中)508、足底緩衝材(外−
中)509−a及び509−bと同じた化さに到達した
以後は、すべての緩衝材504〜509で支持するよう
になるため、弾性係数が大きくなる(すなわち、外力に
対する変形量が小さくなる)。
【0212】要するに、四隅の緩衝材504〜507と
内側並びに外側の略中央に配設された緩衝材508〜5
09との間で高さの差を設けた場合、床反力などの荷重
に対する緩衝材の変形特性を非線形にすることができ
る。通常の歩行時のように、床反力が小さい状態では、
足平フレームの足底の4隅に形設された凸部のみで支持
する。これに対し、着地時などの衝撃により床反力が所
定値を越えると、足底に配設されたすべての緩衝材50
4〜509全面で支持することになるので、接地面を受
容する特性が変化して、衝撃力に好適に対処することが
できる。
【0213】このように非線形変形特性を持つ足底緩衝
材を足部の足底に使用することにより、まず路面と接触
を開始すると足底緩衝体が変形を開始することから、充
分緩衝作用を期待することができる。また、さらに変形
が進行すると、非線形特性により今度は印加される荷重
当りの変形量が減少していくので、過度の変形により足
底が不安定となることはない。
【0214】本実施形態では、さらに、内側略中央の足
底緩衝材508と外側略中央の足底緩衝材509とで、
個数の差を設けることにより足底の内側と外側とで弾性
特性を相違させている。より具体的には、図37に示す
ように、足底の内側に比し、外側の方の緩衝材の個数を
より多くすることによって、弾性係数を大きく設定して
いる。この結果、足底緩衝材(外)509と足底緩衝材
(内)508は、いずれも通常歩行時と衝撃力印加時と
で変形量は非線形となるが、図38に示すように、非線
形領域における変形量は足底緩衝材(内)508の方が
足底緩衝材(外)509よりも大きくなる。
【0215】このような、足底緩衝材(内)508と足
底緩衝材(外)509の変形特性の相違により、高い衝
撃力が印加されたときには、足底緩衝材(内)508の
方がより深く沈み込むことになる。この結果、この足平
フレーム503上に搭載された脚部ユニット(図示しな
い)が、機体の内側すなわち中心に向かって傾くことに
なり、ロボットのZMP位置を機体の内側すなわち遊脚
を着地させることで安定領域が倍増する方向へ移動させ
る作用が働く。
【0216】すなわち、図43〜図46に示すような足
底構造を採用することにより、ロボットの脚部のZMP
挙動空間において、床反力が小さいときにはZMP位置
がZMP安定領域の中心から外れるにつれて負方向すな
わちZMP位置がZMP安定領域の中心から外れる方向
に向かうようなロボットの変形量若しくは運動量が発生
するが、床反力が大きくなるに従い、ZMP位置がZM
P安定領域の中心から外れるにつれて正方向すなわちZ
MP位置がZMP安定領域の中心に向かうようなロボッ
トの変形量若しくは運動量が生じるような空間歪みが形
成される。したがって、図14、図20、並びに図26
を参照しながら既に説明したように、単脚支持後期、両
脚支持期、並びに単脚支持前期の各局面において、床反
力が小さいときには、ZMP位置が機体の内側に移動し
たときには立脚は内側に向かって曲がるとともにZMP
位置が機体の外側に移動したときには立脚は外側に向か
って曲がるが、床反力が大きくなるに従い、逆に、ZM
P位置が機体の内側に移動したときには立脚は外側に向
かって曲がるとともにZMP位置が機体の外側に移動し
たときには立脚は内側に向かって曲がるように構成され
る。この結果、脚式移動ロボットの姿勢の安定性・制御
性を向上させる(又は、姿勢安定制御を容易にする)と
いう効果を導出することができる。
【0217】なお、緩衝材の非線形的な変形特性は、緩
衝材の断面に対して上述したような凹凸形状を設ける以
外にも、弾性係数の異なる弾性体を積層することによっ
ても得ることができる。また、使用する緩衝材の底面の
形状や面積、弾性係数など材質を相違させることによっ
て、足平の内側(土踏まず側)と外側(土踏まずの反対
側)とでその変形特性を容易に相違させることができ
る。
【0218】この項で説明した本発明の実施形態によれ
