JP2006247732A - 鋳型装置及び鋳物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金型と砂型とを組み合わせて鋳型装置が構成され、鋳込み後、金型を分離して砂型と鋳物とを冷却水に浸漬したときに、効果的に冷却又は焼入れを行うことができる鋳型装置及び鋳物の製造方法を提供する。
【解決手段】 金型と、該金型との対向面の反対側に押し湯部を形成した砂型2とを有し、型組立時に砂型2に設けた開口部を金型により密閉することによりキャビティを形成し、開口部の周囲にキャビティの金型側に突出する周壁部24が設けられた鋳型装置を用いた鋳物の鋳造方法であって、周壁部24の内部空間Sを外部に連通させる切欠部25を設けた砂型と金型とを合わせる型組立工程と、鋳込み工程と、鋳物7を砂型2側に残して該砂型2と金型とを分離する型開き工程と、鋳物7が残された砂型2を冷却槽に浸漬する冷却工程とを含む。冷却工程では、内部空間Sに滞留する気泡xは、前記切欠部25を介して排出される。
【選択図】 図11

Description

本発明は、金型と砂型とを組み合わせて構成した鋳型装置を用いた鋳造技術の技術分野に属する。
従来、金型と砂型とを組み合わせて鋳型装置を構成し、鋳造を行う方法が知られている。このような鋳型装置として、例えば特許文献1に開示されているものがある。これによると、鋳型装置に形成されたキャビティに金属溶湯による鋳込みが行われたときに、鋳型装置を構成する金型に凝固中の溶湯から急速に連続して熱が除去され、その結果、凝固中の溶湯に大きな熱勾配が生起され、鋳物全体の方向性凝固が実現されることが示されている。
また、金型を用いた鋳造は、前述の熱勾配の生起により、砂型を用いた鋳造に比べて製品の組織が緻密に構成され、製品の精度や強度などの機械的性質を向上させる効果がある。
一方、特許文献2には、アルミニウム合金の溶湯を49MPa以上の鋳込み圧力で金型内に加圧充填して凝固させ、凝固完了後に鋳物を金型より取り出して直ちに水に浸漬して焼入れを施し、焼入れ後に人工時効処理を実施するようにした鋳物の製造方法が開示されている。
特許3068185号明細書 特開平8−225903号公報
ところで、鋳物を冷却して機械的性質を高める場合、前述のように金型と砂型とを組み合わせて鋳型装置が構成されている場合には、キャビティに金属溶湯が鋳込まれた後、砂型を残した状態で金型のみが分離され、鋳物を残した状態の砂型を冷却水に浸漬して鋳物の冷却又は焼入れを行うことがある。
砂型の下部は、搬送時にクランプされるなどの理由である程度の強度が要求されるので、砂型の下部にはキャビティの金型により形成される面より下方に突出する周壁部が設けられている。その結果、金型が分離され、鋳物を残した状態の砂型が冷却水に浸漬されると、周壁部に囲まれた内部空間に気泡が滞留することになり、また、浸漬時に高温の鋳物表面に冷却水が接触して沸騰による蒸気を発生させ、この蒸気が気泡として前記内部空間に滞留することになる。
このように、周壁部により形成された内部空間に気泡が滞留して鋳物表面に冷却水が直接接触しない結果、冷却効果や焼入れ効果が低下することになる。
これに対して、砂型及び鋳物を冷却水に浸漬したときに、例えば内部空間が上方向又は横方向に向くように砂型の姿勢を変更させることによって、該内部空間への気泡の滞留を回避することが考えられるが、砂型上部に形成された押し湯部の溶湯は十分に凝固しておらず、姿勢を変更するとこの未凝固の溶湯が流出するおそれがあり、さらに押し湯部の形状が変化し、押し湯部を位置決めして該押し湯部を切断する場合に、安定した切断作業ができない。
そこで、本発明は、金型と砂型とを組み合わせて鋳型装置が構成され、鋳込み後、金型が分離されて砂型と鋳物とが冷却水に浸漬されたときに、効果的に冷却又は焼入れを行うことができる鋳型装置及び鋳物の製造方法を提供する。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、金型と、該金型との対向面の反対側に押し湯部が形成された砂型とを有し、型組立時に砂型に設けられた開口部が金型に密閉されることによりキャビティが形成され、前記開口部の周囲にキャビティの金型によって形成される面より金型側に突出する周壁部が設けられた鋳型装置であって、前記周壁部の内部を外部に連通させる切欠部が設けられていることを特徴とする。
