JP2006247482A - 3本ロールミル装置 - Google Patents

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Shinichi Yamashita
伸一 山下
Kunihiko Tachibana
邦彦 橘
Makoto Kanegasaki
誠 金ヶ崎
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Abstract

【課題】突発的なロール端部からのペースト漏れを防止することで、ロールの連続運転を可能とし、生産効率を向上可能な、また、飛び散ったペーストの拭き取りや周辺部分を清掃する手間やペーストロスをなくし、収率向上が可能な、ペースト漏れ防止機能付き3本ロールミル装置を提供する。
【解決手段】前ロールと中ロールと後ロールからなる3本ロールと、中ロールと後ロールの間に設けられた堰板とを有する、ペーストを分散または/および混練するための3本ロールミル装置において、前ロールおよび/または中ロールからのペースト漏れを防止するペースト漏れ防止手段を有することを特徴とする3本ロールミル装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子部品材料、塗料、ワニス、顔料、印刷インキ、ゴム製品などの粘性流体や固形分を含有する液体(ペースト)の分散や混練を行うための3本ロールミル装置に関する。
従来より、粘性液体やペーストなどの分散や混練を行う装置として、3本ロールミル装置、ナノミル装置、プラネタリーミキサー装置、ローラミル装置などが知られている。これらは、粘性液体やペーストの粘度、その他の物理的特性によって、使い分けられてきた。その中でも3本ロールミル装置は手軽で使いやすいため、古くから使用されてきた。
3本ロールミル装置は、後ロール(フィールドロール)、中ロール(センターロール)、前ロール(エプロンロール)の3つのロールから成り、そのロール周速比は例えば1:3:9のように後ロール→中ロール→前ロールの順で高速回転する。実際のロール運転では、後、中ロール上の左右に堰板があり、この堰板と後、中ロール上の空間にペーストを貯め、後ロールから中ロールへ、中ロールから前ロール表面へとペーストを転写させ、最後にブレード(スクレーパ)で前ロール表面上のペーストを掻き取っている。粘性液体あるいはペ−ストはこの3本ロールの間隙を通過することにより、分散される。分散度はロール間隙およびロール締め圧、ロール回転数、ロールを通す回数によって決まる。一般的にロール間隙が狭いほど、またロール締め圧が高いほど、分散性は良くなる。
ただし、極端に狭いロール間隙の状態でロールを長時間運転した場合、ペーストのずり応力による発熱でロール表面温度が急激に上昇し、それに伴いペースト温度も上昇するた、ペースト品質に悪影響を及ぼすことがある。そのため、それぞれのペーストの特性に合せてロール間隙、ロール締め圧、ロール回転数を設定する必要がある。具体的には特許文献1に記載の方法などが知られている。
3本ロールミル装置を連続運転するためには、後、中ロール上に常にペーストを供給する手段が必要である。そのため、一般的に後、中ロール上にペーストを貯めるための、いわゆる堰板が存在する。この堰板により、ロールからのペーストの横漏れするのを防止することができる。前ロール表面に付着したペーストはブレードにより掻き取られるが、前ロールへのブレード押し圧が弱いとペーストが完全に掻き取られず、前ロールへのリターン(戻り)ペーストが多くなる。また、ブレードの長手方向の前ロールへの接触が不均一な場合、ブレードとロールとの間に隙間が生じ、その部分についてはペーストをきれいに掻き取ることができない。また、たとえ均一に接触していた場合でも、ブレード押し圧が極端に低い場合は、ブレードの左右の前ロールへの「当たり」が不均一となり、ペーストの掻き取り量が左右で異なり、その結果、分散性が悪くなる。
3本ロールの後、中ロール間の間隙および前、中ロール間の間隙についてはロール間隙をデジタルまたはアナログで数値を読みとり、作業者がロール間隙を調整する。これまで、ロール間隙が自動化された3本ロールミル装置は知られていない。そのため、作業者が常にロール間隙の数値を読みとり、初期設定値からズレが生じた場合、作業者がロール間隙を修正している。運転前に初期設定値を設定し、ロール運転を開始するとロール間隙が初期設定値よりも大きく開いていることがある。これはロール回転による振動で少しずつ軸が振れるため、あるいはペースト中の大きな塊の通過などによって、ロール間隙が徐々に広くなるためと考えられる。