ば、本発明に固有の足平構造によって安定した空間歪み
をZMP挙動空間に形成することにより、比較的遅いサ
ンプリング周期でZMP安定度判別規範を用いながら機
体の姿勢安定制御を行なうことができる、という点を充
分理解されたい。
【0219】C−2.脚部構造による安定したZMP挙
動空間の形成 この項では、脚式移動ロボット100の脚部ユニットの
フレーム構造を用いて、機体を容易に安定方向に向かわ
せるための空間歪みが与えられたZMP挙動空間に関す
る実施形態について説明する。
【0220】この実施形態では、左右それぞれの脚部ユ
ニットについて、その外側と内側とで剛性を異ならせる
構造、すなわち、脚部の内側フレームに比し外側フレー
ムの剛性(特に、曲げ剛性)を強化した構造を採用す
る。
【0221】このような脚部ユニットの構成によって、
ZMP位置がZMP安定領域の中央に向かうような空間
歪みがZMP挙動空間に形成されるので、姿勢の安定性
・制御性を向上させる(又は、姿勢安定制御を容易にす
る)という効果を導出することができる。
【0222】また、予期しない外乱が発生した場合であ
っても、ロボットのZMP位置が機体の外側すなわち土
踏まずの反対側に移動しにくくなるようにして、転倒を
容易に(すなわち、機械的構造を利用して自然に)回避
することができる。
【0223】図47には、本実施形態に係る脚式移動ロ
ボット100の、左右の各脚部604の構成をさらに大
きく描いている。
【0224】同図に示すように、脚部604は、大腿部
ユニット611と、脛部ユニット612と、足平613
とで構成される。
【0225】大腿部ユニット611の略上端には、その
上方の体幹部601との間でピッチ軸並びにロール軸の
各軸回りの関節自由度を付与するための、股関節ロール
軸アクチュエータ621と、股関節ピッチ軸アクチュエ
ータ622が配設されている。また、大腿部ユニット6
11の略下端には、その下方の脛部ユニット612との
間でピッチ軸回りの関節自由度を付与するための膝関節
ピッチ軸アクチュエータ623が配設されている。
【0226】大腿部ユニット611の内側すなわち土踏
まず側は、大腿部内側側板631で支持されている。ま
た、その外側すなわち土踏まずの反対側は、大腿部外側
側板632で支持されている。また、大腿部ユニット6
11の正面は大腿部正面プレート635で被覆されてい
る。大腿部内側側板631や大腿部外側側板632は、
比較的軽量でも剛性を実現することができる超ジュラル
ミンなどの素材を利用して構成されている。
【0227】また、脛部ユニット612の略下端には、
その下方の足平613との間でピッチ軸回りの関節自由
度を付与するために、足首関節ピッチ軸アクチュエータ
624が配設されている。
【0228】脛部ユニット612の内側すなわち土踏ま
ず側は、脛部内側側板633で支持されている。また、
その外側すなわち土踏まずの反対側は、脛部外側側板6
34で支持されている。また、脛部ユニット612の正
面は大腿部正面プレート636で被覆されている。脛部
内側側板633や脛部外側側板634は、比較的軽量で
も剛性を実現することができる超ジュラルミンなどの素
材を利用して構成されている。
【0229】図48〜図50には、脚式移動ロボット1
00の脚部の3面図、すなわち外側(土踏まずの反対
側)側面図、正面図、内側(土踏まず側)側面図をそれ
ぞれ示している。
【0230】図49からも判るように、本実施形態で
は、大腿部内側側板631に比し、大腿部外側側板63
2の方が肉厚が大きくなるように構成されている(すな
わち、t1>t2)。この結果、大腿部外側側板632
の方が剛性(特に曲げ剛性)が高くなる。同様に、脛部
内側側板633に比し、脛部外側側板634の方が肉厚
が大きくなるように構成されている。この結果、脛部外
側側板634の方が剛性(特に曲げ剛性)が高くなる。
【0231】図47〜図50に示すように脚部ユニット
の内側及び外側の機械的強度をこのように構成すること
によって、ロボットの脚部のZMP挙動空間において、
ZMP位置がZMP安定領域の中心から外れるにつれて
正方向すなわちZMP位置がZMP安定領域の中心に向