この構成について図面を用いて簡単に説明すると、まず、図12に示すように、鋳型装置200は、砂型210の開口部211に金型220の凸部221が嵌合することによりキャビティ230が形成され、該キャビティ230には金属溶湯が鋳込まれて鋳物240が形成されている。そして、前記砂型210の開口部211周囲に金型220側に突出する周壁部212が設けられ、該周壁部212には切欠部213が設けられている。このとき、本来図中右側に存在すべき周壁部212′が切り欠かれることになる。
また、図13に示す鋳型装置300においては、図12に示したものと同様の開口部311を有する砂型310と、凹部321を有する金型320とが備えられている。そして、この凹部321と前記砂型310とでキャビティ330が形成され、該キャビティ330には金属溶湯が鋳込まれて鋳物340が形成されている。このとき、該金型320の凹部321の周囲を砂型310に押し当てることによって、開口部311が密閉され、キャビティ330が形成されている。また、砂型310のキャビティ330を形成しない部分に金型320側に突出する周壁部312が設けられ、該周壁部312に切欠部313が設けられている。このとき、本来図中右側に存在すべき周壁部312′が切り欠かれることになる。
また、請求項2に記載の発明は、金型と、該金型との対向面の反対側に押し湯部が形成された砂型とを有し、型組立時に砂型に設けられた開口部が金型に密閉されることによりキャビティが形成され、前記開口部の周囲にキャビティの金型によって形成される面より金型側に突出する周壁部が設けられた構造とされた鋳型装置を用いる鋳物の鋳造方法であって、前記周壁部の内部を外部に連通させる切欠部が設けられた砂型と金型とを合わせる型組立工程と、該型組立工程により砂型と金型とで形成されるキャビティに金属溶湯を鋳込む鋳込み工程と、該鋳込み工程後、鋳物を砂型側に残して該砂型と金型とを分離する型開き工程と、開口部側が下側に位置する姿勢で鋳物が残された砂型を冷却槽に浸漬する冷却工程とを含むことを特徴とする。
なお、冷却工程において、砂型及び鋳物を冷却液に浸漬するときに、該砂型及び鋳物を受台に載置した後で該受台を冷却液に浸漬する他、冷却液中に既に浸漬された受台上に該砂型及び鋳物を載置するようにしてもよい。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の鋳物の製造方法において、前記冷却工程では、冷却槽内で前記周壁部の切欠部が設けられた部分が他の部分に対して上方に位置するように鋳物が残された砂型を傾斜させて受台に載置していることを特徴とする。
即ち、この冷却工程においては、冷却槽内に浸漬されている砂型が周壁部の切欠部を上方に位置するように受台に載置されているものである。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項2または請求項3に記載の鋳物の製造方法において、鋳物は、軽合金製鋳物であると共に、前記冷却工程は、軽合金製鋳物の焼入れ処理工程であることを特徴とする。
そして、請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の鋳物の製造方法において、前記軽合金製鋳物は、アルミニウム合金製のシリンダヘッドであると共に、金型で形成される鋳物の表面は、シリンダヘッドの燃焼室側に設定されていることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、砂型と金型とを組み合わせて鋳型装置が構成され、砂型の開口部周囲に強度確保のための周壁部が設けられていると共に、該周壁部に切欠部が設けられているので、金型が分離され、鋳物が残った状態の砂型が冷却液に浸漬されたときに、鋳物表面の金型によって形成された部分に溜まった気泡を前記切欠部から自動的に排出させることができ、冷却効果或いは焼入れ効果の向上が実現される。具体的には、工程時間の短縮及び製品の寸法精度及び疲労強度等の機械的性質の向上が実現される。
なお、砂型と鋳物とが冷却液に浸漬される際に、鋳物表面の金型によって形成された部分が下側に位置する姿勢を保持させるので、未凝固の押し湯部の溶湯が流出することがない。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記請求項1に記載の発明の鋳型装置を準備し、この鋳型装置の型組立を行い、次に、キャビティに金属溶湯を鋳込み、鋳込み後、金型を分離させて、砂型と鋳物とを冷却液が収容された冷却槽に浸漬させるので、鋳物表面の金型によって形成された部分に溜まった気泡を切欠部から自動的に排出させることができ、前記請求項1に記載の発明と同様の効果が得られる。