ロール周速比については、例えば後ロール周速:中ロール周速:前ロール周速=1:3:9のようなある周速比になっており、通常はその比は固定である。
このようにして、ロール間隙、ロール回転数を設定し、ブレードの掻き取りも正常な状態でロール運転を開始し、ある時間が経つと前ロールの端部からペーストが漏れることがある。この現象が起きた場合は、ロールの回転による遠心力によって、周辺にペーストが飛び散るため、ロール運転を一時中断し、ロール間隙を再調整し、清掃する必要があり、生産効率が非常に悪い。さらに重大な問題として、ロール端部から漏れたペーストは前、中ロール間を通過していないため、分散されていない。そのため、分散されていないペーストが混入し、その結果、分散不良の製品となる。
ロール端部からのペースト漏れが発生する原因としては
(1)後、中ロール間隙/前、中ロール間隙のバランス崩れによる前、中ロールでのペーストの横漏れ
(2)堰板内のペースト量過剰による堰板からの溢れ
(3)堰板の摩耗によるロールとの隙間からのペースト漏れ
(4)ロール接触部分のブレードの摩耗
(5)ロールへのブレードの当たり不良(ブレード押し圧の不均一)
が考えられる。
このうち、(2)堰板内のペースト量過剰による堰板からの溢れについては、ペースト供給量を一定となるような機能の付与によって、あるいは満量時に一時供給を制御するような機能を付与すれば対処することができる。(3)堰板の摩耗による堰板とロールとの隙間からのペースト漏れについては、事前点検によって確認することができる。また、液溜め部のシール性を向上させた液溜めブロックなどが知られており、これを用いることにより対処することができる(例えば、特許文献2参照)。(4)ロール接触部分のブレードの摩耗についても、事前点検によって対処できる。(5)ロールへのブレードの当たり不良(ブレード押し圧の不均一)については、運転開始前に左右のブレード押し圧力の確認と初期運転中の微調整によって対処することができる。
しかしながら、(1)後、中ロール間隙/前、中ロール間隙のバランス崩れによる前、中ロールでのペーストの横漏れについては、運転中に突発で起きるため、事前に対処する手段がない。
この現象が起きる原因としては、例えば運転中のロールの発熱により、ロールが膨張し、ロール間隙が徐々に変化するため、あるいは後、中ロール堰板内のペースト量の多少によって、そのヘッド圧により、ロール間隙が広がるため、ロール回転による振動、ペースト中の大きな塊の通過などによって、徐々にロール間隙が変化し、初期設定値と差が生じるためと考えられる。これらはいずれも偶発的な原因によるものであり、ロール端部からのペースト漏れは突発的に発生し、ほとんど予知することができない。そのため、作業者は、正常状態でロール運転していた場合でも、常に前ロール端部からペースト漏れが発生していないか監視しておく必要がある。ペースト漏れを作業者が発生した場合は、ロール運転を中止し、ロールおよび周辺に飛び散ったペーストの清掃を行った後、再度ロール間隙の調整を行い、運転を再開する。
このようなペースト漏れが一旦生じると、作業者は、堰板間隙を狭くする、あるいは前ロール回転数を上げる、あるいは後中ロール間隙を狭くすることにより、ペーストの漏れを防ぐことが出来る。ただし、これまではペースト漏れを検知し、自動的に堰板に間隙を狭くする、あるいはロール間隙やロール締め圧を調整する、あるいは回転数を調整するなどの機能がないため、ペースト漏れが発生した場合、その度ごとに作業者がロール回転を停止し、その作業を行わなければならなかった。さらに、前ロールからペースト漏れが発生してからしばらく経って作業者がこれに気付いた場合、ペーストのロスが多くなり、また、周辺に飛び散ったペースト量も多くなるため、清掃に時間がかかるという欠点があった。さらにペースト漏れが発生していないか常に作業者が監視する必要があった。
特開平6−302969号公報 特開平6−277592号公報
本発明の課題は、上記のような問題点に鑑み、3本ロールミル装置に関し、ロール端部からのペースト漏れを検知する機能を備え、ペーストが漏れた場合は、
(1)後、中ロールの堰板間隔
(2)後、前ロール回転数
(3)ロール間隙
(4)ロール締め圧
の設定を自動的に調整する機能を有する3本ロールミル装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る3本ロールミル装置は、前ロールと中ロールと後ロールからなる3本ロールと、中ロールと後ロールの間に設けられた堰板とを有する、ペーストを分散または/および混練するための3本ロールミル装置において、前ロールおよび/または中ロールからのペースト漏れを防止するペースト漏れ防止手段を有することを特徴とするものからなる。