かうようなロボットの変形量若しくは運動量が生じるよ
うな空間歪みが形成される。したがって、図14、図2
0、並びに図26を参照しながら既に説明したように、
単脚支持後期、両脚支持期、並びに単脚支持前期の各局
面において、ZMP位置が機体の外側に移動したときに
は立脚は内側に向かって曲がるように構成される。この
結果、姿勢の安定性・制御性を向上させるという効果を
導出することができる。あるいは、比較的遅いサンプリ
ング周期を以って機体の姿勢安定性を維持できるなど、
姿勢安定制御を容易にするという効果を導出することが
できる。
【0232】また、脚部604全体としても、内側に比
し外側の剛性(特に曲げ剛性)を強化した構造体を実現
することができる。これによって、予期しない外乱が発
生した場合であっても、脚部604は、ロボット100
のZMP位置が機体の外側すなわち土踏まずの反対側に
移動しにくくなるように自然に(すなわち制御なしに)
作用することができる。
【0233】脚部604の内側フレームに比しその外側
フレームの剛性を大きく設定することで、機体の外側す
なわち土踏まずの反対側への予期せぬ外乱によるZMP
移動量を減少させることができる。また、外乱によるZ
MP移動方向を、脚部604の動作により対応が容易な
機体の内側すなわち土踏まず側へと誘導することができ
る。この結果、ロボット600全体としての外乱に対す
るロバスト性を飛躍期に向上させることができる。
【0234】さらに、土踏まず側の脚剛性を比較的低く
設定することにより、位置制御のみの機能しか持たない
低コストのアクチュエータ・システムにおいても、衝撃
及び振動が小さい立脚切替え動作を実現することができ
る。これは、動歩行中の画像処理をも容易にし、結果と
して、自律機能を有する2足歩行ロボット・システム若
しくは人間形ロボット・システムを非常に低コストで構
成することを可能にする。
【0235】ロボット100のZMP位置が外側すなわ
ち土踏まずの反対側に移動しにくくなるようにするとい
う作用効果を得るためには、脚部604の外側における
剛性を、内側のそれの1.2倍以上に設定することが好
ましい。より好ましくは、脚部604の外側における剛
性を、内側のそれの1.5〜2倍に設定すればよい。
【0236】図47〜図50に示した実施形態では、脚
部604の内側と外側とで剛性(特に曲げ剛性)を相違
させるために、使用する側板631〜634の肉厚の相
違を利用したが、本発明の要旨は必ずしもこれに限定さ
れない。同様の作用を導き出すために、側板631〜6
34の肉厚ではなく、形状(表面形状並びに断面形状)
の相違や、構成素材の相違(弾性係数の異なる素材を使
用するなど)を利用してもよい。
【0237】この項で説明した本発明の実施形態によれ
ば、本発明に固有の脚部ユニットの構成により安定した
ZMP空間を形成することによって、比較的遅いサンプ
リング周期でZMP安定度判別規範を用いながら機体の
姿勢安定制御を行なうことができる、という点を充分理
解されたい。
【0238】[追補]以上、特定の実施形態を参照しな
がら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修
正や代用を成し得ることは自明である。
【0239】本発明の要旨は、必ずしも「ロボット」と
称される製品には限定されない。すなわち、電気的若し
くは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行
う機械装置であるならば、例えば玩具等のような他の産
業分野に属する製品であっても、同様に本発明を適用す
ることができる。
【0240】要するに、例示という形態で本発明を開示
してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈
するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、
冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきであ
る。
【0241】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、