一方、請求項3に記載の発明によれば、冷却工程において、冷却槽内で、砂型の周壁部の切欠部が設けられた部分が他の部分に対して上方に位置するように砂型と鋳物とを傾斜させて受台に載置している状態とされるので、鋳物表面の金型によって形成された部分に溜まった気泡が積極的にかつ確実に切欠部から排出されることになる。
さらに、請求項4に記載の発明によれば、前述の切欠部からの気泡の排出によって、軽合金製鋳物の焼入れ処理が安定して行われるので、該焼入れ処理により得られる鋳物の機械的性質の向上が図られる。
そして、請求項5に記載の発明によれば、金型の成形によりシリンダヘッドの燃焼室側の寸法精度の向上及び組織の緻密化が図られて強度が向上すると共に、焼入れの際に前述の切欠部からの気泡の排出によって、アルミニウム合金製のシリンダヘッドの機械的性質の向上が図られる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る鋳型装置1は、エンジンのシリンダヘッドの鋳造に用いるものであって、複数の砂型を組み合わせて構成された上型2と、金属製の下型3と、上型2と下型3とで構成された後述するキャビティ4(図5参照)内に配置されたウォータージャケット中子5…5と、吸気ポート及び排気ポート用中子6…6(図6参照)とを有している。そして、キャビティ4にアルミニウム合金の金属溶湯を充填させて鋳物7(図5参照)を生成させる。
砂型で構成された上型2には、上側部に軽合金溶湯としてのアルミニウム合金溶湯を注入させるための湯口20と、上部に該湯口20に連通する押し湯部21と、該押し湯部21からキャビティ4に連通する複数の湯道22…22とが形成されている。また、上型3は、キャビティ4を構成する開口部23を有している。そして、該開口部23の周囲に金型3側に突出する周壁部24が設けられている。さらに、該周壁部24の図中右側には、該周壁部24の内部と外部とを連通させる切欠部25が設けられている。この切欠部25は、キャビティ4の図中右側の周壁部24を切欠いて形成され、その深さは周壁部24の下端からキャビティ4の下端に至るように形成される。さらに、周壁部24には、下型3に対して位置決めを行うための溝26a,26bが設けられている。
一方、金属製の下型3は、中央付近に上方に突出する凸部30を形成した形状であると共に、該凸部にはエンジンの燃焼室を形成するための4つの突出部31…31が形成されている。また、前記上型2に設けられた溝26aに対応して設けられた嵌合部32aと、溝26bに対応して突設された嵌合部32bとが設けられている。
そして、該下型3の中央部分に形成された凸部30が前記上型2の開口部23に嵌合することにより、該開口部23が閉塞され、キャビティ4が形成される。
また、湯口20から注入するアルミニウム合金は、JIS規格AC4Bで示されるアルミニウム合金を用いる。このアルミニウム合金は、Cuが2.0〜4.0%、Siが7.0〜10.0%、Mgが0.6%以下、Znが1.0%以下、Feが1.2%以下、Mnが0.8%以下、Niが0.5%以下、Tiが0.2%以下、残部がアルミニウムの合金である。
図2、3は、冷却装置100の構造を示す。この冷却装置100は、冷却水Wが収容された冷却槽101と、該冷却槽101に浸漬された複数の受台102…102と、これらの受台102…102を円周状に並べて支持すると共に、該受台102…102を円周上に移動させる回転機構103と、受渡位置Rにおいて鋳込み後の上型2及び鋳物7を前記受台102に受け渡すと共に冷却、焼入れ後の上型2及び鋳物7を受台102から取り出す受渡機構104とを有している。
前記冷却槽101は平面視円筒状に形成され、該冷却槽101には90℃以上に設定された冷却水Wが収容されている。また、冷却槽101の受渡位置Rには、該冷却槽101の円筒外側に膨出する膨出部111が設けられている。
また、前記受台102は、平面視略コ字状に形成されたフレーム部材120と、該フレーム部材120の両側部から突出する複数の棒部材121…121と、上型2及び鋳物7を係止するストッパ122とを有している。また、該受台102は、冷却槽101の円筒外側方向が低位に位置するようにフレーム部材120及び棒部材121…121が傾斜して設けられている。
前記回転機構103は、前記受台102のフレーム部材120を支持する支持部材130と、該支持部材130の下端に連結された下部部材131と、支持部材130の上端を支持する平面視円筒状の回転テーブル132と、該回転テーブル132の円筒中心において上下に延びる回転軸133と、該回転軸133の下端に連結された従動ギヤ134と、該従動ギヤ134に噛合する駆動ギヤ135と、該駆動ギヤ134を間欠的に所定角度回転させる駆動源136とを有している。