この3本ロールミル装置においては、少なくともいずれかのロール端部にペースト漏れ検知手段を設けることができる。ロール端部に設置するペースト漏れ検知手段は、接触式、非接触式のいずれでもよい。漏れたペーストを検知する方法としては、例えば、レーザー光による反射率差や電気伝導度差、電位差などの一般的によく用いられているセンサなどを用いることができる。
また、本発明に係る3本ロールミル装置におけるペースト漏れ防止手段としては、堰板の間隙を制御する手段を用いることができる。あるいは、ペースト漏れ防止手段として、中ロールおよび/または後ロールの回転数を制御する手段を用いることもできる。この場合、制御手段として、ペースト漏れが発生した場合に前ロール回転数を高くする手段、あるいは、ペースト漏れが発生した場合に後ロール回転数を低くする手段を用いることもできる。また、ペースト漏れ防止手段として、中ロールと後ロールの間隙を制御する手段、あるいは、中ロールと後ロールのロール間圧力を制御する手段を用いることもできる。
すなわち、ロール端部からペースト漏れが発生した場合、ペースト漏れ検知手段が感知し、その信号を中央制御部に送る。その信号を受けて、中央制御部から(1)後、中ロールの堰板間隔、(2)後、前ロール回転数、(3)ロール間隙、(4)ロール締め圧(ロール間圧力)、を自動的に調整することにより、ロール端部からのペースト漏れを防止することができる。
本発明によれば、粘性液体やペーストの混練装置において、ロール端部からのペースト漏れを検知する機能を備え、ペースト漏れが発生した場合、
(1)後、中ロールの堰板間隔
(2)後、前ロール回転数
(3)ロール間隙
(4)ロール締め圧
の設定を自動的に調整する機能を有する3本ロールミル装置を提供することができる。これらの設定を自動的に調整することにより、ロール端部からの分散不良ペーストの混入が無くなり、品質向上が実現できると同時に、端部からのペースト漏れによるロール運転の一時中断が無くなり、連続運転が可能となる。また、飛び散ったペーストの拭き取りや周辺部分を清掃する手間がなくなり、生産効率および収率が飛躍的に向上する。さらに、作業者によりペースト漏れを監視する必要がなくなり、省人化も実現することができる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1(A)は、前ロール(エプロンロール)1、中ロール(センターロール)2、後ロール(フィールドロール)3と、ペーストを掻き取る為のブレード(スクレーパ)4から成る一般的によく知られている3本ロールミル装置を示している。図1(B)は、後、中ロール間隙/前、中ロール間隙のバランスが崩れた状態、すなわち前ロール端部からペーストが漏れた状態5を示している。
図2に、バランスが崩れた時のロール間隙とペースト膜厚との関係を示す。一般的に後、中、前ロールの周速比は1:3:9であるため、前ロール表面のペースト膜厚8<中ロール表面のペースト膜厚9<後ロール表面のペースト膜厚10の順になる。これは後ロール表面上のペーストがそれより速い回転をしている中ロール表面に転写される際に、薄く引き延ばされるからである。中ロールから前ロールへの転写についても同様である。後ロール表面上のペーストは完全に中ロールに転写される場合もあれば、後ロールにリターン(戻り)される場合もある。後ロール表面のペーストが中ロールに完全に転写される場合は、理論上は後、中ロール回転比(周速比)1:3であれば、後ロール膜厚と中ロール膜厚の比は理論上3:1になる。しかしながら、現実にはペーストの表面張力や粘度、ロールからロールへの転写率などにより、このような理論比にはならない。そのため、後、中ロール間隙7>前、中ロール間隙6の場合、問題にはならないが、後、中ロール間隙7≫前、中ロール間隙6の場合、前、中ロール間隙6<中ロール膜厚9となる場合があり、このとき、中ロール表面上のペーストが前、中ロールを通過する際、薄く引き延ばされても、中ロールでの膜厚が厚いために、前ロールにてペーストの横漏れが起き、ロール端部からペーストが漏れる。
図3にペースト漏れ検知手段としてのペースト漏れ検知装置を示す。ペースト漏れ検知装置11はペースト漏れを検知できる場所であればどこに設置してもかまわない。ただし、飛び散ったペーストが付着する場所には設置しない方がよい。飛び散ったペーストによって検知装置が汚染され、故障の原因になったり、もしくは清掃が必要となるからである。また、ペースト付着による誤作動も考えられるからである。