いわゆるZMP(Zero Moment Point)を安定度判別規
範として用いながら脚式作業時における機体の姿勢安定
制御を好適に行なうことができる、優れた脚式移動ロボ
ットを提供することができる。
【0242】また、本発明によれば、比較的遅いサンプ
リング周期でZMP安定度判別規範を用いながら機体の
姿勢安定制御を好適に行なうことができる、優れた脚式
移動ロボットを提供することができる。
【0243】また、本発明によれば、人間の住環境で安
定した動歩行を自律的に継続するために、ZMP位置の
安定性を考慮した空間歪みが与えられたZMP挙動空間
が構成された、優れた脚式移動ロボットを提供すること
ができる。
【0244】また、本発明によれば、接地時に路面から
受ける衝撃力を緩和するとともに、失いかけた機体の姿
勢安定性を回復する、若しくは回復を容易にすることが
できる、脚式移動ロボットの可動脚ユニットにおける足
部の足平構造を提供することができる。
【0245】また、本発明によれば、ロボットの機体の
動作制御のみに頼ることなく姿勢安定性を容易に維持す
ることができるように構成された、優れた脚式移動ロボ
ットを提供することができる。
【0246】また、本発明によれば、横方向の外乱に対
するロバスト性を強化することで姿勢安定性を容易に維
持することができるように構成された、優れた脚式移動
ロボットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロボットや路面が限りなく剛体に近い理想的な
モデルの場合におけるZMP位置とロボットの変形量
(若しくは運動量)との関係(すなわちロボットが持つ
ZMP挙動空間)を示した図である。
【図2】現実には剛体ではない場合におけるZMP位置
とロボットの変形量(若しくは運動量)との関係(すな
わちロボットが持つZMP挙動空間)を示した図であ
る。
【図3】本発明の実施に供される「人間形」又は「人間
型」の脚式移動ロボット100が直立している様子を前
方から眺望した様子を示した図である。
【図4】本発明の実施に供される「人間形」又は「人間
型」の脚式移動ロボット100が直立している様子を後
方から眺望した様子を示した図である。
【図5】脚式移動ロボット100が具備する関節自由度
構成を模式的に示した図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る脚式移動ロボット1
00の制御システム構成を模式的に示した図である。
【図7】ロボットの変形量又は運動量とZMP位置との
関係を表したZMP挙動空間の構成例を示した図であ
る。
【図8】ロボットの変形量又は運動量とZMP位置との
関係を表したZMP挙動空間の他の構成例を示した図で
ある。
【図9】ロボットの変形量又は運動量とZMP位置との
関係を表したZMP挙動空間のさらに他の構成例を示し
た図である。
【図10】ロボットの変形量又は運動量とZMP位置と
の関係を表したZMP挙動空間のさらに他の構成例を示
した図である。
【図11】ロボットの変形量又は運動量とZMP位置と
の関係を表したZMP挙動空間のさらに他の構成例を示
した図である。
【図12】単脚支持期後期の左立脚におけるY方向(進
行方向と直交方向)のZMP挙動空間の構成例を示した
図である。
【図13】単脚支持期後期の左立脚におけるX方向(進
行方向)のZMP挙動空間の構成例を示した図である。
【図14】単脚支持期後期の左立脚におけるY方向(進
行方向と直交方向)のZMP挙動空間の理想的な構成例
を示した図である。
【図15】単脚支持期後期の左立脚におけるX方向(進
行方向)のZMP挙動空間の理想的な構成例を示した図
である。
【図16】単脚支持期後期の体幹部におけるY方向(進
行方向と直交方向)のZMP挙動空間の理想的な構成例
を示した図である。
【図17】単脚支持期後期の体幹部におけるX方向(進
行方向)のZMP挙動空間の理想的な構成例を示した図
である。
【図18】両脚支持期の左立脚におけるY方向(進行方
向と直交方向)のZMP挙動空間の構成例を示した図で
ある。
【図19】両脚支持期の左立脚におけるX方向(進行方