前記受渡機構104は、同方向に延設された一対の支持部材140,140及びそれぞれの支持部材140,140に直交して配備された複数の棒部材141…141が備えられた受け部142と、該受け部142を移動させる図示しない移動機構とを有している。また、前記受台102の傾斜に対応して受渡機構104の受け部142は、冷却槽101の円筒外側方向が高位に位置するように傾斜して設けられている。そして、前記支持部材140,140にはそれぞれストッパ143,143が設けられている。なお、上記受台102及び受け部142の傾斜角度は、10〜30°になるように設定されている。
なお、前記上型2は請求項1に記載の鋳型装置における砂型に相当し、前記下型3は同じく金型に相当する。
次に、以上のような構成の鋳型装置1及び冷却装置100を用いて軽合金製のシリンダヘッドを鋳造するプロセスについて図4を用いて説明する。
まず、ステップS1の準備工程では、図1に示したような砂型を組み合わせて構成された上型2と金属製の下型3とを準備する。
次に、ステップS2の型組立工程では、図5、6に示すように、前記ステップS1で準備した上型2の開口部23に下型3の凸部30が嵌合するように、該上型2と下型3とを合わせる。このとき、上型2に形成された溝26aが下型3に形成された嵌合部32aに、溝26bが嵌合部32bにそれぞれ嵌合され、上型2と下型3との位置決めが行われることになる。
そして、ステップS3の鋳込み工程では、図5、6に示すように、湯口20から金属溶湯を注入し、押し湯部21、湯道22を介してキャビティ4に金属溶湯を充填させる。
次に、ステップS4の型開き工程では、金属溶湯を鋳込んだ鋳型装置1から下型3を分離する。その結果、図7、8に示すように、下型3により形成された鋳物7の表面7aが露出することになる。このとき、周壁部24を構成する4辺24a〜24dのうち、1つの辺24dを切欠いて設けられた切欠部25によって、周壁部24により囲まれた内部空間Sが外部に連通することになる。こなお、鋳物表面7aと上型2の周壁部24に設けられた切欠部25の上端とは同じ高さに位置している。
そして、ステップS5の焼入れ工程では、前記ステップS4で得られた上型2及び鋳物7を90℃以上の水温に設定された冷却水Wに浸漬して、焼入れを行う。
このとき、冷却装置100において、まず回転機構103により受渡位置Rに搬入された一対の受台102,102に載置された一対の上型2及び鋳物7を受渡機構104により冷却槽101から取り出す。つまり、図9の矢印アに示すように受け部142を移動させ、受渡機構104の支持部材140及び棒部材141…141を、受台102の下側から該受台102に備えられた棒部材121…121の間に通過させて、該受台120上の上型2及び鋳物7を受け取る。そして、受け取った上型2及び鋳物7は、冷却水Wから引き上げられて時効処理等を行う次工程に受け渡される。
次に、受渡装置102の受け部142に前記ステップS4で得られた上型2及び鋳物7が載置される。そして、図10の矢印イに示すように受け部142を移動させ、受渡機構104の支持部材140及び棒部材141…141を、受台102の上側から該受台102に備えられた棒部材121…121の間に通過させて、受け部142上の上型2及び鋳物7を冷却水Wに浸漬させると共に受台102に受け渡す。
このように上型2及び鋳物7を受台102に受け渡した後、回転機構103は所定角度回転して該上型2及び鋳物7を受渡位置Rから搬出させると共に、同時に受渡位置Rに搬入された受台102に対して同様の作業が行われることになる。
一方、図11に示すように、上型2及び鋳物7を冷却水Wに浸漬し、受台102に載置したときに、上型2の周壁部24に設けられた切欠部25を介して、周壁部24の内部空間Sに滞留する気泡x、及び高温の鋳物表面に冷却水が接触して蒸気化することにより生成された気泡xが、自動的に排出されることになる。(請求項1、2に記載の発明の趣旨に相当)さらに、上型2の周壁部24の切欠部25が設けられた部分が上方に位置するように、上型2及び鋳物7が受台102に傾斜して載置されることから、切欠部25から積極的に気泡xが排出されることになる(請求項3に記載の発明の趣旨に相当)。
ところで、この実施の形態においては、図6に表したように、切欠部25は周壁部24の1つの辺24d全体を切り欠くことによって形成しているが、このような形態に限らず、例えば周壁部24に孔等を穿設するようにしてもよく、周壁部24の内部空間Sと外部を連通するものであればよい。