ペースト漏れ検知装置11は、少なくともロールの左右のどちらかのペースト漏れを検知すればよいが、左右両端部からの漏れを検知する方がより好ましい。なぜならば、片側の端部からのみペースト漏れが発生する場合もあるからである。
ペースト漏れが発生したら、ロール端部からのペースト漏れ検知装置11により、中央制御部12に信号が送られる。その信号を受けて、堰板が後中ロール上を自由に移動する。堰板は通常、図4に示すように、堰板本体13と前、中ロール上に密着して固定するための軸14からなっている。堰板の軸14を油圧ピストン15(あるいはリニアモータなど)でゆっくりと動かすことにより、堰板本体13の間隔を狭くする。こうすることにより、後ロールの塗布幅が狭くなるため、たとえ後ロール→中ロール→前ロールと徐々にロール塗布幅が広くなっても、最終的に前ロールの端部にまで塗布幅が広がらないため、端部からのペースト漏れは発生しない。
堰板の軸14を油圧シリンダ(あるいはリニアモータなど)で可変することにより堰板本体13を移動させるが、その移動速度は1cm/5秒〜60秒程度であることが好ましい。あまり遅い速度で移動すると端部からのペースト漏れが収まる時間が長くかかり、ペーストのロス量が多くなる。さらに、周辺へのペースト飛び散りが多くなり、清掃に時間がかかるなど問題がある。一方、あまり速い速度で堰板を移動させた場合、後、中ロール2,3と堰板本体13とが完全に密着していた状態が崩れ、ロールと堰板との間に隙間が生じ、ペーストが洩れることがある。堰板を移動する際、ロールは運転状態でも、停止している状態でもそのどちらでもよい。より好ましくは運転中に移動させることである。なぜなら、その間、生産し続けることが出来るからである。
また、一旦移動した堰板は、ペーストの漏れがなくなってからしばらく経過してから、再び元の位置に戻すこともできる。こうすることにより塗布幅が元に戻り、生産性が上がるからである。ただし、端部からの漏れが再発した場合、堰板の移動は停止する。
堰板を内側に移動する距離は出来るだけ短い方が好ましい。堰板間隙をあまり狭くするとロールの塗布幅が狭くなり、前ロールで吐出量が減少し、生産性が悪くなるからである。そのため、移動距離は端部からのペースト漏れ量にもよるが、ロール長さをLとしたとき1L/100〜1L/5程度が好ましい。また、より好ましくは段階的に移動する方法である。すなわち、ペースト漏れが発生した場合、まず、1L/100の距離だけ堰板を内側に移動させる。その状態でしばらく運転し、それでもロール端部からのペースト漏れが収まらない場合、更に1L/100だけ内側に移動させる。この操作をペースト漏れが収まるまで段階的に繰り返し行う。こうすることにより、堰板の移動距離が必要最低限で済み、ロール塗布幅を最大限に広くすることができるため、吐出量、すなわち生産量を必要以上に落とすことなく生産を続けることができる。また、ロールの片側だけからペーストが漏れていた場合、その漏れている側の堰板のみを内側に移動させると、ロール塗布幅を必要以上に狭くすることなく、生産性が上がるため、より好ましい。
堰板の材質としては、ペーストに侵されない材質でかつロールとの密着性がよいものであればどのような材質でもよい。ロールとの摩耗が激しすぎる材料は好ましくない。用いる材料としては、例えば超高分子ポリエチレンなどがある。堰板の軸の材料は特に限定されないが錆が生じないSUS304製を用いることが好ましい。
堰板を移動させる手段としては、例えば油圧シリンダあるいはリニアモータ、ギア、ベルト、チェーン、コンベア、エアシリンダなどがある。堰板の移動の際に大きな振動や発塵がないものであれば、その移動手段については特に限定されない。
ロール端部からのペースト漏れを防止する方法として、堰板間隔を変える方法以外に後ロールあるいは前ロール回転数を変える方法がある。3本ロール装置において、ペーストの分散に寄与する要因としては、ロール間隙がある。ロール運転する際の設定にはロール締め圧やロール回転数などがあるが、分散に関して、ロール回転数は大きな要因とはならない。そのため、本発明で述べるロール回転数を可変した場合でも、品質異常を起こすことなくロール端部からのペ−スト漏れを防止することができる。その具体的な説明を以下に述べる。