向)のZMP挙動空間の構成例を示した図である。
【図20】両脚支持期の左立脚におけるY方向(進行方
向と直交方向)の理想的なZMP挙動空間の構成例を示
した図である。
【図21】両脚支持期の左立脚におけるY方向(進行方
向と直交方向)の理想的なZMP挙動空間の構成例を示
した図である。
【図22】両脚支持期の体幹部におけるY方向(進行方
向と直交方向)の理想的なZMP挙動空間の構成例を示
した図である。
【図23】両脚支持期の体幹部におけるX方向(進行方
向)の理想的なZMP挙動空間の構成例を示した図であ
る。
【図24】単脚支持期前期の右立脚におけるY方向(進
行方向と直交方向)のZMP挙動空間の構成例を示した
図である。
【図25】単脚支持期前期の右立脚におけるX方向(進
行方向)のZMP挙動空間の構成例を示した図である。
【図26】単脚支持期前期の右立脚におけるY方向(進
行方向と直交方向)の理想的なZMP挙動空間の構成例
を示した図である。
【図27】単脚支持期前期の右立脚におけるX方向(進
行方向)の理想的なZMP挙動空間の構成例を示した図
である。
【図28】単脚支持期前期の体幹部におけるY方向(進
行方向と直交方向)の理想的なZMP挙動空間の構成例
を示した図である。
【図29】単脚支持期前期の体幹部におけるX方向(進
行方向)の理想的なZMP挙動空間の構成例を示した図
である。
【図30】本発明の一実施形態に係る脚式移動ロボット
100に対して適用可能な左足平部の表側の外観を示し
た斜視図である。
【図31】本発明の一実施形態に係る脚式移動ロボット
100に対して適用可能な左足部の裏側の外観を示した
斜視図である。
【図32】左足平の外側の側面図である。
【図33】左足平の底面図である。
【図34】左足平の正面図である。
【図35】左足平の上面図である。
【図36】図35に示された線分A−Aにおける断面図
である。
【図37】足底緩衝材(内)405と足底緩衝材(外)
404の弾性係数を比較した図である。
【図38】足底緩衝材(内)405と足底緩衝材(外)
404の変形量を比較した図である。
【図39】足平フレーム403の上面を斜視した様子を
示した図である。
【図40】足平フレーム403の底面を斜視した様子を
示した図である。
【図41】足平フレーム403をロール軸方向に分割し
た断面図である。
【図42】足平フレーム403のロール軸回りの剛性が
ピッチ軸回りに比し強化されている様子を示した図であ
る。
【図43】本発明の一実施形態に係る左足平部の表側の
外観を示した斜視図である。
【図44】本発明の一実施形態に係る左足平部の裏側の
外観を示した斜視図である。
【図45】本発明の一実施形態に係る左足平部の側面図
である。
【図46】本発明の一実施形態に係る左足平部の底面図
である。
【図47】本発明の一実施形態に係る脚式移動ロボット
100の左右の各脚部104の構成を大きく描いた図で
ある。
【図48】図47に示した脚式移動ロボット100の脚
部ユニットの外側(土踏まずの反対側)側面図である。
【図49】図47に示した脚式移動ロボット100の脚
部ユニットの正面図である。
【図50】図47に示した脚式移動ロボット100の脚
部ユニットの内側(土踏まず側)側面図である。
【符号の説明】
1…頭部,2…首関節ヨー軸 3…首関節ピッチ軸,4…首関節ロール軸 5…体幹ピッチ軸,6…体幹ロール軸 7…体幹ヨー軸,8…肩関節ピッチ軸 9…肩関節ロール軸,10…上腕ヨー軸 11…肘関節ピッチ軸,12…前腕ヨー軸 13…手首関節ピッチ軸,14…手首関節ロール軸 15…手部,16…股関節ヨー軸 17…股関節ピッチ軸,18…股関節ロール軸 19…膝関節ピッチ軸,20…足首関節ピッチ軸 21…足首関節ロール軸,22…足部 100…脚式移動ロボット 200…思考制御モジュール 201…バス・インターフェース 211…CPU,212…RAM,213…ROM 214…外部記憶装置 251…画像入力装置(CCDカメラ) 252…音声入力装置(マイク) 253…音声出力装置(スピーカ) 254…通信インターフェース 300…運動制御モジュール 301…バス・インターフェース 311…CPU,312…RAM,313…ROM 