以上のように、砂型で構成された上型2と金属製の下型3とを組み合わせて鋳型装置1が構成され、上型2の開口部23周囲に強度確保のために周壁部24が設けられていると共に、該周壁部24に切欠部25が設けられているので、下型3が分離され、鋳物7が残った状態の上型2が冷却液Wに浸漬されたときに、鋳物表面7aに溜まった気泡を前記切欠部25から自動的に排出させることができ、冷却効果或いは焼入れ効果の向上が実現され、具体的には工程時間の短縮及び製品の寸法精度及び疲労強度等の機械的性質の向上が実現される。
なお、上型2と鋳物7とが冷却液Wに浸漬される際に、鋳物表面7aが下側に位置する姿勢を保持させるので、未凝固の押し湯部21の溶湯が流出することがない。
一方、上型2の周壁部24の切欠部25が設けられた部分が他の部分に対して上方に位置するように上型2と鋳物7とを傾斜させて、冷却液Wが収容された冷却槽101に浸漬するので、鋳物表面7aに溜まった気泡が積極的にかつ確実に切欠部25から排出されることになる。
さらに、前述の切欠部25からの気泡の排出によって、軽合金製鋳物の焼入れ処理が安定して行われるので、該焼入れ処理により得られる鋳物7の機械的性質の向上が図られる。
また、焼入れの際に前述の切欠部25からの気泡の排出によって、アルミニウム合金製のシリンダヘッドの機械的性質の向上が図られる。
本発明は、金型と砂型とを組み合わせて鋳型装置が構成され、鋳込み後、金型が分離されて砂型と鋳物とが冷却水に浸漬されたときに、効果的に冷却又は焼入れを行うことができる鋳型装置及び鋳物の製造方法を提供する。本発明は、金型と砂型とを組み合わせて構成した鋳型を用いた鋳造技術の技術分野に広く好適である。
本発明の実施の形態に係る鋳物の斜視断面図である。 冷却装置の平面図である。 図2のA−A線による断面図である。 鋳物の製造工程を示すフローチャートである。 型組立工程及び鋳込み工程における鋳型装置の断面側面図である。 図5のB−B線による断面図である。 型開き工程における鋳型装置の断面側面図である。 同斜視図である。 冷却装置において上型及び鋳物を受台から取り出す動作図である。 冷却装置において上型及び鋳物を受台に載置する動作図である。 切欠部を介した気泡の排出動作を示す動作図である。 凸部を有する金型を用いた場合の説明図である。 凹部を有する金型を用いた場合の説明図である。
符号の説明
1 鋳型装置
2 上型
3 下型
4 キャビティ
7 鋳物
21 押し湯部
23 開口部
24 周壁部
25 切欠部
101 冷却槽
102 受台

Claims (5)

  1. 金型と、該金型との対向面の反対側に押し湯部が形成された砂型とを有し、型組立時に砂型に設けられた開口部が金型に密閉されることによりキャビティが形成され、前記開口部の周囲にキャビティの金型によって形成される面より金型側に突出する周壁部が設けられた鋳型装置であって、
    前記周壁部の内部を外部に連通させる切欠部が設けられていることを特徴とする鋳型装置。
  2. 金型と、該金型との対向面の反対側に押し湯部が形成された砂型とを有し、型組立時に砂型に設けられた開口部が金型に密閉されることによりキャビティが形成され、前記開口部の周囲にキャビティの金型によって形成される面より金型側に突出する周壁部が設けられた構造とされた鋳型装置を用いる鋳物の鋳造方法であって、前記周壁部の内部を外部に連通させる切欠部が設けられた砂型と金型とを合わせる型組立工程と、
    該型組立工程により砂型と金型とで形成されるキャビティに金属溶湯を鋳込む鋳込み工程と、
    該鋳込み工程後、鋳物を砂型側に残して該砂型と金型とを分離する型開き工程と、
    開口部側が下側に位置する姿勢で鋳物が残された砂型を冷却槽に浸漬する冷却工程とを含むことを特徴とする鋳物の製造方法。
  3. 前記請求項2に記載の鋳物の製造方法において、
    前記冷却工程では、冷却槽内で前記周壁部の切欠部が設けられた部分が他の部分に対して上方に位置するように鋳物が残された砂型を傾斜させて受台に載置していることを特徴とする鋳物の製造方法。
  4. 前記請求項2または請求項3に記載の鋳物の製造方法において、
    鋳物は、軽合金製鋳物であると共に、
    前記冷却工程は、軽合金製鋳物の焼入れ処理工程であることを特徴とする鋳物の製造方法。
  5. 前記請求項4に記載の鋳物の製造方法において、
    前記軽合金製鋳物は、アルミニウム合金製のシリンダヘッドであると共に、
    金型で形成される鋳物の表面は、シリンダヘッドの燃焼室側に設定されていることを特徴とする鋳物の製造方法。
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