一般的に、3本ロールはロール周速比が後ロール:中ロール:前ロール=1:3:9という具合に固定である。これを可変できるタイプのギアを用いるか、あるいは初めから後、中、前ロールがそれぞれ独立に回転を設定できる3本ロールを用いる。ペースト漏れが発生した場合は、前ロールの回転数を上げることにより、より多くの量のペーストが前ロールに転写されるため、ペースト漏れが収まる。前ロール回転数の上げ幅は1:3:9の周速比であったのを1:3:9.9〜18の範囲にすることが好ましい。回転数で言えば、初期設定の1.1倍〜2倍程度が好ましい。前ロール周速比を18.9、すなわち回転数を2.1倍以上に上げた場合、前ロール表面温度が急激に上昇し、それに伴いペースト温度も上昇し、粘度や揮発成分比が変化するため、品質異常となる可能性がある。これを防止する方法としては、例えばロールの表面温度をモニタリングし、表面温度がある温度以上になった場合、ロール回転数をそれ以上に上げることができないような機能を付与することもできる。
一方、前ロールの回転数を上げる方法とは逆に後ロールの回転数を落とすことにより、中ロールへの転写量の減少(=前ロールへの転写量の減少)となり、ロール端部からのペ−スト漏れを防止することができる。ただし、この場合、ロール回転数を低下させたことによって転写量が減少するため、生産量は落ちる。
さらにペ−スト漏れを防ぐ手段として、ロール間隙を調整することもできる。ただし、ロール間隙の調整はペーストの分散性に大きな影響を及ぼすため、注意を要する。すなわち、ロール間隙を広くした場合、分散性が極端に落ち、品質異常となる場合があるからである。一方、ロール間隙を狭くする場合には、分散はさらに進む方向にあるため、問題ない。
そのため、ロール間隙の調整は狭くする場合のみとし、決して広くしてはならない。実際には、ロール端部からのペースト漏れが発生した場合、例えば後ロールの間隙を狭くする。後、中ロー間隙7を狭くすることにより、後ロール膜厚10が薄くなり、それが中ロールに転写され、中ロール膜厚9が薄くなるため、前、中ロール間隙6からはみ出ることなく前ロールに転写されるため、ロール端部からの漏れがなくなる。
後、中ロール間隙の減少量は、例えば、初期設定値の0.5〜0.9倍までの範囲が好ましく、調整は段階的的に行うことが好ましい。例えば、0.1倍ずつ狭く調整する。
ロールはその材質およびロール長にもよるが、長手方向に対して、いわゆる「たわみ」が発生する。そのため、ロールの周方向については少なくとも0度、90度、180度、270度の4点を含む測定点を、ロール長手方向については少なくともロールの両端部と中央部の3点を含むそれ以上の測定点を測定し、その平均値を本発明ではロール間隙とする。ロール間隙の測定はリアルタイムで行うことが好ましい。ロール間隙およびロール締め圧の調整は油圧シリンダ方式など、精度良く調整できる方法であればどのような方法でもよい。
また、ロール締め圧についてもロール間隙の調整と同様に、ペースト漏れを防止することができる。すなわち、「ロール締め圧(ロール間圧力9を上げる」ことは「ロール間隙を狭くする」と同じ効果がある。そのため、前ロールからペースト漏れが発生した場合、「後ロールの間隙を狭くする」代わりに「後ロール締め圧を上げる」ことでペ−スト漏れを防ぐことが出来る。締め圧の調整は設定値の1.1〜2.0倍ぐらいが好ましい。ただし、前ロールの締め圧を緩めることは好ましくない。緩めることにより、ペーストの分散性が落ちるためである。
上記のような方式で、ペースト漏れを防止する場合の、自動制御のフローの一例を図5に示す。図5に示す制御では、ペースト漏れが検知されたら、先ず、堰板間隙の制御でペースト漏れを解消し、堰板間隙制御だけではペースト漏れを解消し切れない場合には、後ロール回転数やロール間隙、ロール締め圧の調整等を行ってペースト漏れを解消するようにしている。例えば、何らかの原因でペースト漏れ量が多くなりすぎ、このような制御では解消し切れない場合のみ、例えばアラーム警告を発する、あるいはそれに続いて装置の運転を停止するようにすればよい。
以下に、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
蛍光体の緑(グリーン)粉末とエチルセルロース溶液(粘度約72,000mPa・s、25℃)とベンジルアルコールを1:1:0.2の比率で150Lプラネタリーミキサーの下釜に総量150kg仕込む。その後、プラネタリーミキサーで1時間攪拌する(粘度62,300mPa・s 25℃)。下釜に蓋をセットし、定量ポンプにて16kg/分の量のペーストを3本ロールの後中ロール上に送液した。後中ロール間隙30μm、前中ロール間隙10μmに設定し、後ロール締め圧2.5MPa、前ロール締め圧2.5MPa、前ロール回転30rpm、ロール冷却水温度16℃にて運転を行った。ペースト漏れ検知装置については、オムロン(株)製の液漏れセンサ(漏液検出器)を用いた。150kgのペーストを3バッチ分、即ち、450kg分のペーストを連続で3本ロールミル装置に通した。途中、2回液漏れセンサが働き、堰板間隙が自動的に調整したが、前ロール端部からの漏れが全く発生することなく、ロールを連続運転することができた。