314…外部記憶装置, 351…姿勢センサ 352,353…接地確認センサ 354…電源制御装置 401…足首部連結部,402…カバー 403…足平フレーム,404…足底緩衝材(外) 405…足底緩衝材(内),406…足底緩衝材(前) 407…足底緩衝材(後) 501…足首部連結部,502…カバー 503…足平フレーム 504…足底緩衝材(内−前) 505…足底緩衝材(外−前) 506…足底緩衝材(内−後) 507…足底緩衝材(外−後) 508…足底緩衝材(内−中) 509…足底緩衝材(外−中) 611…大腿部ユニット,612…脛部ユニット 613…足平 621…股関節ロール軸アクチュエータ 622…股関節ピッチ軸アクチュエータ 623…膝関節ピッチ軸アクチュエータ 624…足首関節ピッチ軸アクチュエータ 631…大腿部内側側板,632…大腿部外側側板 633…脛部内側側板,634…脛部外側側板 635…大腿部正面プレート,636…脛部正面プレー
【手続補正書】
【提出日】平成14年12月5日(2002.12.
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】追加
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図30】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図31】
【図32】
【図40】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図42】
【図39】
【図41】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 裕一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 山口 仁一 東京都日野市多摩平5−14−38 Fターム(参考) 3C007 CS08 CY32 KS20 KS31 WA03 WA13 WB07 WC23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2以上の可動脚を備えた脚式移動ロボット
    であって、 機体のピッチ軸モーメント及びロール軸モーメントがゼ
    ロとなるZMPの位置と機体が床面から受ける床反力で
    定義されるZMP挙動空間に所定の歪み又は所定の特性
    を与える手段と、 機体動作により前記ZMP挙動空間を制御する手段と、
    を具備することを特徴とする脚式移動ロボット。
  2. 【請求項2】前記ZMP挙動空間制御手段は、ZMP位
    置が前記可動脚の足底接地点と路面とが形成する支持多
    角形からなるZMP安定領域の中央からZMP位置が外
    れるにつれてZMP位置が前記ZMP安定領域の中央に
    移動させようとする機体の変形量若しくは運動量が生じ
    るようにZMP挙動空間にあらかじめ歪みを与えてい
    る、ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボッ
    ト。
  3. 【請求項3】前記所定の特性は、前記床反力に応じて前
    記ロボットの変形量又は運動量の大きさ若しくは方向が
    変化する、ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動
    ロボット。
  4. 【請求項4】前記ZMP挙動空間制御手段は、前記ZM
    P安定領域の略中心において機体の変形量又は運動量の
    極小点を設定する、ことを特徴とする請求項2に記載の
    脚式移動ロボット。
  5. 【請求項5】前記ZMP挙動空間制御手段は、前記ZM
    P安定領域の略中心において機体の変形量又は運動量の
    極小点を設定するとともに、前記ZMP安定領域の境界
    近くで機体の変形量又は運動量の極大点を設定する、こ
    とを特徴とする請求項2に記載の脚式移動ロボット。
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