比較例1
実施例1と同様に、ペーストを16kg/分の流量で3本ロールの後中ロール上に送液した。ロール間隙、ロール締め圧、前ロール回転、ロール冷却水温度、混練条件をすべて同じにした。ただし、ロール端部からのペースト漏れ検知機能については付与しなかった。150kgのペーストを3バッチ分、即ち、450kg分のペーストを連続運転したところ、端部からのペースト漏れが3回発生し、その度毎に運転を中断、清掃を実施した。また、漏れたペースト総量も10.3kgであった。
このように、本発明のペースト漏れ防止機能付き3本ロールミル装置を用いてペーストを混練することで、ロール端部からのペースト漏れがなくなり、その結果、ロールの連続運転が可能となり、飛躍的に生産効率が上がる。また、漏れたペーストおよび周辺部分に飛び散ったペーストの清掃をする必要がなくなり、かつ、漏れたペースト分のロス減少となり、収率向上が可能となる。
本発明に係る3本ロールミル装置は、ペーストの分散や混練が要求され、ペーストの漏れ防止が要求されるあらゆる用途に適用できる。
一般的な3本ロールミル装置においてペースト漏れが発生した状態を示す図で、(A)は概略側面図、(B)は概略平面図である。 3本ロールミル装置における後、中ロール間隙/前、中ロール間隙とロール表面のペースト膜厚との関係を示す説明図である。 本発明の一実施態様に係る3本ロールミル装置を示す図で、(A)は概略平面図、(B)は概略側面図である。 本発明の一実施態様に係る3本ロールミル装置におけるペースト漏れ検出および堰板自動調整の一例を示す概略平面図である。 本発明の一実施態様に係る3本ロールミル装置におけるペースト漏れ防止制御の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 前ロール(エプロンロール)
2 中ロール(センターロール)
3 後ロール(フィールドロール)
4 ブレード(スクレーパ)
5 端部からのペースト漏れ
6 前、中ロール間隙
7 後、中ロール間隙
8 前ロールペースト膜厚
9 中ロールペースト膜厚
10 後ロールペースト膜厚
11 ペースト漏れ検出装置
12 中央制御部
13 堰板(堰板本体)
14 軸
15 油圧ピストン(またはリニアモータ)

Claims (8)

  1. 前ロールと中ロールと後ロールからなる3本ロールと、中ロールと後ロールの間に設けられた堰板とを有する、ペーストを分散または/および混練するための3本ロールミル装置において、前ロールおよび/または中ロールからのペースト漏れを防止するペースト漏れ防止手段を有することを特徴とする3本ロールミル装置。
  2. 少なくとも一つのロールの端部に、ペースト漏れを検知するペースト漏れ検知手段が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の3本ロールミル装置。
  3. 前記ペースト漏れ防止手段が、堰板の間隙を制御する手段であることを特徴とする、請求項1または2に記載の3本ロールミル装置。
  4. 前記ペースト漏れ防止手段が、中ロールおよび/または後ロールの回転数を制御する手段であることを特徴とする、請求項1または2に記載の3本ロールミル装置。
  5. 前記制御手段が、ペースト漏れが発生した場合に前ロール回転数を高くする手段であることを特徴とする、請求項4に記載の3本ロールミル装置。
  6. 前記制御手段が、ペースト漏れが発生した場合に後ロール回転数を低くする手段であることを特徴とする、請求項4に記載の3本ロールミル装置。
  7. 前記ペ−スト漏れ防止手段が、中ロールと後ロールの間隙を制御する手段であることを特徴とする、請求項1または2に記載の3本ロールミル装置。
  8. 前記ペ−スト漏れ防止手段が、中ロールと後ロールのロール間圧力を制御する手段であることを特徴とする、請求項1または2に記載の3本ロールミル装置。
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Cited By (3)

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